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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074182
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
A63F5/04 603E
A63F5/04 605B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185312
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀明
(72)【発明者】
【氏名】長村 友和
(72)【発明者】
【氏名】木村 優介
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB10
2C182CD22
2C182CD23
(57)【要約】
【課題】出力される音の音量を適切な音量に設定できる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機は、計数した遊技価値の数を遊技機の外部へ送信する計数ボタンと、音を出力する音響装置と、を備える。音響装置から出力される音には、注意喚起に関する音としてメダルオーバーフローに対して注意喚起するメダルオーバーフローエラー報知音と、メダルオーバーフローエラー報知音とは異なるBGM等の低下対象音と、計数ボタンへの操作に基づく計数報知音と、が含まれる。低下対象音が出力されている状態で計数ボタンが操作された場合には、低下対象音の音量が低下される(ステップS7)。メダルオーバーフローエラー報知音が出力されている状態で計数ボタンが操作された場合には、メダルオーバーフローエラー報知音の音量が低下されない(ステップS2)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計数した遊技価値の数を遊技機の外部へ送信する計数ボタンと、
音を出力する音出力手段と、を備え、
前記音出力手段から出力される音には、
注意喚起に関する第1音と、
前記第1音とは異なる第2音と、
前記計数ボタンへの操作に基づく第3音と、が含まれ、
前記第2音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第2音の音量が低下され、
前記第1音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第1音の音量が低下されない、
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
上述した遊技機においては、音を用いた演出を行う際に、メモリに記憶されたデータに出力レベルの情報も含め、スピーカから出力される音の出力レベルを変化させることで音量を制御する構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-85650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、遊技機においては、演出の興趣を向上させるために複数の音を同時に出力する構成となっているが、遊技機においては、発生したエラーの報知音のような演出で出力される音に優先して出力することが求められる音もあり、遊技機から様々な音が出力される際における各音の音量を適切に設定することが求められている。
【0006】
そこで、本発明は、出力される音の音量を適切な音量に設定できる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、計数した遊技価値の数を遊技機の外部へ送信する計数ボタンと、
音を出力する音出力手段と、を備え、
前記音出力手段から出力される音には、
注意喚起に関する第1音と、
前記第1音とは異なる第2音と、
前記計数ボタンへの操作に基づく第3音と、が含まれ、
前記第2音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第2音の音量が低下され、
前記第1音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第1音の音量が低下されない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、出力される音の音量を適切な音量に設定できる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の遊技機の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図3】本発明の実施形態の遊技機における内部抽選で当選可能な当選エリアと、各当選エリアに含まれる当選役と、を示す図である。
図4】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における遊技状態の状態遷移図、(B)は、AT制御手段が制御する通常区間及び有利区間と、有利区間中における演出状態と、に係る遷移図である。
図5】本発明の実施形態の遊技機に発生するエラーの一部をまとめた表である。
図6】本発明の実施形態の演出制御手段が実行する計数報知音に係る制御処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態の遊技機における操作手段の操作と表示装置の表示とに係る制御処理を示すフローチャートである。
図8】(A)は、本発明の実施形態の遊技機においてメダルオーバーフロー報知画像が表示装置に表示された状態を例示する図、(B)は、所持数警告報知画像が表示装置に表示された状態を例示する図、(C)は、メダルオーバーフローエラー報知画像及び所持数警告報知画像の表示が終了した状態を示す図である。
図9】(A)は、本発明の実施形態の遊技機においてデモ画面が表示装置に表示された状態を例示する図、(B)は、(A)に示す状態において計数ボタンが操作された状態を例示する図、(C)は、(A)に示す状態においてマックスベットボタンが操作された状態を例示する図である。
図10】本発明の実施形態の遊技機におけるコンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を示すフローチャートである。
図11】(A)は、本発明の実施形態の遊技機における副制御基板を示す概略正面図、(B)は、電解コンデンサを示す概略図、(C)は、副制御基板の一部を拡大した概略断面図、(D)は、(C)に示す状態から基板ケースに放熱孔が設けられた場合を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.遊技機の構成の概要
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、また、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値について、スロットマシン1の外部に設けられ、電磁的方法によって遊技価値となるメダルの貸出及び精算を行う構成を有する専用ユニットSU(図2参照)から出力される貸出信号に基づき、電磁的方法によって遊技価値を記録する、いわゆるメダルレス遊技機から構成されている。スロットマシン1は、記録された遊技価値の枚数の情報をメダル数として記憶し、記憶されたメダル数を専用ユニットSUに送信可能に構成されている。専用ユニットSUは、スロットマシン1から受信したメダル数をICカード等の記録媒体に記録して排出することでメダルを精算する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、筐体BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての左リールR1~右リールR3からなるリールユニットRUが収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す左リールR1~右リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種映像や画像から構成された演出を行うための表示手段としての表示装置410が設けられている。また、表示装置410は、画像を表示する表示領域410aのうち左リールR1~右リールR3と対向する特定領域410bが透過液晶ディスプレイから構成されており、表示装置410を介して左リールR1~右リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能に構成されている。左リールR1~右リールR3の停止状態では、左リールR1~右リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示装置410を通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示装置410を通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによる有効ラインについて、有効ラインL1が設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数(規定数)がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると左リールR1~右リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、有効ラインL1上(有効ライン上)に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとして、入賞した役に応じた制御が実行される。
【0017】
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、スロットマシン1に記憶されているメダルを投入状態に設定する操作を行うための投入操作手段としてのマックスベットボタンMB、左リールR1~右リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている左リールR1~右リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1~ストップボタンB3、スロットマシン1に記憶されているメダル数を専用ユニットSUに送信する計数操作を行うための計数操作手段としての計数ボタンKB、投入状態を解除し投入状態に設定されたメダルをメダル数カウンタ311(図2参照)に返却する精算操作を行うための精算ボタンAB及び演出のために用いられる演出用ボタンEBも設けられている。
【0018】
演出用ボタンEBは、メダルが投入状態に設定されておらず、且つ左リールR1~右リールR3が停止している遊技が行われていない状態において、メニュー画面を表示装置410に表示する契機となる操作を遊技者に実行させるための演出操作手段である。演出用ボタンEBは、メニュー画面において表示される項目から対象を選択するための複数の選択ボタンと、選択された対象を決定する決定ボタンと、を有する。メニュー画面において表示される項目には、スロットマシン1から出力される音の音量を調整する音量調整画面を表示する項目や、スロットマシン1の演出環境についての設定情報をQRコード(登録商標)によって発行する設定情報画面を表示する項目等が含まれる。
【0019】
また、前面下扉DDには、主制御基板10(図2参照)のCPUによって制御される主制御表示装置10Dが設けられている。主制御表示装置10Dは、7セグメント表示器等からなり、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示(報知表示)等の各種遊技情報が表示される。主制御表示装置10Dに表示される報知表示は、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選役コマンドに対応する表示となっている。
【0020】
また、前面下扉DDには、メダル数制御CPU31(図2参照)によって制御されるメダル数表示装置MDが設けられている。メダル数表示装置MDは、7セグメント表示器等からなり、スロットマシン1に記憶されているメダル数を表示することで、概念的な受け皿として機能している。
【0021】
そして、前面下扉DDには、音を用いた演出を行うための音響装置420が複数設けられている。音響装置420からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0022】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板として、主制御基板10と、副制御基板20と、を有している。主制御基板10は、遊技の進行を制御する主制御CPU11と、メダル数に係る制御を行うメダル数制御CPU31と、を有する。副制御基板20は、遊技に関する演出を制御する副制御CPU21を有する。
【0023】
主制御CPU11は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、遊技状態移行制御手段160、アシストタイム制御手段(AT制御手段)170及びコンプリート制御手段180として機能する。主制御CPU11を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0024】
設定変更手段100は、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御(設定変更制御)を行う。設定変更手段100は、設定変更スイッチ(不図示)がON状態となり設定変更を許可する状態において、電源装置に設けられている設定変更ボタンBSが操作されることで出力される入力信号を受け付けるごとに、設定値を設定1→設定2→・・・→設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させ、スタートレバーSLが操作されることで出力されるスタート信号を受信したことに基づいて設定値を確定させる。スロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。つまり、設定変更手段100は、内部抽選手段120による内部抽選における役の当選確率を変更可能な値である設定値を変更可能に構成されている。
【0025】
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、設定変更手段100による設定変更制御が実行された場合に、遊技状態移行制御手段160が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段170が実行する有利区間に係る制御が初期化されるように構成されており、遊技状態が後述する非リプレイタイム(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)状態に設定され、設定変更前においてAT制御手段170が実行していた補助遊技に関する制御についても、初期化されて通常区間が設定されるように構成されている。一方、スロットマシン1においては、主制御CPU11への電力の供給が遮断(電断)され、その後再度電力の供給が再開された場合、遊技状態移行制御手段160が実行する遊技状態に係る制御及びAT制御手段170が実行する有利区間に係る制御について、電断前の状態から再開されるように構成されており、電断前にAT制御手段170が実行していた補助遊技に関する制御についても、電断前の状態が維持されるように構成されている。
【0026】
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間内において、後述するメダル数カウンタ311に規定投入数を以上のメダル数が記憶された状態でマックスベットボタンMBが操作(ベット操作)されて出力される入力信号を受け付けることで、規定投入数(3枚)を限度として、メダル数カウンタ311に記憶されたメダルを投入状態に設定し、規定投入数に相当するメダルが投入状態に設定されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。
【0027】
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルが投入状態に設定されたことに基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、左リールR1~右リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
【0028】
また、投入受付手段105は、メダルが投入状態に設定され、且つスタートレバーSLが開始操作されるまでの期間において、精算ボタンABが操作されて出力される入力信号を受け付けることで、投入状態を解除して投入状態に設定されたメダルと同数をメダル数カウンタ311に記憶されたメダル数に加算することで、投入状態に設定されたメダルを精算する。
【0029】
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
【0030】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0031】
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に記憶されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役や不当選(ハズレ)が対応付けられている。
【0032】
なお、以下の記載において、ボーナスとは、入賞することで役物又は役物連続作動装置を作動させる役を意味し、ボーナスが作動とは、ボーナスが入賞し役物又は役物連続作動装置を作動することを意味し、ボーナス状態とは、役物又は役物連続作動装置が作動した状態を意味する。
【0033】
乱数判定処理では、スタートレバーSLが開始操作されることで出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0034】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に成立状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)が用意されている。また、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に記憶される。
【0035】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行しスタート信号が出力されたことに基づいて、左リールR1~右リールR3の回転駆動を開始し左リールR1~右リールR3の回転態様を制御するリール回転制御を実行する。また、リール制御手段130は、左リールR1~右リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1~ストップボタンB3が操作される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1~ストップボタンB3が停止操作されリール停止信号が出力された場合に、停止操作されたストップボタンB1~ストップボタンB3に対応する左リールR1~右リールR3の各リールを停止させる制御(リール停止制御)を行う。
【0036】
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって左リールR1~右リールR3の回転が開始され、遊技者が有効なストップボタンB1~ストップボタンB3をそれぞれ操作することについて、最初の操作を第1停止操作、2番目の操作を第2停止操作、3番目の操作を第3停止操作とも記載する。
【0037】
本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された時点から所定の期間としての190msが経過するまでに、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。なお、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3を押下することを操作とも記載する。また、スロットマシン1は、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下された場合に限らず、例えば、ストップボタンB1~ストップボタンB3が押下され、押しこまれたストップボタンB1~ストップボタンB3が解放される操作が実行されたタイミングで停止信号が出力されるように構成されていてもよい。
【0038】
ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1では、左リールR1~右リールR3について、ストップボタンの押下時点で有効ラインL1上に表示されているコマから4コマ回転するまでの計5コマが、有効ラインL1上に図柄を引き込み可能な範囲(引き込み範囲)となっている。
【0039】
リール制御手段130は、リール停止制御の実行時において、抽選フラグが成立状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるように回転中のリールを停止させる引き込み処理と、抽選フラグが非成立状態に設定された役を入賞させることができないように回転中のリールを停止させる蹴飛ばし処理と、を含むロジック演算により予め設定された優先順位に基づき回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190のリール制御データ記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理と、を行い、回転中のリールを停止させ有効ラインL1上に図柄を表示(以下、リール停止制御によって回転中のリールを停止させて有効ラインL1上に図柄を表示することを「停止表示」とも記載)している。
【0040】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法(個数優先制御)と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法(枚数優先制御)とが存在する。ただし、枚数優先制御を実行する場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0041】
入賞判定手段140は、左リールR1~右リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、左リールR1~右リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、それぞれ予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、ボーナス、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。なお、以下の記載において、役の入賞形態を示す図柄組合せを「入賞図柄組合せ」とも記載する。
【0042】
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させるメダル数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合には払出制御手段150に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナス等の遊技状態を移行させる契機となる役が入賞した場合には遊技状態移行制御手段160に遊技状態を移行させる処理が行われる。
【0043】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、メダル数カウンタ311に加算することで仮想的に払い出す制御を行う。
【0044】
また、払出制御手段150は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に後述する複数種類のリプレイ役のうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダルを使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
【0045】
なお、スロットマシン1においては、リプレイが入賞した遊技から次回の遊技が開始されるまでの期間、すなわちリプレイ処理によって規定投入数分のメダルが自動的に投入され且つ遊技が開始されていない期間において、精算ボタンABが操作されたとしても規定投入数と同数のメダル数をメダル数カウンタ311に加算しないように構成されている。
【0046】
遊技状態移行制御手段160は、複数の遊技状態の間で遊技状態を移行させる処理と、ボーナスの作動及び終了に係る処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件のすべてが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0047】
AT制御手段170は、特定役の入賞を補助する報知を主制御表示装置10Dに表示する補助遊技を含む指示機能に係る制御が実行可能となる区間(期間)である有利区間(有利期間)と、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御(指示機能に係る制御)が実行不能な区間(期間)である通常区間(非有利期間、非有利区間)と、の間での移行に係る制御を、AT制御データ記憶手段196に記憶されているデータを用いて実行し、通常区間、有利区間及び補助遊技に係る制御を行う補助遊技制御手段を構成する。
【0048】
AT制御データ記憶手段196には、有利区間内において実行される通常状態やAT状態を含む複数種類の演出状態に関する各種制御において用いられるデータ(所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグ、カウンタ等)が記憶されている。
【0049】
AT制御手段170は、有利区間において所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態)に設定し、7セグメント表示器からなる主制御表示装置10Dに当選している特定役を入賞可能にするストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様に対応する情報(操作指示情報の一例)を表示することで、特定役の入賞を補助する操作報知を行う。また、スロットマシン1では、AT制御手段170による操作報知が実行される場合に、後述する演出制御手段200によって表示装置410に正解打順に対応する指標を表示するナビ演出を実行する。このように、スロットマシン1では、AT状態において、操作報知とナビ演出との入賞補助によってストップボタンB1~ストップボタンB3の操作態様が報知されることで、遊技者にとって有利な補助遊技(AT遊技、報知遊技)が実行される。
【0050】
AT制御手段170は、より詳しくは後述する有利区間を終了する所定の終了条件が成立した際に、有利区間を終了し次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、有利区間内において設定した各種フラグ、数値等、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、を実行する。
【0051】
AT制御手段170は、有利区間を開始した遊技からメダルの払出数をメダルの投入数で減算した差分の値(差枚数、獲得数)を有利区間カウンタ196aに累積的に記録する更新処理(有利区間差枚数更新処理)を実行する。AT制御手段170は、有利区間に制御している場合、いずれの遊技状態である場合にも、メダルの差枚数に相当する値を有利区間カウンタ196aの記憶値に累積的に更新する有利区間差枚数更新処理を実行する。
【0052】
また、AT制御手段170は、有利区間差枚数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることで有利区間カウンタ196aの記憶値を減算した際に、有利区間カウンタ196aの記憶値が値「0」未満となる場合にも、有利区間カウンタ196aに減算した結果をセットする。換言すると、AT制御手段170は、有利区間カウンタ196aに負の値をセット可能に構成されている。
【0053】
AT制御手段170は、有利区間において2400枚を超えるメダルが獲得された場合、つまり有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2400」を超えた場合に、有利区間を終了させる所定の終了条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理を実行する。このため、スロットマシン1では、例えば、メダルを獲得可能な演出状態に移行するまでに有利区間カウンタ196aの記憶値が負の値として値「-900」であった場合、メダルを獲得可能な演出状態において、有利区間カウンタ196aの記憶値が値「0」になるまでの900枚と、有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2401」以上になるまでの2401枚と、の合計3301枚のメダルが獲得可能となる。
【0054】
AT制御手段170は、所定の初期化処理において、有利区間においてON状態にセットした各フラグや有利区間において設定した値等の有利区間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。なお、AT制御手段170は、特定終了条件以外の予め設定されている所定の終了条件(通常終了条件)が成立した場合にも有利区間を終了可能であり、通常終了条件が成立した場合にも所定の初期化処理及び所定の終了処理を実行する。本実施形態のAT制御手段170が設定する通常終了条件の詳細については、後述する。
【0055】
コンプリート制御手段180は、スロットマシン1の電源投入時からのメダルの獲得数の累積値が所定の値(例えば19000枚)に達した場合に、スロットマシン1を打ち止め状態にする機能としてのコンプリート機能を作動させる制御を行う。コンプリート制御手段180は、スロットマシン1に電源が投入されてから、毎回の遊技におけるメダルの払出数をメダルの投入数で減算した差分の値(差枚数、獲得数)をコンプリート記憶手段197のメダル獲得数カウンタ197aに累積的に記録する更新処理(コンプリート獲得数更新処理)を実行する。なお、コンプリート制御手段180は、リプレイが入賞した場合、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を更新しない。
【0056】
コンプリート制御手段180は、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を更新するコンプリート獲得数更新処理において、当該遊技におけるメダルの払出数が規定投入数未満であることでメダル獲得数カウンタ197aの記憶値を減算した際に、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「0」未満となる場合、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を値「0」にセットする。これにより、コンプリート制御手段180は、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値が最下点となる際の値について、値「0」に固定することができるため、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を用いた制御処理において、最下点における具体的な数値に応じて判定の閾値となる値を変動させる必要がなくなり、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を用いた制御処理の負荷を軽減させることができる。
【0057】
コンプリート制御手段180は、スロットマシン1の電源投入後におけるメダルの払出数の最下点から獲得されたメダル数が19000枚に達した場合、つまりメダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「19000」に達した場合に、コンプリート機能を作動させる条件が成立したと判定する。
【0058】
コンプリート制御手段180は、第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(RB)、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのレギュラービッグボーナス(RBB)及び第2種特別役物に係る役物連続作動装置としてのチャレンジビッグボーナス(CBB)のいずれもが作動していない場合、コンプリート機能を作動させる条件の成立に基づき、条件が成立した遊技においてストップボタンB1~ストップボタンB3が停止操作され左リールR1~右リールR3が停止した後にコンプリート機能を作動させる。
【0059】
一方、コンプリート制御手段180は、RB,RBB又はCBBのいずれかが作動している場合、作動しているRB,RBB又はCBBが終了した遊技においてストップボタンB1~ストップボタンB3が停止操作され左リールR1~右リールR3が停止した後にコンプリート機能を作動させる。
【0060】
コンプリート制御手段180は、コンプリート機能を作動させる場合に、コンプリート記憶手段197のコンプリートフラグ記憶手段197bに記憶されているコンプリート機能作動フラグをON状態に設定する。スロットマシン1は、コンプリート機能作動フラグがON状態に設定されることで、打ち止め状態となり、以降コンプリート機能作動フラグがOFF状態となるまで遊技を実行できない状態となる。ON状態に設定されたコンプリート機能作動フラグは、スロットマシン1の前面上扉UDが開けられ、内部に設けられた設定変更ボタンBSが操作されて初期化されることで、OFF状態に設定される。このような構成であることから、スロットマシン1では、コンプリート機能が作動した場合、遊技者による操作によってコンプリート機能が解除されない構成となっている。
【0061】
副制御CPU21は、演出制御手段200として機能する。副制御CPU21を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段210に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0062】
演出制御手段200は、副記憶手段210の演出制御データ記憶手段211に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置410を用いて行う画像、映像演出や、音響装置420を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1~ストップボタンB3、計数ボタンKBに対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、音響装置420からの音の出力を用いた演出等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、遊技の補助、遊技者に操作が行われたことを報知するための演出の実行制御を行う。また、演出制御手段200は、各演出状態に基づく演出を演出装置400を構成する各構成に実行させる。
【0063】
メダル数制御CPU31は、メダル数制御手段300として機能する。メダル数制御CPU31を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、メダル数記憶手段310に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
【0064】
メダル数制御手段300は、貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに信号を送信可能に構成されるとともに、専用ユニットSUから送信される信号を貸出装置接続端子板40を介して受信可能に構成されている。メダル数制御CPU31は、スロットマシン1において遊技の用に供することができるメダルの総数であるメダル数を、メダル数カウンタ311を用いて記憶し、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数をメダル数表示装置MDに表示する。
【0065】
メダル数制御手段300は、遊技が可能な間に計数ボタンKBが操作された場合に、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数に応じた値を貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに送信し、送信した値に応じたメダル数をメダル数カウンタ311から減算する。ここで、遊技が可能な間とは、遊技機と専用ユニットSUとが電気的に接続され、且つ遊技機と専用ユニットSUとのいずれにも電源が投入されている状態で、遊技機又は専用ユニットSUがメンテナンス中ではなく、遊技を実行不可能なエラーも発生していない状態を意味する。また、スロットマシン1は、専用ユニットSUに接続されていない場合、計数ボタンKBへの操作を無効化することで、メダル数カウンタ311の記憶値が減算されたにも関わらず専用ユニットSUに信号が送信されない状態が発生することを防いでいる。
【0066】
メダル数制御手段300は、計数ボタンKBが押下された時間が500ms未満である場合、1枚に相当する値「1」を貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに送信し、メダル数カウンタ311の記憶値を値「1」で減算する。また、メダル数制御手段300は、計数ボタンKBが押下された時間が500ms以上である場合、500ms経過して時点で50枚に相当する値「50」を貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに送信し、メダル数カウンタ311の記憶値を値「50」で減算し、以降計数ボタンKBが押下された状態で300ms経過するごとに、50枚に相当する値「50」を貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに送信し、メダル数カウンタ311の記憶値を値「50」で減算する。なお、メダル数制御手段300は、計数ボタンKBが押下されて500ms以上経過する際に、メダル数カウンタ311の記憶値が値「50」未満である場合、メダル数カウンタ311の記憶値に対応する値を貸出装置接続端子板40を介して専用ユニットSUに送信し、メダル数カウンタ311の記憶値を、該記憶値に対応する値で減算することで、メダル数カウンタ311の記憶値を値「0」にする。
【0067】
メダル数制御手段300は、メダル数カウンタ311の記憶値が値「16369」以上となった場合に、スロットマシン1に記憶させる制限に設定されている16368枚を超えるメダルが記憶されたメダルオーバーフローであると判定する。スロットマシン1では、メダルオーバーフローであると判定されたことに基づき、メダルオーバーフローエラーが発生し、計数ボタンKBが操作されてメダル数カウンタ311に記憶されたメダルが計数されることでメダル数カウンタ311の記憶値が値「16368」以下になった場合に、メダルオーバーフローエラーが解除される。より詳しくは、後述する。
【0068】
メダル数制御手段300は、遊技機の内部に設けられたメダル数クリアボタンCLが押下された状態で電源が投入された場合、メダル数カウンタ311を初期化し、メダル数カウンタ311の記憶値を値「0」にするメダル数のクリア(初期化)を行う。これにより、スロットマシン1は、電源を切る前にメダル数カウンタ311に残存していたメダル数の情報を、電源投入時に初期化することができる。
【0069】
2.本実施形態における遊技機が備える構成
次に、図3図11を参照して、本実施形態におけるスロットマシン1が備える各構成の詳細について説明する。
【0070】
<内部抽選の対象となる当選エリア>
図3は、本実施形態のスロットマシン1における内部抽選の対象となる当選エリアと、各当選エリアに対応付けられている当選番号及び当選役と、を示す図である。なお、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としてのRBBを有している。
【0071】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選の対象となる当選エリアとして、当選エリア「全小役」、当選エリア「全1枚役」、当選エリア「リプレイA」~当選エリア「リプレイC」、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」及び当選エリア「RBB」を有しており、当選番号1番~当選番号20番の番号がそれぞれ対応付けらえている。また、スロットマシン1では、内部抽選の結果として不当選(ハズレ)に当選番号0番が対応付けられている。
【0072】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1~ストップボタンB3に対して操作を実行する順番を意味する。また、以下の記載において、ストップボタンB1~ストップボタンB3が操作されるタイミングを「操作タイミング」とも記載する。
【0073】
本実施形態のスロットマシン1において、ストップボタンB1~ストップボタンB3の3つのストップボタンを操作する順序である打順は、打順1~打順6の6種類の打順から構成されている。打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0074】
内部抽選手段120は、乱数判定処理において、当選番号20番に対応付けられた当選エリアから当選番号0番に対応付けられた不当選に向かう順番で、各当選エリアの当否を決定していく。
【0075】
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選で当選した場合に入賞可能な小役として、小役1~小役10を有しており、内部抽選で当選可能なリプレイとして、リプレイ1~リプレイ3を有している。各小役及び各リプレイは、それぞれ図3に示す組合せで各当選エリアに対応付けられている。また、図3に示すように、スロットマシン1では、ボーナスと小役とを含む当選エリアとして、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」が設定され、ボーナスのみを含み当選エリアとして、当選エリア「RBB」が設定されている。
【0076】
スロットマシン1では、当選エリア「リプレイC」について、他のリプレイの当選エリアよりも低い当選確率に設定されている。また、スロットマシン1では、当選エリア「RBB&レア役」について、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「RBB&1枚役」の小役を含む各当選エリアよりも低い当選確率に設定されている。
【0077】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBBがあり、小役及びリプレイは、持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBBを含む当選エリアに当選すると、当選したRBBの抽選フラグの成立状態を、RBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBBの抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
【0078】
<内部抽選テーブル>
本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で用いられる抽選テーブルである内部抽選テーブルとして、非RT状態(一般中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルAと記載)と、RBB内部中状態(内部中)で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルBと記載)と、RBB状態で用いられる内部抽選テーブル(以下、内部抽選テーブルCと記載)と、を内部抽選テーブル記憶手段192に記憶させている。内部抽選テーブルA~内部抽選テーブルCの各内部抽選テーブルにおいては、抽選の対象となる各当選エリアに抽選値数が対応付けられている。
【0079】
<乱数判定処理>
本実施形態の内部抽選手段120は、乱数判定処理において、乱数生成手段110から取得した乱数を、内部抽選テーブル記憶手段192から取得した内部抽選テーブルにおいて各当選エリアに対応付けられている抽選値数で順次減算していき、減算した結果が負の値となった場合に、当該減算した抽選値数に対応する当選エリアに当選したと判定する。また、内部抽選手段120は、内部抽選テーブルに記憶されているすべての抽選値数で減算し終えた時点で減算した結果が正の値である場合、いずれの役にも当選しなかった不当選であると判定する。
【0080】
<打順ベルの詳細>
本実施形態において、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」は、当選した場合に小役1~小役6を入賞可能にする打順(正解打順)がそれぞれ設定されている。
【0081】
当選エリア「打順ベル1」、当選エリア「打順ベル7」は、小役1を入賞可能にする正解打順が打順1に設定されており、当選エリア「打順ベル2」、当選エリア「打順ベル8」は、小役2を入賞可能にする正解打順が打順2に設定されており、当選エリア「打順ベル3」、当選エリア「打順ベル9」は、小役3を入賞可能にする正解打順が打順3に設定されており、当選エリア「打順ベル4」、当選エリア「打順ベル10」は、小役4を入賞可能にする正解打順が打順4に設定されており、当選エリア「打順ベル5」、当選エリア「打順ベル11」は、小役5を入賞可能にする正解打順が打順5に設定されており、当選エリア「打順ベル6」、当選エリア「打順ベル12」は、小役6を入賞可能にする正解打順が打順6に設定されている。当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」は、各当選エリアに設定された正解打順とは異なる打順でストップボタンB1~ストップボタンB3が操作された場合に、1/2の確率で小役7、小役8が入賞し、1/2の確率でいずれの役の入賞図柄組合せとも異なる図柄組合せが有効ラインL1上に停止表示される取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
【0082】
<リール制御手段>
本実施形態のスロットマシン1では、いずれの遊技状態である場合にも、リール停止制御において有効ラインL1上に停止させる役の優先順序が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、リール制御手段130は、ボーナスと小役又はボーナスとリプレイが重複して当選している場合、ボーナスに優先して小役又はリプレイを入賞させる停止制御を実行する。
【0083】
また、上述したように、リール制御手段130は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されていることから、左リールR1~右リールR3に配列されている図柄のうち4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミングによらず有効ラインL1上に停止表示可能に構成されている。
【0084】
<小役の配当>
小役1~小役6の配当は、規定投入数(3枚)よりも多い枚数の払出数(15枚)に設定されている。また、小役7~小役9の配当は、規定投入数よりも少ない枚数の払出数(1枚)に設定されている。また、小役10の配当は、規定投入数と同数の払出数(3枚)に設定されている。
【0085】
<遊技状態移行制御手段>
図4(A)は、本実施形態の遊技状態移行制御手段160が実行する遊技状態の移行に係る制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。
【0086】
図4(A)に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態(初期遊技状態、通常遊技状態)であり、ボーナスが作動及び成立していない非ボーナス状態となっている。非RT状態において、遊技状態移行制御手段160は、リプレイの当選確率が8978/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルAを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0087】
RBB内部中状態は、非RT状態における内部抽選で当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「RBB&レア役」、当選エリア「RBB」のいずれかに当選し、RBBが成立状態に設定された場合に移行する遊技状態である。RBB内部中状態において、遊技状態移行制御手段160は、リプレイの当選確率が8982/65536(約1/7.3)に設定されている内部抽選テーブルBを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0088】
RBB状態は、RBBが入賞しRBBが作動することで移行される遊技状態である。RBB状態において、遊技状態移行制御手段160は、予め定められた所定の払出数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出された場合にRBBの終了条件が成立したと判定し、RBBの作動を終了させ、遊技状態を非RT状態に移行する。RBB状態において、遊技状態移行制御手段160は、内部抽選テーブルCを用いた内部抽選を内部抽選手段120に実行させる。
【0089】
内部抽選テーブルCは、小役1~小役10のすべての小役に当選する当選エリア「全小役」と、の配当が1枚に設定されたすべての小役に当選する当選エリア「全1枚役」と、に乱数が対応付けられている。
【0090】
本実施形態のスロットマシン1では、RBBの作動中において当選エリア「全小役」又は当選エリア「全1枚役」に当選する確率が、RBBが作動していない遊技状態において小役を含む当選エリアのいずれかに当選する確率よりも高く、且つRBBが作動している場合において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、RBBが作動していない遊技状態において当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル6」のいずれか1つと、当選エリア「打順ベル7」~当選エリア「打順ベル12」のいずれか1つと、に当選する確率の合算と同じ確率に設定されている。
【0091】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、RBBが作動している遊技状態において、RBBの非作動時である遊技状態である場合よりもすべての小役の当選確率が上昇するとともに、いずれかの小役に当選する確率も同一又は上昇するように構成されている。
【0092】
また、スロットマシン1は、RBBの作動中において、当選エリア「全小役」に当選する確率が、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」のいずれかに当選する確率(当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の各当選確率を合算した当選確率)よりも低くなるように構成されている。
【0093】
このような構成により、本実施形態においては、RBBが作動している状態でのメダルの獲得率の期待値の下限を100%未満にまで引き下げた上で、RBBが作動していない状態に関するメダルの獲得性能を設計することができるため、スロットマシン1の設計自由度を飛躍的に向上させることができる。
【0094】
<AT制御手段>
図4(B)は、本実施形態のAT制御手段170によって制御される通常区間及び有利区間と、有利区間中に制御される演出状態と、についての詳細を示す状態遷移図である。
【0095】
上述した通り、通常区間は、内部抽選手段120による内部抽選の結果に基づく補助遊技に関する制御が実行されない期間である。AT制御手段170は、通常区間内における遊技において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づき、通常区間を終了し有利区間を開始するか否かを決定する抽選である有利区間抽選を実行する。
【0096】
有利区間抽選において、AT制御手段170は、まず、AT制御データ記憶手段196から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利区間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利区間移行抽選テーブルを取得する。そして、AT制御手段170は、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利区間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利区間を開始するか否かを決定する。
【0097】
AT制御手段170は、内部抽選で当選した当選エリアの当選確率と、有利区間抽選における「有利区間の開始」の当選確率と、を乗算した確率について、1/17500以上となるように有利区間抽選を実行する。
【0098】
本実施形態のAT制御手段170は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」、当選エリア「RBB&レア役」、当選エリア「RBB&1枚役」、当選エリア「リプレイA」、当選エリア「リプレイC」に当選した場合に、有利区間抽選を実行し、他の当選エリアに当選した場合には、有利区間抽選を実行しないように構成されている。また、AT制御手段170は、約1/1.5と高い確率で「有利区間の開始」に当選する有利区間抽選を実行する。
【0099】
有利区間において、AT制御手段170は、指示機能に係る状態(演出状態)として、通常状態と、CZ状態と、AT状態と、を有し、通常状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時における小役1~小役6の入賞補助を実行しないように構成され、CZ状態及びAT状態においては、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時における小役1~小役6の入賞補助を実行可能に構成されている。また、本実施形態のスロットマシン1は、全体の遊技における有利区間の滞在比率が、7割以上となりうる構成となっている。
【0100】
通常状態は、他の演出状態に移行していない場合に設定される、複数種類の演出状態の中で通常の状態に相当する演出状態(通常演出状態)である。AT制御手段170は、演出状態が通常状態に移行した場合、通常状態における遊技回数をカウントする通常ゲーム数カウンタ(不図示)に、遊技が実行される都度、通常ゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」を加算するインリメント更新を実行する。AT制御手段170は、通常ゲーム数カウンタの記憶値が値「700」となった場合に、CZ状態への移行条件(CZ移行条件)が成立したと判定し、演出状態を通常状態からCZ状態に移行する。
【0101】
AT制御手段170は、通常状態における内部抽選でRBBを含まない当選エリアに当選した遊技において、CZ状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ抽選を実行するように構成されている。また、AT制御手段170は、内部抽選で当選エリア「リプレイC」に当選した場合には、RBBを含まず且つ当選エリア「リプレイC」とは異なる当選エリアに当選した場合よりも「CZ状態への移行」に当選しやすくなることで遊技者にとって有利な結果となる確率が高くなったCZ抽選を実行するように構成されている。CZ抽選において「CZ状態への移行」に当選した場合、AT制御手段170は、演出状態を通常状態からCZ状態に移行する。
【0102】
また、AT制御手段170は、内部抽選で当選エリア「RBB&レア役」に当選した場合に、AT状態への移行を決定するか否かを抽選する通常中AT抽選を実行し、「AT状態への移行」に当選した場合に、AT状態への移行条件(AT移行条件)が成立したと判定し、通常状態からAT状態に移行する。
【0103】
CZ状態は、補助遊技に係る制御として、AT状態に演出状態を移行するか否かを決定する制御が実行された場合に、通常状態よりも高い確率でAT状態に移行可能に構成されており、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。AT制御手段170は、CZ状態の開始時にAT制御データ記憶手段196のCZゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する値(例えば、10ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、CZゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0104】
AT制御手段170は、CZ状態における毎回の遊技において、AT状態への移行を決定するか否かを抽選するCZ中AT抽選を実行するように構成されている。CZ中AT抽選において「AT状態への移行」に当選した場合、AT制御手段170は、CZ状態の開始から10ゲームの遊技が実行された後に、演出状態をCZ状態からAT状態に移行する。
【0105】
AT制御手段170は、CZ中AT抽選で「AT状態への移行」に当選し且つCZ状態が終了するまでの遊技において、CZ状態から移行されるAT状態について、1セットのAT状態を実行する回数を加算(上乗せ)するか否かを決定するCZ中セット数上乗せ抽選を実行する。
【0106】
一方、AT制御手段170は、CZ中AT抽選で「AT状態への移行」に当選することなくCZ状態において10ゲームの遊技が実行された場合、CZ状態を終了し演出状態を通常状態に移行する。
【0107】
AT制御手段170は、CZ状態において実行する補助遊技に係る抽選(CZ中AT抽選、CZ中セット数上乗せ抽選)について、内部抽選の結果によらず実行するように構成されている。また、AT制御手段170は、CZ状態において実行する補助遊技に係る抽選について、内部抽選で当選エリア「リプレイC」に当選した場合と、当選エリア「RBB&レア役」に当選した場合と、には、他の当選エリアに当選した場合よりも「不当選(ハズレ)」となる確率が低下し、遊技者にとって有利な結果(CZ中AT抽選であれば「AT状態への移行」となる確率が高くなるように構成されている。
【0108】
AT状態は、当選エリア「打順ベル1」~当選エリア「打順ベル12」の当選時における小役1~小役6の入賞補助が実行されることで、通常状態よりも遊技者にとって有利な演出状態である。
【0109】
AT制御手段170は、AT状態の開始時にAT制御データ記憶手段196のATゲーム数カウンタ(不図示)に所定の遊技回数に対応する初期値(50ゲーム)をセットし、遊技が実行される都度、ATゲーム数カウンタの記憶値を1ゲームに相当する値「1」で減算するデクリメント更新を実行する。
【0110】
また、AT制御手段170は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「RBB&レア役」に当選した場合と、当選エリア「リプレイC」に当選した場合と、に、ATゲーム数カウンタの記憶値に抽選により決定された値を加算するか否かを決定することで、AT状態が継続する期間を加算(上乗せ)するか否かを決定する上乗せ抽選を実行し、上乗せ抽選によって決定した値が1以上の値である場合に、決定した値をATゲーム数カウンタに加算する上乗せ処理を実行するように構成されている。
【0111】
AT制御手段170は、AT状態における毎回の遊技の実行の都度実行するデクリメント更新によってATゲーム数カウンタの記憶値が値「0」になった場合に、AT状態の終了条件(AT終了条件)が成立したと判定し、AT状態を終了するとともに、有利区間の終了条件のうち通常終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0112】
また、AT制御手段170は、AT状態において有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2400」を超えた場合にも、AT終了条件が成立したと判定し、AT状態を終了するとともに、有利区間の終了条件のうち特定終了条件が成立したと判定し、有利区間に関する情報を初期化する処理である所定の初期化処理と、有利区間を終了させて次ゲームから通常区間を開始する所定の終了処理と、を実行する。
【0113】
AT制御手段170は、AT状態において有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2000」に達した場合に、有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2400」を超えるまでAT状態を継続することを決定し、ATゲーム数カウンタの更新を停止する。この、ATゲーム数カウンタの更新が停止され、有利区間カウンタ196aの記憶値が値「2400」を超えるまでAT状態を継続する状態が、本実施形態におけるエンディング状態を構成する。エンディング状態であることは、演出制御手段200によるエンディング表示によって報知される。
【0114】
演出制御手段200は、AT状態が終了する場合に、AT状態終了に係る表示を実行する。AT状態終了に係る表示において、演出制御手段200は、今回のAT状態において実行された遊技回数及び今回のAT状態で獲得されたメダル数のAT状態の結果を示すATリザルト画像と、遊技者に遊技の継続に対して注意を喚起することで遊技者の遊技への過度な没頭、いわゆるのめり込みや遊技への依存を防止するための画像としての注意喚起画像と、を表示する。
【0115】
図4(B)に示すように、AT制御手段170は、通常区間における有利区間抽選で「有利区間の開始」に当選し、有利区間を開始する場合に、有利区間の開始時における演出状態をCZ状態に設定するように構成されている。また、AT制御手段170は、上述したように、AT状態を終了した場合に、有利区間を終了し通常区間を開始するように構成されている。
【0116】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、AT状態を終了し、通常区間から有利区間に移行することで、CZ状態が開始されるため、通常区間の開始時に通常状態に設定される場合よりも再度AT状態に移行する確率が高くなるように構成されている。これにより、本実施形態のスロットマシン1は、一度AT状態が開始されると通常区間、CZ状態を介して再度AT状態を開始することが可能なため、複数回のAT状態によってメダルを獲得することができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる。
【0117】
<コンプリート制御手段>
上述したように、コンプリート制御手段180は、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「19000」に達した場合に、コンプリート機能を作動させる。換言すると、コンプリート制御手段180は、メダル数制御手段300によって制御されるメダル数カウンタ311とは異なるメダル獲得数カウンタ197aの記憶値を参照してコンプリート機能の作動の有無を制御するように構成されている。
【0118】
演出制御手段200は、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「18000」に達した場合、つまり、スロットマシン1の電源投入後におけるメダルの払出数の最下点から獲得されたメダル数が18000枚に達した場合に、残り1000枚のメダルを獲得することでコンプリート機能が作動することを報知するコンプリート事前報知演出を実行する。
【0119】
コンプリート事前報知演出において、演出制御手段200は、コンプリート機能が残り1000枚のメダルの獲得で作動することを報知することで遊技者にコンプリート機能の作動が近いことに対して注意喚起する音としてのコンプリート事前報知音を音響装置420から出力する。また、演出制御手段200は、コンプリート機能が残り1000枚のメダルの獲得で作動することを報知する表示としてのコンプリート事前報知画像を表示装置410に表示する。
【0120】
演出制御手段200は、コンプリート事前報知画像を表示した場合、コンプリート機能が作動する場合と、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値が予め定められた所定の終了値(例えば値「17970」)未満になった場合と、にコンプリート事前報知画像の表示を終了する。換言すると、演出制御手段200は、コンプリート機能が作動した場合には、コンプリート事前報知画像の表示を終了してコンプリート機能が作動したことを報知するコンプリート報知画像を表示(コンプリート報知表示)するとともに、コンプリート機能が作動したことを報知することで遊技者にコンプリート機能の作動に対して注意喚起する音としてのコンプリート報知音を出力する。また、演出制御手段200は、コンプリート機能が作動するまでに必要となるメダルの獲得数が残り1000枚から30枚より多く必要となった場合には、コンプリート事前報知画像の表示を終了し、遊技の進行に応じた画像を表示する。
【0121】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、コンプリート事前報知画像を表示した後に、メダルを獲得できず30枚を超えたメダルが消費された場合に、コンプリート機能が作動する可能性が低下したことに応じてコンプリート事前報知画像の表示を終了でき、コンプリート機能が作動することなく長期にわたってコンプリート事前報知画像が表示され続けてしまうことを防ぎ、遊技者の演出に対する興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0122】
<演出制御手段>
演出制御手段200は、左リールR1~右リールR3が停止し且つメダルが投入状態に設定されることなく所定の時間が経過した場合で、且つAT制御手段170に制御される演出状態が通常状態である場合に、表示装置410にデモ画面を表示するように構成されている。演出制御手段200は、マックスベットボタンMBが操作されてメダルが投入状態に設定された場合に、デモ画面の表示を終了する。
【0123】
演出制御手段200は、デモ画面を表示可能な状態において、演出用ボタンEBが操作された場合に、遊技機の音量や演出環境についての設定情報を発行可能にする各項目が表示されるメニュー画面を表示可能に構成されている。演出制御手段200は、メニュー画面から音量調整画面を表示する項目が選択され、音量調整画面を表示する場合に、演出用ボタンEBの操作によって音量を音量1~音量5の5段階で調整可能に構成されている。音量1は、最も小さい音量であり、音量5は、最も大きい音量となっている。演出制御手段200は、マックスベットボタンMBが操作されてメダルが投入状態に設定された場合に、メニュー画面の表示を終了する。
【0124】
演出制御手段200は、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が15000枚以上となった場合に、所持数警告が発生しメダルの貸し出しが行われない状態となっていることから、遊技者に計数を促す計数促進演出を実行する。計数促進演出において、演出制御手段200は、所持数警告が発生していることから計数ボタンKBを操作してメダルを計数することで所持数警告の解除を促す表示としての計数促進画像を表示装置410に表示する。
【0125】
また、演出制御手段200は、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が16369枚以上となった場合に、メダルオーバーフローが発生し後述するメダルオーバーフローエラーが発生したことを報知するオーバーフロー報知演出を実行する。オーバーフロー報知演出において、演出制御手段200は、メダルオーバーフローが発生したことを報知することで遊技者にメダルオーバーフローに対して注意喚起する音としてのメダルオーバーフロー報知音を音響装置420から出力する。また、演出制御手段200は、メダルオーバーフローが発生したことを報知する表示としてのメダルオーバーフロー報知画像を表示装置410に表示する。
【0126】
計数ボタンKBが操作されメダルの計数が行われる場合において、演出制御手段200は、メダル数制御手段300から専用ユニットSUに向けてメダル数に係る信号が送信される都度、計数が行われていることを示唆する計数音を音響装置420から出力する。換言すると、演出制御手段200は、計数ボタンKBが500ms以上継続して押下され50枚を超えるメダルが計数される場合、計数ボタンKBの押下が開始されて500msが経過した時点で計数音を出力し、以降300msが経過しメダルの計数が行われる都度、計数音を出力する。
【0127】
3.遊技機に発生するエラーと演出との関係
次に、本実施形態のスロットマシン1において、エラーの発生と、演出の実行と、が重複する場合における詳細について説明する。
【0128】
<遊技機に発生するエラー>
図5は、スロットマシン1に発生するエラーの一部をまとめた表である。図5には、バックアップエラーと、メダルオーバーエラーと、貸出装置接続エラーと、打止エラーと、所持数警告と、の4種のエラーについて抜粋して記載されているが、スロットマシン1においては、図5に示すエラー以外も発生しうるものの、その詳細については記載を省略する。
【0129】
バックアップエラーは、主制御基板10のRWMのバックアップに失敗している場合に発生するエラーである。主制御CPU11は、電源が切れる前にバックアップされたデータのチェックサムと、電源が投入された際に算出したチェックサムと、を電源投入時に比較し、異なる値である場合にバックアップエラーが発生していると判定する。バックアップエラーが発生している場合、スロットマシン1では、遊技を進行することができなくなっており、スロットマシン1の前面上扉UDが開けられ、内部に設けられた設定変更ボタンBSが操作されて初期化されることで解除される。換言すると、バックアップエラーには、設定変更ボタンBSの操作が、バックアップエラーが発生した状況を解除する解除方法(解除操作)として設定されている。
【0130】
メダルオーバーフローエラーは、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が16369枚以上となった場合に発生するエラーである。メダルオーバーフローエラーが発生している場合、スロットマシン1では、遊技を進行することができなくなっており、計数ボタンKBが操作されてメダルの計数が行われ、メダル数カウンタ311に記憶されたメダル数が16368枚以下になることで解除される。換言すると、メダルオーバーフローエラーには、計数ボタンKBの操作が、メダルオーバーフローエラーが発生した状況を解除する解除方法(解除操作)として設定されている。
【0131】
貸出装置接続エラーは、専用ユニットSUが貸出装置接続端子板40と未接続となった場合に発生するエラーである。貸出装置接続エラーが発生している場合、スロットマシン1では、遊技を進行することができなくなっており、専用ユニットSUが貸出装置接続端子板40に接続されることで解除される。換言すると、貸出装置接続エラーには、専用ユニットSUの貸出装置接続端子板40への接続が、貸出装置接続エラーが発生した状況を解除する解除方法(解除操作)として設定されている。
【0132】
打止エラーは、電源投入時からのメダルの獲得数が19000枚以上となり、コンプリート制御手段180によってコンプリート機能が作動した場合に、コンプリート機能の作動を示すエラーとなっている。打止エラーが発生している場合、スロットマシン1では、遊技を進行することができなくなっており、スロットマシン1の前面上扉UDが開けられ、内部に設けられた設定変更ボタンBSが操作されて初期化されることで解除される。換言すると、打止エラーには、設定変更ボタンBSの操作が、打止エラーが発生した状況を解除する解除方法(解除操作)として設定されている。
【0133】
所持数警告は、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が15000枚以上となった場合に発生するエラーである。所持数警告が発生している場合、スロットマシン1では、遊技を進行することができるが、専用ユニットSUから送信される貸出信号を受信した場合に、所持数警告が発生していることを示す信号を送信することで、メダルの貸し出しを行わず、メダル数カウンタ311の記憶値を加算しない。スロットマシン1では、計数ボタンKBが操作されてメダルの計数が行われ、メダル数カウンタ311に記憶されたメダル数が14999枚以下になった場合と、遊技の実行によりメダルが投入状態に設定されたことでメダル数カウンタ311に記憶されたメダル数が14999枚以下になった場合と、に、所持数警告が解除される。換言すると、所持数警告には、計数ボタンKBの操作と、マックスベットボタンMBを操作して遊技を実行してメダルを消費することと、が、所持数警告が発生した状況を解除する解除方法(解除操作)として設定されている。
【0134】
スロットマシン1では、メダル数カウンタ311の記憶値を参照して、所持数警告の発生の有無と、メダルオーバーフローエラーの発生の有無と、が決定される構成となっており、メダル数カウンタ311の記憶値が値「15000」以上となった場合に、所持数警告が発生して専用ユニットSUによるメダルの貸し出しが停止され、メダル数カウンタ311の記憶値が値「16369」以上となった場合に、メダルオーバーフローエラーが発生してメダルの計数が行われるまで遊技を進行できなくなる。また、スロットマシン1では、メダル獲得数カウンタ197aの記憶値を参照して、打止エラーの発生の有無が決定される構成となっており、打止エラーの発生の有無を決定する際にメダル数カウンタ311の記憶値が参照されない構成となっている。
【0135】
このような構成であることから、スロットマシン1では、メダル数カウンタ311の記憶値が値「15000」未満である状態で打止エラーが発生した場合には、メダルの計数だけでなく、メダルの貸し出しも実行可能な構成となっている。
【0136】
また、スロットマシン1では、バックアップエラー、メダルオーバーフローエラー、打止エラーが発生した場合、主制御基板10に設けられたエラー表示器(不図示)に発生しているエラーの内容を示すエラーコードを表示する。なお、スロットマシン1では、所持数警告が発生した場合、遊技を継続して実行可能であり、解除に際して遊技機を開ける必要もないことから、エラー表示器に所持数警告を示すエラーコードを表示しない構成となっている。
【0137】
また、演出制御手段200は、打止エラーの発生条件と、メダルオーバーフローエラーの発生条件と、が同一のタイミングで成立した場合、具体的には、小役1~小役6のいずれかが入賞した遊技において、メダル数カウンタ311の記憶値が値「16369」以上となり、且つメダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「19000」以上となった場合、コンプリート機能の作動により打止エラーの発生を報知するコンプリート報知画像に優先してメダルオーバーフローエラーの発生を報知するメダルオーバーフロー報知画像411(図8参照)を表示する。
【0138】
上述したように、打止エラーは、コンプリート機能の作動に基づき発生するエラーであり、遊技場においては打止エラーが発生した遊技機について、該打止エラーが発生した日における稼働を中止するような構成となっている。一方、メダルオーバーフローエラーは、計数ボタンKBが操作されてメダルが計数されることでメダル数カウンタ311の記憶値が値「16368」以下になれば解除されるエラーとなっている。
【0139】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者の計数ボタンKBへの操作によって速やかに解除可能なエラーであるメダルオーバーフローエラーを、遊技者には解除できず遊技場の営業終了まで解除不能な打止エラーに優先して報知し、複数のエラーが同時に発生した状態が長期に亘って継続してしまうことを防ぎ、複数のエラーの発生により主制御CPU11の処理負荷が過度に高まることを抑制することができる。
【0140】
また、演出制御手段200は、打止エラーが発生している状態で、他のエラーが発生した場合、具体的には、打止エラーが発生している状態で専用ユニットSUが貸出装置接続端子板40と未接続となった場合、コンプリート報知画像に優先して貸出装置接続エラーの発生を報知する貸出装置接続エラー報知画像を表示する。上述したように、貸出装置接続エラーは、専用ユニットSUが貸出装置接続端子板40に接続されることで解除されるエラーとなっている。
【0141】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、遊技場のスタッフによって速やかに解除可能なエラーである貸出装置接続エラーを、遊技者には解除できず遊技場の営業終了まで解除不能な打止エラーに優先して報知し、複数のエラーが同時に発生した状態が長期に亘って継続してしまうことを防ぎ、複数のエラーの発生により主制御CPU11の処理負荷が過度に高まることを抑制することができる。
【0142】
<音の出力に係る制御>
本実施形態の演出制御手段200は、遊技機から出力される音について、副記憶手段210に設けられた複数の音レイヤーのうち対応する音レイヤーにセットして出力する。演出制御手段200は、複数の音レイヤーのそれぞれにセットした音を重畳することで、複数の音を同時に出力する。複数の音レイヤーには、ユーザによる音量調整を受け付けない音量固定レイヤーに分類される音レイヤーと、ユーザによる音量調整を受け付ける音量変動レイヤーに分類される音レイヤーと、がある。音量固定レイヤーに分類される音レイヤーにセットされた音は、音量5で出力される。
【0143】
<計数報知音に係る制御処理>
図6は、計数ボタンKBが押下され計数報知音を出力する場合に演出制御手段200が実行する計数報知音に係る制御処理を示すフローチャートである。演出制御手段200は、メダル数制御手段300から送信される計数処理の実行に係る信号を受信する都度、計数報知音に係る制御処理を実行する。
【0144】
計数報知音に係る制御処理において、演出制御手段200は、まず、メダルオーバーフロー中か否かを判定する(S1)。この処理において、演出制御手段200は、メダル数制御手段300からメダルオーバーフローが発生していることを示す信号を受信したか否かを判定する。
【0145】
ステップS1の処理において、メダルオーバーフロー中であると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダルオーバーフロー報知音を音量5で出力する(S2)。この処理において、演出制御手段200は、音量固定レイヤーに分類される音レイヤーにメダルオーバーフロー報知音をセットすることで、スロットマシン1における最大の音量となる音量5でメダルオーバーフロー報知音を出力する。
【0146】
ステップS1の処理において、メダルオーバーフロー中ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、コンプリート事前報知を行うか否かを判定する(S3)。この処理において、演出制御手段200は、コンプリート機能が残り1000枚のメダルの獲得で作動することを報知するコンプリート事前報知音を出力するタイミングであるか否かを判定する。
【0147】
ステップS3の処理において、コンプリート事前報知を行うタイミングであると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、コンプリート事前報知音を音量5で出力する(S4)。この処理において、演出制御手段200は、音量固定レイヤーに分類される音レイヤーにコンプリート事前報知音をセットすることで、スロットマシン1における最大の音量となる音量5でコンプリート事前報知音を出力する。
【0148】
ステップS2又はステップS4の処理を実行した後、演出制御手段200は、計数報知音の音量を音量5に設定する(S5)。この処理において、演出制御手段200は、計数報知音がセットされる音レイヤーの音量を、ユーザが指定した音量によらず音量5に設定する。
【0149】
ステップS5の処理を実行した後、又はステップS3の処理において、コンプリート事前報知を行うタイミングではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、BGM等の低下対象音を出力するか否かを判定する(S6)。この処理において、演出制御手段200は、BGMや遊技の進行に関する報知音(例えば、AT状態において実行するナビ演出で出力する正解打順を報知する音等)や効果音(例えば、スタートレバーSLへの開始操作が実行された際に出力する開始操作音等)といったステップS7の処理の対象となる低下対象音がセットされる音レイヤーがあるか否かを判定する。低下対象音は、音量変動レイヤーに分類される音レイヤーにセットされる音となっている。
【0150】
ステップS6の処理において、低下対象音を出力すると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、低下対象音の音量低下処理を実行する(S7)。この処理において、演出制御手段200は、低下対象音がセットされている音レイヤーにおいて、現在ユーザによって指定されている音量に、1未満の所定の係数値(例えば、値「0.5」等)を乗算することで、低下対象音が出力される際における音量を下げる。
【0151】
ステップS7の処理を実行した後、又はステップS6の処理において、低下対象音を出力しないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、設定されている音量で計数報知音を出力し(S8)、計数報知音に係る制御処理を終了する。
【0152】
ステップS1~S8の処理を実行することにより、本実施形態の演出制御手段200は、メダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音を出力するタイミングと、計数報知音を出力するタイミングと、が重複した場合、ユーザが指定した音量によらず計数報知音の音量をメダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音と同じ音量でありスロットマシン1における最大の音量である音量5に設定した上で、計数報知音を出力する。また、演出制御手段200は、低下対象音について、計数報知音の出力に伴い音量を低下させる。
【0153】
このような構成により、本実施形態のスロットマシン1は、メダルの計数が実行されていることを報知し、遊技者の利益に直接的に関与する計数処理を報知する計数報知音の音量を、メダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音といった遊技の継続に関与することから遊技者に報知して注意喚起する必要性が極めて高い音と同じ音量にすることで、計数報知音を目立たせながらもメダルオーバーフロー報知音又はコンプリート事前報知音を明瞭に遊技者に聞き取らせることができる。
【0154】
また、スロットマシン1は、BGM等の低下対象音については、ユーザに指定された音量よりも下げた音量で出力し、計数報知音については、メダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音を報知しない場合であればユーザに指定された音量で出力するため、計数報知音の方がBGM等の低下対象音よりも大きい音量となるように構成されており、計数報知音がBGM等の低下対象音にかき消されてしまうことを防止し、遊技者の計数報知音の聞き取りを容易にすることができる。
【0155】
また、スロットマシン1は、計数報知音を出力する場合において、BGM等の低下対象音については、ユーザに指定された音量よりも下げた音量で出力し、メダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音といった遊技の継続に関与することから遊技者に報知して注意喚起する必要性が極めて高い音については、出力する音量を低下させないことで、出力される音の音量を適切な音量に設定でき、計数報知音によってメダルオーバーフロー報知音又はコンプリート事前報知音の聞き取りが困難になることを防止しつつ、計数報知音を目立たせながらもメダルオーバーフロー報知音又はコンプリート事前報知音を明瞭に遊技者に聞き取らせることができる。
【0156】
また、演出制御手段200は、図6に示したように、計数報知音を出力する場合において、メダルオーバーフロー報知音の出力と、コンプリート事前報知音の出力と、のそれぞれの実行タイミングが重複した場合、ステップS1、ステップS2の処理を実行した後、ステップS3、ステップS4の処理をスキップすることで、メダルオーバーフロー報知音の出力をコンプリート事前報知音の出力に優先するように構成されている。
【0157】
このような構成により、本実施形態の演出制御手段200は、遊技を進行可能な状態で報知されるコンプリート事前報知音に優先して、遊技を進行不能な状態で報知されるためコンプリート事前報知音よりも遊技者に報知する必要性が高いメダルオーバーフロー報知音を出力することで、計数報知音を目立たせながらもメダルオーバーフロー報知音を明瞭に遊技者に聞き取らせることができる。
【0158】
なお、図6に例示したフローチャートにおいては、コンプリート事前報知音の出力について記載しているが、演出制御手段200は、コンプリート機能が作動した場合に出力する音であるコンプリート報知音についても、音量固定レイヤーに分類される音レイヤーにセットするように構成されており、計数ボタンKBが操作された際に出力される計数報知音と、コンプリート報知音と、のそれぞれの実行タイミングが重複した際に、コンプリート報知音の音量を低下することなく出力するように構成されている。
【0159】
この、計数ボタンKBの操作によって解除可能なメダルオーバーフローエラーが発生した状況と、設定変更ボタンBSの操作によって解除可能な打止エラーが発生した状況と、残り1000枚のメダルの獲得によってコンプリート機能が作動する状況であり、遊技を実行することでメダルを消費又は獲得することによって解除可能なコンプリート事前報知音の出力するタイミングと、が、本実施形態における所定の解除方法が設定された所定の状況を構成し、メダルオーバーフローエラーの発生に基づき出力されるメダルオーバーフロー報知音と、コンプリート機能の作動が近い(打止エラーの発生が近い)ことに基づき出力されるコンプリート事前報知音と、コンプリート機能の作動(打止エラーの発生)に基づき出力されるコンプリート報知音と、が、本実施形態における注意喚起に関する第1音を構成し、BGM等の低下対象音が、本実施形態における第2音を構成し、計数ボタンKBが操作されることに基づき、メダルが計数されるごとに出力される計数報知音が、本実施形態における第3音を構成する。また、計数報知音、メダルオーバーフロー報知音、コンプリート事前報知音、コンプリート報知音、低下対象音等の音を出力する音響装置420が、本実施形態における音出力手段を構成する。
【0160】
なお、計数ボタンKBへの操作により出力される計数報知音を出力する場合において、メダルオーバーフロー報知音と、コンプリート事前報知音と、コンプリート報知音と、については、出力する音量を低下せず、低下対象音については、出力する音量を低下する構成となっているが、演出制御手段200は、専用ユニットSUに設けられているボタンであり、紙幣が投入された状態で操作されることで投入された金額に応じたメダルが貸し出される貸出ボタンが操作された場合に、貸し出しが行われたことを報知する貸出報知音を出力するとともに、貸出報知音を出力する場合において、コンプリート事前報知音と、コンプリート報知音と、については、出力する音量を低下せず、低下対象音については、出力する音量を低下するように構成されている。
【0161】
このような構成により、スロットマシン1は、貸出報知音を出力する場合において、BGM等の低下対象音については、ユーザに指定された音量よりも下げた音量で出力し、コンプリート事前報知音やコンプリート報知音といった遊技の継続に関与することから遊技者に報知して注意喚起する必要性が極めて高い音については、出力する音量を低下させないことで、出力される音の音量を適切な音量に設定でき、貸出報知音によってコンプリート事前報知音やコンプリート報知音の聞き取りが困難になることを防止しつつ、貸出報知音を目立たせながらもコンプリート事前報知音やコンプリート報知音を明瞭に遊技者に聞き取らせることができる。
【0162】
<操作手段の操作と表示装置の表示とに係る制御処理>
図7は、スロットマシン1の有する操作手段のうち、計数ボタンKBが操作された場合において演出制御手段200が実行する表示装置410の表示に係る制御処理と、マックスベットボタンMBが操作された場合において演出制御手段200が実行する表示装置410の表示に係る制御処理と、の操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を示すフローチャートである。
【0163】
操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理において、演出制御手段200は、まず、計数ボタンKBが操作されたか否かを判定する(S11)。この処理において、計数ボタンKBが操作されていないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、ステップS19に処理を進める。一方、計数ボタンKBが操作されたと判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダルオーバーフロー中か否かを判定する(S12)。この処理において、演出制御手段200は、計数ボタンKBの操作によって表示装置410の表示を変更可能な状態であるメダルオーバーフロー中か否かを判定する。
【0164】
ステップS12の処理において、メダルオーバーフロー中ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、所持数警告中か否かを判定する(S13)。この処理において、演出制御手段200は、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が15000枚未満であるか否かを判定する。
【0165】
ステップS12の処理において、メダルオーバーフロー中であると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダル数が16968枚以下になったか否かを判定する(S14)。この処理において、演出制御手段200は、計数ボタンKBが押下されてメダル数制御手段300による計数処理が実行されることで、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が16968枚以下になったか否かを判定する。
【0166】
ステップS14の処理において、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が値「16969」枚以上であると判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、メダルオーバーフローが継続していると判定し、メダルオーバーフロー報知表示を実行し(S15)、操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了する。
【0167】
ステップS13の処理において、所持数警告中であると判定した場合(YES)、又はステップS14の処理において、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が値「16968」枚以下であると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダル数が15000枚未満になったか否かを判定する(S16)。この処理において、演出制御手段200は、計数ボタンKBが押下されてメダル数制御手段300による計数処理が実行されることで、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が15000枚未満になったか否かを判定する。
【0168】
ステップS16の処理において、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が値「15000」枚以上であると判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、所持数警告が継続していると判定し、所持数警告報知表示を実行する(S17)。一方、メダル数カウンタ311に記憶されているメダル数が値「15000」枚未満であると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダルオーバーフローや所持数警告といった計数ボタンKBの操作によって解除可能なエラーが解除されたと判定し、エラーの報知に係る表示を終了して遊技の進行に応じた表示を実行する(S18)。
【0169】
ステップS11~ステップS18の処理の詳細について、図8を参照して説明する。図8(A)は、メダルオーバーフロー報知画像411が表示装置410に表示された状態を例示する図である。図8(A)に示すように、スロットマシン1では、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が16369枚であり、メダルオーバーフロー中であることから、メダルオーバーフローが発生していることを報知し、表示装置410に計数ボタンKBを押下しメダルの計数を行うことを促す画像であるメダルオーバーフロー報知画像411を表示する。
【0170】
図8(B)は、所持数警告報知画像412が表示装置410に表示された状態を例示する図である。スロットマシン1では、図8(A)に示す状態からステップS11,S12,S14,S16,S17と処理が進行することで、図8(A)に示す状態から図8(B)に示す状態になる。
【0171】
図8(B)に示すように、スロットマシン1では、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が16319枚であり、メダルオーバーフローが解除され、且つ所持数警告中であることから、所持数警告が発生する条件である15000枚以上のメダルが記憶されていることを報知し、表示装置410に計数ボタンKBを押下しメダルの計数を行うことを促す画像である所持数警告報知画像412を表示する。
【0172】
図8(C)は、メダルオーバーフロー報知画像411及び所持数警告報知画像412の表示を終了し、遊技の進行に応じた画像としてAT状態中であることを報知するAT中画像413が表示装置410に表示された状態を例示する図である。スロットマシン1では、図8(B)に示す状態からステップS11~S13,S16,S18と処理が進行することで、図8(B)に示す状態から図8(C)に示す状態になる。
【0173】
図8(C)に示すように、スロットマシン1では、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が14969枚であることから、メダルオーバーフロー及び所持数警告といった計数ボタンKBの操作によって解除可能なエラーが解除されたことに基づき、遊技の進行に応じた演出を実行する。図8(C)に示す例においては、遊技の進行状況として、現在AT状態であることを報知するAT中画像413が表示装置410に表示される。
【0174】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、メダルオーバーフロー報知画像411を表示している状態で計数ボタンKBが操作されると、計数ボタンKBへの操作によってメダル数カウンタ311に記憶されたメダル数が16368枚以下になることに基づきメダルオーバーフロー報知画像411の表示を終了可能に構成されている。また、スロットマシン1では、所持数警告報知画像412を表示している状態で計数ボタンKBが操作されると、計数ボタンKBへの操作によってメダル数カウンタ311に記憶されたメダル数が15000枚未満になることに基づき所持数警告報知画像412の表示を終了可能に構成されている。
【0175】
ステップS17、ステップS18の処理を実行した後、ステップS11の処理において、計数ボタンKBが操作されていないと判定した場合(NO)、又はステップS13の処理において、所持数警告中ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、デモ画面等の表示維持画面を表示装置410に表示しているか否かを判定する(S19)。この処理において、演出制御手段200は、メニュー画面やデモ画面等の、左リールR1~右リールR3が停止し且つメダルが投入状態に設定されていない場合に表示され、遊技の開始に係る操作であるマックスベットボタンMBの操作によってメダルが投入状態に設定されるまで表示が維持される表示維持画面を表示しているか否かを判定し、表示維持画面を表示していないと判定した場合には(NO)、操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了する。
【0176】
一方、表示維持画面を表示していると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、メダルが投入状態に設定されたか否かを判定する(S20)。この処理において、演出制御手段200は、マックスベットボタンMBが操作され、メダルが投入状態に設定されたか否かを判定し、メダルが投入状態に設定されていないと判定した場合には(NO)、表示維持画面の表示を維持したまま操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了する。
【0177】
一方、メダルが投入状態に設定されたと判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、遊技者が遊技を開始するためにマックスベットボタンMBを操作し、メダル数カウンタ311に記憶されているメダルを投入状態に設定したと判定し、表示維持画面の表示を終了し(S21)、操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了する。
【0178】
ステップS11~ステップS21の処理の詳細について、図9を参照して説明する。図9(A)は、表示維持画面としてデモ画面414が表示された状態を例示した図である。図9(A)に例示するスロットマシン1においては、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が50枚となっている。
【0179】
図9(B)は、図9(A)に示す状態において、計数ボタンKBが操作されてメダル数カウンタ311に記憶されていた50枚のメダルが計数された状態を示す図である。スロットマシン1では、図9(A)に示す状態からステップS11~S13,S19,S20と処理が進行し、ステップS21の処理を実行することなく操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了することで、図9(A)に示す状態から図9(B)に示す状態になる。
【0180】
図9(B)に示すように、スロットマシン1では、計数ボタンKBが操作されてメダル数カウンタ311に記憶されていた50枚のメダルが計数されることで、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が0枚となっている。また、図9(B)に示すように、スロットマシン1では、計数ボタンKBが操作されてメダル数カウンタ311に記憶されていたメダルが計数された場合において、表示装置410に表示されていたデモ画面の表示が維持される。
【0181】
図9(C)は、図9(A)に示す状態において、マックスベットボタンMBが操作されて規定投入数となる3枚のメダルが投入状態に設定された状態を示す図である。スロットマシン1では、図9(A)に示す状態からステップS11~S13,S19~S21と処理が進行して操作手段の操作と表示装置410の表示とに係る制御処理を終了することで、図9(A)に示す状態から図9(C)に示す状態になる。
【0182】
図9(C)に示すように、スロットマシン1では、マックスベットボタンMBが操作されてメダル数カウンタ311に記憶されていた50枚のメダルから規定投入数となる3枚のメダルが投入状態に設定されることで、メダル数表示装置MDに表示されているメダル数が47枚となっている。また、図9(C)に示すように、スロットマシン1では、マックスベットボタンMBが操作されて規定投入数のメダルが投入状態に設定された場合において、表示装置410に表示されていたデモ画面の表示が終了し、遊技の進行に応じた演出が実行される。図9(C)に示す例においては、遊技の進行状況として、現在通常状態であることを報知する通常中画像415が表示装置410に表示される。
【0183】
このように、本実施形態のスロットマシン1では、デモ画面414等の表示維持画像を表示している状態で計数ボタンKBが操作されても、計数ボタンKBへの操作によってデモ画面414の表示を終了しない構成となっている。換言すると、スロットマシン1では、表示維持画像を表示している状態で計数ボタンKBが操作され計数処理が行われたことを示す計数信号がメダル数制御CPU31から副制御CPU21に向けて送信され、副制御CPU21が受信した場合であっても、演出制御手段200がステップS19~ステップS21の処理において、表示維持画像の表示終了の判定に際し計数信号を参照しないことで、表示維持画像の表示を維持するように構成されている。
【0184】
これにより、スロットマシン1は、デモ画面414が表示されている状態で、遊技者が遊技を終了するために計数ボタンKBを操作しメダルの計数を行った場合に、遊技者に遊技を開始する意図がないにもかかわらずデモ画面414の表示が終了してしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
【0185】
また、スロットマシン1では、表示維持画像に含まれるメニュー画面やメニュー画面から選択可能な音量調整画面、設定変更が面を表示している状態で計数ボタンKBが操作されても、計数ボタンKBへの操作によってメニュー画面の表示を終了しない構成となっている。これにより、スロットマシン1は、例えば、メニュー画面から設定情報画面が選択され、演出環境についての設定情報をQRコード(登録商標)によって発行して表示している状態で、遊技者が遊技を終了するために計数ボタンKBを操作しメダルの計数を行った場合に、遊技者に遊技を開始する意図がなくQRコード(登録商標)の読み取りを行おうとしているにもかかわらず設定変更画面の表示が終了してしまい、遊技者に不快感を与えてしまうことを防ぐことができる。
【0186】
また、上述したように、スロットマシン1は、メダルオーバーフロー報知画像411や所持数警告報知画像412を表示している状態で計数ボタンKBが操作されると、計数ボタンKBへの操作によってメダルが計数されることに基づきメダルオーバーフロー報知画像411や所持数警告報知画像412の表示を終了可能に構成されており、メダルオーバーフローを解除して遊技を進行させるために計数ボタンKBを操作する場合や、所持数警告が報知されたことに基づきメダルオーバーフローの発生を予め抑制するために計数ボタンKBを操作する場合等、遊技者が遊技を継続するために計数ボタンKBを操作してメダルの計数を行うことでメダルオーバーフロー報知画像411や所持数警告報知画像412の表示を終了でき、遊技者の遊技を継続したい意図に合わせて表示装置410の表示を切り替えることができ、遊技者に違和感を与えることを防ぐことができる。
【0187】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、計数ボタンKBへの操作が行われる場合における遊技者の意図に合わせて表示装置410の表示に係る制御を実行できるため、遊技者が演出に対して違和感を覚えることを抑制することができる。
【0188】
この、メダルオーバーフロー報知画像411と、所持数警告報知画像412と、が、本実施形態における第1画像を構成し、デモ画面414で表示される画像やメニュー画面及びメニュー画面から選択して表示可能な画面で表示される画像が、本実施形態における第2画像を構成する。
【0189】
なお、図7図9には、計数ボタンKBへの操作と、表示維持画面の表示の維持と、について記載しているが、演出制御手段200は、表示維持画面を表示している状態において、専用ユニットSUに設けられている貸出ボタンが操作された場合においても、表示維持画面の表示を維持するように構成されている。
【0190】
これにより、スロットマシン1は、表示維持画面が表示されている状態で、遊技者が遊技をメダルの貸し出しを行うために専用ユニットSUに設けられた貸出ボタンを操作しメダルが貸し出された場合に、遊技者に遊技を開始する意図がないにもかかわらず表示維持画面の表示が終了してしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを防ぐことができる。
【0191】
また、図7図9に示す例においては、表示維持画面としては、マックスベットボタンMBへの操作によってメダルが投入状態に設定されることで表示が終了する画像を用いているが、ナビ演出で表示され、ストップボタンB1~ストップボタンB3が操作されることで表示が終了する正解打順を報知する画像も、表示維持画像に含まれる。
【0192】
<AT状態においてコンプリート機能が作動する場合の演出に係る制御処理>
図10は、AT状態においてコンプリート制御手段180によってコンプリート機能が作動する場合における演出制御手段200による演出に係る制御処理(コンプリート機能作動時における演出に係る制御処理)の詳細を示すフローチャートである。
【0193】
コンプリート機能作動時における演出に係る制御処理において、演出制御手段200は、まず、コンプリートを達成したか否かを判定する(S31)。この処理において、演出制御手段200は、今回の遊技において小役1~小役6が入賞し、規定投入数を超える払い出しが実行されることでメダル獲得数カウンタ197aの記憶値が値「19000」に達し、コンプリートフラグ記憶手段197bに記憶されているコンプリートフラグがON状態にセットされたことを示す信号をコンプリート制御手段180から受信したか否かを判定することで、今回の遊技の結果コンプリートを達成したか否かを判定している。
【0194】
ステップS31の処理において、コンプリート達成したと判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、コンプリート報知画像を表示装置410に表示するコンプリート報知表示を実行し(S32)、コンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を終了する。一方、コンプリート達成していないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、AT状態が終了するか否かを判定する(S33)。
【0195】
ステップS33の処理において、AT状態が終了すると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、AT状態終了に係る表示として、今回のAT状態において実行された遊技回数及び今回のAT状態で獲得されたメダル数のAT状態の結果を示すATリザルト画像と、遊技者に遊技の継続に対して注意を喚起することで遊技者の遊技への過度な没頭、いわゆるのめり込みや遊技への依存を防止するための画像としての注意喚起画像と、を表示し(S34)、コンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を終了する。一方、AT状態が終了しないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、AT状態がエンディング状態になっていることを報知するエンディング表示を実行しているか否かを判定する(S35)。
【0196】
ステップS35の処理において、エンディング表示中ではないと判定した場合には(NO)、演出制御手段200は、ステップS36の処理を実行することなくコンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を終了する。一方、エンディング表示中であると判定した場合には(YES)、演出制御手段200は、エンディング表示を実行し(S36)、コンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を終了する。
【0197】
このように、本実施形態の演出制御手段200は、コンプリート機能が作動する場合に、ステップS32の処理でコンプリート報知表示を実行した後、ステップS33~ステップS36の処理を実行することなくコンプリート機能作動時における演出に係る制御処理を終了するように構成されており、AT状態が終了する遊技においてコンプリート機能が作動した場合には、コンプリート機能の作動により遊技を進行できなくなり実質的にAT状態が終了するものの、ATリザルト画像や注意喚起画像といったAT状態終了に係る表示に優先してコンプリート報知画像を表示するように構成されている。
【0198】
換言すると、スロットマシン1は、電源投入後における遊技価値の払出数の最下点からの獲得数が特定の値としての19000枚に達した場合に、遊技機の稼働を停止する打ち止め状態に設定し、打ち止め状態に設定される遊技においてAT状態が終了する場合に、AT状態の終了に伴い表示する注意喚起画像に優先して打ち止め状態に設定されたことを報知するコンプリート報知画像を表示する。
【0199】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者には解除できず遊技場の営業終了まで解除不能な打止エラーが発生するコンプリート機能が作動した場合には、該遊技機での遊技を継続するのめり込みが発生することがないため、表示しても十分に注意を喚起することが難しい注意喚起画像に優先してコンプリート報知画像を表示し、遊技機の状態を十分に理解しやすい態様で遊技者に報知することができる。
【0200】
また、本実施形態の演出制御手段200は、エンディング状態においてコンプリート機能が作動した場合には、コンプリート機能の作動により遊技を進行できなくなり実質的にエンディング状態が終了するものの、エンディング表示に優先してコンプリート報知画像を表示するように構成されている。
【0201】
換言すると、スロットマシン1は、電源投入後における遊技価値の払出数の最下点からの獲得数が特定の値としての19000枚に達した場合に、遊技機の稼働を停止する打ち止め状態に設定し、打ち止め状態に設定される遊技において有利区間の終了までAT状態が継続することが決定されている場合に、有利区間の終了まで表示されるエンディング表示に優先して打ち止め状態に設定されたことを報知するコンプリート報知画像を表示する。
【0202】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者には解除できず遊技場の営業終了まで解除不能な打止エラーが発生するコンプリート機能が作動した場合には、有利区間やAT状態の終了条件によらず該遊技機での遊技を継続できないため、表示しても演出に対する遊技者の興趣を向上できないエンディング表示に優先してコンプリート報知画像を表示し、遊技機の状態を十分に理解しやすい態様で遊技者に報知することができる。
【0203】
このように、本実施形態のスロットマシン1は、電源投入後における遊技価値の払出数の最下点からの獲得数が特定の値としての19000枚に達した場合に、遊技機の稼働を停止する打ち止め状態に設定し、打ち止め状態に設定される遊技においてAT状態に設定されている場合に、該AT状態において実行される演出に優先して打ち止め状態に設定されたことを報知するコンプリート報知画像を表示する。
【0204】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者には解除できず遊技場の営業終了まで解除不能な打止エラーが発生するコンプリート機能が作動した場合には、有利区間やAT状態の終了条件によらず該遊技機での遊技を継続できないため、表示しても演出に対する遊技者の興趣を向上できないAT状態の遊技の進行に応じた表示に優先してコンプリート報知画像を表示し、遊技機の状態を十分に理解しやすい態様で遊技者に報知することができる。
【0205】
4.副制御基板の構造
次に、本実施形態のスロットマシン1に設けられた副制御基板20の構造について説明する。図11(A)は、副制御基板20を示す上面図である。図11(A)に示すように、副制御基板20には、電解コンデンサ22が複数設けられており、透明なケース蓋体23aを有する基板ケース23に収納されている。
【0206】
図11(B)は、電解コンデンサ22の概略図である。図11(B)に示すように、電解コンデンサ22は、上面22aの肉厚が他の部位よりも薄い薄肉形状となっており、電解コンデンサ22の発熱により内部の圧力(内圧)が上昇した際に、電解コンデンサ22内のガスを外部に放出して内圧を低下させるための防爆弁22bが設けられている。防爆弁22bは、電解コンデンサ22の上部に向けて上面22aを開くことで、電解コンデンサ22内のガスを外部に放出する。
【0207】
図11(C)は、副制御基板20の一部として、副制御基板20に配設された電解コンデンサ22を拡大した概略断面図である。図11(C)に示すように、電解コンデンサ22は、直径φ1、半径がφ1/2の円柱形状を有している。また、副制御基板20では、電解コンデンサ22の上面22aから、ケース蓋体23aまでの距離が、距離D1となるように構成されている。距離D1は、電解コンデンサ22の直径φ1よりも長い距離となるように構成されている。
【0208】
このような構成であることから、本実施形態のスロットマシン1は、電解コンデンサ22の防爆弁22bが作動し上面22aを開く場合に、上面22aがケース蓋体23aと干渉して上面22aの開放が妨げられることを防止できるため、防爆弁22bが作動した電解コンデンサ22をケース蓋体23aを介して容易に視認することができる。
【0209】
なお、距離D1は、電解コンデンサ22の半径φ1/2よりも長い距離となるように構成されていればよく、距離D1が半径φ1/2よりも長い距離に構成されることで、スロットマシン1では、電解コンデンサ22の防爆弁22bが作動し上面22aを開く場合に、上面22aがケース蓋体23aと干渉して上面22aの開放が妨げられることを防止できる。
【0210】
なお、本実施形態のケース蓋体23aは、図11(C)に示すように、放熱孔を有しない構成となっているが、図11(D)に例示するように、電解コンデンサ22の上部に直径φ2の放熱孔23bが設けられる構成であってもよい。このように構成される場合、副制御基板20では、電解コンデンサ22の上面22aから、ケース蓋体23aまでの距離D2について、スロットマシン1に配設され、放熱孔23bの直径φ2よりも小さいねじ径φ3を有するねじの長さD3よりも長い距離から構成される。
【0211】
このように構成されることで、スロットマシン1は、ケース蓋体23aの放熱孔23bにねじが入ってしまったとしても、電解コンデンサ22の防爆弁22bが作動し上面22aを開く場合に、上面22aがねじと干渉して上面22aの開放が妨げられることを防止できる。
【0212】
5.本実施形態のまとめ
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、計数報知音を出力する場合において、BGM等の低下対象音については、出力する音量を低下させ、メダルオーバーフロー報知音やコンプリート事前報知音、コンプリート報知音といった遊技の継続に関与し遊技者に報知する必要性が極めて高い音については、出力する音量を低下させないことで、出力される音の音量を適切な音量に設定でき、計数報知音によってメダルオーバーフロー報知音、コンプリート事前報知音又はコンプリート報知音の聞き取りが困難になることを防止しつつ、計数報知音を目立たせながらもメダルオーバーフロー報知音、コンプリート事前報知音又はコンプリート報知音を明瞭に遊技者に聞き取らせることができる。
【0213】
6.変形例
なお、本実施形態において、演出制御手段200は、所定の解除方法が設定された所定の状況において出力可能な第1音について、音量5に固定された音量固定レイヤーにセットすることで、ユーザの設定によらず最大の音量で出力するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段200は、第1音の音量について、ユーザが指定した音量で出力するように構成されていてもよい。
【0214】
また、本実施形態において、演出制御手段200は、第1音を第2音よりも大きい音量で出力するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段200は、第1音について、第2音よりも可聴性が高い音によって出力するように構成されていればよく、第2音が出力されている状態で計数ボタンKBが操作された場合には、第2音の音程を可聴性が低い音程に変更し、第1音が出力されている状態で計数ボタンKBが操作された場合には、第1音の音程を変更しない構成であってもよい。また、演出制御手段200は、第2音が出力されている状態で計数ボタンKBが操作された場合には、第2音の音色を可聴性が低い音色に変更し、第1音が出力されている状態で計数ボタンKBが操作された場合には、第1音の音色を変更しない構成であってもよい。
【0215】
また、本実施形態において、表示維持画面には、デモ画面414と、メニュー画面と、が含まれているが、これに限定されない。演出制御手段200は、例えば、デモ画面414を表示ししている状態で計数ボタンKBが操作された場合に、デモ画面414の表示を終了するように構成されていてもよい。
【0216】
また、本実施形態において、演出制御手段200は、表示維持画面を表示している状態において、マックスベットボタンMBが操作され、メダルが投入状態に設定された場合に、表示維持画面の表示を終了するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段200は、マックスベットボタンMBが操作された場合に、メダルが投入状態に設定されたか否かによらず表示維持画面の表示を終了するように構成されていてもよい。
【0217】
また、本実施形態において、演出制御手段200は、表示維持画面を表示しいている状態で専用ユニットSUに設けられている貸出ボタンが操作された場合において、表示維持画面の表示を維持するように構成されているが、これに限定されない。演出制御手段200は、例えば、表示維持画面としてデモ画面414を表示している場合、貸出ボタンへの操作に基づきデモ画面414の表示を終了するように構成されていてもよい。
【0218】
このように構成される場合、演出制御手段200は、表示維持画面としてメニュー画面及びメニュー画面から選択して表示可能な画面を表示している場合には、貸出ボタンが操作された場合であっても表示を維持するように構成されていてもよく、貸出ボタンが操作された場合に表示を終了するように構成されていてもよい。
【0219】
また、本実施形態においては、副制御基板20に配設された電解コンデンサ22と、副制御基板20を収納する基板ケース23と、について、電解コンデンサ22の上面22aからケース蓋体23aまでの距離D1が、電解コンデンサ22の直径φ1よりも長い構成となっているが、主制御基板10に配設される電解コンデンサと、主制御基板10を収納する基板ケースにおいても、電解コンデンサの上面からケース蓋体までの距離が、電解コンデンサの直径よりも長くなるように構成されていてもよい。
【0220】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御基板10に、主制御CPU11と、メダル数制御CPU31と、の2つのCPUを有するように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、1つの主制御CPU11によって、遊技の進行に係る制御と、メダル数に係る制御と、を行うように構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、主制御基板10に主制御CPU11を有し、主制御基板10に電気的に接続されるメダル数制御基板にメダル数制御CPU31を有するように構成されていてもよい。主制御基板10とメダル数制御基板との複数の制御基板を有する構成である場合、スロットマシン1は、1つのケースに主制御基板10とメダル数制御基板とを収納するように構成されていてもよく、主制御基板10を収納するケースと、メダル数制御基板を収納するケースと、がそれぞれ異なるケースとなるように構成されていてもよい。
【0221】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、有利区間であるか否かを報知しない構成となっているが、これに限定されない。スロットマシン1は、例えば、小役の入賞が補助されることでメダルの獲得期待値が1以上となっている場合に、有利区間であることを報知するように構成されていてもよい。
【0222】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、複数のリールとして左リールR1~右リールR3を有し、複数のストップボタンとして左リールR1~右リールR3に対応するストップボタンB1~ストップボタンB3を有しているが、これに限らず、例えば、4本目のリールと、4本目のリールに対応するストップボタンと、を有していてもよい。
【0223】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMBを有しているが、これに限らず、例えば、マックスベットボタンMBに加え、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンを有するように構成されていてもよい。
【0224】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技価値を電磁的方法によって記録する、いわゆるメダルレス遊技機から構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、遊技価値として物理的な媒体となるメダルを投入可能に構成され、払い出しの際にはホッパーユニットを用いて物理的な媒体のメダルを払い出し可能に構成されていてもよい。このように構成される場合、スロットマシン1は、投入されたメダルについて、最大で50枚をクレジット可能に構成される。また、このように構成される場合、AT制御手段170は、有利区間を開始してから4000ゲームの遊技が実行された場合に、有利区間を終了する。
【0225】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、各カウンタや記憶手段の記憶値に初期値として値をセットし、毎回の遊技の実行時に1ずつ減算するデクリメント更新や、毎回の遊技の実行時に1ずつ加算するインクリメント更新を実行するように構成されているが、これに限らず、各カウンタや記憶手段の更新方法については乗算や除算等を実行するように構成されていてもよく、特に限定されない。
【0226】
また、本実施形態においては、遊技機として、回胴式遊技機を例示したが、これに限らず、例えば、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機や、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。パチンコ機から構成される場合、遊技機は、遊技球を遊技機内で循環させ、遊技の用に供する遊技価値については、電磁的方法によって記録するように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0227】
1 スロットマシン(遊技機)
420 音響装置(音出力手段)
KB 計数ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計数した遊技価値の数を遊技機の外部へ送信する計数ボタンと、
音を出力する音出力手段と、を備え、
前記音出力手段から出力される音には、
注意喚起に関する第1音と、
前記第1音とは異なる第2音と、
前記計数ボタンへの操作に基づく第3音と、が含まれ、
前記第2音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第2音の出力が変化することで、前記第3音の音量の方が前記第2音の音量よりも大きくなり
前記第1音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第1音の音量が低下されない、
ことを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、計数した遊技価値の数を遊技機の外部へ送信する計数ボタンと、
音を出力する音出力手段と、を備え、
前記音出力手段から出力される音には、
注意喚起に関する第1音と、
前記第1音とは異なる第2音と、
前記計数ボタンへの操作に基づく第3音と、が含まれ、
前記第2音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第2音の出力が変化することで、前記第3音の音量の方が前記第2音の音量よりも大きくなり
前記第1音が出力されている状態で前記計数ボタンが操作された場合には、前記第1音の音量が低下されない、ことを特徴とする。