(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007425
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】少なくとも1つの密閉ロック装置を有する蓋を備えたケトル
(51)【国際特許分類】
A47J 27/21 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47J27/21 101R
A47J27/21 101W
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104599
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】2206682
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール アルマン
(72)【発明者】
【氏名】クロエ スマル
(72)【発明者】
【氏名】シャルル マンソー
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA34
4B055BA04
4B055CA23
4B055CA38
4B055CA42
4B055CA64
4B055CA70
4B055CA82
4B055CC18
4B055CC27
4B055CC34
4B055CC37
4B055CD05
4B055CD54
(57)【要約】
【課題】ケトルが転倒した場合に沸騰水がケトルから流出する危険性を低減する。
【解決手段】ケトルであって、容器と、グリップハンドルと、注ぎ口と、容器と密封的に協働するように構成された環状シール(18)を備えた蓋(11)と、蓋(11)を容器に取り外し可能に固定するように構成され、容器に設けられたロック部材と、蓋(11)に可動に取り付けられたロック部材(19)であって、ロック部材(19)が蓋(11)に設けられた貫通開口部(21)を貫通して突出し、ロック部材と協働するように構成されたロック位置と、ロック部材(19)がロック部材を解放するように構成された解放位置との間にあるロック部材(19)と、貫通開口部(21)での密封を確実にするように構成されたシール部材(25)と、を含む固定装置を備える、ケトル。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトル(2)であって、
容器(4)であって、中心長手方向軸(A)を有し、水を収容することを意図し、水が加熱され、特に沸騰されることを意図する内部容積(5)を画定し、前記内部容積(5)に現れる上部充填開口部(6)を備えた、容器(4)と、
グリップハンドル(8)と、
前記容器(4)の長手方向中心軸(A)に対して、前記グリップハンドル(8)の反対側に位置するように構成された注ぎ口(9)と、
蓋(11)であって、前記上部充填開口部(6)に配置され、前記容器(4)を閉じるように構成され、前記容器(4)と密封的に協働するように構成された環状シール(18)を備えた、蓋(11)と、
前記蓋(11)を前記容器(4)に取り外し可能に固定するように構成された固定装置であって、前記蓋(11)に少なくとも部分的に収容され、蓋(11)に設けられた貫通開口部(21)を通して前記蓋(11)から突出するように構成された少なくとも1つのロック部材(19)と、前記容器(4)に設けられた少なくとも1つのロック要素(22)と、を備える固定装置と、を備え、
前記少なくとも1つのロック部材(19)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)が前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部(21)を通して突出し、前記蓋(11)を前記容器(4)に固定するように前記少なくとも1つのロック要素(22)と協働するように構成されたロック位置と、前記蓋(11)を前記容器(4)から取り外すことができるように、前記少なくとも1つのロック部材(19)が前記少なくとも1つのロック要素(22)を解放するように構成された解放位置との間で、前記蓋(11)に対して移動可能に取り付けられ、
前記固定装置は、前記環状シール(18)とは異なる、少なくとも1つのシール部材(25)をさらに含み、前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部部(21)でのシールを確実にするように構成されることを特徴とする、ケトル(2)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのロック部材(19)がロック位置を占めるとき、前記少なくとも1つのロック部材(19)は前記少なくとも1つのシール部材(25)を圧縮するように構成される、請求項1に記載のケトル(2)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシール部材(25)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)の周りに延びる、請求項1または2に記載のケトル(2)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシール部材(25)は前記蓋(11)に固定される、請求項1から3のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項5】
前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部(21)は、前記蓋(11)の外周面に現れ、前記環状シール(18)の下方に位置する、請求項1から4のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのロック部材(19)が、前記蓋(11)に対してスライド方向にスライド可能に取り付けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項7】
前記スライド方向は、前記蓋(11)の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる、請求項6に記載のケトル(2)。
【請求項8】
前記固定装置は、前記少なくとも1つのロック部材(19)を前記ロック位置にバイアスするように構成された戻し部材(24)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のケトル(2)。
【請求項9】
作動機構(26)であって、前記蓋(11)に設けられ、使用者によって作動されたときに、前記少なくとも1つのロック部材(19)を解放位置に変位させるように構成された、作動機構(26)を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項10】
前記作動機構(26)は、使用者が手動で作動させることができ、前記少なくとも1つのロック部材(19)をロック位置から解放位置に変位させるように構成された作動部材(27)を含み、前記作動部材(27)は、第1の作動位置と第2の作動位置との間で移動可能に取り付けられ、前記作動部材(27)および前記少なくとも1つのロック部材(19)は、前記作動部材(27)の第1の作動位置から第2の作動位置への変位が、前記少なくとも1つのロック部材(19)のロック位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される、請求項9に記載のケトル(2)。
【請求項11】
前記作動部材(27)は、作動軸を中心として前記蓋(11)に対して回転可能に取り付けられている、請求項10に記載のケトル(2)。
【請求項12】
前記作動部材(27)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)の一部が接触する少なくとも1つのカム面(29)を含む、請求項10または11に記載のケトル(2)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのカム面(29)で接触している前記少なくとも1つのロック部材(19)の一部は、前記少なくとも1つのロック部材(19)に設けられているラグ(31)である、請求項12に記載のケトル(2)。
【請求項14】
前記作動部材(27)は、使用者によって操作されるように構成された操作部(27.1)と、前記蓋(11)内に収容され、前記少なくとも1つのロック部材(19)と協働するように構成された作動部(27.2)とを含む、請求項10から13のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項15】
容器(4)に蓋(11)を固定するための単一の位置を画定するように構成された角度割出装置をさらに含む、請求項1から14のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項16】
前記内部容積(5)内に収容された水の沸騰中に前記内部容積(5)内で発生した蒸気を、内部容積(5)外に搬送するように構成された蒸気排出回路をさらに含む、請求項1から15のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項17】
バイメタル素子を含む電気機械制御装置を含み、前記蒸気排出回路は、前記内部容積(5)内で発生した蒸気を前記バイメタル素子に向けるように構成され、前記電気機械制御装置は、前記バイメタル素子の蒸気流入がケトルの加熱停止をトリガするように構成される請求項16に記載のケトル(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体加熱装置、特に電気ケトルの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の電気ケトルは、長手方向の中心軸を有し、水を収容することを意図した内部容積を区画し、水を加熱し、特に沸騰させることを意図した容器と、容器に固定されたグリップハンドルと、容器の長手方向中心軸に対してグリップハンドルの反対側に位置する注ぎ口と、上部充填口に配置され、容器を閉じるように構成された蓋と、蓋に固定され、上部充填開口部と密封的に協働するように構成された環状シールと、蓋を容器に取り外し可能に、つまり一時的かつ可逆的に固定するように構成された固定装置と、内部容積に収容された水の沸騰中に内部容積で発生した蒸気を、内部容積の外部、例えばケトルの外部に向けて搬送するように構成された蒸気排出回路と、を備える。
【0003】
固定装置は、例えば、少なくとも部分的に蓋に収容され、蓋に設けられた貫通開口部を通して蓋から突出するように構成された少なくとも1つのロック部材と、容器に設けられた少なくとも1つのロック要素とを含むことができる。
【0004】
少なくとも1つのロック部材は、少なくとも1つのロック部材が蓋に設けられた貫通開口部を通して突出し、蓋を容器に固定するように少なくとも1つのロック要素と協働するように構成されたロック位置と、蓋を容器から取り外すことができるように少なくとも1つのロック部材が少なくとも1つのロック要素を解放するように構成された解放位置との間で、蓋に対して移動可能に取り付けられる。
【0005】
このような電気ケトルを転倒させた場合、容器の内容積に収容された熱湯の一部が貫通口を介して蓋内に入り込み、蓋体に設けられた蒸気排出口を介して蓋外に流出しやすい。このような熱湯の流出は、使用者に火傷を負わせるおそれがある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、これらの欠点の全部または一部を改善することを目的とする。本発明の基礎となる技術的課題は、特に、簡単で経済的な構造でありながら、使用上の安全性が高いケトルを提供することにある。
【0007】
この目的のため、本発明は、ケトル、特に電気ケトルに関するものであり、ケトルは、
長手方向の中心軸を有し、水を収容することを意図した内部容積を画定し、水を加熱し、特に沸騰させることを意図した容器であって、該内部容積に出ている上部充填口を備える容器と、
グリップハンドルと、
容器の長手方向中心軸に対してグリップハンドルの反対側に位置するように構成された注ぎ口と、
上部充填口に配置され、容器を閉じるように構成された蓋であって、容器と、例えば上部充填口と密封的に協働するように構成された環状シールを備えた蓋と、
蓋を容器に取り外し可能に、つまり一時的かつ可逆的に固定するように構成された固定装置と、を備える。
【0008】
固定装置は、少なくとも部分的に蓋に収容され、蓋に設けられた貫通開口部を通して蓋から突出するように構成されたロックタブやロックフィンガーなどの少なくとも1つのロック部材と、容器に設けられたロックハウジングやロックノッチなどの少なくとも1つのロック要素とを備える。
【0009】
少なくとも1つのロック部材は、少なくとも1つのロック部材が蓋に設けられた貫通開口部を通して突出し、蓋を容器に固定するように少なくとも1つのロック要素と協働するように構成されたロック位置と、蓋を容器から取り外すことができるように少なくとも1つのロック部材が少なくとも1つのロック要素を解放するように構成された解放位置との間で、蓋に対して移動可能に取り付けられる。
【0010】
固定装置は、環状シールとは異なる少なくとも1つのシール部材を含み、蓋に設けられた貫通開口部部の密封を確実にするように構成される。
【0011】
固定装置のこのような構成、特にシール部材の存在により、ケトルが転倒した場合に貫通開口部部を介して蓋内に水が侵入することが防止され、したがって、ケトルが転倒した場合に沸騰水がケトルから流出する危険性が実質的に低減される。その結果、本発明によるケトルは、従来技術のケトルと比較して、使用の安全性が向上する。
ケトルはさらに、以下の特徴の1つまたはいくつかを単独で、または組み合わせて有し得る。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのシール部材は、少なくとも1つのロック部材および貫通開口部と密封状態で協働するように構成される。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのロック部材は、少なくとも1つのロック部材がロック位置を占めると、少なくとも1つのシール部材を圧縮するように構成される。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのシール部材は、少なくとも1つのロック部材に対して延び、例えば環状である。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのシール部材は蓋に固定される。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、蓋に設けられた貫通開口部は、蓋の外周面に現れ、環状シールの下方に位置する。したがって、少なくとも1つのロック部材は、少なくとも1つのロック部材がロック位置を占めるとき、環状シールの下方に部分的に延びるように構成される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのロック部材は、少なくとも1つのロック部材が解放位置を占めるとき、蓋の外周面から後退するか、または蓋の外周面と同一になるように構成される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのロック部材は、蓋に対してスライド方向にスライド可能に取り付けられている。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、スライド方向は、蓋の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる。このようなスライド方向は、少なくとも1つのロック部材がロック位置を占めるとき、容器に対する蓋の最適な固定を保証する。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、少なくとも1つのロック部材をロック位置にバイアスするように構成された戻し部材を含む。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、戻し部材は蓋に収容される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋に設けられた作動機構であって、使用者によって作動されたときに少なくとも1つのロック部材を解放位置に変位させるように構成された作動機構を含む。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、作動機構は、使用者が手動で作動させることができ、少なくとも1つのロック部材をロック位置から解放位置に変位させるように構成された作動部材を含む。
【0024】
作動部材は、第1の作動位置と第2の作動位置との間に移動可能に取り付けられ、作動部材および少なくとも1つのロック部材は、作動部材の第1の作動位置から第2の作動位置への変位が、少なくとも1つのロック部材のロック位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。作動機構のこのような構成は、使用者は、作動機構の簡単な作動によって蓋を取り外すことを可能にする。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、作動機構は、作動部材を第1の作動位置にバイアスするように構成されたバイアスばねなどのバイアス要素を含む。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、作動部材は、作動軸を中心として蓋に対して移動可能および回転可能に取り付けられている。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、作動軸は、蓋の中心軸に実質的に平行であり、例えば、蓋が容器に固定されるとき、容器の中心長手方向軸に実質的に平行であり得る。
本発明の一実施形態によれば、作動部材は、少なくとも1つのロック部材の一部が接触する少なくとも1つのカム面を含む。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのカム面に接触する少なくとも1つのロック部材の一部は、少なくとも1つのロック部材に設けられたラグである。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、作動部材が第1の作動位置から第2の作動位置へと変位されるとき、ラグは、少なくとも1つのカム面上にスライド接触し、少なくとも1つのカム面上をスライドすることによって作動部材に対して変位され、少なくとも1つのロック部材のロック位置から解放位置への変位を引き起こす。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、作動部材は、使用者によって操作されるように構成された操作部と、蓋に収容され、少なくとも1つのロック部材と協働するように構成された作動部とを含む。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、容器の長手方向中心軸は、容器が水平面上に静止しているときに実質的に垂直に延びるように構成される。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、上部充填口を区画する容器の上部に静止するように構成される。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、蓋は、貫通開口部が設けられ、環状シールが固定される蓋ケーシングと、蓋ケーシングに固定され、蓋ケーシングを覆う上部カバーとを含み、上部カバーと蓋ケーシングとは、少なくとも1つのロック部材が収容される蓋ハウジングを画定する。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのシール部材は蓋ハウジングに収容される。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、作動部材の作動部は蓋ハウジングに収容される。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、上部カバーは、作動部材が第1の作動位置と第2の作動位置との間で変位するときに、作動部材を回転可能にガイドするように構成されたガイドリブなどのガイド部材を含む。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、蓋に設けられ、蓋の中心軸を中心として分布する複数のロック部材を備える。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、固定装置は、蓋に設けられ、径方向に対向する2つのロック部材からなる。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、蓋を容器に固定するための単一の位置を規定するように構成された、フールプルーフ装置とも呼ばれる角度割り出し装置(angular indexing device)をさらに含む。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、角度割り出し装置は、容器に設けられた割り出しボスなどの割り出し要素と、蓋に設けられ、蓋を容器に固定する際に割り出し要素と協働するように構成された割り出しハウジングなどの割り出し部材とを含む。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、内部容積に収容された水の沸騰中に内部容積で発生した蒸気を、内部容積の外側、例えばケトルの外側に向けて搬送するように構成された蒸気排出回路をさらに含む。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、蒸気排出回路は、蓋に設けられた少なくとも1つの蒸気排出口、例えば1つまたは複数の蒸気排出口を含む。本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの蒸気排出口は蓋の上面に出ている。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、蒸気排出回路は、
蓋に設けられ、蓋の下面に出て前記蓋の下面の周縁に近接する第1蒸気入口オリフィスおよび第2蒸気入口オリフィスであって、前記容器によって画定された内部容積に流体連通するように構成され、注ぎ口とグリップハンドルとを通るケトルの中央垂直面のいずれかの側に配置される、第1蒸気入口オリフィスおよび前記第2蒸気入口オリフィスと、
蓋で仕切られた内部チャンバーと
第1の蒸気流路とも呼ばれる第1の蒸気導管であって、第1蒸気入口オリフィスに流体的に接続された第1の蒸気入口開口と、内部チャンバに現れる第1の蒸気出口開口とを備える第1の蒸気導管と、第2の蒸気入口オリフィスに流体的に接続された第2の蒸気入口開口と、内部チャンバ内に現れる第2の蒸気出口開口とを備える、第2の蒸気流路とも呼ばれる第2の蒸気導管と、を備える。
【0044】
このような第1および第2の蒸気入口オリフィスの配置は、ケトルが転倒した場合に熱湯がケトルから流出する危険性を回避するか、少なくとも実質的に制限することが可能にする。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの蒸気出口開口は、蓋によって区画された内部チャンバに流体連通しており、少なくとも1つの蒸気出口開口は、内部チャンバに収容された蒸気を蓋の外側、例えばケトルの外側に向けて排出することを可能にするように構成される。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、バイメタル素子を含む電気機械制御装置を含み、蒸気排出回路は、内部容積で発生した蒸気をバイメタル素子に向けるように構成され、電気機械制御は、バイメタル素子への蒸気流入がケトルの加熱停止をトリガするように構成される。
【0047】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの蒸気排出口は、内部チャンバに収容された蒸気をバイメタル要素に向けるように構成される。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、蓋ケーシングは、互いに固定され、内部チャンバを区画する下部ケーシングと上部ケーシングとを含む。
【0049】
本発明の一実施形態によれば、内部チャンバーは蓋ハウジングの下に位置している。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの蒸気排出口は、蓋ハウジング内に現れる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、蒸気排出回路は、蓋ケーシングに設けられ、例えば上部ケーシングに設けられ、内部チャンバを蓋ハウジングに流体連通するように構成された少なくとも1つの通路孔を含む。したがって、内部チャンバに収容された蒸気は、少なくとも1つの通路孔、蓋ハウジング、および少なくとも1つの蒸気排出口を介して、蓋の外側に向かって流れることができる。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの通水孔は蓋の後部に設けられる。したがって、使用者が容器から水を注ぐためにケトルを強く傾け、水が第1および第2の蒸気導管を介して内部チャンバに侵入したとしても、内部チャンバに侵入した水は、蓋の前部に向かって、したがって少なくとも1つの通過孔から離れた位置に導かれる。その結果、少なくとも1つの通過孔のこのような配置により、注湯作業中に少なくとも1つの蒸気排出口を介して水が流れる危険性が制限される。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、蒸気排出回路は複数の通路孔を含む。有利には、通路孔は、例えば蓋の中心軸を中心として規則的に分布している。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、ケトルは、ケトルがひっくり返り、グリップハンドルおよび容器の第1の側面が水平面上に安定して載置されるとき、第1蒸気入口オリフィスが水の上に位置するように構成される。ケトルが傾いたとき、グリップハンドルと容器の第2側面が水平面上に安定して載置されるように、第2蒸気入口オリフィスは内部容積の水面よりも上に位置する。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2の蒸気出口開口は、ケトルの中央垂直面のいずれかの側に配置されるように構成される。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2の蒸気入口オリフィスは、蓋の下面の前半分に位置する。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2の蒸気出口開口は、内部チャンバの後部に配置される。第1および第2の蒸気出口開口のこのような配置は、使用者がケトルを前方および下方に傾けて受け皿に熱湯を注ぐ際に、(第1および第2の蒸気入口オリフィスならびに第1および第2の蒸気導管を介して)水が蓋に流入する危険性を制限する。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2の蒸気出口開口は、注ぎ口から離れる方向、すなわちケトルの後方に向くように構成される。これらの配置は、使用者がケトルを前方および下方に傾斜させて受け皿に熱湯を注ぐ際に、(第1および第2の蒸気入口ならびに第1および第2の蒸気導管を介して)水が蓋に流入する危険性を更に制限する。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、第1および第2の蒸気導管は、蓋によって区切られた内部チャンバに収容される。
【0060】
本発明の一実施形態によれば、第1の蒸気導管は、第1蒸気入口オリフィスに流体接続された第1の一次導管部分と、第1の一次導管部分から延びる第2の一次導管部分とを含む。第2の一次導管部分はケトルの後方に向かって湾曲し、第2の蒸気導管は、第2の蒸気入口オリフィスに流体接続された第1の二次導管部分と、第1の二次導管部分から延びる第2の二次導管部分とを含み、第2の二次導管部分はケトルの後方に向かって湾曲する。
【0061】
これらの配置は、使用者がケトルを前方および下方に傾斜させて受け皿に熱湯を注ぐ際に、(第1および第2の蒸気入口オリフィスならびに第1および第2の蒸気導管を介して)水が蓋に流れ込む危険性を更に制限する。
本発明の一実施形態によれば、容器は注ぎ口を含む。
本発明の一実施形態によれば、容器は、内部容積の下に位置し、内部容積に収容された水を加熱するように構成された加熱底部を含む。有利には、加熱底部は、電気加熱要素を収容する。本発明の一実施形態によれば、ケトルは容器を載せるための支持台を含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、本発明によるケトルの上面透視図である。
【
図5】
図5は、蓋の下部ケーシングが堆積した
図3の蓋の底面透視図である。
【
図6】
図6は、
図3の蓋に設けられた作動機構と2つの固定部材の底面透視図である。
【
図9】
図9は、蓋の上部カバーが堆積した
図3の蓋の上面透視図である。
【
図12】
図12は、
図1のケトルの部分側面図であり、ケトルが水平面上に倒され、ケトルのグリップハンドルと容器の左横側面とが水平面上に載る安定位置を占めている状態を示している。
【
図13】
図13は、
図1のケトルの部分側面図であり、ケトルが水平面上に倒され、ケトルのグリップハンドルと容器の右横側面とが水平面上に載る安定した位置を占めている状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1-
図15は、本発明によるケトル2、特に電気ケトルを表している。
【0064】
ケトル2は、電源コード(図示せず)によって電気的に給電されるように構成された支持ベース(図示せず)と、支持ベース上に載るように構成された容器4とを含む。
【0065】
容器4は、容器4が水平面上に静止しているときに実質的に垂直に延びるように構成された中心長手軸Aを有する。有利には、容器4は、中心長手方向軸Aを中心に回転する一般的な形状を有する。容器4は、水を収容するための内部容積5を区画し、その内部で水を加熱し、特に沸騰させることを意図している。容器4はさらに、内部容積5内に現れる上部充填口6を備える。
【0066】
容器4はさらに、内部容積5の下に位置し、内部容積5に収容された水を加熱するように構成された加熱底部7を含む。公知の態様において、加熱底部7は、容器4が支持台上に静止しているときに電力が供給されるように構成された電気加熱要素(図示せず)を収容する。
【0067】
ケトル2はさらに、容器4に固定されたグリップハンドル8と、容器4の中心長手軸Aに関してグリップハンドル8の反対側に位置する注ぎ口9とを含む。注ぎ口9は、例えば容器4に固定されることができる。
【0068】
ケトル2はさらに、容器4の上部に設けられた環状の肩部に載り、容器4を閉じるように構成された蓋11を含む。蓋11は、より詳細には、上部充填開口部6に配置され、上部充填開口部6を密封的に閉鎖するように構成される。蓋11は、容器4の内部容積5に面して配置されるように構成された下面12と、容器4から離れる方向に面するように構成された上面13とを備える。
【0069】
図に示す本発明の実施形態によれば、蓋11は、互いに固定された下部ケーシング14.1および上部ケーシング14.2を含む蓋ケーシング14を含み、これらのケーシング14.1および上部ケーシング14.2は、その機能を後述する内部チャンバ15を画定する。蓋11はさらに、上部ケーシング14.2に固定され、上部ケーシング14.2を覆う上部カバー16を含む。上部カバー16と上部ケーシング14.2は、蓋ハウジング17(
図9参照)を区画し、その機能については後述する。
【0070】
蓋11はまた、蓋ケーシング14、より詳細には上部ケーシング14.2に固定され、蓋ケーシング14の周りに延びる環状シール18を含む。環状シール18は、容器4、より詳細には上部充填口6と密封的に協働するように構成される。
【0071】
ケトル2はさらに、蓋11を容器4に取り外し可能な方法で、すなわち一時的かつ可逆的な方法で固定するように構成された固定装置を含む。
【0072】
図に示す実施形態によれば、固定装置は、蓋11に設けられ、蓋11の中心軸の周りに分布する、ロックフィンガまたはロックラッチのような複数のロック部材19を含み、より詳細には、蓋11の中心軸に対して径方向に対向する2つのロック部材19を含む。
【0073】
各ロック部材19は、蓋ハウジング17に収容され、蓋11の外周面、より詳細には蓋ケーシング14の外周面、および環状シール18の下方に現れるそれぞれの貫通開口部21を通って、蓋11から突出するように構成される。図に示す実施形態によれば、各貫通開口部21は、上蓋16と下側および上側ケーシング14.1、14.2を通って延びる。
【0074】
固定装置は、容器4の内面に設けられ、上部充填口6の近くに位置する少なくとも1つのロック要素22を含む。図に示す実施形態によれば、固定装置は単一のロック要素22を含み、後者は容器4の加熱底部7に面し、上部充填開口部6を部分的に区画する周辺リムによって形成される。
【0075】
ロック部材19は、特に、蓋11が容器4に固定されるときに、周辺リムの下縁に当接するように構成される。しかし、本発明の変形例によれば、固定装置は、複数のロック要素22を含むことができ、後者は、例えば、ロック部材19をそれぞれ収容するように構成されたロックハウジング又はロックノッチであることができる。
【0076】
ロック部材19は、スライド方向に、蓋11に対してスライド可能に取り付けられ、各ロック部材19がそれぞれの貫通開口部21を通って蓋ケーシング14から突出し、蓋11を容器4に固定するようにそれぞれのロック要素22と協働するように構成されるロック位置と、蓋11を容器4から取り外すことができるように、各ロック部材19がそれぞれのロック要素22を解放するように構成される解放位置との間にある。有利には、スライド方向は、蓋11の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる。
【0077】
各ロック部材19は、例えば、ロック部材19が解放位置を占めるときに、蓋11の外周面から後退するように、または蓋11の外周面と同一になるように構成することができる。
【0078】
有利には、各ロック部材19は、蓋11が上部充填開口部6に導入されたときに容器4と協働するように構成された端面取りなどの傾斜面23を含み、ロック部材19を自動的に解放位置に変位させる。固定装置のこのような構成は、蓋11を容器4に容易に固定することを可能にする。
【0079】
図示の実施形態によれば、固定装置は、蓋ハウジング17に収容され、ロック部材19をロック位置にバイアスするように構成されたコイルばねなどの戻し部材24を含む。戻し部材24は、例えば、2つのロック部材19の間に介在され、ロック部材19と実質的に同軸に延びることができる。
【0080】
固定装置はさらに、蓋ハウジング17に収容され、環状シール18とは異なる2つのシール部材25を含む。2つのシール部材25はそれぞれ、蓋11に設けられたそれぞれの貫通開口部21のシールを確実にするように構成される。
【0081】
各シール部材25は蓋11、例えば上部カバー16に固定される。各シール部材25は環状であり、それぞれのロック部材19を中心に延びる。したがって、各シール部材25は、それぞれの貫通開口部21およびそれぞれのロック部材19と密封的に協働するように、より特に構成される。有利には、各ロック部材19は、ロック部材19がロック位置を占めるとき、それぞれのシール部材25を圧縮するように構成される。ロック部材19のこのような構成は、それぞれの貫通開口部21における密封性をさらに向上させる。
【0082】
図6により詳細に示すように、ケトル2は、蓋11に設けられ、作動機構26が使用者によって作動されたときにロック部材19を解放位置に変位させるように構成された作動機構26を含む。
【0083】
作動機構26は、より詳細には、使用者が手動で作動させることができ、ロック部材19をロック位置から解放位置に変位させるように構成された作動部材27を含む。有利には、作動部材27は、例えば蓋11の中心軸と平行な作動軸を中心に、蓋11に対して回転可能に取り付けられ、第1の作動位置と第2の作動位置との間にある。上部カバー16は、例えば、作動部材27が第1の作動位置と第2の作動位置との間で変位するときに作動部材27を回転可能にガイドするように構成された、蓋11の中心軸を中心として延びる環状ガイドリブなどのガイド部材28(
図11参照)を含むことができる。
【0084】
作動部材27およびロック部材19は、作動部材27の第1の作動位置から第2の作動位置への変位が、ロック部材19のロック位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される。
【0085】
図示の実施形態によれば、作動部材27は、2つのカム面29を含み、各ロック部材19は、それぞれのカム面29と接触するラグ31を含む。各ラグ31は、作動部材27が第1の作動位置から第2の作動位置へ変位するとき、各ラグ31が各カム面29上をスライドすることによって作動部材27に対して変位し、各ロック部材19のロック位置から解放位置への変位を引き起こすように、各カム面29上でスライド接触している。
【0086】
有利には、作動機構26は、蓋ハウジング17に収容され、一方では作動部材27に支承され、他方では蓋11に支承されるバイアスばねなどのバイアス要素32を含み、作動部材27を第1の作動位置にバイアスするように構成される。
【0087】
図に表された実施形態によれば、作動部材27は、使用者によって操作されるように構成された操作部27.1と、円盤の一般的な形状を有し、蓋ハウジング17に収容され、ロック部材19と協働するように構成された作動部27.2とを含む。
【0088】
図2および
図5により詳細に示すように、ケトル2は、容器4上に蓋11を固定するための単一の位置を規定するように構成された、フールプルーフ装置とも呼ばれる角度割り出し装置を含む。角度割り出し装置は、例えば、容器4に設けられた割り出しタブ又は割り出しボスなどの少なくとも1つの割り出し要素33と、蓋11に設けられ、蓋11を容器4に固定する際に割り出し要素33と協働するように構成された、割り出しハウジングなどの少なくとも1つの割り出し部材34とを含むことができる。
【0089】
ケトル2はまた、内部容積5内に収容された水を沸騰させる間に内部容積5内で発生した蒸気を、内部容積5の外側、例えばケトル2の外側に向けて搬送するように構成された蒸気排出回路を含む。
【0090】
蒸気排出回路は、特に、蓋11に設けられ、蓋11の下面12に現れ、蓋11の下面12の周縁に近接する第1蒸気入口オリフィス35および第2蒸気入口オリフィス36を備える。蓋11が容器4に固定され、容器4が水平面上に静止しているとき、第1および第2の蒸気入口オリフィス35、36は、容器4によって区画され、容器4の最大充填レベルより上の内部容積5内に現れる。
【0091】
図に示す実施形態によれば、第1および第2の蒸気入口オリフィス35、36は、注ぎ口9およびグリップハンドル8を通るケトル2の中央垂直面Pのいずれかの側に配置され、有利には、ケトル2の中央垂直面Pに対して対称に配置される。
【0092】
図に示す実施形態によれば、第1および第2の蒸気入口オリフィス35、36は、蓋11の下面12の前半分に位置する。
【0093】
図5により詳しく示すように、蒸気排出回路はまた、第1蒸気入口オリフィス35に流体接続された第1の蒸気入口開口部および蓋11によって区画された内部チャンバ15内に出ている第1の蒸気出口開口370を備える、第1の蒸気導管37と、第2の蒸気入口オリフィス36に流体接続された第2の蒸気入口開口部および内部チャンバ15内に出ている第2の蒸気出口開口380を備える、蒸気導管38と、を備える。有利には、第1および第2の蒸気導管37、38は、内部チャンバ15内に収容され、それぞれフローチューブによって形成される。
【0094】
第1および第2の蒸気出口開口350,360は、より詳細には、ケトル2の中央垂直面Pのいずれかの側に配置されるように構成され、有利には、ケトル2の中央垂直面Pに対して対称に配置されるように構成される。図に示す実施形態によれば、第1および第2の蒸気出口開口350,360は、内部チャンバ15の後部に配置され、注ぎ口9から離れる方向、すなわちケトル2の後部に向かう方向、したがってグリップハンドル8に向かう方向に向くように構成される。
【0095】
第1の蒸気導管37は、例えば、容器4が水平面上に静止しているときに、第1の蒸気導管37に収容された水を第1蒸気入口オリフィス35に向けてガイドするように、水平面に対して傾斜するように構成することができる。
【0096】
同様に、第2の蒸気導管38は、例えば、容器4が水平面上に静止しているときに、第2の蒸気導管38に収容された水を第2の蒸気入口オリフィス36に向けてガイドするように、水平面に対して傾斜するように構成することができる。
【0097】
蒸気排出回路は、蓋11に設けられ、蓋11によって区画された内部チャンバ15に流体連通する複数の蒸気排出口39をさらに備える。蒸気排出口39は、内部チャンバ15に収容された蒸気を蓋11の外側、例えばケトル2の外側に向けて排出できるように構成される。
【0098】
図示の実施形態によれば、蒸気排出口39は蓋11の上面13に現れ、蓋ハウジング17、および蓋ケーシング14、より詳細には上側ケーシング14.2に設けられ、内部チャンバ15を蓋ハウジング17に流体連通させるように構成された通路孔41とを介して、内部チャンバ15に流体連通している。
【0099】
図12および
図13により詳しく示すように、ケトル2は、ケトル2がひっくり返され、グリップハンドル8と容器4の第1の側方、即ち左側が水平面上に安定に静止しているとき、第1蒸気入口オリフィス35が内部容積5内の水位より上方に位置するように構成される。ケトル2はまた、ケトル2がひっくり返され、グリップハンドル8および容器4の第2の側方、即ち右側が水平面上に安定に静止しているとき、第2の蒸気入口オリフィス36が内部容積5内の水位よりも上方に位置する、ように構成される。
【0100】
図示しない本発明の実施形態によれば、ケトル2は、バイメタル素子を含む電気機械制御装置を含み得る。
【0101】
蒸気排出回路は、蓋11によって区画された内部チャンバ15に流体連通するように構成され、内部チャンバ15に収容された蒸気をバイメタル素子に向けて導くように構成された少なくとも1つの蒸気排出口39を含むことができ、電気機械制御装置は、バイメタル素子への蒸気流入がケトル2の加熱停止をトリガするように構成される。
【0102】
バイメタル素子は、例えば、グリップハンドル8に配置することができる。この場合、少なくとも1つの蒸気排出口39は蓋11の後部に設けられ、グリップハンドル8側に向くように構成される。
【0103】
本発明の変形例によれば、バイメタル素子は容器4の下部に配置されることができる。この場合、少なくとも1つの蒸気排出口39は、蓋11の後部に設けられ、容器4内に配置され、バイメタル要素に流体連通している蒸気管に流体連通するように構成される。
【0104】
図示しない本発明の別の実施形態によれば、作動部材27は、例えば蓋11の上面13からアクセス可能で、2つのロック部材19上にそれぞれ配置された2つの操作要素を含むことができる。2つの操作要素は、例えば、2つの操作要素を挟むことによって、すなわち、2つの操作要素を互いに近づけることによって、ロック部材19を解放位置に変位させるように構成され得る。
【0105】
もちろん、本発明は、例示のためにのみ記載され図示された実施形態に決して限定されるものではない。本発明の保護範囲から逸脱することなく、特に様々な要素の構成の観点から、または技術的同等物の代用により、変更が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケトル(2)であって、
容器(4)であって、中心長手方向軸(A)を有し、水を収容することを意図し、水が加熱され、特に沸騰されることを意図する内部容積(5)を画定し、前記内部容積(5)に現れる上部充填開口部(6)を備えた、容器(4)と、
グリップハンドル(8)と、
前記容器(4)の長手方向中心軸(A)に対して、前記グリップハンドル(8)の反対側に位置するように構成された注ぎ口(9)と、
蓋(11)であって、前記上部充填開口部(6)に配置され、前記容器(4)を閉じるように構成され、前記容器(4)と密封的に協働するように構成された環状シール(18)を備えた、蓋(11)と、
前記蓋(11)を前記容器(4)に取り外し可能に固定するように構成された固定装置であって、前記蓋(11)に少なくとも部分的に収容され、蓋(11)に設けられた貫通開口部(21)を通して前記蓋(11)から突出するように構成された少なくとも1つのロック部材(19)と、前記容器(4)に設けられた少なくとも1つのロック要素(22)と、を備える固定装置と、を備え、
前記少なくとも1つのロック部材(19)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)が前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部(21)を通して突出し、前記蓋(11)を前記容器(4)に固定するように前記少なくとも1つのロック要素(22)と協働するように構成されたロック位置と、前記蓋(11)を前記容器(4)から取り外すことができるように、前記少なくとも1つのロック部材(19)が前記少なくとも1つのロック要素(22)を解放するように構成された解放位置との間で、前記蓋(11)に対して移動可能に取り付けられ、
前記固定装置は、前記環状シール(18)とは異なる、少なくとも1つのシール部材(25)をさらに含み、前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部部(21)でのシールを確実にするように構成されることを特徴とする、ケトル(2)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのロック部材(19)がロック位置を占めるとき、前記少なくとも1つのロック部材(19)は前記少なくとも1つのシール部材(25)を圧縮するように構成される、請求項1に記載のケトル(2)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシール部材(25)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)の周りに延びる、請求項1または2に記載のケトル(2)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシール部材(25)は前記蓋(11)に固定される、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項5】
前記蓋(11)に設けられた前記貫通開口部(21)は、前記蓋(11)の外周面に現れ、前記環状シール(18)の下方に位置する、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのロック部材(19)が、前記蓋(11)に対してスライド方向にスライド可能に取り付けられている、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項7】
前記スライド方向は、前記蓋(11)の中心軸に対して実質的に半径方向に延びる、請求項6に記載のケトル(2)。
【請求項8】
前記固定装置は、前記少なくとも1つのロック部材(19)を前記ロック位置にバイアスするように構成された戻し部材(24)を含む、請求項1から2のいずれか一項に記載のケトル(2)。
【請求項9】
作動機構(26)であって、前記蓋(11)に設けられ、使用者によって作動されたときに、前記少なくとも1つのロック部材(19)を解放位置に変位させるように構成された、作動機構(26)を含む、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項10】
前記作動機構(26)は、使用者が手動で作動させることができ、前記少なくとも1つのロック部材(19)をロック位置から解放位置に変位させるように構成された作動部材(27)を含み、前記作動部材(27)は、第1の作動位置と第2の作動位置との間で移動可能に取り付けられ、前記作動部材(27)および前記少なくとも1つのロック部材(19)は、前記作動部材(27)の第1の作動位置から第2の作動位置への変位が、前記少なくとも1つのロック部材(19)のロック位置から解放位置への変位を引き起こすように構成される、請求項9に記載のケトル(2)。
【請求項11】
前記作動部材(27)は、作動軸を中心として前記蓋(11)に対して回転可能に取り付けられている、請求項10に記載のケトル(2)。
【請求項12】
前記作動部材(27)は、前記少なくとも1つのロック部材(19)の一部が接触する少なくとも1つのカム面(29)を含む、請求項10に記載のケトル(2)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのカム面(29)で接触している前記少なくとも1つのロック部材(19)の一部は、前記少なくとも1つのロック部材(19)に設けられているラグ(31)である、請求項12に記載のケトル(2)。
【請求項14】
前記作動部材(27)は、使用者によって操作されるように構成された操作部(27.1)と、前記蓋(11)内に収容され、前記少なくとも1つのロック部材(19)と協働するように構成された作動部(27.2)とを含む、請求項10に記載のケトル(2)。
【請求項15】
容器(4)に蓋(11)を固定するための単一の位置を画定するように構成された角度割出装置をさらに含む、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項16】
前記内部容積(5)内に収容された水の沸騰中に前記内部容積(5)内で発生した蒸気を、内部容積(5)外に搬送するように構成された蒸気排出回路をさらに含む、請求項1から2のいずれか1項に記載のケトル(2)。
【請求項17】
バイメタル素子を含む電気機械制御装置を含み、前記蒸気排出回路は、前記内部容積(5)内で発生した蒸気を前記バイメタル素子に向けるように構成され、前記電気機械制御装置は、前記バイメタル素子の蒸気流入がケトルの加熱停止をトリガするように構成される請求項16に記載のケトル(2)。
【外国語明細書】