(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007422
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】アルコール検知システム、アルコール検知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104480
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2022106954
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522265006
【氏名又は名称】株式会社寿商会
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】若林 孝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アルコール検知器とそれを制御する制御システムとの連携及びアルコール測定の不正の防止をより容易にするアルコール検知システムを提供する。
【解決手段】アルコール検知システムは、呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器、アルコール検知器を制御する制御システム及びアルコール検知器と制御システムとを連携する連携システムを有する。連携システムは、アルコール検知器との通信を確立する通信確立部、URLスキームを用いて、アルコールの検知に関する情報を、制御システムへ受け渡す送受信部及びアルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御部を有し、送受信部は、URLスキームに含められた、アルコール検知器の動作を定める設定情報を制御システムから受け取り、間接制御部は、通信確立部により確立された通信を用いて、送受信部により受け取られた設定情報に基づいて、アルコール検知器の動作を間接的に制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器と、
前記アルコール検知器を制御する制御システムと、
前記アルコール検知器と前記制御システムとを連携する連携システムと
を有し、
前記連携システムは、
前記アルコール検知器との通信を確立する通信確立部と、
URLスキームを用いて、アルコールの検知に関する情報を、前記制御システムへ受け渡す送受信部と、
前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御部と
を有し、
前記送受信部は、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、
前記間接制御部は、前記通信確立部により確立された通信を用いて、前記送受信部により受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する
アルコール検知システム。
【請求項2】
前記送受信部は、前記アルコール検知器による計測結果を前記制御システムへ送信し、
前記制御システムは、
前記設定情報を渡すURLスキームに、計測結果の送信元を特定する固有値を挿入する固有値挿入部と、
前記計測結果の送信元を認証する送信元認証部と、
をさらに有し、
前記連携システムの前記送受信部は、計測結果を送信するURLスキームに、設定情報を受け取ったURLスキームに含まれていた固有値を挿入し、
前記制御システムの前記送信元認証部は、前記固有値挿入部により挿入された固有値と、前記計測結果であるURLスキームに挿入された固有値とに基づいて、計測結果の送信元を認証する
請求項1に記載のアルコール検知システム。
【請求項3】
前記制御システムは、
前記固有値を生成する固有値生成部
をさらに有し、
前記固有値生成部は、前記設定情報を前記連携システムに送信する度に、前記固有値をランダムに生成し、
前記固有値挿入部は、前記固有値生成部によりランダムに生成された固有値を、URLスキームに挿入する
請求項2に記載のアルコール検知システム。
【請求項4】
被測定者の顔を撮影する撮影装置
をさらに有し、
前記設定情報は、被測定者の顔を撮影するタイミングを表す設定値を含み、
前記間接制御部は、前記撮影のタイミングを表す設定値に基づいて、前記撮影装置により被測定者の動画を撮影し、
前記送受信部は、測定結果と前記撮影装置により撮影された動画データとを前記制御システムへ送信する
請求項1に記載のアルコール検知システム。
【請求項5】
前記設定情報は、動画撮影にかけられる時間の最大値を表す設定値を含み、
前記間接制御部は、前記撮影装置による動画撮影の時間が、前記最大値を超えた場合に、動画撮影を停止する
請求項4に記載のアルコール検知システム。
【請求項6】
前記動画データには、被測定者の呼気の吹き付け音が含まれ、
前記撮影装置は、被測定者の顔を撮影可能な位置、且つ、吹き付け音を録音可能な位置に配置され、
前記制御システムは、
前記送受信部により送信された顔画像と、吹き付け音とに基づいて本人認証を行う本人認証部
をさらに有する
請求項4に記載のアルコール検知システム。
【請求項7】
前記撮影装置は、音声を録音する複数のマイクロフォン
を有し、
前記複数のマイクロフォンは、前記呼気の吹き付け音を録音する
請求項6に記載のアルコール検知システム。
【請求項8】
前記制御システムは、
前記送受信部により送信された吹き付け音に基づいて、被測定者の呼気の吹き付け元の位置を特定する位置特定部
をさらに有し、
前記本人認証部は、前記位置特定部により特定された位置に基づいて、前記動画データに含まれる吹き付け音が、前記動画データに映っている被測定者から発せられた吹き付け音であるか否かを判定する
請求項7に記載のアルコール検知システム。
【請求項9】
前記設定情報は、通信を確立させるアルコール検知器の識別情報を含み、
前記間接制御部は、通信を確立したアルコール検知器の識別情報と、前記設定情報に含まれる識別情報とが一致していた場合に、測定を開始する
請求項1に記載のアルコール検知システム。
【請求項10】
呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器と、
前記アルコール検知器を制御する制御システムと、
前記アルコール検知器と前記制御システムとを連携する連携システムと
を有し、
前記連携システムは、
前記アルコール検知器との通信を確立する通信確立ステップと、
URLスキームを用いて前記制御システムへ情報を受け渡す送受信ステップと、
前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御ステップと
を有し、
前記送受信ステップにおいて、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、
前記間接制御ステップにおいて、前記通信確立ステップにより確立された通信を用いて、前記送受信ステップにおいて受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する
アルコール検知方法。
【請求項11】
呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器との通信を確立する通信確立ステップと、
URLスキームを用いて、前記アルコール検知器を制御する制御システムへ情報を受け渡す送受信ステップと、
前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記送受信ステップにおいて、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、
前記間接制御ステップにおいて、前記通信確立ステップにより確立された通信を用いて、前記送受信ステップにおいて受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール検知システム、アルコール検知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、アルコール濃度を測定するセンサと、撮像装置と、前記撮像装置に撮像を行わせる操作部と、前記操作部が操作されてからの経過時間を計時する計時部と、前記計時部によって計時された時間が所定時間内にある場合に、前記センサが測定した測定データを有効とし、新たな画像データの取り込みを禁止し、前記計時された時間が前記所定時間内にない場合に、前記センサが測定した測定データを無効とし、新たな画像データの取り込みを有効とする測定制御部と、を備える呼気成分測定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アルコール検知器とアルコール検知器を制御する制御システムとの連携、及び、アルコール測定の不正の防止をより容易にするアルコール検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るアルコール検知システムは、呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器と、前記アルコール検知器を制御する制御システムと、前記アルコール検知器と前記制御システムとを連携する連携システムとを有し、前記連携システムは、前記アルコール検知器との通信を確立する通信確立部と、URLスキームを用いて、アルコールの検知に関する情報を、前記制御システムへ受け渡す送受信部と、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御部とを有し、前記送受信部は、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、前記間接制御部は、前記通信確立部により確立された通信を用いて、前記送受信部により受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する。
【0006】
好適には、前記送受信部は、前記アルコール検知器による計測結果を前記制御システムへ送信し、前記制御システムは、前記設定情報を渡すURLスキームに、計測結果の送信元を特定する固有値を挿入する固有値挿入部と、前記計測結果の送信元を認証する送信元認証部と、をさらに有し、前記連携システムの前記送受信部は、計測結果を送信するURLスキームに、設定情報を受け取ったURLスキームに含まれていた固有値を挿入し、前記制御システムの前記送信元認証部は、前記固有値挿入部により挿入された固有値と、前記計測結果であるURLスキームに挿入された固有値とに基づいて、計測結果の送信元を認証する。
【0007】
好適には、前記制御システムは、前記固有値を生成する固有値生成部をさらに有し、前記固有値生成部は、前記設定情報を前記連携システムに送信する度に、前記固有値をランダムに生成し、前記固有値挿入部は、前記固有値生成部によりランダムに生成された固有値を、URLスキームに挿入する。
【0008】
好適には、被測定者の顔を撮影する撮影装置をさらに有し、前記設定情報は、被測定者の顔を撮影するタイミングを表す設定値を含み、前記間接制御部は、前記撮影のタイミングを表す設定値に基づいて、前記撮影装置により被測定者の動画を撮影し、前記送受信部は、測定結果と前記撮影装置により撮影された動画データとを前記制御システムへ送信する。
【0009】
好適には、前記設定情報は、動画撮影にかけられる時間の最大値を表す設定値を含み、前記間接制御部は、前記撮影装置による動画撮影の時間が、前記最大値を超えた場合に、動画撮影を停止する。
【0010】
好適には、前記動画データには、被測定者の呼気の吹き付け音が含まれ、前記撮影装置は、被測定者の顔を撮影可能な位置、且つ、吹き付け音を録音可能な位置に配置され、前記制御システムは、前記送受信部により送信された顔画像と、吹き付け音とに基づいて本人認証を行う本人認証部をさらに有する。
【0011】
好適には、前記撮影装置は、音声を録音する複数のマイクロフォンを有し、前記複数のマイクロフォンは、前記呼気の吹き付け音を録音する。
【0012】
好適には、前記制御システムは、前記送受信部により送信された吹き付け音に基づいて、被測定者の呼気の吹き付け元の位置を特定する位置特定部をさらに有し、前記本人認証部は、前記位置特定部により特定された位置に基づいて、前記動画データに含まれる吹き付け音が、動画データに映っている被測定者から発せられた吹き付け音であるか否かを判定する。
【0013】
好適には、前記設定情報は、通信を確立させるアルコール検知器の識別情報を含み、前記間接制御部は、通信を確立したアルコール検知器の識別情報と、前記設定情報に含まれる識別情報とが一致していた場合に、測定を開始する。
【0014】
本発明に係るアルコール測定方法は、呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器と、前記アルコール検知器を制御する制御システムと、前記アルコール検知器と前記制御システムとを連携する連携システムとを有し、前記連携システムは、前記アルコール検知器との通信を確立する通信確立ステップと、URLスキームを用いて前記制御システムへ情報を受け渡す送受信ステップと、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御ステップとを有し、前記送受信ステップにおいて、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、
前記間接制御ステップにおいて、前記通信確立ステップにより確立された通信を用いて、前記送受信ステップにおいて受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御するアルコール測定方法。
【0015】
本発明に係るプログラムは、呼気に含まれるアルコールを検知するアルコール検知器との通信を確立する通信確立ステップと、URLスキームを用いて、前記アルコール検知器を制御する制御システムへ情報を受け渡す送受信ステップと、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する間接制御ステップとをコンピュータに実行させ、前記送受信ステップにおいて、URLスキームに含められた、前記アルコール検知器の動作を定める設定情報を前記制御システムから受け取り、前記間接制御ステップにおいて、前記通信確立ステップにより確立された通信を用いて、前記送受信ステップにおいて受け取られた設定情報に基づいて、前記アルコール検知器の動作を間接的に制御する
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、アルコール検知器とアルコール検知器を制御する制御システムとの連携、及び、アルコール測定の不正の防止をより容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態におけるアルコール検知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
【
図2】ユーザ端末5のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】ユーザ端末5の機能構成を例示する図である。
【
図4】Webサーバ7のハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】Webサーバ7の機能構成を例示する図である。
【
図6】アルコール検知システム1における、URLスキームによるアルコール測定用Webサービスと連携アプリケーションプログラムとの連携を例示する図である。
【
図7】アルコール検知システム1における、アルコール検知処理(S10)を説明するフローチャートである。
【
図8】実施例2におけるアルコール検知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
【
図9】実施例2におけるユーザ端末5のハードウェア構成を例示する図である。
【
図10】実施例2のアルコール検知システム1における、URLスキームによるアルコール測定用アプリケーションプログラムと連携アプリケーションプログラムとの連携を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(背景)
業務に必要なアルコール濃度の計測結果は記録を残すためにシステム化が好ましい。そこで、アルコール計測を行う始業開始前や帰社時は、社内システム(例えば、出退勤管理システムや始業点呼管理システム)に被測定者がアクセスするタイミングでもあるため、アルコール計測システムとこれらシステムとの連携の要望が多い。しかし、アルコール検知器のメーカー、又は、アルコール検知器を動作させるアプリケーションソフトウェアが指定する有料サービスにのみアルコール検知器での計測結果のデータを送信させるものが一般的であり、社内システムと連携させるためには、高額な有料サービスの契約が必要であったり、被測定者の個人情報も、アルコール検知器専用の外部サービスとの連携に必要となり、利便性が低いという課題があった。
【0019】
さらに、アルコール計測が行われる場所は建物や部屋の出入り口附近等、人が常駐しておらず、また、出先から業務開始する場合には、出先でアルコール計測が行われることが多く、システムとして本人確認を行ったとしても、アルコール検知器に、本来呼気を吹き付けるべき被測定者ではない、別人が被測定者になりすまして呼気を吹き付けてアルコール計測行うことが可能になってしまっている。
【0020】
そこで、本発明のアルコール検知システム1は、アルコール検知器とアルコール検知器による測定結果を受信して蓄積するアプリケーションソフトウェア(制御システム)とを、連携アプリケーションソフトウェア(連携システム)により、容易に連携するものである。
具体的には、アルコール検知システム1は、外部のデータベースへ接続することなく、すなわち、アルコール検知器専用の外部サービスへの連携を必要とせずに、アルコール検知器を制御するシステムと、アルコール検知器とを連携する。
より具体的には、アルコール検知システム1は、制御システムから、アルコール検知器の所定の動作を定めた設定情報を受け取り、受け取った設定情報(例えば、設定情報には、アルコール検知器による計測結果の送信先を含む)に基づいて、制御システム側の意図した通りにアルコール検知器を動作させることができる。
【0021】
さらに具体的には、アルコール検知システム1において、連携システムは、アルコールチェッカーとBluetooth(登録商標)で連動する部分を搭載し、既に構築された制御システムであるアプリケーションプログラムから自由に選んだ設定値を、連携システムに渡すことで、連携システムを経由してBluetooth(登録商標)アルコール検知器を意図した通りに動作させ、その結果を受け取るまでの連携を容易に構築する。
また、制御システムと、アルコール検知器との情報のやり取りを、URLスキームを用いて行うことで情報漏洩を防ぎ、さらに、URLスキーム内になりすましを防ぐための情報を挿入し、上記課題を解決するものである。
【0022】
連携システムは、アプリケーションプログラム(以下、連携アプリ)であり、アルコール検知器と接続するユーザ端末にインストールされる。
【0023】
(実施例1)
図1は、本実施形態におけるアルコール検知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
図1に例示するように、アルコール検知システム1は、アルコール検知器3、ユーザ端末5、Webサーバ7、及びDBサーバ9を有する。
アルコール検知器3は、アルコール検知器3を制御するWebサーバ7の制御システム70の制御に応じて、被測定者の呼気に含まれるアルコール濃度を測定する機器である。測定結果は、連携システム50を経由して、Webサーバ7へと通知される。アルコール検知器3は、呼気が吹きかけられたときに、その呼気を吹きかけた者の顔がユーザ端末5の撮影装置により撮影できる位置に、ユーザ端末5と近接して配置されていればよい。
【0024】
ユーザ端末5は、コンピュータ端末であり、例えば、スマートフォン、又はタブレット端末である。ユーザ端末5は、撮影装置210を備えている。ユーザ端末5は、連携システム50によりアルコール検知器3と通信し、ユーザの操作に応じて、アルコール検知器3を動作させ、アルコール濃度の計測結果をWebサーバ7へ送信する。具体的には、ユーザ端末5は、アプリケーションソフトウェアとして実装された、連携プログラム52(後述)を実行することにより、ユーザ端末5とアルコール検知器3との通信を確立し、アルコール検知器3を制御する。
Webサーバ7は、アルコール計測のためのWebサービスを提供するサーバ装置である。具体的には、Webサーバ7は、アルコール計測を制御する制御システム70を有し、ユーザ端末5からのリクエストに応じて、アルコール計測に関するWebページをユーザ端末5に表示する。また、Webサーバ7は、被測定者の個人情報、ID、及びパスワードの管理し、アルコール計測の被測定者の本人認証、及びアルコール計測結果が不正なものであるか否かを判定する。アルコール制御システム70は、制御プログラム72(後述)を実行することにより、機能する。
DBサーバ9は、Webサーバ7が受け取ったアルコール濃度の測定結果を蓄積するサーバ装置である。
【0025】
図2は、ユーザ端末5のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、ユーザ端末5は、CPU200、メモリ202、不揮発性メモリ204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、撮影装置210、及び、入力装置212を有し、これらの構成はバス214を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
不揮発性メモリ204は、例えば、不揮発性のメモリであり、コンピュータプログラム(例えば、
図3の連携プログラム52)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
撮影装置210は、被測定者の顔を撮影するカメラであり、さらに、撮影装置210は、音声を録音する複数のマイクロフォンを有し、複数のマイクロフォンによりステレオ録音を行う。
入力装置212は、例えば、タッチスクリーンである。
【0026】
図3は、ユーザ端末5の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、ユーザ端末5には、連携プログラム52がインストールされている。連携プログラム52は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納され、この記録媒体を介して、ユーザ端末5にインストールされる。また、連携プログラム52は、インターネット上からダウンロードしてユーザ端末5にインストールされてもよい。
例えば、連携プログラム52は、携帯アプリとしてユーザ端末5にインストールされ、被測定者は、携帯アプリを起動することにより、連携プログラム52を実行できる。
連携プログラム52は、表示部500、通信確立部502、送受信部504、間接制御部506、固有値挿入部508、及び計測許可部510を有する。なお、連携プログラム52の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0027】
表示部500は、Webサーバ7により提供されるアルコール計測のWebサービスをユーザ端末5に表示する。具体的には、表示部500は、Webブラウザを有し、Webサーバ7が有するアルコール計測用Webページ(HTML)を表示する。
通信確立部502は、アルコール検知器3との通信を確立する。具体的には、通信確立部502は、アルコール検知器3とユーザ端末5とのBluetooth(登録商標)による通信を確立する。
送受信部504は、URLスキームを用いて、アルコール検知器3によるアルコール計測に関する情報を、Webサーバ7と送受信する。
具体的には、送受信部504は、アルコール検知器3の動作を定める設定情報を含むURLスキーム(設定URLスキーム)をWebサーバ7から受け取る。また、送受信部504は、アルコール検知器3によるアルコール濃度の計測結果を含むURLスキーム(計測結果URLスキーム)をWebサーバ7へ送信する。より具体的には、送受信部504は、測定結果と撮影装置210により撮影された動画データとをWebサーバ7へ送信する。また、送受信部504は、固有値挿入部508により固有値を挿入された計測結果URLスキームをWebサーバ7へ送信する。
【0028】
間接制御部506は、アルコール検知器3の動作を間接的に制御する。具体的には、間接制御部506は、通信確立部502により確立された通信を用いて、送受信部504により受け取られた設定情報に基づいて、アルコール検知器3の動作を間接的に制御する。例えば、間接制御部506は、設定情報に含まれる、撮影のタイミングを表す設定値に基づいて、撮影装置210による被測定者の動画を撮影する。撮影装置210により撮影された動画データには、映像データと音声の録音データとが含まれている。また、間接制御部506は、計測許可部510によりアルコール計測を許可された場合に測定を開始する。
固有値挿入部508は、アルコール検知器3による計測結果を送信する計測結果URLスキームに、設定情報を受け取った設定URLスキームに含まれていた固有値を挿入する。
計測許可部510は、通信先のアルコール検知器3が正しいか接続先の機器であるか否かを判定する。具体的には、計測許可部510は、設定URLスキームに含まれたアルコール検知器3の識別情報と通信確立部502により通信が確立されたアコール検知器3の識別情報とが一致するか否かを判定し、一致していた場合に、アルコール計測を許可する。
【0029】
図4は、Webサーバ7のハードウェア構成を例示する図である。
図4に例示するように、Webサーバ7は、CPU400、メモリ402、不揮発性メモリ404、ネットワークインタフェース406(ネットワークIF406)、表示装置408、及び、入力装置410を有し、これらの構成はバス412を介して互いに接続している。
CPU400は、例えば、中央演算装置である。
メモリ402は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
不揮発性メモリ404は、例えば、不揮発性のメモリであり、コンピュータプログラム(例えば、
図5の制御プログラム72)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF406は、無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置408は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置410は、例えば、キーボードである。
【0030】
図5は、Webサーバ7の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、Webサーバ7には、制御プログラム72がインストールされる。制御プログラム72は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体を介して、Webサーバ7にインストールされてもよいし、アプリケーションとしてインストールされてもよい。また、制御プログラム72の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。また、クラウド上の仮想マシンにインストールされてもよい。
【0031】
制御プログラム72は、URLスキーム生成部700、固有値生成部702、固有値挿入部704、起動部706、送信元認証部708、位置特定部710、本人認証部712、及び計測結果格納部714を有する。
URLスキーム生成部700は、アルコール測定用Webサービスの運用者、又は開発者により指定された、アルコール検知器3の動作を指定する設定情報を、URLスキームに挿入し、設定URLスキームを生成する。さらに、URLスキーム生成部700は、生成した設定URLスキームと、設定URLスキームを通知する起点となるボタンである、アルコール計測画面のWebページにおける「計測開始ボタン」とを関連付ける。
固有値生成部702は、アルコール検知器3によるアルコール濃度の計測結果の送信元を特定する固有値を生成する。具体的には、固有値生成部702は、アルコール検知器3の設定情報を、連携システム50に送信する度に、固有値をランダムに生成する。
固有値挿入部704は、設定URLスキームに、固有値生成部702により生成された固有値を挿入する。
起動部706は、設定URLスキームをユーザ端末5に通知する。具体的には、起動部706は、連携プログラム52を実行し、連携プログラム52にアルコール検知器3の制御情報を通知する。より具体的には、起動部706は、ユーザ端末5に表示されたアルコール計測用Webページ上の「計測開始」ボタンの押下を起点として、連携プログラム52を起動する。
【0032】
送信元認証部708は、アルコール検知器3による計測結果の送信元を認証する。具体的には、送信元認証部706は、制御プログラム72の固有値挿入部704により挿入された固有値と、連携プログラム52から受け取った、計測結果URLスキームに挿入された固有値とに基づいて、計測結果の送信元を認証する。より具体的には、送信元認証部708は、制御プログラム72の固有値挿入部704により挿入された固有値と、連携プログラム52から受け取った固有値とが一致した場合に、正しい送信元からの計測結果であると判定する。
位置特定部710は、連携プログラム52の送受信504から受信した吹き付け音に基づいて、被測定者の呼気の吹き付け元の位置を特定する。具体的には、位置特定部710は、複数のマイクロフォンにより録音された吹き付け音の音声出力に基づいて、被測定者の呼気の吹き付け元の位置を特定する。例えば、左右にあるマイクロフォンにより録音された音声出力が、左右でほぼ等しければ、左右のマイクロフォンの中央を呼気の吹き付け元の位置として特定し、マイクロフォンの音声出力が左右で規定値以上異なる場合に、カメラの撮影範囲外(例えば、撮影範囲を外れて右、又は左)を、呼気の吹き付け元の位置として特定する。なお、マイクロフォンは、撮影装置210に、ほぼ左右対称に備わっているものとする。
【0033】
本人認証部712は、連携プログラム52の送受信部504から受信した顔画像と、吹き付け音とに基づいて本人認証を行う。具体的には、本人認証部712は、位置特定部710による特定された位置に基づいて、動画データに含まれる吹き付け音が、動画データに映っている被測定者から発せられた吹き付け音であるか否かを判定する。より具体的には、本人認証部712は、動画データにおいて、カメラ中央に位置する被測定者により発せられた呼気の吹き付け元位置が、位置特定部710により中央であると判定された場合に、吹き付け音が、動画データに映っている被測定者から発せられた吹き付け音であると判定する。また、本人認証部712は、動画データにおいて、被測定者がカメラ中央に位置しているにも関わらず、呼気の吹き付け元位置が、位置特定部710により、カメラ範囲外であると判定された場合に、吹き付け音が、動画データに映っている被測定者から発せられた吹き付け音ではない、すなわち、なりすましてアルコール測定が行われたと判定する。
計測結果格納部714は、連携プログラム52の送受信部504から送信された計測結果を受け取り、DBサーバ9に保存する。
【0034】
ここで、URLスキームに含まれる設定情報について説明する。
URLスキームは、呼気吹付け開始のボタン操作の要否、呼気吹付け中の動画撮影の要否、被測定者の顔を撮影するタイミング、動画撮影にかけられる時間の最大値、GPS位置情報の要否、計測結果の送信先、計測結果の送信元を特定するための固有値、及び通信相手を特定する識別情報をパラメータとして含む。アルコール検知システム1は、URLスキームに含まれるパラメータを連携プログラム52へ渡すことで、これらの機能を有効にする。
【0035】
呼気吹付け開始のボタン操作の要否とは、測定の開始の起点を設定するパラメータである。測定開始の起点とは、測定開始ボタンを押下時、又は測定開始ボタンを押下せずに、連携プログラム52の実行時をいう。
呼気吹き付け中の動画撮影のタイミングとは、呼気吹き付け中の動画撮影の要否、及び開始の起点を設定するパラメータであり、具体的には、動画撮影の開始の起点とは、動画撮影を、測定開始ボタンを押下時、又は、連携プログラム52の実行時をいう。
これにより、設定値と異なるタイミングで撮影された動画が送信されてきた場合、送信された動画を、不正な動画として判別することが可能である。
【0036】
動画撮影にかけられる時間の最大値とは、動画撮影可能な時間である。例えば、動画撮影を開始し、呼気計測の開始までに時間がかかったとしても動画の撮影は継続され、その後、呼気計測し、計測結果を確定してから動画の必要な後処理を行うと、後処理に必要時以上に時間を要する可能性がある。しかし、最大値を設けておくことで、設定した時間以上動画の後処理に時間がかかる場合は、動画の後処理を中断し、計測結果やその他のテキスト情報をWebサーバ7へ正常に送信する。これにより、アルコール計測が正常に完了したにもかかわらず、特に、iPhone(登録商標)やiPad(登録商標)の殆どの場合30秒や2分でサスペンド状態となり、動画の後処理が完了しないばかりか、計測結果の送信もできない状態になることを防ぎ、呼気計測が正常に完了したのに計測結果が受け取れていないという状態を防ぐことができる。
【0037】
GPS位置情報取得の要否とは、アルコール計測を実施するユーザ端末の位置情報を取得するか否かを設定するパラメータである。動画だけでなく、GPS位置情報も取得することで、不正、特に、被測定者になりすました測定の防止を図る。さらに、GPS位置情報の取得により、始業前に呼気を計測したい場合等、被測定者の監督者が想定する場所で計測しているかを確認することができる。
計測結果の送信先とは、アルコール計測の計測結果の送信先を指定するパラメータである。
計測結果の送信元を特定するための固有値とは、ランダムに生成されたパラメータであり、設定URLスキームに挿入された固有値を受信したユーザ端末5のみが同一の固有値を計測結果に挿入することができるため、固有値の照合により、送信元が正しいか否かを判定することができる。
通信相手を特定する識別情報とは、接続するべきアルコール検知器3の識別情報であり、識別情報を設定URLスキームに含めることで、本来通信するべき機器とは異なるBluetooth(登録商標)機器と接続していても測定を行わないようにすることができる。
【0038】
これにより、制御システム70の開発側の自由度は高く、さらに、URLスキームは、OS領域で受け渡しされ、ログ記録に残らないため、内容を確認する方法がなく、悪意を持ってURLスキームで送信された設定値を見て変更したり、偽装したりすることが出来ないため、被測定者になりすました呼気計測を防御できる。また、動画撮影のタイミングや、送信元を特定する固有値を制御情報に挿入することで、改ざんされた計測結果を容易に判別することが可能である。
【0039】
図6は、アルコール検知システム1における、Webサーバ7により提供されるアルコール計測用Webサービスと、連携アプリとのURLスキームによる連携を例示する図である。
図6に例示するように、ステップ20(S20)において、連携アプリは、Webブラウザを有し、Webサーバ7が提供するアルコール計測用Webページ(HTML)を表示する。
ステップ21(S21)において、Webページ上には、URLスキームを含む「計測開始ボタン」が配置され、URLスキームを含む「計測開始ボタン」の押下により、連携アプリは、起動し、設定情報を受け取り、設定情報に基づいて、アルコール検知器3を動作させ、アルコール濃度の計測が可能となる。
ステップ22(S22)において、計測が終了すると、アルコール検知器3による計測結果は、POST受信できるWebサーバ7により受け取る。
ステップ23(S23)において、Webサーバ7は、計測結果を、データベースへ蓄積し、callbackパラメータの設定により、アルコール計測用Webページに戻る。
【0040】
次に、送信元を特定するための固有値による、計測結果を不正に送信することを防ぐ仕組みについて、
図6を用いて説明する。
図6に例示するように、制御システム70が、S20において、連携アプリに送信する設定URLスキーム内に、生成した固有値、具体的には、毎回異なるコードであるパラメータ、を含め、連携アプリは、固有値を受け取る。そして、S22において、連携アプリは、計測結果を返す計測結果URLスキームに、受け取った設定URLスキーム内の固有値を挿入して計測結果を返す。制御システム70は、設定URLスキームに含めた固有値と、受け取った計測結果URLスキーム内に挿入された固有値とを比較し、一致していた場合に、受け取った計測結果が偽装されておらず、正しい計測結果であると判定する。これは、URLスキームが漏洩されないという特徴を利用した不正防止策である。
この設定がない場合、悪意を持ってさらに別のアプリを用意すれば、呼気計測を行わず、0.00等の計測結果と同じ文字情報をWebサーバ7に返すことで呼気計測をあたかもしたかのように見せることが出来てしまう。
【0041】
図7は、アルコール検知システム1によるアルコール測定処理(S10)を説明するフローチャートである。
図7に示すように、ステップ100(S100)において、制御プログラム72のURLスキーム生成部700は、Webサービスの運用者又は開発者により決定された設定情報を含むURLスキームを生成し、アルコール計測画面のWebページにおいて、「計測開始ボタン」と、設定URLスキームと関連付けて配置する。
ステップ105(S105)において、連携プログラム52の表示部500は、Webサーバ7へリクエストし、アルコール計測を開始する「計測開始ボタン」を含むWebページを、ユーザ端末5に表示する。
ステップ110(S110)において、被測定者がアルコール検知システム1にログイン後、連携プログラム52の表示部500は、「計測開始ボタン」の押下を検知した場合(S110:Yes)に、「計測開始ボタン」押下の検知をWebサーバ7へ通知し、S115へ移行し、「計測開始ボタン」の押下を検知しない場合(S110:No)に、「計測開始ボタンの押下」を検知するまで待機する。
ステップ115(S115)において、制御プログラム72の固有値生成部702は、ランダムに固有値を生成し、固有値挿入部704は、設定URLスキームに生成した固有値を挿入する。
ステップ120(S120)において、制御プログラム72の起動部706は、固有値の挿入された設定URLスキームをユーザ端末5に通知し、連携プログラム52の送受信部504は、制御プログラム72から設定URLスキームを受け取る。
【0042】
ステップ125(S125)において、連携プログラム52の通信確立部502は、アルコール検知器3とのBluetooth(登録商標)通信を確立する。
ステップ130(S130)において、連携プログラム52の計測許可部510は、通信を確立したアルコール検知器3の識別情報と設定URLスキームに含まれた接続先のアルコール検知器3の識別情報とが一致するか否かを判定する。一致していれば(S130:Yes)、S135へ移行し、一致していなければ、アルコール計測を開始せず、処理を終了する。
ステップ135(S135)において、連携プログラム52の間接制御部506は、設定URLスキームに含まれる、動画撮影の開始タイミングに基づいて、撮影装置210により、動画撮影を開始し、アルコール計測を開始した被測定者の顔画像と呼気の吹き付け音とを撮影及び録音する。
ステップ140(S140)において、連携プログラム52の間接制御部506は、動画撮影の時間を計測し、設定URLスキームに含まれた動画撮影の制限時間にアルコール検知器3より計測結果を受信した場合に(S140:Yes)、動画撮影を終了する。間接制御部506は、制限時間以内にアルコール計測の結果を受信できない場合(S140:No)に、S145へ移行する。
ステップ145(S145)において、間接制御部506は、撮影装置210による動画撮影を停止する。
ステップ150(S150)において、連携プログラム52の固有値挿入部508は、アルコール計測結果と、S120において受け取った設定URLスキームに含まれていた固有値とを計測結果URLスキームに挿入する。
【0043】
ステップ155(S155)において、連携プログラム52の送受信部504は、計測結果URLスキームと、動画データとを設定URLスキームに含まれていた送信先、本例においては、Webサーバ7へ送信する。
ステップ160(S160)において、制御プログラム72の送信元認証部708は、連携プログラム52から受け取った、設定URLスキームに挿入した固有値と計測結果URLスキームに含まれる固有値とが一致するか否かを判定する。一致していた場合に(S160:Yes)、正しい送信元からの測定結果であると判定し、S165へ移行し、一致していなかった場合に(S160:No)、不正な計測結果であると判定し、処理を終了する。
ステップ165(S165)において、制御プログラム72の本人認証部712は、動画データに含まれる顔画像データと、位置特定部710により特定された吹き付け位置とに基づいて、被測定者の本人認証を行う。本人認証部712により、認証された場合(S165:Yes)に、S170へ移行し、認証されなかった場合に、不正な計測結果であると判定し、処理を終了する。
ステップ170(S170)において、制御プログラム72の測定結果格納部714は、アルコール計測結果をDBサーバ9に蓄積する。
【0044】
以上説明したように、アルコール検知システム1は、URLスキームにアルコール検知器3の設定情報を挿入し、連携プログラム52を実行することで、アルコール検知器3と制御システム70とを連携させ、さらに、連携プログラム52は、設定情報に基づいて、アルコール検知器3を制御することで、制御プログラム72の設定通りにアルコール検知器3を動作させることができる。また、設定情報、及び計測結果はURLスキームを用いて送受信されるため、情報漏洩のリスクが低く、また、URLスキームの情報漏洩のリスクの低さを利用し、URLスキームに固有値を挿入することで、アルコールの計測結果の不正を防ぐことができる。
【0045】
(変形例1)
実施例1では、計測開始ボタンの押下を検知した場合に、Webサーバ7において、固有値を生成し、設定URLスキームへ固有値を挿入しているが、これに限定されず、例えば、アルコール計測用Web画面の表示前に(
図7のS100において)、Webサーバ7で固有値を生成し、設定URLスキームへ固有値を挿入してもよい。
また、実施例1では、制御プログラム72の固有値生成部702が固有値の生成を、固有値挿入部704が設定URLスキームへ固有値を挿入しているが、これに限定されず、例えば、連携プログラム52が制御プログラム72の固有値生成部702、及び、固有値挿入部704の機能を有し、固有値を生成し、設定URLスキームへ固有値を挿入し、計測開始ボタンに関連付けてもよい。
連携プログラム52が固有値を生成及び挿入するタイミングは、アルコール計測用Web画面の表示前、又は、アルコール計測用Web画面の表示後である。
【0046】
(実施例2)
上記実施形態では、制御プログラム72がWebサービスとして提供される場合について説明したが、これに限定されず、制御プログラム72が、アプリケーションソフトウェア(制御アプリ)であってもよい。
なお、実施例2では、上記実施例1と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0047】
図8は、実施例2におけるアルコール検知システム1のハードウェア構成を例示する図である。
図8に例示するように、実施例2におけるアルコール検知システム1は、アルコール検知器3、ユーザ端末5、及びDBサーバ9を有する。
アルコール検知器3は、アルコール検知器3を制御する、ユーザ端末5にインストールされた制御システム70の制御に応じて、被測定者の呼気に含まれるアルコール濃度を測定する。測定結果は、連携システム50を経由して、任意の場所、本例においては、DBサーバ9へ蓄積される。
【0048】
図9は、実施例2におけるユーザ端末5の機能構成を例示する図である。
実施例2において、連携プログラム52は、送受信部504に代えて、送受信部604を有する。
送受信部604は、URLスキームを用いて、アルコール検知器3によるアルコール計測に関する情報を、ユーザ端末5の制御システム70と送受信する。すなわち、設定URLスキームは、ユーザ端末5の制御システム70から連携システム50へと通知される。また、送受信部604は、計測結果URLスキームを、制御システム70へ通知する。より具体的には、送受信部604は、測定結果と撮影装置210により撮影された動画データとを制御システム70へ通知する。
【0049】
図10は、実施例2のアルコール検知システム1における、制御アプリと連携アプリとのURLスキームによる連携を例示する図である。
制御プログラム72は、アプリケーションソフトウェアとしてユーザ端末5にインストールされる。
図10に例示するように、ステップ30(S30)において、制御アプリは、ユーザの操作により起動し、連携アプリを、URLスキームを用いて、制御情報に基づいて起動する。
ステップ31(S31)において、計測が終了すると、アルコール検知器3による計測結果は、POSTを受信できるWebサーバ7により受け取り、データベースに蓄積する。又は、Webサーバ7を介さず、制御アプリがURLスキームによって受け取り、任意の場所に蓄積する。
【0050】
(変形例2)
なお、実施例2においても、計測開始ボタンの押下を検知した場合に、ユーザ端末5にインストールされた制御プログラムの固有値生成部702が固有値を生成し、固有値挿入部704が設定URLスキームへ固有値を挿入するが、これに限定されず、例えば、連携プログラム52が制御プログラム72の固有値生成部702、及び、固有値挿入部704の機能を有し、固有値を生成し、設定URLスキームへ固有値を挿入し、計測開始ボタンに関連付けてもよい。
実施例2の変形例において、ユーザ端末5の連携プログラム52が固有値を生成及び挿入するタイミングは、アルコール計測用Web画面の表示前、又は、アルコール計測用Web画面の表示後である。
さらに、DBサーバ9が、制御プログラム72の固有値生成部702、及び、固有値挿入部704の機能を有してもよく、DBサーバ9で生成された固有値をユーザ端末5で使用する設定URLスキームに挿入してもよい。また、DBサーバ9が固有値を生成及び挿入するタイミングは、アルコール計測用Web画面の表示前、又は、アルコール計測用Web画面の表示後である。
【符号の説明】
【0051】
1…アルコール検知システム
3…アルコール検知器
5…ユーザ端末
7…Webサーバ
9…DBサーバ
50…連携システム
52…連携プログラム
70…制御システム
72…制御プログラム