IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヴァレオジャパンの特許一覧

<>
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図1
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図2
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図3
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図4
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図5
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図6
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図7
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図8
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図9
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図10
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図11
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図12
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図13
  • 特開-スイッチ装置および連結構造 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074202
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】スイッチ装置および連結構造
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/10 20060101AFI20240523BHJP
   H01H 25/00 20060101ALI20240523BHJP
   H01H 19/14 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H01H19/10 C
H01H25/00 E
H01H19/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185339
(22)【出願日】2022-11-19
(71)【出願人】
【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ヴァレオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【弁理士】
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 由布子
(74)【代理人】
【識別番号】100217696
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 英行
(72)【発明者】
【氏名】下平 大介
【テーマコード(参考)】
5G031
5G219
【Fターム(参考)】
5G031AS02H
5G031AS02J
5G031CS04K
5G031HS17
5G031HU65
5G031KS03
5G031KS57
5G031PS07
5G031RS04
5G031RS22
5G031RS32
5G219HT02
5G219HT10
5G219HU02
5G219QS02
5G219RS01
5G219RS13
5G219RS27
5G219RS33
(57)【要約】
【課題】組み付け性に及ぼす影響を抑える。
【解決手段】スイッチ装置1は、環状の操作ノブ6に相対回転不能に連結される可動ブロック3と、可動ブロック3の外周から突出するリブ324と、操作ノブ6の内周60aから突出すると共に、リブ324が回転軸X方向の一方側の上面651aに係合する係合部65と、を有する。係合部65は、操作ノブ6の内周60aから回転軸Xの径方向に突出する板状の基部651と、回転軸X方向における基部651の他方側の下面651bと操作ノブ6の内周60aとに跨がって設けられた一対の補強部652、652と、を有する。回転軸X方向から見て一対の補強部652、652は、基部651の幅方向に間隔をあけて設けられており、一対の補強部652、652の間に、傾斜面651aが設けられている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸回りに回転可能な環状の操作ノブと、
前記回転軸方向から前記操作ノブに内挿されて、前記操作ノブに連結される可動ブロックと、
前記可動ブロックの外周から突出するリブと、
前記操作ノブの内周から突出すると共に、前記リブが前記回転軸方向の一方側に係合する係合部と、を有するスイッチ装置であって、
前記係合部は、
前記操作ノブの内周から突出する基部と、
前記回転軸方向における前記基部の他方側と前記操作ノブの内周とに跨がって設けられた一対の補強部と、を有し、
前記回転軸方向から見て前記一対の補強部は、前記基部の幅方向に間隔をあけて設けられており、前記一対の補強部の間に、前記リブが前記係合部に係合する際に前記リブ側に作用する応力を緩和させる応力緩和部が設けられている、スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記応力緩和部は、前記基部の前記他方側に設けられた傾斜面であり、
前記係合部は、前記傾斜面により、先端側に向かうにつれて前記回転軸方向の厚みが薄くなる先細り形状に形成されている、スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記基部の先端において前記傾斜面は、前記リブが係止される前記一方側の面から前記他方側にオフセットしている、スイッチ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記リブは、前記回転軸方向の一方側に傾斜面を有しており、
前記リブ側の傾斜面と、前記係合部側の傾斜面は、互いに平行である、スイッチ装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記回転軸方向から見て、前記リブ側の傾斜面が設けられた領域は、回転軸周りの周方向の範囲が、前記操作ノブ側の前記基部が設けられた領域の前記回転軸回りの周方向の範囲よりも広い、スイッチ装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記応力緩和部は、前記基部の前記他方側に設けられており、
前記応力緩和部は、前記基部の突出方向に沿う断面が円弧状を成す曲面である、スイッチ装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記応力緩和部は、前記基部の先端から、前記操作部の内周側に窪んだ凹部である、スイッチ装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記凹部は、前記基部の先端から前記操作部の内周まで及ぶ範囲に形成されている、スイッチ装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか一項において、
前記回転軸方向から内挿された前記可動ブロックを、回転可能に支持するケースと、
前記ケースに固定されていると共に、前記可動ブロックが外挿される固定ブロックと、を有し、
前記固定ブロックの外周には、前記可動ブロックの内周に当接する突起が、前記回転軸回りの周方向に間隔を開けて複数設けられている、スイッチ装置。
【請求項10】
第1部品と第2部品との連結構造であって、
前記第1部品側の連結部と前記第2部品側の連結部のうちの一方の連結部に設けられたリブと、
前記第1部品側の連結部と前記第2部品側の連結部のうちの他方の連結部に設けられた係合部と、を有し、
前記第1部品側の連結部は、前記第2部品側の連結部に内挿されており、
前記リブと前記係合部は、前記第1部品側の連結部と前記第2部品側の連結部の互いの対向部に設けられており、
前記係合部は、
前記他方の連結部から前記一方の連結部に向けて突出すると共に、前記第1部品と前記第2部品との連結方向の一方側に前記リブが係合する基部と、
前記連結方向における前記基部の他方側と、前記他方の連結部とに跨がって設けられた一対の補強部と、を有し、
前記連結方向から見て前記一対の補強部は、前記基部の幅方向に間隔をあけて設けられており、前記一対の補強部の間に、前記リブが前記係合部に係合する際に前記リブ側に作用する応力を緩和させる応力緩和部が設けられている、連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置および連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環状の操作ノブを備えるスイッチ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-035545号公報
【0004】
このスイッチ装置では、本体ケースの内部に、環状の可動ブロックが設けられている。可動ブロックは、操作ノブに連結されている。可動ブロックは、操作ノブの回動操作に連動して回転軸回り回転する。
可動ブロックは、回転軸方向から操作ノブに外挿されている。操作ノブの内周と、可動ブロックの外周には、それぞれ突起が設けられている。操作ノブと可動ブロックは、互いに係合させた突起により、回転軸方向における互いに離れる方向への移動が規制されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スイッチ装置は、複数の部品を組み付けて形成される。そのため、各部品の精度誤差が積み重なると、部品同士の組み付けに影響が及ぶ場合がある。
操作ノブを可動ブロックに組み付ける際に、操作ノブと可動ブロックのうちの一方の突起は、径方向に変位しつつ他方の突起を回転軸方向に乗り換えることで、互いの突起同士が係合する。
操作ノブと可動ブロックとを組み付ける際に、精度誤差の程度によっては、突起同士が係合する際の突起の変位量が大きくなることがある。かかる場合、操作ノブと可動ブロックとの組み付けに必要な操作力が大きくなり、組み付け性に影響が及ぶ。
そこで、部品同士を組み付ける際に、部品の精度誤差があっても、組み付け性に及ぼす影響が抑えられるようにことが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
回転軸回りに回転可能な環状の操作ノブと、
前記回転軸方向から前記操作ノブに内挿されて、前記操作ノブに連結される可動ブロックと、
前記可動ブロックの外周から突出するリブと、
前記操作ノブの内周から突出すると共に、前記リブが前記回転軸方向の一方側に係合する係合部と、を有するスイッチ装置であって、
前記係合部は、
前記操作ノブの内周から突出する基部と、
前記回転軸方向における前記基部の他方側と前記操作ノブの内周とに跨がって設けられた一対の補強部と、を有し、
前記回転軸方向から見て前記一対の補強部は、前記基部の幅方向に間隔をあけて設けられており、前記一対の補強部の間に、前記リブが前記係合部に係合する際に前記リブ側に作用する応力を緩和させる応力緩和部が設けられている、構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部品の精度誤差があっても、組み付け性に及ぼす影響を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スイッチ装置を説明する図である。
図2】スイッチ装置の断面図である。
図3】ケースを説明する図である。
図4】可動ブロックの断面図である。
図5】可動ブロックの断面図である。
図6】可動ブロックを斜め上方から見た斜視図である。
図7】操作ノブを説明する図である。
図8】操作ノブの要部拡大図である。
図9】係合部を説明する図である。
図10】可動ブロックと操作ノブとの連結過程を説明する図である。
図11】固定ブロックを説明する図である
図12】スイッチ装置の断面図である。
図13】係合部の変形例を説明する図である。
図14】スイッチ装置の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、スイッチ装置1を説明する図である。図1の(A)は、スイッチ装置1を斜め上方から見た斜視図である。図1の(B)は、スイッチ装置1を上方から見た平面図である。
なお、図1の(A)では、操作ノブ6の外周60bに交差したハッチングを付して示している。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図1の(A)における「上側」「下側」を用いて、スイッチ装置1の各構成要素の位置関係を説明する。この「上側」「下側」は、説明の便宜上用いるものである。
【0010】
図1の(A)に示すように、スイッチ装置1では、操作ノブ6が、スイッチ装置1の中心を通る回転軸X回りに回転可能に設けられている。スイッチ装置1では、操作ノブ6を回転軸X回りに回転させて所定の角度位置に配置すると、操作ノブ6の角度位置に応じて決められた機能のオン信号が出力される。
【0011】
スイッチ装置1の操作ノブ6では、環状の操作部60の内側に、環状のカバー部7と、円形のプッシュボタン8が、配置されている。
図1の(B)に示すように、カバー部7の表面には、符号、絵柄などの識別符号MKa~Mkgが付されている。これらの識別符号MKa~Mkgは、操作ノブ6に割り当てられた機能を視覚的に認識させるために付されている。
カバー部7では、これら識別符号MKa~Mkgの径方向外側に、発光部51a~51gが位置している。
【0012】
スイッチ装置1では、操作ノブ6が、例えば識別符号MKdに対応する機能を発揮させる角度位置に配置されると、識別符号MKdの径方向外側に位置する発光部51dが発光する。
これにより、スイッチ装置1を操作するユーザが、操作ノブ6が識別符号MKdに対応する機能を発揮させる角度位置に配置されていることを、視覚的に認識できる。
【0013】
以下、スイッチ装置1の各構成要素を説明する。
図2は、スイッチ装置1の断面図である。図2の(A)は、スイッチ装置1を、図1の(B)におけるA-A線に沿って切断した断面を模式的に示した図である。図2の(B)は、スイッチ装置1を、図2の(B)におけるB-B線に沿って切断した断面を模式的に示した図である。
【0014】
スイッチ装置1の操作ノブ6は、可動ブロック3に相対回転不能に連結される。操作ノブ6は、可動ブロック3を介してケース2で回転可能に支持されている。操作ノブ6がユーザにより操作されると、操作ノブ6と可動ブロック3が、共通の回転軸X回りに回転する。
【0015】
可動ブロック3の内側には、ケース2に固定された固定ブロック4が配置されている。固定ブロック4の上部には、前記したカバー部7が固定される。固定ブロック4の外周には、光源12からの光をカバー部7に導くための導光体5が配置されている。固定ブロック4では、回転軸Xと交差する領域に、スライダ9が装着されている。スライダ9の上部には、前記したプッシュボタン8が固定される。固定ブロック4においてスライダ9は、回転軸X方向に移動可能である。スライダ9は、プッシュボタン8の押圧操作に連動して、回転軸X方向に変位する。
【0016】
以下、スイッチ装置1の構成要素の各々を説明する。
図3は、ケース2を説明する図である。図3の(A)は、図1の(B)におけるA-A線に沿ってケース2を切断した断面を模式的に示す図である。図3の(B)は、図1の(B)におけるB-B線に沿ってケース2を切断した断面を模式的に示す図である。
なお、図3の(A)、(B)では、ケース2内に収容されるプリント基板11と、プリント基板11の上面を覆うラバーコンタクト15を、ケース2と共に示している。さらに、可動ブロック3の主要部の配置を仮想線で示している。
【0017】
[ケース2]
図3の(A)、(B)に示すように、ケース2は、樹脂材料で形成された部品である。ケース2(ターミナルブロック)は、筒状の周壁部21の内側に、底壁部20を配置した有底筒形状に形成されている。底壁部20は、周壁部21の内周に直接接続する部位と、内壁部22を介して周壁部21に接続する部位とを有している。
【0018】
底壁部20には、コネクタ部201と、プリント基板11の支持部202と、固定ブロック4の支持部203と、が設けられている。
コネクタ部201は、底壁部20からケース2の外側(下側)に延びる筒状の部位である。
コネクタ部201の内部には、プリント基板11から延びる接続端子(図示せず)が収容される。
【0019】
支持部202、203は、底壁部20から、コネクタ部201とは反対側(図中、上側)に突出した部位である。支持部202は、回転軸Xと交差する位置に設けられている。
支持部203は、ボルト穴200を囲む筒状の部位である。支持部202の外周には、段部204が設けられている。プリント基板11は、支持部202の上面と、支持部203の段部204に載置された状態で位置決めされる。この状態において支持部203は、プリント基板11の貫通孔110を貫通して、上端203aをプリント基板11よりも上側に位置させている。
【0020】
プリント基板11の上面には、光源12が複数設置されている。光源12は、一例としてLEDである。光源12は、発光面を、上方に向けて設置される。
さらに、プリント基板11の上面には、プッシュボタン8の操作時に可動接点が接離する固定接点(図示せず)や、可動ブロック3の回転を検出するセンサ(図示せず)などが設けられている。
プリント基板11の上面には、ラバーコンタクト15が載置されている。ラバーコンタクト15は、光源12を覆うカバー領域151を有している。カバー領域151は、光源12が照射する光を透過可能となっている。
【0021】
ケース2の周壁部21は、回転軸Xに沿う向きで設けられた筒状の部位である。周壁部21の上端には、フランジ部210が設けられている。フランジ部210は、周壁部21の外周から径方向外側に延出している。回転軸X方向から見てフランジ部210は、略リング状を成している。フランジ部210は、周壁部21よりも大きい外径で形成されている。
フランジ部210の内径側の上部には、壁部211が設けられている。壁部211は、回転軸Xを囲む略リング形状に形成されている。壁部211は、フランジ部210から回転軸Xに沿って上側に延びている。
【0022】
ケース2の内壁部22は、周壁部21の内側で、回転軸Xに沿う向きで設けられている。内壁部22の上端22aは、プリント基板11よりも上側に位置している。内壁部22の上端22aには、可動ブロック3の周壁部32が載置される。
この状態において、可動ブロック3は、周壁部21の内側で回転軸X回りに回転可能に配置される。さらに、前記した周壁部21の上端の壁部211は、可動ブロック3側の凹状の隙間Sに、回転軸X方向から挿入されている。
【0023】
[可動ブロック3]
図4は、可動ブロック3の断面図である。図4の(A)は、可動ブロック3を、図1の(B)におけるA-A線に沿って切断した断面を模式的に示した図である。図4の(B)は、図4の(A)に示した可動ブロック3を斜め上方から見た図である。図4の(A)では、ケース2と、プリント基板11と、ラバーコンタクト15、操作ノブ6の一部を仮想線で示している。
【0024】
図4の(A)、(B)に示すように、可動ブロック3は、樹脂材料で形成された部品である。可動ブロック3は、回転軸Xを囲む環状壁31と、環状壁31の外周を間隔をあけて囲む周壁部32と、を有する。環状壁31と周壁部32は、回転軸Xを中心として同心に配置される。
環状壁31と周壁部32は、プリント基板11側(図中、下側)が、底壁部33を介して互いに接続されている。回転軸X方向から見て底壁部33は、回転軸Xを囲むリング状を成している(図5参照)。
図4の(A)に示すように、底壁部33は、回転軸Xに直交する向きで設けられている。底壁部33では、周壁部32側(外径側)が、透明な樹脂材料で形成された光透過部331となっている。
スイッチ装置1では、光透過部331の上側に、固定ブロック4で支持された導光体5が位置している。導光体5には、プリント基板11上の光源12から照射された光が入射する。導光体5に入射した光は、導光体5の上端から、前記したカバー部7上の照明部位である発光部51a~51gに向けて照射される。
【0025】
図4の(A)に示すように、周壁部32は、環状壁31の外周を囲む円筒状の側壁部321を有する。側壁部321は、環状壁31より上側で、傾斜部322に接続している。傾斜部322は、側壁部321から離れて上方に向かうにつれて、回転軸Xとの距離が大きくなる向きで傾斜している。傾斜部322の上端部322aは、環状の連結部323の内周に接続している。
【0026】
傾斜部322の上端部322aには、リング状の突出部322bが設けられている。突出部322bは、連結部323の内周との間に隙間を空けて設けられている。突出部322bは、回転軸Xに沿って上側に突出している。
【0027】
回転軸X方向から見て連結部323は、ケース2側の周壁部21に重なる位置に配置されている。連結部323では、外周側の下部に、リング状の突出部323aが設けられている。突出部323aは、傾斜部322の外周との間に隙間Sを空けて設けられている。
この隙間Sには、可動ブロック3の側壁部321側をケース2に内挿した際に、ケース2側の壁部211が挿入されるようになっている。可動ブロック3側の隙間Sと、ケース2側の壁部211とにより、ラビリンスシールを構成する。
【0028】
図5は、可動ブロック3の断面図である。図6は、可動ブロック3を斜め上方から見た斜視図である。
なお、図5では、直径線Lよりも上側が、連結部323のリブ324が設けられた領域を断面で示している。直径線Lよりも下側が、連結部323が持つ壁部329の領域を断面で示している。
直径線Lよりも上側は、図4の(A)におけるA-A線に沿う断面に相当し、直径線Lよりも下側は、図4の(A)におけるB-B線に沿う断面に相当する。また、図6では、連結部323の外周に設けたリブ324、325、326、328の範囲を判りやすくするために、これらのリブの部分を誇張して模式的に示している。
【0029】
図5に示すように、連結部323の基本形状は、回転軸Xを囲む環状である。
図4に示すように、連結部323の内径側の上部には、回転軸Xに沿って上側に延びる壁部329が形成されている。回転軸X方向から見て壁部329はリング状を成している。
連結部323の上部側の外周には、リブ324が設けられている。リブ324は、連結部323の外周から径方向外側に突出している。
リブ324の下面324cは、回転軸Xに直交する平坦面である。リブ324の下面324cは、操作ノブ6側の係合部65(基部651)との係合面となっている(図4の(A)参照)。
図4に示すように、リブ324の先端側の上面には、傾斜面324aが設けられている。リブ324は、先端面324b側に向かうにつれて回転軸X方向の厚みが薄くなる先細り形状に形成されている。
【0030】
図6に示すように、リブ324は、回転軸X回りの周方向に所定の幅W324を有している。リブ324の長手方向の両側部はリブ325、325にそれぞれ接続している。リブ325、325は、リブ324の傾斜面324aを間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。リブ325、325は、回転軸Xに沿って下側に向けて直線状に延びている。
リブ325、325は、リブ324から、突出部323aの側方まで及ぶ範囲に設けられている(図4の(A)参照)。
【0031】
図6に示すように、リブ325、325の下端は、リブ326、326にそれぞれ接続している。リブ326、326は、連結部323の外周に沿って周方向に延びている。リブ326、326は、互いに離れる方向に直線状に延びている。
連結部323の外周では、回転軸X周りの周方向におけるリブ324の両側に、嵌合突起327とリブ328が設けられている。嵌合突起327とリブ328の間に、リブ324が位置している。リブ324から見て嵌合突起327は、回転軸X周りの周方向における一方側に位置している。リブ324から見てリブ328は、回転軸X周りの周方向における他方側に位置している。
【0032】
嵌合突起327は、連結部323の外周から径方向外側に突出している。嵌合突起327は、連結部323の上部から下部まで及ぶ範囲に設けられている、嵌合突起327の下端は、リブ326に接続すると共に、リブ326よりも外径側に突出している。
【0033】
リブ328は、連結部323の外周から径方向外側に突出している。リブ328は、連結部323の上部から下部まで及ぶ範囲に設けられている、リブ328の下端は、リブ326に接続している。リブ328の連結部323からの突出高さは、リブ326と同じである。
可動ブロック3の連結部323は、外周に設けたリブ324、325、326、328や嵌合突起327が互いに接続していることにより、回転軸Xの径方向に向かう応力に対する耐性が高められている。
【0034】
図5に示すように、可動ブロック3では、リブ324と嵌合突起327との組み合わせが、回転軸X周りの周方向に所定間隔で複数設けられている。本実施形態では、リブ324と嵌合突起327との組み合わせが、90°間隔で4組設けられている。
可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付けると、リブ324には、操作ノブ6側の係合部65が係止される。嵌合突起327は、操作ノブ6側の嵌合部66に係合する。
【0035】
[操作ノブ6]
図7は、操作ノブ6を説明する図である。図7の(A)は、操作ノブ6を、図1の(A)におけるA-A線に沿って切断した断面を模式的に示した図である。図7の(B)は、操作ノブ6を、図7の(A)におけるA-A線に沿って切断した断面図である。なお、図7の(A)では、可動ブロック3を仮想線で示している。図7の(B)では、内周壁62の位置を判りやすくするために、内周壁62の領域に交差したハッチングを付している。
【0036】
図7の(A)に示すように、操作ノブ6は、樹脂材料で形成された部品であり、表面にメッキ処理が施されている。操作ノブ6は、可動ブロック3側の連結部323に外挿される操作部60を有している。操作部60は、回転軸X囲む円筒形状を成している。操作部60は、回転軸Xの径方向に厚みW60を有している。操作部60の外周60bが、操作ノブ6の回転操作時にユーザにより把持される部位である。
操作部60の上側には、内径側に延びる壁部61が設けられている。壁部61の中央には、開口61aが設けられている。図7の(B)に示すように開口61aは、前記したカバー部7(図2参照)を収容可能な開口径r61で形成されている。
図7の(A)に示すように壁部61の下面には、開口61aを囲む内周壁62が設けられている。内周壁62は、回転軸Xに沿って、操作部60の端部60c側(下側)に延びている。
【0037】
操作部60の内周60aには、係合部65と嵌合部66が設けられている。図7の(B)に示すように、係合部65は、回転軸X周りの周方向に90°間隔で4つ設けられている。嵌合部66も、回転軸X周りの周方向に90°間隔で4つ設けられている。
ケース2側から操作ノブ6を見ると、係合部65から見て嵌合部66は、回転軸Xを基準とした反時計回り方向(矢印CCW方向)側に位置している。
【0038】
図8は、操作ノブ6の要部拡大図である。図8の(A)は、操作部60における係合部65と嵌合部66が設けられた領域の拡大図である。図8の(B)は、操作部60における係合部65と嵌合部66が設けられた領域を拡大して示す断面図である。図8の(B)は、図7の(A)におけるB-B線に沿う断面に相当する。
【0039】
図8に示すように嵌合部66は、間隔を開けて配置された一対の係止片67、67を有する。
係止片67、67は、第1壁部671と、第2壁部672と、を有する。
第1壁部671は、内周壁62と一体に形成されている。第1壁部671は、内周壁62から離れる方向(図8の(A)における下方向)に延びている。図8の(B)に示すように、第1壁部671は、操作部60の内周60aとの間に間隔S66を開けて設けられている。
一方側の係止片67の第1壁部671と、他方側の係止片67の第1壁部671は、回転軸X周りの周方向に間隔Saをあけて設けられている。
一方側の係止片67の第1壁部671と、他方側の係止片67の第1壁部671の互いに対向する部位に、それぞれ、第2壁部672、672が設けられている。第2壁部672は、回転軸Xの径方向に直線状に延びており、第1壁部671と操作部60とを接続している。図8の(B)において第2壁部672、672は、紙面奥側で、第1壁部671が接続する内周壁62と、内周壁62と操作部60との間の壁部61にも接続している。そのため、第2壁部672、672は、第1壁部671と、内周壁62と、壁部61と、操作部60とに跨がって設けられている。
第2壁部672、672は、回転軸X周りの周方向に隙間Saをあけて設けられている。この隙間Saには、可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付けた際に、可動ブロック3側の嵌合突起327(図5の(A)参照)が嵌合する。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3との相対回転が規制される。
【0040】
図9は、係合部65を説明する図である。図9の(A)は、操作ノブ6における係合部65の近傍領域を拡大して示す斜視図である。図9の(B)は、図8の(B)におけるA-A線に沿って、係合部65を切断した断面図である。
図10は、可動ブロック3と操作ノブ6との連結過程を説明する図である。図10では、係合部65側の傾斜面651dと、リブ324側の傾斜面324aの機能が示されている。
【0041】
図9の(A)、(B)に示すように、係合部65は、板状の基部651と、一対の補強部652、652と、を有する。
操作ノブ6において基部651は、操作部60の内周60aから、内側(回転軸X側)に突出している。基部651は、回転軸Xに直交する向きで設けられた板状の部位である。基部651の上面651aおよび下面651bは、回転軸Xに直交する平坦面である。
基部651は、回転軸X周りの周方向に幅W65で形成されている。この幅W65は、前記したリブ324に設けた傾斜面324aの領域の幅W324aよりも小さい(W65<W324a:図5参照)。
さらに、基部651は、回転軸X方向に厚みH65を有する。基部651は、操作部60の内周60aから、回転軸X側に長さL65突出している。
【0042】
基部651の先端651cは、回転軸Xに平行な平坦面である。基部651の先端651c側では、下面651bに傾斜面651dが設けられている。傾斜面651dは、先端651cと下面651bとに跨がって設けられている。基部651は、先端651c側に向かうにつれて、回転軸X方向の厚みH65が薄くなる先細り形状で形成されている。
基部651の先端651cは、傾斜面651dの分だけ回転軸X方向の厚みが薄くなっている。
【0043】
本実施形態では、前記した可動ブロック3側のリブ324が、基部651の上面651aに係止される(図10参照)。基部651の上面651aにリブ324が係止されると、回転軸X方向における操作ノブ6と可動ブロック3との離れる方向への変位が規制される。
操作ノブ6と可動ブロック3とを互いに離す方向の力が作用すると、基部651の先端651c側と、リブ324の先端面324b側に、作用した力に応じた応力が作用する。
本実施形態では、基部651の先端651c側に、応力に対する耐力を確保するために、回転軸X方向に厚みH65’を持つ面を残している。同様に、リブ324の先端面324bにも、回転軸X方向に厚みH324’を持つ面を残している。
【0044】
また、傾斜面651dは、前記した可動ブロック3側の傾斜面324aに対して平行である。操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、傾斜面651dを、傾斜面324aが摺動することがある。かかる場合に、傾斜面651dと傾斜面324aとを互いに平行にすることで、摺動する際の抵抗が抑えられるようにしている。
【0045】
図9の(B)に示すように、補強部652、652は、基部651の下面651bと、操作部60の内周60aとに跨がって設けられている。補強部652、652は、基部651の幅方向の両側に位置している。図9の(A)に示すように、補強部652、652は、基部651の幅方向に間隔S65を空けて設けられている。
図9の(B)に示すように、側面視において補強部652は、基部651から離れるにつれて、回転軸Xの径方向の厚みW652が薄くなる形状で形成されている。補強部652の側面652aは、基部651の先端651cと下面651bとの境界部から下側に向けて斜めに延びている。
側面652aの回転軸Xに対する交差角θ1は、前記した基部651側の傾斜面651dの回転軸Xに対する交差角θ2よりも小さい。
【0046】
前記した基部651の傾斜面651dは、基部651における補強部652、652の間の領域に設けられている。
前記したように、可動ブロック3側のリブ324が係合する基部651は、周方向の幅W65が、リブ324に設けた傾斜面324aの周方向の幅W324aよりも小さい(W65<W324a:図5参照)。
図10に示すように、操作ノブ6を可動ブロック3に組み付ける際に、リブ324側が、係合部65(基部651、補強部652、652)の部分を回転軸X方向に横断する。
ここで、可動ブロック3は、樹脂材料で形成されており、操作ノブ6は、少なくとも係合部65の領域の表面、好ましくは全体の表面が、金属製の材料でメッキ処理されている。そのため、操作ノブ6側の係合部65のほうが、樹脂材料で形成された可動ブロック3側のリブ324よりも硬くなっている。
【0047】
リブ324が係合部65の部分を回転軸X方向に横断する際には、リブ324側の傾斜面324aが、補強部652、652の側面652a、652aを最初に摺動することになる(図10の(A)参照)。この際に、係合部65側の補強部652、652は、リブ324に食い込みつつ、リブ324に対して相対的に変位することになる。
【0048】
そして、操作ノブ6と可動ブロック3の組み付けが進行すると、リブ324は、回転軸Xの径方向で、係合部65側の基部651にオーバラップする位置に到達する。
そして、回転軸Xの径方向から見て、リブ324が、基部651の傾斜面651dとオーバラップする領域を通過している間は、リブ324の傾斜面324aと先端面324bとの間の境界点P1は、補強部652、652の側面652a、652aのみを摺動する(図10の(B)参照)。
この際に、連結部323は、補強部652、652の部分から作用する応力で回転軸X側(図中左側)に弾性的に変位する。
【0049】
そして、リブ324の先端面324bの下端P2が、基部651の先端651cと傾斜面651dの境界P3に達した時点で、リブ324の先端面324bの下端P2が、基部651の先端651cの部分を摺動することになる(図10の(C)参照)。このときに、メッキされた補強部652、652だけでなく、メッキされた基部651もまた、連結部323側のリブ324に食い込んだ状態で、操作ノブ6と可動ブロック3の組み付け方向に摺動することになる。
そのため、基部651の先端651cの厚みH65’の部分を通過する間のみ、連結部323には、係合部65(基部651、補強部652、652)側から作用する応力が最大となる。
本実施形態では、傾斜面651dが設けられていることにより、係合部65側から作用する応力が最大になる期間が、傾斜面651dが設けられていない場合に比べて短くなる。
【0050】
ここで、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付け時の誤差の程度によっては、係合部65とリブ324との係合しろが大きくなることがある。かかる場合、リブ324側の変位量が大きくなって、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる。
特に、操作ノブ6の表面がメッキ処理されているので、係合しろが大きくなると、樹脂製の可動ブロック3(連結部323)への係合部65の食い込み量が、材料強度の差に起因して、いっそう大きくなる可能性がある。かかる場合、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力がより大きくなる。
上記の通り、食い込み量の増大により、係合部65で押されたリブ324側の変位量が大きくなっても、傾斜面651dが設けられていることにより、係合部65側から作用する応力が最大である期間が、傾斜面651dが設けられていない場合に比べて短くなる。すなわち、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる期間が短くなる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響が抑えられるようになっている。
【0051】
このように、係合部65側の傾斜面651dは、可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付ける際に、操作ノブ6側の係合部65(基部651)から、可動ブロック3側の連結部323(リブ324)に作用する応力を緩和させるために設けられている。
【0052】
なお、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付け時の誤差の程度によっては、可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付ける過程で、係合部65側の傾斜面651dと、リブ324側の傾斜面324aとが接触する場合がある。
本実施形態では、係合部65側の傾斜面651dと、リブ324側の傾斜面324aとが互いに平行となるように設計上設定されている。そのため、係合部65側の傾斜面651dと、リブ324側の傾斜面324aとが接触したとしても、同じ傾きの傾斜面同士の接触であるので、係合部65とリブ324との、回転軸Xの径方向への相対移動がスムーズに行えるようになっている。このようにすることによっても、可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付ける際に必要とされる操作力が過大になり難くなるようにされている。
【0053】
さらに、可動ブロック3と操作ノブ6とを組み付けると、係合部65の基部651の上面651aに、リブ324の下面324cが係合する(図10の(D)参照)。
本実施形態では、傾斜面651dの幅W651dが、係合部65(基部651)と、リブ324との係合しろWxよりも大きくなるように設定すると共に、基部651の先端651cに、回転軸X方向の厚みH65’を確保している。
【0054】
操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けが完了すると、操作ノブ6と可動ブロック3との回転軸X方向での互いに離れる方向への変位が、可動ブロック3側のリブ324が、操作ノブ6側の基部651の上面651aに係合することで規制される。
そのため、基部651の先端651c側には、可動ブロック3側のリブ324から、回転軸X方向の一方側から他方側(図中、上側から下側)に向かう応力が作用する。
上記のように、基部651の先端651cの厚み、特に傾斜面651dが設けられた領域の厚みを、リブ324から作用する応力に耐えることができる厚みに設定することで、可動ブロック3と操作ノブ6との連結が解消されることを好適に防止できる。
【0055】
[固定ブロック4]
図11は、固定ブロック4を説明する図である。図11の(A)は、固定ブロック4を斜め下側から見た斜視図である。図11の(B)は、固定ブロック4を、図11の(A)における面Aで切断した断面を上側から見た図である。
図12は、スイッチ装置1を、図2の(A)におけるA-A線に沿って切断した断面を模式的に示した図である。
【0056】
図11の(A)、(B)に示すように、樹脂性の固定ブロック4は、環状の周壁部41を有している。周壁部41に取付部410が設けられている。取付部410は、周壁部41を回転軸X側に窪ませて形成されている。取付部410は、開口を外側に向けた凹状に形成されている。取付部410は、回転軸X周りの周方向に間隔をあけて複数設けられている。取付部410には、導光体5(5a~5g)が装着されている。
【0057】
周壁部41の内側には、スライダ9(図2参照)の支持部42と、支持部42の外周を囲む内壁部43が、回転軸Xを中心として同心に配置されている。
内壁部43は、径方向に延びるリブ44を介して周壁部41に接続されている。リブ44は、回転軸X周りの周方向に90°間隔で4つ設けられている。同じ直径線L上に位置するリブ44、44には、内壁部43の内側に、ボルトBの挿通孔45aが開口している。リブ44、44の紙面奥側には、挿通孔45a、45aを囲む筒状の接続部45(図2の(B)参照)が設けられている。
固定ブロック4は、挿通孔45a、45aを貫通したボルトにより、ケース2に固定される。
【0058】
周壁部41の外周には、径方向外側に突出する突起46が設けられている。突起46は、回転軸X周りの周方向で隣接する取付部410、410の間と、リブ44の外径側に位置している。突起46は、回転軸X周りの周方向に45°間隔で設けられている。本実施形態では、合計8個の突起46が設けられている。
図12に示すように、スイッチ装置1において突起46は、外径側に位置する可動ブロック3の連結部323の内周に当接している。本実施形態では、可動ブロック3は、固定ブロック4に対して相対的に回転する。突起46が連結部323の内周に当接することで、可動ブロック3の内周と、固定ブロック4の外周との間に隙間が確保されるようになっている。
これにより、可動ブロック3と固定ブロック4との回転軸X回りの相対回転での抵抗が抑えられるようになっている
【0059】
図13は、係止部の変形例を説明する図である。
図13の(A)、(C)、(E)は、変形例にかかる係合部65A、65B、65Cを説明する斜視図である。図13の(B)、(D)、(F)は、それぞれ、図13の(A)、(C)、(E)に示した係合部65A、65B、65Cを、面Aで切断した断面図である。
【0060】
前記した実施形態では、係合部65の板状の基部651に、応力緩和部として機能する傾斜面651dが設けられている場合を例示した。
例えば、図13の(A)、(B)に示すように、基部651の突出方向に沿う断面が円弧状を成す曲面651eを、応力緩和部として設けた構成としても良い。
この曲面651eは、曲率半径rで形成されている。曲面651eは、基部651の先端651cに、回転軸X方向(図中、上下方向)の厚みH65’を残しつつ形成されている。
このように構成した場合でも、前記した傾斜面651dの場合と同様に、組み付け時に作用する操作力の増大を好適に抑制できる。
【0061】
また、図13の(C)、(D)に示すように、基部651の先端651cから操作部60の内周60a側(図13の(D)における右側)に窪んだ凹部651fを、応力緩和部として設けた構成としても良い。かかる場合、凹部651fの底壁651f1を、リブ324に干渉しない位置まで待避させることで、リブ324と係合部65Bとを係合させる際に、リブ324側に作用する応力を抑えることができる。
さらに、図13(E)、(F)に示すように、基部651における補強部652、652の間の領域を切り欠いてもよい。かかる場合、図13の(C)、(D)に示す凹部651fが、先端651cから操作部60の内周60aまで及ぶ範囲に形成されている場合に相当する。
【0062】
このように構成すると、回転軸X方向から見て、一対の補強部652、652と重なる部分にのみ基部651が残されることになる。リブ324と係合部65Cとを係合させる際に、係合部65C側の一対の補強部652、652からのみ、リブ324側に応力が作用する。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、リブ324側に作用する応力を抑えることができる。よって、組み付けに必要な操作力を抑えることができ、操作ノブ6と可動ブロック3との組付けをスムーズに行える。
【0063】
ここで、可動ブロック3の外周から突出するリブ324を、操作ノブ6の内周60aから突出する係合部65に係合させることで、可動ブロック3と操作ノブ6との連結構造10を構成する(図2参照)。
【0064】
以上の通り、本実施形態および変形例にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(1)回転軸X回りに回転可能な環状の操作ノブ6と、
回転軸X方向から操作ノブ6に内挿されて、操作ノブ6に相対回転不能に連結される可動ブロック3と、
可動ブロック3の外周から突出するリブ324と、
操作ノブ6の内周60aから突出すると共に、リブ324が回転軸X方向の一方側の上面651aに係合する係合部65と、を有する。
係合部65は、
操作ノブ6の内周60aから回転軸Xの径方向に突出する板状の基部651と、
回転軸X方向における基部651の他方側の下面651bと操作ノブ6の内周60aとに跨がって設けられた一対の補強部652、652と、を有する。
回転軸X方向から見て一対の補強部652、652は、基部651の幅方向に間隔をあけて設けられており、一対の補強部652、652の間に、傾斜面651d(応力緩和部)が設けられている。
【0065】
操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、可動ブロック3側のリブ324が、操作ノブ6側の係合部65を回転軸X方向の他方側から一方側に横断する。この際に、可動ブロック3におけるリブ324が設けられた領域に、回転軸Xの径方向に変形させる方向の応力が、係合部65側から作用する。
係合部65に、傾斜面324aが設けられていることで、傾斜面324aは、リブ324が係合部65に係合する際にリブ側に作用する応力を緩和させる応力緩和部として機能する。
これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する程度を抑えることができるので、組み付けに及ぶ影響を抑えることができる。
【0066】
(2)応力緩和部は、基部651の下面651b(他方側の面)に設けられた傾斜面651dである。
係合部65の基部651は、傾斜面651dにより、先端側に向かうにつれて回転軸X方向の厚みが薄くなる先細り形状に形成されている。
【0067】
操作ノブ6と可動ブロック3との組み付け時の誤差の程度によっては、係合部65(基部651)とリブ324との係合しろが大きくなることがある。かかる場合、リブ324側の変位量が大きくなって、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる。
上記の通り、係合部65に傾斜面651dが設けられていることにより、リブ324側の変位量が大きくなっても、係合部65側から作用する応力が最大である期間が、傾斜面651dが設けられていない場合に比べて短くなる。すなわち、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる期間が短くなる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響を抑えることができる。
【0068】
(I)可動ブロック3と操作ノブ6は、樹脂材料で形成されている。操作ノブ6の少なくとも係合部65は、表面が金属製の材料でメッキされている。
【0069】
そのため、可動ブロック3と操作ノブ6との組み付け時に、係合部65と、可動ブロック3側のリブ324との係合しろが大きくなると、操作ノブ6側の係合部65の連結部323への食い込み量が、材料強度の差に起因して、いっそう大きくなる可能性がある。かかる場合、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力がより大きくなる。
係合部65の基部651に傾斜面651dが設けられていることにより、係合部65の連結部323への食い込み量が大きくなって、リブ324の回転軸X側への変位量が大きくなっても、係合部65側から作用する応力が最大である期間が、傾斜面651dが設けられていない場合に比べて短くなる。すなわち、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる期間が短くなる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響が抑えられる。
【0070】
(3)基部651の先端651cにおいて傾斜面651dは、リブ324が係止される上面651a(一方側の面)から下面651b側(他方側)にオフセットしている。
【0071】
操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けが完了すると、操作ノブ6と可動ブロック3との回転軸X方向での互いに離れる方向への変位が、可動ブロック3側のリブ324が、操作ノブ6側の基部651の上面651aに係合することで規制される。
この際に、基部651の先端651c側には、可動ブロック3側のリブ324から、回転軸X方向の一方側から他方側に向かう応力が作用する。
上記のように構成すると、基部651の先端651cの厚みが確保できるので、この厚みをリブ324から作用する応力に耐えることができる厚みに設定することで、可動ブロック3と操作ノブ6との連結が解消されることを好適に防止できる。
【0072】
(4)リブ324は、回転軸X方向の一方側に傾斜面324aを有している。
リブ324側の傾斜面324aと、係合部65側の傾斜面651dは、回転軸Xに沿う断面視において互いに平行である。
【0073】
操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付け時の誤差の程度によっては、可動ブロック3側のリブ324が、係合部65側の傾斜面651dを摺動することがある。リブ324側の傾斜面324aと係合部65側の傾斜面651dとが互いに平行であるので、リブ324側の傾斜面324aと係合部65側の傾斜面651dとの回転軸X方向での相対移動時の摩擦抵抗を、傾斜面651dと傾斜面324aが平行でない場合に比べて、抑えることができる。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、組み付けに必要な操作力を抑えることができる。よって、操作ノブ6と可動ブロック3との組付けをスムーズに行える。
【0074】
(II)リブ324の傾斜面324aは、リブ324の先端面324bに、回転軸X方向に厚みH324’を持つ面が残されるように設けられている(図9参照)。
【0075】
このように構成すると、操作ノブ6と可動ブロック3とを互いに離す方向の力に対する耐力を、リブ324の先端面324b側に確保できる。また、リブ324側の傾斜面324aもまた、係合部65側からリブ324に作用する応力が最大である期間を、傾斜面324aが設けられていない場合に比べて短くできる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響が抑えられる。
【0076】
(5)回転軸X方向から見て、リブ324側の傾斜面324aが設けられた領域は、回転軸X周りの周方向の範囲(幅W324a)が、操作ノブ6側の係合部65(基部651)が設けられた領域の回転軸X回りの周方向の範囲(幅W65)よりも広い。
【0077】
操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、操作ノブ6の係合部65から、可動ブロック3の連結部323に、連結部323を回転軸X側に変形させる方向の応力が作用する。
係合部65の幅W65のほうが、リブ324の傾斜面324aの部分の幅W324aよりも大きい場合には、リブ324における傾斜面324a以外の部位にも、係合部65から応力が作用する。傾斜面324aの部位は、係合部65から応力を一定程度緩和できるものの、傾斜面324a以外の部位では、応力緩和が期待できないので、操作ノブ6と可動ブロック3の作製時の誤差の程度によっては、可動ブロック3が回転軸X側に大きく変形する可能性がある。かかる場合、操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、組み付けに必要な操作力が大きくなる。
上記のように構成すると、係合部65から作用する応力を、リブ324における傾斜面324aの部分で受けて、応力が、リブ324を持つ連結部323の他の部位まで及ぶことを好適に抑制できる。応力が連結部323の他の部位まで及ぶと、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる可能性が高くなるが、かかる可能性を低減できるので、操作ノブと可動ブロックとのスムーズな組付けが可能となる。
【0078】
(6)係合部65Aの応力緩和部は、基部651の下面651b(他方側の面)に設けられている。
応力緩和部は、基部651の突出方向に沿う断面が円弧状を成す曲面651eである。
【0079】
このように構成することによっても、リブ324が係合部65Aに係合する際にリブ324側に作用する応力を緩和させることができる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する程度を抑えることができる。操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、組み付けに必要な操作力を抑えることができる。よって、操作ノブ6と可動ブロック3との組付けをスムーズに行える。
【0080】
(7)係合部65Bの応力緩和部は、基部651の先端651cから、操作部60の内周60a側に窪んだ凹部651fである。
【0081】
このように構成すると、凹部651fの底壁651f1を、リブ324に干渉しない位置まで待避させることで、リブ324と係合部65Bとを係合させる際に、リブ324側に作用する応力を抑えることができる。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、組み付けに必要な操作力を抑えることができる。よって、操作ノブ6と可動ブロック3との組付けをスムーズに行える。
【0082】
(8)凹部は、基部651の先端651cから操作部60の内周60aまで及ぶ範囲に形成されている。
【0083】
このように構成すると、回転軸X方向から見て、一対の補強部652、652と重なる部分にのみ基部651が残されることになる。
リブ324と係合部65Cとを係合させる際に、係合部65C側の一対の補強部652、652からのみ、リブ324側に応力が作用する。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3とを組み付ける際に、リブ324側に作用する応力を抑えることができる。よって、組み付けに必要な操作力を抑えることができ、操作ノブ6と可動ブロック3との組付けをスムーズに行える。
【0084】
(9)回転軸X方向から内挿された可動ブロック3を、回転可能に支持するケース2と、
ケース2に固定されていると共に、可動ブロックが外挿される固定ブロック4と、を有する。
固定ブロック4の外周には、可動ブロック3の連結部323の内周に当接する突起46が、回転軸X回りの周方向に間隔を開けて複数設けられている。
【0085】
可動ブロック3が内径側(回転軸X側)に変形すると、変形した部分では、可動ブロック3の内周に当接した突起46との干渉が大きくなる。そうすると、可動ブロック3と一体に回転する操作ノブ6の回転操作に対する抵抗が、突起46から操作ノブ6作用するので、操作ノブ6の回転操作に影響が及ぶ。
上記した係合部65に傾斜面651dを設ける構成を採用することで、可動ブロック3が内径側に変形する程度を抑えることができるので、突起46が可動ブロック3の内周に干渉する程度を抑えることができる。これにより、操作ノブ6と可動ブロック3とを組付ける際に生じる応力が、操作ノブ6の回転操作に及ぼす影響を低減できる。
【0086】
本件発明は、部品同士の連結構造、すなわち可動ブロック3(第1部品)と操作ノブ6(第2部品)との連結構造10(図2参照)としても特定できる。
(10)連結構造10は、
可動ブロック3側の連結部323と、
操作ノブ6側の操作部60(連結部)と、
連結部323に設けられたリブ324と、
操作部60に設けられた係合部65と、を有する。
可動ブロック3側の連結部323は、操作ノブ6側の操作部60に内挿されている。
リブ324と係合部65は、連結部323と操作部60の互いの対向部に設けられている。
係合部65は、
操作ノブ6側の操作部60から、可動ブロック3側の連結部323に向けて突出すると共に、可動ブロック3と操作ノブ6との連結方向(回転軸X方向)の一方側の上面651aにリブが係合する基部651と、連結方向(回転軸X方向)における基部651の他方側の下面651bと操作ノブ6の操作部60とに跨がって設けられた一対の補強部652、652と、を有する。
連結方向(回転軸X方向)から見て一対の補強部652、652は、基部651の幅方向に間隔をあけて設けられており、一対の補強部652、652の間に、傾斜面324a(応力緩和部)が設けられている。
応力緩和部は、基部651の下面651b(他方側の面)に設けられた傾斜面651dである。
係合部65の基部651は、傾斜面651dにより、先端側に向かうにつれて回転軸X方向の厚みが薄くなる先細り形状に形成されている。
【0087】
このように構成すると、係合部65に傾斜面651dが設けられていることにより、連結時のリブ324側の変位量が大きくなっても、係合部65側から作用する応力が最大である期間が、傾斜面651dが設けられていない場合に比べて短くなる。すなわち、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力が大きくなる期間が短くなる。これにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響を抑えることができる。
【0088】
(III)(10)において可動ブロック3と操作ノブ6は、樹脂材料で形成されている。操作ノブ6の少なくとも係合部65は、表面が金属製の材料でメッキされている。
【0089】
可動ブロック3と操作ノブ6との組み付け時に、係合部65と、可動ブロック3側のリブ324との係合しろが大きくなると、操作ノブ6側の係合部65の連結部323への食い込み量が、材料強度の差に起因して、いっそう大きくなる可能性がある。かかる場合、操作ノブ6と可動ブロック3との組み付けに必要な操作力がより大きくなる。
上記の通り、係合部65に傾斜面651dが設けられていることにより、組み付け時に必要な操作力が増加する期間が短くなるので、組み付けに及ぶ影響を抑えることができる。
【0090】
前記した実施形態では、可動ブロック3側にリブ324を設けると共に、操作ノブ6側に係合部65を設けた場合を例示した。本件発明は、この態様にのみ限定されない。
例えば、図14に示すスイッチ装置1Aのように、可動ブロック3側に係合部39を設けると共に、操作ノブ6側にリブ68を設けた構成としても良い。かかる場合にも、前記した実施形態の場合と同様の作用効果が奏される。
【0091】
以上、本願発明の実施形態および変形例を説明したが、本願発明は、これらのものに限定されるものではなく、発明の技術的な思想の範囲内で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0092】
1、1A :スイッチ装置
10 :連結構造
2 :ケース
3 :可動ブロック
32 :周壁部
321 :側壁部
322 :傾斜部
323 :連結部
324 :リブ
324a :傾斜面
324b :先端面
324c :下面
325、326、328 :リブ
327 :嵌合突起
328 :リブ
329 :壁部
39 :係合部
4 :固定ブロック
46 :突起
6 :操作ノブ
60 :操作部
60a :内周
62 :内周壁
65(65A~65C) :係合部
651 :基部
651a :上面
651b :下面
651c :先端
651d :傾斜面
651e :曲面
651f :凹部
651f1 :底壁
652 :補強部
652a :側面
66 :嵌合部
67 :係止片
671 :第1壁部
672 :第2壁部
68 :リブ
7 :カバー部
8 :プッシュボタン
9 :スライダ
11 :プリント基板
12 :光源
15 :ラバーコンタクト
X :回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14