IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特開-パレット洗浄装置 図1
  • 特開-パレット洗浄装置 図2
  • 特開-パレット洗浄装置 図3
  • 特開-パレット洗浄装置 図4
  • 特開-パレット洗浄装置 図5
  • 特開-パレット洗浄装置 図6
  • 特開-パレット洗浄装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074159
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】パレット洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
B08B3/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185259
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西濱 淳盛
(72)【発明者】
【氏名】白木 貴之
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB13
3B201BB22
3B201BB33
3B201BB43
3B201BB44
3B201BB92
3B201CC12
(57)【要約】
【課題】装置を設置するためのスペースを省スペース化する。
【解決手段】パレット洗浄装置(100)は、複数のフォーク(10)と、フォーク移動機構(30)と、パレットを第1の水平方向に移動させることにより、パレットにフォーク(10)を挿入させる受入部(20)と、受入部(20)の上方に配置され、フォークに保持されたパレットを洗浄する洗浄部(40)と、洗浄され、フォーク(10)に保持されて移動されたパレットを、第1の水平方向に移動させることにより、フォークを脱離させる搬送部(81)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフォークと、
前記フォークを移動させるフォーク移動機構と、
パレットを第1の水平方向に移動させることにより、前記パレットの側面の挿入口に前記フォークを挿入させる受入部と、
前記受入部の上方に配置され、前記フォークに保持された前記パレットを洗浄する洗浄部と、
前記洗浄部で洗浄され、前記フォークに保持されて移動された前記パレットを、前記第1の水平方向に移動させることにより、前記挿入口から前記フォークを脱離させる搬送部と、を備えるパレット洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄部で洗浄された前記パレットを乾燥させる乾燥部を更に備える、請求項1に記載のパレット洗浄装置。
【請求項3】
前記乾燥部は、前記洗浄部から水平方向の位置に配置され、前記パレットの内部に向けて送風するブロワを備える第1乾燥部を含む、請求項2に記載のパレット洗浄装置。
【請求項4】
前記乾燥部は、前記搬送部によって搬送される前記パレットの表面に向けて送風するブロワを備える第2乾燥部を含む、請求項2に記載のパレット洗浄装置。
【請求項5】
前記乾燥部は、前記搬送部によって搬送される前記パレットを熱風乾燥する熱風乾燥装置を備える第3乾燥部を含む、請求項2に記載のパレット洗浄装置。
【請求項6】
前記熱風乾燥装置は、加熱された空気が導入される乾燥室と、空気を加熱する加熱装置とを備えており、前記加熱装置は、前記乾燥室の下方に位置している、請求項5に記載のパレット洗浄装置。
【請求項7】
前記フォーク移動機構は、前記フォークを上方向に移動させる第1移動部と、
前記第1移動部と連続しており、前記フォークの移動方向を変更する転回部と、
前記転回部と連続しており、前記フォークを下方向に移動させる第2移動部と、を備える、請求項1に記載のパレット洗浄装置。
【請求項8】
前記受入部には、前記第1移動部にある前記フォークが位置している、請求項7に記載のパレット洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄部には、前記転回部にある前記フォークが位置している、請求項7に記載のパレット洗浄装置。
【請求項10】
前記フォークに保持された前記パレットを積み重ねてパレット積層群とする積層部と、
前記パレット積層群を水平方向に移動させて搬出する搬出部と、を備える搬出モジュールを備える、請求項1に記載のパレット洗浄装置。
【請求項11】
前記搬出モジュールは更に、
前記搬送部が前記パレットを前記第1の水平方向に移動させることにより、前記パレットの側面の挿入口に前記フォークを挿入させる第2受入部と、
前記第2受入部において前記パレットに挿入された前記フォークを移動させる第2フォーク移動機構と、を備え、
前記第2フォーク移動機構は、
前記フォークを上方向に移動させる第3移動部と、
前記第3移動部と連続しており、前記複数のフォークの移動方向を変更する第2転回部と、
前記第2転回部と連続しており、前記複数のフォークを下方向に移動させる第4移動部と、を備えており、
前記積層部には、前記第4移動部にある前記フォークが位置している、請求項10に記載のパレット洗浄装置。
【請求項12】
前記第2受入部には、前記第3移動部または前記第2転回部にある前記フォークが位置している、請求項11に記載のパレット洗浄装置。
【請求項13】
洗浄後のパレットを撮影する撮影装置をさらに備える、請求項1に記載のパレット洗浄装置。
【請求項14】
洗浄後のパレットを撮影する撮影装置をさらに備え、
前記撮影装置は、前記第2転回部の上方に位置している、請求項11に記載のパレット洗浄装置。
【請求項15】
前記フォーク移動機構は、
少なくとも1対の、それぞれ上下方向に懸架された無端チェーンと、
少なくとも1対の前記無端チェーン間に亘って設けられた水平方向に長い板部材であって、それぞれの前記無端チェーンを構成するリンクに対して固定され、主面に垂直な方向が前記無端チェーンの軌道面内の前記軌道に直行する方向である板部材を有し、
前記板部材に前記フォークが、前記主面に垂直かつ外向きとなるように固定されている、請求項1に記載のパレット洗浄装置。
【請求項16】
前記無端チェーンの回転方向は一方向である、請求項15に記載のパレット洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貨物の輸送などに用いられるパレットの洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、貨物の輸送などに用いられるパレットなどの被洗浄物を洗浄する洗浄装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-52973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、装置を設置するために広いスペースを確保する必要がある。
【0005】
本発明の一態様は、装置を設置するためのスペースを省スペース化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係るパレット洗浄装置は、複数のフォークと、前記フォークを移動させるフォーク移動機構と、パレットを第1の水平方向に移動させることにより、前記パレットの側面の挿入口に前記フォークを挿入させる受入部と、前記受入部の上方に配置され、前記フォークに保持された前記パレットを洗浄する洗浄部と、前記洗浄部で洗浄され、前記フォークに保持されて移動された前記パレットを、前記第1の水平方向に移動させることにより、前記挿入口から前記フォークを脱離させる搬送部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、装置を設置するためのスペースを省スペース化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るパレット洗浄装置の概略側面図を示す。
図2】パレットを示す概略斜視図である。
図3】本開示の実施形態に係るパレット洗浄装置の部分的な概略上面図を示す。
図4】本開示の実施形態に係るフォーク移動機構の概略側面図を示す。
図5】本開示の実施形態に係るフォーク移動機構の概略上面図である。
図6図5における領域VIの拡大図である。
図7図4における領域VIIの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態〕
本開示に係るパレット洗浄装置の説明に先立ち、パレット洗浄装置の洗浄および乾燥の対象であるパレットについて説明する。図2は、パレットPを示す概略斜視図である。
【0010】
パレットPは、当該パレットP上に物品を積載した状態で、パレットPごと当該物品を輸送するための輸送具である。例えば、パレットPは、フォークリフトのフォークによって持ち上げられ、当該フォークリフトにより輸送され得る。パレットPは、例えば、上面デッキボードTDと、下面デッキボードBDと、接続部Cと、を有する。
【0011】
パレットPは、各側面に、上面デッキボードTD、下面デッキボードBD、および接続部Cによって囲まれた開口である挿入口Eを有する。挿入口Eに、フォークリフトのフォークが挿入されることにより、パレットPはフォークリフトによって輸送され得る。
【0012】
<パレット洗浄装置の構成>
以下、本開示の一態様に係るパレット洗浄装置100について、図1図7を用いて詳細に説明する。図面において、地面(設置面)に直交する方向をZ軸方向とし、上方向をZ軸正方向とする。また、後述する受入部20におけるパレットPの進行方向をX軸正方向(第1の水平方向)とする。X軸正方向を前方、X軸負方向を後方と称することもある。Y軸方向は、Z軸およびX軸と直交する方向である。Y軸方向を側方と称することもある。また、Y軸正方向を左方向、Y軸負方向を右方向と称することもある。
【0013】
図1は、本実施形態に係るパレット洗浄装置100の概略側面図を示す。図3は、本実施形態に係るパレット洗浄装置100の部分的な概略上面図を示す。
【0014】
図1に示すように、パレット洗浄装置100は、受入部20と、洗浄部40と、乾燥部60と、搬送部(コンベヤ81)と、搬出モジュール90とを備えている。パレット洗浄装置100はまた、パレットPの挿入口Eへの挿入が可能なフォーク10が取り付けられた、第1フォーク移動機構30Xおよび第2フォーク移動機構30Yを備えている。
【0015】
パレット洗浄装置100は、受入部20が備えるコンベヤ21、第1フォーク移動機構30X、コンベヤ81(搬送部)、および第2フォーク移動機構30YなどによってパレットPを輸送しつつ、パレットPに対する洗浄および乾燥を行う装置である。パレット洗浄装置100によって、パレットPは高圧で洗浄され得る。
【0016】
パレット洗浄装置100は、装置のほぼ全体が、図1に示すような、筐体Cに収容されていてもよい。図1の側面図および図3の上面図は、筐体Cの側面および上面を透過した状態で示しており、筐体Cの外形のみ示している。筐体Cは、パレット積層群PGが通過するための入口開口部および出口開口部を有している。筐体Cを備えることにより、パレットPの洗浄および乾燥に伴う洗浄液、水などの外部への飛散を防ぐことができる。
【0017】
パレット洗浄装置100は、各部を制御するCPU等のプロセッサにて構成された不図示の制御部を備えていてもよい。また、パレット洗浄装置100は、ユーザによって操作され、当該操作によってパレットPを洗浄するための不図示の操作部を備えていてもよい。以下では、パレット洗浄装置100が備える各部について詳述する。
【0018】
(受入部)
受入部20は、複数のパレットPが積み重ねられたパレット積層群PGを水平方向に移動させることによって、それぞれのパレットPの側面の挿入口Eにフォーク10を挿入させる。受入部20には、後述する第1フォーク移動機構30Xに取り付けられているフォーク10の少なくとも一部が位置している。
【0019】
図1および図3に示すように、受入部20は、コンベヤ21を備えている。コンベヤ21は、フォークリフトによって運搬されコンベヤ21上に載置されたパレット積層群PGを、X軸方向に輸送する。これにより、個々のパレットPの前方側面の挿入口Eに、第1フォーク移動機構30Xに取り付けられているフォーク10が挿入される。受入部20におけるフォーク10の上下の間隔は、パレット積層群PGにおける各パレットPの挿入口Eにフォーク10が挿入され得るよう、調整されている。
【0020】
図1および図3に示すように、受入部20は、パレットPの側面を洗浄する側面洗浄部22を備えていてもよい。側面洗浄部22は、パレットPの側面に向けて液体を噴射するノズルを備えている。受入部20が当該ノズルを有していることにより、受入部20において、パレットPの側面を洗浄することができる。
【0021】
より具体的には、側面洗浄部22は、受入部20において、コンベヤ21の輸送経路上に設けられ得る。側面洗浄部22は、図1および図3に示すように、レール221と、液体(洗浄液)を噴射するための、一対のノズル222R・ノズル222Lと、を備えている。レール221は、例えば筐体Cに対して固定されており、軸224R・軸224LをY軸方向に移動させるためのガイドレールである。軸224R・軸224Lは、ノズル222R・ノズル222Lを支持するとともにノズル222R・ノズル222Lの回転軸として作用する。
【0022】
図3に示すように、ノズル222Rは、レール221に沿った軸224Rの移動によって、レール221の中央近傍の位置NP1から、Y軸負方向の端部近傍の位置NP2までの間において往復動作可能なノズルである。ノズル222Lは、レール221に沿った軸224Lの移動によって、レール221の中央近傍の位置NP1から、Y軸正方向の端部近傍の位置NP2までの間において往復動作可能なノズルである。
【0023】
ノズル222Rおよびノズル222Lは、例えば、円筒形状を有しており、レール221から下方に延伸する軸224R・軸224Lに固定されている。ノズル222Rおよびノズル222Lは、Z軸方向に延伸しており、軸224R・軸224Lを中心として回動することができる。ノズル222Rおよびノズル222Lは、当該延伸方向に沿って配列される複数の噴射口223を有している。各ノズルが有する噴射口223の数は、特に限定されないが、例えば10個であってよい。各噴射口223からは高圧の液体が噴射され得る。
【0024】
ノズル222Rおよびノズル222Lは、パレット積層群PGが、側面洗浄部22付近まで移動してくる間に、それぞれ位置NP1から位置NP2まで移動しつつ、コンベヤ21によって輸送されるパレット積層群PGの前方側面を洗浄する。あるいは、ノズル222Rおよびノズル222Lは、パレット積層群PGが側面洗浄部22に近接する位置において停止した状態で、それぞれ位置NP1から位置NP2まで移動しつつパレット積層群PGの前方側面を洗浄してもよい。位置NP1から位置NP2まで移動する間の、ノズル222Rおよびノズル222Lからの洗浄液の噴射方向はX軸負方向である。なお、図3において、ノズル222Rおよびノズル222Lに隣接して図示されている矢印の方向は、各ノズルの噴射口223から洗浄液が噴射される方向を示している。
【0025】
ノズル222Rおよびノズル222Lがそれぞれ位置NP2まで移動すると、ノズル222Rおよびノズル222Lはそれぞれ軸224R・軸224Lを中心として回動し、噴射方向を変更する。当該回転により、ノズル222Rからの洗浄液の噴射方向はY軸正方向、ノズル222Lからの洗浄液の噴射方向はY軸負方向となる。ノズル222Rおよびノズル222Lがそれぞれ位置NP2に位置している場合、ノズル222Rとノズル222Lとの距離は、パレットPの一辺の長さよりも長い。液体を噴射しているノズル222Rとノズル222Lとの間をパレット積層群PGが通過することにより、パレット積層群PGの側方側面が洗浄される。
【0026】
パレット洗浄群PGの後端がノズル位置を超えると、ノズル222Rおよびノズル222Lは、軸224R・軸224Lを中心とした回動によって噴射方向をX軸方向に変更する。噴射方向を変更したノズル222Rおよびノズル222Lは、それぞれ位置NP2から位置NP1に移動しながら、パレット積層群PGの後方側面を洗浄する。
【0027】
パレット洗浄装置100が上述した構成の側面洗浄部22を備えることにより、受入部20におけるパレット積層群PGの移動中に、パレットPの全ての側面を洗浄することができる。
【0028】
(第1フォーク移動機構30X、第2フォーク移動機構30Y)
パレット洗浄装置100は、同じ基本構成を有する2つのフォーク移動機構を有している。第1フォーク移動機構30Xは、その一部が受入部20に位置しており、コンベヤ21によって搬送されたパレットPを、コンベヤ81まで移動させる。第2フォーク移動機構30Yは、搬出モジュール90の一部として機能し、コンベヤ81によって搬送されたパレットPを、後述する搬出部(コンベヤ92)まで移動させる。
【0029】
以下では、第1フォーク移動機構30Xおよび第2フォーク移動機構30Yの共通の構成について、第1フォーク移動機構30Xおよび第2フォーク移動機構30Yを総称したフォーク移動機構30という呼称を用いて説明する。
【0030】
フォーク移動機構30は、複数のフォーク10を移動させる。フォーク移動機構30の詳細な構成について、図1および図4図7を参照して説明する。図4は、フォーク移動機構30の概略側面図である。図5は、フォーク移動機構30の概略上面図である。図6は、図5における領域VIの拡大図である。図7は、図4における領域VIIの拡大図である。なお、各図は、簡単のために、説明に必要な部材を抽出して記載していることに留意されたい。
【0031】
図4および図5に示すように、フォーク移動機構30は、少なくとも1対の、上下方向に懸架された無端チェーン31Aおよび31Bと、無端チェーン31Aと無端チェーン31Bとの間に亘って設けられる複数の板部材32とを有している。
【0032】
本実施形態のフォーク移動機構30において、一方の無端チェーン31Aは、同じ長さの2本の無端チェーン311および312が、横方向から見たときに重なるように配置され、かつ連結されることにより構成されている。同様に、他方の無端チェーン31Bは、同じ長さの2本の無端チェーン313および314が横方向から見たときに重なるように配置され、かつ連結されることにより構成されている。当該構成により、各無端チェーン31A・31Bの強度が向上する。なお、無端チェーン31Aと31Bについても、横方向から見たときに重なるように配置されている。
【0033】
図4に示すように、フォーク移動機構30では、各無端チェーン31A・31Bの軌道面が、XZ平面と平行になるように、各無端チェーン31A・31Bが配置されている。各無端チェーン31A・31Bは、上下方向に懸架されている。無端チェーン31Aおよび無端チェーン31Bは、それぞれ上下に配置されるスプロケットに懸架されている。無端チェーン31Aおよび無端チェーン31Bは、図示しないモータを用いて上下に配置されるスプロケットの少なくとも一方のスプロケットを回転させることにより、スプロケットの軸に垂直な面を軌道面として回転する。
【0034】
パレット洗浄装置100による洗浄工程中、各無端チェーン31A・31Bの回転方向は一方向である。より具体的には、フォーク移動機構30の各無端チェーン31A・31Bは、フォーク移動機構30をY軸正方向の向きで見たときに時計回りの方向に一方向に回転する。
【0035】
各無端チェーン31A・31Bは、受入部20に近い側の第1直進部、上部に位置する上部転回部、第1直進部と対向して位置する第2直進部および下部に位置する下部転回部から構成されている。上部転回部および下部転回部において、各無端チェーンとスプロケットとが係合する。
【0036】
板部材32は、各無端チェーン31A・31Bを構成するリンク310に対して固定されている。例えば、図6に示すように、板部材32は、無端チェーン31Aのリンク310と接続されるアタッチメント331、および板部材32の取り付け位置を調整するための接続部材332を介して、リンク310に対して固定され得る。アタッチメント331と、接続部材332とは、ネジ333によって固定され、接続部材332と、板部材32とはネジ334によって固定され得る。
【0037】
板部材32は、水平方向に長い板部材である。また、板部材32の主面32Aに垂直な方向は、無端チェーン31A・31Bの軌道面に平行である。板部材32の主面32Aには、2本のフォーク10が垂直かつ外向きになるように固定されている。
【0038】
図7に示すように、フォーク10と、板部材32との接続部には、フォーク10がパレットPの挿入口Eに挿入されたときのパレットPと無端チェーン31A・31Bとの距離を確保するためのスペーサ101が設けられていてもよい。
【0039】
フォーク移動機構30は、フォーク10を上方向に移動させる第1移動部321を備えている。当該第1移動部321には、各無端チェーン31A・31Bの第1直進部が位置している。フォーク移動機構30は、第1移動部321と連続しており、かつフォーク10の移動方向を変更する第1転回部322を備えている。当該第1転回部322には、各無端チェーン31A・31Bの上部転回部が位置している。フォーク移動機構30は、第1転回部322と連続しており、かつフォーク10を下方向に移動させる第2移動部323を備えている。当該第2移動部323には、各無端チェーン31A・31Bの第2直進部が位置している。
【0040】
第1フォーク移動機構30Xは、フォーク10を上方向に移動させる第1移動部(第1移動部321)と、前記第1移動部と連続しており、フォーク10の移動方向を変更する転回部(第1転回部322)と、前記転回部と連続しており、フォーク10を下方向に移動させる第2移動部(第2移動部323)と、を備えている。
【0041】
第2フォーク移動機構30Yは、フォーク10を上方向に移動させる第3移動部(第1移動部321)と、前記第1移動部と連続しており、フォーク10の移動方向を変更する第2転回部(第1転回部322)と、前記第2転回部と連続しており、フォーク10を下方向に移動させる第4移動部(第2移動部323)と、を備えている。
【0042】
第1フォーク移動機構30Xの第1移動部321に位置するフォーク10の少なくとも一部は、受入部20に位置している。第1転回部322の前半部に位置するフォーク10の少なくとも一部は、後述する洗浄部40に位置している。第1転回部322の前半部とは、第1転回部322のうち、第1移動部321側に位置する部分である。
【0043】
(洗浄部40)
洗浄部40は、受入部20からフォーク移動機構30およびフォーク10によって輸送されたパレットPを、液体を用いて洗浄する。当該液体は、例えば市水であってもよいし、シャンプー剤などの洗浄液であってもよい。洗浄部40は、受入部20の上方に配置されている。図1および図3では、フォーク移動機構30の第1移動部321から第1転回部322に移動し、地面に対して傾斜した状態のフォーク10が挿入されたパレットPを、位置PP1に位置するパレットPとして2点鎖線を用いて図示している。第1転回部322では、無端チェーン31Aおよび無端チェーン31Bがスプロケットに沿って転回するのに伴い、フォーク10の先端の間隔が開く。これにより、位置PP1に位置するパレットPは、他のパレットPから上下方向に離間している。洗浄部40は、位置PP1に位置するパレットPを洗浄する。
【0044】
図1および図3に示すように、洗浄部40は、ノズル支持部41と、Y軸方向に延伸し、ノズル支持部41の移動を案内するガイドレール42と、を備えている。ガイドレール42は、筐体Cに対して固定されていてもよい。ノズル支持部41は、Y軸方向から見たときに、位置PP1に位置するパレットPの上面、下面およびフォーク移動機構30と反対側に位置する側面を囲むU字形状を有している。ノズル支持部41には、上方ノズル43、下方ノズル44、および側方ノズル45が設けられている。各ノズルからは高圧の液体が噴射され得る。
【0045】
ノズル支持部41は、上面視したときにX軸方向に延伸する細長い形状を有している。上方ノズル43は、パレットPの上面を洗浄するためのノズルであり、ノズル支持部41の天井面に長手方向に沿って複数配置されていてもよい。下方ノズル44は、パレットPの下面を洗浄するためのノズルであり、ノズル支持部41の底面に長手方向に沿って複数配置されていてもよい。側方ノズル45は、パレットPのフォーク移動機構30と反対側に位置する側面を洗浄するためのノズルであり、ノズル支持部41の内側面(U字形状の底部)に少なくとも1つ配置されていてもよい。側方ノズル45は任意の構成である。例えば、パレット洗浄装置100が側面洗浄部22を備えている場合、側面洗浄部22においてパレットPの4つの側面が洗浄されるため、側方ノズル45を備える必要はない。
【0046】
図3に示されるように、ノズル支持部41は、上面視したときに、パレットPの移動領域よりも左側方の位置WP1と、右側方の位置WP2との間の往復動作が可能である。洗浄部40において、各ノズルから液体を噴射しながら、ノズル支持部41が位置WP1と位置WP2との間を移動することにより、位置PP1に位置するパレットPが洗浄される。
【0047】
なお、洗浄部40は、上述した構成要素の他に、図示しない液体タンクおよび当該液体タンクから各ノズルまでの通液経路を備えている。また、洗浄部40の下方には、受液部70が設けられ、受液部70は下水道などに接続されていてもよい。
【0048】
(搬送部(コンベヤ81))
コンベヤ81は、洗浄部40で洗浄され、フォーク10に保持されて移動されたパレットPを、X軸方向(第1の水平方向)に移動させることにより、挿入口Eからフォーク10を脱離させる、搬送部の一例である。コンベヤ81は、第1フォーク移動機構30Xの第2移動部323に位置するフォーク10に支持されているパレットPを受容し、X軸方向に移動させることにより、第1フォーク移動機構30Xが備えるフォーク10からパレットPを脱離させる。コンベヤ81はフォーク10から脱離したパレットPをさらにX軸方向に移動させることにより、パレットPの側面の挿入口Eに、第2フォーク移動機構30Yが備えるフォーク10を挿入させる。
【0049】
(乾燥部)
乾燥部60は、洗浄部40で洗浄されたパレットPを乾燥させる。乾燥部60は、洗浄部40から水平方向の位置に配置されている。換言すると、乾燥部60は、洗浄部40と概ね同じ高さの位置でパレットPを乾燥させる。
【0050】
図1に示すように、乾燥部60は、第1乾燥部610、第2乾燥部620および第3乾燥部630を含む。第1乾燥部610は、パレットPの内部に向けて送風するブロワ611を備えている。第1乾燥部610には、第1フォーク移動機構30Xの第1転回部322の後半部にある板部材32に固定されたフォーク10の少なくとも一部が位置している。第1転回部322の後半部とは、第1転回部322のうち、第2移動部323側に位置する部分である。第1乾燥部610は、第1乾燥部610に位置するパレットPの内部に適切に送風し得るよう、位置および角度が調整されたノズルを1つ以上備えていてもよい。当該ノズルへの送風は、ブロワ611と、当該ノズルとを接続するパイプを介して達成される。図1ではこれらのノズルおよびパイプは省略している。
【0051】
図1において、フォーク移動機構30の第1転回部322の後半部に移動し、地面に対して傾斜した状態のフォーク10が挿入されたパレットPを、位置PP2に位置するパレットPとして2点鎖線を用いて図示している。第1転回部322では、フォーク10の先端の間隔が開くため、位置PP2に位置するパレットPは、他のパレットPから上下方向に離間している。乾燥部60は、位置PP2に位置するパレットPを乾燥させる。
【0052】
第2乾燥部620は、コンベヤ81によって搬送されるパレットPの表面に向けて送風するブロワ621を備えている。第2乾燥部620は、ブロワに接続され、パレットPの上面に向けて気体を噴射する上面送風ノズル621Aと、パレットPの下面に向けて気体を噴射する下面送風ノズル621Bとを備えている。上面送風ノズル621Aおよび下面送風ノズル621Bは、コンベヤ81上のパレットPを挟んで位置している。また、上面送風ノズル621Aと、下面送風ノズル621Bとが、X軸方向に沿って交互に並んでいてもよい。当該構成により、パレットPの上面および下面から効率よく液体を除去することができる。上面送風ノズル621Aおよび下面送風ノズル621Bそれぞれへの送風は、ブロワ621と、上面送風ノズル621Aおよび下面送風ノズル621Bとをそれぞれ接続するパイプを介して達成される。
【0053】
第3乾燥部630は、コンベヤ81によって搬送されるパレットPを熱風乾燥する熱風乾燥装置632を備えている。熱風乾燥装置632は、加熱された空気が導入される乾燥室632Aと、空気を加熱する加熱装置632Bとを備えている。乾燥室632Aは、乾燥室632A内の加熱空気の循環を促進するためのブロワ631を備えていてもよい。加熱装置632Bは、乾燥室632Aの下方に位置している。加熱装置632Bは、灯油またはガスを用いたボイラであってもよいし、ヒートポンプであってもよい。ヒートポンプを用いた場合、COの排出低減に寄与することができる。
【0054】
(搬出モジュール90)
パレット洗浄装置100は、フォーク10に保持されたパレットPを積み重ねてパレット積層群PGとする積層部91と、パレット積層群PGを水平方向に移動させて搬出する搬出部(コンベヤ92)と、を備える搬出モジュール90を備えている。パレット洗浄装置100が上記構成の搬出モジュール90を備えることにより、パレットPをパレット積層群PGとして搬出することできる。
【0055】
搬出モジュール90は、第2フォーク移動機構30Yと、コンベヤ81によって搬送されるパレットPの側面の挿入口Eにフォーク10を挿入させる第2受入部93とを備えている。
【0056】
第2受入部93には、第2フォーク移動機構30Yの第1移動部321または第1転回部322の前半部にあるフォーク10が位置している。積層部91には、第2フォーク移動機構30Yの第2移動部323にあるフォーク10が位置している。第2フォーク移動機構30Yの第2移動部323が積層部91に位置していることにより、パレットPをパレット積層群PGとすることができる。
【0057】
パレット洗浄装置100は、洗浄後のパレットPを撮影する撮影装置94をさらに備えていてもよい。撮影装置94を備えることにより、パレット洗浄装置100において、洗浄後のパレットPの検品を行うことができる。本実施形態において、撮影装置94は、第2フォーク移動機構30Yの第1転回部322の上方に位置しており、第1転回部322にあるフォーク10に支持されたパレットPの表面を撮影し得る。第1転回部322では、パレットPは、他のパレットPから上下方向に離間しており、パレットPを縦起こした状態でパレットPの表面の撮影が可能である。
【0058】
パレット洗浄装置100は、複数の撮影装置94を備えていてもよい。例えば、第1転回部322の前半部に位置するパレットPの上面を撮影する撮影装置94と、第1転回部322の後半部に位置するパレットPの下面を撮影する撮影装置94と、を備えていてもよい。撮影装置94の位置は、上記位置に限定されない。例えば、乾燥部60の任意の位置に配置されていてもよい。
【0059】
(パレット洗浄乾燥工程)
図1を参照しつつ、パレット洗浄装置100によるパレットPの洗浄乾燥工程を簡単に説明すると以下のとおりである。フォークリフトなどによって、受入部20に輸送されてきたパレット積層群PGは、コンベヤ21によって第1フォーク移動機構30Xに向けて水平方向に(X軸正方向に)移動される。当該移動中に、パレット積層群PGは、側面洗浄部22によってその側面が洗浄される。側面洗浄部22による側面の洗浄を経て、パレット積層群PGがさらに移動すると、個々のパレットPの前方側面の挿入口Eに、第1フォーク移動機構30Xに取り付けられているフォーク10が挿入される。
【0060】
第1フォーク移動機構30Xは、パレットPの挿入口Eにフォーク10が挿入されると、無端チェーン31の正回転動作を開始し、フォーク10を移動させる。これによりフォーク10が挿入されたパレットPは、それぞれ上方に移動する。
【0061】
受入部20の上方には、洗浄部40が位置しており、洗浄部40に到達し、他のパレットから離間した状態のパレットPは、洗浄部40において個々に洗浄される。ここで、洗浄待ちのパレットPは、洗浄部40の下方に位置している。そのため、洗浄待ちのパレットPは、洗浄部40における洗浄で用いられた液体による予備洗浄が行われ得る。これにより、最上段のパレットP以外は、洗浄部40において予備洗浄を行わなくてもよいか、または洗浄時間が少なくてもよい。よって、節水効果を得ることができる。
【0062】
洗浄部40において洗浄されたパレットPは、第1転回部322において縦起こされることにより、ある程度自然に水切りされる。さらに、第1乾燥部610において、パレットPの内部に向けて気体が噴射されることにより、パレットPの内部に残留する液体をより低減することができる。
【0063】
第1転回部322から第2移動部323へと移動したパレットPは、コンベヤ81の動作に伴って、フォーク10から脱離され、X軸方向へと移動する。コンベヤ81に載置され、移動している間に、パレットPは第2乾燥部620および第3乾燥部630を通過する。第2乾燥部620では、パレットPの表面の水分が除去される。第3乾燥部630では、熱風乾燥装置632によって、パレットPに残留する水分の乾燥が実施される。
【0064】
乾燥部60において乾燥されたパレットPは、コンベヤ81によってさらにX軸方向に移動される。これにより第2受入部93において、パレットPの挿入口Eに、第2フォーク移動機構30Yに取り付けられているフォーク10が挿入される。第2フォーク移動機構30Yの回転動作によって移動されたパレットPは、第2フォーク移動機構30Yの第1転回部322の位置で撮影装置94によってその両面を撮影される。
【0065】
その後、パレットPは、積層部91においてパレット積層群PGとされる。
【0066】
パレット積層群PGは、コンベヤ92の動作により、第2フォーク移動機構30Yに取り付けられているフォーク10から脱離され、フォークリフトFLによってパレット洗浄装置100から搬出される。
【0067】
〔まとめ〕
(1)本開示の態様1に係るパレット洗浄装置は、複数のフォークと、前記フォークを移動させるフォーク移動機構と、前記パレットを第1の水平方向に移動させることにより、前記パレットの側面の挿入口に前記フォークを挿入させる受入部と、前記受入部の上方に配置され、前記フォークに保持された前記パレットを洗浄する洗浄部と、前記洗浄部で洗浄され、前記フォークに保持されて移動された前記パレットを、前記第1の水平方向に移動させることにより、前記挿入口から前記フォークを脱離させる搬送部と、を備えるパレット洗浄装置である。
【0068】
洗浄部が受入部の上方に配置されていることにより、上方の空間を有効活用することができる。これにより、装置を設置するためのスペースを省スペース化することができる。また、洗浄部が受入部の上方に配置されていることにより、受入部から洗浄部への移動過程にある洗浄待ちパレットが、洗浄部において洗浄に用いられた液体によって予備洗浄されるため、洗浄に用いられる液体を節約することができる。さらに、装置への搬入方向と洗浄部からの搬送方向が同じであるため、連続的で高効率な処理ができる。
【0069】
(2)本開示の態様2に係るパレット洗浄装置は、上記態様1において、前記洗浄部で洗浄された前記パレットを乾燥させる乾燥部を更に備える、パレット洗浄装置である。
【0070】
パレット洗浄装置が乾燥部を備えることにより、パレット洗浄装置内でパレットの洗浄から乾燥までを行うことができる。
【0071】
(3)本開示の態様3に係るパレット洗浄装置は、上記態様2において、前記乾燥部は、前記洗浄部から水平方向の位置に配置され、前記パレットの内部に向けて送風するブロワを備える第1乾燥部を含む、パレット洗浄装置である。
【0072】
当該構成により、洗浄後のパレットの内部の水切りを行うことができる。
【0073】
(4)本開示の態様4に係るパレット洗浄装置は、上記態様2または3において、前記乾燥部は、前記搬送部によって搬送される前記パレットの表面に向けて送風するブロワを備える第2乾燥部を含む、パレット洗浄装置である。
【0074】
当該構成により、洗浄後のパレットの表面の水切りを行うことができる。
【0075】
(5)本開示の態様5に係るパレット洗浄装置は、上記態様2から4のいずれかにおいて、前記乾燥部は、前記搬送部によって搬送される前記パレットを熱風乾燥する熱風乾燥装置を備える第3乾燥部を含む、パレット洗浄装置である。
【0076】
当該構成により、洗浄後のパレットの内部および表面を効率よく乾燥することができる。
【0077】
(6)本開示の態様6に係るパレット洗浄装置は、上記態様5において、前記熱風乾燥装置は、加熱された空気が導入される乾燥室と、空気を加熱する加熱装置とを備えており、前記加熱装置は、前記乾燥室の下方に位置している、パレット洗浄装置である。
【0078】
当該構成により、乾燥室の下部の領域を有効活用することができるため、装置全体をより省スペース化することができる。
【0079】
(7)本開示の態様7に係るパレット洗浄装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記フォーク移動機構は、前記フォークを上方向に移動させる第1移動部と、前記第1移動部と連続しており、前記フォークの移動方向を変更する転回部と、前記転回部と連続しており、前記フォークを下方向に移動させる第2移動部と、を備える、パレット洗浄装置である。
【0080】
パレットを保持し得るフォークを上方向に移動させる第1移動部を備えるため、上方のスペースを利用することができる。また、転回部を備えるため、連続して移動するパレット同士を離間させることができ、離間させた位置で洗浄などを容易に行うことができる。
【0081】
(8)本開示の態様8に係るパレット洗浄装置は、上記態様7において、前記受入部には、前記第1移動部にある前記フォークが位置している、パレット洗浄装置である。
【0082】
当該構成により、受入部においてフォーク移動機構に洗浄対象のパレットを保持させることができる。
【0083】
(9)本開示の態様9に係るパレット洗浄装置は、上記態様7または8において、前記洗浄部には、前記転回部にある前記フォークが位置している、パレット洗浄装置である。
【0084】
転回部では、連続して移動するパレット同士が離間しているため、容易に洗浄することができる。
【0085】
(10)本開示の態様10に係るパレット洗浄装置は、上記態様1から9のいずれかにおいて、前記フォークに保持された前記パレットを積み重ねてパレット積層群とする積層部と、前記パレット積層群を水平方向に移動させて搬出する搬出部と、を備える搬出モジュールを備える、パレット洗浄装置である。
【0086】
当該構成により、パレットを積層群として搬出することができる。
【0087】
(11)本開示の態様11に係るパレット洗浄装置は、上記態様10において、前記搬出モジュールは更に、前記搬送部が前記パレットを前記第1の水平方向に移動させることにより、前記パレットの側面の挿入口に前記フォークを挿入させる第2受入部と、前記第2受入部において前記パレットに挿入された前記フォークを移動させる第2フォーク移動機構と、を備え、前記第2フォーク移動機構は、前記フォークを上方向に移動させる第3移動部と、前記第3移動部と連続しており、前記複数のフォークの移動方向を変更する第2転回部と、前記第2転回部と連続しており、前記複数のフォークを下方向に移動させる第4移動部と、を備えており、前記積層部には、前記第4移動部にある前記フォークが位置している、パレット洗浄装置である。
【0088】
搬出モジュールを、前記フォーク移動機構と同じ構成を有する第2フォーク移動機構によって実現することができる。これにより、製造コストを有意に低減することができる。
【0089】
(12)本開示の態様12に係るパレット洗浄装置は、上記態様11において、前記第2受入部には、前記第3移動部または前記第2転回部にある前記フォークが位置している、パレット洗浄装置である。
【0090】
当該構成により、第2受入部において第2フォーク移動機構に洗浄対象のパレットを保持させることができる。
【0091】
(13)本開示の態様13に係るパレット洗浄装置は、上記態様1から12のいずれかにおいて、洗浄後のパレットを撮影する撮影装置をさらに備える、パレット洗浄装置である。
【0092】
当該構成により、パレット洗浄装置内に設置した撮影装置によって、パレットの割れ、破損、洗い残しなど、検品に必要な情報を得ることができる。パレットが自動で移動しているパレット洗浄装置内で撮影を行うことにより、検品作業を有意に効率化することができる。
【0093】
(14)本開示の態様14に係るパレット洗浄装置は、上記態様11から13のいずれかにおいて、洗浄後のパレットを撮影する撮影装置をさらに備え、前記撮影装置は、前記第2転回部の上方に位置している、パレット洗浄装置である。
【0094】
当該構成により、パレットの上面および下面の両方を撮影することができる。
【0095】
(15)本開示の態様15に係るパレット洗浄装置は、上記態様11から14のいずれかにおいて、前記フォーク移動機構は、少なくとも1対の、それぞれ上下方向に懸架された無端チェーンと、少なくとも1対の前記無端チェーン間に亘って設けられた水平方向に長い板部材であって、それぞれの前記無端チェーンを構成するリンクに対して固定され、主面に垂直な方向が前記無端チェーンの軌道面内の前記軌道に直行する方向である板部材を有し、前記板部材に前記フォークが、前記主面に垂直かつ外向きとなるように固定されている、パレット洗浄装置である。
【0096】
フォーク移動機構が当該構成を有することにより、パレットを、受入部上方に位置する洗浄部に個別に移動させることができる。また、洗浄部から水平方向に位置する乾燥部に各パレットPを連続的に移動させることができる。
【0097】
(16)本開示の態様16に係るパレット洗浄装置は、上記態様15において、前記無端チェーンの回転方向は一方向である、パレット洗浄装置である。
【0098】
当該構成により、単純な制御でフォーク移動機構を動作させることができる。
【0099】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
100・・・パレット洗浄装置
10・・・フォーク
20・・・受入部
22・・・側面洗浄部
222L・222R・・・ノズル
30X・・・第1フォーク移動機構
30Y・・・第2フォーク移動機構
31・・・無端チェーン
32・・・板部材
321・・・第1移動部
322・・・第1転回部
323・・・第2移動部
40・・・洗浄部
50・・・待機部
60・・・乾燥部
81・・・コンベヤ(搬送部)
90・・・搬出モジュール
610・・・第1乾燥部
620・・・第2乾燥部
630・・・第3乾燥部
632・・・熱風乾燥装置
632A・・・乾燥室
632B・・・加熱装置
611、621、631・・・ブロワ
P・・・パレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7