(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074235
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/40 20060101AFI20240523BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240523BHJP
H05K 3/00 20060101ALI20240523BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20240523BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
H05K3/40 K
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/00 N
H05K1/11 N
H05K3/18 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109834
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0155643
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 燦 訓
(72)【発明者】
【氏名】李 哲 敏
(72)【発明者】
【氏名】呉 仁 煥
(72)【発明者】
【氏名】林 京 姫
(72)【発明者】
【氏名】裴 素 賢
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
【テーマコード(参考)】
5E316
5E317
5E343
【Fターム(参考)】
5E316AA06
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC32
5E316DD22
5E316FF07
5E316GG15
5E316GG17
5E316HH22
5E316HH40
5E317AA24
5E317BB02
5E317BB12
5E317CC31
5E317CD32
5E317GG09
5E317GG14
5E317GG20
5E343AA02
5E343AA07
5E343AA17
5E343BB24
5E343DD43
5E343GG06
5E343GG20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ビアホールの幅を減少させながらも、ビアホールの下部及び上部に位置するパッド部の面積を増加させない基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の基板は、第1絶縁層ILと、第1絶縁層IL上に位置する第2絶縁層PLと、第1絶縁層ILに形成された下部ホールHa及び第2絶縁層PLに形成されて下部ホールHaに連結された上部ホールHbを含むビアホールHLと、を備える。下部ホールHaの上部幅W2は、下部ホールHaの下部幅W1よりも大きく、上部ホールHbの上部幅W3は、上部ホールHbの下部幅W3よりも小さい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、
前記第1絶縁層に形成された下部ホール、及び前記第2絶縁層に形成されて前記下部ホールに連結された上部ホールを含むビアホールと、を備え、
前記下部ホールの上部幅は、前記下部ホールの下部幅よりも大きく、
前記上部ホールの上部幅は、前記上部ホールの下部幅よりも小さいことを特徴とする基板。
【請求項2】
前記第1絶縁層の下に位置する下部導電パターンと、
前記第2絶縁層上に位置する上部導電パターンと、を更に含み、
前記下部ホールは、前記下部導電パターンに接する部分で第1幅を有し、
前記上部ホールは、前記上部導電パターンに接する部分で第3幅を有し、
前記ビアホールは、前記下部導電パターンと前記上部導電パターンとの間で第2幅を有し、
前記第1幅及び前記第3幅は、前記第2幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項3】
前記第2幅は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との界面で最も大きいことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項4】
前記ビアホール内に位置して前記下部導電パターン及び前記上部導電パターンに連結される連結導電パターンを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の基板。
【請求項5】
前記下部ホールの幅は、下から上へいくほど大きくなり、
前記上部ホールの幅は、下から上へいくほど小さくなることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層は、プリプレグを含み、ガラス繊維が含浸されることを特徴とする請求項5に記載の基板。
【請求項7】
前記第1絶縁層は、補強材を含み、
前記第2絶縁層は、補強材を含まないことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層は、レジンを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項9】
前記第2絶縁層上に位置する導電膜を更に含み、
前記上部ホールは、前記第2絶縁層及び前記導電膜に形成されることを特徴とする請求項1に記載の基板。
【請求項10】
前記導電膜に形成された前記上部ホールの幅は、前記第2絶縁層に形成された前記上部ホールの幅よりも狭くないことを特徴とする請求項9に記載の基板。
【請求項11】
第1絶縁層を積層する段階と、
前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する段階と、
第1レーザを照射して前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を1次除去してサブホールを形成する段階と、
前記第1レーザとは異なる第2レーザを照射して前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を2次除去してビアホールを形成する段階と、を有することを特徴とする基板の製造方法。
【請求項12】
前記第1レーザは、ヤグ(YAG)レーザであり、
前記第2レーザは、二酸化炭素ガスレーザであることを特徴とする請求項11に記載の基板の製造方法。
【請求項13】
前記第1絶縁層には、ガラス繊維が含浸され、
前記第2レーザを照射する段階において、前記第1絶縁層の前記ガラス繊維が加工されることを特徴とする請求項12に記載の基板の製造方法。
【請求項14】
前記第1絶縁層の下に下部導電パターンを形成する段階と、
前記ビアホール内に前記下部導電パターンに連結される連結導電パターンを形成する段階と、
前記ビアホール上に前記連結導電パターンに連結される上部導電パターンを形成する段階と、を更に含むことを特徴とする請求項12に記載の基板の製造方法。
【請求項15】
前記連結導電パターンを形成する段階は、
前記下部導電パターンの上面及び前記ビアホールの内壁にメッキシード層を積層する段階と、
前記メッキシード層を用いてメッキする段階と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の基板の製造方法。
【請求項16】
前記第2絶縁層上に導電膜を形成する段階を更に含み、
前記サブホール及び前記ビアホールは、前記導電膜に形成されることを特徴とする請求項15に記載の基板の製造方法。
【請求項17】
前記メッキシード層を積層する段階の前に、前記導電膜を除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の基板の製造方法。
【請求項18】
前記上部導電パターンを形成する段階の後に、前記上部導電パターンに重ならない前記導電膜を除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項16に記載の基板の製造方法。
【請求項19】
前記ビアホールは、前記第1絶縁層に形成された下部ホール及び前記第2絶縁層に形成された上部ホールを含むように形成され、
前記下部ホールの幅は、下から上へいくほど大きくなり、
前記上部ホールの幅は、下から上へいくほど小さくなるように形成されることを特徴とする請求項12に記載の基板の製造方法。
【請求項20】
前記ビアホールの幅は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との界面で最も大きくなるように形成されることを特徴とする請求項19に記載の基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の層間の電気的連結のために、基板にビアホールを形成する。基板にビアホールを形成した後、ビアホール内に金属層を形成して、ビアホールの下のパッド部とビアホールの上のパッド部とを互いに連結する。
【0003】
携帯電話をはじめとするIT分野の電子機器の小型化に伴い、基板に集積される電子部品の大きさも減少し、これによって、基板に形成されるビアホールの大きさも減少する。
【0004】
ビアホールの大きさの減少と共にビアホール内に積層される金属層が占める領域の面積が減少するに伴い、ビアホールの一部分内に金属層が一部形成されずに、ビアホールの上下に位置するパッド部間の電気的連結が不可能になる不良をもたらすことがある。
【0005】
しかし、ビアホールの大きさを大きくすると、ビアホールの上下に位置するパッド部の大きさも共に増加し、これによって、基板に形成されたパッド部を介して連結される電子部品の密度も減少し、電子部品の小型化が困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ビアホールの幅を減少させながらも、ビアホールの下部及び上部に位置するパッド部の面積を増加させない基板及び基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による基板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に位置する第2絶縁層と、前記第1絶縁層に形成された下部ホール、及び前記第2絶縁層に形成されて前記下部ホールに連結された上部ホールを含むビアホールと、を備え、前記下部ホールの上部幅は、前記下部ホールの下部幅よりも大きく、前記上部ホールの上部幅は、前記上部ホールの下部幅よりも小さい。
【0009】
前記基板は、前記第1絶縁層の下に位置する下部導電パターンと、前記第2絶縁層上に位置する上部導電パターンと、を更に含み、前記下部ホールは、前記下部導電パターンに接する部分で第1幅を有し、前記上部ホールは、前記上部導電パターンに接する部分で第3幅を有し、前記ビアホールは、前記下部導電パターンと前記上部導電パターンとの間で第2幅を有し、前記第1幅及び前記第2幅は、前記第2幅よりも小さくあり得る。
前記第2幅は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との界面で最も大きくあり得る。
前記基板は、前記ビアホール内に位置して前記下部導電パターン及び前記上部導電パターンに連結される連結導電パターンを更に含み得る。
前記下部ホールの幅は、下から上へいくほど大きくなり、前記上部ホールの幅は、下から上へいくほど小さくなり得る。
前記第1絶縁層は、プリプレグを含み、ガラス繊維が含浸され得る。
前記第1絶縁層は、補強材を含み、前記第2絶縁層は、補強材を含まなくてもよい。
前記第2絶縁層は、レジンを含み得る。
前記基板は、前記第2絶縁層上に位置する導電膜を更に含み、前記上部ホールは、前記第2絶縁層及び前記導電膜に形成され得る。
前記導電膜に形成された前記上部ホールの幅は、前記第2絶縁層に形成された前記上部ホールの幅よりも狭くなくあり得る。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による基板の製造方法は、第1絶縁層を積層する段階と、前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成する段階と、第1レーザを照射して前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を1次除去してサブホールを形成する段階と、前記第1レーザとは異なる第2レーザを照射して前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を2次除去してビアホールを形成する段階と、を有する。
【0011】
前記第1レーザは、ヤグ(YAG)レーザであり、前記第2レーザは、二酸化炭素ガスレーザであり得る。
前記第1絶縁層には、ガラス繊維が含浸され、前記第2レーザを照射する段階において、前記第1絶縁層の前記ガラス繊維が加工され得る。
前記基板の製造方法は、前記第1絶縁層の下に下部導電パターンを形成する段階と、前記ビアホール内に前記下部導電パターンに連結される連結導電パターンを形成する段階と、前記ビアホール上に前記連結導電パターンに連結される上部導電パターンを形成する段階と、を更に含み得る。
前記連結導電パターンを形成する段階は、前記下部導電パターンの上面及び前記ビアホールの内壁にメッキシード層を積層する段階と、前記メッキシード層を用いてメッキする段階と、を含み得る。
前記基板の製造方法は、前記第2絶縁層上に導電膜を形成する段階を更に含み、前記サブホール及び前記ビアホールは、前記導電膜に形成され得る。
前記基板の製造方法は、前記メッキシード層を積層する段階の前に、前記導電膜を除去する段階を更に含み得る。
前記基板の製造方法は、前記上部導電パターンを形成する段階の後に、前記上部導電パターンに重ならない前記導電膜を除去する段階を更に含み得る。
前記ビアホールは、前記第1絶縁層に形成された下部ホール及び前記第2絶縁層に形成された上部ホールを含むように形成され、前記下部ホールの幅は、下から上へいくほど大きくなり、前記上部ホールの幅は、下から上へいくほど小さくなるように形成され得る。
前記ビアホールの幅は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との界面で最も大きくなるように形成され得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ビアホールの幅の減少によるビアホール内の連結導電パターンの不良を低減しながらも、ビアホールの下部及び上部に位置するパッド部の面積の増加を防止することが可能なビアホールを有する基板及び基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図3】一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図4】一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図5】一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図6】一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図8】他の実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図9】他の実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図10】他の実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図11】他の実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【
図12】一実験例による結果を示す電子顕微鏡写真である。
【
図13】一実験例による結果を示す電子顕微鏡写真である。
【
図14】一実験例による結果を示す電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0015】
本発明を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書全体に亘って同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0016】
また、図面は本明細書に開示する実施形態を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、図面によって本明細書に開示する技術的思想は、制限されず、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は代替物を含むことが理解されなければならない。
【0017】
更に、図面に示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したものであって、本発明は必ずしも図示したものに限定されない。図面において、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。
【0018】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする場合には、中間に他の部分がないことを意味する。更に、基準となる部分の「上に」あるということは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するわけではない。
【0019】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素を更に包含できることを意味する。
【0020】
更に、明細書全体において、「平面上」とする場合、これは対象部分を上から見た場合を意味し、「断面上」とする場合、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た場合を意味する。
【0021】
また、明細書全体において、「連結される」とする場合、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するものではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されることや物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、又は位置や機能により異なる名称で呼称するが、これらの一切を意味する。
【0022】
以下、図面を参照して、多様な実施形態と変形例を詳細に説明する。
【0023】
図1を参照して、一実施形態による基板について説明する。
図1は、一実施形態による基板の断面図である。
【0024】
図1を参照すると、本実施形態による基板は、下部導電パターンMLと、下部導電パターンML上に位置する第1絶縁層ILと、第1絶縁層IL上に位置する第2絶縁層PLと、第2絶縁層PL上に位置する上部導電パターンMUと、第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLに形成されたビアホールHLと、ビアホールHL内に位置する連結導電パターンMHと、を含む。
【0025】
下部導電パターンMLと上部導電パターンMUとは、第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLに形成されたビアホールHL内に位置する連結導電パターンMHを介して互いに連結される。
【0026】
第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとは、互いに異なる物質を含む。
【0027】
第1絶縁層ILは補強材を含み、第2絶縁層PLは補強材を含まない。
【0028】
第1絶縁層ILは、絶縁物質を含み、プリプレグ(Prepreg:PPG)を含み、ガラス繊維が含浸される。
【0029】
第1絶縁層ILは、ABF(Ajinomoto Build up Film)のような絶縁物質を含み、フィラーを含む。
【0030】
しかし、第1絶縁層ILはこれに限定されず、第1絶縁層ILは、多様な絶縁物質を含み得る。
【0031】
第2絶縁層PLはレジンを含み、第2絶縁層PLは、プライマーレジン(primer resin)を含み、ナフタレン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、及びリン(phosphorous)系エポキシ樹脂から1つ以上選択されるエポキシ樹脂を含む。しかし、これらに限定されず、第2絶縁層PLは、多様なレジンを含み得る。
【0032】
第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLに形成されたビアホールHLは、下部導電パターンMLに接して第1絶縁層ILに形成された下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接して第2絶縁層PLに形成された上部ホールHbと、を含む。下部ホールHaと上部ホールHbとは、互いに連結される。
【0033】
下部ホールHaは下部導電パターンMLに接する部分で第1幅W1を有し、下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど広くなる。図示した実施形態によると、下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど連続的に次第に広くなるものとして示したが、これに限定されず、下部ホールHaの側壁は一部突出した部分を含むことができ、これによって、下部ホールHaの幅は下側よりも上側がより狭い一部分を含むことができる。
【0034】
下部ホールHaと上部ホールHbとが出会う第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で、ビアホールHLは第2幅W2を有し、第2絶縁層PLに形成された上部ホールHbの幅は、上部導電パターンMUに近づくほど狭くなり、上部導電パターンMUに接する部分で第3幅W3を有する。図示した実施形態によると、上部ホールHbの幅は上部導電パターンMUに近づくほど連続的に次第に狭くなるものとして示したが、これに限定されず、上部ホールHbの側壁は一部突出した部分を含むことができ、これによって、上部ホールHbの幅は下側よりも上側がより広い一部分を含むことができる。
【0035】
ビアホールHLの第1幅W1と第3幅W3とは、互いに略同一であるが、これとは異なり、第1幅W1と第3幅W3とは、互いに異なってもよい。
【0036】
本実施形態の基板によると、ビアホールHLは、第1絶縁層ILに形成された下部ホールHaと、第2絶縁層PLに形成された上部ホールHbと、を含み、下部ホールHaは下部導電パターンMLに接する部分で第1幅W1を有し、下部ホールHaと上部ホールHbとが出会う第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で、ビアホールHLは第2幅W2を有し、第2絶縁層PLに形成された上部ホールHbの幅は上部導電パターンMUに接する部分で第3幅W3を有する。第1幅W1及び第3幅W3よりも第2幅W2がより広い。下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど広くなり、上部ホールHbの幅は上部導電パターンMUに近づくほど狭くなる。
【0037】
このように、ビアホールHLは、下部導電パターンMLと上部導電パターンMUとが接する部分でそれぞれ相対的に狭い第1幅W1及び第3幅W3を有し、ビアホールHLの内部で相対的に広い第2幅W2を有する。従って、ビアホールHL内に形成される連結導電パターンMHは、相対的に広い第2幅W2を有する部分内に形成されて、断線などが発生することを防止することができ、ビアホールHL内に形成された連結導電パターンMHを介して互いに連結される下部導電パターンML及び上部導電パターンMUは、それぞれ小さい幅を有し、ビアホールHLを覆う第1絶縁層ILによって埋込まれる下部導電パターンML及び第2絶縁層PL上に形成される上部導電パターンMUの面積を低減することができる。
【0038】
本実施形態の基板によると、ビアホールHLの内部幅の減少が防止可能であり、ビアホールHLの内部幅の減少による連結導電パターンMHの不良を低減しながらも、ビアホールの下部及び上部にそれぞれ位置する下部導電パターンML及び上部導電パターンMUの面積の増加が防止可能になる。
【0039】
以下、
図1と共に
図2~
図6を参照して、一実施形態による基板の製造方法について説明する。
図2~
図6は、一実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【0040】
図2を参照すると、下部導電パターンMLを形成し、下部導電パターンML上に第1絶縁層ILを積層し、第1絶縁層IL上に第2絶縁層PLを形成し、第2絶縁層PL上に導電膜SLを形成した後、第1レーザL1を照射して、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILを除去し、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILにサブホールSHLを形成する。
【0041】
導電膜SLは、金属コイル層であり、例えば銅コイル層であるが、これに限定されない。
【0042】
第1レーザL1は、ヤグ(YAG)レーザである。
【0043】
サブホールSHLの最上部は第4幅W4を有し、サブホールSHLは導電膜SL及び第2絶縁層PLと第1絶縁層ILの一部分とに形成され、下部導電パターンMLはサブホールSHLによって露出せず、下部導電パターンML上には第1絶縁層ILの一部分が残る。
【0044】
次に、
図3を参照すると、第2レーザL2を照射し、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILを追加的に除去して、下部導電パターンMLを露出するように導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILにビアホールHLを形成する。
【0045】
第2レーザL2は、二酸化炭素(CO2)ガスレーザである。第2レーザL2を用いて第1絶縁層ILを除去する場合、第1絶縁層IL内のガラス繊維を加工することができ、これによって、不必要なガラス粉やガラス粒子などが発生することを防止することができる。
【0046】
第2レーザL2を照射する場合、導電膜SL及び第2絶縁層PLは、第1絶縁層ILに比べて少なく除去することができる。
【0047】
第2絶縁層PLは第1絶縁層ILよりも第2レーザL2に対して反応性が低く、第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの間の隙間を通して第2レーザL2が供給されるため、第2絶縁層PLに形成される上部ホールHbの幅は、第1絶縁層ILに隣接する下部分で広く、上へいくほど次第に狭くなる構造を有する。
【0048】
ビアホールHLの最上部の第3幅W3は、サブホールSHLの最上部の第4幅W4よりも大きい。
【0049】
次に、
図4に示すように、第2絶縁層PL上に位置する導電膜SLを除去する。
【0050】
図5を参照すると、下部導電パターンMLの上面、第1絶縁層IL、及び第2絶縁層PLに形成されたビアホールHLの側面、並びに第2絶縁層PLの上部面にメッキシード層SDを形成する。
【0051】
図6に示すように、メッキにより第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLに形成されたビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成し、ビアホールHLの連結導電パターンMH上に上部導電パターンMUを形成する。
【0052】
次に、上部導電パターンMUに重ならないメッキシード層SDを除去して、
図1に示した基板を形成する。
【0053】
本実施形態の基板の製造方法によると、第1レーザL1を用いて第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLを一次除去してサブホールSHLを形成し、第2レーザL2を用いて第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLを2次除去することによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを形成する。
【0054】
これによって、ビアホールHLは下部導電パターンMLに接する最下部で第1幅W1を有し、ビアホールHLの幅は下部導電パターンMLから上部導電パターンMUに近づくほど広くなり、ビアホールHLは第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で第2幅W2を有し、ビアホールHLの幅は第2幅W2から上部導電パターンMUに近づくほど狭くなり、ビアホールHLは上部導電パターンMUに接する最上部で第3幅W3を有し、第1幅W1及び第3幅W3は第2幅W2よりも小さい。
【0055】
ビアホールHLを形成する時にいずれか1つのレーザだけを用いて形成する場合、ビアホールHLが形成される複数の層がレーザに反応する程度が異なる。本実施形態の基板の製造方法によると、互いに異なる第1レーザ及び第2レーザを用いてビアホールHLが形成される第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLを除去することによって、ビアホールHLの内部で相対的に広い第2幅W2を有し、ビアホールHLの最下部及び最上部でそれぞれ相対的に狭い第1幅W1及び第3幅W3を有するビアホールHLを形成することができる。
【0056】
以下、
図7を参照して、他の実施形態による基板について説明する。
図7は、他の実施形態による基板の断面図である。
【0057】
図7を参照すると、本実施形態による基板は、
図1を参照して説明した実施形態による基板に類似している。同一の構成要素に関する具体的な説明は省略する。
【0058】
図1に示した実施形態とは異なり、本実施形態による基板は、第2絶縁層PLと上部導電パターンMUとの間に導電膜SLが位置し、ビアホールHLは、第1絶縁層IL、第2絶縁層PL、及び導電膜SLに形成される。
【0059】
導電膜SLは、金属コイル層であり、例えば銅コイル層であるが、これに限定されない。
【0060】
ビアホールHLは、下部導電パターンMLに接して第1絶縁層ILに形成された下部ホールHaと、上部導電パターンMUに接して第2絶縁層PL及び導電膜SLに形成された上部ホールHbと、を含む。下部ホールHaと上部ホールHbとは、互いに連結される。
【0061】
下部ホールHaは下部導電パターンMLに接する部分で第1幅W1を有し、下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど広くなる。図示した実施形態によると、下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど連続的に次第に広くなるものとして示したが、これに限定されず、下部ホールHaの側壁は一部突出した部分を含むことができ、これによって、下部ホールHaの幅は下側よりも上側がより狭い一部分を含むことができる。
【0062】
下部ホールHaと上部ホールHbとが出会う第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で、ビアホールHLは第2幅W2を有し、第2絶縁層PL及び導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅は、上部導電パターンMUに近づくほど狭くなり、上部導電パターンMUに接する部分で第3幅W3を有する。図示した実施形態によると、上部ホールHbの幅は上部導電パターンMUに近づくほど連続的に次第に狭くなるものとして示したが、これに限定されず、上部ホールHbの側壁は一部突出した部分を含むことができ、これによって、上部ホールHbの幅は下側よりも上側がより広い一部分を含むことができる。
【0063】
ビアホールHLの第1幅W1と第3幅W3とは、互いに略同一であるが、これとは異なり、第1幅W1と第3幅W3とは、互いに異なってもよい。
【0064】
上部ホールHbのうちの導電膜SLに形成された部分は第2絶縁層PLに形成された部分に比べて幅が減少せず、導電膜SLはビアホールHLの内側に突出しない。
【0065】
本実施形態の基板によると、ビアホールHLは、第1絶縁層ILに形成された下部ホールHaと、第2絶縁層PL及び導電膜SLに形成された上部ホールHbと、を含み、下部ホールHaは下部導電パターンMLに接する部分で第1幅W1を有し、下部ホールHaの幅は下部導電パターンMLとに接する部分から上部導電パターンMUに近づくほど広くなり、下部ホールHaと上部ホールHbとが出会う第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で、ビアホールHLは第2幅W2を有し、第2絶縁層PLに形成された上部ホールHbの幅は上部導電パターンMUに近づくほど狭くなり、上部導電パターンMUに接する部分で第3幅W3を有する。
【0066】
このように、ビアホールHLは、下部導電パターンMLと上部導電パターンMUとが接する部分でそれぞれ相対的に狭い第1幅W1及び第3幅W3を有し、ビアホールHLの内部で相対的に広い第2幅W2を有する。従って、ビアホールHL内に形成される連結導電パターンMHは、相対的に広い第2幅W2を有する部分内に形成されて、断線などが発生することを防止することができ、ビアホールHL内に形成された連結導電パターンMHを介して互いに連結される下部導電パターンML及び上部導電パターンMUは、それぞれ小さい幅を有し、ビアホールHLを覆う第1絶縁層ILによって埋込まれる下部導電パターンML及び第2絶縁層PL上に形成される上部導電パターンMUの面積を低減することができる。
【0067】
本実施形態の基板によると、ビアホールHLの内部幅の減少が防止可能であり、ビアホールHLの内部幅の減少による連結導電パターンMHの不良を低減しながらも、ビアホールの下部及び上部にそれぞれ位置する下部導電パターンML及び上部導電パターンMUの面積の増加が防止可能になる。
【0068】
以下、
図7と共に
図8~
図11を参照して、他の実施形態による基板の製造方法について説明する。
図8~
図11は、他の実施形態による基板の製造方法を示す断面図である。
【0069】
図8を参照すると、下部導電パターンMLを形成し、下部導電パターンML上に第1絶縁層ILを積層し、第1絶縁層IL上に第2絶縁層PLを形成し、第2絶縁層PL上に導電膜SLを形成した後、第1レーザL1を照射して、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILを除去し、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILにサブホールSHLを形成する。
【0070】
第1レーザL1は、ヤグ(YAG)レーザである。
【0071】
サブホールSHLの最上部は第4幅W4を有し、サブホールSHLは導電膜SL及び第2絶縁層PLと第1絶縁層ILの一部分とに形成され、下部導電パターンMLはサブホールSHLによって露出せず、下部導電パターンML上には第1絶縁層ILの一部分が残る。
【0072】
次に、
図9を参照すると、第2レーザL2を照射し、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILを追加的に除去して、下部導電パターンMLを露出するように導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILにビアホールHLを形成する。
【0073】
第2レーザL2は、二酸化炭素(CO2)ガスレーザである。第2レーザL2を用いて第1絶縁層ILを除去する場合、第1絶縁層IL内のガラス繊維を加工することができ、これによって、不必要なガラス粉やガラス粒子などが発生することを防止することができる。
【0074】
第2絶縁層PL及び導電膜SLは第1絶縁層ILよりも第2レーザL2に対して反応性が低く、第2レーザL2を照射する場合、導電膜SL及び第2絶縁層PLは第1絶縁層ILに比べて少なく除去することができる。従って、導電膜SLに形成された上部ホールHbの幅は、第1絶縁層ILに形成された下部ホールHaの上部の幅よりも狭く形成される。
【0075】
また、第2レーザL2は第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの間の隙間を通して供給されるため、第2絶縁層PLに形成される上部ホールHbの幅は、第1絶縁層ILに隣接する下部分で広く、上へいくほど次第に狭くなる構造を有する。
【0076】
ビアホールHLの最上部の第3幅W3は、サブホールSHLの最上部の第4幅W4よりも大きい。
【0077】
次に、
図10に示すように、下部導電パターンMLの上面、導電膜SL、第2絶縁層PL、及び第1絶縁層ILに形成されたビアホールHLの側面、並びに導電膜SLの上部面にメッキシード層SDを形成する。
【0078】
図11に示すように、メッキによりビアホールHL内に連結導電パターンMHを形成し、ビアホールHLの連結導電パターンMH上に上部導電パターンMUを形成する。
【0079】
次に、上部導電パターンMUに重ならないメッキシード層SD及び導電膜SLを共に除去して、
図7に示した基板を形成する。
【0080】
本実施形態の基板の製造方法によると、第1レーザL1を用いて導電膜SL及び第2絶縁層PLと第1絶縁層ILとを一次除去してサブホールSHLを形成し、第2レーザL2を用いて導電膜SL及び第2絶縁層PLと第1絶縁層ILとを2次除去することによって、下部ホールHaと上部ホールHbとを含むビアホールHLを形成する。
【0081】
これによって、ビアホールHLは下部導電パターンMLに接する最下部で第1幅W1を有し、ビアホールHLの幅は下部導電パターンMLから上部導電パターンMUに近づくほど広くなり、ビアホールHLは第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で第2幅W2を有し、ビアホールHLの幅は第2幅W2から上部導電パターンMUに近づくほど狭くなり、ビアホールHLは上部導電パターンMUに接する最上部で第3幅W3を有し、第1幅W1及び第3幅W3は第2幅W2よりも小さい。
【0082】
ビアホールHLを形成する時にいずれか1つのレーザだけを用いて形成する場合、ビアホールHLが形成される複数の層がレーザに反応する程度が異なる。本実施形態の基板の製造方法によると、互いに異なる第1レーザ及び第2レーザを用いてビアホールHLが形成される第1絶縁層IL及び第2絶縁層PLを除去することによって、ビアホールHLの内部で相対的に広い第2幅W2を有し、ビアホールHLの最下部及び最上部でそれぞれ相対的に狭い第1幅W1及び第3幅W3を有するビアホールHLを形成することができる。
【0083】
図1及び
図2~
図6を参照して説明した実施形態による基板の製造方法の多くの特徴は、本実施形態による基板の製造方法に全て適用可能である。
【0084】
以下、
図12~
図14を参照して、一実験例について説明する。本実験例では、上記
図1と共に
図2~
図6を参照して説明した実施形態による基板の製造方法により基板を形成し、その結果に対する電子顕微鏡写真を
図12~
図14に示した。
【0085】
図12は、
図2に示したように、第1レーザL1を照射してサブホールSHLを形成した結果を示し、
図13は、
図3に示したように、第2レーザL2を照射してビアホールHLを形成した結果を示し、
図14は、
図6に示したように、ビアホールHL内に位置する連結導電パターンMHとビアホールHL上の上部導電パターンMUとを形成した結果を示す。
【0086】
図12~
図14を参照すると、本実施形態の基板の製造方法によるビアホールHLは下部導電パターンMLに接する最下部で小さい幅を有し、ビアホールHLの幅は下部導電パターンMLから上部導電パターンMUに近づくほど広くなり、ビアホールHLは第1絶縁層ILと第2絶縁層PLとの界面部分で広い幅を有し、ビアホールHLの幅は第2幅W2から上部導電パターンMUに近づくほど狭くなるように形成され、ビアホールHL内の連結導電パターンが切れたり不十分に満たされたりするなどの不良が発生することなしに良く形成されることが分かった。
【0087】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
HL ビアホール
Ha 下部ホール
Hb 上部ホール
SHL サブホール
ML 下部導電パターン
MU 上部導電パターン
MH 連結導電パターン
IL 第1絶縁層
PL 第2絶縁層
SL 導電膜
L1、L2 第1、第2レーザ
W1、W2、W3、W4 第1~第4幅