特開 2024-74194 島設備

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024074194

(43)【公開日】2024-05-30

(54)【発明の名称】島設備

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20240523BHJP

   A63F 5/04 20060101ALI20240523BHJP

【ＦＩ】

A63F7/02 349A

A63F5/04 605B

A63F5/04 680

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022185327

(22)【出願日】2022-11-18

(71)【出願人】

【識別番号】591011546

【氏名又は名称】株式会社京楽

(74)【代理人】

【識別番号】100095614

【弁理士】

【氏名又は名称】越川 隆夫

(72)【発明者】

【氏名】金澤 秀彦

【テーマコード（参考）】

2C088

2C182

【Ｆターム（参考）】

2C088EA45

2C182CA10

2C182EB10

2C182EB20

(57)【要約】

【課題】遊技者による遊技中など固設状態において、島設備が不用意に移動してしまうのを回避するとともに、任意のタイミングで移動させることができる島設備を提供する。
【解決手段】島設備下部に取り付けられ、ボルトＢを挿通可能な島側挿通孔ｆ１が形成されたステー部７と、ステー部７の島側挿通孔ｆ１に対応した位置に搬送具側挿通孔ｆ２を有するとともに、転動可能な車輪９ｂを有する搬送具９とを具備し、搬送具９は、搬送具側挿通孔ｆ２をステー部７の島側挿通孔ｆ１に合致させつつ当該搬送具側挿通孔ｆ２及び島側挿通孔ｆ１にボルトＢを挿通して締結可能とされ、ボルトＢを挿通して締結する過程において、単独島１を床面Ｆから上方に浮かせつつ搬送具９の車輪９ｂにより移動可能とされたものである。
【選択図】図１２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

パチンコ遊技機又はスロットマシンの遊技機を設置可能な島設備であって、
島設備下部に形成され、ボルトなどの締結手段を挿通可能な島側挿通孔と、
前記島側挿通孔に対応した位置に搬送具側挿通孔を有するとともに、転動可能な転動手段を有する搬送具と、
を具備し、前記搬送具は、前記搬送具側挿通孔を前記島側挿通孔に合致させつつ当該搬送具側挿通孔及び島側挿通孔に前記締結手段を挿通して締結可能とされ、前記締結手段を挿通して締結する過程において、島設備を床面から上方に浮かせつつ前記搬送具の転動手段により移動可能とされたことを特徴とする島設備。

【請求項2】

前記島側挿通孔は、前記島設備下部に取り付けられたステー部に形成されたことを特徴とする請求項１記載の島設備。

【請求項3】

前記ステー部は、椅子を固定可能な固定部材と前記締結手段にて締結可能とされたことを特徴とする請求項２記載の島設備。

【請求項4】

封入式遊技機を設置しつつ移動可能とされた単独島から成ることを特徴とする請求項１記載の島設備。

【請求項5】

前記ステー部は、島設備を床面に固定するためのアンカーボルトが前記島側挿通孔に挿通することを特徴とする請求項２記載の島設備。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、パチンコ遊技機又はスロットマシンの遊技機を設置可能な島設備に関するものである。

【背景技術】

【0002】

一般に「単独島」や「単島」と呼ばれる島設備は、封入式遊技機とよばれる遊技機内部で遊技球やメダルを循環させるものを設置して構成されており、軽量であることから搬送性に優れていてホールの任意場所に移動可能とされていた。例えば、従来の単独島として、特許文献１に開示されているように、遊技機を支持するフレームを具備するとともに、フレームの下部に移動用のキャスタが取り付けられたものが挙げられる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１３－２５２３９３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

しかしながら、従来の島設備は、フレームの下部にキャスタが取り付けられているため、ホール内の移動を円滑に行わせ得るものの、キャスタが常時取り付けられていることから、遊技者による遊技中など固設状態において、島設備が不用意に移動しないよう別個の固定具でホールの床面に固定する必要があった。また、単独島に限らず、複数の遊技機を設置しつつアンカーボルトで床面に固定された島設備においても、ホール内で任意に移動させたいといった要求がある。

【0005】

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技者による遊技中など固設状態において、島設備が不用意に移動してしまうのを回避するとともに、任意のタイミングで移動させることができる島設備を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

請求項１記載の発明は、パチンコ遊技機又はスロットマシンの遊技機を設置可能な島設備であって、島設備下部に形成され、ボルトなどの締結手段を挿通可能な島側挿通孔と、前記島側挿通孔に対応した位置に搬送具側挿通孔を有するとともに、転動可能な転動手段を有する搬送具とを具備し、前記搬送具は、前記搬送具側挿通孔を前記島側挿通孔に合致させつつ当該搬送具側挿通孔及び島側挿通孔に前記締結手段を挿通して締結可能とされ、前記締結手段を挿通して締結する過程において、島設備を床面から上方に浮かせつつ前記搬送具の転動手段により移動可能とされたことを特徴とする。

【0007】

請求項２記載の発明は、請求項１記載の島設備において、前記島側挿通孔は、前記島設備下部に取り付けられたステー部に形成されたことを特徴とする。

【0008】

請求項３記載の発明は、請求項２記載の島設備において、前記ステー部は、椅子を固定可能な固定部材と前記締結手段にて締結可能とされたことを特徴とする。

【0009】

請求項４記載の発明は、請求項１記載の島設備において、封入式遊技機を設置しつつ移動可能とされた単独島から成ることを特徴とする。

【0010】

請求項５記載の発明は、請求項２記載の島設備において、前記ステー部は、島設備を床面に固定するためのアンカーボルトが前記島側挿通孔に挿通することを特徴とする。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、遊技者による遊技中など固設状態において、島設備が不用意に移動してしまうのを回避するとともに、例えば営業時間終了後など任意のタイミングで遊技機島を移動させることで店舗内のレイアウト変更が可能になる。
また、搬送体が遊技機島に対して着脱自在であるため、遊技機島ごとにキャスターを常設させるものに比べてコストを削減することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の実施形態に係る島設備を示す側面図

【図2】同島設備を示す正面図

【図3】同島設備を示す背面図

【図4】同島設備を示す平面模式図

【図5】同島設備のフレーム部分を示す正面図

【図6】同島設備のフレーム部分及びフレームに取り付けられた部品を示す斜視図

【図7】同島設備のステー部及び椅子が取り付けられる固定部材を示す斜視図

【図8】同島設備のフレーム部分を示す斜視図

【図9】同島設備に取り付けられる搬送具を示す３面図

【図10】同島設備に搬送具を取り付ける作業過程（固定部材の取り外し工程）を示す模式図

【図11】同島設備に搬送具を取り付ける作業過程（搬送具の位置決め工程）を示す模式図

【図12】同島設備に搬送具を取り付ける作業過程（搬送具により島設備を浮かせる工程）を示す模式図

【図13】同島設備に設置する遊技機を変更するための工程を示す模式図

【図14】アンカーボルトで固定される島設備に適用した場合の搬送具による搬送過程を示す模式図

【図15】アンカーボルトで固定される島設備に適用した場合の搬送具による搬送過程を示す模式図

【図16】アンカーボルトで固定される島設備に適用した場合の搬送具による搬送過程を示す模式図

【図17】単独島に適用した場合の他の形態のブレース構造を示す模式図

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る島設備は、パチンコ遊技店内のホール等、遊技場の床に固定されるもので、図１～３に示すように、パチンコ遊技機Ｐ又はスロットマシンＳ（所謂「パチスロ」と称される遊技機）が設置された単独島１からなり、本実施形態においては、図２、３に示すように、正面側にパチンコ遊技機Ｐ及び背面側にスロットマシンＳがそれぞれ設置されている。

【0014】

本実施形態に適用されるパチンコ遊技機Ｐ及びスロットマシンＳは、封入式遊技機から成り、複数の遊技球又はメダルが遊技機内部に封入されて構成されている。すなわち、封入式遊技機は、遊技者が遊技球又はメダルを触ることができないようにその内部空間に遊技球又はメダルが封入され、封入された遊技球又はメダルが遊技に用いられるとともに、遊技により獲得した遊技球、メダルの数や遊技者が保有する遊技に用いることが可能な遊技球、メダルの数を計数して表示し得るようになっている。また、封入式のスロットマシンＳは、遊技媒体としてのメダルを使用せずボタン操作等による演算処理によって遊技者の持ちメダル量に相当する持点情報を管理する遊技機とされる。

【0015】

本実施形態に係る単独島１は、図１～９に示すように、島設備の延設方向（図４、５のＥ１方向）に所定寸法離間して設けられた一対の側方部材２と、側方部材２のそれぞれから島設備の幅方向（図４のＥ２方向）に延設された隔壁部材３と、一対の側方部材２の間に取り付けられた載置部材４、上部材５、下部材６及びブレース部材１０と、下部材６に取り付けられたステー部７と、ステー部７に選択的に締結可能な固定部材８及び搬送具９とを具備している。

【0016】

側方部材２は、床面に対して立設された一対の金属製板状部材から成り、図６に示すように、上部に開口部Ｈ１及び下部に開口部Ｈ２がそれぞれ形成されている。開口部Ｈ１は、単独島１を延設方向に複数並べて配設したとき、複数の単独島１に亘って延設される紙幣搬送装置（不図示）を挿通可能とされるとともに、開口部Ｈ２は、各単独島１に設置された遊技機等から延設される配線を挿通可能とされている。

【0017】

上部材５は、図２～５に示すように、一対の側方部材２を上端側で連結する長尺状の連結部材から成り、各側方部材２の上端から幅方向Ｅ２に延設された梁部Ｋ１の両側にそれぞれ固定されている。かかる上部材５は、図１３に示すように、パチンコ遊技機Ｐ又はスロットマシンＳを設置するための設置部材Ｒ１、Ｒ２が選択的に取り付け可能とされている。具体的には、単独島１にパチンコ遊技機Ｐを設置する場合、図２に示すように、上部材５に高さ寸法の小さい設置部材Ｒ１が取り付けられるとともに、スロットマシンＳを設置する場合、図３に示すように、上部材５に高さ寸法の大きい設置部材Ｒ２が取り付けられるようになっている。

【0018】

載置部材４は、図２～５に示すように、一対の側方部材２を中間部で連結する長尺状の連結部材から成り、各側方部材２からＥ２方向に延設された梁部Ｋ２の両側にそれぞれ固定されている。かかる載置部材４は、図１３に示すように、パチンコ遊技機Ｐ又はスロットマシンＳを設置するための設置部材Ｒ１、Ｒ２が選択的に取り付け可能とされている。具体的には、単独島１にパチンコ遊技機Ｐを設置する場合、図２に示すように、載置部材４に高さ寸法の大きい設置部材Ｒ２が取り付けられるとともに、スロットマシンＳを設置する場合、図３に示すように、載置部材４に高さ寸法の小さい設置部材Ｒ１が取り付けられるようになっている。なお、載置部材４と上部材５との間には、上下部材Ｔが取り付けられている。

【0019】

ブレース部材１０は、図５に示すように、側方部材２の間に交差させつつ取り付けられてブレース構造（ブレス構造）を成すもので、一方の側方部材２の取付部Ｓ１から他方の側方部材２の取付部Ｓ２に亘って取り付けられた２本の長尺状板材から成る。かかるブレース部材１０によって、島設備（単独島１）の延設方向Ｅ１に対する強度を向上させることができ、延設方向Ｅ１への傾倒を防止することができる。なお、取付部Ｓ１は、ブレース部材１０が紙幣搬送装置と干渉しないように開口部Ｈ１より下に配置されている。

【0020】

また、本実施形態に係るブレース部材１０は、図４に示すように、島設備（単独島１）の幅方向Ｅ２の中央位置において延設方向Ｅ１に亘って形成されるとともに、その両側に遊技機設置領域Ｗ１、Ｗ２がそれぞれ形成されている。遊技機設置領域Ｗ１、Ｗ２は、ブレース部材１０を挟んで形成され、遊技機を設置する領域である。本実施形態においては、ブレース部材１０を境界として単独島１の遊技機設置領域を区画し、パチンコ遊技機Ｐ及びスロットマシンＳの一方の遊技機が設置される遊技機設置領域Ｗ１と他方の遊技機が設置される遊技機設置領域Ｗ２が形成されているのである。

【0021】

隔壁部材３は、一対の側方部材２のそれぞれから幅方向Ｅ２に延設された板材から成り、単独島１を複数並べて設置した際、隣接する遊技機を区画するとともに、固定部材８と同様、単独島１の幅方向Ｅ２に対する強度を向上させるようになっている。なお、隔壁部材３は、設置される遊技機の種類や単独島１のレイアウトによって種々の意匠が施されたものであってもよい。

【0022】

下部材６は、図２～５に示すように、一対の側方部材２を下端側で連結する長尺状の連結部材から成り、図５～８に示すように、中央位置（一対の側方部材２の中間位置）には、ステー部７が固定されている。かかるステー部７は、図７に示すように、両縁が折り曲げ加工されてコ字状に形成された金属製部材から成り、島設備下部に取り付けられて、固定部材８及び搬送具９が選択的に取り付けられるよう構成されている。

【0023】

具体的には、本実施形態に係るステー部７は、ボルトＤ、Ｂ（締結手段）を挿通可能な島側挿通孔ｆ１が複数形成されるとともに、それぞれの島側挿通孔ｆ１には、図１０～１２に示すように、ボルトＤ、Ｂと螺合可能なナットＮが固定されている。また、固定部材８の一端側には、図７に示すように、島側挿通孔ｆ１と合致し得る挿通孔８ａが形成されており、挿通孔８ａと島側挿通孔ｆ１とを合致させつつボルトＤを挿通させてナットＮに螺合させることにより、固定部材８をステー部７に締結可能とされている。

【0024】

固定部材８は、ステー部７に締結された状態において、図４、６に示すように、島設備（単独島１）の延設方向Ｅ１と直交する方向（すなわち、幅方向Ｅ２）に延設された幅広の板状部材から成り、挿通孔８ａが形成された端部とは反対側の端部に椅子Ｃを固定するための挿通孔８ｂが形成されている。かかる椅子Ｃは、単独島１に設置された遊技機の遊技者が着座可能なもので、ボルト等を挿通孔８ｂに挿通して締結することにより固定部材８の他端に固定されるよう構成されている。

【0025】

搬送具９は、固定部材８が取り外された状態（図１０参照）のステー部７に締結されて単独島１をホール内で移動可能とするもので、図９に示すように、ステー部７の島側挿通孔ｆ１に対応した位置に搬送具側挿通孔ｆ２を有するとともに、転動可能な車輪９ｂ（転動手段）を有して構成されている。具体的には、搬送具９は、平面視矩形状の本体部９ａを具備しており、その本体部９ａにおける所定位置に島側挿通孔ｆ１と合致し得る搬送具側挿通孔ｆ２が形成されるとともに、底面にキャスタ等の車輪９ｂ（転動手段）が取り付けられて構成されている。

【0026】

そして、搬送具９をステー部７に近づけ、図１１に示すように、搬送具側挿通孔ｆ２をステー部７の島側挿通孔ｆ１に合致させつつ当該搬送具側挿通孔ｆ２及び島側挿通孔ｆ１にボルトＢ（締結手段）を挿通し、図示しない工具（例えば、インパクトレンチ等の電動工具）にてボルトＢを回転させてナットＮに螺合させることにより締結可能とされており、ボルトＢを挿通して締結する過程において、図１２に示すように、単独島１を床面Ｆから上方に浮かせつつ搬送具９の車輪９ｂ（転動手段）により移動可能とされる。

【0027】

すなわち、ステー部７に搬送具９を締結する際、ボルトＢ（締結手段）を挿通して締結する過程の締結力（本実施形態においては、ボルトＢの螺合による締結力）により単独島１を床面Ｆから上方に浮かせることができるのである。したがって、搬送具９のステー部７に対する締結作用と、単独島１を浮かせる作用とを同時に行わせることができ、締結後の単独島１の搬送を円滑に行わせることができる。

【0028】

次に、本実施形態に係る単独島１における遊技機の交換作業について説明する。
先ず、図３に示すように、スロットマシンＳが設置されている場合、設置部材Ｒ１上からスロットマシンＳを取り外し（図１３（ａ）参照）、その後、上部材５及び載置部材４から設置部材Ｒ２、Ｒ１を取り外す（同図（ｂ）参照）。そして、上部材５に設置部材Ｒ１、載置部材４に設置部材Ｒ２を取り付け（同図（ｃ）参照）、図２に示すように、設置部材Ｒ２上にパチンコ遊技機Ｐを設置することにより、遊技機をスロットマシンＳからパチンコ遊技機Ｐに交換することができる。

【0029】

本実施形態に係る島設備によれば、搬送具９は、搬送具側挿通孔ｆ２をステー部７の島側挿通孔ｆ１に合致させつつ当該搬送具側挿通孔ｆ２及び島側挿通孔ｆ１にボルトＢ（締結手段）を挿通して締結可能とされ、ボルトＢを挿通して締結する過程において、単独島１を床面Ｆから上方に浮かせつつ搬送具９の車輪９ｂ（転動手段）により移動可能とされたので、遊技者による遊技中など固設状態において、単独島１が不用意に移動してしまうのを回避するとともに、任意のタイミングで移動させることができる。

【0030】

特に、ボルトＢ（締結手段）を挿通して締結する過程の締結力により単独島１を床面Ｆから上方に浮かせるので、インパクトレンチ等の電動工具を使用してボルトＢを締結する場合、電動工具の駆動力を利用して単独島１を床面Ｆから浮かせることができ、容易に搬送作業を行わせることができる。また、ステー部７は、単独島１の延設方向Ｅ１と直交する方向（幅方向Ｅ２）に延設される固定部材８とボルトＢ（締結手段）にて締結可能とされたので、ステー部７に対して固定部材８と搬送具９とを選択的に締結させることができる。

【0031】

さらに、単独島１の延設方向Ｅ１に対して直交する方向（幅方向Ｅ２）に固定部材８が延設して取り付けられたので、幅方向Ｅ２に対する単独島１の強度を向上させることができ、幅方向Ｅ２への傾倒を防止することができる。またさらに、固定部材８は、遊技機の遊技者が着座可能な椅子Ｃが固定されるので、幅方向Ｅ２に対する強度向上と椅子Ｃの固定とを併せて行わせることができるとともに、椅子Ｃに遊技者が着座することにより、幅方向Ｅ２に対する強度をより向上させることができる。なお、固定部材８は、幅広の板状部材から成るので、椅子Ｃを安定して固定させつつ幅方向Ｅ２の強度をより一層向上させることができる。

【0032】

加えて、本実施形態によれば、単独島１（島設備）の延設方向Ｅ１に所定寸法離間して設けられた一対の側方部材２と、側方部材２の間に交差させつつ取り付けられてブレース構造を成すブレース部材１０と、ブレース部材１０にて区画された領域から成り、遊技機を設置する遊技機設置領域Ｗ１、Ｗ２とを具備したので、延設方向Ｅ１に対する強度を向上させることができ、剛性が高い材料のフレームを用いることなく単独島１の強度を効果的に向上させることができる。

【0033】

特に、本実施形態に係るブレース部材１０は、一方の側方部材２から他方の側方部材２に亘ってクロス状に取り付けられた２本の長尺状板材から成るので、単独島１の強度向上と併せて側方部材２の離間寸法を設計寸法通りに矯正することができる。また、ブレース部材１０は、単独島１の幅方向Ｅ２の中央位置において延設方向Ｅ１に亘って形成されるとともに、その両側に遊技機設置領域Ｗ１、Ｗ２がそれぞれ形成されたので、遊技機設置領域Ｗ１、Ｗ２の間のデッドスペースを低減させつつ単独島１の強度を向上させることができる。

【0034】

しかるに、本実施形態においては、封入式遊技機を設置しつつ移動可能とされた単独島１から成るので、単独島１が有する特有の効果（ホール内において任意にレイアウトして配置可能な効果等）を維持しつつ搬送具９による搬送を容易に行わせることができるとともに、ブレース部材１０による延設方向Ｅ１の強度向上を図ることができる。

【0035】

以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、搬送具９の車輪９ｂに代えて他の転動手段としてもよく、ボルトＢに代えて他の締結手段を用いるようにしてもよい。また、ブレース部材１０によるブレース構造を有さない島設備であってもよく、固定部材８が締結されない島設備であってもよい。また、図１７に示すように、隣接する島設備１（単独島）に亘って１組のブレース部材１０を取り付けるようにしてもよい。なお、本実施形態においては、島側挿通孔ｆ１が島設備下部に取り付けられたステー部７に形成されているが、島設備下部における例えば下部材６に島側挿通孔ｆ１を形成するようにしてもく、その場合、ステー部７は島設備下部に取り付けられなくてもよい。

【0036】

さらに、本実施形態においては、単独島１に適用されているが、図１４～１６に示すように、複数の遊技機（パチンコ遊技機Ｐ又はスロットマシンＳ）が並設され、アンカーボルトＵにて床面に固定された島設備１１に適用してもよい。この場合、図１４に示すように、島設備１１の下部に取り付けられた部材１１ａに島側挿通孔ｆ１が形成されるとともに、当該部材１１ａから延設されたステーＫにアンカーボルトＵが取り付けられ、島設備１１を床面に固定している。

【0037】

そして、島設備を搬送する際、図１５に示すように、アンカーボルトＵを取り外し、ステーＫにて島設備１１を床面から浮かせるとともに搬送具９を挿通させる。このとき、部材１１ａに形成された島側挿通孔ｆ１に搬送具９の搬送具側挿通孔ｆ２を合致させつつ当該搬送具側挿通孔ｆ２及び島側挿通孔ｆ１にボルトＢ（締結手段）を挿通する。その後、例えば、インパクトレンチ等の電動工具にてボルトＢを回転させてナットに螺合させて締結するとともに、その締結過程において、図１６に示すように、島設備全体を床面Ｆから上方に浮かせつつ搬送具９の車輪９ｂ（転動手段）により移動可能とされる。

【産業上の利用可能性】

【0038】

本発明と同等の趣旨の島設備であれば、他の形態のものであってもよい。

【符号の説明】

【0039】

１ 島設備（単独島）
２ 側方部材
３ 隔壁部材
４ 載置部材
５ 上部材
６ 下部材
７ ステー部
８ 固定部材
９ 搬送具
９ａ 本体部
９ｂ 車輪（転動手段）
１０ ブレース部材
１１ 島設備
Ｐ パチンコ遊技機（封入式遊技機）
Ｓ スロットマシン（封入式遊技機）
Ｗ１、Ｗ２ 遊技機設置領域
Ｈ１、Ｈ２ 開口部
Ｂ ボルト（締結手段）
Ｎ ナット
ｆ１ 島側挿通孔
ｆ２ 搬送具側挿通孔
Ｋ１、Ｋ２ 梁部
Ｒ１、Ｒ２ 設置部材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】