IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 浙江杭可科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特開2024-74224角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074224
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/058 20100101AFI20240523BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240523BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M10/44 Q
H01M10/48 301
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023069004
(22)【出願日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202211444068.X
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211570261.8
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518017118
【氏名又は名称】浙江杭可科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邵毓章
(72)【発明者】
【氏名】寿春▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】曹▲驥▼
(72)【発明者】
【氏名】曹政
【テーマコード(参考)】
5H029
5H030
【Fターム(参考)】
5H029AJ14
5H029BJ21
5H029CJ16
5H029CJ28
5H029CJ30
5H030AA10
5H030AS18
5H030BB01
5H030FF22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電池の膨張及び厚さ寸法の誤差の累積を減らし、プローブと電池極耳の位置合わせを確保した可変ピッチ位置決め均等圧接機構の提供。
【解決手段】ハウジング5と、トップフレーム51とボトムフレーム52の間に設置され、昇降ベース3、昇降駆動シリンダ4及び複数の拘束トレイ1を含む圧接機構6とを含み、各拘束トレイ固定ベースの後部にはカムが設けられ、トップフレームの底部には複数のピンプレートを含む可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構が設置され、ピンプレートはピンプレートラックと直線レール底板と直線レールとリセットユニットとリード線コネクタと若干のプローブアセンブリを含み、リセットユニットはカム接触ブロック及び水平推進部を含み、水平推進部はカム接触ブロックの前端と接続され、水平推進部は直線レール底板の後端部に設置され、カム接触ブロックにはカムと係合可能な楔形推進面と垂直面が下から上に設置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に設置されたトップフレーム(51)及びボトムフレーム(52)を含み、前記ボトムフレーム(52)は前記トップフレーム(51)の下方に位置し、前記トップフレーム(51)と前記ボトムフレーム(52)が間隔を空けて配置され、かつ複数の案内ロッド(53)によって固定接続されているハウジング(5)と、
前記トップフレーム(51)と前記ボトムフレーム(52)の間に設置され、昇降ベース(3)と、昇降駆動シリンダ(4)と、複数の拘束トレイ(1)とを含み、前記昇降ベース(3)が前記トップフレーム(51)と前記ボトムフレーム(52)の間に水平に設置され、かつ前記案内ロッド(53)と摺動可能に接続されている圧接機構(6)であって、前記昇降ベース(3)は矩形のトレイ載置フレーム(31)を有し、前記トレイ載置フレーム(31)の長辺の延伸方向を左右方向、前記トレイ載置フレーム(31)の短辺の延伸方向を前後方向と定義すると、前記トレイ載置フレーム(31)には左右方向上に複数の拘束トレイ固定ベース(311)が並列に設置されており、昇降駆動シリンダ(4)は前記トップフレーム(51)上に設置され、前記昇降駆動シリンダ(4)の昇降端部は前記トレイ載置フレーム(31)と接続されており、前記拘束トレイ(1)は前記拘束トレイ固定ベース(311)部分に着脱可能に取り付けられ、拘束トレイ(1)内には、水平面に垂直で、かつ互いに平行で等間隔の複数の縦セパレータ(11)から成る列が設けられており、前記縦セパレータ(11)の列の縦軸には、前後方向に沿って、隣り合う前記縦セパレータ(11)との間にリチウム電池(12)を収容する収容空間が残されており、前記縦セパレータ(11)の間が柔軟に接続されている圧接機構(6)と、を含む角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構において、
前記各拘束トレイ固定ベース(311)の後部にはカム(36)が設けられ、前記カム(36)の回転軸(361)は左右方向に沿って設置されており、
前記トップフレーム(51)の底部には可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構(7)が設置されており、前記拘束トレイ固定ベース(311)と一対一で対応する複数のピンプレート(2)を含み、前記ピンプレート(2)は、ピンプレートラック(27)と、直線レール底板(26)と、直線レール(24)と、リセットユニット(22)と、リード線コネクタ(23)と、複数のプローブアセンブリ(21)とを含み、前記ピンプレートラック(27)は前記拘束トレイ固定ベース(311)の真上に懸架され、前記ピンプレートラック(27)の後端部にはリード線コネクタ(23)が設置されており、前記直線レール底板(26)は前記ピンプレートラック(27)の底部に設置され、前記直線レール底板(26)の下表面には前後方向に沿って配置された直線レール(25)が設けられており、複数の前記プローブアセンブリ(21)が前記直線レール(25)上に摺動可能に設置され、かつ前後方向に位置合わせされており、前記各プローブアセンブリ(21)はリセットばね(215)によって前記直線レール底板(26)と接続されており、前記プローブアセンブリ(21)の底部には前記収容空間内に挿入するための位置決めレバー(213)と、電池極耳と接触するための複数のプローブ(212)が設けられており、前記プローブ(212)は導線(217)によって前記リード線コネクタ(23)と電気接続されており、
前記リセットユニット(22)はカム接触ブロック(221)及び水平推進部(220)を含み、前記水平推進部(220)は前記カム接触ブロック(221)の前端と接続され、前記水平推進部(220)は前記直線レール底板(26)の後端部に設置されており、前記カム接触ブロック(221)には前記カム(36)と係合可能な楔形推進面(2211)と垂直面(2212)が下から上に設置されており、前記カム(36)は前記楔形推進面(2211)の前方に設置され、前記楔形推進面(2211)は下から上に徐々にカム側へと傾斜しており、前記垂直面(2212)は前記楔形推進面(2211)の頂部と接続され、前記カム(36)は、前記楔形推進面(2211)上を上向きに転がる過程で前記カム接触ブロック(221)を押して第1位置から第2位置まで後ろに移動させ、前記水平推進部(220)は前記カム接触ブロック(221)と最後端の前記縦セパレータ(11)との間に設置され、前記縦セパレータ列を押して後ろに移動させるために用いられており、前記第1位置で前記カム(36)と前記楔形推進面(2211)の底部が接触すると同時に、前記位置決めレバー(213)が前記縦セパレータ(11)から離脱し、前記第2位置で前記カム(36)が前記垂直面(2212)上に圧着すると同時に、前記位置決めレバー(213)が後方の隣り合う前記縦セパレータ(11)と圧着し、前記プローブアセンブリ(21)上の前記プローブ(212)に前後方向上の位置基準を提供することを特徴とする、
角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項2】
前記プローブアセンブリ(21)は、スライダ(211)と、前記プローブ(212)と、前記位置決めレバー(213)と、取付ブロック(214)と、前記リセットばね(215)とを含み、前記取付ブロック(214)の端部には前記スライダ(211)が設けられ、前記取付ブロック(214)は前記スライダ(211)によって前記直線レール(25)上に摺動可能に取り付けられており、前記取付ブロック(214)の底部には複数の前記プローブ(212)と前記位置決めレバー(213)が設置されており、前記リセットばね(215)が前記取付ブロック(214)と前記直線レール底板(26)の間に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項3】
前記プローブアセンブリ(21)は温度検出器(216)をさらに含み、前記温度検出器(216)は前記取付ブロック(214)内に貫設され、かつ温度検出器(216)の検出端は前記プローブ(212)の検出端と面一であり、前記リチウム電池(12)の温度を検出するために用いられることを特徴とする、請求項1または2に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項4】
前記カム接触ブロック(221)はU型であり、前記直線レール底板(26)の後方に設置され、かつ前記カム接触ブロック(221)の前端面には前記楔形推進面(2211)と前記垂直面(2212)が設置されており、前記水平推進部(220)は固定ブロック(226)及びトップブロック(223)を含み、前記固定ブロック(226)は前記直線レール底板(26)の後端部に接続され、前記固定ブロック(226)内には第2直線軸受(222)が貫設され、前記トップブロック(223)と前記固定ブロック(226)の間には圧縮ばね(224)が設けられており、平軸(225)は前記第2直線軸受(222)内に貫設され、前記平軸(225)の前端は前記トップブロック(223)と接続され、前記平軸(225)の後端は前記カム接触ブロック(221)と接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項5】
前記カム(36)は支持ロッド(301)上に設置され、前記支持ロッド(301)の底部は、前記トレイ載置フレーム(31)の後部に設置されており、前記カム(36)は回転軸(361)を介して前記支持ロッド(301)の頂部に回転可能に取り付けられ、かつ前記回転軸(361)が前記トレイ載置フレーム(31)の左右方向に沿って配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項6】
前記拘束トレイ固定ベース(311)は4つのL型案内ブロック(32)で囲まれた矩形領域であり、矩形領域の後部には逆行防止ピン(34)が設けられ、前部には位置決めピン(33)が設けられており、矩形領域内には位置センサ(35)が設けられ、前記拘束トレイ(1)が正確に載置されているかどうかを判断し、前記トレイ載置フレーム(31)のフレーム縁には案内ロッド(53)を貫設するための第1直線軸受(312)と、前記トレイ載置フレーム(31)の縦方向の高さを限定するための位置限定ロッド(37)が設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項7】
前記拘束トレイ(1)は、前記縦セパレータ(11)と、前記拘束ブロック(13)と、トレイ底板(14)と、前端板(15)と、後端板(16)とを含み、前端板(15)と後端板(16)は、それぞれ前記トレイ底板(14)の両端に設置され、前記前端板(15)と前記後端板(16)の間には接続軸(17)と案内軸(18)が接続されており、複数の前記縦セパレータ(11)は前記案内軸(18)上に摺動可能に設置され、かつ前後方向において縦セパレータ列を形成しており、前記前端板(15)と最前端の前記縦セパレータ(11)との間、前記後端板(16)と最後端の前記縦セパレータ(11)との間には前記拘束ブロック(13)が着脱可能に設けられ、前記縦セパレータ(11)間の収容空間の大きさを調整するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項8】
前記トレイ底板(14)の底部には接触式センサが設けられ、かつ前記拘束トレイ(1)が所定の位置に載置されると、接触式センサと前記位置センサ(35)が接触することを特徴とする、請求項7に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【請求項9】
前記トレイ底板(14)の後部には逆行防止ピン位置決め孔が設けられ、前部には位置決め孔が設けられており、それぞれ逆行防止ピン(34)、位置決めピン(33)と係合して前記拘束トレイ(1)の位置決めを実現していることを特徴とする、請求項7または8に記載の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は角型電池の充放電に用いる圧接機構に関し、リチウム電池の充放電設備に属する。
【背景技術】
【0002】
充放電はリチウム電池加工の重要なプロセスの一つである。充放電プロセスでは、通常、圧接機構を使用しており、圧接機構は向かい合って開閉可能なボトムフレームとトップフレームを含み、ボトムフレーム及びトップフレームはいずれも水平に設置され、ボトムフレームはトップフレームの下方に位置している。ボトムフレーム上には拘束トレイフレームが設置され、拘束トレイフレーム上にはセパレータが列になって設置されており、隣り合うセパレータの間の空間がリチウム電池の収容空間を形成している。充放電時には、リチウム電池がセパレータの間の収容空間に設置され、列を形成する。プローブはトップフレーム上に列になって配置されており、プローブ列はリチウム電池列の上方に位置する。トップフレームとボトムフレームが向かい合って閉じると、プローブがリチウム電池の極耳に接触し、リチウム電池に対して充放電を行う。
【0003】
リチウム電池の充放電を安定して確実に行うためには、電池の極耳とプローブとの間の圧接の安定度合いに注意しなければならず、即ち、プローブとリチウム電池の極耳の垂直方向における投影位置が重なっていなければならないのである。プローブとリチウム電池の極耳の位置がずれていると、プローブがリチウム電池の極耳に有効に接触できず、リチウム電池の充放電に影響する。
【0004】
理論上、プローブ列とリチウム電池列が正対すると、リチウム電池がそれに対応するプローブの位置と正対する。しかし、リチウム電池の厚さには誤差があり、セパレータの寸法にも誤差がある上に、充放電時にリチウム電池が膨張することにより生じる厚さの誤差もあり、特に上記の誤差はリチウム電池列の中で累積されて、校正点から比較的離れたリチウム電池とそれに対応するプローブのずれが、リチウム電池の充放電の有効な進行に影響する程度にまで達することもある。
【0005】
従来の圧接機構では、昇降圧接を直接行うだけで、誤差の補正を行うことはできないので、リチウム電池の一致性及び製品品質に影響が生じている。
【発明の概要】
【0006】
上記の問題を解決するために、本発明では、角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め圧接機構を提示しており、プローブをグループ分けして位置決めする形式によって、リチウム電池の膨張及び厚さ寸法の誤差がもたらす寸法誤差の累積を解消し、それによりリチウム電池の充放電の安定性を向上させ、リチウム電池の品質及び一致性を向上させている。
【0007】
本発明では、その技術的課題を解決するために、以下の技術手法を採用している。
【0008】
本発明の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構は、
水平に設置されたトップフレーム及びボトムフレームを含み、ボトムフレームがトップフレームの下方に位置し、トップフレームとボトムフレームが間隔を空けて配置され、かつ数本の案内ロッドによって固定接続されているハウジングと、
トップフレームとボトムフレームの間に設置され、昇降ベースと、昇降駆動シリンダと、複数の拘束トレイとを含み、昇降ベースがトップフレームとボトムフレームの間に水平に設置され、かつ案内ロッドと摺動可能に接続されている圧接機構であって、昇降ベースは矩形のトレイ載置フレームを有し、トレイ載置フレームの長辺の延伸方向を左右方向、トレイ載置フレームの短辺の延伸方向を前後方向と定義した場合、トレイ載置フレームの左右方向上には複数の拘束トレイ固定ベースが並列に設置されており、昇降駆動シリンダはトップフレーム上に設置され、昇降駆動シリンダの昇降端部はトレイ載置フレームと接続されており、拘束トレイは拘束トレイ固定ベースに着脱可能に取り付けられ、拘束トレイ内には、水平面に垂直で、かつ互いに平行で等間隔の若干の縦セパレータから成る列が設けられており、縦セパレータの列の縦軸には、前後方向に沿って、隣り合う縦セパレータとの間にリチウム電池を収容する収容空間が残されており、縦セパレータ間が柔軟に接続されている圧接機構と、を含み、その特徴は以下の通りである。
【0009】
各拘束トレイ固定ベースの後部にはカムが設けられ、カムの回転軸は左右方向に沿って設置されており、
トップフレームの底部には可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構が設置されており、拘束トレイ固定ベースと一対一で対応する複数のピンプレートを含み、上記ピンプレートは、ピンプレートラックと、直線レール底板と、直線レールと、リセットユニットと、リード線コネクタと、若干のプローブアセンブリとを含み、ピンプレートラックは拘束トレイ固定ベースの真上に懸架され、ピンプレートラックの後端部にはリード線コネクタが設置されており、直線レール底板はピンプレートラックの底部に設置され、直線レール底板の下表面には前後方向に沿って配置されている直線レールが設けられ、若干のプローブアセンブリが摺動可能に直線レール上に設置され、かつ前後方向に位置合わせされており、各プローブアセンブリはリセットばねによって直線レール底板と接続されており、プローブアセンブリの底部には上記の収容空間内に挿入するための位置決めレバーと、電池極耳と接触するための数対のプローブが設けられており、プローブは導線によってリード線コネクタと電気接続されており、
上記のリセットユニットは、カム接触ブロックと、水平推進部とを含み、水平推進部はカム接触ブロックの前端に接続されており、水平推進部は直線レール底板の後端部に設置されており、カム接触ブロックにはカムと係合可能な楔形推進面と垂直面が下から上に設けられており、カムは楔形推進面の前方に設置され、楔形推進面は下から上に徐々にカム側へと傾斜しており、垂直面は楔形推進面の頂部と接続され、カムは、楔形推進面上を上向きに転がる過程でカム接触ブロックを押して第1位置から第2位置まで後ろに移動させ、水平推進部はカム接触ブロックと最後端の縦セパレータとの間に設置され、縦セパレータ列を押して後ろに移動させるために用いられており、第1位置でカムと楔形推進面の底部が出会うと同時に、位置決めレバーが縦セパレータから離脱し、第2位置でカムが上記の垂直面上に圧着すると同時に、位置決めレバーと後方の隣り合う縦セパレータが圧着し、プローブアセンブリ上のプローブに前後方向上の位置基準を提供する。
【0010】
好適には、上記のプローブアセンブリは、スライダと、プローブと、位置決めレバーと、取付ブロックと、リセットばねとを含み、取付ブロックの端部にはスライダが設けられ、取付ブロックはスライダによって直線レール上に摺動可能に取り付けられており、取付ブロックの底部には数対のプローブと位置決めレバーが設置されており、リセットばねは取付ブロックと直線レール底板の間に設置されている。
【0011】
さらに、プローブアセンブリは温度検出器を含み、温度検出器は取付ブロック内に貫設され、かつ温度検出器の検出端はプローブの検出端と面一であり、電池の温度を検出するために用いられる。
【0012】
好適には、カム接触ブロックはU型であり、直線レール底板の後方に設置され、かつカム接触ブロックの前端面には上記の楔形推進面と垂直面が設置されており、上記の水平推進部は固定ブロック及びトップブロックを含み、固定ブロックは直線レール底板の後端部に接続され、固定ブロック内には第2直線軸受が貫設され、トップブロックと固定ブロックの間には圧縮ばねが設けられており、平軸は第2直線軸受内に貫設されており、平軸の前端はトップブロックと接続され、平軸の後端はカム接触ブロックと接続されており、トップブロックと固定ブロックの間には圧縮ばねが装着され、トップブロックはプローブアセンブリの後部に支持されている。
【0013】
好適には、拘束トレイ固定ベースは4つのL型案内ブロックで囲まれた矩形領域であり、矩形領域の後部には逆行防止ピンが設けられ、前部には位置決めピンが設けられており、矩形領域内には位置センサが設けられ、拘束トレイが正確に載置されているかどうかを判断する。トレイ載置フレームのフレーム縁には、案内ロッドを貫設するための第1直線軸受と、トレイ載置フレームの縦方向の高さを限定するための位置限定ロッドが設置されている。
【0014】
好適には、上記のカムは支持ロッド上に設置されており、支持ロッドの底部はトレイ載置フレームの後部に設置されており、カムはカム軸によって支持ロッドの頂部に回転可能に取り付けられ、かつカム軸はトレイ載置フレームの左右方向に沿って配置されている。
【0015】
好適には、拘束トレイは、縦セパレータと、拘束ブロックと、トレイ底板と、前端板と、後端板とを含み、前端板、後端板はそれぞれトレイ底板の両端に設置され、前端板と後端板の間には接続軸と案内軸が接続されており、縦セパレータは案内軸上に摺動可能に設置され、かつ前後方向において縦セパレータ列を形成しており、前端板と最前端のセパレータとの間、後端板と最後端の縦セパレータとの間には拘束ブロックが着脱可能に設けられ、縦セパレータ間の収容空間の大きさを調整するために用いられている。
【0016】
好適には、トレイ底板の底部には接触式センサが設置され、かつ拘束トレイが所定の位置に載置されると、接触式センサと位置センサが接触する。
【0017】
好適には、トレイ底板の後部には逆行防止ピン位置決め孔が設けられ、前部には位置決め孔が設けられており、それぞれ逆行防止ピン、位置決めピンと係合して拘束トレイの位置決めを実現している。
【0018】
本発明の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構を利用して電池に充放電を行う方法は、以下のステップを含む。
1)まず、拘束トレイをトレイ載置フレーム内の対応する拘束トレイ固定ベースに並列に載置する。載置する過程で、L型案内ブロックによって拘束トレイを補正し、位置決めピン、逆行防止ピン、接触式センサ及び位置センサを利用して、拘束トレイが正確に載置されているかどうかを判断することができる。
2)拘束トレイを所定の位置に載置した後、昇降駆動シリンダがトレイ載置フレームを駆動して上昇させると、カムとリセットユニットのカム接触ブロックの底端が接触し、位置決めレバーが隣り合う2つの縦セパレータの中間に位置し、前、後方の縦セパレータのどちらとも接触しなくなる。この時、カム接触ブロックとプローブアセンブリは第1位置にある。この時、圧縮ばねの弾力によりトップブロックが前に押され、トップブロックがプローブアセンブリを押して直線レール上を前へ移動させ、圧縮ばねの弾力とリセットばねの引張力がプローブアセンブリ上で釣り合うまで、リセットばねが引っ張られ、プローブアセンブリに対して後ろ向きの引張力が生じる。
3)昇降駆動シリンダがトレイ載置フレームを引き続き上昇させると、カムがカム接触ブロックの楔形推進面に沿って下から上へ転がり、カム接触ブロックを後方へ移動させ、カム接触ブロックが、トップブロックを移動させると同時に上記の圧縮ばねを圧縮すると、ばねのプッシュ力とリセットばねの引張力の釣り合いが崩れ、その後、リセットばねが、位置決めレバーと後方の縦セパレータが接触してプローブアセンブリの位置決めが完了するまで、プローブアセンブリを引っ張って後ろへ移動させる。この時、カム接触ブロックとプローブアセンブリは第2位置にある。この時、各プローブアセンブリのレバーがそれぞれの所在するプローブアセンブリ上のプローブに前後方向の位置基準を提供しており、各プローブアセンブリに含まれるプローブの数が比較的少ないため、リチウム電池と縦セパレータの寸法誤差の累積を避けることができ、プローブがそれに対応するリチウム電池の極耳と位置合わせされることを確保している。
4)昇降駆動シリンダは、位置限定ロッドが所定のストロークに到達するまで、トレイ載置フレームを引き続き上昇させ、昇降駆動シリンダが動作を停止すると、プローブが真下の電池の極耳と接触して充放電プロセスを行う。
5)充電の完了後、昇降駆動シリンダがトレイ載置フレームを下降させると、カムがカム接触ブロックの楔形推進面に沿って上から下へ転がり、カム接触ブロックがカムと圧縮ばねの作用下で第1位置まで戻ると、プローブアセンブリがリセットばねの作用下で直線レールに沿って第1位置まで戻り、位置決めレバーは隣り合う2つの縦セパレータの中間に位置し、前、後方の縦セパレータのどちらとも接触しない。
6)昇降駆動シリンダが、トレイ載置フレームが最低位置まで降下するまでトレイ載置フレームを引き続き下降させると、全過程が完了する。
【0019】
本発明の有益な効果は以下の通りである。1、位置決め均等方式により、リチウム電池列とプローブアセンブリの位置基準カバー範囲を、列全体から1つのプローブアセンブリの長さまで縮小することで、電池の膨張及び厚さの誤差の累積を減らし、プローブとリチウム電池の極耳を互いに位置合わせしているので、より上手く接触でき、電池の一致性及び品質を向上させることができる。2、プローブアセンブリとリチウム電池の位置合わせ動作が確実であり、機器設備の信頼性が増している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の構造図である。
図2】本発明の拘束トレイの構造図である。
図3】本発明の可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構の構造図である。
図3a】本発明の水平推進部の固定ブロックと直線レール底板との接続関係の概略図である。
図4】本発明のプローブアセンブリの構造図である。
図5】本発明のリセットユニットの構造図である。
図5a】本発明のカム接触ブロックの構造図である。
図5b】本発明のカム接触ブロックの側面図である。
図5c】本発明のカム接触ブロックの構造図である。
図6】本発明の昇降ベースの構造図である。
図6a図6の部分拡大図である。
図7a】本発明のカムとカム接触ブロックの第1位置における係合動作の概略図である。
図7b図7aのA部分の拡大図である。
図7c図7aのB部分の拡大図である。
図8a】本発明のカムとカム接触ブロックの位置決め位置における係合動作の概略図である。
図8b図8aのA部分の拡大図である。
図8c図8aのB部分の拡大図である。
図9a】本発明のカムとカム接触ブロックの第2位置における係合動作の概略図である。
図9b図9aのA部分の拡大図である。
図9c図9aのB部分の拡大図である。
【符号の説明】
【0021】
1、拘束トレイ;11、縦セパレータ;12、リチウム電池;13、拘束ブロック;14、トレイ底板;15、前端板;16、後端板;17、接続軸;18、案内軸;2、ピンプレート;21、プローブアセンブリ;22、リセットユニット;23、リード線コネクタ;24、直線レール;25、直線レール;26、直線レール底板;27、ピンプレートラック;211、スライダ;212、プローブ;213、位置決めレバー;214、取付ブロック;215、リセットばね;216、温度検出器;217、導線;220、水平推進部;221、カム接触ブロック;222、第2直線軸受;223、トップブロック;224、圧縮ばね;225、平軸;226、固定ブロック;2211、楔形推進面;2212、垂直面;3、昇降ベース;31、トレイ載置フレーム;301、支持ロッド;311、拘束トレイ固定ベース;312、第1直線軸受;32、L型案内ブロック;33、位置決めピン;34、逆行防止ピン;35、位置センサ;36、カム;361、回転軸;4、昇降駆動シリンダ;5、ハウジング;51、トップフレーム;52、ボトムフレーム;53、案内ロッド;6、圧接機構;7、可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図面と結び付けて、本発明の実施例における具体的な実施形態について詳細に説明している。ここに記載している具体的な実施形態は、本発明の実施例を説明及び解釈するためのものにすぎず、本発明の実施例を限定するためのものではないことを理解しておかなければならない。
【0023】
説明しておかなければならないが、衝突が生じない限り、本発明における実施例及び実施例中の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0024】
本発明の記述において理解しておかなければならないのは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づいており、本発明を記述しやすくし、記述を簡略化するためのものにすぎず、指している装置や素子が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位により構成及び操作されることを示したり、暗示したりするものではないという点である。よって、本発明に対する限定と理解することはできない。
【0025】
また、用語の「第1」、「第2」は目的を記述するためにのみ用いられるものであり、相対的な重要性を示したり、暗示したり、または指している技術的特徴の数を暗に示したりするものと理解してはならない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、明らかに、または暗に、少なくとも1つの該特徴を含むことができる。本発明の記述において、「複数」とは、別途明確かつ具体的な限定がない限り、例えば2つ、3つなど、少なくとも2つを意味する。
【0026】
本発明においては、別途明確な規定及び限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解しなければならず、例えば、固定接続でもよいし、着脱可能な接続でもよいし、一体を成すものでもよい。機械的な接続でもよいし、電気接続や相互の通信でもよい。直接的な連結でもよいし、中間媒体を介しての間接的な連結でもよいし、2つの素子内部の連通や、2つの素子の相互作用関係でもよい。但し、別途明確な限定のある場合は除く。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記の用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0027】
本発明において、別途明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」である場合、第1及び第2特徴が直接接触していてもよいし、第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触していてもよい。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」、「上面」にある場合、第1特徴は第2特徴の直上または斜め上であってよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを示すだけであってもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」、「下面」にある場合、第1特徴は第2徴の直下または斜め下であってよく、または第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを示すだけであってもよい。
【0028】
本明細書の記述において、用語の「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的例示」または「いくつかの例示」を参照するというような記述は、該実施例または例示に記述されている具体的な特徴、構造、材料または特長と結び付けて、本発明の少なくとも1つの実施例または例示に含まれることを意味している。本明細書では、上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例または例示に対するものである必要はない。記述されている具体的な特徴、構造、材料または特長は、1つまたは複数の実施例または例示の中で、適切な形で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない状況において、当業者は、本明細書に記述されている異なる実施例または例示、及び異なる実施例または例示の特徴を結合させたり、組み合わせたりすることができる。
【0029】
以下では、図面を参照し、例示的な実施例と結び付けて、本発明を詳細に説明する。
図1図6に示すように、本発明の角型電池の充放電に用いる可変ピッチ位置決め均等圧接機構は、
水平に設置されたトップフレーム51及びボトムフレーム52を含み、ボトムフレーム52はトップフレーム51の下方に位置し、トップフレーム51とボトムフレーム52は間隔を空けて配置され、かつ数本の案内ロッド53によって固定接続されているハウジング5と、
トップフレーム51とボトムフレーム52の間に設置され、昇降ベース3と、昇降駆動シリンダ4と、複数の拘束トレイ1とを含み、昇降ベース3がトップフレーム51とボトムフレーム52の間に水平に設置され、かつ案内ロッド53上に摺動可能に被装されている圧接機構6であって、昇降ベース3はトレイの支持及び位置決めに用いる矩形のトレイ載置フレーム31を有しており、トレイ載置フレーム31の長辺の延伸方向を左右方向、トレイ載置フレーム31の短辺の延伸方向を前後方向と定義すると、トレイ載置フレーム31の左右方向上には3つの拘束トレイ固定ベース311が並列に設置されており、昇降駆動シリンダ4はトップフレーム51上に設置され、昇降駆動シリンダ4の昇降端部はトレイ載置フレーム31と接続されており、拘束トレイ1は拘束トレイ固定ベース311部分に着脱可能に取り付けられ、拘束トレイ1内には、水平面に垂直で、かつ互いに平行で等間隔の若干の縦セパレータ11から成る列が設けられており、縦セパレータ11の列の縦軸には、前後方向に沿って、隣り合う縦セパレータ11との間にリチウム電池12を収容する収容空間が残されており、縦セパレータ間が柔軟に接続されている圧接機構6と、を含み、
各拘束トレイ固定ベース311の後部にはカム36が設けられ、カム36の回転軸361は左右方向に沿って設置されており、
トップフレーム51の底部には可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構7が設置されており、拘束トレイ固定ベース311と一対一で対応する複数のピンプレート2を含み、ピンプレート2は、ピンプレートラック27と、直線レール底板26と、直線レール24と、リセットユニット22と、リード線コネクタ23と、若干のプローブアセンブリ21とを含み、ピンプレートラック27は拘束トレイ固定ベース311の真上に懸架され、ピンプレートラック27の後端部にはリード線コネクタ23が設置されており、直線レール底板26はピンプレートラック27の底部に設置され、直線レール底板26の下表面には前後方向に沿って配置されている直線レール25が設けられ、プローブアセンブリ21は摺動可能に直線レール25上に設置され、かつ前後方向に位置合わせされており、若干のプローブアセンブリ21はリセットばね215によって直線レール底板26と接続され、プローブアセンブリ21の伸縮及びリセットを行うことができ、プローブアセンブリ21の底部には収容空間内に挿入するための位置決めレバー213と、電池極耳と接触するための数対のプローブ212が設けられており、プローブ212は導線217によってリード線コネクタ23と電気接続されており、
上記のリセットユニット22は、カム接触ブロック221及び水平推進部220を含み、水平推進部はカム接触ブロック221の前端に接続されており、水平推進部220は直線レール底板26の後端部に設置されており、カム接触ブロック221にはカム36と係合可能な楔形推進面2211と垂直面2212が下から上に設置されており、カム36は楔形推進面2211の前方に設置され、楔形推進面2211は下から上に徐々にカム側へと傾斜しており、垂直面2212は楔形推進面2211の頂部と接続され、カム36は、楔形推進面2211上を上向きに転がる過程でカム接触ブロック221を押して第1位置から第2位置まで後ろに移動させ、水平推進部220はカム接触ブロック221と最後端の縦セパレータ11との間に設置されており、縦セパレータ列を押して後ろに移動させるために用いられ、第1位置でカム36と楔形推進面2211の底部が出会うと同時に、位置決めレバー213が縦セパレータ11から離脱し、第2位置でカム36が上記の垂直面2212上に圧着すると同時に、位置決めレバー213と後方の隣り合う縦セパレータ11が圧着し、プローブアセンブリ21上のプローブ212に前後方向上の位置基準を提供する。
【0030】
本発明のいくつかの実施例では、上記のプローブアセンブリ21は、スライダ211と、プローブ212と、位置決めレバー213と、取付ブロック214と、リセットばね215とを含み、取付ブロック214の端部にはスライダ211が設けられ、取付ブロック214はスライダ211によって直線レール25上に摺動可能に取り付けられており、取付ブロック214の底部には、数対のプローブ212と位置決めレバー213が設けられており、リセットばね215は取付ブロック214と直線レール底板26との間に設置され、片端は取付ブロック214の端部と接続され、他端は直線レール底板26と接続されている。
【0031】
図4に示すように、プローブアセンブリ21は温度検出器216をさらに含み、温度検出器216は取付ブロック214内に貫設され、かつ温度検出器216の検出端はプローブ212の検出端と面一であり、リチウム電池表面の温度を検出するために用いられる。
【0032】
図3及び図5に示すように、カム接触ブロック221はU型であり、直線レール底板26の後方に設置され、かつカム接触ブロック221の前端面には上記の楔形推進面2211と垂直面2212が設置されており、上記の水平推進部220は固定ブロック226及びトップブロック223を含み、固定ブロック226は直線レール底板26の後端部に接続され、固定ブロック226内には第2直線軸受222が貫設されており、平軸225は第2直線軸受222内に貫設されており、平軸225の前端はトップブロック223と接続され、平軸225の後端はカム接触ブロック221と接続されており、トップブロック223と固定ブロック226の間の平軸225上には圧縮ばね224が被装されている。
【0033】
図6に示すように、カム36は支持ロッド301上に配置され、支持ロッド301の底部はトレイ載置フレーム31の後部に配置されており、カム36は、回転軸361を介して支持ロッド301の頂部に回転可能に取り付けられ、かつ回転軸361はトレイ載置フレーム31の左右方向に沿って配置されている。
【0034】
図6に示すように、上記のトップフレーム51及びボトムフレーム52はいずれも矩形フレームであり、上下に平行に対向し、かつ縦方向に設置された4本の案内ロッド53によって固定されている。
【0035】
図6に示すように、該実施例では、拘束トレイ固定ベース311は4つのL型案内ブロック32で囲まれた矩形領域であり、矩形領域の後部には逆行防止ピン34が設けられ、前部には位置決めピン33が設けられており、矩形領域内には位置センサ35が設けられ、拘束トレイ1が正確に載置されているかどうかを判断しており、トレイ載置フレーム31のフレーム縁には、案内ロッド53を貫設するための第1直線軸受312と、トレイ載置フレーム31の縦方向の高さを限定するための位置限定ロッド37が設置されている。昇降駆動シリンダ4の上昇過程では、カム36と可変ピッチ位置決め均等ピンプレート機構7の尾部に取り付けられたリセットユニット22が係合し、プローブアセンブリ21上の位置決めレバー213の前後方向の位置を調節することにより、各プローブアセンブリ21のレバーがそれぞれの所在するプローブアセンブリ21上のプローブに前後方向の位置基準を提供する。各プローブアセンブリ21に含まれるプローブ212の数が比較的少ないため、リチウム電池と縦セパレータの寸法誤差の累積を避けることができ、プローブがそれに対応するリチウム電池の極耳と位置合わせされることを確保して、正確な位置決めという目的を果たしている。
【0036】
本発明のいくつかの実施例では、拘束トレイ1は機構全体の中心位置にあり、該装置の役割は、若干のリチウム電池12を載置して一定の拘束力を印加し、充放電の過程で電池12に生じる膨張と、電池の充電過程での膨張により全体寸法の変化が生じることにより引き起こされる電池12の一致性及び品質の低下を解消するために用いられる。拘束トレイ1は、縦セパレータ11と、拘束ブロック13と、トレイ底板14と、前端板15と、後端板16とを含み、前端板15、後端板16はそれぞれトレイ底板14の両端に設置され、前端板15と後端板16の間には接続軸17と案内軸18が接続されており、縦セパレータ11は案内軸18上に摺動可能に設置され、かつ前後方向において縦セパレータ列を形成しており、縦セパレータ列が運動過程で必要とするしなやかさを保証するために、縦セパレータ11の間は柔軟に接続され、縦セパレータ11間で相互に連動すると同時に、例えば緩いロープを用いて縦セパレータ11間を接続するなど、ある程度の相対的変位を有することを許容しており、前端板15と最前端の縦セパレータ11との間、及び後端板16と最後端の縦セパレータ11との間には、需要に応じて選択的に拘束ブロック13が投入され、縦セパレータ11の間のリチウム電池を圧着するので、拘束トレイ全体としては動力機構を必要としない。
【0037】
本発明のいくつかの実施例では、トレイ底板14の底部には接触式センサが設けられ、かつ拘束トレイ1が所定の位置に載置されると、接触式センサと位置センサ35が接触する。
【0038】
本発明のいくつかの実施例では、トレイ底板14の後部には逆行防止ピン位置決め孔が設けられ、前部には位置決め孔が設けられており、それぞれが逆行防止ピン34、位置決めピン33と係合して拘束トレイ1の位置決めを実現している。
【0039】
本発明の角型電池の充放電に用いる上記の可変ピッチ位置決め均等圧接機構を利用して電池に充放電を行う方法は、以下のステップを含む。
1)まず、拘束トレイ1をトレイ載置フレーム31内の対応する拘束トレイ固定ベース311内に並列に載置する。載置する過程で、L型案内ブロック32によって拘束トレイ1を補正し、位置決めピン33、逆行防止ピン34、接触式センサ及び位置センサ35を利用して、拘束トレイ1が正確に載置されているかどうかを判断することができる。
2)拘束トレイ1を所定の位置に載置した後、昇降駆動シリンダ4がトレイ載置フレーム31を駆動して上昇させると、カム36とリセットユニット22のカム接触ブロック221の底端が接触し、位置決めレバー213が前後に隣り合う2つの縦セパレータ11の中間に位置し、前、後方の縦セパレータ11のどちらとも接触しなくなる。この時、カム接触ブロックとプローブアセンブリは第1位置にある。この時、圧縮ばね224の弾力がトップブロックを前へ押し、トップブロックがプローブアセンブリを押して直線レール上を前へ移動させ、圧縮ばね224の弾力とリセットばねの引張力がプローブアセンブリ上で釣り合うまで、リセットばねが引っ張られ、プローブアセンブリに対して後ろ向きの引張力が生じる。
3)昇降駆動シリンダ4がトレイ載置フレーム31を引き続き上昇させると、カム36がカム接触ブロック221の楔形推進面2211に沿って下から上へ転がり、カム接触ブロック221を後方へ移動させ、カム接触ブロック221がトップブロック223を移動させると同時に上記の圧縮ばね224を圧縮すると、圧縮ばね224のプッシュ力とリセットばね215の引張力の釣り合いが崩れ、その後、リセットばね215が、位置決めレバー213と後方の縦セパレータ11が接触してプローブアセンブリ21の位置決めが完了するまで、プローブアセンブリ21を引っ張って後ろへ移動させる。この時、カム接触ブロック221とプローブアセンブリ21は第2位置にある。この時、各プローブアセンブリ21の位置決めレバー213がそれぞれの所在するプローブアセンブリ21上のプローブ212に前後方向の位置基準を提供するが、各プローブアセンブリ21に含まれるプローブ212の数が比較的少ないため、リチウム電池と縦セパレータ11の寸法誤差の累積を避けることができ、プローブ212がそれに対応するリチウム電池の極耳と位置合わせされることを確保している。
4)昇降駆動シリンダ4は、位置限定ロッド37が所定のストロークに到達するまで、トレイ載置フレーム31を引き続き上昇させ、昇降駆動シリンダ4が動作を停止すると、プローブ212が真下の電池12の極耳と接触して充放電プロセスを行う。
5)充電の完了後、昇降駆動シリンダ4がトレイ載置フレーム31を下降させると、カム36がカム接触ブロック221の楔形推進面2211に沿って上から下へ転がり、カム接触ブロック221がカム36と圧縮ばね224の作用下で第1位置まで戻ると、プローブアセンブリ21がリセットばね215の作用下で直線レール24に沿って第1位置まで戻り、位置決めレバー213は前後に隣り合う2つの縦セパレータ11の中間に位置し、前、後方の縦セパレータ11のどちらとも接触しない。
6)昇降駆動シリンダ4が、トレイ載置フレーム31が最低位置まで降下するまでトレイ載置フレーム31を引き続き下降させることで、全過程が完了する。
【0040】
以上のように、本発明の実施例を示し、記述してきたが、上記の実施例は例示的なものであり、本発明に対する限定と理解することはできず、当業者は、本発明の範囲内において、上記の実施例に対する変更や修正、置換、変形を行うことができるということを理解しているものとする。
図1
図2
図3
図3a
図4
図5
図5a
図5b
図5c
図6
図6a
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図9a
図9b
図9c