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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074242
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】電気掃除装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240523BHJP
   A47L 5/24 20060101ALI20240523BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20240523BHJP
【FI】
A47L9/28 U
A47L5/24 A
A47L9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134324
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2022184651
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 明弘
(72)【発明者】
【氏名】大島 郁夫
【テーマコード(参考)】
3B006
3B057
【Fターム(参考)】
3B006GA02
3B057DE01
(57)【要約】
【課題】二次電池および商用交流電源のいずれを電源とする場合であっても、取り扱いに優れる、利便性の高い電気掃除装置を提供する。
【解決手段】電気掃除機2は、負圧を発生させる電動送風機29と、電動送風機29の電源としての二次電池5を着脱可能な第一電源装着部28と、を備えている。充電台3は、商用交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーター51と、二次電池5に代えて第一電源装着部28に着脱可能に装着されて電動送風機29の電源としてAC-DCコンバーター51の出力を給電可能なアダプター12と、商用交流電力をAC-DCコンバーター51へ導く交流電力線43と、AC-DCコンバーター51とアダプター12とを繋ぐ直流電力線11と、を備えている。直流電力線11の長さは、交流電力線43の長さよりも長い。
【選択図】 図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機と、前記電気掃除機に給電可能な電源装置と、を備え、
前記電気掃除機は、
負圧を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機の電源としての二次電池を着脱可能な第一電源装着部と、を備え、
前記電源装置は、
商用交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーターと、
前記二次電池に代えて前記第一電源装着部に着脱可能に装着されて前記電動送風機の電源として前記AC-DCコンバーターの出力を給電可能なアダプターと、
前記商用交流電力を前記AC-DCコンバーターへ導く高圧電力線と、
前記AC-DCコンバーターと前記アダプターとを繋ぐ低圧電力線と、を備え、
前記低圧電力線の長さは、前記高圧電力線の長さよりも長い電気掃除装置。
【請求項2】
前記低圧電力線の長さは、前記高圧電力線の長さの5倍以上長い請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項3】
前記低圧電力線は、前記高圧電力線よりも柔軟である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項4】
前記アダプターは、前記AC-DCコンバーターよりも高い可搬性を有する請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項5】
前記電源装置は、前記電気掃除機を接続可能な収納台である請求項1に記載の電気掃除装置。
【請求項6】
電気掃除機と、前記電気掃除機を接続可能な収納台と、を備え、
前記電気掃除機は、
負圧を発生させる電動送風機と、
前記電動送風機の電源としての二次電池を着脱可能な第一電源装着部と、を備え、
前記収納台は、
商用交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーターと、
前記二次電池に代えて前記第一電源装着部に着脱可能に装着されて前記電動送風機の電源として前記AC-DCコンバーターの出力を給電可能なアダプターと、を備える電気掃除装置。
【請求項7】
前記収納台は、前記AC-DCコンバーターの出力に繋がる第一充電端子を備え、
前記電気掃除機は、前記第一充電端子に接続されると前記AC-DCコンバーターの出力で前記第一電源装着部に装着された前記二次電池を充電する機内充電路を備える請求項1または6に記載の電気掃除装置。
【請求項8】
前記収納台は、
設置場所に設置可能であり、かつ前記AC-DCコンバーターを収容する基部と、
前記基部から上方へ突出して前記電気掃除機の重量の全部または一部を支持可能な支持台と、を備える請求項1または6に記載の電気掃除装置。
【請求項9】
前記収納台は、
前記AC-DCコンバーターと前記アダプターとを繋ぐ電力線と、
前記電力線を引き出し可能に収納する電力線収納部と、を備える請求項1または6に記載の電気掃除装置。
【請求項10】
前記電気掃除機が前記収納台に装着されると前記電力線を巻き取るコードリールを備える請求項9に記載の電気掃除装置。
【請求項11】
前記収納台は、前記電気掃除機から取り外されている前記二次電池を前記AC-DCコンバーターの出力で充電する第二充電路を備える請求項1または6に記載の電気掃除装置。
【請求項12】
前記収納台は、
前記アダプターおよび前記二次電池を択一的に装着可能な第二電源装着部と、
前記アダプターが前記第二電源装着部に装着された場合には、前記第二充電路が前記アダプターに接続されることを阻止し、前記二次電池が前記第二電源装着部に装着された場合には、前記第二充電路を前記二次電池に接続する断続機構と、を備える請求項11に記載の電気掃除装置。
【請求項13】
前記収納台は、
前記AC-DCコンバーターと前記アダプターとを繋ぐ電力線と、
前記電気掃除機が前記収納台に装着されると前記電力線を巻き取るコードリールと、を備える請求項12に記載の電気掃除装置。
【請求項14】
前記収納台は、
前記AC-DCコンバーターと前記アダプターとを繋ぐ電力線と、
前記アダプターが前記第二電源装着部に装着されると前記電力線を巻き取るコードリールと、を備える請求項12に記載の電気掃除装置。
【請求項15】
前記電気掃除機は、
前記アダプターおよび前記二次電池のいずれが前記第一電源装着部に装着されているのか検知する検知部と、
前記アダプターが前記第一電源装着部に装着されている場合には第一運転制御を実行して前記電動送風機を運転し、前記二次電池が前記第一電源装着部に装着されている場合には第二運転制御を実行して前記電動送風機を運転する制御部と、を備える請求項1または6に記載の電気掃除装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、電気掃除装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の掃除機は、掃除機本体と、掃除機本体に着脱可能な電源装置と、を備えている。掃除機本体は、直流電動送風機と、収納部と、この収納部に着脱自在な電池と、掃除機本体に装着された電池を充電する際に電源装置に繋げられる本体充電接続部と、を備えている。電源装置は、筐体と、筐体に内蔵されるコード巻き取り装置と、筐体に内蔵される直流電源装置と、本体充電接続部に着脱自在は充電ジャックと、を備えている。電源装置の筐体は、電池とほぼ同一形状を有して直流電源装置を内蔵する突出部を有している。
【0003】
掃除機本体の収納部から電池を取り外し、直流電源装置を内蔵した突出部を掃除機本体の収納部に挿入することで、電源装置が掃除機本体に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63-240815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小型かつ軽量で取り扱いに優れる、いわゆるハンディタイプの電気掃除機が近年の需要に合致する。
【0006】
従来の掃除機は、直流電源装置やコード巻き取り装置を内蔵する電源装置を掃除機本体に装着して、電池を利用しない、交流電源による運転を行う。したがって、交流電源で掃除機を運転する場合には、従来の掃除機のユーザーは、掃除機本体とともに直流電源装置およびコード巻取り装置を運ばなければならない。直流電源装置は、一般に整流回路と降圧回路とを含んでいる。降圧回路やコード巻取り装置は、掃除機本体の重量に占める割合が極めて高く、勢い、掃除機本体の重量を増加させる。
【0007】
また、直流電源装置へ交流電力を導く電源コードは、商用交流電源に適合するため、相応の太さの芯線を必要とする。そのような電源コードの重量や柔軟性は、電気掃除機の取り扱いを損なわせる。
【0008】
そこで、本発明は、二次電池および商用交流電源のいずれを電源とする場合であっても、取り扱いに優れる、利便性の高い電気掃除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、電気掃除機と、前記電気掃除機に給電可能な電源装置と、を備え、前記電気掃除機は、負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機の電源としての二次電池を着脱可能な第一電源装着部と、を備え、前記電源装置は、商用交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーターと、前記二次電池に代えて前記第一電源装着部に着脱可能に装着されて前記電動送風機の電源として前記AC-DCコンバーターの出力を給電可能なアダプターと、前記商用交流電力を前記AC-DCコンバーターへ導く高圧電力線と、前記AC-DCコンバーターと前記アダプターとを繋ぐ低圧電力線と、を備え、前記低圧電力線の長さは、前記高圧電力線の長さよりも長い。
【0010】
また、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除装置は、電気掃除機と、前記電気掃除機を接続可能な充電台と、を備え、前記電気掃除機は、負圧を発生させる電動送風機と、前記電動送風機の電源としての二次電池を着脱可能な第一電源装着部と、を備え、前記充電台は、商用交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーターと、前記二次電池に代えて前記第一電源装着部に着脱可能に装着されて前記電動送風機の電源として前記AC-DCコンバーターの出力を給電可能なアダプターと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図。
図3】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納状態の一方の側面図。
図4】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の電気系統の斜視図。
図5】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の他方の側面図。
図6】本実施形態に係る電気掃除装置の第一電源装着部の模式図。
図7】本実施形態に係る電気掃除装置の第二電源装着部の模式図。
図8】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の他の例の斜視図。
図9】本発明の実施形態に係る電気掃除装置の他の例の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電気掃除機の実施形態について図1から図9を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
【0013】
図1および図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図である。
【0014】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機2と、電気掃除機2へ給電可能な電源装置および電気掃除機2を接続可能な収納台としての充電台3と、電気掃除機2に着脱可能な二次電池5と、を備えている。二次電池5は、蓄電池、充電式電池、または充電池とも呼ばれる。
【0015】
充電台3は、電気掃除機2に装着されている二次電池5を充電する機能と、商用交流電力を直流電力に変換し、かつ降圧して二次電池5に代わって電気掃除機2へ直流電力を提供する機能と、を兼ね備えている。説明の便宜のため、以下、前者を充電機能と呼び、後者を直流出力機能と呼ぶ。直流出力機能を担う充電台3は、直流電力を送る直流電力線11と、直流電力線11の出力端に設けられ、かつ二次電池5に代えて電気掃除機2に着脱可能なアダプター12と、を備えている。
【0016】
換言すると、電気掃除機2は、二次電池5を電源として利用する図1の態様、および充電台3が出力する直流電力を電源として利用する図2の態様の2つの使い方をユーザーに提供する。二次電池5を電源として利用する態様は、二次電池5が蓄える電力の範囲で利用可能な一方、高い移動性を発揮する。充電台3が出力する直流電力を電源として利用する態様は、直流電力線11の長さによる移動範囲の制限を有する一方、電力量の制限を退ける。なお、説明の便宜のため、図1に示す利用態様を「コードレス運転態様」と呼び、図2に示す利用態様を「コード運転態様」と呼ぶ。
【0017】
電気掃除機2は、例えばスティック型である。電気掃除機2は、把手21を持って操作可能な掃除機本体22と、掃除機本体22に接続される延長管23と、延長管23に接続される吸込口体25と、を備えている。
【0018】
なお、電気掃除機2は、キャニスター型、アップライト型、またはハンディ型であっても良い。
【0019】
また、説明を容易にするために以下、図1および図2のように、吸込口体25を被掃除面に接地させ、把手21を使用者が把持している状態を電気掃除機2の使用状態とし、この使用状態における上下方向を電気掃除機2の上下方向とする。さらに、図1のように、被掃除面に設置している状態における上下方向を充電台3の上下方向とする。
【0020】
掃除機本体22は、把手21を有する本体ケース26と、把手21の近傍に設けられる入力部27と、二次電池5およびアダプター12を択一的に着脱可能な第一電源装着部28と、本体ケース26に収容されて負圧を発生させる電動送風機29と、本体ケース26に着脱自在に設けられる塵埃分離集塵部31と、主に電動送風機29を制御する本体制御部32と、二次電池5の充電状態を報知する報知部33と、を備えている。
【0021】
コードレス運転態様では、掃除機本体22は、二次電池5が蓄える電力によって電動送風機29を駆動させ、電動送風機29の駆動によって発生する負圧を延長管23に作用させる。コード運転態様では、掃除機本体22は、充電台3のアダプター12が出力する直流電力によって電動送風機29を駆動させ、電動送風機29の駆動によって発生する負圧を延長管23に作用させる。電気掃除機2は、吸込口体25および延長管23を通じて床面から塵埃を含んだ空気(以下、「含塵空気」と呼ぶ。)を吸い込み、含塵空気から塵埃を分離し、分離後の塵埃を捕集し、蓄積するとともに分離後の空気を排気する。
【0022】
本体ケース26は、側面視において延長管23の延長線上に配置される円筒状の前半部26aと、前半部26aから屈曲して延長管23の延長線から徐々に離れる後半部26bと、を備えている。本体ケース26の前半部26aの上方には、塵埃分離集塵部31が設けられている。本体ケース26の後半部26bは、吸込口体25を床上に配置した使用状態(図1)において、後方へ向かって延びている。
【0023】
本体ケース26は、把手21と、延長管23を着脱可能な継手としての本体接続口35と、を備えている。
【0024】
把手21は本体ケース26に一体に設けられている。把手21は、電気掃除機2で床面を掃除するために、使用者が手で把持する部分である。把手21は、塵埃分離集塵部31の後端部の近傍から本体ケース26の後端部へアーチ状に架かっている。また、把手21は、延長管23中心線の延長線上に交差して配置されている。
【0025】
本体接続口35は、本体ケース26の正面部分に設けられている。本体接続口35は、本体ケース26の円筒状の前半部26aから正面へ向かって突出している。本体接続口35は、掃除機本体22の流体的な入口であり、延長管23と塵埃分離集塵部31とを流体的に接続する。掃除機本体22から延長管23を取り外すことによって、本体接続口35は、掃除機本体22を単体で使用する際の吸込口としても機能する。
【0026】
入力部27は、把手21の近傍であって、把手21を握った使用者が、その手指を動かせる範囲に配置されている。入力部27は、電動送風機29の運転開始操作を受け付ける運転開始スイッチ27aと、電動送風機29の運転停止操作を受け付ける運転停止スイッチ27bと、を備えている。運転開始スイッチ27aおよび運転停止スイッチ27bは、本体制御部32に電気的に接続されている。電気掃除機2の使用者は、入力部27を操作して電動送風機29の運転モードを択一的に選択できる。運転開始スイッチ27aは、電動送風機29の運転中に、運転モードの切替スイッチとしても機能する。この場合、本体制御部32は、運転開始スイッチ27aから操作信号を受け取る度に運転モードを強→中→弱→強→中→弱→………の順に切り換える。なお、入力部27は、運転開始スイッチ27aに代えて、強運転スイッチ、中運転スイッチ、および弱運転スイッチを個別に備えていても良い。
【0027】
第一電源装着部28は、本体ケース26の後部下面に設けられている。
【0028】
電動送風機29は、塵埃分離集塵部31から空気を吸い込んで負圧を発生させる。
【0029】
塵埃分離集塵部31は、掃除機本体22の上面側に配置され、かつ掃除機本体22に着脱できる。塵埃分離集塵部31は、掃除機本体22に流れ込む含塵空気から塵埃を分離し、捕集し、蓄積する一方で、塵埃が除去された清浄な空気を電動送風機29へ送る。塵埃分離集塵部31は、電気掃除機2が吸い込む、塵埃と空気との質量の差異を利用して塵埃と空気とを遠心分離する遠心分離方式であっても良いし、含塵空気から塵埃を濾し取るフィルターを有する濾過分離方式であっても良い。
【0030】
本体制御部32は、マイクロプロセッサー、およびマイクロプロセッサーが実行する各種演算プログラム、パラメーターなどのデジタル情報を記憶する記憶装置を備えている。記憶装置は、予め設定される複数の運転モードに関連する種々の設定(引数)を記憶している。それぞれの運転モードは、電動送風機29の運転出力の設定値に関連する。電動送風機29の運転出力の設定値は、運転モード毎に異なる。電動送風機29の運転出力の設定値は、電動送風機29の入力値、つまり電動送風機29に流れる電流目標値である。
【0031】
それぞれの運転モードは、入力部27が受け付ける操作入力によって択一的に選択される。本体制御部32は、入力部27への操作入力に対応する運転モードを、予め設定される複数の運転モードから択一的に選択し、選択した運転モードの設定を記憶部から読み出し、読み出した運転モードの設定にしたがって電動送風機29を運転する。
【0032】
報知部33は、本体制御部32によって制御され、二次電池5の充電状態、例えば二次電池5が充電中であること、二次電池5が満充電であること、二次電池5の充電率が所定の充電率よりも低下し、いわゆる電池切れであること、の少なくともいずれか1つを報知する。報知部33は、例えば、文字などの情報を表示するディスプレイ、点灯または点滅するランプやLED(Light Emitting Diode)など電気掃除機2の使用者の視覚に訴えるもの、電気的に合成された音声やブザー音などを発する発音器など電気掃除機2の使用者の聴覚に訴えるもの、バイブレータなど電気掃除機2の使用者の触覚に訴えるもの、の少なくともいずれか1つである。報知部33は、入力部27の近傍に設けられていることが好ましい。そのように配置することによって、報知内容の認知性が高められる。また、報知部33は、電気掃除機2がコード運用態様であることを報知しても良い。電気掃除機2がコード運用態様であることの報知は、二次電池5が満充電であることの報知と同じであっても良い。
【0033】
二次電池5は、電動送風機29や本体制御部32で消費される電力を蓄える。二次電池5は、本体ケース26に着脱できる。電気掃除機2に装着されている二次電池5の充電率が低下した場合には、この二次電池5を充電台3のアダプター12に交換することによって、電気掃除機2は、運転を継続できる。また、電気掃除機2に装着されている二次電池5の充電率が低下した場合には、この二次電池5を充電済みの二次電池5に交換することによって、電気掃除機2は、運転を継続しても良い。換言すると、電気掃除機2は、複数の二次電池5を適宜に交換して利用できる。
【0034】
延長管23および吸込口体25は、電動送風機29から作用する負圧によって、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除機本体22へ案内する。
【0035】
延長管23は、本体ケース26の本体接続口35および塵埃分離集塵部31を介して電動送風機29の吸込側に流体的に接続されている。延長管23は、使用者が掃除機本体22の把手21を把持した状態で実質的に床面に届く長さを有する。延長管23の一方の端部には、掃除機本体22の本体接続口35に着脱自在な継手構造が設けられている。延長管23の他方の端部には、掃除機本体22の吸込口体25を着脱自在な継手構造が設けられている。延長管23は、伸縮機能を有していても良いし、伸縮機能を有していない固定長の管であっても良い。
【0036】
吸込口体25は、木床やカーペットなどの床面上を走行自在または滑走自在であり、走行状態または滑走状態において床面に対向する底面に吸込口36を有する。また、吸込口体25は、吸込口36に配置される回転自在な回転清掃体37と、回転清掃体37を駆動させる電動機38と、を備えている。吸込口体25の一方の端部には、延長管23の他方の端部に着脱自在な継手構造が設けられている。吸込口体25は、延長管23を介して電動送風機29の吸込側に流体的に接続されている。吸込口体25、延長管23、および塵埃分離集塵部31は、吸込口36から電動送風機29へ至る吸込風路である。
【0037】
なお、吸込口体25は、電動機38に代えて回転清掃体37を駆動させる風車を備えていても良い。この風車は、電気掃除機2に吸い込まれる空気の流動によって回転し、回転清掃体37を駆動させる。
【0038】
電気掃除機2は、運転開始スイッチ27aが操作されると電動送風機29を始動させる。例えば、電気掃除機2は、電動送風機29が停止している状態で運転開始スイッチ27aが操作されると、先ず電動送風機29を強運転モードで始動させ、再び運転開始スイッチ27aが操作されると電動送風機29の運転モードを中運転モードに変更し、三度、運転開始スイッチ27aが操作されると電動送風機29の運転モードを弱運転モードに変更し、以下同様に繰り返す。強運転モード、中運転モード、および弱運転モードは、予め設定される複数の運転モードである。電動送風機29に対する入力値は、強運転モードが最も大きく、弱運転モードが最も小さい。始動した電動送風機29は、塵埃分離集塵部31から空気を吸込み、塵埃分離集塵部31内を負圧にする。
【0039】
塵埃分離集塵部31内の負圧は、本体接続口35、延長管23、および吸込口体25を順次に通じて吸込口36に作用する。電気掃除機2は、吸込口36に作用した負圧によって、被掃除面上の塵埃を空気とともに吸い込んで被掃除面を掃除する。塵埃分離集塵部31は、電気掃除機2に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離し、蓄積する一方で、含塵空気から分離した空気を電動送風機29へ送る。電動送風機29は、塵埃分離集塵部31から吸い込んだ空気を掃除機本体22外へ排気する。
【0040】
次いで、充電台3について説明する。
【0041】
充電台3は、床面上に置かれる。充電台3は、電気掃除機2の収納台を兼ねている。充電台3は、居室の壁面に設置される、いわゆる壁掛けタイプであっても良い。充電台3は、設置場所に設置可能な円盤状の基部41と、基部41の中央から上方へ突出する円柱状の支持台42と、を備えている。
【0042】
充電台3は、商用交流電源から交流電力を導く高圧電力線としての交流電力線43を備えている。交流電力線43は、いわゆる電源コードである。交流電力線43は、配線用差込接続器(図示省略、所謂コンセント)に差し込まれる差込プラグ45を備えている。差込プラグ45は、交流電力線43の入力端に設けられている。差込プラグ45は、商用交流電力を提供する種々の配線用差込接続器に適合する形態を有していれば良い。
【0043】
充電台3は、電気掃除機2への直流電力の供給に係る2つの機能(充電機能、直流出力機能)の他に、電気掃除機2から取り外された二次電池5を単独で充電する機能を備えている。説明の便宜のため、二次電池5を単独で充電する機能を電池単独充電機能と呼ぶ。
【0044】
支持台42は、電気掃除機2の重量の全部または一部を支持できる。支持台42は、収納状態における掃除機本体22を支える支持部46と、直流電力線11を収容可能な電力線収納部47と、電気掃除機2から取り外された二次電池5を単独で装着可能な第二電源装着部48と、を備えている(図2)。支持部46は、支持台42の頂部に設けられている。電力線収納部47および第二電源装着部48は、支持台42の根元部に併設されている。
【0045】
第二電源装着部48は、電気掃除機2から取り外されたアダプター12を単独で装着することもできる(図1)。換言すると、第二電源装着部48は、アダプター12および二次電池5を択一的に装着できる。二次電池5およびアダプター12は、充電台3の第二電源装着部48に単独で着脱可能であり、かつ掃除機本体22の第一電源装着部28に単独で着脱可能である。
【0046】
支持台42は、電気掃除機2の報知部33と同様の、二次電池5の充電状態を報知する第二報知部49を備えていることが好ましい。第二報知部49は、第二電源装着部48に並設されていることが好ましい。
【0047】
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の収納状態の一方の側面図である。
【0048】
図1および図2に加えて図3に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の電気掃除機2は、コードレス運用態様で充電台3に収納される。電気掃除機2は、掃除機本体22を充電台3に下方から支えられるようにして収納される。電気掃除機2の延長管23および吸込口体25は、掃除機本体22から垂れ下がるようにして充電台3の基部41に配置される。
【0049】
充電台3の基部41は、支持部46に収納された状態の電気掃除機2の下方投影よりも大きく拡がり、充電台3の安定性を高めている。
【0050】
充電台3の支持台42は、収納状態から使用状態へ、また使用状態から収納状態へと掃除機本体22を取り扱いやすいように、掃除機本体22を床面から離し、相応の高さ、例えば90センチメートルから100センチメートル程度の高さに把手21を配置できるよう、上方へ延びている。
【0051】
また、充電台3は、本体接続口35を下方へ向けた姿勢で掃除機本体22を支える支持部46を備えている。
【0052】
支持部46は、支持台42の頂部に設けられている。支持部46は、本体ケース26の円筒状の前半部26aを受けるカップ状の枠である。支持部46は、下方へ向かって狭くなっている。支持部46は、掃除機本体22を充電台3へ収納する際に、掃除機本体22を誘導する。支持部46の上方開口端部は、中央側に向かって傾斜している。この傾斜は、掃除機本体22を収納位置へ円滑に導く。
【0053】
図4は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の電気系統の斜視図である。
【0054】
図1から図3に加えて図4に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電台3は、商用交流電源から交流電力線43を通じて送られる交流電力を整流し、かつ降圧するAC-DCコンバーター51と、二次電池5に代えて掃除機本体22に着脱可能なアダプター12と、アダプター12とAC-DCコンバーター51とを繋ぐ低圧電力線としての直流電力線11と、掃除機本体22に装着されている二次電池5へ電力を供給する第一充電路52と、掃除機本体22から取り外されている二次電池5を充電可能な第二充電路53と、を備えている。
【0055】
AC-DCコンバーター51は、充電台3の支持台42の下半部に収容されている。そのようなAC-DCコンバーター51の配置は、充電台3の重心を充電台3の設置面に近づけて充電台3の安定性を高める。AC-DCコンバーター51は、商用交流電力を直流電力に変換して出力するACDCアダプターであっても良い。1つのAC-DCコンバーター51が、直流電力線11、第一充電路52、および第二充電路53へ直流電力を分配して送っていても良いし、複数のAC-DCコンバーター51が、直流電力線11、第一充電路52、および第二充電路53の少なくともいずれか1つへ直流電力を送っていても良い。換言すると、直流電力線11、第一充電路52、および第二充電路53は、1つのAC-DCコンバーター51を共有していても良いし、別個のAC-DCコンバーター51に接続されていても良い。
【0056】
アダプター12は、二次電池5に代わって電気掃除機2の第一電源装着部28に着脱可能に装着される。アダプター12は、電動送風機29の電源としてAC-DCコンバーター51の出力を電気掃除機2へ給電する。
【0057】
第一充電路52は、充電台3の充電機能を提供する。第一充電路52は、AC-DCコンバーター51の出力に繋がる第一電力線55と、第一電力線55の出力端に設けられてAC-DCコンバーター51の出力に繋がる第一充電端子56と、を備えている。なお、第一充電路52は、充電台3の外側に延びていても良いし、充電台3の内側に配線されていても良い。一方、電気掃除機2は、掃除機本体22に装着されている二次電池5に繋がる機内充電路58を備えている。機内充電路58の出力端は、二次電池5を電気的に容易に接続できる端子を有している。機内充電路58の入力端は、受電端子59を有している。図3に示すように、第一充電端子56が電気掃除機2の受電端子59に接続されると、掃除機本体22に装着されている二次電池5は、AC-DCコンバーター51が出力する直流電力で充電される。受電端子59は、アダプター12を電気掃除機2の第一電源装着部28に装着した際にアダプター12で隠蔽されることが好ましい。
【0058】
充電台3の外側に延びる第一充電路52では、第一電力線55は、支持部46の適宜の箇所、例えば支持部46の頂部近傍から引き出されて線状に延びる。第一電力線55は、電気掃除機2が充電台3に収納されていようが、収納されていなかろうが、第一充電端子56を受電端子59に接続可能なように、取り回すことができる。第一充電端子56は、例えばプラグである。受電端子59は、例えばソケットである。
【0059】
充電台3の内側に配線される第一充電路52では、第一充電端子56および受電端子59は、電気掃除機2を充電台3に収納した際に電気的に繋がるよう配置されていることが好ましい。AC-DCコンバーター51の電圧が印加される第一充電端子56は、充電台3の意匠面に露出しないことが好ましく、電気掃除機2を充電台3に収納した際に電気掃除機2および充電台3で隠蔽されることが好ましい。
【0060】
第二充電路53は、充電台3の電池単独充電機能を提供する。第二充電路53は、AC-DCコンバーター51の出力で第二電源装着部48に装着されている二次電池5を充電する。
【0061】
ところで、第二電源装着部48は、アダプター12および二次電池5のいずれかを択一的に装着できる。アダプター12および二次電池5は、電気掃除機2の第一電源装着部28にも装着できる。電気掃除機2は、アダプター12および二次電池5のいずれが第一電源装着部28に装着された場合であっても、電動送風機29の電源として機能するようアダプター12および二次電池5のいずれにも電気的に接続可能な端子61を備えている。
【0062】
一方、充電台3は、二次電池5が第二電源装着部48に装着された場合にはAC-DCコンバーター51の出力を二次電池5へ給電可能な一方、アダプター12が第二電源装着部48に装着された場合にはAC-DCコンバーター51の出力をアダプター12へ給電不能でなければならない。仮にAC-DCコンバーター51の出力がアダプター12に接続されると、AC-DCコンバーター51の出力が第二充電路53と直流電力線11とでループしてしまう。これを避けるため、充電台3は、第二充電路53の出力端である端子62と、二次電池5が第二電源装着部48に装着された場合には端子62を二次電池5に接続し、アダプター12が第二電源装着部48に装着された場合には端子62をアダプター12から待避させる断続機構65を備えている。換言すると、断続機構65は、アダプター12が第二電源装着部48に装着された場合には、第二充電路53がアダプター12に接続されることを阻止し、二次電池5が第二電源装着部48に装着された場合には、第二充電路53を二次電池5に接続する。端子62は、電池単独充電機能のためだけに利用される。
【0063】
充電台3は、電気掃除機2に装着された二次電池5の充電機能と、第二電源装着部48に装着された二次電池5の電池単独充電機能と、を同時に実施できることが好ましい。つまり、第一充電路52を通じて収納状態の電気掃除機2へ直流電力を給電し、電気掃除機2に装着されている二次電池5を充電するのと同時に、第二充電路53を通じて第二電源装着部48に装着されている二次電池5を充電できることが好ましい。
【0064】
図5は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の充電台の他方の側面図である。
【0065】
図1から図3に加えて図5に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電台3は、二次電池5に代えて電気掃除機2の第一電源装着部28に着脱可能に装着されて電動送風機29の電源としてAC-DCコンバーター51の出力を給電可能なアダプター12と、アダプター12を通じて電気掃除機2に直流電力を送る直流電力線11と、を備えている。
【0066】
ところで、直流電力線11は、コード運転態様において充電台3を中心とする、より広い範囲で電気掃除機2を移動できるよう極力長い方が良い一方で、コードレス運転態様において設置場所の美観や安全性を損なわないよう、収納できることが好ましい。
【0067】
そこで、充電台3は、直流電力線11を引き出し可能に収納する電力線収納部47を備えている。電力線収納部47は、直流電力線11の全長を収容可能な容積を有することが好ましい。
【0068】
電力線収納部47は、直流電力線11を単に束ねて収容可能な空間であっても良いし、直流電力線11を巻き取るコードリール71を備えていても良い。
【0069】
コードリール71は、動力源を要しない手巻き式であっても良いし、直流電力線11を巻き取る動力源を備えていても良い。動力源は、例えば渦巻ばね72である。渦巻ばね72は、直流電力線11を巻き取る方向へコードリール71を回転させるばね力を発生させる。動力源によって直流電力線11を巻き取り可能なコードリール71は、渦巻ばね72が発生させるばね力に抗して直流電力線11が引き出された状態でコードリール71を保持するブレーキ装置73を備えていることが好ましい。
【0070】
渦巻ばね72の渦の中心側の端部は、コードリール71を回転可能に支持する軸に連結されている。渦巻ばね72の渦の外周側の端部は、コードリール71のフランジ部に連結されている。コードリール71から直流電力線11を引き出すことによって、渦巻ばね72は巻き締められ、コードリール71の回転量に応じたばねエネルギーを蓄える。ブレーキ装置73によるコードリール71の保持が解除されると、渦巻ばね72は、蓄えたエネルギーを消費して直流電力線11を巻き取る方向へコードリール71を回転させる。
【0071】
ブレーキ装置73は、一方向へのコードリール71の回転を許容し、他方向へのコードリール71の回転を規制するワンウェイクラッチの役割を持ちつつ、他方向へのコードリール71の回転を許可することもできる。ブレーキ装置73は、直流電力線11を引き出す方向へコードリール71の回転を許可する一方、直流電力線11を巻き取る方向へコードリール71の回転を規制しつつ、この規制の解除することで直流電力線11を巻き取る方向へコードリール71の回転を許可する。
【0072】
ブレーキ装置73は、電気掃除機2が充電台3に装着されるとコードリール71の保持を解除する。換言すると、コードリール71は、電気掃除機2が充電台3に装着されると直流電力線11を巻き取る。
【0073】
ブレーキ装置73は、コードリール71に回転一体に設けられて環状に並ぶ複数の歯と、複数の歯のいずれかに噛み合ってコードリール71の回転を保持する噛み合わせ突起と、噛み合わせ突起が歯に噛み合うよう押さえつける力を発生させるばね75と、充電台3の外面に突出する検知片76と、検知片76が押し込まれるとばね75の力に抗して歯と噛み合わせ突起との噛み合わせを解いてコードリール71の保持を解除する機構、例えば梃子部77と、を備えている。噛み合わせ突起、検知片76、および梃子部77は、一体に揺動する機構であることが好ましい。梃子部77は、検知片76が押し込まれる力を歯と噛み合わせ突起との噛み合わせを解く力に変換できる態様において、複数の節と少なくとも1つの対偶78とを有するリンク機構であっても良いし、同様の機能を発揮する他の機構、例えばスライド機構であっても良い。検知片76は、基部41から突出して充電台3に装着された電気掃除機2の重量によって吸込口体25に押し込まれるよう配置されていることが好ましい。また、検知片76は、支持台42から突出して充電台3に装着された電気掃除機2の重量によって掃除機本体22に押し込まれるよう配置されていても良い。
【0074】
ブレーキ装置73は、アダプター12が第二電源装着部48に装着されるとコードリール71の保持を解除するものであっても良い。換言すると、コードリール71は、アダプター12が第二電源装着部48に装着されると直流電力線11を巻き取る。この場合、検知片76は、第二電源装着部48から突出して充電台3にアダプター12を装着する力によってアダプター12に押し込まれるよう配置されていれば良い。
【0075】
図6は、本実施形態に係る電気掃除装置の第一電源装着部の模式図である。
【0076】
図7は、本実施形態に係る電気掃除装置の第二電源装着部の模式図である。
【0077】
電気掃除機2および充電台3は、二次電池5が装着されているのか、アダプター12が装着されているのかを判別する機能を備えていることが好ましい。そこで、図6および図7に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1の二次電池5およびアダプター12のいずれか一方は、識別子としての突起81を備えている。
【0078】
電気掃除機2は、アダプター12および二次電池5のいずれが第一電源装着部28に装着されているのか検知する第一電源類型検知部82を備えている。第一電源装着部28にアダプター12が装着されていることを第一電源類型検知部82が検知している場合には、電気掃除機2の本体制御部32は、第一運転制御を実行して電動送風機29を運転する。二次電池5が第一電源装着部28に装着されていることを第一電源類型検知部82が検知している場合には、本体制御部32は、第二運転制御を実行して電動送風機29を運転する。
【0079】
コード運転態様を対象とする第一運転制御は、消費電力が大きく、吸引力の高い運転モード、例えば強運転モードで電動送風機29を常時運転可能であって、電気掃除機2の消費電力に制限なくユーザーの要求に応える制御態様である。コードレス運転態様を対象とする第二運転制御は、二次電池5の電池容量内で電気掃除機2を長時間運転できるよう消費電力を制限する、いわゆる省電力運転と呼ばれる制御態様である。第二運転制御は、コードレス運転下における長時間の運転の利便に応える。
【0080】
また、充電台3は、アダプター12および二次電池5のいずれが第一電源装着部28に装着されているのか検知する第二電源類型検知部83を備えている。アダプター12が第二電源装着部48に装着されていることを第二電源類型検知部83が検知している場合には、充電台3は、第二充電路53と直流電力線11とのループを避けるために断続機構65を動作させる。二次電池5が第二電源装着部48に装着されていることを第二電源類型検知部83が検知している場合には、充電台3は、第二充電路53を二次電池5に繋げるように断続機構65を動作させる。
【0081】
アダプター12が識別子としての突起81を備え、二次電池5が識別子としての突起81を備えていない場合について説明する。
【0082】
この場合、電気掃除機2の第一電源類型検知部82は、アダプター12の突起81に押し込まれるスイッチであれば良い。充電台3の第二電源類型検知部83は、突起81に作用する、アダプター12を第二電源装着部48に装着する力を断続機構65に伝える部材であれば良い。
【0083】
本体制御部32は、第一電源装着部28にアダプター12が装着されて第一電源類型検知部82が突起81を検知すると、第一運転制御を実行し、第一電源装着部28に二次電池5が装着されて第一電源類型検知部82が突起81を検知しなければ、第二運転制御を実行する。
【0084】
断続機構65は、第二電源装着部48にアダプター12が装着されて第二電源類型検知部83が突起81に押し込まれると、図7に実線で示すように端子62をアダプター12から待避させ、第二電源装着部48に二次電池5が装着されて第二電源類型検知部83が突起81に押し込まれなければ、二次電池5に接続されるよう図7に二点鎖線で示すように端子62の位置を変えずに維持する。
【0085】
第二電源類型検知部83は、ブレーキ装置73の検知片76を兼ねていても良い。アダプター12が第二電源装着部48に装着されると、検知片76を兼ねる第二電源類型検知部83によってコードリール71の保持が解除されてアダプター12に繋がる直流電力線11がコードリール71に巻き取られる。
【0086】
二次電池5が識別子としての突起81を備え、アダプター12が識別子としての突起81を備えていない場合について説明する。
【0087】
この場合、電気掃除機2の第一電源類型検知部82は、二次電池5の突起81に押し込まれるスイッチであれば良い。充電台3の第二電源類型検知部83は、突起81に作用する、二次電池5を第二電源装着部48に装着する力を断続機構65に伝える部材であれば良い。
【0088】
本体制御部32は、第一電源装着部28にアダプター12が装着されて第一電源類型検知部82が突起81を検知しなければ、第一運転制御を実行し、第一電源装着部28に二次電池5が装着されて第一電源類型検知部82が突起81を検知すれば、第二運転制御を実行する。
【0089】
断続機構65は、第二電源装着部48にアダプター12が装着されて第二電源類型検知部83が突起81に押し込まれなければ、端子62をアダプター12から待避した位置に維持し、第二電源装着部48に二次電池5が装着されて第二電源類型検知部83が突起81を検知すると、二次電池5に接続されるよう端子62を移動させる。
【0090】
次に、本実施形態に係る電気掃除装置1の他の例を説明する。なお、他の例で説明する電気掃除装置1Aにおいて電気掃除装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0091】
図8および図9は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の他の例の斜視図である。
【0092】
図8および図9に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1Aは、電気掃除機2へ給電可能な電源装置として、収納台としての機能を有していない電源装置を備えていても良い。図8は、コードレス運転態様を示し、図9は、コード運転態様を示している。アダプター12に代えて電気掃除機2に二次電池5を装着することで、ユーザーは、電気掃除機2をコードレス運転態様で利用できる。
【0093】
一般に、電気掃除機2は、充電台3よりも高い可搬性を有するよう設計される。換言すると、充電台3には電気掃除機2ほどの可搬性が要求されない。したがって、充電台3は、電気掃除機2に比べて重くて良い。同様に、電気掃除機2をコード運転態様で利用する際に、掃除機本体22に装着されるアダプター12は、単なるコネクターとしての機能を有していれば良く、種々の電気回路を内装するAC-DCコンバーター51よりも高い可搬性を有する。換言すると、AC-DCコンバーター51には掃除機本体22に装着されるアダプター12ほどの可搬性が要求されない。つまり、電気掃除機2をコード運転態様で利用する場合には、電源装置としての充電台3およびAC-DCコンバーター51の設置位置を極力移動させなくて済むように固定的に扱い、電源装置と電気掃除機2とを繋ぐ直流電力線11を引き回しながら電気掃除機2を大きく移動させて掃除を行うことが、ユーザーの便益に適う。仮にAC-DCコンバーター51を電気掃除機2に直接的に装着すれば、その重量は、スティック型やハンディ型のように小型かつ軽量で取り扱いに優れる電気掃除機2の利便性を損なわせる。そのため、交流電力線43の長さは、直流電力線11の長さよりも短くて良い。換言すると、直流電力線11の長さは、交流電力線43の長さよりも長い方が好ましい。
【0094】
直流電力線11の長さは、交流電力線43の長さの5倍以上長いことが好ましい。例えば、交流電力線43の長さは、1メートル程度あれば良く、直流電力線11の長さは、5メートル程度あれば良い。つまり、電源装置としての充電台3およびAC-DCコンバーター51は、商用交流電源から1メートル程度の範囲に配置され、電気掃除機2は、電源装置から5メートル程度の範囲で移動可能であれば良い。ここで、例えば10畳間の対角線は、約5.7メートルである。したがって、直流電力線11の長さが5メートル程度あれば、コード運転態様の電気掃除機2は、その全長と合わせて10畳間を掃除可能であって、配線用差込接続器の配置が良ければ、隣り合う20畳程度の範囲を移動することが可能である。
【0095】
以上のように構成される本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aは、商用交流電力をAC-DCコンバーター51へ導く交流電力線43と、AC-DCコンバーター51とアダプター12とを繋ぐ直流電力線11と、を備えている。直流電力線11の長さは、交流電力線43の長さよりも長い。つまり、電気掃除装置1、1Aは、交流電力を直流電力に整流し、降圧させる直流電源装置を掃除機本体とともに運ぶ必要のある従来の電気掃除機と異なり、AC-DCコンバーター51で交流電力を直流電力に整流し、降圧させる。そのため、電気掃除機2は、一般に重量が重く、搭載容積を大きく占有するAC-DCコンバーター51による重量増加、および大型化を退けることができる。また、電気掃除装置1、1Aは、電気掃除機2をコード運転態様で利用する場合には、電源装置としてのAC-DCコンバーター51の設置位置を極力移動させなくて済むように固定的に扱い、AC-DCコンバーター51と電気掃除機2とを繋ぐ直流電力線11を引き回しながら電気掃除機2を大きく移動させて掃除を行うことができる。そうすることで、電気掃除装置1、1Aは、スティック型やハンディ型のように小型かつ軽量で取り扱いに優れる電気掃除機2をコード運転態様で利用する場合であってもユーザーの利便性を損なうことがない。
【0096】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aは、交流電力線43の長さの5倍以上長い直流電力線11を備えている。そのため、電気掃除装置1、1Aは、電気掃除機2をコード運転態様で利用する場合であっても、電源装置としてのAC-DCコンバーター51の設置位置を固定的に扱い、電気掃除機2を大きく移動させて広範囲な掃除を行うことができる。
【0097】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aは、交流電力線43よりも柔軟な直流電力線11を備えている。AC-DCコンバーター51から電気掃除機2へ直流電力を送る直流電力線11の芯線は、商用交流電源からAC-DCコンバーター51へ交流電力を送る交流電力線43の芯線に比べて細くて良い。そのため、電気掃除装置1、1Aは、コード運転態様で電気掃除機2と電源装置との間に介在する直流電力線11の柔軟性を容易に高め、かつ直流電力線11の単位長さあたりの重量を交流電力線43の単位長さあたりの重量よりも軽くする。したがって、電気掃除装置1、1Aは、コード運転態様における電気掃除機2の取り扱いに優れている。
【0098】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aは、アダプターは、AC-DCコンバーター51よりも高い可搬性を有するアダプター12を備えている。つまり、電気掃除装置1、1Aは、交流電力を直流電力に整流し、降圧させる直流電源装置を掃除機本体とともに運ぶ必要のある従来の電気掃除機と異なり、電源装置に設けられるAC-DCコンバーター51で交流電力を直流電力に整流し、降圧させる。そのため、電気掃除機2は、一般に重量が重く、搭載容積を大きく占有するAC-DCコンバーター51による重量増加、および大型化を退けることができる。
【0099】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1は、充電台3に設けられるAC-DCコンバーター51と、二次電池5に代えて電気掃除機2の第一電源装着部28に着脱可能に装着されて電動送風機29の電源としてAC-DCコンバーター51の直流電力を給電可能なアダプター12を備えている。つまり、電気掃除装置1は、交流電力を直流電力に整流し、降圧させる直流電源装置を掃除機本体とともに運ぶ必要のある従来の電気掃除機と異なり、充電台3に設けられるAC-DCコンバーター51で交流電力を直流電力に整流し、降圧させる。そのため、電気掃除機2は、一般に重量が重く、搭載容積を大きく占有するAC-DCコンバーター51による重量増加、および大型化を退けることができる。また、AC-DCコンバーター51から電気掃除機2へ直流電力を送る直流電力線11の芯線は、商用交流電源からAC-DCコンバーター51へ交流電力を送る交流電力線43の芯線に比べて細くて良い。そのため、電気掃除装置1は、コード運転態様で電気掃除機2と充電台3との間に介在する直流電力線11の柔軟性を容易に高め、かつ直流電力線11の単位長さあたりの重量を交流電力線43の単位長さあたりの重量よりも軽くする。したがって、電気掃除装置1は、コード運転態様における電気掃除機2の取り扱いに優れている。
【0100】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aは、AC-DCコンバーター51の出力に繋がる第一充電端子56を備える電源装置と、第一充電端子56に接続されるとAC-DCコンバーター51の出力で二次電池5を充電する機内充電路58を備える電気掃除機2と、を備えている。そのため、電気掃除装置1、1Aは、充電機能と直流出力機能とを1つのAC-DCコンバーター51で兼務することができる。このことは、装置全体の重量、および費用の軽減に寄与する。
【0101】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電台3は、AC-DCコンバーター51を収容する基部41と、基部41から上方へ突出して電気掃除機2の重量の全部または一部を支持可能な支持台42と、を備えている。そのため、電気掃除装置1の充電台3は、重心が設置場所の床面に近く、設置姿勢の安定性が高い。このことは、電気掃除機2をコード運転態様で利用する場合の、充電台3の転倒の虞を軽減する。
【0102】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aの電源装置は、直流電力線11を引き出し可能に収納する電力線収納部47を備えている。そのため、電気掃除装置1、1Aは、コードレス運転態様で電気掃除機2を利用する際に、直流電力線11およびアダプター12が電源装置周囲の美観を損ねたり、掃除の邪魔になったりすることがない。
【0103】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aの電源装置は、電気掃除機2から取り外されている二次電池5をAC-DCコンバーター51の出力で充電する第二充電路53を備えている。換言すると、電源装置は、直流出力機能、電気掃除機2に装着されている二次電池5の充電機能、および電池単独充電機能を有している。電気掃除装置1、1Aは、電源装置のこれら機能によって、ユーザーに掃除機会を絶え間なく提供し続けることができる。
【0104】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aの電源装置は、アダプター12および二次電池5を択一的に装着可能な第二電源装着部48と、アダプター12が第二電源装着部48に装着された場合には、第二充電路53がアダプター12に接続されることを阻止し、二次電池5が第二電源装着部48に装着された場合には、第二充電路53を二次電池5に接続する断続機構65と、を備えている。そのため、電気掃除装置1、1Aは、コードレス運転態様で電気掃除機2を利用する際に、アダプター12が電源装置周囲の美観を損ねたり、掃除の邪魔になったりすることがない。
【0105】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電台3は、電気掃除機2が充電台3に装着されると直流電力線11を巻き取るコードリール71を備えている。そのため、電気掃除装置1は、コードレス運転態様で電気掃除機2を利用する際に、アダプター12および直流電力線11が充電台3周囲の美観を損ねたり、掃除の邪魔になったりすることがないよう、アダプター12および直流電力線11を容易に収納できる。
【0106】
また、本実施形態に係る電気掃除装置1の充電台3は、アダプター12が第二電源装着部48に装着されると直流電力線11を巻き取るコードリール71を備えていても良い。そのような電気掃除装置1は、コードレス運転態様で電気掃除機2を利用する際に、アダプター12および直流電力線11が充電台3周囲の美観を損ねたり、掃除の邪魔になったりすることがないよう、アダプター12および直流電力線11を容易に収納できる。
【0107】
さらに、本実施形態に係る電気掃除装置1、1Aの電気掃除機2は、アダプター12および二次電池5のいずれが第一電源装着部28に装着されているのか検知する第一電源類型検知部82と、アダプター12が第一電源装着部28に装着されている場合には第一運転制御を実行して電動送風機29を運転し、二次電池5が第一電源装着部28に装着されている場合には第二運転制御を実行して電動送風機29を運転する本体制御部32と、を備えている。そのため、電気掃除機2は、電源タイプに好適な電動送風機29の運転制御を容易に実行できる。この第一電源類型検知部82と同様な機能を有する第二電源類型検知部83を電源装置に設けることで、電源装置は、直流出力機能、電気掃除機2に装着されている二次電池5の充電機能、および電池単独充電機能を好適に提供できる。
【0108】
したがって、本発明に係る電気掃除装置1、1Aによれば、二次電池5および商用交流電源のいずれを電源とする場合であっても、取り扱いに優れ、利便性を高められる。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1、1A…電気掃除装置、2…電気掃除機、3…充電台、5…二次電池、11…直流電力線、12…アダプター、21…把手、22…掃除機本体、23…延長管、25…吸込口体、26…本体ケース、26a…前半部、26b…後半部、27…入力部、27a…運転開始スイッチ、27b…運転停止スイッチ、28…第一電源装着部、29…電動送風機、31…塵埃分離集塵部、32…本体制御部、33…報知部、35…本体接続口、36…吸込口、37…回転清掃体、38…電動機、41…基部、42…支持台、43…交流電力線、45…差込プラグ、46…支持部、47…電力線収納部、48…第二電源装着部、49…第二報知部、51…AC-DCコンバーター、52…第一充電路、53…第二充電路、55…第一電力線、56…第一充電端子、58…機内充電路、59…受電端子、61、62…端子、65…断続機構、71…コードリール、72…渦巻ばね、73…ブレーキ装置、75…ばね、76…検知片、77…梃子部、81…突起、82…第一電源類型検知部、83…第二電源類型検知部。
図1
図2
図3
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図7
図8
図9