(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074266
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】ガルバニック絶縁を提供する集積回路、及びそれを含む装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
H01L27/04 L
H01L27/04 C
H01L27/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194403
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0155818
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520051230
【氏名又は名称】ウェラング・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 鐘泰
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038BE07
5F038EZ20
(57)【要約】
【課題】ガルバニック絶縁を提供する集積回路、及びそれを含む装置を提供する。
【解決手段】第1集積回路を含み、第1集積回路は、第1導電層に配された第1パターンを含む第1インダクタ、並びに第1導電層に配され、第1インダクタと電気的に連結された第1電極、及び第1導電層上の第2導電層に配され、第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第2電極を含む第1キャパシタを含む装置でもある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1集積回路を含む装置であり、
前記第1集積回路は、
第1導電層に配された第1パターンを含む第1インダクタと、
前記第1導電層に配され、前記第1インダクタと電気的に連結された第1電極、及び前記第1導電層上の第2導電層に配され、第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第2電極を含む第1キャパシタと、を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1電極は、前記第1導電層において、前記第1パターンによって取り囲まれ、前記第2電極と垂直方向に重畳されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1集積回路は、
前記第1導電層に配された第2パターンを含み、前記第1インダクタに電気的に連結された第2インダクタと、
前記第1導電層に配され、前記第2インダクタと電気的に連結された第3電極、及び前記第2導電層に配され、第2ボンディングワイヤと電気的に連結された第4電極を含む第2キャパシタと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第3電極は、前記第2パターンによって取り囲まれ、前記第4電極と垂直方向に相互重畳されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1集積回路は、前記第1導電層に配され、前記第1パターン及び前記第2パターンが連結される第3パターンをさらに含み、
前記第3パターンは、低いインピーダンスノードに電気的に連結されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第1集積回路は、前記第1インダクタ及び前記第2インダクタに基づく共振周波数を有する信号を生成するように構成されたキャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記第1インダクタは、
前記第2導電層に配された第4パターンと、
前記第1導電層と前記第2導電層との間の少なくとも1つの導電層に配された少なくとも1つの第5パターンと、
前記第1パターン、前記第4パターン、及び前記少なくとも1つの第5パターンのうち相互隣接した2個のパターンを連結するビアと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第4パターンと前記第2電極との距離は、前記第1電極と前記第2電極との距離以上であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1集積回路から離隔された第2集積回路をさらに含み、
前記第1ボンディングワイヤは、前記第1集積回路と前記第2集積回路とを連結することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2集積回路は、
前記第1インダクタと同一構造を有するインダクタと、
前記第1キャパシタと同一構造を有するキャパシタと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2集積回路は、
第3導電層に配された第3インダクタと、
前記第3導電層上の第4導電層に配された第6パターンを含み、前記第1インダクタと誘導結合された第4インダクタと、
前記第6パターンによって取り囲まれ、前記第4インダクタ及び第1ボンディングワイヤと電気的に連結されるパターンと、を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
第1集積回路を含む装置であり、
前記第1集積回路は、
第1導電層に配された第1パターンを含む第1インダクタと、
前記第1導電層上の第2導電層に配され、前記第1インダクタと誘導結合された第2インダクタと、
前記第1導電層に配され、前記第1インダクタと電気的に連結された第1電極、及び前記第2導電層に配され、第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第2電極を含む第1キャパシタと、を含み、
前記第2電極は、前記第2インダクタから絶縁されることを特徴とする装置。
【請求項13】
前記第1集積回路は、
前記第1導電層に配された第2パターンを含む第3インダクタと、
前記第2導電層に配され、前記第3インダクタと誘導結合された第4インダクタと、
前記第1導電層に配され、前記第3インダクタと電気的に連結された第3電極、及び前記第2導電層に配され、第2ボンディングワイヤと電気的に連結された第4電極を含む第2キャパシタと、をさらに含み、
前記第3電極は、前記第4インダクタから絶縁されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1集積回路は、前記第1導電層に配され、前記第1パターン及び前記第2パターンを連結する第3パターンをさらに含み、
前記第3パターンは、低いインピーダンスノードに電気的に連結されることを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1集積回路は、前記第2インダクタ及び前記第4インダクタに基づく共振周波数を有する信号を生成するように構成されたキャパシタをさらに含むことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第1インダクタは、
前記第1導電層と前記第2導電層との間の少なくとも1つの導電層に配された少なくとも1つの第4パターンと、
前記第1パターンと、前記少なくとも1つの第4パターンのうち相互隣接した2個のパターンと、を連結するビアをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記第1電極は、前記第1導電層において、前記第1パターンによって取り囲まれ、
前記第2電極は、前記第2導電層において、前記第2インダクタによって取り囲まれることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記第2インダクタと前記第2電極との距離は、前記第1電極と前記第2電極との距離以上であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1集積回路から離隔された第2集積回路をさらに含み、
前記第1ボンディングワイヤは、前記第1集積回路と前記第2集積回路とを連結することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記第2集積回路は、
前記第1インダクタと同一構造を有する第5インダクタと、
前記第2インダクタと同一構造を有する第6インダクタと、
前記第1キャパシタと同一構造を有する第3キャパシタと、を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第2集積回路は、
第3導電層に配された第5パターンを含む第7インダクタと、
前記第3導電層に配され、前記第7インダクタと電気的に連結された第5電極、及び前記第3導電層上の第4導電層に配され、前記第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第6電極を含む第4キャパシタと、を含み、
前記第5電極は、前記第3導電層において、前記第5パターンによって取り囲まれ、前記第6電極と垂直方向に重畳されることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記第2集積回路は、
第5導電層に配された第8インダクタと、
前記第5導電層上の第6導電層に配された第6パターンを含み、前記第1インダクタと誘導結合された第9インダクタと、
前記第6パターンによって取り囲まれ、前記第9インダクタ及び第1ボンディングワイヤと電気的に連結されるパターンと、を含むことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路及びその装置に係り、詳細には、ガルバニック絶縁を提供する集積回路、及びそれを含む装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基準電位が異なる回路間において信号を送受信するために、絶縁型ドライバ(isolation driver)が使用されうる。例えば、ガルバニック絶縁(galvanic isolation)は、基準電位が異なる回路間において電流フローを遮断しながら、信号の伝達を可能にする原理を称することができ、ガルバニック絶縁に基づく絶縁型ドライバは、ガルバニックアイソレータ(galvanic isolator)とも称される。多様なアプリケーションにおいて、絶縁型ドライバを求める需要が増大しており、それにより、高効率性及び高信頼度を提供するガルバニックアイソレータが要求されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、高効率性及び高信頼度をいずれも有するガルバニック絶縁を提供する集積回路、及びそれを含む装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の技術的思想の一態様による装置は、第1集積回路を含み、該第1集積回路は、第1導電層に配された第1パターンを含む第1インダクタ、並びに該第1導電層に配され、第1インダクタと電気的に連結された第1電極、及び第1導電層上の第2導電層に配され、第1ボンディングワイヤ(bonding wire)と電気的に連結された第2電極を含む第1キャパシタを含むものでもある。
【0005】
本開示の例示的実施形態により、第1電極は、第1導電層において、第1パターンによって取り囲まれ、第2電極と垂直方向に重畳されうる。
【0006】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第1導電層に配された第2パターンを含み、第1インダクタに電気的に連結された第2インダクタ、第1導電層に配され、第2インダクタと電気的に連結された第3電極及び第2導電層に配され、第2ボンディングワイヤと電気的に連結された第4電極を含む第2キャパシタをさらに含むものでもある。
【0007】
本開示の例示的実施形態により、第3電極は、第2パターンによって取り囲まれ、第4電極と垂直方向に相互重畳されうる。
【0008】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第1導電層に配され、第1パターン及び第2パターンが連結される第3パターンをさらに含み、該第3パターンは、低いインピーダンスノードに電気的に連結されうる。
【0009】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第1インダクタ及び第2インダクタに基づく共振周波数を有する信号を生成するように構成されたキャパシタをさらに含むものでもある。
【0010】
本開示の例示的実施形態により、第1インダクタは、第2導電層に配された第4パターン、第1導電層と第2導電層との間の少なくとも1つの導電層に配された少なくとも1つの第5パターン、並びに第1パターン、第4パターン、及び少なくとも1つの第5パターンのうち相互隣接した2個のパターンを連結するビアをさらに含むものでもある。
【0011】
本開示の例示的実施形態により、第4パターンと第2電極との距離は、第1電極と第2電極との距離以上でもある。
【0012】
本開示の例示的実施形態により、装置は、第1集積回路から離隔された第2集積回路をさらに含み、第1ボンディングワイヤは、第1集積回路と第2集積回路とを連結することができる。
【0013】
本開示の例示的実施形態により、第2集積回路は、第1インダクタと同一構造を有するインダクタ、及び第1キャパシタと同一構造を有するキャパシタを含むものでもある。
【0014】
本開示の例示的実施形態により、第2集積回路は、第3導電層に配された第3インダクタ、第3導電層上の第4導電層に配された第6パターンを含み、該第1インダクタと誘導結合された第4インダクタ、及び第6パターンによって取り囲まれ、該第4インダクタ及び第1ボンディングワイヤと電気的に連結されるパターンを含むものでもある。
【0015】
本開示の技術的思想の一態様による装置は、第1集積回路を含み、該第1集積回路は、第1導電層に配された第1パターンを含む第1インダクタ、第1導電層上の第2導電層に配され、第1インダクタと誘導結合された第2インダクタ、並びに第1導電層に配され、該第1インダクタと電気的に連結された第1電極、及び第2導電層に配され、第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第2電極を含む第1キャパシタを含み、該第2電極は、第2インダクタから絶縁されうる。
【0016】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第1導電層に配された第2パターンを含む第3インダクタ、第2導電層に配され、該第3インダクタと誘導結合された第4インダクタ、並びに該第1導電層に配され、該第3インダクタと電気的に連結された第3電極、及び第2導電層に配され、第2ボンディングワイヤと電気的に連結された第4電極を含む第2キャパシタをさらに含み、該第3電極は、該第4インダクタから絶縁されうる。
【0017】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第1導電層に配され、第1パターン及び第2パターンを連結する第3パターンをさらに含み、該第3パターンは、低いインピーダンスノードに電気的に連結されうる。
【0018】
本開示の例示的実施形態により、第1集積回路は、第2インダクタ及び第4インダクタに基づく共振周波数を有する信号を生成するように構成されたキャパシタをさらに含むものでもある。
【0019】
本開示の例示的実施形態により、第1インダクタは、第1導電層と第2導電層との間の少なくとも1つの導電層に配された少なくとも1つの第4パターン、及び第1パターンと、少なくとも1つの第4パターンのうち相互隣接した2個のパターンと、を連結するビアをさらに含むものでもある。
【0020】
本開示の例示的実施形態により、第1電極は、第1導電層において、第1パターンによって取り囲まれ、第2電極は、第2導電層において、第2インダクタによって取り囲まれうる。
【0021】
本開示の例示的実施形態により、第2インダクタと第2電極との距離は、第1電極と第2電極との距離以上でもある。
【0022】
本開示の例示的実施形態により、装置は、第1集積回路から離隔された第2集積回路をさらに含み、第1ボンディングワイヤは、第1集積回路と第2集積回路とを連結することができる。
【0023】
本開示の例示的実施形態により、第2集積回路は、第1インダクタと同一構造を有する第5インダクタ、第2インダクタと同一構造を有する第6インダクタ、及び第1キャパシタと同一構造を有する第3キャパシタを含むものでもある。
【0024】
本開示の例示的実施形態により、第2集積回路は、第3導電層に配された第5パターンを含む第7インダクタ、及び第3導電層に配され、該第7インダクタと電気的に連結された第5電極、及び該第3導電層上の第4導電層に配され、第1ボンディングワイヤと電気的に連結された第6電極を含む第4キャパシタを含み、該第5電極は、該第3導電層において、該第5パターンによって取り囲まれ、該第6電極と垂直方向に重畳されうる。
【0025】
本開示の例示的実施形態により、第2集積回路は、第5導電層に配された第8インダクタ、該第5導電層上の第6導電層に配された第6パターンを含み、第1インダクタと誘導結合された第9インダクタ、及び該第6パターンによって取り囲まれ、該第9インダクタ及び第1ボンディングワイヤと電気的に連結されるパターンを含むものでもある。
【発明の効果】
【0026】
本開示の例示的実施形態による集積回路及びその装置によれば、半導体工程によって製造される集積回路において、ガルバニック絶縁が効果的に具現され、それにより、多様なアプリケーションにおいて、ガルバニック絶縁が容易に採用されうる。
【0027】
また、本開示の例示的実施形態による集積回路及びその装置によれば、信号の急激な変化による誤動作が防止され、それにより、高い信頼度を有するガルバニック絶縁が提供されうる。
【0028】
本開示の例示的実施形態で得ることができる効果は、以上で言及された効果に制限されるものではなく、言及されていない他の効果は、以下の記載から、本開示の例示的実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者によって明確に導き出されて理解されうる。すなわち、本開示の例示的実施形態を実施することによる意図されえない効果も、本開示の例示的実施形態から、当該技術分野の通常の知識を有する者によって導き出されうる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示の例示的実施形態によるシステムを示すブロック図である。
【
図2】本開示の例示的実施形態により、
図1の信号を示すタイミング図である。
【
図3A】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す回路図である。
【
図3B】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す回路図である。
【
図3C】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す回路図である。
【
図4A】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図4B】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図4C】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図5】本開示の例示的実施形態による、
図4Cの線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータの断面を示す断面図である。
【
図6A】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図6B】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図6C】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図7】本開示の例示的実施形態による、
図6Cの線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータの断面を示す断面図である。
【
図8】本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。
【
図9】本開示の例示的実施形態による、
図8の線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータの断面を示す断面図である。
【
図10A】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10B】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10C】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10D】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10E】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10F】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10G】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【
図10H】本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の実施形態は、当業界において平均的な知識を有する者に、本発明についてさらに完全に説明するために提供されるものである。本発明は、多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を有しうるが、特定実施形態を図面に例示し、詳細に説明する。しかしながら、それは、本発明を特定の開示形態について限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されなければならない。それぞれの図面について説明しながら、類似した参照符号を類似した構成要素について使用する。添付図面において、構造物の寸法は、本発明の明確性を期するために、実際より拡大されていたり縮小されていたりして図示されている。
【0031】
本出願で使用された用語は、単に特定実施形態についての説明に使用されたものであり、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴、数、段階、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1、またはそれ以上の他の特徴、数、段階、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0032】
取り立てて定義されない限り、技術的であったり科学的であったりする用語を含み、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるところと同一の意味を有する。一般的に使用される事前に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願で明白に定義されない限り、理想的であったり、過度に形式的であったりする意味に解釈されるものではない。
【0033】
本明細書において、X軸方向及びY軸方向は、第1水平方向及び第2水平方向とそれぞれ称され、Z軸方向は、垂直方向と称されうる。X軸及びY軸によってなる平面は、水平面と称され、他の構成要素より相対的に+Z方向に配された構成要素は、他の構成要素上にあると称され、他の構成要素より相対的に-Z方向に配された構成要素は、他の構成要素の下にあると称されうる。また、構成要素の面積は、水平面と平行な面において構成要素が占める大きさを称し、構成要素の幅は、構成要素が延長される方向と直交する方向の長さを称しうる。+Z方向に露出された表面は、上面(top surface)と称され、-Z方向に露出された表面は、下面(bottom surface)と称され、±X方向または±Y方向に露出された表面は、側面と称されうる。図解の便宜上、図面において、一部層だけが図示され、配線層のような伝導層のパターンにように、伝導性物質によって構成されるパターンは、伝導性パターンと称され、単にパターンとも称される。
【0034】
図1は、本開示の例示的実施形態によるシステム100を示すブロック図である。
図1に図示されているように、システム100は、送信機120、ガルバニックアイソレータ140及び受信機160を含むものでもある。送信機120及び受信機160は、例えば、異なる基準電位GND1,GND2(
図10A)をそれぞれ有することができ、ガルバニックアイソレータ140は、送信機120と受信機160との間において、情報を含む信号を伝達することができる。本明細書において、システム100は、装置と称されうる。
【0035】
一部実施形態において、システム100は、TV・PC(personal computer)のような電子機器、車両、PM(personal mobility)のような運送手段などでもあり、前述のものに含まれる部品でもある。一部実施形態において、システム100は、半導体工程によって製造された半導体パッケージに対応しうる。例えば、送信機120、ガルバニックアイソレータ140及び受信機160は、少なくとも1つの集積回路(チップまたはダイ)に含まれ、システム100は、少なくとも1つの集積回路がパッケージングされた半導体パッケージに対応しうる。図面を参照して後述されるように、1つの半導体パッケージによってガルバニック絶縁が提供され、それにより、多様なアプリケーションにおいて、ガルバニック絶縁が容易に採用されうる。
【0036】
送信機120は、変調器122を含むものでもある。変調器122は、入力信号INを受信することができ、入力信号INを変調することによって変調された信号MODを生成することができる。一部実施形態において、変調器122は、OOK(on/off keying)に基づき、入力信号INから変調された信号MODを生成することができる。入力信号INは、受信機160に提供する情報を含み、送信機120内部で生成されたり、送信機120の外部から受信されたりしうる。一部実施形態において、ガルバニックアイソレータ140は、インダクタを含み、変調器122は、ガルバニックアイソレータ140に含まれたインダクタに基づく共振周波数を使用して変調された信号MODを生成することができる。入力信号IN及び変調された信号MODの例示が、
図2を参照して後述される。
【0037】
ガルバニックアイソレータ140は、送信機120から変調された信号MODを受信することができ、変調された信号MODから誘導された信号MOD’を生成することができる。一部実施形態において、誘導された信号MOD’は、変調された信号MODから減衰された信号に対応しうる。図面を参照して後述されるように、ガルバニックアイソレータ140は、相互直列連結されたキャパシタ及びインダクタを含み、インダクタ及びキャパシタは、1つの集積回路に具現されうる。誘導結合されたインダクタを利用し、変調された信号を伝送することができ、インダクタ間の物理的距離を確保し、絶縁耐圧を満足させることができる。同様に、キャパシタを利用し、変調された信号を伝送することができ、キャパシタ両端電極間の距離を確保し、絶縁耐圧を満足させることができる。
【0038】
受信機160は、復調器162を含むものでもある。復調器162は、誘導された信号MOD’を受信することができ、誘導された信号MOD’を復調することにより、出力信号OUTを生成することができる。一部実施形態において、復調器162は、OOK(on/off keying)に基づき、誘導された信号MOD’から出力信号OUTを生成することができる。出力信号OUTは、入力信号INに含まれた情報を含むものでもある。一部実施形態において、出力信号OUTを増幅するドライバが、受信機160に含まれるか、あるいは受信機160の外部において、システム100に含まれるものでもある。一部実施形態において、ガルバニックアイソレータ140は、インダクタを含み、復調器162は、ガルバニックアイソレータ140に含まれたインダクタに基づく共振周波数を使用して誘導された信号MOD’を処理することができる。
【0039】
図2は、本開示の例示的実施形態による、
図1の信号を示すタイミング図である。
図2は、例示に過ぎず、
図1の信号は、
図2の例示に制限されるものではないという点が留意される。図解の便宜上、
図2において、信号間遅延は、無視される。以下において、
図2は、
図1を参照して説明される。
【0040】
図2を参照すれば、入力信号INは、活性化状態または非活性化状態を有するパルス信号でもある。例えば、
図2に図示されているように、入力信号INは、時間t1及び時間t3で活性化されうる一方、時間t2及び時間t4で非活性化されうる。変調器122は、入力信号INの活性化に応答して振動する変調された信号MODを生成することができる。例えば、
図2に図示されているように、変調された信号MODは、時間t1ないし時間t2で振動し、時間t3ないし時間t4で振動しうる。
【0041】
ガルバニックアイソレータ140は、振動した変調された信号MODから、振動する誘導された信号MOD’を生成することができる。例えば、
図2に図示されているように、誘導された信号MOD’は、時間t1ないし時間t2で振動することができ、時間t3ないし時間t4で振動しうる。
図2に図示されているように、誘導された信号MOD’の大きさ(すなわち、振幅または尖頭値)は、変調された信号MODよりも小さい。復調器162は、振動する誘導された信号MOD’に応答して活性化された出力信号OUTを生成することができる。例えば、
図2に図示されているように、出力信号OUTは、時間t1ないし時間t2で活性化され、時間t3ないし時間t4で活性化されうる。
【0042】
図3Aないし
図3Cは、本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す回路図である。例えば、
図3Aないし
図3Cの回路図は、
図1のガルバニックアイソレータ140の等価回路を示す。一部実施形態において、
図10Aないし
図10Hを参照して後述されるように、
図1のガルバニックアイソレータ140は、
図3Aないし
図3Cのガルバニックアイソレータ300a,300b,300cのうち2個以上がカスケードされた構造を含むものでもある。以下において、
図3Aないし
図3Cに係わる説明において、相互重複される内容は、省略されるのである。
【0043】
一部実施形態において、
図1の変調された信号MOD、及び誘導された信号MOD’は、差動(differential)信号でもあり、ガルバニックアイソレータ300a,300b,300cそれぞれは、変調された信号MODを受信する端子P11,P12、及び誘導された信号MOD’が出力される端子P21,P22を含むものでもある。また、ガルバニックアイソレータ300a,300b,300cそれぞれは、センタータップ(center tap)端子P13を含み、センタータップ端子P13は、低いインピーダンスノードに連結されうる。一部実施形態において、変調された信号MODが端子P21,P22に印加され、誘導された信号MOD’が端子P11,P12に出力されうる。
図3Aないし
図3Cに図示されているように、ガルバニックアイソレータ300a,300b,300cは、差動信号のためにバランシングされた(balanced)構造を有しうる。
【0044】
図3Aを参照すれば、ガルバニックアイソレータ300aは、相互直列連結された第1インダクタL1及び第2インダクタL2を含むものでもある。また、ガルバニックアイソレータ300aは、端子P11と端子P21との間において、第1キャパシタC1を含み、端子P12と端子P22との間において、第2キャパシタC2を含むものでもある。
図3Aに図示されているように、第1キャパシタC1、第1インダクタL1、第2インダクタL2及び第2キャパシタC2は、順次に直列連結されうる。送信側及び受信側は、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2によって相互絶縁され(isolated)、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2それぞれは、要件による絶縁耐圧を有しうる。
【0045】
信号の伝達特性を高めるために、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2が高いキャパシタンスを有する場合、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2による誤動作が生じうる。例えば、
図1の受信機160または受信機160の出力信号に基づいて動作するドライバにおいて、大きい電圧変化(すなわち、高いdv/dt)が生じる場合、第1キャパシタC1及び/または第2キャパシタC2を介し、
図1の送信機120に大きい電流が伝達され、それにより、送信機120に含まれた回路が誤動作するか、あるいは甚だしくは破壊されうる。
【0046】
第1インダクタL1及び第2インダクタL2は、入力端子P11,P12で共振する変調された信号MODを生成するのに使用されうる。受信側においても、同一の共振周波数を有する共振回路が提供される場合、誘導された信号MOD’は、変調された信号MODから微弱に減衰されるか、あるいは減衰されず、それにより、改善された信号対ノイズ比(SNR:signal to noise ratio)に起因し、受信側で誘導された信号MOD’が容易に処理されうる。第1インダクタL1及び第2インダクタL2によって定義される共振周波数に起因し、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2のキャパシタンスは、制限されたキャパシタンスを有することができ、それにより、大きい電圧変化(すなわち、高いdv/dt)による影響を低減させることができる。
図3Aのガルバニックアイソレータ300aの例示が、
図4Aないし
図4Cを参照して後述される。
【0047】
図3Bを参照すれば、ガルバニックアイソレータ300bは、相互直列連結されたインダクタL11,L12、及び相互直列連結されたインダクタL21,L22を含むものでもある。インダクタL11,L12は、インダクタL21,L22とそれぞれ誘導結合され、結合係数(coupling coefficient)kを有しうる。それにより、端子P11,P12に印加された交流信号(すなわち、変調された信号MODの交流成分)に対応する交流信号(すなわち、誘導された信号MOD’の交流成分)が第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を介し、端子P21,P22に生成されうる。このとき、誘導結合されているインダクタは、高周波信号を伝達する役割を行うことができ、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2は、絶縁耐圧を満足させる役割を行うことができる。類似して、交流信号(すなわち、誘導された信号MOD’の交流成分)が、端子P11,P12に生成され、端子P21,P22に印加された交流信号(すなわち、変調された信号MODの交流成分)から、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を介し、インダクタL21,L22に印加された交流信号に対応しうる。
図3Aを参照して説明されたところと類似し、インダクタL11,L12及びインダクタL21,L22は、共振する信号の生成に使用されうる。
図3Bのガルバニックアイソレータ300bの例示が、
図6Aないし
図6Cを参照して後述される。
【0048】
図3Cを参照すれば、ガルバニックアイソレータ300cは、相互直列連結されたインダクタL11,L12、及び相互直列連結されたインダクタL21,L22を含むものでもある。インダクタL11,L12は、インダクタL21,L22とそれぞれ誘導結合され、結合係数k’を有しうる。それにより、交流信号(すなわち、誘導された信号MOD’の交流成分)が端子P21,P22に生成され、端子P11,P12に印加された交流信号(すなわち、変調された信号MODの交流成分)に対応しうる。このとき、誘導結合されているインダクタは、高周波信号を伝達する役割を行うと共に、絶縁耐圧を満足させる役割を行わなければならないので、インダクタL11,L21の間、及びインダクタL12,L22の間は、絶縁耐圧を満足させるための適切な間隔で相互離隔されてもいる。類似して、交流信号(すなわち、誘導された信号MOD’の交流成分)が、端子P11,P12に生成され、端子P21,P22に印加された交流信号(すなわち、変調された信号MODの交流成分)から、第1キャパシタC1及び第2キャパシタC2を介し、インダクタL21,L22に印加された交流信号に対応しうる。
図3Aを参照して説明されたところと類似し、インダクタL11,L12及びインダクタL21,L22は、共振する信号を生成するのに使用されうる。
図3Cにおけるガルバニックアイソレータ300cの例示が、
図8及び
図9を参照して後述される。
【0049】
図3Aのガルバニックアイソレータ300a、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bの場合、絶縁維持機能は、キャパシタC1,C2によって提供され、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cの場合、誘導結合されているインダクタ間の物理的離隔距離によって提供されうる。ガルバニックアイソレータ300a,300b,300cいずれも、電圧変化(すなわち、dv/dt)による電流量は、寄生キャパシタによって主に決定されうる。例えば、
図3Aのガルバニックアイソレータ300a、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bにおける電流量は、キャパシタC1,C2によって決定され、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cにおける電流量は、誘導結合されているインダクタ間の寄生キャパシタによって決定されうる。従って、
図3Aのガルバニックアイソレータ300a、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bの場合、キャパシタC1,C2のキャパシタンスは、任意に設定可能であるが、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cの場合、インダクタの面積、絶縁離隔距離、及び絶縁体の誘電率に影響を受けるために、任意にキャパシタンスを決定することが容易ではない。従って、
図3Aのガルバニックアイソレータ300a、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bが電圧変化(すなわち、dv/dt)によって生じた電流を制御することを容易にすることができる。
【0050】
図4Aないし
図4Cは、本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。例えば、
図4Aないし
図4Cの斜視図は、
図3Aのガルバニックアイソレータ300aの例示を示す。
図3Aを参照して説明されたように、ガルバニックアイソレータ400aないし400cは、差動信号に基づき、バランシングされた構造を有しうる。例えば、第1インダクタL1及び第2インダクタL2は、相互同一(例えば、対称的な)構造を有しうる。以下において、
図4Aないし
図4Cは、
図3Aを参照して説明されるが、
図4Aないし
図4Cに係わる説明において、相互重複される内容は、省略されるのである。
【0051】
図4Aを参照すれば、ガルバニックアイソレータ400aは、半導体工程によって製造される集積回路に含まれるものでもある。例えば、該集積回路は、半導体工程に含まれた一連のサブ工程によってそれぞれ形成されて積層される複数の導電層を含み、ガルバニックアイソレータ400aは、導電層に配されたパターンを含むものでもある。
図4Aに図示されているように、第1インダクタL1は、第1導電層Mpに配された第1パターンT1を含み、第2インダクタL2は、第1導電層Mpに配された第2パターンT2を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ400aは、第1導電層Mpにおいて、第1インダクタL1、すなわち、第1パターンT1と、第2インダクタL2、すなわち、第2パターンT2とを連結する第3パターンT3を含み、第3パターンT3に連結された第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0052】
第1キャパシタC1は、第1導電層Mpに配された第1電極E11、及び第1導電層Mp上の第2導電層Mxに配された第2電極E12を含むものでもある。類似して、第2キャパシタC2は、第1導電層Mpに配された第1電極E21、及び第2導電層Mxに配された第2電極E22を含むものでもある。第1キャパシタC1の第2電極E12は、
図3Aの端子P21に対応し、第2キャパシタC2の第2電極E22は、
図3Aの端子P22に対応しうる。一部実施形態において、第1キャパシタC1の第2電極E12、及び第2キャパシタC2の第2電極E22は、集積回路の外部に露出され、ボンディングワイヤが連結されるパッドや、パッドに連結されうる。
【0053】
ガルバニックアイソレータ400aは、第1キャパシタC1の第1電極E11と、第1インダクタL1とを連結するために、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の第3導電層Mqにおいて延長される第4パターンT4を含み、第4パターンT4は、
図3Aの端子P11に対応しうる。また、ガルバニックアイソレータ400aは、第2キャパシタC2の第1電極E21と、第2インダクタL2とを連結するために、第3導電層Mqにおいて延長される第5パターンT5を含み、第5パターンT5は、
図3Aの端子P12に対応しうる。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0054】
図4Bを参照すれば、第1インダクタL1は、第1導電層Mpに配された第1パターンT1を含み、第2インダクタL2は、第1導電層Mpに配された第2パターンT2を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ400bは、第1導電層Mpにおいて、第1インダクタL1、すなわち、第1パターンT1と、第2インダクタL2、すなわち、第2パターンT2とを連結する第3パターンT3を含み、第3パターンT3に連結された第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0055】
第1キャパシタC1は、第1導電層Mpに配された第1電極E11、及び第2導電層Mxに配された第2電極E12を含むものでもある。類似して、第2キャパシタC2は、第1導電層Mpに配された第1電極E21、及び第2導電層Mxに配された第2電極E22を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ400bは、第1キャパシタC1の第1電極E11と第1インダクタL1とに電気的に連結され、第3導電層Mqにおいて延長される第4パターンT4を含み、第2キャパシタC2の第1電極E21と第2インダクタL2とに電気的に連結され、第3導電層Mqにおいて延長される第5パターンT5を含むものでもある。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0056】
図4Aのガルバニックアイソレータ400aと比較すれば、
図4Bのガルバニックアイソレータ400bにおいて、第1キャパシタC1の第1電極E11は、第1インダクタL1の第1パターンT1によって取り囲まれ、第1キャパシタC1の第2電極E12と垂直方向、すなわち、Z軸方向に重畳されうる。類似して、第2キャパシタC2の第1電極E21は、第2インダクタL2の第2パターンT2によって取り囲まれ、第2キャパシタC2の第2電極E22と垂直方向、すなわち、Z軸方向に重畳されうる。それにより、ガルバニックアイソレータ400bは、小さくなった面積を有しうる。
【0057】
図4Cを参照すれば、第1インダクタL1は、第1導電層Mpに配されたパターンT11、第2導電層Mxに配されたパターンT13、及び第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の第4導電層Mrに配されたパターンT12を含むものでもある。一部実施形態において、パターンT11,T12,T13は、X軸及びY軸によってなる平面において、同一形状を有することができ、ビアを介して相互連結されうる。それにより、第1インダクタL1は、低減された寄生抵抗を有しうる。類似して、第2インダクタL2は、第1導電層Mpに配されたパターンT21、第2導電層Mxに配されたパターンT23、及び第4導電層Mrに配されたパターンT22を含むものでもある。パターンT21,T22,T23は、X軸及びY軸によってなる平面において、同一形状を有することができ、ビアを介して相互連結されうる。それにより、第2インダクタL2は、低減された寄生抵抗を有しうる。図解の便宜のために、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の1層の導電層、すなわち、第4導電層Mrに配されたパターンT12,T22だけが図示されているが、
図5を参照して後述されるように、第1インダクタL1及び第2インダクタL2それぞれは、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の複数の導電層においてそれぞれ配されたパターンを含むものでもある。
図4Cに図示されているように、第1インダクタL1のパターンT11,T12,T13は、第2インダクタL2のパターンT21,T22,T23とそれぞれ連結され、第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0058】
第1キャパシタC1は、第1導電層Mpに配された第1電極E11と、第2導電層Mxに配された第2電極E12と、を含むものでもある。類似して、第2キャパシタC2は、第1導電層Mpに配された第1電極E21と、第2導電層Mxに配された第2電極E22と、を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ400cは、第1キャパシタC1の第1電極E11と第1インダクタL1とに電気的に連結され、第3導電層Mqにおいて延長される第4パターンT4を含み、第2キャパシタC2の第1電極E21と第2インダクタL2とに電気的に連結され、第3導電層Mqにおいて延長される第5パターンT5を含むものでもある。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0059】
図5は、本開示の例示的実施形態による、
図4Cの線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータ500の断面を示す断面図である。以下において、
図5は、
図3A及び
図4Cを参照して説明される。
【0060】
図5を参照すれば、第1インダクタL1は、第1導電層Mpに配されたパターンと、第2導電層Mxに配されたパターンと、を含み、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の導電層においてそれぞれ配されたパターンを含むものでもある。第1インダクタL1のパターンにおいて垂直方向、すなわち、Z軸方向に相互隣接した2個のパターンは、ビアを介して相互連結されうる。それにより、第1インダクタL1は、低減された寄生抵抗を有しうる。
【0061】
図5に図示されているように、第1導電層Mpに配されたパターンの厚み(または、高さ)H1は、第2導電層Mxに配されたパターンの厚み(または、高さ)H2よりも小さい。第1インダクタL1と第1キャパシタC1との間に絶縁体が充填され、第1キャパシタC1の第1電極E11と第2電極E12との間に誘電体が充填されうる。一部実施形態において、第1キャパシタC1の第2電極E12と第1インダクタL1(または、第2導電層Mxのパターン)との第2距離D2は、第1キャパシタC1の第1電極E11と第2電極E12との間の第1距離D1以上でもある。
【0062】
図6Aないし
図6Cは、本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。例えば、
図6Aないし
図6Cの斜視図は、
図3Bのガルバニックアイソレータ300bの例示を示す。
図3Bを参照して説明されたように、ガルバニックアイソレータ600aないし600cは、差動信号に基づき、バランシングされた構造を有しうる。例えば、
図3BのインダクタL11,L12は、相互同一(例えば、対称的)構造を有することができ、
図3BのインダクタL21,L22は、相互同一(例えば、対称的)構造を有しうる。以下において、
図6Aないし
図6Cは、
図3Bを参照して説明されるが、
図6Aないし
図6Cに係わる説明において、相互重複される内容は、省略されるのである。
【0063】
図6Aを参照すれば、ガルバニックアイソレータ600aは、半導体工程によって製造される集積回路に含まれるものでもある。例えば、該集積回路は、半導体工程に含まれた一連のサブ工程によってそれぞれ形成されて積層される複数の導電層を含み、ガルバニックアイソレータ600aは、導電層に配されたパターンを含むものでもある。
図6Aに図示されているように、インダクタL21は、第1導電層Mpに配されたパターンT11を含み、インダクタL22は、第1導電層Mpに配されたパターンT21を含むものでもある。また、インダクタL11は、第1導電層Mp上の第2導電層Mxに配されたパターンT12を含み、インダクタL12は、第2導電層Mxに配されたパターンT22を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ600aは、第1導電層Mpにおいて、パターンT11とパターンT21とを連結するパターンT31を含み、第2導電層Mxにおいて、パターンT12とパターンT22とを連結するパターンT32を含むものでもある。パターンT31に連結された第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0064】
第1キャパシタC1は、第1導電層Mpに配された第1電極E11、及び第2導電層Mxに配された第2電極E12を含むものでもある。類似して、第2キャパシタC2は、第1導電層Mpに配された第1電極E21、及び第2導電層Mxに配された第2電極E22を含むものでもある。第1キャパシタC1の第2電極E12は、
図3Bの端子P21に対応し、第2キャパシタC2の第2電極E22は、
図3Bの端子P22に対応しうる。一部実施形態において、第1キャパシタC1の第2電極E12、及び第2キャパシタC2の第2電極E22は、集積回路の外部に露出され、ボンディングワイヤが連結されるパッドや、パッドに連結されうる。
【0065】
ガルバニックアイソレータ600aは、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の第3導電層Mqにおいて、第1キャパシタC1の第1電極E11と、インダクタL21とに連結されたパターン(T41)を含み、ビアを介してインダクタL11に連結されたパターンT42を含み、パターンT42は、
図3Bの端子P11に対応しうる。また、ガルバニックアイソレータ600aは、第3導電層Mqにおいて、第2キャパシタC2の第1電極E21とインダクタL22とに連結されたパターンT51を含み、ビアを介してインダクタL12に連結されたパターンT52を含み、パターンT52は、
図3Bの端子P12に対応しうる。一部実施形態において、パターンT41,T42,T51,T52は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0066】
図6Bを参照すれば、インダクタL21は、第1導電層Mpに配されたパターンT11を含み、インダクタL22は、第1導電層Mpに配されたパターンT21を含むものでもある。インダクタL11は、第2導電層Mxに配されたパターンT12を含み、インダクタL12は、第2導電層Mxに配されたパターンT22を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ600bは、第1導電層Mpにおいて、パターンT11,T21を連結するパターンT31、及び第2導電層Mxにおいて、パターンT12,T22を連結するパターンT32を含むものでもある。パターンT31に連結された第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0067】
ガルバニックアイソレータ600bは、第3導電層Mqに配され、ビアを介してパターンT12に連結された第4パターンT4を含み、第3導電層Mqに配され、ビアを介してパターンT22に連結された第5パターンT5を含むものでもある。第4パターンT4及び第5パターンT5は、
図3Bの端子P11,P12にそれぞれ対応しうる。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0068】
図6Aのガルバニックアイソレータ600aと比較すれば、
図6Bのガルバニックアイソレータ600bにおいて、第1キャパシタC1の第1電極E11は、インダクタL21のパターンT11によって取り囲まれ、第1キャパシタC1の第2電極E12は、インダクタL11のパターンT12によって取り囲まれうる。類似して、第2キャパシタC2の第1電極E21は、インダクタL22のパターンT21によって取り囲まれ、第2キャパシタC2の第2電極E22は、インダクタL12のパターンT22によって取り囲まれうる。それにより、ガルバニックアイソレータ600bは、小さくなった面積を有しうる。
【0069】
図6Cを参照すれば、インダクタL21は、第1導電層Mpに配されたパターンT11と、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の第4導電層Mrに配されたパターンT12と、を含むものでもある。一部実施形態において、パターンT11,T12は、X軸及びY軸によってなる平面において同一形状を有することができ、ビアを介して相互連結されうる。それにより、インダクタL21は、低減された寄生抵抗を有しうる。類似して、インダクタL22は、第1導電層Mpに配されたパターンT21と、第4導電層Mrに配されたパターンT22と、を含むものでもある。一部実施形態において、パターンT21,T22は、X軸及びY軸によってなる平面において同一形状を有することができ、ビアを介して相互連結されうる。それにより、インダクタL22は、低減された寄生抵抗を有しうる。
【0070】
インダクタL11は、第2導電層Mxに配されたパターンT13を含み、インダクタL12は、第2導電層Mxに配されたパターンT23を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ600cは、パターンT11ないしT13とパターンT21ないしT23とをそれぞれ連結するパターンを含み、第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。また、ガルバニックアイソレータ600cは、第3導電層Mqに配され、ビアを介してパターンT13に連結される第4パターンT4、及び第3導電層Mqに配され、ビアを介してパターンT23に連結される第5パターンT5を含み、第4パターンT4及び第5パターンT5は、
図3Bの端子P11,P12にそれぞれ対応しうる。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。第1キャパシタC1は、第1電極E11及び第2電極E12を含み、第2キャパシタC2は、第1電極E21及び第2電極E22を含むものでもある。第1キャパシタC1の第2電極E12、及び第2キャパシタC2の第2電極E22は、
図3Bの端子P21,P22にそれぞれ対応しうる。
【0071】
図7は、本開示の例示的実施形態による、
図6Cの線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータ700の断面を示す断面図である。以下において、
図7は、
図3B及び
図6Cを参照して説明される。
【0072】
図7を参照すれば、第1導電層Mpに配されたパターンの厚み(または、高さ)H1は、第2導電層Mxに配されたパターンの厚み(または、高さ)H2よりも小さい。インダクタL11は、第2導電層Mxに配されたパターンを含み、インダクタL21は、第1導電層Mpに配されたパターン、及び第1導電層Mp上の導電層Mq,Mrに配されたパターンを含むものでもある。インダクタL21のパターンにおいて、垂直方向、すなわち、Z軸方向に相互隣接した2個のパターンは、ビアを介して相互連結されうる。それにより、インダクタL21の寄生抵抗が低減され、厚みH1,H2間の差に起因する影響が低減されうる。
【0073】
インダクタL11,L21と第1キャパシタC1との間に絶縁体が充填され、第1キャパシタC1の第1電極E11と第2電極E12との間に誘電体が充填されうる。一部実施形態において、第1キャパシタC1の第2電極E12とインダクタL11との第2距離D2は、第1キャパシタC1の第1電極E11と第2電極E12との第1距離D1以上でもある。
【0074】
図8は、本開示の例示的実施形態によるガルバニックアイソレータの例示を示す斜視図である。例えば、
図8の斜視図は、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cの例示を示す。
図3Cを参照して説明されたように、ガルバニックアイソレータ800は、差動信号に基づき、バランシングされた構造を有しうる。例えば、
図3CのインダクタL11,L12は、相互同一(例えば、対称的)構造を有することができ、
図3CのインダクタL21,L22は、相互同一(例えば、対称的)構造を有しうる。以下において、
図8は、
図3Cを参照して説明される。
【0075】
図8を参照すれば、ガルバニックアイソレータ800は、半導体工程によって製造される集積回路に含まれるものでもある。例えば、該集積回路は、半導体工程に含まれた一連のサブ工程によってそれぞれ形成されて積層される複数の導電層を含み、ガルバニックアイソレータ800は、導電層に配されたパターンを含むものでもある。
図8に図示されているように、インダクタL11は、第1導電層Mpに配されたパターンT11を含み、インダクタL12は、第1導電層Mpに配されたパターンT21を含むものでもある。また、インダクタL21は、第1導電層Mp上の第2導電層Mxに配されたパターンT12を含み、インダクタL22は、第2導電層Mxに配されたパターンT22を含むものでもある。ガルバニックアイソレータ800は、第1導電層Mpにおいて、パターンT11とパターンT21とを連結するパターンT31を含み、第2導電層Mxにおいて、パターンT12とパターンT22とを連結するパターンT32を含むものでもある。パターンT31に連結された第6パターンT6は、センタータップに対応しうる。
【0076】
パターンT7は、第2導電層Mxにおいて、パターンT12によって取り囲まれ、
図3Cの端子P21に対応しうる。パターンT8は、第2導電層Mxにおいて、パターンT22によって取り囲まれ、
図3Cの端子P22に対応しうる。ガルバニックアイソレータ800は、第1導電層Mpと第2導電層Mxとの間の第3導電層Mqにおいて、インダクタL11にビアを介して連結された第4パターンT4、及びインダクタL12にビアを介して連結された第5パターンT5を含み、第4パターンT4及び第5パターンT5は、
図3Cの端子P11及び端子P12にそれぞれ対応しうる。一部実施形態において、第4パターンT4及び第5パターンT5は、第1導電層Mp下の導電層に配されうる。
【0077】
図9は、本開示の例示的実施形態による
図8の線X1-X1’に沿って切り取ったガルバニックアイソレータ900の断面を示す断面図である。以下において、
図9は、
図3C及び
図8を参照して説明される。
【0078】
図9を参照すれば、第1導電層Mpに配されたパターンの厚み(または、高さ)H1は、第2導電層Mxに配されたパターンの厚み(または、高さ)H2よりも小さい。インダクタL21は、第2導電層Mxに配されたパターンを含み、インダクタL11は、第1導電層Mpに配されたパターン、及び第1導電層Mp上の導電層Mq,Mrに配されたパターンを含むものでもある。インダクタL11のパターンにおいて、垂直方向、すなわち、Z軸方向に相互隣接した2個のパターンは、ビアを介して相互連結されうる。それにより、インダクタL11の寄生抵抗が低減され、厚みH1,H2間の差に起因する影響が低減されうる。インダクタL11,L21とパターンP21との間に絶縁体が充填されうる。
【0079】
図10Aないし
図10Hは、本開示の例示的実施形態による装置の例示を示す図面である。図面を参照して説明されているように、ガルバニックアイソレータは、集積回路に含まれ、それにより、一部実施形態において、
図1のシステム100は、1つの装置、例えば、1つの半導体パッケージに具現されうる。以下において、
図10Aないし
図10Hに係わる説明において、相互重複される内容は、省略されるのである。
【0080】
図10Aを参照すれば、装置1000aは、
図3Aのガルバニックアイソレータ300aと同一構造のガルバニックアイソレータ1012,1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。装置1000aは、相互離隔された第1集積回路1010及び第2集積回路1020を含むものでもある。該集積回路は、半導体工程によって製造されうる。例えば、該半導体工程は、複数の集積回路を含むウェーハを処理する複数のサブ工程を含み、該集積回路(チップまたはダイ)は、ダイシング(dicing)を介し、ウェーハから絶縁されうる。装置1000aは、2以上のチップを含むマルチチップパッケージ(MCP:multi-chip package)でもある。
【0081】
第1集積回路1010は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。変調器1011は、ガルバニックアイソレータ1012と同一の集積回路、すなわち、第1集積回路1010に含まれるものでもある。例えば、変調器1011は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12に含まれたパターンが配された導電層と同一の導電層に配されたパターンを含むものでもある。変調器1011は、入力信号INを変調することにより、差動信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnを生成することができる。ガルバニックアイソレータ1012は、バランシングされた構造を有することができ、変調器1011から、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnを受信することができる。
【0082】
ガルバニックアイソレータ1012は、インダクタL11,L12及びキャパシタC11,C12を含むものでもある。センタータップは、直流電圧源により、第1接地電位GND1に基づく第1バイアス電圧VB1が印加されうる。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13及びインダクタL11,L12によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0083】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。復調器1022は、ガルバニックアイソレータ1021と同一の集積回路、すなわち、第2集積回路1020に含まれるものでもある。例えば、復調器1022は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL21,L22に含まれたパターンが配された導電層と同一の導電層に配されたパターンを含むものでもある。復調器1022は、差動信号である誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’を復調することにより、出力信号OUTを生成することができる。ガルバニックアイソレータ1021は、バランシングされた構造を有することができ、復調器1022に、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’を提供することができる。
【0084】
ガルバニックアイソレータ1021は、インダクタL21,L22及びキャパシタC21,C22を含むものでもある。センタータップは、直流電圧源により、第2接地電位GND2に基づく第2バイアス電圧VB2が印加されうる。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL21,L22と並列連結されうる。キャパシタC23及びインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0085】
図10Bを参照すれば、装置1000bは、
図3Bのガルバニックアイソレータ300bと同一構造のガルバニックアイソレータ1012,1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0086】
第1集積回路1010は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13、インダクタL11,L12及びインダクタL11,L12と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL13,L14によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0087】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23、インダクタL23,L24及びインダクタL23,L24と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0088】
図10Cを参照すれば、装置1000cは、
図3Aのガルバニックアイソレータ300aと同一構造のガルバニックアイソレータ1012、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0089】
第1集積回路1010は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13及びインダクタL11,L12によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0090】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23、インダクタL23,L24及びインダクタL23,L24と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0091】
図10Dを参照すれば、装置1000dは、
図3Bのガルバニックアイソレータ300bと同一構造のガルバニックアイソレータ1012、及び
図3Aのガルバニックアイソレータ300aと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0092】
第1集積回路1010は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13、インダクタL11,L12及びインダクタL11,L12と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL13,L14によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0093】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL21,L22と並列連結されうる。キャパシタC23及びインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数で大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0094】
図10Eを参照すれば、装置1000eは、
図3Bのガルバニックアイソレータ300bと同一構造のガルバニックアイソレータ1012、及び
図3Cのガルバニックアイソレータ300cと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0095】
第1集積回路1011は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13、インダクタL11,L12及びインダクタL11,L12と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL13,L14によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0096】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23、インダクタL23,L24及びインダクタL23,L24と、結合係数k’で誘導結合されたインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0097】
図10Fを参照すれば、装置1000fは、
図3Aのガルバニックアイソレータ300aと同一構造のガルバニックアイソレータ1012m及び
図3Cのガルバニックアイソレータ300cと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0098】
第1集積回路1010は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13及びインダクタL11,L12によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0099】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23、インダクタL23,L24及びインダクタL23,L24と、結合係数k’で誘導結合されたインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0100】
図10Gを参照すれば、装置1000gは、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cと同一構造のガルバニックアイソレータ1012、及び
図3Bのガルバニックアイソレータ300bと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0101】
第1集積回路1011は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13、インダクタL11,L12及びインダクタL11,L12と、結合係数k’で誘導結合されたインダクタL13,L14によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0102】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23、インダクタL23,L24及びインダクタL23,L24と、結合係数kで誘導結合されたインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0103】
図10Hを参照すれば、装置1000hは、
図3Cのガルバニックアイソレータ300cと同一構造のガルバニックアイソレータ1012、及び
図3Aのガルバニックアイソレータ300aと同一構造のガルバニックアイソレータ1021を含み、ガルバニックアイソレータ1012,1021は、第1ボンディングワイヤW1及び第2ボンディングワイヤW2を介して相互連結されうる。
【0104】
第1集積回路1011は、変調器1011、ガルバニックアイソレータ1012及びキャパシタC13を含むものでもある。キャパシタC13は、ガルバニックアイソレータ1012のインダクタL11,L12と並列連結されうる。それにより、キャパシタC13、インダクタL11,L12及びインダクタL11,L12と、結合係数k’で誘導結合されたインダクタL13,L14によって定義される共振周波数を有する変調された信号、すなわち、正の変調された信号MODp、及び負の変調された信号MODnが生成されうる。
【0105】
第2集積回路1020は、ガルバニックアイソレータ1021、復調器1022及びキャパシタC23を含むものでもある。キャパシタC23は、ガルバニックアイソレータ1021のインダクタL23,L24と並列連結されうる。キャパシタC23及びインダクタL21,L22は、第1集積回路1010の共振周波数と同一の共振周波数を定義することができる。それにより、共振周波数において大きいサイズを有する誘導された信号、すなわち、正の誘導された信号MODp’、及び負の誘導された信号MODn’が生成されうる。
【0106】
以上のように、図面と明細書とでもって、例示的な実施形態が開示された。本明細書において、特定の用語を使用し、本実施形態について説明されたが、それらは、単に本開示の技術的思想について説明するための目的で使用されたものであり、意味を限定したり、特許請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限しありするために使用されたものではない。従って、本技術分野の通常の知識を有する者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の、ガルバニック絶縁を提供する集積回路、及びそれを含む装置は、例えば、電子機器関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
100 システム
120 送信機
122 変調器
140,500,700,900 ガルバニックアイソレータ
160 受信機
162 復調器
1010 第1集積回路
1020 第2集積回路