(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074215
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
B29C 45/00 20060101AFI20240523BHJP
B29C 45/37 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
B29C45/00
B29C45/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023015990
(22)【出願日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2022185220
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山本 将平
(72)【発明者】
【氏名】前田 英登
(72)【発明者】
【氏名】金本 泰佑
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA11
4F202AA50
4F202AC01
4F202AC04
4F202AF01
4F202AG05
4F202AH24
4F202AR13
4F202CA11
4F202CB01
4F202CD23
4F206AA11
4F206AA50
4F206AC01
4F206AC04
4F206AF01
4F206AG05
4F206AH24
4F206AR13
4F206JA07
4F206JF51
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
【解決手段】樹脂成形品50の製造方法は、熱可塑性樹脂製の基材と、基材の表面に設けられた塗膜と、を有する廃材を微粉砕して粒状にする微粉砕工程と、微粉砕工程において微粉砕された粒状の廃材を溶融させる溶融工程と、溶融工程において溶融された混合材を成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品50を成形する成形工程と、を備える。成形型10における樹脂成形品50の意匠面53を成形する成形面22に、シボ加工を行うための凹凸部23を設ける。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂製の基材と、前記基材の表面に設けられた加飾層と、を有する廃材を微粉砕して粒状にする微粉砕工程と、
前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材を溶融させる溶融工程と、
前記溶融工程において溶融された前記廃材を成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品を成形する成形工程と、を備え、
前記成形型における前記樹脂成形品の意匠面を成形する成形面に、シボ加工を行うための凹凸部を設ける、
樹脂成形品の製造方法。
【請求項2】
前記凹凸部の深さを30μm以上、70μm以下に設定する、
請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項3】
前記溶融工程に先立ち、前記基材と同一の熱可塑性樹脂製の粒状のバージン材と、前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と、を混合する混合工程を備え、
前記溶融工程では、前記廃材と前記バージン材とが混合された混合材を溶融させる、
請求項1または請求項2に記載の樹脂成形品の製造方法。
【請求項4】
顔料により着色された熱可塑性樹脂製の成形体を有する廃材を微粉砕して粒状にする微粉砕工程と、
前記成形体と同一の熱可塑性樹脂製であり、前記廃材とは発色の異なる粒状のバージン材と、前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と、を混合する混合工程を備え、
前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と前記バージン材とが混合された混合材を溶融させる溶融工程と、
前記溶融工程において溶融された前記廃材を成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品を成形する成形工程と、を備え、
前記成形型における前記樹脂成形品の意匠面を成形する成形面に、シボ加工を行うための凹凸部を設ける、
樹脂成形品の製造方法。
【請求項5】
熱可塑性樹脂製の母材と、
前記母材中に分散され、前記母材とは発色の異なる粒子と、を有する樹脂成形品であって、
凹凸状のシボが設けられた意匠面を有する、
樹脂成形品。
【請求項6】
前記シボの深さが、30μm以上、70μm以下である、
請求項5に記載の樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のバンパカバーなどの廃材を回収するとともに原料として再利用することにより樹脂成形品を製造する方法が提案されている。具体的には、廃材を微粉砕して粒状にする。そして、廃材を構成する熱可塑性樹脂製の基材と同一の熱可塑性樹脂製の粒状のバージン材と、微粉砕された粒状の廃材とを混合する。そして、これらの混合材を射出成形装置に投入することでヒータにより溶融させるとともに成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品を成形する。
【0003】
バンパカバーなどの廃材には、基材の表面に設けられた塗膜が含まれているので、廃材を再利用して成形された樹脂成形品の意匠面には、塗膜粒子が点在することになる。その結果、樹脂成形品の外観が損なわれるおそれがある。
【0004】
これに対して、特許文献1に開示の樹脂成形品のリサイクル方法では、微粉砕された廃材を繊維シートにより形成された繊維シート袋体に封入するとともに、繊維シート袋体を予備加熱する。その後、上記繊維シート袋体を金型内にセットして熱プレス処理を行う。こうして得られたリサイクル成形製品においては、熱プレスによって熱軟化した廃材が繊維シート全体に含浸することで表面に繊維強化プラスチック層が形成される。これにより、微粉砕された廃材により形成された基材が、繊維強化プラスチック層によって隠蔽されるため、基材の外観模様が全く露呈しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示のリサイクル方法の場合、繊維シート袋体を必要とするものであるため、部品点数及び工程数の増加を伴う。また、リサイクル製品の意匠面が強化繊維プラスチック層により構成されるため、外観が損なわれることを抑制する上では、なお、改善の余地がある。
【0007】
こうした課題は、基材の表面に塗膜が設けられた廃材をリサイクルする場合だけでなく、めっき層や、蒸着層などの加飾層が基材の表面に設けられた廃材をリサイクルする場合においても同様にして生じる。また、こうした課題は、顔料により着色された熱可塑性樹脂製の成形体を有する廃材をリサイクルする場合においても同様にして生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の各態様を記載する。
[態様1]
熱可塑性樹脂製の基材と、前記基材の表面に設けられた加飾層と、を有する廃材を微粉砕して粒状にする微粉砕工程と、前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材を溶融させる溶融工程と、前記溶融工程において溶融された前記廃材を成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品を成形する成形工程と、を備え、前記成形型における前記樹脂成形品の意匠面を成形する成形面に、シボ加工を行うための凹凸部を設ける、樹脂成形品の製造方法。
【0009】
同態様によれば、成形された樹脂成形品の意匠面には、凹凸状のシボが形成される。このため、意匠面において乱反射が生じやすくなる。これにより、樹脂成形品の表面近傍に存在し、加飾層が微粉砕された粒子が視認されにくくなる。したがって、廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
【0010】
[態様2]
前記凹凸部の深さを30μm以上、70μm以下に設定する、態様1に記載の樹脂成形品の製造方法。
【0011】
樹脂成形品の意匠面に形成されるシボの深さが30μm未満の場合、意匠面において乱反射が生じにくくなるために、樹脂成形品の表面近傍に存在する上記粒子が視認されやすくなる。一方、上記シボの深さが70μmよりも大きくなると、成形型から樹脂成形品を離型させにくくなる。
【0012】
この点、上記態様によれば、樹脂成形品の意匠面に形成されるシボの深さが30μm以上、70μm以下とされる。したがって、樹脂成形品の表面近傍に存在する上記粒子が視認されることを抑制しつつ、離型性の悪化を抑制することができる。
【0013】
[態様3]
前記溶融工程に先立ち、前記基材と同一の熱可塑性樹脂製の粒状のバージン材と、前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と、を混合する混合工程を備え、前記溶融工程では、前記廃材と前記バージン材とが混合された混合材を溶融させる、態様1または態様2に記載の樹脂成形品の製造方法。
【0014】
同態様によれば、樹脂成形品全体に占める廃材の割合を少なくすることができるので、樹脂成形品の表面近傍に存在する上記粒子を少なくすることができる。これにより、上記粒子が一層視認されにくくなる。したがって、廃材を用いながらも外観が損なわれることを一層抑制できる。
【0015】
また、上記態様によれば、樹脂成形品にバージン材が含まれているので、廃材のみによって樹脂成形品が形成される場合に比べて、樹脂成形品の機械的強度を高めることができる。
【0016】
[態様4]
顔料により着色された熱可塑性樹脂製の成形体を有する廃材を微粉砕して粒状にする微粉砕工程と、
前記成形体と同一の熱可塑性樹脂製であり、前記廃材とは発色の異なる粒状のバージン材と、前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と、を混合する混合工程を備え、
前記微粉砕工程において微粉砕された粒状の前記廃材と前記バージン材とが混合された混合材を溶融させる溶融工程と、
前記溶融工程において溶融された前記廃材を成形型のキャビティに注入することで樹脂成形品を成形する成形工程と、を備え、
前記成形型における前記樹脂成形品の意匠面を成形する成形面に、シボ加工を行うための凹凸部を設ける、
樹脂成形品の製造方法。
【0017】
同態様によれば、成形された樹脂成形品の意匠面には、凹凸状のシボが形成される。このため、意匠面において乱反射が生じやすくなる。これにより、樹脂成形品の表面近傍に存在し、廃材に含まれていた顔料が視認されにくくなる。したがって、廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
【0018】
[態様5]
熱可塑性樹脂製の母材と、前記母材中に分散され、前記母材とは発色の異なる粒子と、を有する樹脂成形品であって、凹凸状のシボが設けられた意匠面を有する、樹脂成形品。
【0019】
同態様によれば、態様1と同様な作用効果を奏することができる。
[態様6]
前記シボの深さが、30μm以上、70μm以下である、態様4に記載の樹脂成形品。
【0020】
同態様によれば、態様2と同様な作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、樹脂成形品の一実施形態について、意匠面を中心とした樹脂成形品の拡大断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の樹脂成形品の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図1の樹脂成形品を成形する成形型の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、
図1~
図4を参照して、一実施形態について説明する。
図1に示すように、樹脂成形品50は、熱可塑性樹脂製の母材51と、母材51中に分散されている塗膜粒子52とを有する。樹脂成形品50は、車両のバンパカバーなどの外装部品である。
【0024】
母材51は、例えばポリプロピレンである。塗膜粒子52は、例えば車両のバンパカバーの廃材に含まれている塗膜が微粉砕されたものである。塗膜粒子52は、母材51とは発色が異なる。塗膜粒子52の最大粒径は、例えば300μmである。本実施形態の塗膜が、[課題を解決するための手段]欄における加飾層に相当する。また、塗膜粒子52が、[課題を解決するための手段]欄における粒子に相当する。
【0025】
樹脂成形品50は、凹凸状のシボ54が設けられた意匠面53を有する。本実施形態の樹脂成形品50では、意匠面53全体にシボ54が設けられている。樹脂成形品50の意匠面53は、母材51及び塗膜粒子52により形成されている。すなわち、樹脂成形品50の意匠面53には、塗膜が設けられていない。なお、
図1では、塗膜粒子52及びシボ54の形状及び大きさを模式的に示している。
【0026】
シボ54の深さdは、30μm以上、70μm以下であることが好ましい。また、シボ54の深さdは、40μm以上、60μm以下であることがより好ましい。本実施形態では、シボ54の深さdが50μmである。
【0027】
次に、
図2を参照して、樹脂成形品50の製造方法について説明する。
図2に示すように、樹脂成形品50の製造方法は、微粉砕工程と、混合工程と、溶融工程と、成形工程と、取出工程とを備える。
【0028】
<微粉砕工程>
微粉砕工程では、熱可塑性樹脂製の基材と、基材の表面に設けられた塗膜とを有する廃材(図示略)を周知の粉砕機を用いて微粉砕して粒状にする。廃材は、例えば車両のバンパカバーである。本実施形態では、最大粒径が300μmとなるように廃材を微粉砕する。なお、微粉砕工程に先立ち、廃材の大きさを段階的に小さくするように複数の粉砕工程を備えることが好ましい。
【0029】
<混合工程>
混合工程では、上記基材と同一の熱可塑性樹脂製の粒状のバージン材と、微粉砕工程において微粉砕された粒状の廃材(いずれも図示略)とを混合させる。
【0030】
<溶融工程>
溶融工程では、バージン材と廃材との混合材を、周知の射出成形装置のシリンダに投入する。そして、ヒータに通電することによってシリンダ内の混合材を加熱することにより、混合材を上記熱可塑性樹脂の融点以上の温度にして溶融させる。
【0031】
<成形工程>
成形工程では、溶融工程において溶融された混合材を上記シリンダから、
図3に示す成形型10のキャビティ21に注入することで樹脂成形品50を成形する。なお、
図3では、型開きされた状態を示している。
【0032】
成形型10は、樹脂成形品50の意匠面53を成形する成形面22を有する第1型20と、第2型30とを備える。
ここで、成形面22には、シボ加工を行うための凹凸部23が設けられている。凹凸部23の深さdを30μm以上、70μm以下に設定することが好ましい。また、凹凸部23の深さdは、40μm以上、60μm以下であることがより好ましい。本実施形態では、凹凸部23の深さdが50μmである。
【0033】
<取出工程>
取出工程では、
図3に示すように、成形型10を型開きすることで、第1型20から樹脂成形品50を取り出す。
【0034】
次に、本実施形態の作用について説明する。
成形された樹脂成形品50の意匠面53には、凹凸状のシボ54が形成される。このため、意匠面53において乱反射が生じやすくなる。これにより、樹脂成形品50の表面近傍に存在する塗膜粒子52が視認されにくくなる。
【0035】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)樹脂成形品50の製造方法は、微粉砕工程と、溶融工程と、成形工程とを備える。成形型10の成形面22に、シボ加工を行うための凹凸部23を設ける。
【0036】
こうした方法によれば、上記作用を奏するので、塗膜付きの廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
(2)凹凸部23の深さdを30μm以上、70μm以下に設定する。
【0037】
樹脂成形品50の意匠面53に形成されるシボ54の深さdが30μm未満の場合、意匠面53において乱反射が生じにくくなるために、樹脂成形品50の表面近傍に存在する塗膜粒子52が視認されやすくなる。一方、シボ54の深さdが70μmよりも大きくなると、成形型10から樹脂成形品50を離型させにくくなる。また、シボ54の深さdが70μmよりも大きくなると、洗車時の洗剤やワックスなどの汚れがシボ54の凹部に詰まりやすくなる。
【0038】
この点、上記方法によれば、樹脂成形品50の意匠面53に形成されるシボ54の深さdが30μm以上、70μm以下とされる。したがって、樹脂成形品50の表面近傍に存在する塗膜粒子52が視認されることを抑制しつつ、離型性の悪化を抑制することができる。また、シボ54の凹部に汚れが詰まることを抑制できる。
【0039】
(3)樹脂成形品50の製造方法は、溶融工程に先立ち、混合工程を備える。溶融工程では、廃材とバージン材とが混合された混合材を溶融させる。
こうした方法によれば、樹脂成形品50全体に占める廃材の割合を少なくすることができるので、樹脂成形品50の表面近傍に存在する塗膜粒子52を少なくすることができる。これにより、塗膜粒子52が一層視認されにくくなる。したがって、塗膜付きの廃材を用いながらも外観が損なわれることを一層抑制できる。
【0040】
また、上記方法によれば、樹脂成形品50にバージン材が含まれているので、廃材のみによって樹脂成形品50が形成される場合に比べて、樹脂成形品50の機械的強度を高めることができる。
【0041】
<変形例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・母材51は、ポリプロピレンに限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの他の熱可塑性樹脂であってもよい。
・塗膜粒子52の最大粒径、すなわち微粉砕工程において廃材を微粉砕する際の最大粒径は、例えば250μmや200μmなど300μmよりも小さくてもよいし、350μmや400μmなど300μmよりも大きくてもよい。
【0043】
・廃材のみによって樹脂成形品50を製造することもできる。
・樹脂成形品50は、車両のバンパカバーなどの外装部材に限定されず、他に例えばインストルメントパネルなどの車両の内装部材として具体化することもできる。
【0044】
・樹脂成形品50の意匠面53の一部にシボ54を設けないようにしてもよい。
・凹凸部23の深さd、すなわちシボ54の深さdは、30μmよりも小さくすることもできるし、70μmよりも大きくすることもできる。
【0045】
・本開示における加飾層は、塗膜に限られるものではなく、他に例えば、めっき層や、ホットスタンプ層、フィルム層、蒸着層、印刷層であってもよい。
・上記実施形態の微粉砕工程では、熱可塑性樹脂製の基材と、基材の表面に設けられた加飾層とを有する廃材を微粉砕して粒状にしたが、顔料により着色された熱可塑性樹脂製の成形体を有する廃材を微粉砕して粒状にしてもよい。この場合、混合工程では、上記成形体と同一の熱可塑性樹脂製であり、上記廃材とは発色の異なる粒状のバージン材と、微粉砕工程において微粉砕された粒状の廃材とを混合する。そして、上記実施形態と同様にして、溶融工程及び成形工程を行うとともに、成形型における樹脂成形品の意匠面を成形する成形面に、シボ加工を行うための凹凸部を設けるようにすればよい。こうした構成によれば、成形された樹脂成形品の意匠面には、凹凸状のシボが形成されるため、意匠面において乱反射が生じやすくなる。これにより、樹脂成形品の表面近傍に存在し、廃材に含まれていた顔料が視認されにくくなる。したがって、廃材を用いながらも外観が損なわれることを抑制できる。
【符号の説明】
【0046】
10…成形型
20…第1型
21…キャビティ
22…成形面
23…凹凸部
30…第2型
50…樹脂成形品
51…母材
52…塗膜粒子
53…意匠面
54…シボ