(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074228
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】基板および基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240523BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240523BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20240523BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K3/00 N
H05K1/11 H
H05K3/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087818
(22)【出願日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0155642
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 燦 訓
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
(72)【発明者】
【氏名】高 永 國
(72)【発明者】
【氏名】李 哲 敏
(72)【発明者】
【氏名】呉 仁 煥
(72)【発明者】
【氏名】林 京 姫
(72)【発明者】
【氏名】ベ 素 賢
【テーマコード(参考)】
5E317
5E338
【Fターム(参考)】
5E317AA21
5E317AA24
5E317BB01
5E317BB02
5E317BB12
5E317CC25
5E317CD32
5E317GG01
5E317GG20
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB14
5E338BB25
5E338EE11
5E338EE27
5E338EE60
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ホール内に満たされる金属層に不良が発生しないビアホールを有する基板および基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による基板は、下部導電パターンMLと、上部導電パターンMUと、連結導電パターンMHと、絶縁層ILと、絶縁層IL上に位置する導電膜SLと、絶縁層ILの第1部分に位置する下部ホールHaと、絶縁層ILの第1部分よりも上に位置する絶縁層の第2部分と導電膜SLに位置し、下部ホールHaに連結された上部ホールHbとを含むビアホールHLと、を含み、下部ホールHaの幅よりも上部ホールHbの幅がより広く、絶縁層ILの上部ホールHbの少なくとも一部分は、導電膜SLの上部ホールHbの幅と互いにほぼ同一の幅を有する。絶縁層ILの下部面に並ぶ第1方向と下部ホールHaの側壁とのなす第1角度θaと、第1方向と上部ホールHbの側壁とのなす第2角度θbとは、互いに異なっていてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層上に位置する導電膜と、
前記絶縁層の第1部分に位置する下部ホールと、前記絶縁層の前記第1部分より上に位置する前記絶縁層の第2部分と前記導電膜に位置し、前記下部ホールに連結された上部ホールとを含むビアホールと、を含み、
前記下部ホールの幅よりも前記上部ホールの幅がより広く、
前記絶縁層の前記上部ホールの少なくとも一部分は、前記導電膜の前記上部ホールの幅と互いに同一の幅を有し、
前記絶縁層の下部面に並ぶ第1方向と前記下部ホールの側壁とのなす第1角度と、前記第1方向と前記上部ホールの側壁とのなす第2角度とは、互いに異なることを特徴とする基板。
【請求項2】
前記ビアホールは、前記下部ホールと前記上部ホールとの間に位置する中間ホールをさらに含み、
前記第1方向と前記中間ホールの側壁とのなす第3角度は、前記第1角度および前記第2角度とは異なることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記第1角度は、前記第2角度よりも小さく、前記第3角度よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項4】
前記中間ホールの前記側壁の断面は、曲線形状を有することを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項5】
前記第1絶縁層の下に位置する下部導電パターンと、
前記導電膜上に位置する上部導電パターンと、をさらに含み、
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに近い部分で第1幅を有し、前記上部導電パターンに近い部分で前記第1幅よりも広い第2幅を有し、
前記下部ホールの最大幅よりも前記上部ホールの幅がより広いことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに接する部分で下部幅を有し、前記上部ホールは、前記上部導電パターンに接する部分で上部幅を有し、
前記下部幅に対する前記上部幅の比は、1よりも大きく、3と同じか小さいことを特徴とする請求項5に記載の基板。
【請求項7】
前記ビアホール内に位置し、前記下部導電パターンおよび前記上部導電パターンに連結された連結導電パターンをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の基板。
【請求項8】
前記絶縁層は、前記第2部分に位置する第1絶縁層をさらに含み、
前記上部ホールは、前記第1絶縁層と前記導電膜に位置することを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項9】
前記絶縁層と前記導電膜との間に位置する第1絶縁層をさらに含み、
前記上部ホールは、前記第1絶縁層に形成された部分をさらに含み、
前記第1絶縁層に形成された前記上部ホールの幅は、前記導電膜に形成された前記上部ホールの幅と同一であることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項10】
絶縁層と、
前記絶縁層上に位置する導電膜と、
前記絶縁層の第1部分に位置する下部ホールと、前記絶縁層の前記第1部分よりも上に位置する前記絶縁層の第2部分と前記導電膜に位置する上部ホールと、前記下部ホールと前記上部ホールとの間に位置する中間ホールとを含むビアホールと、を含み、
前記下部ホールの幅よりも前記上部ホールの幅が広く、
前記絶縁層の前記上部ホールの幅と、前記導電膜の前記上部ホールの幅とは、互いに同一であり、
前記中間ホールの側壁の断面は、曲面形状を有することを特徴とする基板。
【請求項11】
前記第1絶縁層の下に位置する下部導電パターンと、
前記導電膜上に位置する上部導電パターンと、をさらに含み、
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに近い部分で第1幅を有し、前記上部導電パターンに近い部分で前記第1幅よりも広い第2幅を有し、
前記下部ホールの最大幅よりも前記上部ホールの幅がより広いことを特徴とする請求項10に記載の基板。
【請求項12】
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに接する部分で下部幅を有し、前記上部ホールは、前記上部導電パターンに接する部分で上部幅を有し、
前記下部幅に対する前記上部幅の比は、1よりも大きく、3と同じか小さいことを特徴とする請求項11に記載の基板。
【請求項13】
前記絶縁層は、前記第2部分に位置する第1絶縁層をさらに含み、
前記上部ホールは、前記第1絶縁層と前記導電膜に位置することを特徴とする請求項10に記載の基板。
【請求項14】
前記絶縁層と前記導電膜との間に位置する第1絶縁層をさらに含み、
前記上部ホールは、前記第1絶縁層に形成された部分をさらに含み、
前記第1絶縁層に形成された前記上部ホールの幅は、前記導電膜に形成された前記上部ホールの幅と同一であることを特徴とする請求項10に記載の基板。
【請求項15】
前記下部ホールの中心部分と、前記上部ホールの中心部分とは、上下に整列されないことを特徴とする請求項14に記載の基板。
【請求項16】
絶縁層を形成する段階と、
前記絶縁層上に導電膜を形成する段階と、
第1レーザを照射して前記導電膜と前記絶縁層を1次除去して、第1ホールを形成する段階と、
第2レーザを照射して前記絶縁層を2次除去して、第2ホールを形成する段階と、
第3レーザを照射して前記導電膜と前記絶縁層を3次除去して、第3ホールを形成する段階と、を含むことを特徴とする基板の製造方法。
【請求項17】
前記第1レーザと前記第3レーザは、ヤグ(YAG)レーザであり、
前記第2レーザは、二酸化炭素ガスレーザであることを特徴とする請求項16に記載の基板の製造方法。
【請求項18】
前記第2レーザを照射する段階において、前記導電膜は、除去されないことを特徴とする請求項17に記載の基板の製造方法。
【請求項19】
前記絶縁層は、ガラス繊維が含浸され、
前記第2レーザ照射段階において、前記絶縁層の前記ガラス繊維が加工されることを特徴とする請求項18に記載の基板の製造方法。
【請求項20】
前記第3レーザを照射する段階の前に、前記導電膜の前記第1ホールの幅は、前記絶縁層の前記第2ホールの幅よりも狭いように形成され、
前 記第3レーザを照射する段階において、前記導電膜の前記第3ホールの幅と、前記絶縁層の前記第3ホールの幅とが、同一に形成されることを特徴とする請求項18に記載の基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板および基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の層間電気的連結のために基板にホールが形成される。基板にホールを形成するためにレーザを用いる多くの方法が提示されている。
【0003】
レーザを用いて基板にホールを形成する時、基板の絶縁層と金属層との間の熱伝導の差およびレーザ吸収率の差によって、ホールが上へいくほど狭くなる構造を有したり、上部金属層が下部絶縁層よりも突出し、これによって、ホール内に連結用金属層が完全に満たされなかったり、ボイドが発生するなどの収率の低下が発生しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ビアホールの幅が上へいくほど狭くなったり、ビアホール内で上部金属層が下部絶縁層よりも突出しないことによって、ビアホール内に満たされる金属層に不良が発生しないビアホールを有する基板および基板の製造方法を提供することにある。
【0006】
しかし、本発明が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、実施例に含まれている技術的思想の範囲内で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に位置する導電膜と、前記絶縁層の第1部分に位置する下部ホールと、前記絶縁層の前記第1部分より上に位置する前記絶縁層の第2部分と前記導電膜に位置し、前記下部ホールに連結された上部ホールとを含むビアホールと、を含むことができ、前記下部ホールの幅よりも前記上部ホールの幅がより広く、前記絶縁層の前記上部ホールの少なくとも一部分は、前記導電膜の前記上部ホールの幅と互いに同一の幅を有することができ、前記絶縁層の下部面に並ぶ第1方向と前記下部ホールの側壁とのなす第1角度と、前記第1方向と前記上部ホールの側壁とのなす第2角度とは、互いに異なっていてもよい。
【0008】
前記ビアホールは、前記下部ホールと前記上部ホールとの間に位置する中間ホールをさらに含むことができ、前記第1方向と前記中間ホールの側壁とのなす第3角度は、前記第1角度および前記第2角度とは異なっていてもよい。
前記第1角度は、前記第2角度よりも小さく、前記第3角度よりも大きい。
前記中間ホールの前記側壁の断面は、曲線形状を有することができる。
前記基板は、前記第1絶縁層の下に位置する下部導電パターンと、前記導電膜上に位置する上部導電パターンとをさらに含むことができ、前記下部ホールは、前記下部導電パターンに近い部分で第1幅を有し、前記上部導電パターンに近い部分で前記第1幅よりも広い第2幅を有することができ、前記下部ホールの最大幅よりも前記上部ホールの幅がより広い。
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに接する部分で下部幅を有することができ、前記上部ホールは、前記上部導電パターンに接する部分で上部幅を有することができ、前記下部幅に対する前記上部幅の比は、1より大きく、3と同じか小さい。
前記基板は、前記ビアホール内に位置し、前記下部導電パターンおよび前記上部導電パターンに連結された連結導電パターンをさらに含むことができる。
前記絶縁層は、前記第2部分に位置する第1絶縁層をさらに含むことができ、前記上部ホールは、前記第1絶縁層と前記導電膜に位置することができる。
前記基板は、前記絶縁層と前記導電膜との間に位置する第1絶縁層をさらに含むことができ、前記上部ホールは、前記第1絶縁層に形成された部分をさらに含むことができ、前記第1絶縁層に形成された前記上部ホールの幅は、前記導電膜に形成された前記上部ホールの幅と実質的に同一であってもよい。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様による基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に位置する導電膜と、前記絶縁層の第1部分に位置する下部ホール、前記絶縁層の前記第1部分よりも上に位置する前記絶縁層の第2部分と前記導電膜に位置する上部ホールと、前記下部ホールと前記上部ホールとの間に位置する中間ホールとを含むビアホールと、を含むことができ、前記下部ホールの幅よりも前記上部ホールの幅が広く、前記絶縁層の前記上部ホールの幅と、前記導電膜の前記上部ホールの幅とは、互いにほぼ同一であってもよく、前記中間ホールの側壁の断面は、曲面形状を有することができる。
【0010】
前記下部ホールの中心部分と、前記上部ホールの中心部分とは、上下に整列されなくてもよい。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による基板の製造方法は、絶縁層を形成する段階と、前記絶縁層上に導電膜を形成する段階と、第1レーザを照射して前記導電膜と前記絶縁層を1次除去して、第1ホールを形成する段階と、第2レーザを照射して前記絶縁層を2次除去して、第2ホールを形成する段階と、第3レーザを照射して前記導電膜と前記絶縁層を3次除去して、第3ホールを形成する段階とを含むことができる。
【0012】
前記第1レーザと前記第3レーザは、ヤグ(YAG)レーザであってもよく、前記第2レーザは、二酸化炭素ガスレーザであってもよい。
前記第2レーザを照射する段階において、前記導電膜は、除去されなくてもよい。
前記絶縁層は、ガラス繊維が含浸され、前記第2レーザ照射段階において、前記絶縁層の前記ガラス繊維が加工される。
前記第3レーザを照射する段階の前に、前記導電膜の前記第1ホールの幅は、前記絶縁層の前記第2ホールの幅よりも狭い。
前記第3レーザを照射する段階において、前記導電膜の前記第3ホールの幅と、前記絶縁層の前記第3ホールの幅とが、同一に形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ビアホールの幅が上へいくほど狭くなったり、ビアホール内で上部金属層が下部絶縁層よりも突出しないことによって、ビアホール内に満たされる金属層に不良が発生しないビアホールを有する基板および基板の製造方法を提供することができる。
但し、本発明の効果は上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想および技術範囲を逸脱しない範囲内で多様に拡張可能であることは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例による基板の断面図である。
【
図2】本発明の一実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図3】本発明の一実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図5】本発明の他の実施例による基板の断面図である。
【
図6】本発明の他の実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図7】本発明の他の実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図8】本発明の他の実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施例による基板の断面図である。
【
図10】本発明のその他の実施例による基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、本明細書で説明する実施例に限定されない。
【0016】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0017】
また、図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示された技術的思想は限定されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0018】
さらに、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明は必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0019】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するわけではない。
【0020】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0021】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0022】
また、明細書全体において、「連結される」とする時、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により異なる名称で称されたが、一切を意味することができる。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の多様な実施例と変形例を詳細に説明する。
【0024】
図1を参照して、本発明の一実施例による基板について説明する。
図1は、本発明の一実施例による基板の断面図である。
【0025】
図1を参照すれば、本発明の一実施例による基板は、下部導電パターンMLと、高さ方向の第1方向DRaに沿って下部導電パターンML上に位置する絶縁層ILと、第1方向DRaに沿って絶縁層IL上に位置する導電膜SLと、第1方向DRaに沿って導電膜SL上に位置する上部導電パターンMUと、絶縁層ILと導電膜SLに形成されたビアホールHLと、ビアホールHL内に位置する連結導電パターンMHとを含む。
【0026】
下部導電パターンMLと上部導電パターンMUとは、絶縁層ILと導電膜SLに形成されたビアホールHL内に位置する連結導電パターンMHを介して互いに連結される。
【0027】
絶縁層ILは、絶縁物質を含み、フィラーまたは強化剤を含むことができる。絶縁層ILは、プリプレグ(Prepreg、PPG)を含み、ガラス繊維が含浸される。しかし、これに限定されず、絶縁層ILは、多様な絶縁物質を含むことができる。
【0028】
導電膜SLは、金属コイル層であってもよく、例えば、銅コイル層であってもよいが、これに限定されない。
【0029】
絶縁層ILと導電膜SLに形成されたビアホールHLは、下部導電パターンMLに接する下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接する上部ホールHbとを含む。第1方向DRaに沿って、上部ホールHbは、下部ホールHa上に位置し、下部ホールHaと上部ホールHbとは、中間ホールHcを介して互いに連結される。第1方向DRaと垂直をなす第2方向DRbに沿って、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きい。以下、具体的な言及がなくても、すべての幅は、第2方向DRbに沿って測定されたものとする。
【0030】
下部ホールHaは、絶縁層ILの下側の一部分に形成され、上部ホールHbは、絶縁層ILの上側の一部分と導電膜SLに形成される。
【0031】
下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど次第に広くなる。図示した実施例によれば、下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど連続的に次第に広くなるものとして示したが、これに限定されず、下部ホールHaの側壁は、一部突出した部分を含んでもよいし、これによって、下部ホールHaの幅は、下側より上側がより狭い一部分を含みうる。
【0032】
下部ホールHaの最大幅WLaは、下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLよりも大きく、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUよりも小さい。
【0033】
下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLに対する、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUの比は、約1よりも大きく、約3と同じか小さい。
【0034】
絶縁層ILの下部面と実質的に並ぶ(平行な)第2方向DRbと下部ホールHaの側壁とのなす第1角度θaと、第2方向DRbと上部ホールHbの側壁とのなす第2角度θbとは、互いに異なっていてもよい。例えば、第2角度θbが第1角度θaよりも大きくてもよい。下部ホールHaと上部ホールHbのテーパ角度は、互いに異なっていてもよい。第1方向DRaを基準として側壁の傾斜した角度をテーパ角度とする場合、下部ホールHaのテーパ角度が、上部ホールHbのテーパ角度よりも大きくてよい。
【0035】
図示した実施例によれば、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁の断面は、ほぼ直線形状の断面を有するものとして示されたが、これに限定されず、先に説明したように、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁は、一部突出した部分を含むことができ、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁は、平らでなくてもよい。
【0036】
下部ホールHaと上部ホールHbとの間の中間ホールHcの厚さは、下部ホールHaの厚さと上部ホールHbの厚さよりも小さく、中間ホールHcの側壁の断面は、曲線形状を有する。また、中間ホールHcの側壁の断面は、曲線形状を有するため、第2方向DRbと中間ホールHcの側壁とのなす第3角度θ3は、位置によって変化する。しかし、第3角度θ3は、第1角度θaおよび第2角度θbよりも小さい。したがって、下部ホールHa、上部ホールHb、中間ホールHcのテーパ角度は、互いに異なっていてもよい。第1方向DRaを基準として側壁の傾斜した角度をテーパ角度とする場合、中間ホールHcのテーパ角度は、下部ホールHaのテーパ角度と上部ホールHbのテーパ角度よりも大きくてもよい。下部ホールHa、上部ホールHb、中間ホールHcのテーパ角度は、中間ホールHc、下部ホールHa、上部ホールHbの順に小さくなる大きさを有する。
【0037】
万一、上部ホールHbの幅が下部ホールHaの幅よりも狭い場合、ビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成する時、連結導電パターンMHがすべて満たされなかったり、不必要なボイド(void)が形成されるなどの不良が発生しうる。しかし、本実施例による基板によれば、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きく、ビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成する時、不良が発生しない。
【0038】
絶縁層ILに形成された上部ホールHbのうちの上側に位置する上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とは、実質的に同一であってもよい。万一、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅が、絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅よりも狭い場合、導電膜SLの周縁が突出するので、上部ホールHb内に連結導電パターンMHをメッキなどで形成する時、導電膜SLと絶縁層ILとの境界部でメッキシード層が切れたり、連結導電パターンMHがすべて満たされなかったり、不必要なボイド(void)が形成されるなどの不良が発生しうる。しかし、本実施例による基板によれば、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅は、絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅よりも狭くなく、互いに実質的に同一であるので、絶縁層ILと導電膜SLとの間の界面部分で発生しうる連結導電パターンMHの不良発生を防止することができる。
【0039】
以下、
図1とともに
図2~
図4を参照して、本発明の一実施例による基板の製造方法について説明する。
図2~
図4は、本発明の一実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【0040】
図2を参照すれば、下部導電パターンMLを形成し、下部導電パターンML上に絶縁層ILを積層し、絶縁層IL上に導電膜SLを形成した後、第1レーザL1を照射して導電膜SLと絶縁層ILを除去して、導電膜SLと絶縁層ILに第1サブホールHa1を形成する。
【0041】
第1レーザL1は、ヤグ(YAG)レーザであってもよい。
【0042】
第1サブホールHa1の最上部は、第1幅W1を有し、第1サブホールHa1は、導電膜SLと絶縁層ILの一部分に形成され、下部導電パターンMLは、第1サブホールHa1によって露出せず、下部導電パターンML上には絶縁層ILの一部分が残る。
【0043】
次に、
図3を参照すれば、第2レーザL2を照射して第1サブホールHa1の外部の絶縁層ILを追加的に除去して、下部導電パターンMLを露出するように絶縁層ILに第2サブホールHa2と第3サブホールHb1とを形成する。
【0044】
第2レーザL2は、二酸化炭素(CO2)ガスレーザであってもよい。第2レーザL2を用いて絶縁層ILを除去する時、絶縁層IL内のガラス繊維を加工することができ、これによって、不必要なガラス粉やガラス粒子などが発生するのを防止することができる。
【0045】
絶縁層ILの第2サブホールHa2は、下部導電パターンMLに接する部分で下部幅WLを有し、絶縁層ILの第3サブホールHb1は、第2幅W2を有し、絶縁層IL上に位置する導電膜SLの第4サブホールHb2は、第3幅W3を有し、第3幅W3は、第2幅W2よりも小さく、第1幅W1と実質的に同一であってもよい。
【0046】
絶縁層ILの第2サブホールHa2は、ビアホールHLの下部ホールHaであってもよい。
【0047】
このように、第2レーザL2を照射して絶縁層ILを追加的に除去する時、導電膜SLは除去されなかったり、絶縁層ILに比べて少なく除去されるため、導電膜SLの第4サブホールHb2は、絶縁層ILの第3サブホールHb1よりも狭く形成され、導電膜SLは、ホールの中心側に絶縁層ILよりも突出する。
【0048】
次に、
図4を参照すれば、第3レーザL3を照射して絶縁層ILの第3サブホールHb1と導電膜SLの第4サブホールHb2の周辺の絶縁層ILと導電膜SLを追加的に除去することによって、ビアホールHLの下部ホールHa上に位置し、上部幅WUを有する上部ホールHbを形成する。また、下部ホールHaと上部ホールHbとを連結する中間ホールHcを形成する。これによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを完成させる。
【0049】
第3レーザL3は、ヤグ(YAG)レーザであってもよい。第3レーザL3を照射することによって、導電膜SLと絶縁層ILをともに除去することによって、絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とは、実質的に同一に形成される。
【0050】
次に、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHL内に金属層をメッキなどで形成して、ビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成し、その上に上部導電パターンMUを形成することによって、
図1に示した実施例による基板を形成する。
【0051】
本実施例による基板の製造方法によれば、第1レーザL1を用いて絶縁層ILと導電膜SLを除去して、第1サブホールHa1を形成し、第2レーザL2を用いて絶縁層ILを2次除去することによって、絶縁層ILに下部ホールHaをなす第2サブホールHa2と第2サブホールHa2上の第3サブホールHb1とを形成し、第3レーザL3を用いて導電膜SLと絶縁層ILをともに3次除去することによって、導電膜SLと絶縁層ILに互いに同一の幅を有する上部ホールHbを形成することによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを形成することができる。
【0052】
これによって、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きく、絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とが、実質的に同一のビアホールHLを形成することができる。
【0053】
以下、
図5を参照して、本発明の他の実施例による基板について説明する。
図5は、本発明の他の実施例による基板の断面図である。
【0054】
図5を参照すれば、本実施例による基板は、
図1を参照して説明した実施例による基板と類似している。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0055】
図1に示した実施例とは異なり、本実施例による基板は、絶縁層ILと導電膜SLとの間に位置する第1絶縁層RLをさらに含む。
【0056】
絶縁層ILは、絶縁物質を含み、フィラーまたは強化剤を含むことができる。絶縁層ILは、プリプレグ(Prepreg、PPG)を含み、ガラス繊維が含浸される。しかし、これに限定されず、絶縁層ILは、多様な絶縁物質を含むことができる。
【0057】
第1絶縁層RLは、絶縁物質を含み、フィラーまたは強化剤を含まなくてもよい。第1絶縁層RLは、プライマー樹脂層であってもよく、第1絶縁層RLは、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、およびリン(phosphorous)系エポキシ樹脂から1つ以上選択されるエポキシ樹脂を含んでもよい。しかし、これに限定されず、第1絶縁層RLは、多様なレジンを含むことができる。
【0058】
導電膜SLは、金属コイル層であってもよく、例えば、銅コイル層であってもよいが、これに限定されない。
【0059】
本実施例による基板は、第1絶縁層RLをさらに含むことによって、絶縁層ILと導電膜SLとの間の接着力を高めることができる。
【0060】
ビアホールHLは、絶縁層IL、第1絶縁層RL、導電膜SLに形成され、下部導電パターンMLに接する下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接する上部ホールHbとを含む。下部ホールHaと、上部ホールHbとは、互いに連結され、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きい。
【0061】
下部ホールHaは、絶縁層ILに形成され、上部ホールHbは、第1絶縁層RLと導電膜SLに形成される。下部ホールHaと上部ホールHbとの間の中間ホールHcは、絶縁層ILの一部分に形成されるが、これに限定されず、中間ホールHcは、第1絶縁層RLの下部側に形成されてもよい。
【0062】
下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど次第に広くなる。図示した実施例によれば、下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど連続的に次第に広くなるものとして示したが、これに限定されず、下部ホールHaの側壁は、一部突出した部分を含むことができ、これによって、下部ホールHaの幅は、下側より上側がよりも狭い一部分を含むことができる。
【0063】
下部ホールHaの最大幅WLaは、下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLよりも大きく、上部ホールHbの上部導電パターンMUと接する部分の上部幅WUよりも小さい。
【0064】
下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLに対する、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUの比は、約1よりも大きく、約3と同じか小さい。
【0065】
第1絶縁層RLに形成された上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とは、実質的に同一であってもよい。
【0066】
絶縁層ILの下部面と実質的に並ぶ(平行な)第2方向DRbと下部ホールHaの側壁とのなす第1角度θaと、第2方向DRbと上部ホールHbの側壁とのなす第2角度θbとは、互いに異なっていてもよい。例えば、第1角度θaよりも第2角度θbがより大きくてもよい。下部ホールHaと上部ホールHbのテーパ角度は、互いに異なっていてもよい。第1方向DRaを基準として傾斜した角度をテーパ角度とする場合、下部ホールHaのテーパ角度が、上部ホールHbのテーパ角度よりも大きくてよい。
【0067】
図示した実施例によれば、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁の断面は、ほぼ直線形状の断面を有するものとして示したが、これに限定されず、先に説明したように、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁は、一部突出した部分を含むことができ、下部ホールHaと上部ホールHbの側壁は、平らでなくてもよい。
【0068】
下部ホールHaと上部ホールHbとの間の中間ホールHcの厚さは、下部ホールHaの厚さと上部ホールHbの厚さよりも小さく、中間ホールHcの側壁の断面は、曲線形状を有する。また、中間ホールHcの側壁の断面は、曲線形状を有するため、第2方向DRbと中間ホールHcの側壁とのなす第3角度θ3は、位置によって変化可能であるが、第3角度θ3は、第1角度θaおよび第2角度θbよりも小さい。したがって、下部ホールHa、上部ホールHb、中間ホールHcのテーパ角度は、互いに異なっていてもよい。第1方向DRaを基準として側壁の傾斜した角度をテーパ角度とする場合、中間ホールHcのテーパ角度は、下部ホールHaのテーパ角度と上部ホールHbのテーパ角度よりも大きくてもよい。下部ホールHa、上部ホールHb、中間ホールHcのテーパ角度は、中間ホールHc、下部ホールHa、上部ホールHbの順に小さくなる大きさを有する。
【0069】
本実施例による基板によれば、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きく、ビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成する時、不良が発生しない。また、第1絶縁層RLと導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅は、実質的に同一であるので、第1絶縁層RLの上部ホールHbと導電膜SLの上部ホールHbとの間の幅の差がある場合に、第1絶縁層RLと導電膜SLとの界面部分で発生しうる、連結導電パターンMHの不良発生を防止することができる。
【0070】
図1を参照して説明した実施例による基板の多くの特徴は、本実施例による基板にすべて適用可能である。
【0071】
以下、
図5とともに
図6~
図8を参照して、本発明の他の実施例による基板の製造方法について説明する。
図6~
図8は、本発明の他の実施例による基板の製造方法を示す断面図である。
【0072】
図6を参照すれば、下部導電パターンMLを形成し、下部導電パターンML上に絶縁層ILを積層し、絶縁層IL上に第1絶縁層RLと導電膜SLとを形成した後、第1レーザL1を照射して導電膜SL、第1絶縁層RL、および絶縁層ILを除去して、導電膜SL、第1絶縁層RL、および絶縁層ILに第1サブホールHa1を形成する。
【0073】
第1レーザL1は、ヤグ(YAG)レーザであってもよい。
【0074】
第1サブホールHa1は、第1幅W1を有し、第1サブホールHa1は、絶縁層ILの一部分に形成され、下部導電パターンMLは、第1サブホールHa1によって露出せず、下部導電パターンML上には絶縁層ILの一部分が残る。
【0075】
次に、
図7を参照すれば、第2レーザL2を照射して第1サブホールHa1の外部の絶縁層ILを追加的に除去して、下部導電パターンMLが露出するように絶縁層ILに第2サブホールHa2を形成する。この時、第1絶縁層RLの一部分もともに除去されて、第1絶縁層RLに第3サブホールHb1が形成される。
【0076】
第2レーザL2は、二酸化炭素(CO2)ガスレーザであってもよい。第2レーザL2を用いて絶縁層ILを除去する時、絶縁層IL内のガラス繊維を加工することができ、これによって、不必要なガラス粉やガラス粒子などが発生するのを防止することができる。
【0077】
第1絶縁層RLの第3サブホールHb1は、下から上へいくほど幅が狭くなる構造を有する。第1絶縁層RLは、絶縁層ILよりも第2レーザL2に対して反応性が低く、絶縁層ILと第1絶縁層RLとの間の隙間を通して第2レーザL2が供給されるので、第1絶縁層RLに形成される第3サブポールHb1の幅は、絶縁層ILに隣接した下部分で広く、上へいくほど次第に狭くなる構造を有する。
【0078】
絶縁層ILの第2サブホールHa2は、下部導電パターンMLに接する部分で下部幅WLを有し、絶縁層ILの第2サブホールHa2と第1絶縁層RLに形成される第3サブホールHb1は、第2幅W2の最大幅を有し、導電膜SLの第4サブホールHb2は、第3幅W3を有し、第3幅W3は、第2幅W2よりも小さく、第1幅W1と実質的に同一であってもよい。
【0079】
絶縁層ILの第2サブホールHa2は、ビアホールHLの下部ホールHaになってもよい。
【0080】
このように、第2レーザL2を照射して絶縁層ILを追加的に除去する時、導電膜SLは除去されなかったり、絶縁層ILに比べて少なく除去されるため、導電膜SLの第4サブホールHb2は、絶縁層ILの第2サブホールHa2よりも狭く形成され、導電膜SLは、ホールの中心側に絶縁層ILよりも突出する。また、第1絶縁層RLの第3サブホールHb1は、下から上へいくほど幅が狭くなる構造を有する。
【0081】
次に、
図8を参照すれば、第3レーザL3を照射して第1絶縁層RLの第3サブホールHb1と導電膜SLの第4サブホールHb2の周辺の第1絶縁層RLと導電膜SLを追加的に除去することによって、ビアホールHLの下部ホールHa上に位置し、上部幅WUを有する上部ホールHbを形成する。また、下部ホールHaと上部ホールHbとの間の中間ホールHcを形成する。これによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを完成する。
【0082】
第3レーザL3は、ヤグ(YAG)レーザであってもよい。第3レーザL3を照射して第1絶縁層RLと絶縁層ILをともに除去することによって、第1絶縁層RLに形成された上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とは、実質的に同一に形成される。
【0083】
次に、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHL内に金属層をメッキなどで形成して、ビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成し、その上に上部導電パターンMUを形成することによって、
図5に示した基板を形成する。
【0084】
本実施例による基板の製造方法によれば、第1レーザL1を用いて絶縁層IL、第1絶縁層RL、及び導電膜SLを除去して、第1サブホールHa1を形成し、第2レーザL2を用いて絶縁層ILを2次除去することによって、絶縁層ILに下部ホールHaをなす第2サブホールHa2を形成すると同時に、第1絶縁層RLの第3サブホールHb1を形成し、第3レーザL3を用いて導電膜SLと第1絶縁層RLをともに3次除去して、導電膜SLと第1絶縁層RLに互いに同一の幅を有する上部ホールHbを形成することによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを形成する。
【0085】
これによって、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きく、第1絶縁層RLに形成された上部ホールHbの幅と、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅とは、実質的に同一のビアホールHLを形成する。
【0086】
図1とともに
図2~
図4を参照して説明した実施例による基板の製造方法の多くの特徴は、本実施例による基板の製造方法にすべて適用可能である。
【0087】
以下、
図9を参照して、本発明のさらに他の実施例による基板について説明する。
図9は、本発明のさらに他の実施例による基板の断面図である。
【0088】
図9を参照すれば、本実施例による基板は、
図5に示した実施例による基板と類似している。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0089】
図9に示すように、ビアホールHLは、絶縁層IL、第1絶縁層RL、導電膜SLに形成され、下部導電パターンMLに接する下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接する上部ホールHbとを含む。下部ホールHaと、上部ホールHbとは、互いに連結され、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きい。
【0090】
下部ホールHaは、絶縁層ILに形成され、上部ホールHbは、第1絶縁層RLと導電膜SLだけでなく、絶縁層ILの一部分にも形成される。下部ホールHaと上部ホールHbとの間の中間ホールHcは、絶縁層ILの一部分に形成される。
【0091】
下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど次第に広くなる。
【0092】
下部ホールHaの最大幅WLaは、下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLよりも大きく、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUよりも小さい。
【0093】
下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLに対する、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUの比は、約1よりも大きく、約3と同じか小さい。
【0094】
第1絶縁層RLに形成された上部ホールHbの幅と導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅、そして絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅は、実質的に同一であってもよい。
【0095】
本実施例によれば、
図5に示した実施例とは異なり、下部ホールHaは、絶縁層ILの一部分に形成され、上部ホールHbは、第1絶縁層RLと導電膜SLだけでなく、絶縁層ILの一部分にまで形成される。
【0096】
本実施例による基板の上部ホールHbの深さは、
図5に示した実施例の上部ホールHbよりも高さの差Daだけより深い。
【0097】
本実施例によれば、互いに幅が異なる下部ホールHaと上部ホールHbとの境界部は、絶縁層ILの内部に形成される。下部ホールHaと上部ホールHbとの境界部に互いに異なる層の界面が位置する場合、下部ホールHaと上部ホールHbとの境界部で発生する応力の差によって界面で互いに異なる層が互いに分離される。しかし、本実施例によれば、互いに幅が異なる下部ホールHaと上部ホールHbとの境界部が、絶縁層ILの内部に形成されることによって、界面部での膜分離の不良が発生するのを防止することができる。
【0098】
先に説明した実施例による基板の多くの特徴は、本実施例による基板にすべて適用可能である。
【0099】
以下、
図10を参照して、本発明のその他の実施例による基板について説明する。
図10は、本発明のその他の実施例による基板の断面図である。
【0100】
図10を参照すれば、本実施例による基板は、
図9を参照して説明した実施例による基板と類似している。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0101】
本実施例による基板は、
図9に示した実施例による基板とは異なり、ビアホールHLの下部ホールHaと上部ホールHbが一列に整列されずに、一部誤整列された形態である。
【0102】
ビアホールHLは、絶縁層IL、第1絶縁層RL、導電膜SLに形成され、下部導電パターンMLに接する下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接する上部ホールHbとを含む。下部ホールHaと、上部ホールHbとは、互いに連結され、上部ホールHbの幅は、下部ホールHaの幅よりも大きい。
【0103】
下部ホールHaは、絶縁層ILに形成され、上部ホールHbは、第1絶縁層RLと導電膜SLだけでなく、絶縁層ILの一部分に形成される。
【0104】
下部ホールHaの幅は、下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUへ近づくほど次第に広くなる。
【0105】
下部ホールHaの最大幅WLaは、下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLよりも大きく、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUよりも小さい。
【0106】
下部ホールHaの下部導電パターンMLに接する部分の下部幅WLに対する、上部ホールHbの上部導電パターンMUに接する部分の上部幅WUの比は、約1よりも大きく、約3と同じか小さい。
【0107】
第1絶縁層RLに形成された上部ホールHbの幅と導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅、そして絶縁層ILに形成された上部ホールHbの幅は、実質的に同一であってもよい。
【0108】
先に説明した実施例による基板の多くの特徴は、本実施例による基板にすべて適用可能である。
【0109】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の詳細な説明および図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の技術範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0110】
HL:ビアホール
Ha:下部ホール
Hb:上部ホール
Ha1、Ha2、Hb1、Hb2:サブホール
ML:下部導電パターン
MU:上部導電パターン
MH:連結導電パターン
IL:絶縁層
RL:第1絶縁層
SL:導電膜
L1、L2、L3:レーザ