(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074179
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240523BHJP
G06F 40/279 20200101ALI20240523BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F40/279
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185305
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎藤(西) 紗記子
(72)【発明者】
【氏名】友成 愛
(72)【発明者】
【氏名】二宮 一浩
【テーマコード(参考)】
5B091
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA02
5B091CA14
5B091CB12
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】音声メモをより有効活用することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、取得部と、提供部とを備える。取得部は、ユーザが録音した音声メモと、音声メモを録音した際の位置情報とを取得する。提供部は、位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、他のユーザに対して音声メモを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが録音した音声メモと、前記音声メモを録音した際の位置情報とを取得する取得部と、
前記位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、前記他のユーザに対して前記音声メモを提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得部が取得した前記音声メモの内容の信憑性を判定する判定部をさらに備え、
前記提供部は、
前記判定部の判定結果に基づいて前記音声メモを前記他のユーザへ提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記音声メモをテキスト変換して行った形態素解析により得られた単語から抽出した特徴情報と、前記音声メモに紐づいた前記位置情報から得られた特徴情報との比較結果に基づいて前記信憑性を判定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記音声メモをテキスト変換して行った形態素解析により得られた単語に基づいて生成したベクトルと、前記音声メモに紐づいた前記位置情報から得られた情報に基づいて生成したベクトルとの比較結果に基づいて前記信憑性を判定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記判定部の判定結果を紐づけた前記音声メモを前記他のユーザへ提供する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記判定部によって前記信憑性があると判定された前記音声メモを前記他のユーザへ提供し、前記信憑性が無いと判定された前記音声メモの提供を禁止する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記他のユーザの位置情報が、前記音声メモに紐づいた前記位置情報の所定範囲内に位置する場合に、前記他のユーザへ前記音声メモを提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記位置条件を満たした前記他のユーザが向いている方向に基づいて、前記他のユーザへ前記音声メモを提供するか否かを判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが録音した音声メモと、前記音声メモを録音した際の位置情報とを取得する取得工程と、
前記位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、前記他のユーザに対して前記音声メモを提供する提供工程と
を含む情報処理方法。
【請求項10】
ユーザが録音した音声メモと、前記音声メモを録音した際の位置情報とを取得する取得手順と、
前記位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、前記他のユーザに対して前記音声メモを提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ボイスレコーダや、スマートフォンの普及に元内、音声メモを手軽に録音できる環境が整いつつある。音声メモは、ボイスメモとも呼ばれ、例えば、ユーザが思いついたことを記録するために用いられる。また、この種の技術について、録音した音声メモをテキストに変換して記録する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、音声メモをテキスト変換しているに過ぎず、音声メモをより有効に用いる点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、音声メモをより有効活用できる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、提供部とを備える。前記取得部は、ユーザが録音した音声メモと、前記音声メモを録音した際の位置情報とを取得する。前記提供部は、前記位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、前記他のユーザに対して前記音声メモを提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、音声メモをより有効活用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、音声メモ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数とのユーザ端末100a,100bとを含む。なお、以下において、ユーザ端末100a,100bを特に区別しない場合には、ユーザ端末100と総称する。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、ユーザが録音した音声メモと、音声メモを録音した際の位置情報とを取得し、位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、他のユーザに対して音声メモを提供する。なお、ここでいう音声メモとは、ユーザ端末100が有する録音機能によって録音されたユーザの音声を示す音声データである。音声メモは、録音後、ユーザ端末100の記憶部(不図示)に記憶される。
【0013】
図1に示すように、情報処理システムSでは、まず、ユーザ端末100は、ユーザから音声メモを受け付ける(ステップS1)。具体的には、ユーザ端末100は、音声録音のアプリケーションを起動した状態で、ユーザ端末100が備えるマイク(不図示)に対して発話した音声データを音声メモとして受け付ける。また、ユーザ端末100は、音声メモを録音した際の位置情報を併せて取得し、音声メモに紐づけておく。
【0014】
位置情報は、例えば、緯度経度の情報であるが、緯度経度の情報以外に、緯度経度に基づく特定の場所の名称であってもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末100から音声メモと、音声メモに紐づいた位置情報とを取得する(ステップS2)。情報処理装置1は、複数のユーザ端末100から音声メモと位置情報とのセットを収集する。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、取得した音声メモに基づいて、音声メモの内容の信憑性を判定する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置1は、音声メモをテキスト変換して形態素解析を行う。そして、情報処理装置1は、形態素解析により得られた単語から特徴情報を抽出する。また、情報処理装置1は、音声メモに紐づいた位置情報に基づいて、当該位置情報に関係する特定の場所(店舗等)を特定し、特定した場所の特徴情報(店舗のメニュー表等)を取得する。そして、情報処理装置1は、音声メモから得られた特徴情報と、位置情報から得られた特徴情報とを比較して、音声メモから得られた特徴情報の信憑性を判定する。
【0017】
また、情報処理装置1は、音声メモのテキストを形態素解析して得られた単語を用いて、音声メモをベクトルに変換してもよい。かかる場合、情報処理装置1は、位置情報から得られた特定の場所のテキスト情報(店舗におけるレビュー等)をベクトルに変換する。そして、情報処理装置1は、音声メモのベクトルと、特定の場所のテキスト情報に基づいたベクトルの近さに基づいて信憑性を判定する。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、位置情報、音声メモ、および信憑性の判定結果を紐づけて記憶する(ステップS4)。
【0019】
つづいて、情報処理装置1は、他のユーザが所持するユーザ端末100bから位置情報を取得する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置1は、音声メモを提供するアプリケーションを起動した状態のユーザ端末100bの位置情報を取得する。位置情報は、例えば、緯度経度の情報であるが、緯度経度の情報以外に、緯度経度に基づく特定の場所の名称であってもよい。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、音声メモに紐づいた位置情報に基づく位置条件を他のユーザの位置情報が満たすか否かを判定する(ステップS6)。例えば、情報処理装置1は、他のユーザの位置情報が、音声メモに紐づいた位置情報の所定範囲内に位置する場合に、位置条件を満たすと判定する。つまり、情報処理装置1は、音声メモを録音した位置の近くに他のユーザが近づいた場合に、位置条件を満たすと判定する。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、位置条件を満たすと判定した他のユーザに対して、ユーザ端末100bを介して音声メモを提供する(ステップS7)。つまり、情報処理装置1は、音声メモを録音した位置の近くに他のユーザが近づいた場合に、他のユーザのユーザ端末100bにより音声メモを再生する。なお、情報処理装置1は、音声メモをテキスト変換してユーザ端末100bへ提供することで、音声メモのテキスト情報を表示してもよい。また、情報処理装置1は、上記の信憑性の判定結果を紐づいた音声メモを他のユーザへ提供する。
【0022】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、音声メモを録音した位置の近くに他のユーザが近づいた場合に、他のユーザのユーザ端末100bにより音声メモを再生することで、例えば、当該位置におけるユーザの考え等を他のユーザが聞くことができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、音声メモをより有効活用することができる。
【0023】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0024】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、ユーザが録音した音声メモと、音声メモを録音した際の位置情報とを取得し、位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、他のユーザに対して音声メモを提供する。
【0025】
また、情報処理装置1は、複数のユーザ端末100と連携し、複数のユーザ端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0026】
また、情報処理装置1は、複数のユーザ端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0027】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0028】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0029】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、判定部32と、記憶処理部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、音声メモ情報42とを記憶する。
【0030】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0031】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0032】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0033】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「信憑性判定モデル」等の項目を含む。
【0034】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「信憑性判定モデル」は、後述する判定部32が音声メモの信憑性を判定する際に用いられるモデルの情報である。かかるモデルは、機械学習における既知のアルゴリズムによって生成される。
【0035】
音声メモ情報42は、音声メモに関する情報である。
図5は、音声メモ情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、音声メモ情報42は、「メモID」、「ユーザID」、「位置情報」、「音声メモ」および「判定結果」といった項目を含む。
【0036】
「メモID」は、音声メモを識別する識別情報である。「ユーザID」は、音声メモを録音したユーザを識別する識別情報であり、上記のユーザ情報41における「ユーザID」に対応する。「位置情報」は、音声メモを録音した際の位置情報である。「音声メモ」は、録音された音声メモの情報である。「判定結果」は、判定部32による信憑性判定の判定結果を示す情報であり、「1」が信憑性ありを示し、「0」が信憑性無しを示す。
【0037】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、判定部32、記憶処理部33および提供部34)について説明する。
【0038】
取得部31は、各種情報を取得する。例えば、取得部31は、ユーザ端末100で録音された音声メモと、音声メモを録音した際のユーザ端末100の位置情報とを取得する。また、取得部31は、音声メモの提供対象となる他のユーザの位置情報を取得する。
【0039】
判定部32は、取得した音声メモの内容の信憑性を判定する。具体的には、判定部32は、音声メモをテキスト変換して形態素解析を行う。そして、判定部32は、形態素解析により得られた単語から特徴情報を抽出する。また、判定部32は、音声メモに紐づいた位置情報に基づいて、当該位置情報に関係する特定の場所(店舗等)を特定し、特定した場所の特徴情報(店舗のメニュー表等)を取得する。そして、情報処理装置1は、音声メモから得られた特徴情報と、位置情報から得られた特徴情報とを比較して、音声メモから得られた特徴情報の信憑性を判定する。例えば、判定部32は、音声メモから得られた特徴情報と、位置情報から得られた特徴情報とが類似する場合に、信憑性があると判定する。例えば、判定部32は、音声メモにて発せられる店舗のメニューと、位置情報から得られた特定の店舗のホームページに載せられたメニューとが一致する場合に、信憑性があると判定する。
【0040】
また、判定部32は、音声メモのテキストを形態素解析して得られた単語を用いて、音声メモをベクトルに変換してもよい。かかる場合、判定部32は、位置情報から得られた特定の場所のテキスト情報(店舗におけるレビュー等)をベクトルに変換する。そして、判定部32は、音声メモのベクトルと、特定の場所のテキスト情報に基づいたベクトルの近さに基づいて信憑性を判定する。
【0041】
記憶処理部33は、取得部31が取得した音声メモおよび位置情報と、判定部32の判定結果とを紐づけて音声メモ情報42として記憶部4に記憶する処理を行う。
【0042】
提供部34は、音声メモに紐づいた位置情報に基づいた位置条件を他のユーザが満たすか否かを判定し、位置条件を他のユーザが満たす場合に、他のユーザに対して音声メモを提供する。例えば、提供部34は、他のユーザの位置情報が、音声メモに紐づいた位置情報の所定範囲内に位置する場合に、位置条件を満たすと判定する。つまり、提供部34は、音声メモを録音した位置の近くに他のユーザが近づいた場合に、位置条件を満たすと判定する。
【0043】
つづいて、提供部34は、位置条件を満たすと判定した他のユーザに対して、ユーザ端末100bを介して音声メモを提供する。つまり、提供部34は、音声メモを録音した位置の近くに他のユーザが近づいた場合に、他のユーザのユーザ端末100bにより音声メモを再生する。なお、提供部34は、音声メモをテキスト変換してユーザ端末100bへ提供することで、音声メモのテキスト情報を表示してもよい。
【0044】
また、提供部34は、位置条件を満たす他のユーザの属性情報に基づいて、音声メモを提供するか否かを判定してもよい。具体的には、提供部34は、他のユーザの属性情報と、音声メモの内容とが類似する場合に、音声メモを提供する。例えば、提供部34は、音声メモの内容がサッカーに関連する内容である場合、他のユーザの属性情報に含まれる趣味や所属がサッカーに関連する場合に、かかる音声メモを提供する。また、提供部34は、他のユーザの属性情報と、音声メモを録音したユーザの属性情報とが類似する場合に、音声メモを提供してもよい。例えば、提供部34は、他のユーザと音声メモを録音したユーザの属性情報に含まれる趣味が同じである場合に、かかる音声メモを提供する。
【0045】
また、提供部34は、位置条件を満たす他のユーザが向いている方向に基づいて、音声メモを提供するか否かを判定してもよい。他のユーザが向いている方向は、例えば、他のユーザが所持するユーザ端末100の位置情報の変化方向に基づいて検出可能である。例えば、提供部34は、他のユーザの位置情報が音声メモに紐づく位置情報の所定範囲内で、かつ、他のユーザが音声メモに紐づく位置情報の方向を向いている場合に、音声メモを提供する。
【0046】
なお、提供部34は、判定部32による信憑性の判定結果を紐づけた音声メモを他のユーザへ提供する。あるいは、提供部34は、信憑性があると判定された音声メモのみ他のユーザへ提供し、信憑性が無いと判定された音声メモの提供を禁止してもよい。
【0047】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、制御部3は、まず、ユーザ端末100から録音された音声メモと、位置情報とを取得する(ステップS101)。
【0049】
つづいて、制御部3は、取得した音声メモに基づいて、音声メモの信憑性を判定する(ステップS102)。
【0050】
つづいて、制御部3は、位置情報、音声メモおよび信憑性の判定結果を紐づけて音声メモ情報42として記憶部4に記憶する(ステップS103)。
【0051】
つづいて、制御部3は、他のユーザの位置情報を取得し、音声メモに紐づいた位置情報に基づく位置条件を満たした他のユーザへ音声メモを提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0052】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0053】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0054】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0055】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0056】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0057】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0058】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0059】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0060】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0061】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0062】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部31と、提供部34とを備える。取得部31は、ユーザが録音した音声メモと、音声メモを録音した際の位置情報とを取得する。提供部34は、位置情報に基づく位置条件を他のユーザが満たした場合に、他のユーザに対して音声メモを提供する。
【0063】
上述した各実施形態に係る情報処理装置1によれば、音声メモをより有効活用することができる。
【0064】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0065】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0066】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0067】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0068】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 判定部
33 記憶処理部
34 提供部
41 ユーザ情報
42 音声メモ情報
100 ユーザ端末
S 情報処理システム