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▶ カール ライビンガー メディツィンテクニーク ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲーの特許一覧

特開2024-74271骨の一部を除去するための除去テンプレート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074271
(43)【公開日】2024-05-30
(54)【発明の名称】骨の一部を除去するための除去テンプレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/15 20060101AFI20240523BHJP
【FI】
A61B17/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023194883
(22)【出願日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】10 2022 212 308.5
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514094346
【氏名又は名称】カール ライビンガー メディツィンテクニーク ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Karl Leibinger Medizintechnik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Kolbinger Strasse 10 78570 Muehlheim Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ライビンガー
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥル キューン
(72)【発明者】
【氏名】フランク ライナウアー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL12
4C160LL22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨の一部を除去するための除去テンプレートを提供する。
【解決手段】除去テンプレートは、表側(VS)および裏側(RS)を有する板状のベース部(1)であって、裏側(RS)は、骨に対して載置される載置面(10)を含み、表側(VS)は、表側(VS)から延在するとともにベース部(1)の端縁またはベース部(1)のスロットに隣接して配置された、固定フランジ(2)を含む、ベース部(1)と、表側(VS)とは反対側の固定フランジ(2)の側部から固定フランジ(2)に装着可能な切削ガイドアタッチメント(20)であって、ベース部(1)の端縁またはベース部(1)のスロットに沿って配置される、切削ガイドアタッチメント(20)が装着された場合にソーツールを案内するためのソースロット(201)またはソー当接部を含む、切削ガイドアタッチメント(20)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の一部を除去するための除去テンプレートであって、
表側(VS)および裏側(RS)を有する板状のベース部(1; 1’; 1’’)であって、
前記裏側(RS)は、前記骨に対して載置される載置面(10)を含み、
前記表側(VS)は、前記表側(VS)から延在するとともに前記ベース部(1; 1’; 1’’)の端縁(K)または前記ベース部(1; 1’; 1’’)のスロット(SL, SL’; SLa, SLb)に隣接して配置された、固定フランジ(2; 2’; 2’a; 2’’; 2’’’; 2’’’’; 2’’’’a, 2’’’’b)を含む、ベース部(1; 1’; 1’’)と、
前記表側(VS)とは反対側の前記固定フランジ(2; 2’; 2’a; 2’’; 2’’’; 2’’’’; 2’’’’a, 2’’’’b)の側部(S2)から前記固定フランジ(2; 2’; 2’a; 2’’; 2’’’; 2’’’’; 2’’’’a, 2’’’’b)に装着可能な切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)であって、
前記ベース部(1; 1’; 1’’)の前記端縁(K)または前記ベース部(1; 1’; 1’’)の前記スロット(SL, SL’; SLa, SLb)に沿って配置される、前記切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)が装着された場合にソーツールを案内するためのソースロット(201)またはソー当接部(200a, 200a’)を含む、切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)と、を備える除去テンプレート。
【請求項2】
前記固定フランジ(2; 2’; 2’a; 2’’; 2’’’)は、プレートフランジとして形成される、請求項1に記載の除去テンプレート。
【請求項3】
前記切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)は、環状形状として形成され、前記環状形状は、前記ソースロット(201)または前記ソー当接部(200a,200a’)が配置される直線領域(25)と、前記直線領域(25)の第1端部に第1端部カラー領域(25a; 25a’)と、前記直線領域(25)の第2端部に第2端部カラー領域(25b; 25b’)とを有し、前記第1および第2端部カラー領域(25a, 25b; 25a’, 25b’)は、前記直線領域(25)と共に前記プレートフランジのための受容領域(A)を形成し、前記第1および第2端部カラー領域(25a, 25b; 25a’, 25b’)は、前記プレートフランジを互いに反対側の縁部領域で囲むように形成される、請求項2に記載の除去テンプレート。
【請求項4】
前記第1および第2端部カラー領域(25a, 25b; 25a’, 25b’)の間には、前記環状形状の開放領域(OB)が配置される、請求項3に記載の除去テンプレート。
【請求項5】
前記プレートフランジは、前記第1および第2端部カラー領域(25a、25b)のための側方当接部をそれぞれ形成するように配置された、第1当接突起(22a)および第2当接突起(22b)を含む、請求項4に記載の除去テンプレート。
【請求項6】
前記プレートフランジは、前記第1および第2端部カラー領域(25a, 25b; 25a’, 25b’)のための側方当接部をそれぞれ形成するように配置された、当接ブロック(22c)を含む、請求項4に記載の除去テンプレート。
【請求項7】
前記プレートフランジは、互いに反対側の縁部に第1および第2拡幅領域(21a、21b)をそれぞれ含み、前記第1および第2拡幅領域(21a、21b)は、前記プレートフランジの前記表側(VS)とは反対側の前記側部(S2)から前記表側(VS)の方向に向かい、拡幅することで、装着時に前記環状形状に対して増大するクランプ効果を発揮可能な、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項8】
前記プレートフランジは、互いに反対側の縁部に、前記環状形状の前記プレートフランジへの装着深さを制限する、第1および第2端部当接領域(2a、2b)をそれぞれ含む、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項9】
前記第1および第2端部カラー領域(25a、25b)は、把持リブ領域をそれぞれ含む、請求項3乃至6のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項10】
前記プレートフランジは、前記表側(VS)とは反対側の前記プレートフランジの前記側部(S2)から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域(31a)および第2拡幅領域(31b)で終端する、第1スロット(30a)および第2スロット(30b)を含み、前記第1および第2端部カラー領域(25a、25b)は、前記環状形状をロックするために関連する前記スロット(30a、30b)を通って前記第1および第2拡幅領域(31a、31b)に導入可能な、第1および第2ロッキングボルト(205a、205b)を含む、請求項3乃至9のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項11】
前記プレートフランジは、前記表側(VS)とは反対側の前記プレートフランジの前記側部(S2)から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域(31a’)および第2拡幅領域(31b’)で終端する、第1スロット(30a’)および第2スロット(30b’)を含み、前記直線領域(25)は、前記環状形状をロックするために関連する前記スロット(30a’、30b’)を通って前記第1および第2拡幅領域(31a’、31b’)に導入可能な、第1および第2ロッキングボルト(210a、210b)を含む、請求項3乃至9のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項12】
前記固定フランジ(2’’’’; 2’’’’a、2’’’’b)は、1つまたは複数のスパイクを含むスパイク付きフランジとして形成される、請求項1に記載の除去テンプレート。
【請求項13】
前記切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)は、前記スパイク付きフランジのスパイクの数に従って、1つまたは複数のスパイク受容領域(A’; A’’, A’’’)を含む環状形状として形成される、請求項12に記載の除去テンプレート。
【請求項14】
前記プレートフランジは、前記表側(VS)とは反対側の前記プレートフランジの前記側部(S2)に溝(39)を含み、前記切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)は、前記直線領域(25)から延在して前記溝(39)に挿入可能な接続領域(V)を含み、前記直線領域(25)とは反対側の前記接続領域(V)の領域に把持領域(GB)が設けられる、請求項3に記載の除去テンプレート。
【請求項15】
前記板状のベース部(1; 1’; 1’’)は、前記骨に固定するための固定手段、特にねじまたは釘を受け入れるために使用される複数の貫通孔(1a)を含む、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項16】
前記固定フランジ(2; 2’; 2’a; 2’’; 2’’’; 2’’’’; 2’’’’a, 2’’’’b)を有する前記板状のベース部(1; 1’; 1’’)は、プラスチック材料から形成され、前記切削ガイドアタッチメント(20; 20’, 20’’; 20’’’; 200; 200’; 200’’; 200’’’; 200’’’’; 20a)は、金属材料から形成される、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項17】
前記切削ガイドアタッチメント(20;20’,20’’;20’’’;200;200’;200’’;200’’’;200’’’’)は、前記切削ガイドアタッチメントの上側および下側が平行平面に配置されるように形成されることで、装着されるソーツールの切削深さは、前記切削ガイドアタッチメントの横方向範囲全体にわたって一定である、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項18】
前記切削ガイドアタッチメント(20a)は、前記切削ガイドアタッチメント(20a)の上側が湾曲した輪郭(KON)を有するように形成され、前記湾曲した輪郭(KON)の効果は、装着されるソーツールの切削深さが前記切削ガイドアタッチメント(20a)の横方向範囲にわたって変化することである、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の除去テンプレート。
【請求項19】
前記切削ガイドアタッチメント(20a)の前記上側の前記湾曲した輪郭(KON)は、除去が行われる下の前記骨(KN)の輪郭(KON’)を再現するかまたは少なくとも局所的に近似するように湾曲している、請求項18に記載の除去テンプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨の一部を除去するための除去テンプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
除去テンプレートは任意の骨に対して使用され得るが、本発明およびその根底にある課題は、頭蓋顎顔面領域における骨および骨端部の例を元に説明される。
除去テンプレートは、一般に、全ての外科的オステオトミーにおいて使用され得るが、特に、自家骨移植(腓骨または腸骨稜)による下顎の再構築において、または髄膜腫の除去において使用されることが多い。
【0003】
微小血管再構築技術の進歩にもかかわらず、骨、例えば下顎骨をその元の解剖学的形状に戻し、機能的および審美的側面を回復させることには、依然として課題が多い。患者の下肢からの腓骨の使用は、回復のために効果のある方法として確立されている。しかしながら、他のドナー領域もまた、例えば腸骨稜または肩甲骨から骨の一部を採取する移植に関連して言及され得る。
【0004】
近年の製品改善は、主に、患者専用に製造された除去テンプレートおよびインプラントと組み合わせてコンピュータを利用したアプローチを目的としており、それを用いて、術前の計画を実際の手術で実行することができる。
【0005】
移植片/除去物に対して使用される最大限に正確なオステオトミー/除去は、手術中に計画を正確に実施する際に重要である。これは、規定された切削ガイドおよび切削ガイド上の正確な切削面によってのみ達成され得る。
【0006】
従来の方法は、プラスチックの縁にはめ込まれる金属インレーの原理に非常に大きく基づいていた。しかしながら、これは、インレーの挿入が横方向に行われるので、非常に大きな創傷の開口を必要とすることにより患者に対して大きなストレスを与える、対応する大きな寸法のモジュールになる。
【0007】
特許文献1は、中央本体を有する中央部分を含む腓骨骨材料除去および移送テンプレートを開示する。中央本体の端部にはそれぞれ骨分離ツールガイドセクションがあり、骨分離ツールガイドセクションのうちの1つ以上は、端部から離れておよび中央部分に向かって移動することができるように取り付けられている。
【0008】
特許文献2は、顎骨、例えば下顎または上顎の部分、例えば結合部分に適用されるように構成された中央要素を備える下顎用除去テンプレートを開示する。中央要素上には2つ以上の分離ツールガイドセクションがあり、下顎用除去テンプレートと顎骨との空間的に正確な位置合わせを達成するために、2つ以上の分離ツールガイドセクション間に位置決め補助具がある。
【0009】
特許文献3は、除去テンプレートを開示する。除去テンプレートは、複数の切削スロットを画定するとともに、複数の切削スロットの間に位置する1つ以上の取り外し可能なインサートを備える切削ガイドを備える。1つ以上の取り外し可能なインサートは、開口を画定するとともに、外科用固定装置を受容するように設計されている。
【0010】
除去テンプレートはさらに、特徴部を画定するテンプレートガイドであって、1つ以上の取り外し可能なインサートが、特徴部を使用することによってテンプレートガイド内に少なくとも部分的に装着されるように構成されている、テンプレートガイドを備える。
【0011】
さらなる除去テンプレートは、特許文献4および特許文献5から周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3451944号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102016108433号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0137537号明細書
【特許文献4】国際公開第2017/162444号
【特許文献5】欧州特許出願公開第3470002号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、手術中により良好にアクセス可能であり、より小さい空間要件を有する、骨の一部を除去するための改良された除去テンプレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、請求項1の特徴を有する骨の一部を除去するための除去テンプレートによって、すなわち、骨の一部を除去するための除去テンプレートによって達成される。除去テンプレートは、表側および裏側を有する板状のベース部であって、裏側は、骨に対して載置される載置面を含み、表側は、表側から延在するとともにベース部の端縁またはベース部のスロットに隣接して配置された、固定フランジを含む、ベース部と、表側とは反対側の固定フランジの側部から固定フランジに装着可能な切削ガイドアタッチメントであって、ベース部の端縁またはベース部のスロットに沿って配置される、切削ガイドアタッチメントが装着された場合にソーツールを案内するためのソースロットまたはソー当接部を含む、切削ガイドアタッチメントと、を備える。
【0015】
本発明の基礎となる概念によれば、受容部は、支持体上の縁またはフレームとして形成されるのではなく、好ましくは上側から延在する細長い固定フランジ、例えばプレートフランジまたはスパイク付きフランジによって形成される。これにより、全体の設計をはるかに小さい全体サイズにすることができる。したがって、非常に小さい創傷の開口で手術することが可能であり、患者に対する外傷が少ない。
【0016】
本発明は、人体と適合性のある材料、例えば、プラスチックからなるベース本体と、強固な材料、例えば、金属からなり、規定された位置決めおよび切削ガイドを有する切削ガイドアタッチメントとに基づく。切削ガイドアタッチメントに関して、開放または閉鎖された変形例が可能である。従来周知のシステムとは異なり、本発明は、挿入部品として設計されておらず、固定フランジのための切削ガイドアタッチメントとして構成される。
【0017】
ベース本体は、切削される骨の上に配置され、その上に固定、例えばねじ留めされる。次に、切削ガイドアタッチメントは、外科医によって、意図された固定フランジに装着される。操作は、親指と人差し指で非常に簡単に行われる。好ましく構成された形状の適合により、計画によって予め決定される1つの位置決めのみを可能にする。切削ガイドアタッチメントがベース部に強く押し付けられるほど、組み合わせはより保持される。これは、切削ガイドアタッチメントの平行に延在するガイドにクランプされる固定フランジ上の任意の面によって達成されてもよい。さらに、オステオトミーのために配置された固定具は、ガイドを傾斜させ、ソーおよび振動によって生じる損失に対してガイドを固定するモーメントを生成する。
【0018】
設計の特徴により、全体サイズが大幅に低減することで、従来周知の方法と比較して、ユーザにとって、また(とりわけ)患者にとって効果を発揮する。単純な設計により、容易な取り扱いが可能になる。
【0019】
本発明による主題の好ましい変更例は、従属請求項および詳細な説明において、特に図面を参照して説明され得る。
1つの好ましい実施形態によれば、固定フランジはプレートフランジとして形成される。このような構成は安定しており、空間をほとんど必要としない。
【0020】
別の好ましい実施形態によれば、切削ガイドアタッチメントは、環状形状として形成され、環状形状は、ソースロットまたはソー当接部が配置される直線領域と、直線領域の第1端部に第1端部カラー領域と、直線領域の第2端部に第2端部カラー領域とを有し、第1および第2端部カラー領域は、直線領域と共にプレートフランジのための受容領域を形成し、第1および第2端部カラー領域は、プレートフランジを互いに反対側の縁部領域で囲むように形成される。
【0021】
別の好ましい実施形態によれば、第1および第2端部カラー領域の間には、環状形状の開放領域が配置される。
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、第1当接突起および第2当接突起を含む。第1当接突起および第2当接突起は、第1および第2端部カラー領域のための側方当接部をそれぞれ形成するように配置される。これにより、構成は、不正確な装着を防止することが可能になる。
【0022】
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、第1および第2端部カラー領域のための側方当接部をそれぞれ形成するように配置された、当接ブロックを含む。これにより、同様に、構成は、不正確な装着を防止することが可能になる。
【0023】
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、互いに反対側の縁部に第1および第2拡幅領域をそれぞれ含み、第1および第2拡幅領域は、プレートフランジの表側とは反対側の側部から表側の方向に向かい、拡幅することで、装着時に環状形状に対して増大するクランプ効果を発揮可能である。これにより、環状形状の安定した保持が担保される。
【0024】
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、互いに反対側の縁部に、環状形状のプレートフランジへの装着深さを制限する、第1および第2端部当接領域をそれぞれ含む。
【0025】
別の好ましい実施形態によれば、第1および第2端部カラー領域は、把持リブ領域をそれぞれ含む。これにより、取り扱い性を確保することが可能になる。
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、表側とは反対側のプレートフランジの側部から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域および第2拡幅領域で終端する、第1スロットおよび第2スロットを含み、第1および第2端部カラー領域は、環状形状をロックするために関連するスロットを通って第1および第2拡幅領域に導入可能な第1および第2ロッキングボルトを含む。
【0026】
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、表側とは反対側のプレートフランジの側部から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域および第2拡幅領域で終端する、第1スロットおよび第2スロットを含み、直線領域は、環状形状をロックするために関連するスロットを通って第1および第2拡幅領域に導入可能な第1および第2ロッキングボルトを含む。
【0027】
別の好ましい実施形態によれば、固定フランジは、1つまたは複数のスパイクを含むスパイク付きフランジとして形成される。
別の好ましい実施形態によれば、切削ガイドアタッチメントは、スパイク付きフランジのスパイクの数に従って、1つまたは複数のスパイク受容領域を含む環状形状として形成される。
【0028】
別の好ましい実施形態によれば、プレートフランジは、表側とは反対側のプレートフランジの側部に溝を含み、切削ガイドアタッチメントは、直線領域から延在して溝に挿入可能な接続領域を含み、直線領域とは反対側の接続領域の領域に把持領域が設けられる。2つのグリップはさらに、クランプ効果/固定を達成するために、多少斜めに配置されてもよい。プラスチックの可撓性のため、切削ガイドアタッチメントは、グリップを一緒に押すことによって取り外されてよい。
【0029】
別の好ましい実施形態によれば、板状のベース部は、骨に固定するための固定手段、特にねじまたは釘を受け入れるために使用される複数の貫通孔を含む。
別の好ましい実施形態によれば、固定フランジを有する板状のベース部は、プラスチック材料から形成され、切削ガイドアタッチメントは、金属材料から形成される。
【0030】
別の好ましい実施形態によれば、切削ガイドアタッチメントは、切削ガイドアタッチメントの上側および下側が平行平面に配置されるように形成されることで、装着されたソーツールの切削深さは、切削ガイドアタッチメントの横方向範囲全体にわたって一定である。
【0031】
別の好ましい実施形態によれば、切削ガイドアタッチメントの上側は、湾曲した輪郭を有し、湾曲した輪郭の効果は、装着されたソーツールの切削深さが切削ガイドアタッチメントの横方向範囲にわたって変化することである。
【0032】
別の好ましい実施形態によれば、切削ガイドアタッチメントの上側の湾曲した輪郭は、除去される下の骨の輪郭を再現するかまたは少なくとも局所的に近似するように湾曲している。このようにして、除去される骨を取り囲む特定の組織構造は、ソーツールが到達できないので、湾曲によって保護され得る。
【0033】
上記の構成および変更例は、実現可能である限り、任意の所望の方法で互いに組み合わされてよい。本発明のさらなる可能な構成、変更例および実装は、例示的な実施形態に関連して上記または下記で説明される本発明の特徴の明示的には言及されていない組合せも含む。
【0034】
本発明は、図面の図における例示的な実施形態を用いて、以下により詳細に説明される。概略図では下のことが示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1実施形態による除去テンプレートの部分斜視図。
図2】本発明の第1実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図。
図3】本発明の第1実施形態による除去テンプレートのベース部の部分斜視図。
図4】本発明の第1実施形態による除去テンプレートの切削ガイドアタッチメントの斜視図。
図5a)】本発明の第2実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールが装着された状態の部分斜視図。
図5b)】本発明の第2実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、切削ガイドアタッチメントのみが装着された状態の斜視図。
図6】本発明の第3実施形態による除去テンプレートの切削ガイドアタッチメントの斜視図。
図7】本発明の第4実施形態による除去テンプレートのベース部の斜視図。
図8】本発明の第5実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図。
図9】本発明の第6実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図。
図10】本発明の第7実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図。
図11】本発明の第8実施形態による除去テンプレートの部分斜視図。
図12】本発明の第9実施形態による除去テンプレートの部分斜視図。
図13a)】本発明の第10実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールの第1位置に取り付けられたソーツールを有する部分斜視図。
図13b)】本発明の第10実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールの第2位置に取り付けられたソーツールを有する部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
全ての図面において、同一または機能的に等価な要素および装置には、別段の指示がない限り、同じ参照符号が付されている。
図1は、本発明の第1実施形態による除去テンプレートの斜視図である。
【0037】
第1実施形態による骨の一部を除去するための除去テンプレートは、表側VSおよび裏側RSを有する板状のベース部1を含む。ベース部1は、プラスチック材料から形成される。
【0038】
ベース部1には、骨に固定するための固定手段、特にねじまたは釘を受け入れるために使用される複数の貫通孔1aが設けられている。
裏側RSは、骨に対して載置される載置面10を含む。載置面10の輪郭は、処理される骨に適合される。
【0039】
表側VSは、表側VSから延在する固定フランジ2を含む。固定フランジ2は、ベース部と一体に形成されており、本実施形態では、ベース部1の端縁Kに隣接して配置されている。
【0040】
金属材料から形成された切削ガイドアタッチメント20は、固定フランジ2の表側VSとは反対側の側部S2から固定フランジ2対してクランプ式に装着される(図2参照)。
切削ガイドアタッチメント20は、ベース部1の端縁Kに沿って配置された、ソーツールを案内するためのソースロット201を含む。
【0041】
図2は、本発明の第1実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態による除去テンプレートのベース部の部分斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態による除去テンプレートの切削ガイドアタッチメントの斜視図である。
【0042】
さらに図1乃至図4を参照すると、固定フランジ2は、比較的狭いプレートフランジとして形成される。
切削ガイドアタッチメント20は、開放環状形状に形成される。開放環状形状は、ソースロット201が配置される直線領域25を含む。直線領域25の第1端部に第1端部カラー領域25aが配置され、直線領域25の第2端部に第2端部カラー領域25bが配置される。第1および第2端部カラー領域25a、25bは直線領域25と共にプレートフランジのための受容領域Aを形成する。この目的のために、第1および第2端部カラー領域25a、25bは、互いに反対側の縁部領域でプレートフランジを取り囲む。第1および第2端部カラー領域25a、25bの間には、環状形状の開放領域OBが配置される。第1および第2端部カラー領域25a、25bは、外科医が親指および人差し指を使用して簡単に挿入することを可能にする把持リブ領域をそれぞれ含む。
【0043】
プレートフランジはさらに、第1当接突起22aおよび第2当接突起22bを含む。第1当接突起22aおよび第2当接突起22bは、第1および第2端部カラー領域25a、25bのための側方当接部をそれぞれ形成するように配置されている。したがって、第1および第2当接突起22a、22bは、環状形状が不正確に装着されることを防止する構成を形成する。
【0044】
プレートフランジは、互いに反対側の縁部に第1および第2拡幅領域21a、21bをそれぞれ含む。第1および第2拡幅領域21a、21bは、プレートフランジの表側VSとは反対側の側部S2から表側VSの方向に向かい、拡幅することで、装着時に環状形状に対して増大するクランプ効果を発揮可能である。
【0045】
プレートフランジの互いに反対側の縁部には、下側の第1および第2端部当接領域2a、2bがそれぞれ設けられている。下側の第1および第2端部当接領域は、環状形状のプレートフランジへの装着深さを制限する。
【0046】
図5a)は、本発明の第2実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールが装着された状態の部分斜視図である。図5b)は、本発明の第2実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、切削ガイドアタッチメントのみが装着された状態の斜視図である。
【0047】
第2実施形態は、ベース部1’の形成に関して第1実施形態と異なる。ベース部1’は、ベース部1’の第1および第2スロットSL、SL’にそれぞれ沿って配置される第1および第2固定フランジ2’、2’’を含む。これに対応して、第1および第2切削ガイドアタッチメント20’、20’’が設けられている。第1および第2切削ガイドアタッチメント20’、20’’は、ソースロット201がベース部1’の第1および第2スロットSL、SL’に沿ってそれぞれ配置されるように、第1および第2固定フランジ2’、2’’に装着されている。
【0048】
図5a)は、第1切削ガイドアタッチメント20’のソースロット201に装着されたソーツールSをさらに示す。
その他の点では、第2実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
【0049】
図6は、本発明の第3実施形態による除去テンプレートの切削ガイドアタッチメントの斜視図である。
図6図4に類似しているが、切削ガイドアタッチメントの構成に関して図4とは異なる。
【0050】
具体的には、ソースロット201の代わりに、図6における切削ガイドアタッチメント20’’’は、切削ガイドアタッチメント20’’’が装着された場合にソーツールを案内するためのソー当接部200aを含む。ソー当接部200aは、ベース部1の端縁Kに沿って、またはベース部1’のスロットSL、SL’に沿ってそれぞれ配置される。
【0051】
その他の点では、第3実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
図7は、本発明の第4実施形態による除去テンプレートのベース部の斜視図である。
図7図2または図3に類似しているが、固定フランジ2’の構成に関して図2または図3と異なる。
【0052】
具体的には、固定フランジ2’は、第1および第2端部カラー領域25a、25bのための側方当接部をそれぞれ形成するように配置された連続当接ブロック22cを含む。
その他の点では、第4実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
【0053】
図8は、本発明の第5実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図である。
図8図2に類似しているが、切削ガイドアタッチメント200および固定フランジ2’’の構成ならびにベース部1’’の輪郭に関して図2とは異なる。
【0054】
固定フランジ2’’は、表側VSとは反対側の固定フランジ2’’の側部S2から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域31aおよび第2拡幅領域31bで終端する、第1スロット30aおよび第2スロット30bを含む。
【0055】
切削ガイドアタッチメント200の第1および第2端部カラー領域25a、25bは、第1および第2ロッキングボルト205a、205bを含む。第1および第2ロッキングボルト205a、205bは、切削ガイドアタッチメント200をロックするために、関連するスロット30a、30bを通って第1および第2拡幅領域31a、31bに導入されてよい。
【0056】
その他の点では、第5実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
図9は、本発明の第6実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図である。
図9図2に類似しているが、切削ガイドアタッチメント200’および固定フランジ2’’’の構成ならびにベース部1’’の輪郭に関して図2とは異なる。
【0057】
固定フランジ2’’’は、表側VSとは反対側の固定フランジ2’’’の側部S2から延在するとともにそれぞれ関連する第1拡幅領域31a’および第2拡幅領域31b’で終端する、第1スロット30a’および第2スロット30b’を含む。
【0058】
切削ガイドアタッチメント200’の直線領域25は、第1および第2ロッキングボルト210a、210bを含む。第1および第2ロッキングボルト210a、210bは、環状形状をロックするために、関連するスロット30a’、30b’を通って第1および第2拡幅領域31a’、31b’に導入されてよい。
【0059】
側部S2上の追加のガイド突起33a、33bは、切削ガイドアタッチメント200’の装着を容易にする。プラスチックの材料特性を使用することによって、ロックが行われてよい。
【0060】
その他の点では、第6実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
図10は、本発明の第7実施形態による除去テンプレートの部分分解斜視図である。
図10図2に類似しているが、切削ガイドアタッチメント200’’および固定フランジ2’’’’の構成ならびにベース部1’’の輪郭に関して図2とは異なる。
【0061】
具体的には、固定フランジ2’’’’は、スパイクを含むスパイク付きフランジとして形成される。切削ガイドアタッチメント200’’は、スパイク受容領域A’およびソー当接部200a’を含む環状形状として形成される。
【0062】
スパイクおよびスパイク受容領域は、不正確な装着を防止する非対称の丸形状を有する。
その他の点では、第7実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
【0063】
図11は、本発明の第8実施形態による除去テンプレートの部分斜視図である。
図11図5b)に類似しているが、切削ガイドアタッチメント200’’’および固定フランジ2’’’’a、2’’’’bの構成ならびにベース部1’’’の輪郭に関して図5b)とは異なる。
【0064】
具体的には、固定フランジ2’’’’a、2’’’’bは、スパイクをそれぞれ有するスパイク付きフランジとして形成される。切削ガイドアタッチメント200’’’は、それぞれのスパイク受容領域A’’、A’’’およびソースロット201を有する環状形状として形成される。ソースロット201は、ベース部1’’’のそれぞれのスロットSLa、SLbに沿って導入されてよい。
【0065】
スパイクおよび関連するスパイク受容領域は、不正確な装着を防止する非対称の丸形状をそれぞれ有する。
その他の点では、第8実施形態は第2実施形態と全く同一に形成される。
【0066】
図12は、本発明の第9実施形態による除去テンプレートの部分斜視図である。
第9実施形態では、固定フランジ2’aは、拡幅領域および端部当接領域を含まない。切削ガイドアタッチメント200’’’’の第1および第2端部カラー領域25a’、25b’のための側方当接部をそれぞれ形成するように配置された当接ブロック22cを含むベース部1’’の表側は、端部当接部として使用される。
【0067】
固定フランジ2’aの表側VSとは反対側の側部S2に溝39が設けられる。切削ガイドアタッチメント200’’’’は、直線領域25から延在して溝39に挿入可能な接続領域Vを含む。直線領域25とは反対側の接続領域Vの領域に把持領域GBが設けられている。
【0068】
その他の点では、第9実施形態は第4実施形態と全く同一に形成される。
図13a)は、本発明の第10の実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールの第1位置に取り付けられたソーツールを有する部分斜視図である。図13b)は、本発明の第10実施形態による切除テンプレートの斜視図であって、具体的には、ソーツールの第2位置に取り付けられたソーツールを有する部分斜視図である。
【0069】
第10実施形態は、切削ガイドアタッチメント20aの構成が第1実施形態と異なる。具体的には、上記の実施形態による切削ガイドアタッチメントでは、切削ガイドアタッチメントの上側および下側は、平行平面に配置される。これは、装着されたソーツールの切削深さが、切削ガイドアタッチメントの横方向範囲全体にわたって一定であるという効果を有する。
【0070】
しかしながら、第10実施形態では、切削ガイドアタッチメント20aの上側は、湾曲した輪郭KONを有する。湾曲した輪郭KONの効果は、装着されたソーツールの切削深さが切削ガイドアタッチメント20aの横方向範囲にわたって変化することである。
【0071】
第10実施形態では、切削ガイドアタッチメント20aの上側の輪郭KONは、除去が行われる下の骨KNの輪郭KON’を再現するかまたは少なくとも局所的に近似するように湾曲している。このようにして、除去が行われる骨KNを取り囲む組織構造は、ソーツールSが到達できないので、保護され得る。
【0072】
その他の点では、第10実施形態は第1実施形態と全く同一に形成される。
当然ながら、上側の湾曲した輪郭を有する切削ガイドアタッチメントのこのような構成は、上述した全ての他の実施形態においても適用されてよい。
【0073】
本発明を好ましい実施形態を用いて説明してきたが、本発明はそれに限定されるものではなく、特にその構成要素の形状および材料に関して、様々な方法で変更されてよい。
図1
図2
図3
図4
図5a)】
図5b)】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a)】
図13b)】
【外国語明細書】