(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074186
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240523BHJP
G05G 1/02 20060101ALI20240523BHJP
G05G 25/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B60K20/02 Z
G05G1/02 A
G05G25/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185317
(22)【出願日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
(72)【発明者】
【氏名】稲村 友峰
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 琢也
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA22
3D040AB01
3D040AD04
3J070AA07
3J070BA51
3J070BA71
3J070BA90
3J070CC71
3J070CE01
3J070DA02
(57)【要約】
【課題】シフト位置間に検出部を別途設ける必要をなくす。
【解決手段】シフト装置10では、乗員がP位置20P又はR位置20Rに接触した際に、それぞれP位置20P又はR位置20Rが選択される。ここで、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の中央より「R」表示18R側にP電極24PとR電極24Rとの間隙が配置されている。このため、P位置20PとR位置20Rとの間に電極を別途設ける必要をなくすことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シフト表示が設けられる第1シフト位置と、
前記第1シフト位置への接触を検出して前記第1シフト位置が選択される第1検出部と、
第2シフト表示が設けられる第2シフト位置と、
前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間の中央より前記第2シフト表示側に前記第1検出部との間隙が配置され、前記第2シフト位置への接触を検出して前記第2シフト位置が選択される第2検出部と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間の中央位置に前記第1検出部が配置される請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記第1シフト位置が車両が駆動されないシフト位置にされると共に、前記第2シフト位置が車両が駆動されるシフト位置にされる請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間に境界部が設けられる請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記境界部の位置に前記第1検出部が配置される請求項4記載のシフト装置。
【請求項6】
前記境界部の位置に前記第1検出部と前記第2検出部との間隙が配置される請求項4記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト位置が選択可能にされるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の入力装置では、各機能凹部への接触を各対のタッチセンサ面が検出して、各機能凹部に対応する各シフト位置が選択される。
【0003】
ここで、この入力装置では、機能凹部間にも一対のタッチセンサ面が別途配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014009355号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、シフト位置間に検出部を別途設ける必要をなくすことができるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、第1シフト表示が設けられる第1シフト位置と、前記第1シフト位置への接触を検出して前記第1シフト位置が選択される第1検出部と、第2シフト表示が設けられる第2シフト位置と、前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間の中央より前記第2シフト表示側に前記第1検出部との間隙が配置され、前記第2シフト位置への接触を検出して前記第2シフト位置が選択される第2検出部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間の中央位置に前記第1検出部が配置される。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記第1シフト位置が車両が駆動されないシフト位置にされると共に、前記第2シフト位置が車両が駆動されるシフト位置にされる。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記第1シフト表示と前記第2シフト表示との間に境界部が設けられる。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第4態様のシフト装置において、前記境界部の位置に前記第1検出部が配置される。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第4態様のシフト装置において、前記境界部の位置に前記第1検出部と前記第2検出部との間隙が配置される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、第1シフト位置への接触を第1検出部が検出して、第1シフト位置が選択される。また、第2シフト位置への接触を第2検出部が検出して、第2シフト位置が選択される。
【0013】
ここで、第1シフト位置の第1シフト表示と第2シフト位置の第2シフト表示との間の中央より第2シフト表示側に第1検出部と第2検出部との間隙が配置される。このため、第1シフト位置と第2シフト位置との間に検出部を別途設ける必要をなくすことができる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、第1シフト表示と第2シフト表示との間の中央位置に第1検出部が配置される。このため、第1シフト表示と第2シフト表示との間の中央に接触した際に、第1シフト位置を第2シフト位置に対し優先して選択できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、第1シフト位置が車両が駆動されないシフト位置にされると共に、第2シフト位置が車両が駆動されるシフト位置にされる。このため、第1シフト表示と第2シフト表示との間に接触した際に、第1シフト位置が選択されても、車両が駆動されることを抑制できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、第1シフト表示と第2シフト表示との間に境界部が設けられる。このため、第1シフト表示と第2シフト表示との間に所定時間以上接触することを抑制できる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、境界部の位置に第1検出部が配置される。このため、境界部に接触しても、第1シフト位置を第2シフト位置に対し優先して選択できる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、境界部の位置に第1検出部と第2検出部との間隙が配置される。このため、境界部に接触しても、第1シフト位置及び第2シフト位置が選択されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す下方から見た断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係るシフト装置を示す表側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置10が表側から見た正面図にて示されており、
図2には、シフト装置10が下方から見た断面図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の表側を矢印SFで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0021】
図1及び
図2に示す如く、本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のインストルメントパネル12の車幅方向中央部に設置されて、車両のステアリングホイール(図示省略)の車幅方向内側に配置されている。また、シフト装置10の表側、右方及び上方は、それぞれ車両の後側、右方及び上側に向けられている。
【0022】
シフト装置10には、設置体としての略直方体形箱状のケース14が設けられており、ケース14は、インストルメントパネル12の車両前側に固定されている。ケース14は、左右方向に長尺にされており、ケース14内は、表側に開放されている。インストルメントパネル12には、ケース14の車両後側において、矩形状の開口12Aが形成されており、ケース14内は、開口12Aに対向されている。ケース14内には、固定柱14Aが複数設けられており、固定柱14Aは、ケース14の裏側壁から表側に突出されている。
【0023】
ケース14の表側には、接触体としての矩形板状のパネル16が設けられており、パネル16は、ケース14の固定柱14Aの表側に固定されて、インストルメントパネル12の開口12Aに嵌合されている。
【0024】
パネル16の表側部分には、接触部材としての矩形板状のプレート18が設けられており、プレート18は、例えば樹脂製にされて、絶縁体にされている。プレート18の表側面は、インストルメントパネル12の車両後側面と面一に配置されており、プレート18の表側面は、インストルメントパネル12の車両後側面と共に、車両の車室の意匠面を構成している。このため、プレート18の表側面は、車両の乗員(特に運転者)が手指Fによって接触可能にされている。
【0025】
プレート18の表側面には、第1シフト位置としてのP位置20P(パーク位置)、第2シフト位置としてのR位置20R(リバース位置)、第1シフト位置としてのN位置20N(ニュートラル位置)及び第2シフト位置としてのD位置20D(ドライブ位置)が設けられており、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dは、左右方向に配列されて、左側から右側へ向けてこの順番で配置されている。P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dは、矩形状にされており、P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dの上下方向寸法は、同一にされている。N位置20Nの左右方向寸法は、P位置20Pの左右方向寸法に比し大きくされると共に、R位置20R及びD位置20Dの左右方向寸法は、同一にされており、P位置20P及びN位置20Nの左右方向寸法は、R位置20R及びD位置20Dの左右方向寸法に比し大きくされている。
【0026】
P位置20Pの略中央部、R位置20Rの中央部、N位置20Nの中央部及びD位置20Dの中央部には、それぞれ第1シフト表示としての「P」表示18P、第2シフト表示としての「R」表示18R、第1シフト表示としての「N」表示18N及び第2シフト表示としての「D」表示18Dが表示されている。「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との左右方向間隔、「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との左右方向間隔、及び、「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との左右方向間隔は、同一にされており、「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18Dは、左右方向において等間隔に配置されている。
【0027】
プレート18の裏側には、検出部としての矩形シート状の静電シート22が固定されており、静電シート22は、プレート18の裏側面を被覆している。
【0028】
静電シート22の表側には、第1検出部としてのP電極24P、第2検出部としてのR電極24R、第1検出部としてのN電極24N及び第2検出部としてのD電極24Dが設けられており、P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、左側から右側へ向けてこの順番で配列されている。P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、例えば金属製にされて、導電性を有しており、P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、矩形膜状にされている。P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dの各全体は、それぞれP位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dの各全体と表裏方向(プレート18の肉厚方向)において対向されており、P電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dの上下方向寸法は、同一にされている。
【0029】
N電極24Nの左右方向寸法は、P電極24Pの左右方向寸法に比し大きくされると共に、R電極24R及びD電極24Dの左右方向寸法は、同一にされており、P電極24P及びN電極24Nの左右方向寸法は、R電極24R及びD電極24Dの左右方向寸法に比し大きくされている。「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、P電極24Pが配置されており、「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、N電極24Nが配置されると共に、「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、N電極24Nが配置されている。
【0030】
静電シート22のP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dは、車両の制御装置26に電気的に接続されており、制御装置26には、車両の変速機28(自動変速機)が電気的に接続されている。制御装置26には、CPU、ROM、RAM、不揮発性のメモリ(ストレージ)等がバスによって接続されたマイクロコンピュータが設けられており、制御装置26では、CPUがROM及びストレージに記憶されたプログラムを読出してRAMに展開しながら実行することで、各種の機能が実現される。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
以上の構成のシフト装置10では、パネル16(プレート18)のP位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20Dにそれぞれ「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18Dが設けられている。
【0033】
乗員が手指FによってP位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dに接触した際には、それぞれ手指Fとパネル16(静電シート22)のP電極24P、R電極24R、N電極24N又はD電極24Dとの間に静電容量が発生する(P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dへの手指Fの接触が検出される)。そして、手指FとP電極24P、R電極24R、N電極24N又はD電極24Dとの間の静電容量(選択値)が時間閾値(例えば0.5秒である所定時間)以上の時間において容量閾値以上である場合には、それぞれ、P位置20P、R位置20R、N位置20N又はD位置20Dが選択されたと制御装置26が判定して、制御装置26の制御により変速機28のシフトレンジが対応するPレンジ(パークレンジ)、Rレンジ(リバースレンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)又はDレンジ(ドライブレンジ)に変更される。
【0034】
ここで、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間(「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間)の左右方向中央より「R」表示18R側にP電極24PとR電極24Rとの間隙の左右方向中央が配置されており、P電極24PがR電極24R側に大きくされている。このため、P位置20PとR位置20Rとの間に電極(検出部)を別途設ける必要をなくすことができる。さらに、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとP電極24Pとの間の静電容量を大きくできて、P位置20PをR位置20Rに対し優先して選択できる。
【0035】
しかも、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央位置にP電極24Pが配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとP電極24Pとの間の静電容量を適切に大きくできて、P位置20PをR位置20Rに対し適切に優先して選択できる。
【0036】
さらに、P位置20Pが車両が駆動されないシフト位置にされると共に、R位置20Rが車両が駆動されるシフト位置にされる。このため、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に接触した際に、P位置20PがR位置20Rに対し優先して選択されることで、車両が駆動されることを抑制できる。
【0037】
また、「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間(「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間)の左右方向中央より「R」表示18R側にR電極24RとN電極24Nとの間隙の左右方向中央が配置されており、N電極24NがR電極24R側に大きくされている。このため、R位置20RとN位置20Nとの間に電極(検出部)を別途設ける必要をなくすことができる。さらに、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとN電極24Nとの間の静電容量を大きくできて、N位置20NをR位置20Rに対し優先して選択できる。
【0038】
しかも、「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央位置にN電極24Nが配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとN電極24Nとの間の静電容量を適切に大きくできて、N位置20NをR位置20Rに対し適切に優先して選択できる。
【0039】
さらに、N位置20Nが車両が駆動されないシフト位置にされると共に、R位置20Rが車両が駆動されるシフト位置にされる。このため、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に接触した際に、N位置20NがR位置20Rに対し優先して選択されることで、車両が駆動されることを抑制できる。
【0040】
また、「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間(「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間)の左右方向中央より「D」表示18D側にN電極24NとD電極24Dとの間隙の左右方向中央が配置されており、N電極24NがD電極24D側に大きくされている。このため、N位置20NとD位置20Dとの間に電極(検出部)を別途設ける必要をなくすことができる。さらに、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとN電極24Nとの間の静電容量を大きくできて、N位置20NをD位置20Dに対し優先して選択できる。
【0041】
しかも、「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央位置にN電極24Nが配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に接触した際には、手指FとN電極24Nとの間の静電容量を適切に大きくできて、N位置20NをD位置20Dに対し適切に優先して選択できる。
【0042】
さらに、N位置20Nが車両が駆動されないシフト位置にされると共に、D位置20Dが車両が駆動されるシフト位置にされる。このため、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に接触した際に、N位置20NがD位置20Dに対し優先して選択されることで、車両が駆動されることを抑制できる。
【0043】
[第2実施形態]
図3には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置50が表側から見た正面図にて示されている。
【0044】
本実施形態に係るシフト装置50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0045】
図3に示す如く、本実施形態に係るシフト装置50では、パネル16において、プレート18の表側面に境界部としての長尺柱状のPR凸部30PR、RN凸部30RN及びND凸部30NDが一体に設けられており、PR凸部30PR、RN凸部30RN及びND凸部30NDは、それぞれ表側に突出されると共に、上下方向に延在されている。
【0046】
PR凸部30PRは、プレート18における「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間に配置されており、PR凸部30PRの左右方向中央は、「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間の左右方向中央に配置されている。このため、PR凸部30PRは、P位置20Pに配置されて、静電シート22のP電極24Pの位置に配置されている。
【0047】
RN凸部30RNは、プレート18における「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間に配置されており、RN凸部30RNの左右方向中央は、「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間の左右方向中央に配置されている。このため、RN凸部30RNは、N位置20Nに配置されて、静電シート22のN電極24Nの位置に配置されている。
【0048】
ND凸部30NDは、プレート18における「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間に配置されており、ND凸部30NDの左右方向中央は、「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間の左右方向中央に配置されている。このため、ND凸部30NDは、N位置20Nに配置されて、静電シート22のN電極24Nの位置に配置されている。
【0049】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0050】
また、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間(「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間)の左右方向中央にPR凸部30PRが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、P位置20P及びR位置20Rが選択されることを抑制できる。
【0051】
さらに、PR凸部30PRの位置にP電極24Pが配置されている。このため、乗員の手指FがPR凸部30PRに接触しても、P位置20PをR位置20Rに対し優先して選択できる。
【0052】
また、「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間(「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間)の左右方向中央にRN凸部30RNが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、R位置20R及びN位置20Nが選択されることを抑制できる。
【0053】
さらに、RN凸部30RNの位置にN電極24Nが配置されている。このため、乗員の手指FがRN凸部30RNに接触しても、N位置20NをR位置20Rに対し優先して選択できる。
【0054】
また、「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間(「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間)の左右方向中央にND凸部30NDが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、N位置20N及びD位置20Dが選択されることを抑制できる。
【0055】
さらに、ND凸部30NDの位置にN電極24Nが配置されている。このため、乗員の手指FがND凸部30NDに接触しても、N位置20NをD位置20Dに対し優先して選択できる。
【0056】
[第3実施形態]
図4には、本発明の第3実施形態に係るシフト装置70が表側から見た正面図にて示されている。
【0057】
本実施形態に係るシフト装置70は、上記第2実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0058】
図4に示す如く、本実施形態に係るシフト装置70では、パネル16において、静電シート22のP電極24Pが、右端を左側に配置されて、左右方向寸法を小さくされており、「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、P電極24PとR電極24Rとの間隙が配置されている。プレート18のPR凸部30PRは、プレート18のP位置20Pの右側に配置されており、PR凸部30PRは、P電極24Pの位置に配置されていない。
【0059】
静電シート22のN電極24Nは、左端を右側に配置されて、左右方向寸法を小さくされており、「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、R電極24RとN電極24Nとの間隙が配置されている。プレート18のRN凸部30RNは、プレート18のN位置20Nの左側に配置されており、RN凸部30RNは、N電極24Nの位置に配置されていない。
【0060】
静電シート22のN電極24Nは、右端を左側に配置されて、左右方向寸法を一層小さくされており、「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間の左右方向中央位置には、N電極24NとD電極24Dとの間隙が配置されている。プレート18のND凸部30NDは、プレート18のN位置20Nの右側に配置されており、ND凸部30NDは、N電極24Nの位置に配置されていない。また、N位置20N及びN電極24Nの左右方向寸法は、P位置20P及びP電極24Pの左右方向寸法と同一にされている。
【0061】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0062】
特に、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間(「P」表示18Pの左右方向中央と「R」表示18Rの左右方向中央との間)の左右方向中央位置にP電極24Pと電極24Rとの間隙が配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に接触した際には、P位置20P及びR位置20が選択されることを抑制できる。
【0063】
さらに、「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央にPR凸部30PRが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「P」表示18Pと「R」表示18Rとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、P位置20P及びR位置20Rが選択されることを一層抑制できる。
【0064】
また、「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間(「R」表示18Rの左右方向中央と「N」表示18Nの左右方向中央との間)の左右方向中央位置にR電極24RとN電極24Nとの間隙が配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に接触した際には、R位置20及びN位置20Nが選択されることを抑制できる。
【0065】
さらに、「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央にRN凸部30RNが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「R」表示18Rと「N」表示18Nとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、R位置20R及びN位置20Nが選択されることを一層抑制できる。
【0066】
また、「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間(「N」表示18Nの左右方向中央と「D」表示18Dの左右方向中央との間)の左右方向中央位置にN電極24NとD電極24Dとの間隙が配置されている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に接触した際には、N位置20N及びR位置20Rが選択されることを抑制できる。
【0067】
さらに、「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央にND凸部30NDが設けられている。このため、乗員の手指Fがパネル16の「N」表示18Nと「D」表示18Dとの間の左右方向中央に時間閾値以上の時間接触することを抑制でき、N位置20N及びD位置20Dが選択されることを一層抑制できる。
【0068】
なお、上記第2実施形態及び第3実施形態では、PR凸部30PR、RN凸部30RN及びND凸部30ND(境界部)が凸状にされる。しかしながら、境界部が凹状にされてもよく、境界部が表示にされてもよい。
【0069】
さらに、上記第2実施形態及び第3実施形態では、PR凸部30PR、RN凸部30RN及びND凸部30NDが等間隔に配置される。しかしながら、PR凸部30PR、RN凸部30RN及びND凸部30NDが等間隔に配置されなくてもよい。
【0070】
また、上記第1実施形態~第3実施形態では、「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18Dが等間隔に配置される。しかしながら、「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18Dが等間隔に配置されなくてもよい。
【0071】
さらに、上記第1実施形態~第3実施形態では、「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18D(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20DとP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dとを含む)が左右方向に配列される。しかしながら、「P」表示18P、「R」表示18R、「N」表示18N及び「D」表示18D(P位置20P、R位置20R、N位置20N及びD位置20DとP電極24P、R電極24R、N電極24N及びD電極24Dとを含む)が左右方向以外の方向(例えば上下方向)に配列されてもよい。
【0072】
また、上記第1実施形態~第3実施形態では、シフト装置10、50、70がインストルメントパネルに設置される。しかしながら、シフト装置10、50、70が車両の他の部分(コンソール又はコラムカバー等)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0073】
10・・・シフト装置、18P・・・「P」表示(第1シフト表示)、18R・・・「R」表示(第2シフト表示)、18N・・・「N」表示(第1シフト表示)、18D・・・「D」表示(第2シフト表示)、20P・・・P位置(第1シフト位置)、20R・・・R位置(第2シフト位置)、20N・・・N位置(第1シフト位置)、20D・・・D位置(第2シフト位置)、24P・・・P電極(第1検出部)、24R・・・R電極(第2検出部)、24N・・・N電極(第1検出部)、24D・・・D電極(第2検出部)、30PR・・・PR凸部(境界部)、30RN・・・RN凸部(境界部)、30ND・・・ND凸部(境界部)、50・・・シフト装置、70・・・シフト装置