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  • 特開-マイクロナノバブル発生装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074216
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】マイクロナノバブル発生装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/2326 20220101AFI20240523BHJP
   B01F 23/2373 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 23/2375 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 25/452 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 25/32 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20240523BHJP
   B01F 35/221 20220101ALI20240523BHJP
【FI】
B01F23/2326
B01F23/2373
B01F23/2375
B01F25/452
B01F25/32
B01F35/71
B01F35/213
B01F35/222
B01F35/221
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029624
(22)【出願日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202211451468.3
(32)【優先日】2022-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519281284
【氏名又は名称】上海捷喬納米科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】田松
(72)【発明者】
【氏名】▲パン▼洪波
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AB20
4G035AC22
4G035AC26
4G035AE02
4G035AE13
4G037AA02
4G037AA18
4G037EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装置の製造コストを削減しつつ発停現象の発生を減少する、マイクロナノバブル発生装置を提供する。
【解決手段】マイクロナノバブル発生装置は、入水管1を含み、入水管1に加圧タンク2が接続され、前記加圧タンク2は配管を介して水回り機器に接続され、入水管1に給水管3が接続され、給水管3の入水管1から離れた一端に自吸ポンプ4が接続され、自吸ポンプ4は接続管5を介して入水管1と連通し、給水管3に一方向吸気構造である吸気部8が接続され、気体が外部から吸気部8を通って給水管内に進入し、給水管3に給水管内の水流の流速を調節するための調節弁6が接続され、入水管1に第1逆止弁7が接続される。従来技術に対して、本発明で提供されるマイクロナノバブル発生装置は、1つの自吸ポンプと環流管路が省略され、より低いコストで従来技術と同様な技術的気泡発生効果を得ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入水管(1)を含み、
前記入水管(1)に加圧タンク(2)が接続され、前記加圧タンク(2)は配管を介して水回り機器に接続され、前記入水管(1)に給水管(3)が接続され、前記給水管(3)の入水管(1)から離れた一端に自吸ポンプ(4)が接続され、前記自吸ポンプ(4)は接続管(5)を介して入水管(1)と連通し、
前記給水管(3)に一方向吸気構造である吸気部(8)が接続され、気体が外部から前記吸気部(8)を通って給水管(3)内に進入し、前記給水管(3)に給水管(3)内の水流の流速を調節するための調節弁(6)が接続され、
前記入水管(1)に第1逆止弁(7)が接続されることを特徴とする、マイクロナノバブル発生装置。
【請求項2】
水回り機器がオンになっているか否かを検出するための圧力スイッチ(9)をさらに含み、前記圧力スイッチ(9)が自吸ポンプ(4)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項3】
前記圧力スイッチ(9)は管路内の水圧を検出することにより自吸ポンプ(4)のオン/オフを制御し、水回り機器がオンになっていると、水圧が下がり、前記圧力スイッチ(9)は自吸ポンプ(4)をオンに制御し、水回り機器がオフになっていると、水圧が上がり、前記圧力スイッチ(9)は自吸ポンプ(4)をオフに制御し、前記第1逆止弁(7)が給水管(3)と接続管(5)との間に設けられることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項4】
前記圧力スイッチ(9)が接続管(5)に設けられるか、又は入水管(1)上の第1逆止弁(7)の給水管(3)から離反する側に設けられることを特徴とする、請求項2に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項5】
前記給水管(3)に第2逆止弁(10)が接続され、水流が前記入水管(1)から給水管(3)を通って自吸ポンプ(4)内に流入することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項6】
前記入水管(1)又は給水管(3)に入水管(1)又は給水管(3)内の水圧を検出するための水切れ保護スイッチ(11)が接続され、前記水切れ保護スイッチ(11)が自吸ポンプ(4)に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項7】
前記入水管(1)又は加圧タンク(2)内に複数の噴流孔(13)が開設された流体カートリッジ(12)が設けられ、前記入水管(1)内の水が加圧タンク(2)内に進入して混合する前に流体カートリッジ(12)を通ることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項8】
前記入水管(1)又は加圧タンク(2)内に内径が入水管(1)の内径よりも大きい拡大部(14)が開設され、前記流体カートリッジ(12)が拡大部(14)内に設けられ、前記流体カートリッジ(12)と入水管(1)との間に冗長空間が形成されることを特徴とする、請求項7に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【請求項9】
前記入水管(1)に2つ以上の加圧タンク(2)が分岐管を介して接続されることを特徴とする、請求項7に記載のマイクロナノバブル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マイクロナノバブルの分野に関し、特に、マイクロナノバブル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロナノバブルとは気泡発生時における直径が数十ミクロンから数百ナノメートルの気泡を意味し、このようなミクロンからナノレベルの気泡は、通常の気泡にはない物理的及び化学的特性を有する。マイクロナノバブルは比表面積が大きく、上昇速度が遅く、自己加圧で溶解し、表面が帯電し、ラジカルが大量発生し、気体の溶解度が高いという特徴があり、汚水処理、環境保護及び青果物洗浄等の分野で広く使われている。
【0003】
これまでに、公開番号CN114028962Bの中国特許出願にはマイクロナノバブル発生システムが開示されており、該マイクロナノバブル発生システムは第1加圧ポンプを含み、第1加圧ポンプに第1入水管及び第1出水管が接続され、第1出水管の第1加圧ポンプから離れた一端に混合タンクが接続され、混合タンクに第2出水管が接続され、第1入水管に吸気部が設けられ、第1入水管に第1入水管の水の流量を制御するための調整バルブが設けられ、第1入水管に第2入水管が接続され、第2入水管の第1入水管から離れた一端に第2加圧ポンプが接続され、第2加圧ポンプが第3出水管を介して第1出水管と連通し、第2入水管が還水管を介して第2出水管と連通し、還水管に、水流が第1入水管から還水管を通って第2出水管へ流れることを回避するための第2逆止弁が設けられる。
【0004】
上記の関連技術について、本発明者は環流管路を設けると同時に第2加圧ポンプを増設すると、製造コストが高くなると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許第114028962B号公報
【発明の概要】
【0006】
本出願は、マイクロナノバブル装置の製造コストを削減しつつ、発停現象の発生を減少するために、マイクロナノバブル発生装置を提供する。
【0007】
本出願で提供されるマイクロナノバブル発生装置は以下の技術的解決手段を採用する。
【0008】
入水管を含み、
前記入水管に加圧タンクが接続され、前記加圧タンクは配管を介して水回り機器に接続され、前記入水管に給水管が接続され、前記給水管の入水管から離れた一端に自吸ポンプが接続され、前記自吸ポンプは接続管を介して入水管と連通し、
前記給水管に一方向吸気構造である吸気部が接続され、気体が外部から前記吸気部を通って給水管内に進入し、前記給水管に給水管内の水流の流速を調節するための調節弁が接続され、
前記入水管に第1逆止弁が接続される、マイクロナノバブル発生装置。
【0009】
上記の技術的解決手段を採用することで、入水管は都市給水管路と連通し、水流が入水管を通って加圧タンク内に進入し、空気が吸気部を通って自吸ポンプの圧力下で給水管内に進入し、空気の混入した水流が自吸ポンプの圧力下で給水管及び接続管を通って入水管内に進入し、最後に加圧タンク内に流入し、加圧混合でマイクロナノバブルを発生し、加圧タンク内の水が水回り機器内に流入し、これによりマイクロナノバブル含有の水流を供給する。
第1逆止弁は、入水管及び給水管内の水流の都市給水管路内への逆流を回避し、マイクロナノバブルを発生するための十分な管路内圧力を保証するとともに、自吸ポンプの発停をより高精度に制御することができる。調節弁によって吸気量及び給水管内の進水量を効果的に調整することができ、用水ハイピークの時、入水管内の水圧が下がり、調節弁の開放度が大きくなり、用水ローピークの時、入水管内の水圧が上がり、調節弁の開放度が減少するため、都市管路水圧の変化によって自吸ポンプが頻繁に発停する現象を回避する。従来技術に対して、本装置は、1つのポンプと環流管路が省略され、より低いコストで従来技術と同様な技術的気泡発生効果を得ることができる。
【0010】
選択的に、水回り機器がオンになっているか否かを検出するための圧力スイッチをさらに含み、前記圧力スイッチが自吸ポンプに電気的に接続される。
【0011】
上記の技術的解決手段を採用することで、圧力スイッチは調節弁の開放度を効果的に制御できるため、吸気量を効果的に制御し、自吸ポンプが頻繁に発停する現象を回避することができる。
【0012】
選択的に、前記圧力スイッチは管路内の水圧を検出することにより自吸ポンプのオン/オフを制御し、水回り機器がオンになっていると、水圧が下がり、前記圧力スイッチは自吸ポンプをオンに制御し、水回り機器がオフになっていると、水圧が上がり、前記圧力スイッチは自吸ポンプをオフに制御し、前記第1逆止弁が給水管と接続管との間に設けられる。
【0013】
上記の技術的解決手段を採用することで、第1逆止弁は、加圧タンク、接続管、入水管及び給水管の間の水流の逆流を回避し、管路内の水圧を上げ、自吸ポンプが増圧の効果を果たすほか、管路内水圧の安定性を高め、自吸ポンプが頻繁に発停する現象の発生を減少させ、圧力スイッチの感度を高める。
【0014】
選択的に、前記圧力スイッチが接続管に設けられるか、又は入水管の第1逆止弁の給水管から離反する側に設けられる。
【0015】
上記の技術的解決手段を採用することで、圧力スイッチは管路内水流の圧力変化を効果的に感知することができ、圧力スイッチが都市給水管路の水圧変化の影響を受けることが低減し、検出の感度が高まる。
【0016】
選択的に、前記給水管に第2逆止弁が接続され、水流が前記入水管から給水管を通って自吸ポンプ内に流入する。
【0017】
上記の技術的解決手段を採用することで、第2逆止弁は給水管路内の水流の加圧タンクへの逆流を回避するためのものであるほか、都市給水管路の水圧低下により給水管内の水が都市給水管路内に逆流することを回避し、管路内の圧力を維持し、自吸ポンプが発停する現象の発生を回避し、圧力スイッチの検出感度を高める。
【0018】
選択的に、前記入水管又は給水管に入水管又は給水管内の水圧を検出するための水切れ保護スイッチが接続され、前記水切れ保護スイッチが自吸ポンプに電気的に接続される。
【0019】
上記の技術的解決手段を採用することで、水切れ保護スイッチにより過小な管路内圧力が検出されると、自吸ポンプをオフにする。水切れ保護スイッチは、都市給水管路の断水により、管路内圧力が低下し、自吸ポンプが空転する現象を回避する。
【0020】
選択的に、前記入水管又は加圧タンク内に複数の噴流孔が開設された流体カートリッジが設けられ、前記入水管内の水が加圧タンク内に進入して混合する前に流体カートリッジを通る。
【0021】
上記の技術的解決手段を採用することで、流体カートリッジは空気の混入した水流を切断し、マイクロナノバブルの発生が促進される。
【0022】
選択的に、前記入水管又は加圧タンク内に内径が入水管の内径よりも大きい拡大部が開設され、前記流体カートリッジが拡大部内に設けられ、前記流体カートリッジと入水管との間に冗長空間が形成される。
【0023】
上記の技術的解決手段を採用することで、水流の流量が増大し、複数の水回り機器が同時にオンになっている時、水流が受ける抵抗が低減し、水流の流速が上がり、より大量の水流を同時に切断することができるため、複数の水回り機器が同時にオンになっている場合に適し、水流が冗長空間内で収束して加圧され、流体カートリッジによって切断され、マイクロナノバブルの発生が促進される。
【0024】
選択的に、前記入水管に2つ以上の加圧タンクが分岐管を介して接続される。
【0025】
上記の技術的解決手段を採用することで、水流の流量が増大し、複数の水回り機器が同時にオンになっている時、水流が受ける抵抗が低減し、水流の流速が上がり、より大量の水流を同時に切断することができるため、複数の水回り機器が同時にオンになっている場合に適している。
【0026】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は下記の通りである。
本発明では、自吸ポンプ及び入水管を設けることで、空気の混入した水流が自吸ポンプの圧力下で給水管及び接続管を通って入水管内に進入し、最後に加圧タンク内に流入し、加圧混合でマイクロナノバブルを発生し、加圧タンク内の水が水回り機器内に流入し、これによりマイクロナノバブル含有の水流を供給する。調節弁によって吸気量及び給水管内の進水量を効果的に調整することができるため、使用水量の変化によって自吸ポンプが頻繁に発停する現象を回避する。従来技術に対して、本装置は、1つの自吸ポンプと環流管路が省略され、より低いコストで従来技術と同様な技術効果を得ることができる。
本発明では水切れ保護スイッチを設けることで、水切れ保護スイッチにより過小な管路内圧力が検出されると、自吸ポンプをオフにする。水切れ保護スイッチは、都市給水管路の断水により、管路内圧力が低下し、自吸ポンプが空転する現象を回避する。
本発明では、拡大部を設けることで、水流の流量が増大し、複数の水回り機器が同時にオンになっている時、水流が受ける抵抗が低減し、水流の流速が上がり、より大量の水流を同時に切断することができるため、複数の水回り機器が同時にオンになっている場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明のマイクロナノバブル発生装置の実施例1の構造模式図である。
図2】本発明のマイクロナノバブル発生装置の実施例1における流体カートリッジの構造模式図である。
図3】本発明のマイクロナノバブル発生装置の実施例2の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものとする。
【0029】
図1図2を参照し、本発明で提供されるマイクロナノバブル発生装置の実施例において、マイクロナノバブル発生装置は、入水管1を含み、入水管1に加圧タンク2が接続され、加圧タンク2は配管を介して水回り機器に接続され、入水管1に給水管3が接続され、給水管3の入水管1から離れた一端に自吸ポンプ4が接続され、自吸ポンプ4は接続管5を介して入水管1と連通する。給水管3に一方向吸気構造である吸気部8が接続され、気体が外部から吸気部8を通って給水管3内に進入し、給水管3に給水管3内の水流の流速を調節するための調節弁6が接続され、入水管1に第1逆止弁7が接続される。
【0030】
マイクロナノバブル発生装置は、水回り機器がオンになっているか否かを検出するための圧力スイッチ9をさらに含み、圧力スイッチ9が自吸ポンプ4に電気的に接続される。圧力スイッチ9は調節弁6の開放度を効果的に制御できるため、吸気量を効果的に制御し、自吸ポンプ4が頻繁に発停する現象を回避することができる。
【0031】
圧力スイッチ9は管路内の水圧を検出することにより自吸ポンプ4のオン/オフを制御し、水回り機器がオンになっていると、水圧が下がり、圧力スイッチ9は自吸ポンプ4をオンに制御し、水回り機器がオフになっていると、水圧が上がり、圧力スイッチ9は自吸ポンプ4をオフに制御し、第1逆止弁7が給水管3と接続管5との間に設けられる。第1逆止弁7は、加圧タンク2、接続管5、入水管1及び給水管3の間の水流の逆流を回避し、管路内の水圧を上げ、自吸ポンプ4が増圧の効果を果たすほか、管路内水圧の安定性を高め、自吸ポンプ4が頻繁に発停する現象の発生を減少させ、圧力スイッチ9の感度を高める。
【0032】
圧力スイッチ9が接続管5に設けられるか、又は入水管1上の第1逆止弁7の給水管3から離反する側に設けられる。圧力スイッチ9は管路内水流の圧力変化を効果的に感知することができ、圧力スイッチ9が都市給水管路の水圧変化の影響を受けることが低減し、検出の感度が高まる。
【0033】
給水管3に第2逆止弁10が接続され、水流が入水管1から給水管3を通って自吸ポンプ4内に流入する。第2逆止弁10は、給水管3内の水流の加圧タンク2への逆流を回避するためのものであるほか、都市給水管路の水圧低下によって給水管3内の水が都市給水管路内に逆流することを回避し、管路内の圧力を維持し、自吸ポンプ4が発停する現象の発生を回避する。
【0034】
入水管1又は給水管3に入水管1又は給水管3内の水圧を検出するための水切れ保護スイッチ11が接続され、水切れ保護スイッチ11が自吸ポンプ4に電気的に接続される。水切れ保護スイッチ11により過小な管路内圧力が検出されると、自吸ポンプ4をオフにする。水切れ保護スイッチ11は、都市給水管路の断水により、管路内圧力が低下し、自吸ポンプ4が空転する現象を回避する。
【0035】
入水管1又は加圧タンク2内に複数の噴流孔13が開設された流体カートリッジ12が設けられ、入水管1内の水が加圧タンク2内に進入して混合する前に流体カートリッジ12を通る。流体カートリッジ12は空気の混入した水流を切断し、マイクロナノバブルの発生が促進される。
【0036】
実験機器として、イギリスのマルバーン・インスツルメンツ社製のナノ粒子アナライザーNanosight LM1O-HSBFT14 を使用する。
参照規格として、ISO19430:2016(粒度分析・粒子トラッキング解析法)を使用する。
試験した結果、本出願の技術的解決手段及び引用文献の技術的解決手段の各指標を次の表に示す。
【0037】
【表1】
D10、D50、D90は粒径の大きさに関するパラメータであり、粒子の10%、50%、90%は、サイズが測定されたサイズ値であることを意味する。
【0038】
D10とは、試料の累積(前後の全ての粒径の百分率の累積)粒度分布が10%に達したときの、対応する粒径を意味する。その物理的な意味は、粒径がそれより小さい(又は大きい)粒子が10%を占めることである。
【0039】
D50とは、試料の累積粒度分布の百分率が50%に達したときの、対応する粒径を意味する。その物理的な意味は、粒径がそれより大きい粒子が50%を占め、それより小さい粒子も50%を占めることである。D50は中央値粒径又は中間値粒径とも呼ばれる。D50は、粉末の平均粒度を示すためによく用いられる。
【0040】
D90とは、試料の累積粒度分布が90%に達したときの、対応する粒径を意味する。その物理的な意味は、粒径がそれより小さい(又は大きい)粒子が90%を占めることである。
【0041】
上記の検出解析実験から、本出願の技術的解決手段の気泡発生効果と引用文献の気泡発生効果がほぼ同じであることが分かる。
【0042】
作動原理は以下の通りである。
入水管1は都市給水管路と連通し、水流が入水管1を通って加圧タンク2内に進入し、空気が吸気部8を通って自吸ポンプ4の圧力下で給水管3内に進入し、空気の混入した水流が自吸ポンプ4の圧力下で給水管3及び接続管5を通って入水管1内に進入し、最後に加圧タンク2内に流入し、加圧混合でマイクロナノバブルを発生し、加圧タンク2内の水が水回り機器内に流入し、これによりマイクロナノバブル含有の水流を供給する。
第1逆止弁7は、入水管1及び給水管3内の水流の都市給水管路内への逆流を回避し、マイクロナノバブルを発生するための十分な管路内圧力を保証するとともに、自吸ポンプ4の発停をより高精度に制御することができる。調節弁6によって吸気量及び給水管3内の進水量を効果的に調整することができるため、使用水量の変化によって自吸ポンプ4が頻繁に発停する現象を回避する。従来技術に対して、本装置は、1つの自吸ポンプ4と環流管路が省略され、より低いコストで従来技術と同様な技術効果を得ることができる。
【0043】
本発明で提供されるマイクロナノバブル発生装置の第2の実施例は以下の通りである。
本実施例と実施例1の相違点は、図3に示すように、入水管1又は加圧タンク2内に内径が入水管1の内径の1~4倍の拡大部14が開設され、流体カートリッジ12が拡大部14内に設けられ、流体カートリッジ12と入水管1との間に冗長空間が形成される点である。
【0044】
作動原理は以下の通りである。拡大部14により水流の流量が増大し、複数の水回り機器が同時にオンになっている時、水流が受ける抵抗が低減し、水流の流速が上がり、より大量の水流を同時に切断することができるため、複数の水回り機器が同時にオンになっている場合に適し、水流が冗長空間内で収束して加圧され、流体カートリッジによって切断され、マイクロナノバブルの発生が促進される。
【0045】
本発明で提供されるマイクロナノバブル発生装置の第3の実施例は以下の通りである。
本実施例と実施例1の相違点は、入水管1に2つ以上の加圧タンク2が分岐管を介して接続される点である。
【0046】
作動原理は以下の通りである。
複数の分岐管と加圧タンク2により水流の流量が増大し、複数の水回り機器が同時にオンになっている時、水流が受ける抵抗が低減し、水流の流速が上がり、より大量の水流を同時に切断することができるため、複数の水回り機器が同時にオンになっている場合に適している。
【0047】
当業者にとって、本発明は、上記例示的な実施例の詳細に限定されず、本発明の精神又は基本的な特徴を逸脱することなくその他の具体的な形態で本発明を実現できることが明らかである。したがって、どの点から見ても、実施例を制限的なものではなく、例示的なものとされるべきであり、本発明の範囲は以上の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるため、特許請求の範囲と同等の意味範囲内にある全ての変化を本発明内に含ませることを意図している。特許請求の範囲における如何なる参照符号も係る請求項を制限するものとしてみなすべきではない。
【符号の説明】
【0048】
1 入水管
2 加圧タンク
3 給水管
4 自吸ポンプ
5 接続管
6 調節弁
7 第1逆止弁
8 吸気部
9 圧力スイッチ
10 第2逆止弁
11 水切れ保護スイッチ
12 流体カートリッジ
13 噴流孔
14 拡大部
図1
図2
図3