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特開2024-7424ドレンオリフィスを有する蓋を備えたポット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007424
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ドレンオリフィスを有する蓋を備えたポット
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47J27/21 101Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104598
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】2206679
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール アルマン
(72)【発明者】
【氏名】クロエ スマル
(72)【発明者】
【氏名】シャルル マンソー
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA34
4B055BA54
4B055CA21
4B055CB02
4B055DB01
(57)【要約】
【課題】 本発明は、蓋の中の水の蓄積を回避しつつ、特に、簡易で、信頼性があり、経済的な構造のポットを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のポットは、内容積、閉鎖位置と開口位置の間を移動可能な蓋(11)及び、蓋(11)によって一部形成され、そして、内容積(5)中で生じた蒸気を、内容積(5)の外側に運ぶように構成された蒸気放出回路を備えた容器を、備える。蓋(11)は、蓋(11)に含まれる水が、そこを通って蓋(11)から放出され得るドレンオリフィス(42)を備え、そして、容器(4)は、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じ、蓋(11)が開口位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)をクリアにするように構成された閉鎖部材(43)を備える。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されことになる水を含むようになる内容積(5)を区切り、内容積(5)に通じる上方充填開口部(6)を備える容器(4)、
蓋(11)が上方充填開口部(6)を閉じる閉鎖位置と、蓋(11)が上方充填開口部(6)をクリアにする開口位置との間を移動可能な蓋(11)、及び、
内容積(5)の外側に向かって、内容積(5)中に含まれる水の沸騰の間、内容積(5)中で生じる蒸気を、内容積の外側に運ぶように構成され、蓋(11)により一部が形成されている蒸気放出回路、を備えるポット(2)であって、
蓋(11)は、蓋(11)に含まれる水が、そこを通って蓋(11)から放出され得るドレンオリフィス(42)を備え、そして、容器(4)は、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じ、蓋(11)が開口位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)をクリアにするように構成された閉鎖部材(43)を備えることを特徴とする、ポット(2)。
【請求項2】
ドレンオリフィス(42)は、蓋(11)の下方面中に開く、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項3】
閉鎖部材(43)は、ドレンオリフィス(42)中にフィットし、そして、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じるように構成された閉鎖フィンガーである、請求項1又は2に記載のポット(2)。
【請求項4】
ドレンオリフィス(42)は、蓋(11)の後方部分に配置されている、請求項1~3の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項5】
蓋(11)は、容器(4)に対して取外し可能である、請求項1~4の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項6】
蒸気放出回路は、蓋(11)により区切られた内部チャンバ(15)を備え、ドレンオリフィス(42)は、内部チャンバ(15)に流体連結されている、請求項1~5の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項7】
蒸気放出回路は、蓋(11)上に提供され、そして、内容積(5)に流体連結されるように構成され、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、容器(4)により区切られる、少なくとも一つの蒸気取込オリフィスを備える、請求項1~6の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項8】
少なくとも一つの蒸気取込オリフィスは、蓋(11)上に提供され、そして、蓋(11)の下方面(12)に通じる、第一蒸気取込オリフィス(35)及び、第二蒸気取込オリフィス(36)を備える、請求項7に記載のポット(2)。
【請求項9】
蓋(11)は、ポット(2)がひっくり返されたとき、内容積(5)中に含まれる水が、蒸気放出回路を介してこぼれることを防止するように構成された漏れ防止器具を備える、請求項1~8の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項10】
漏れ防止器具は、第一蒸気取込オリフィス(35)に流体連結された第一蒸気取込開口部及び、内部チャンバ(15)中に通じる第一蒸気放出開口部を備える第一蒸気流路管(37)、並びに、第二蒸気取込オリフィス(36)に流体連結された第二蒸気取込開口部及び、内部チャンバ(15)中に通じる第二蒸気放出開口部を備える第二蒸気流路管(38)を備える、請求項6と組合せた請求項9に記載のポット(2)。
【請求項11】
容器(4)上の蓋(11)のユニークな閉鎖位置を規定するために、容器(4)に対する角度的インデックスを付けるように構成された角度インデックス器具を備える、請求項1~10の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項12】
角度インデックス器具は、容器(4)上に提供された少なくも一つ以上のインデックス要素(33)及び、蓋(11)上に提供されて、そして、蓋(11)が開口位置に向かって移動されたとき、少なくも一つ以上のインデックス要素(33)と共同して作動するように構成された少なくも一つ以上のインデックス部材(34)を備える、請求項11に記載のポット(2)。
【請求項13】
一つ以上のインデックス部材(34)は、蓋(11)の後方部分に配置されている、請求項12に記載のポット(2)。
【請求項14】
容器(4)は、中心縦軸(A)を有し、そして、グリップハンドル(8)及び、容器(4)の中心縦軸(A)に対して、グリップハンドル(8)の反対側に配置された注入口(9)を備える、請求項1~13の何れか一項に記載のポット(2)。
【請求項15】
少なくも一つ以上のインデックス要素(33)は、容器(4)の中心縦軸(A)に対して、注入口(9)の反対側に配置されている、請求項12と組合せた請求項14に記載のポット(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体加熱器具、特に電気ポットの分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気ポットは、既知の方法で、以下を備える:
-加熱されことになる水を含むようになる内容積を区切り、内容積に通じる上方充填開口部を備える容器、
-蓋が上方充填開口部を閉じる閉鎖位置と、蓋が上方充填開口部をクリアにする開口位置との間を移動可能な蓋、並びに、
-内容積の外側、そして、例えば、ポットの外側に向かって、内容積中に含まれる水の沸騰の間、内容積中で生じる蒸気を、内容積の外側に運ぶように構成され、蓋により一部が形成されている蒸気放出回路。
【0003】
そのような電気ポットを使用するとき、容器の内側容量中で発生し、そして、蒸気放出回路中を流れる蒸気の一部は、蓋の中で凝集するかもしれない。これは、蓋の中に、水の蓄積と、水のよどみを生じさせる。
【0004】
蓋の中に蓄積された水は、例えば、ポットをひっくり返す、または、カップのような受容器中の容器の内容積に含まれる水を注ぐ、その後の操作の間、蓋の上に提供されている蒸気放出開口部を介して蓋から好ましくない方法で流れるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述の不都合の一部又は全部を解消することにある。
本発明の基礎となる技術上の課題は、蓋の中の水の蓄積を回避しつつ、特に、簡易で、信頼性があり、経済的な構造のポットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、以下を備えたポット、そして、特に電気ポットに関する:
-加熱されことになる、特に沸騰することになる水を含むようになる内容積を区切り、内容積に通じる上方充填開口部を備える容器、
-蓋が上方充填開口部を閉じる閉鎖位置と、蓋が上方充填開口部をクリアにする開口位置との間を移動可能な蓋、並びに、
-内容積の外側、そして、例えば、ポットの外側に向かって、内容積中に含まれる水の沸騰の間、内容積中で生じる蒸気を、内容積の外側に運ぶように構成され、蓋により一部が形成されている蒸気放出回路、を備え、
-蓋は、蓋の中に含まれる水が、そこを通って蓋から放出され得るドレンオリフィスを備え、そして、容器は、蓋が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィスを閉じ、蓋が開口位置を占めるとき、ドレンオリフィスをクリアにするように構成されていることを特徴とする。
【0007】
蓋のそのような形状は、後者が開口位置中に移動されるとき、ドレンオリフィスを介して、蓋の中で濃縮された蒸気を、後者から確実に放出させる。結果として、本発明に従ったポットは、蓋の中の水の蓄積と、水のよどみの危険性を大幅に低減させる。
【0008】
更に、閉鎖部材の存在は、注ぐ操作中、内容積中に含まれる水がドレンオリフィスを介して蓋の中に入るのを妨げる。更に、ポットをひっくり返した場合、後者に含まれる沸騰水は、ドレンオリフィス中を通って流れることは出来ず、そして、したがって、その後、蓋上に提供された蒸気放出開口部を介して蓋からは流れ出ない。
【0009】
結果として、本発明にしたがったポットは、従来からのポットに比べて、使用上の安全性が向上されている。
【0010】
さらに、ポットは、以下の特徴の一つ又は複数を、単独で又は組合せて有しても良い。
【0011】
本発明の一の実施形態に従うと、閉鎖部材は、容器に対して固定されている。
【0012】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、上方充填開口部に配置され、そして、容器に近接して構成されている。
【0013】
本発明の一の実施形態に従うと、ドレン開口部は、蓋の下方面に通じている。ドレンオリフィスのそのような形状は、蓋を開口位置中に移動させるとき、蓋の中の濃縮された蒸気の重力による流れが、直接容器中へ向かうようにさせる。
【0014】
本発明の一の実施形態に従うと、閉鎖部材は、蓋が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス中にフィットし、そして、ドレンオリフィスに近接するように構成された閉鎖フィンガーである。
【0015】
本発明の一の実施形態に従うと、ドレンオリフィスは、蓋の後方部分に配置されている。更に、ドレンオリフィスのこのような形状は、特に、ポットの上方部分が実質的に下向きに傾けられているとき、注ぐ操作中に、水がドレンオリフィスを介して蓋の中に入る危険を低減させる。
【0016】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、容器から取外し可能である。
【0017】
本発明の別の実施形態に従うと、蓋は、開口位置と閉鎖位置との間で、容器上に回転可能に取り付けられる。
【0018】
本発明の一の実施形態に従うと、蒸気放出回路は、蓋により区切られた内容積を備え、ドレンオリフィスは内部チャンバと流体連結されている。
【0019】
本発明の一の実施形態に従うと、ドレンオリフィスは、内部チャンバの底壁に通じている。更に、ドレンオリフィスのこのような配置は、後者が開口位置中に移動されるとき、蓋に含まれる水の放出を促進させる。
【0020】
本発明の一の実施形態に従うと、容器は、中心縦軸を有し、そして、グリップハンドル及び、容器の中心縦軸に対してグリップハンドルの反対側に配置された注入口を備える
【0021】
本発明の一の実施形態に従うと、蒸気放出回路は、蓋の上に提供され、そして、蓋が閉鎖位置を占めるとき、容器により区切られ、内容積に流体連結されるように構成された、少なくとも一つの蒸気取込オリフィスを備える。
【0022】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つの蒸気取込オリフィスは、蓋の上に提供され、そして、蓋の下方面に通じている、第一蒸気取込オリフィス及び、第二蒸気取込オリフィスを備える。
【0023】
本発明の一の実施形態に従うと、第一及び第二蒸気取込オリフィスは、蓋の下方面の周縁部に近接して配置されている。
【0024】
本発明の一の実施形態に従うと、第一及び第二蒸気取込オリフィスは、蓋が閉鎖位置を占めるとき、注入口及び、グリップハンドルを通って通過するポットの中央値垂直面のどちらかの側に配置されるように構成されている。第一及び第二蒸気取込オリフィスのそのような位置は、後者の上にこぼした場合、沸騰水がポットから流れ出る危険を、回避させ又は、少なくとも実質的に限定させることが出来る。
【0025】
本発明の一の実施形態に従うと、第一及び第二蒸気取込オリフィスは、蓋の下方面の前半分に配置されている。
【0026】
本発明の一の実施形態に従うと、ポットは、ポットが中身を出されて、そして、グリップハンドル及び容器の第一側面が、水平面上に安定に置かれているとき、第一蒸気取込オリフィスは、内容積中の水位の上に配置されるように構成され、ポットが中身を出されて、そして、グリップハンドル及び容器の第二側面が、水平面上に安定に置かれているとき、第二蒸気取込オリフィスは、内容積中の水位の上に配置されるように構成されている。第一及び第二蒸気取込オリフィスのそのような配置は、ポットをひっくり返した場合であっても、容器の内容積中に含まれる蒸気を放出させることを保証させる。
【0027】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、ポットがひっくり返されたとき、蒸気放出回路を介して内容積中に含まれる水のこぼれることを防止するように構成された、オーバーフロー防止器具とも呼ばれる、漏れ防止器具を備える。そのような漏れ防止器具は、ポットがひっくり返されたとき、蒸気放出回路を介してポットから沸騰水が流れ出る危険性を低減させる。
【0028】
本発明の一の実施形態に従うと、漏れ防止器具は、第一蒸気取込オリフィスに流体連結された第一蒸気取込開口部及び、内部チャンバに通じる第一蒸気出口開口部を備えた、第一蒸気流路管、並びに、第二蒸気取込オリフィスに流体連結された第二蒸気取込開口部及び、内部チャンバに通じる第二蒸気出口開口部を備えた、第二蒸気流路管を備える。
【0029】
本発明の一の実施形態に従うと、第一及び、第二蒸気流路管は、蓋により区切られた内部チャンバ中に収納されている。
【0030】
本発明の一の実施形態に従うと、蒸気放出回路は、蓋の上に提供された少なくとも一つの蒸気放出開口部を備える。
【0031】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つの蒸気放出開口部は、蓋の上方面中に現れる。
【0032】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つの蒸気放出開口部は、蓋により区切られた内部チャンバに流体連結され、少なくとも一つの蒸気放出開口部は、内部チャンバ中に含まれる蒸気を、蓋の外側、そして、例えば、ポットの外側に向かって放出させるように構成されている。
【0033】
本発明の一の実施形態に従うと、ポットは、容器への蓋の一つの閉鎖位置を規定するために、容器に対する角度的インデックスを付けるように構成された角度インデックス器具、所謂、誰でも扱える器具(foolproof device)を備える。
【0034】
本発明の一の実施形態に従うと、ドレンオリフィスと閉鎖部材は、少なくとも部分的に角度インデックス器具を構成する。
【0035】
本発明の一の実施形態に従うと、角度インデックス器具は、例えば、インデックスタブ及びインデックスボスのように容器上に提供される一つ以上のインデックス要素、並びに、蓋の上に提供され、そして、蓋が閉鎖位置に移動されたときに、一つ以上のインデックス要素と共同して作動するように構成された、インデックスリセスのような一つ以上のインデックス部材を備える。
【0036】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つのインデックス部材は、蓋の後方部分に配置されている。
【0037】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つのインデックス要素は、容器の内容積中に少なくとも部分的は配置されている。
【0038】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つのインデックス要素は、容器の中心縦軸に対して注ぎ口の反対側に配置されている。
【0039】
本発明の一の実施形態に従うと、閉鎖部材は、少なくとも一つのインデックス要素の近位に配置されている。
【0040】
本発明の一の実施形態に従うと、閉鎖部材は、容器の中心縦軸に実質的に並行である中心軸を有する。例えば、閉鎖部材の中心軸は、15度以下、そして、例えば、10度以下の傾斜角で、容器の中心縦軸に対して傾斜していてもよい。
【0041】
本発明の一の実施形態に従うと、閉鎖部材は、概して、円錐台形形状を有する。
【0042】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つのインデックス要素と閉鎖部材は、一つのピースで作成されている。
【0043】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、環状であり、そして、蓋が閉鎖位置を占めるとき、閉鎖部材と密に共同して作動するように構成された、シーリング要素を備える。
【0044】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、容器と密に共同して作動するように構成されたO-リングガスケットを備えている。
【0045】
本発明の一の実施形態に従うと、ポットは、蓋が閉鎖位置を占めるとき、一時的且つ可逆的に、蓋を容器に固定するように構成される固定器具を更に備える。
【0046】
本発明の一の実施形態に従うと、蓋は、上方充填開口部を区切る容器の上方部分に置かれるように構成されている。
【0047】
本発明の一の実施形態に従うと、ドレンオリフィスは、内部チャンバの下部に配置されている。ドレンオリフィスのそのような配置は、内部チャンバに含まれる水のドレンオリフィスを通した放出を促進させる。
【0048】
本発明の一の実施形態に従うと、内部チャンバの底壁は、内部チャンバに含まれる水を、ドレンオリフィスの方向へ向けさせ、そして、ガイドするように構成された、一つ又は複数の傾斜したガイド表面を備える。
【0049】
本発明の一の実施形態に従うと、ポットは、バイメタル要素、内容積で発生した蒸気をバイメタル要素に向けて方向付けるように構成された蒸気放出回路を含む電気機械的制御装置を備え、この電気機械的制御は、バイメタル要素上の蒸気の流れがポットの加熱を停止させるように構成されている。
【0050】
本発明の一の実施形態に従うと、少なくとも一つの蒸気放出回路は、内部チャンバに含まれる蒸気をバイメタル要素に向けて方向付けるように構成されている。
【0051】
本発明の一の実施形態に従うと、容器は注ぎ口を備える。
【0052】
本発明の一の実施形態に従うと、容器は、内容積の下に配置され、そして、内容積中に含まれる水を加熱するように構成された加熱底部を備える。有利には、加熱底部は、電気加熱要素を収容する。
【0053】
本発明の一の実施形態に従うと、ポットは、その上に容器が置かれることになるサポートベースを備える。
【0054】
本発明は、何ら限定的でない具体例、このポットの一つの実施形態を示す、添付のスキーム図面を参酌することで、下記の記載の補助により、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1図1は、本発明に従ったポットの上部斜視図である。
図2図2は、図1のポットの容器の上部斜視図である。
図3図3は、図1のポットの蓋の上部斜視図である。
図4図4は、図3の蓋の底部斜視図である。
図5図5は、蓋の下方覆いが配置された、図3の蓋の底部斜視図である。
図6図6は、図3の蓋上に提供された、起動機構と2つの固定部材の底部斜視図である。
図7図7は、図6の固定部材の一つの上部斜視図である。
図8図8は、図6の起動機構の底部斜視図である。
図9図9は、蓋の上方カバーが配置された、図3の蓋の上部斜視図である。
図10図10は、図6の起動機構と2つの固定部材の上部斜視図である。
図11図11は、図3の蓋の上方カバーの底部斜視図である。
図12図12は、水平面上で中身を出され、そして、ポットのグリップハンドル及び容器の左側面が水平面上に置かれて、安定した位置を占めていることを示す図1のポットの部分的な側面図である。
図13図12は、水平面上で中身を出され、そして、ポットのグリップハンドル及び容器の右側面が水平面上に置かれて、安定した位置を占めていることを示す図1のポットの部分的な側面図である。
図14図14は、図3の蓋の断面図である。
図15図15は、図3の蓋及び、角度インデックス器具及び、図1のポットの閉鎖部材の底部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1~15は、本発明に従ったポット(2)、そして、特に電気ポットを表す。
【0057】
ポット(2)は、電源コード(図示せず)により電動であるように構成されたサポートベース(図示せず)及び、サポートベース上に置かれるように構成された容器(4)を備える。
【0058】
容器(4)が水平面に置かれるとき、容器(4)は、実質的に垂直に延びるように構成された中心縦軸(A)を有する。有利には、容器(4)は、中心縦軸(A)の周りで回転する一般形状を有する。
【0059】
容器(4)は、水を含むことになり、そして、その中で、水が加熱され、そして、特に沸騰されることになる内容積(5)を区切る。更に、容器(4)は内容積(5)中に現れる上方充填開口部(6)を備える。
【0060】
更に、容器(4)は内容積(5)の下に配置され、そして、内容積(5)内に含まれた水を加熱する加熱底部(7)を備える。公知の方法で、容器(4)がサポートベース上に置かれているとき、加熱底部(7)は、電動であるように構成された電気加熱要素(図示せず)を収容する。
【0061】
更に、ポット(2)は、容器(4)に固定されたグリップハンドル(8)及び、容器(4)の中心縦軸(A)に対してグリップハンドル(8)の反対側に配置された注入口(9)を備える。例えば、注入口(9)は、容器(4)に固定され得る。
【0062】
更に、ポット(2)は、蓋(11)が上方充填開口部(6)を閉じる閉鎖位置と、蓋(11)が上方充填開口部(6)をクリアにする開口位置との間で移動可能な蓋(11)を備える。蓋(11)は、具体的には、上方充填開口部(6)に配置され、そして、蓋(11)が閉鎖位置を占めているとき、上方充填開口部(6)をシールして閉じるように構成されている。例えば、蓋(11)が閉鎖位置を占めているとき、蓋(11)は、容器の上方部分上に提供される環状肩部上に置かれるように構成されても良い。
【0063】
図に示される実施形態に従って、蓋(11)は、容器(4)に対して取外し可能である。しかし、本発明の一つの変形態様に従うと、蓋(11)は、容器(4)上で回転可能に取り付けられ得る。
【0064】
蓋(11)は、容器(4)の内容積(5)に向かって配置するように構成された下方面(12)と、容器(4)に背を向けて構成された上方面(13)を備える。
【0065】
図に示される本発明の実施形態に従って、蓋(11)は、相互に固定されている下方覆い(14.1)及び上方覆い(14.2)を備える蓋覆い(14)を備え、それらは、以下に説明するように機能することになる、内部チャンバ(15)を区切る。更に、蓋(11)は、上方覆い(14.2)に固定され、そして、上方覆い(14.2)をカバーする上方カバー(16)を備える。上方カバー(16)及び上方覆い(14.2)は、以下に述べるように機能する蓋ハウジング(17)(図9参照)を区切る。
【0066】
蓋(11)は、蓋覆い(14)、そして、具体的には、上方覆い(14.2)対して固定され、そして、蓋覆い(14)の周りに延びる環状シール(18)も備える。環状シール(18)は、容器(4)、そして、具体的には、上方充填開口部(6)と共同してシールするように構成されている。
【0067】
蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ポット(2)は、一時的、且つ可逆的なやり方で、蓋(11)を容器(4)に固定するように構成されている固定器具を更に備える。
【0068】
図に示される本発明の実施形態に従って、固定器具は、蓋(11)上に提供され、そして、蓋(11)の中心軸の周りに配置される、ロッキングフィンガー又はロッキングラッチのような複数のロッキング部材(19)、そして、具体的には、蓋(11)の中心軸に対して正反対にある2つのロッキング部材(19)を備える。各ロッキング部材(19)は、蓋ハウジング(17)内に収容され、そして、蓋(11)の外側周辺、そして、具体的には、蓋覆い(14)の外側周辺及び、環状シール(18)の下に現れる、開口部(21)を通って、それぞれ、蓋(11)から突き出るように構成されている。図に示される本発明の実施形態に従って、開口部(21)を通るそれぞれは、上方カバー(16)並びに、下方覆い(14.1)及び上方覆い(14.2)を通って延びる。
【0069】
固定器具は、容器(4)の内側表面上に提供され、そして、上方充填開口部(6)に近接して配置される、少なくても一つのロッキング要素(22)を備える。図に示される本発明の実施形態に従って、固定器具は、一つのロッキング要素(22)を備え、そして、後者は、容器(4)の加熱底部(7)に向いている周辺リムにより形成されて、そして、部分的に上方充填開口部(6)を区切る。蓋(11)が容器(4)に固定されているとき、ロッキング部材(19)は、具体的には、周辺リムの下方端に対して隣接して構成されている。しかし、本発明の変形態様に従うと、固定器具は、複数のロッキング要素(22)を備え、そして、後者は、例えば、ロッキング部材(19)を、それぞれ収容するように構成されたロッキングハウジング又は、ロッキングラッチであり得る。
【0070】
ロッキング部材(19)は、スライド方向で、並びに、各ロッキング部材(19)が開口部(21)をそれぞれ通って、蓋覆い(14)から突き出て、そして、蓋(11)を容器(4)に固定するように、ロッキング要素(22)に対して共同して作動するように構成されているロッキング位置と、蓋(11)が容器(4)から除去できるように、各ロッキング部材(19)が各ロッキング要素(22)を解除するように構成されている解除位置との間で、蓋(11)に対してスライドして取り付けられている。有利には、スライド方向は、蓋(11)の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる。
【0071】
ロッキング部材(19)が解除位置を占めるとき、各ロッキング部材(19)は、例えば、蓋(11)の外側周囲表面から戻るように、又は、蓋(11)の外側周囲表面と同一平面にあるように構成され得る。
【0072】
有利には、各ロッキング部材(19)は、ロッキング部材(19)を解除位置に自動で移動させるために、蓋(11)が上方充填開口部(6)中に導入されたとき、容器(4)と共同して作動するように構成された、端面取りのような傾斜した表面(23)を備える。固定器具のそのような配置により、容器(4)上での蓋(11)の固定が容易になる。
【0073】
図に示される実施形態に従って、固定器具は、蓋ハウジング(17)中に収容され、そして、ロッキング部材(19)をロッキング位置に回復するように構成されたコイルバネのような、回復部材(24)を備える。例えば、回復部材(24)は、2つのロッキング部材(19)の間に挿入されて、そして、ロッキング部材(19)に実質的に同軸方向に延びることが出来る。
【0074】
更に、固定器具は、蓋ハウジング(17)中に収容され、そして、環状シール(18)とは別の2つのシール部材(25)を備える。2つのシール部材(25)は、蓋(11)上に提供された開口部(21)を通ったそれぞれで、シーリングを確実にするように、それぞれ構成されている。
【0075】
各シール部材(25)は、蓋(11)、そして、例えば、カバー(16)に固定されている。各シール部材(25)は環状であり、そして、ロッキング部材(19)の周りに延びる。したがって、各シール部材(25)は、具体的には、開口部(21)及び、それぞれのロッキング部材(19)を通るそれぞれと共同して作動してシールするように構成されている。有利には、ロッキング部材(19)がロッキング位置を占めるとき、各ロッキング部材(19)は、それぞれのシール部材(25)を備えるように構成されている。更に、ロッキング部材(19)のそのような配置は、開口部(21)を通るそれぞれのところで、シールを向上させる。
【0076】
具体的には、図6に示すように、ポット(2)は、蓋(11)上に提供され、そして、使用者により、起動機構(26)が起動されるとき、ロッキング部材(19)を解除位置に移動させるように構成された起動機構(26)を備える。
【0077】
起動機構(26)は、具体的には、使用者により手動で起動され、そして、ロッキング部材(19)をロッキング位置から解除位置へ移動させるように構成された起動部材(27)を備える。有利には、起動部材(27)は、起動軸の周りで、例えば、蓋(11)の中心軸と同一線上で、そして、第一の起動位置と第二の起動位置の間で、蓋(11)に対して回転可能に取り付けられている。上方カバー(16)は、例えば、起動部材(27)が、第一の起動位置と第二の起動位置の間に配置されているとき、起動部材(27)を回転可能にガイドするように構成された、蓋(11)の中心軸の周りに延びる環状ガイドリブのようなガイド部材(28)(図11参照)を備えても良い。
【0078】
起動部材(27)及びロッキング部材(19)は、起動部材(27)の第一の起動位置から第二の起動位置への移動が、ロッキング部材(19)のロッキング位置から解除位置への移動を生じさせるように構成されている。
【0079】
図に示される実施形態に従って、起動部材(27)は2つのカム表面(29)を備え、各ロッキング部材(19)は、それぞれのカム表面(29)に対して接触する突起31を備える。各突起(31)は、起動部材(27)が第一の起動位置から第二の起動位置へ移動されるとき、各突起(31)は、それぞれのカム表面(29)上をスライドすることにより、起動部材(27)に対して移動され、そして、それぞれのロッキング部材(19)をロッキング位置から解除位置に移動させるように、それぞれのカム表面(29)上でスライドして接触している。
【0080】
有利には、起動機構(26)は、蓋ハウジング(17)中に収納された付勢バネのような付勢要素(32)、および、一方が起動部材(27)上にあり、そして、他方が蓋(11)上にあり、起動部材(27)を第一の起動位置中に付勢させるように構成されているベアリングを備える。
【0081】
図に示す実施形態に従って、起動部材(27)は、使用者により操作されるように構成された操作部(27.1)、および、ディスクの一般形状を有し、そして、蓋ハウジング(17)中に収納されて、ロッキング部材(19)と共同して作動するように構成された起動部(27.2)を備える。
【0082】
図2及び5に、具体的に示すように、ポット(2)は、容器(4)上の蓋(11)の閉鎖の一つの位置を規定するために、容器に対して、蓋の角度的インデックスを付けるように構成された、角度インデックス器具、所謂、誰でも扱える器具を備える。角度インデックス器具は、例えば、容器(4)上に提供されるインデックスタブ及びインデックスボスのような一つ又は複数のインデックス要素(33)、並びに、蓋(11)に提供され、そして、蓋(11)が閉鎖位置に移動されたときに、インデックス要素(33)と共同して作動するように構成されているインデックスハウジングのような、一つ又は複数のインデックス部材(34)を備えても良い(図2,5及び12を参照)。有利には、インデックス部材(34)は、蓋(11)の後方部分に配置されて、そして、インデックス要素(33)は、容器(4)の内容積(5)中に少なくとも部分的には配置されている。図に示す実施形態に従って、インデックス要素(33)は、容器(4)の中心縦軸(A)に対して、注ぎ口(9)の反対側に配置されている。
【0083】
ポット(2)は、内容積(5)の外側へ、そして、例えば、ポット(2)の外側に向かって、内容積(5)中に含まれる水が沸騰している間、内容積(5)中で発生した蒸気を運ぶように構成された蒸気放出回路も備える。
【0084】
蒸気放出回路は、特に、第一蒸気取込オリフィス(35)及び、第二蒸気取込オリフィス(36)を備える。それらは、蓋(11)上に提供され、そして、蓋(11)の下方面(12)中で、且つ、蓋(11)の下方面(12)の周縁部に近接して現れる。蓋(11)が閉鎖位置を占め、そして、容器(4)が水平面上に置かれているとき、第一及び第二蒸気取込オリフィス(35)、(36)は、容器(4)により区切られた内容積(5)中で、且つ、容器(4)の最大充填レベルの上に現れる。有利には、第一及び第二蒸気取込オリフィス(35)、(36)は、蓋(11)の下方面(12)の前方半分に配置されている。
【0085】
図に示す実施形態に従って、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、第一及び第二蒸気取込オリフィス(35)、(36)は、注ぎ口(9)及び、グリップハンドル(8)を通って通過する、ポット(2)の中央部垂直面(median vertical plane)(P)の何れかの側面上に配置され、そして、有利には、ポット(2)の中央部垂直面(P)に対して対称的に配置されている。
【0086】
有利には、蓋(11)は、ポット(2)がひっくり返されたとき、蒸気放出回路を介して内容積(5)中に含まれる水のこぼれることを防止するように構成された、オーバーフロー防止器具とも呼ばれる、漏れ防止器具を備える。
【0087】
図に示す実施形態に従って、漏れ防止器具(特に、図5を参照)は、第一蒸気取込オリフィス(35)に流体連結された第一蒸気取込開口部及び、蓋(11)により区切られた内部チャンバ(15)中に現れる第一蒸気放出開口部(370)を備えた、第一蒸気流路管(37)、並びに、第二蒸気取込オリフィス(36)に流体連結された第二蒸気取込開口部及び、内部チャンバ(15)中に現れる第二蒸気放出開口部(380)を備えた、第二蒸気流路管(38)を備える。有利には、第一及び第二蒸気流路管(37)、(38)は、内部チャンバ(15)中に収納されている。
【0088】
第一及び第二蒸気放出開口部(350)、(360)は、ポット(2)の中央部垂直面(P)の何れかの側面上に配置されるように構成され、そして、有利には、ポット(2)の中央部垂直面(P)に対して対称的に配置されている。図に示す実施形態に従って、第一及び第二蒸気放出開口部(350)、(360)は、内部チャンバ(15)の後方部分に配置され、そして、注ぎ口(9)から外側に向いて、つまり、ポット(2)の後方に向かって、そして、従って、グリップハンドル(8)に向かって、構成されている。
【0089】
第一蒸気流路管(37)は、例えば、容器(4)が水平面上に置かれているとき、第一蒸気流路管(37)に含まれる水を第一蒸気取込オリフィス(35)にガイドするように、水平面に対して傾いているように構成され得、そして、同様に、第二蒸気流路管(38)は、例えば、容器(4)が水平面上に置かれているとき、第二蒸気流路管(38)に含まれる水を第二蒸気取込オリフィス(36)にガイドするように、水平面に対して傾いているように構成され得る。
【0090】
更に、蒸気放出回路は、蓋(11)上に提供され、そして、蓋(11)により区切られた内部チャンバ(15)に流体連結された複数の蒸気放出開口部(39)を備える。蒸気放出開口部(39)は、内部チャンバ(15)中に含まれる蒸気を、蓋(11)の外側、そして、例えば、ポット(2)の外側に向かって、放出させるように構成されている。
【0091】
図に示す実施形態に従って、蒸気放出開口部(39)は、蓋(11)の上方面(13)中に現れ、そして、蓋ハウジング(17)と、蓋覆い(14)上に、具体的には、上方覆い(14.2)上に提供された流路孔(41)とを介して内部チャンバ(15)に流体連結させるように構成され、そして、蓋ハウジング(17)に内部チャンバ(15)を流体連結させるように構成されている。
【0092】
図12、及び13に具体的に示すように、ポット(2)は、以下のように構成されている:
-ポット(2)がひっくり返され、そして、グリップハンドル(8)及び、容器(4)の第一側面、つまり、左側面が水平面上に安定して置かれているとき、第一蒸気取込オリフィス(35)は、内容積(5)中の水位の上に配置されるようにし、
-ポット(2)がひっくり返され、そして、グリップハンドル(8)及び、容器(4)の第二側面、つまり、右側面が水平面上に安定して置かれているとき、第二蒸気取込オリフィス(36)は、内容積(5)中の水位の上に配置されるようにする。
【0093】
図4及び15に特に示すように、蓋(11)は、蓋(11)に含まれる水が、そこを通って蓋(11)から放出され得るドレンオリフィス(42)を更に備える。ドレンオリフィス(42)は、蓋(11)により区切られる内部チャンバ(15)に流体連結されている。有利には、ドレンオリフィス(42)は、一方を、内部チャンバ(15)の底部壁中に、他方を、蓋(11)の下方面(12)中に導く。ドレンオリフィス(42)を通って、内部チャンバ(15)に含まれる水の放出を促進させるために、後者は、例えば、内部チャンバ(15)の低い地点に配置され、及び/又は、内部チャンバ(15)の底部壁は、例えば、内部チャンバ(15)に含まれる水をドレンオリフィス(42)に向かわせ、そして、ガイドするように構成された、一つ又は複数の傾斜したガイド表面を備えても良い。
【0094】
図2及び15に特に示すように、容器(4)は、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じ、蓋(11)が開口位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)をクリアにする、ように構成された閉鎖部材(43)を備える。図に示す実施形態に従って、閉鎖部材(43)は、ドレンオリフィス(42)中にフィットし、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じるように構成された閉鎖フィンガーである。例えば、閉鎖部材(43)は、概して、円錐台形形状を有してもよい。
【0095】
閉鎖部材(43)は、例えば、容器(4)の中心縦軸(A)に並行であっても良く、又は、15度以下、そして、例えば、10度以下の同様の傾斜角、により、容器(4)の中心縦軸(A)に対して傾斜していても良い、中心軸を有する。
【0096】
図に示す実施形態に従って、閉鎖部材(43)は、インデックス要素(33)に近接して配置されている。有利には、閉鎖部材(43)及び、インデックス要素(33)は、一体として作られる。
【0097】
有利には、蓋(11)は、環状であり、そして、蓋が閉鎖位置を占めるとき、閉鎖部材(43)と密に共同して作動するように構成された、シーリング要素(44)を備える。
【0098】
図に示されていない本発明の一つの実施形態に従って、ポット(2)は、バイメタル要素を備えた電気機械的な制御装置を備えることができ、そして、蒸気放出回路は、蓋(11)により区切られる内部チャンバ(15)に流体連結されているように構成され、そして、内部チャンバ(15)に含まれる水をバイメタル要素に向けて方向付けるように構成された少なくとも一つの蒸気放出開口部(39)を備えることができ、電気機械的な制御装置は、バイメタル要素上の蒸気の流入が、ポット(2)の加熱の停止を起こさせるようなやり方で構成されている。
【0099】
バイメタル要素は、例えば、グリップハンドル(8)中に配置され得る。この場合、少なくとも一つの蒸気放出開口部(39)は、蓋(11)の後方部分に提供され、そして、グリップハンドル(8)の方向に向けて配列して構成されている。
【0100】
本発明の変形態様に従って、バイメタル要素は、容器(4)は、下方部分の中に配置され得る。この場合、少なくとも一つの蒸気放出開口部(39)は、蓋(11)の後方部分に提供されて、そして、容器(4)中に配置され、且つ、バイメタル要素に流体連結されている蒸気管に流体連結されるように構成されている。
【0101】
図に示されていない本発明の別の実施形態に従って、起動部材(27)は、例えば、蓋(11)の上方面(13)からアクセス可能であり、そして、2つのロッキング部材19のそれぞれの上に配置された、2つの操作要素を備えることができる。2つの操作要素は、例えば、操作要素をつまむこと、つまり、2つの操作要素を相互に近づけることにより、ロッキング部材19を解除位置へ移動させるように構成させることができる。
【0102】
もちろん、本発明はあくまでも例としてのみ取り上げて説明し、図示した実施形態だけに何ら限定されるものでないことは言うまでもない。とりわけ、様々な要素の構成という観点からの変更や、等価の技術による置換えによる変更などは、それによって本発明の保護対象から外れることなくなお可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱されことになる水を含むようになる内容積(5)を区切り、内容積(5)に通じる上方充填開口部(6)を備える容器(4)、
蓋(11)が上方充填開口部(6)を閉じる閉鎖位置と、蓋(11)が上方充填開口部(6)をクリアにする開口位置との間を移動可能な蓋(11)、及び、
内容積(5)の外側に向かって、内容積(5)中に含まれる水の沸騰の間、内容積(5)中で生じる蒸気を、内容積の外側に運ぶように構成され、蓋(11)により一部が形成されている蒸気放出回路、を備えるポット(2)であって、
蓋(11)は、蓋(11)に含まれる水が、そこを通って蓋(11)から放出され得るドレンオリフィス(42)を備え、そして、容器(4)は、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じ、蓋(11)が開口位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)をクリアにするように構成された閉鎖部材(43)を備えることを特徴とする、ポット(2)。
【請求項2】
ドレンオリフィス(42)は、蓋(11)の下方面中に開く、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項3】
閉鎖部材(43)は、ドレンオリフィス(42)中にフィットし、そして、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、ドレンオリフィス(42)を閉じるように構成された閉鎖フィンガーである、請求項1又は2に記載のポット(2)。
【請求項4】
ドレンオリフィス(42)は、蓋(11)の後方部分に配置されている、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項5】
蓋(11)は、容器(4)に対して取外し可能である、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項6】
蒸気放出回路は、蓋(11)により区切られた内部チャンバ(15)を備え、ドレンオリフィス(42)は、内部チャンバ(15)に流体連結されている、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項7】
蒸気放出回路は、蓋(11)上に提供され、そして、内容積(5)に流体連結されるように構成され、蓋(11)が閉鎖位置を占めるとき、容器(4)により区切られる、少なくとも一つの蒸気取込オリフィスを備える、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項8】
少なくとも一つの蒸気取込オリフィスは、蓋(11)上に提供され、そして、蓋(11)の下方面(12)に通じる、第一蒸気取込オリフィス(35)及び、第二蒸気取込オリフィス(36)を備える、請求項7に記載のポット(2)。
【請求項9】
蓋(11)は、ポット(2)がひっくり返されたとき、内容積(5)中に含まれる水が、蒸気放出回路を介してこぼれることを防止するように構成された漏れ防止器具を備える、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項10】
蒸気放出回路は、蓋(11)により区切られた内部チャンバ(15)を備え、ドレンオリフィス(42)は、内部チャンバ(15)に流体連結され、そして、漏れ防止器具は、第一蒸気取込オリフィス(35)に流体連結された第一蒸気取込開口部及び、内部チャンバ(15)中に通じる第一蒸気放出開口部を備える第一蒸気流路管(37)、並びに、第二蒸気取込オリフィス(36)に流体連結された第二蒸気取込開口部及び、内部チャンバ(15)中に通じる第二蒸気放出開口部を備える第二蒸気流路管(38)を備える、請求項9に記載のポット(2)。
【請求項11】
容器(4)上の蓋(11)のユニークな閉鎖位置を規定するために、容器(4)に対する角度的インデックスを付けるように構成された角度インデックス器具を備える、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項12】
角度インデックス器具は、容器(4)上に提供された少なくも一つ以上のインデックス要素(33)及び、蓋(11)上に提供されて、そして、蓋(11)が開口位置に向かって移動されたとき、少なくも一つ以上のインデックス要素(33)と共同して作動するように構成された少なくも一つ以上のインデックス部材(34)を備える、請求項11に記載のポット(2)。
【請求項13】
一つ以上のインデックス部材(34)は、蓋(11)の後方部分に配置されている、請求項12に記載のポット(2)。
【請求項14】
容器(4)は、中心縦軸(A)を有し、そして、グリップハンドル(8)及び、容器(4)の中心縦軸(A)に対して、グリップハンドル(8)の反対側に配置された注入口(9)を備える、請求項1に記載のポット(2)。
【請求項15】
角度インデックス器具は、容器(4)上に提供された少なくも一つ以上のインデックス要素(33)及び、蓋(11)上に提供されて、そして、蓋(11)が開口位置に向かって移動されたとき、少なくも一つ以上のインデックス要素(33)と共同して作動するように構成された少なくも一つ以上のインデックス部材(34)を備え、そして、少なくも一つ以上のインデックス要素(33)は、容器(4)の中心縦軸(A)に対して、注入口(9)の反対側に配置されている、請求項14に記載のポット(2)。
【外国語明細書】