(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074304
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/00 20060101AFI20240524BHJP
H05K 5/06 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
H05K5/00 A
H05K5/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185353
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若田 知也
(72)【発明者】
【氏名】廣田 憲
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AA02
4E360AB08
4E360AB51
4E360BD02
4E360CA02
4E360EA03
4E360EA24
4E360EA29
4E360EC05
4E360ED02
4E360ED23
4E360EE02
4E360EE10
4E360GA11
4E360GA12
4E360GA22
4E360GA24
4E360GA28
4E360GA29
4E360GA53
4E360GA60
4E360GB99
4E360GC04
4E360GC08
4E360GC14
4E360GC20
(57)【要約】
【課題】組み立て作業性を低下させることなく十分な防水性を確保する。
【解決手段】ケース20は、基板31が当該基板31の縁部から挿入される開口部25と、開口部25が設けられる側とは反対側に設けられる底壁部26と、U字状弾性枠35を介して基板31の裏面SF2を支持する基板支持面23cと、基板支持面23cと対向し、かつ基板支持面23cに対して傾斜した傾斜面24eと、を有し、基板支持面23cと傾斜面24eとの離間距離は、開口部25が設けられる側の方が、底壁部26が設けられる側よりも大きい。基板31の縁部を開口部25に挿入し、基板31を傾斜面24eに沿わせてケース20に収容し、U字状弾性枠35を介して基板31の裏面SF2を基板支持面23cに支持させることができる。ケース20を1つの部品から形成でき、組み立て作業性を低下させずに十分な防水性を確保することができる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板を収容するケースと、
を備えた制御装置であって、
前記ケースは、
前記基板が当該基板の縁部から挿入される開口部と、
前記開口部が設けられる側とは反対側に設けられる底壁部と、
前記基板の一方の面を支持する基板支持面と、
前記基板支持面と対向し、かつ前記基板支持面に対して傾斜した傾斜面と、
を有し、
前記基板支持面と前記傾斜面との離間距離は、前記開口部が設けられる側の方が、前記底壁部が設けられる側よりも大きくなっている、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記基板の縁部に、弾性部材が設けられ、
前記弾性部材は、前記基板と前記基板支持面との間に配置されている、
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置において、
前記弾性部材に、第1装着部が設けられ、
前記第1装着部は、前記ケースに設けられる第2装着部に装着されている、
制御装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記開口部が設けられる側が開口するようにU字形状に形成されている、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
請求項2に記載の制御装置において、
前記基板に、第1固定部が設けられ、
前記第1固定部は、前記弾性部材に設けられる第2固定部に固定されている、
制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置において、
前記基板の一方の面に、前記基板の熱を前記ケースに逃がす熱伝導部材が設けられている、
制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御装置において、
前記ケースに、前記基板を覆う封止材が充填されている、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御対象物を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車椅子や電動カート等の車両には、電動モータ(制御対象物)や電動モータを制御する制御装置、さらには充電式の電源等が設けられている。このような車両は屋外でも使用されるため、特に、制御装置の防水性を十分に確保する必要がある。そのためにも、制御装置の構造を簡素化することが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された車両用の制御装置は、ヒートシンクおよびケースが別体となっている。そして、ヒートシンクが突き合わされたケースに半導体回路基板が収容され、当該半導体回路基板とヒートシンクとの間には、半導体回路基板の熱をヒートシンクに伝達可能な接着剤が介在されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に記載された制御装置では、ヒートシンクおよびケースが別体となっており、十分な防水性を確保するために、接着剤の塗布量や固定ねじの締め付けトルク等を、製品毎にばらつかないように精度良く管理する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、組み立て作業性を低下させることなく十分な防水性を確保できる制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、基板と、前記基板を収容するケースと、を備えた制御装置であって、前記ケースは、前記基板が当該基板の縁部から挿入される開口部と、前記開口部が設けられる側とは反対側に設けられる底壁部と、前記基板の一方の面を支持する基板支持面と、前記基板支持面と対向し、かつ前記基板支持面に対して傾斜した傾斜面と、を有し、前記基板支持面と前記傾斜面との離間距離は、前記開口部が設けられる側の方が、前記底壁部が設けられる側よりも大きくなっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の縁部を開口部に挿入し、基板を傾斜面に沿わせてケースに収容し、基板の一方の面を基板支持面に支持させることができる。これにより、ケースを1つの部品から形成することができ、ひいては組み立て作業性を低下させずに十分な防水性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1の制御装置を示す斜視図である。
【
図8】U字状弾性枠の第1腕部の内側を示す斜視図である。
【
図9】U字状弾性枠の第2腕部の内側を示す斜視図である。
【
図10】基板ユニットおよびケースを示す斜視図である。
【
図11】組み立て手順1を示す
図2のE-E線に沿う断面図である。
【
図14】基板支持面に基板が支持された状態を示す断面図である。
【
図15】実施の形態2の組み立て手順2を示す断面図である。
【
図16】実施の形態2の組み立て手順3を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1は実施の形態1の制御装置を示す斜視図を、
図2はケースを単体で示す
図1のA矢視図を、
図3は
図2のB-B線に沿う断面図を、
図4は
図2のC-C線に沿う断面図を、
図5は
図2のD-D線に沿う断面図を、
図6は基板ユニットを示す斜視図を、
図7は基板および放熱シートを示す斜視図を、
図8はU字状弾性枠の第1腕部の内側を示す斜視図を、
図9はU字状弾性枠の第2腕部の内側を示す斜視図を、
図10は基板ユニットおよびケースを示す斜視図を、
図11は組み立て手順1を示す
図2のE-E線に沿う断面図を、
図12は組み立て手順2を示す断面図を、
図13は組み立て手順3を示す断面図を、
図14は基板支持面に基板が支持された状態を示す断面図をそれぞれ示している。
【0012】
[制御装置の概要]
図1に示される制御装置10は、例えば、福祉機器としての電動アシスト付き手押し車(図示せず)に搭載されるものである。制御装置10は、所定の制御ロジックに基づいて、駆動対象物である電動モータ(図示せず)への駆動電流の大きさを調整し、これにより電動モータの駆動量(アシスト量)を制御する。また、制御装置10は、電動アシスト付き手押し車を形成するフレーム(図示せず)に対して、複数の固定ボルト(図示せず)により固定される。
【0013】
制御装置10は、その全体形状が、扁平な略直方体となっている。具体的には、制御装置10は、その外郭を形成するケース20と、当該ケース20に収容される基板ユニット30と、ケース20に充填されて基板ユニット30を覆うモールド樹脂(封止材)40と、を備えている。なお、
図1では、モールド樹脂40を分かり易くするために、当該モールド樹脂40を網掛けで示している。
【0014】
ここで、基板ユニット30を形成する基板31(
図6および
図7参照)には、電動モータを制御する一対の電子部品32が装着されている。また、基板31には、一対の雄型コネクタ33がそれぞれ電気的に接続されている。そして、一対の雄型コネクタ33のうちの一方の雄型コネクタ33には、電動モータのワイヤハーネス(雌型コネクタ)が電気的に接続される。これに対し、一対の雄型コネクタ33のうちの他方の雄型コネクタ33には、充電式の電源のワイヤハーネス(雌型コネクタ)が電気的に接続される。なお、一対の雄型コネクタ33は、
図1に示されるように、ケース20の開口部25から、ケース20の外部に露出されている。
【0015】
さらに、モールド樹脂40は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成り、基板31およびこれに装着された一対の電子部品32を、雨や塵埃さらには振動等から保護する機能を有する。ここで、モールド樹脂40は、加熱により液状化された状態で、ケース20の開口部25からケース20に充填することで、ケース20に収容された基板ユニット30を包み込む。なお、ケース20に充填されたモールド樹脂40は、約80℃に加熱することで硬化される。
【0016】
[ケースの概要]
図2ないし
図5に示されるように、ケース20は、溶融されたアルミ材料を射出成形等することで扁平の略直方体に形成され、かつ中空となっている。ケース20は、ケース本体21および一対の取り付け脚22を備えている。ここで、一対の取り付け脚22は、略平板状に形成され、ケース本体21の長手方向両側(
図2および
図3の左右側)にそれぞれ一体に設けられている。そして、一対の取り付け脚22には、それぞれ3つのボルト挿通孔22aが設けられている。これにより、ケース20は、電動アシスト付き手押し車を形成するフレームに対して、合計6つの固定ボルト(図示せず)により固定される。
【0017】
ケース本体21は、平板状部23,段差状カバー部24,開口部25,底壁部26および一対の側壁部27を備えている。
【0018】
[平板状部]
平板状部23は、電動アシスト付き手押し車を形成するフレームに突き当てられる部分であり、その全体形状は略平板状となっている。
図3に示されるように、平板状部23の内側には、互いに直交するように複数の補強リブ23aが設けられている。これらの補強リブ23aは、平板状部23を歪まないように補強する機能を有する。また、平板状部23の内側には、基板31に装着された放熱シート34(
図6および
図7参照)が密着されるシート台23bが設けられている。
【0019】
さらに、平板状部23の内側で、かつ底壁部26および一対の側壁部27寄りの部分には、基板31の裏面SF2側(
図6および
図7参照)を、U字状弾性枠35(
図6参照)を介して支持する基板支持面23cが設けられている。すなわち、基板31は、U字状弾性枠35を介して基板支持面23cに支持されている。そして、制御装置10を、電動アシスト付き手押し車を形成するフレームに固定した状態において、基板支持面23cは、基板31をフレームと平行となるように支持する。なお、
図3では、基板支持面23cの配置箇所を分かり易くするために、当該基板支持面23cを網掛けで示している。
【0020】
ここで、
図2に示されるように、一対の取り付け脚22は、ケース本体21の厚み方向(
図2の上下方向)において、一対の側壁部27の平板状部23寄りの部分に配置されている。これにより、ケース本体21の平板状部23を、電動アシスト付き手押し車を形成するフレームに突き当てつつ、当該フレームに対してがたつくことなく固定可能としている。
【0021】
[段差状カバー部]
図2および
図5に示されるように、段差状カバー部24は、ケース本体21の厚み方向において平板状部23と対向している。具体的には、段差状カバー部24は、平板状部23に対して、底壁部26および一対の側壁部27を介して一体に設けられている。そして、段差状カバー部24には、当該段差状カバー部24の大部分を占めるカバー本体24aと、カバー本体24aから平板状部23側とは反対側に突出された第1段差部24bと、第1段差部24bよりも大きく突出された第2段差部24cと、が一体に設けられている。
【0022】
そして、
図4に示されるように、段差状カバー部24を形成するカバー本体24aの内側にも、互いに直交するように複数の補強リブ24dが設けられている。これらの補強リブ24dは、カバー本体24aを歪まないように補強する機能を有する。
【0023】
図1に示されるように、第1段差部24bおよび第2段差部24cは、いずれもケース本体21の長手方向中央部に配置され、かつケース本体21の短手方向において開口部25側に配置されている。これにより、開口部25の開口面積を大きくして、全体的に扁平となったケース20の開口部25に、一対の雄型コネクタ33を、余裕を持たせて配置可能としている。
【0024】
また、
図4に示されるように、段差状カバー部24を形成するカバー本体24aの内側で、かつ一対の側壁部27寄りの部分には、基板支持面23c(
図3参照)と対向するようにして、傾斜面24eが設けられている。傾斜面24eは、基板支持面23cに対して所定角度α°(約1°)で傾斜されている(
図5参照)。ここで、傾斜面24eは、制御装置10の組み立て時において、基板31の表面SF1側(
図6および
図7参照)を、U字状弾性枠35(
図6参照)を介して支持する部分となっている。なお、
図4では、傾斜面24eの配置箇所を分かり易くするために、当該傾斜面24eを網掛けで示している。
【0025】
[開口部]
図2および
図5に示されるように、開口部25は、ケース20に基板ユニット30を収容するために開口されている。そして、開口部25からは、
図1に示されるように、基板ユニット30を形成する一対の雄型コネクタ33が、所定の突出高さで突出されている。また、開口部25からは、制御装置10の組み立て時において、液状化されたモールド樹脂40が充填される。そして、モールド樹脂40は、ケース20に隙間無く充填されるとともに、一対の雄型コネクタ33を外部に露出させた状態で、開口部25を略埋めている。
【0026】
ここで、開口部25の長手方向両側には、基板ユニット30の挿入口となる幅狭の基板ユニット挿通孔25aがそれぞれ設けられている。すなわち、これらの基板ユニット挿通孔25aを目印として、基板ユニット挿通孔25aに基板ユニット30を差し込むことで、基板ユニット30をケース20に容易に収容可能となっている。ここで、基板ユニット30は、基板ユニット挿通孔25aを有する開口部25に対して、基板ユニット30の縁部から挿入される。よって、ケース20の側方に細長い開口部25を形成するだけで、基板ユニット30をケース20に容易に収容することができる。この点からも、制御装置10の防水性の向上が図られている。
【0027】
それぞれの基板ユニット挿通孔25aは、傾斜面24eと、平板状部23側に設けられた壁面25c(
図3および
図5参照)と、によって形成されている。そして、壁面25cにおいても、傾斜面24eと同様に基板支持面23cに対して所定角度α°(約1°)で傾斜されている。なお、壁面25cは、基板ユニット30の開口部25側の部分を支持する一対の支持突起25bにそれぞれ設けられている。一対の支持突起25bは、基板支持面23cから段差状カバー部24に向けて、所定の突出高さで突出されている。
【0028】
図5に示されるように、ケース20の厚み方向における基板ユニット挿通孔25aの開口幅OP1は、基板ユニット30を形成するU字状弾性枠35の厚み寸法W(
図6参照)よりも若干大きくなっている(OP1>W)。また、基板ユニット30の挿入方向(
図5の左右側)における壁面25cの長さ寸法Lは、U字状弾性枠35の厚み寸法Wよりも若干小さくなっている(L<W)。これにより、基板ユニット挿通孔25aから挿入される基板ユニット30の挿入抵抗の増大が抑えられ、基板ユニット30をケース20にスムーズに収容可能となっている。
【0029】
ここで、基板ユニット30をケース20に収容する際には、基板ユニット30は、傾斜面24eおよび壁面25cにより、基板支持面23cに対して所定角度α°(
図5参照)に傾斜される。これにより、基板ユニット30は、傾斜面24eおよび壁面25cに案内されて、ケース20の規定の位置に向けてスムーズに収容可能となっている。
【0030】
そして、制御装置10の組み立て時において、基板ユニット30の挿入量が一対の支持突起25bを越えた後は、開口部25が設けられる側の方が、底壁部26が設けられる側よりも、開口幅が大きくなっている。これによっても、基板ユニット30を規定の位置に向けてスムーズに収容可能となっている。具体的には、基板支持面23cと傾斜面24eとの離間距離は、開口部25側の方(離間距離L1)が、底壁部26側(離間距離L2)よりも大きくなっている(L1>L2)。
【0031】
また、
図2および
図3に示されるように、一対の支持突起25bには、U字状弾性枠35に設けられた第1,第2係合凸部35f,35k(
図6参照)が入り込んで装着される係合凹部25dがそれぞれ設けられている。具体的には、これらの係合凹部25dは、基板ユニット30の挿入方向に対して、底壁部26側から開口部25側に向けて窪んでいる。そして、これらの係合凹部25dには、基板ユニット30(基板31)が基板支持面23cに支持された状態、すなわち基板ユニット30がケース20の規定の位置に配置され、かつ平板状部23に対して平行となった状態において、第1,第2係合凸部35f,35kがそれぞれ係合される。
【0032】
なお、U字状弾性枠35に設けられた第1,第2係合凸部35f,35kは、本発明における第1装着部に相当し、ケース20の一対の支持突起25bにそれぞれ設けられた係合凹部25dは、本発明における第2装着部に相当する。ただし、これらの凹凸関係を逆にすることもできる。つまり、U字状弾性枠35側に係合凹部を設け、支持突起25b側に係合凸部を設けることもできる。
【0033】
[底壁部]
図3ないし
図5に示されるように、基板ユニット30の挿入方向(
図5の左右側)において、開口部25が設けられる側とは反対側に、底壁部26が設けられている。すなわち、ケース本体21の最も深い部分(底部)は、底壁部26により閉塞されている。このように、底壁部26は、平板状部23と段差状カバー部24とを連結しており、これによりケース20は袋状となっている。
【0034】
[側壁部]
さらに、平板状部23および段差状カバー部24の長手方向両側(
図3および
図4の左右側)には、それぞれ側壁部27が一体に設けられている。すなわち、ケース本体21の長手方向両側の側部は、側壁部27によりそれぞれ閉塞されている。このように、一対の側壁部27においても、底壁部26と同様に、平板状部23と段差状カバー部24とを連結している。
【0035】
[基板]
図6に示されるように、基板ユニット30は、基板31,放熱シート(熱伝導部材)34およびU字状弾性枠(弾性部材)35を備えている。基板31は、ガラスエポキシ基板であり、ガラス繊維を布状に編んだガラス織布にエポキシ樹脂を滲みこませて板状に形成されている。
【0036】
図7に示されるように、基板31は、略長方形に形成されており、一対の第1,第2短辺部31a,31bと、一対の第1,第2長辺部31c,31dと、を有している。また、基板31は、一対の電子部品32が装着される表面(他方の面)SF1と、放熱シート34が装着される裏面(一方の面)SF2と、を備えている。なお、第1,第2短辺部31a,31bおよび第1,第2長辺部31c,31dは、それぞれ基板31の縁部を形成しており、本発明における縁部に相当する。
【0037】
ここで、放熱シート34は、シリコーン系の樹脂材料から成り、十分な柔軟性を有する。したがって、基板31の裏面SF2およびケース本体21のシート台23b(
図3参照)の双方に密着可能となっている。放熱シート34は、基板31の板厚方向において、基板31を介して一対の電子部品32と対向している。これにより、それぞれの電子部品32から基板31に伝達された熱は、放熱シート34からケース本体21に効率良く逃がされる。よって、それぞれの電子部品32は、過熱状態となることから確実に保護される。なお、一対の電子部品32は、基板31に装着される電子部品の中でも発熱し易いモータドライバ(FET素子等)となっている。
【0038】
基板31の第1短辺部31aの第1長辺部31c寄りの部分には、第1切欠部31eが設けられており、当該第1切欠部31eは、略長方形に切り欠かれている。また、基板31の第1短辺部31aと第2長辺部31dとの接続部分の近傍には、第1固定穴31fが設けられており、当該第1固定穴31fは、円形に形成され、かつ基板31の板厚方向に貫通している。
【0039】
さらに、基板31の第2短辺部31bの第2長辺部31d寄りの部分には、第2切欠部31gが設けられており、当該第2切欠部31gは、略長方形に切り欠かれている。また、基板31の第2短辺部31bと第2長辺部31dとの接続部分の近傍には、第2固定穴31hが設けられており、当該第2固定穴31hは、円形に形成され、かつ基板31の板厚方向に貫通している。
【0040】
なお、基板31を形成する第1長辺部31cの部分に、一対の雄型コネクタ33が配置されている。すなわち、基板31の第1長辺部31cは、ケース20の開口部25(
図1参照)が形成される部分に配置されている。
【0041】
ここで、第1切欠部31eには、U字状弾性枠35の第1角柱状凸部35g(
図8参照)が入り込み、第1固定穴31fには、U字状弾性枠35の第1円柱状凸部35h(
図8参照)が入り込む。また、第2切欠部31gには、U字状弾性枠35の第2角柱状凸部35m(
図9参照)が入り込み、第2固定穴31hには、U字状弾性枠35の第2円柱状凸部35n(
図9参照)が入り込む。
【0042】
なお、基板31に設けられる第1,第2切欠部31e,31gおよび第1,第2固定穴31f,31hは、それぞれ本発明における第1固定部に相当する。
【0043】
[U字状弾性枠]
図6に示されるように、基板31の縁部には、U字状弾性枠35が設けられている。具体的には、U字状弾性枠35は、ゴム等の弾性材料により略U字状に形成され、基板31と基板支持面23cとの間に挟まれるようにして配置される。そして、U字状弾性枠35は、基板31の長手方向に延びる本体部35aと、本体部35aの長手方向一側(
図6の左上側)に設けられる第1腕部35bと、本体部35aの長手方向他側(
図6の右下側)に設けられる第2腕部35cと、を有している。
【0044】
図8および
図9に示されるように、本体部35aの一端部と第1腕部35bの基端部との間には、略三角形に形成された第1接続部35dが設けられ、当該第1接続部35dにより、本体部35aの一端部と第1腕部35bの基端部とが一体となっている。また、本体部35aの他端部と第2腕部35cの基端部との間には、略三角形に形成された第2接続部35eが設けられ、当該第2接続部35eにより、本体部35aの他端部と第2腕部35cの基端部とが一体となっている。
【0045】
ここで、U字状弾性枠35に設けられる一対の角部に、略三角形の第1,第2接続部35d,35eをそれぞれ設けることにより、U字状弾性枠35の一対の角部の剛性が高められている。これにより、本体部35aと第1腕部35bとの間および本体部35aと第2腕部35cとの間に、亀裂が入ること等が防止される。
【0046】
また、本体部35a,第1腕部35b,第2腕部35c,第1接続部35dおよび第2接続部35eには、基板31の縁部が入り込む基板支持溝Gがそれぞれ設けられている。基板支持溝Gは、基板31を支持する機能を有する。具体的には、基板支持溝Gは、略U字形状に形成されたU字状弾性枠35の内側(U字の内側)に配置され、かつ本体部35a,第1腕部35b,第2腕部35c,第1接続部35dおよび第2接続部35eの全てに連なるようにして設けられている。
【0047】
図8に示されるように、第1腕部35bの長手方向先端側(図中左側)には、第1係合凸部35fが一体に設けられている。第1係合凸部35fは、第1腕部35bの長手方向に所定の高さで突出されており、ケース本体21に設けられた一方の係合凹部25d(
図2の左側の係合凹部25d)に入り込んで係合するようになっている。
【0048】
そして、第1腕部35bの長手方向における第1係合凸部35f寄りの部分で、かつ基板支持溝Gの内側には、略直方体に形成された第1角柱状凸部35gが一体に設けられている。第1角柱状凸部35gは、基板31に設けられた第1切欠部31e(
図7参照)に入り込んで固定される部分である。また、第1接続部35dの内側の基板支持溝Gの部分には、略円柱状に形成された第1円柱状凸部35hが一体に設けられている。第1円柱状凸部35hは、基板31に設けられた第1固定穴31f(
図7参照)に入り込んで固定される部分である。
【0049】
図9に示されるように、第2腕部35cの長手方向先端側(図中右側)には、第2係合凸部35kが一体に設けられている。第2係合凸部35kは、第2腕部35cの長手方向に所定の高さで突出されており、ケース本体21に設けられた他方の係合凹部25d(
図2の右側の係合凹部25d)に入り込んで係合するようになっている。
【0050】
そして、第2腕部35cの長手方向における第2接続部35e寄りの部分で、かつ基板支持溝Gの内側には、略直方体に形成された第2角柱状凸部35mが一体に設けられている。第2角柱状凸部35mは、基板31に設けられた第2切欠部31g(
図7参照)に入り込んで固定される部分である。また、第2接続部35eの内側の基板支持溝Gの部分には、略円柱状に形成された第2円柱状凸部35nが一体に設けられている。第2円柱状凸部35nは、基板31に設けられた第2固定穴31h(
図7参照)に入り込んで固定される部分である。
【0051】
このように、基板31の第1切欠部31e,第1固定穴31f,第2切欠部31gおよび第2固定穴31hを、U字状弾性枠35の第1角柱状凸部35g,第1円柱状凸部35h,第2角柱状凸部35mおよび第2円柱状凸部35nにそれぞれ固定することで、基板31とU字状弾性枠35とを互いにずれることなく、精度良く位置決め可能としている。
【0052】
なお、U字状弾性枠35に設けられる第1,第2角柱状凸部35g,35mおよび第1,第2円柱状凸部35h,35nは、それぞれ本発明における第2固定部に相当する。
【0053】
ただし、基板31の第1切欠部31e,第1固定穴31f,第2切欠部31gおよび第2固定穴31hと、U字状弾性枠35の第1角柱状凸部35g,第1円柱状凸部35h,第2角柱状凸部35mおよび第2円柱状凸部35nとを、それぞれ逆の凹凸関係にすることもできる。つまり、基板31側に凸部を設け、U字状弾性枠35側に切欠部や固定穴(凹部)を設けることもできる。
【0054】
ここで、
図6および
図7に示されるように、U字状弾性枠35の本体部35aが基板31の第2長辺部31dに装着され、U字状弾性枠35の第1腕部35bが基板31の第1短辺部31aに装着され、U字状弾性枠35の第2腕部35cが基板31の第2短辺部31bに装着されている。すなわち、一対の雄型コネクタ33が配置される基板31の第1長辺部31cには、U字状弾性枠35が装着されていない。このように、U字状弾性枠35の開口部25(
図1参照)が設けられる側が開口されている。
【0055】
[組み立て手順]
次に、以上のように形成された制御装置10の組み立て手順について、図面を用いて詳細に説明する。
【0056】
まず、
図7の矢印M1に示されるように、放熱シート34を、基板31の裏面SF2における一対の電子部品32に対応した箇所に貼り付ける。
【0057】
次いで、基板31の縁部にU字状弾性枠35を装着する(
図6参照)。このとき、第1切欠部31e,第1固定穴31f,第2切欠部31gおよび第2固定穴31h(
図7参照)を、第1角柱状凸部35g,第1円柱状凸部35h,第2角柱状凸部35mおよび第2円柱状凸部35n(
図8および
図9参照)に、それぞれ確実に固定する。
【0058】
これにより、
図6に示されるように、基板ユニット30の組み立てが完了する。
【0059】
次に、組み立てられた基板ユニット30を、
図10および
図11に示されるように、ケース20の開口部25に臨ませる。このとき、基板ユニット30を形成するU字状弾性枠35の本体部35a(縁部)を、開口部25に向けるようにする。
【0060】
その後、
図10および
図11の矢印M2に示されるように、基板ユニット30を、ケース20の挿入口となる基板ユニット挿通孔25aに差し込んでいく。このとき、基板31の縁部(第2長辺部31d,
図7参照)を基板ユニット挿通孔25aに臨ませて、基板31をその縁部から開口部25に挿入していく。すると、基板ユニット30は、基板ユニット挿通孔25aへの挿入動作に伴い、基板支持面23cに対して所定角度α°で傾斜される。
【0061】
よって、基板ユニット30の基板支持面23cが設けられる側(
図11の下側)のU字状弾性枠35の摺接箇所が、壁面25cのみとなる。これにより、挿入抵抗の増大が抑えられた状態で、
図12の矢印M3に示されるように、基板ユニット30はケース20にスムーズに収容されていく。
【0062】
次いで、
図13に示されるように、基板ユニット30をケース20の奥まで挿入する。すると、基板ユニット30を形成するU字状弾性枠35の本体部35a側が、ケース20の底壁部26寄りにある基板支持面23cに載置される。その後、
図13の矢印M4に示されるように、基板ユニット30をケース20に対してさらに挿入しつつ、基板ユニット30の第1長辺部31c側を、基板支持面23cに向けて押し下げる。
【0063】
これにより、
図14に示されるように、基板ユニット30を形成するU字状弾性枠35の第1,第2係合凸部35f,35kが、それぞれに対応した係合凹部25dに入り込んで装着される。なお、
図14では、第1,第2係合凸部35f,35kのうち、第1係合凸部35fのみが示されている。
【0064】
よって、
図14に示されるように、基板ユニット30の本体部35a側(
図14の右側)および第1長辺部31c側(
図14の左側)が、基板支持面23cにそれぞれ支持されて、基板31が平板状部23に対して平行な状態となる。これと同時に、基板31の裏面SF2に装着された放熱シート34(
図7および
図10参照)は、平板状部23のシート台23b(
図3参照)に対して隙間なく密着される。よって、基板ユニット30のケース20への収容が終了する。
【0065】
その後、液状化されたモールド樹脂40(
図1参照)を、図示しないディスペンサ等からケース20の開口部25に充填していき、基板ユニット30の周りをモールド樹脂40で満たしていく。このとき、U字状弾性枠35の第1,第2係合凸部35f,35kが、それぞれに対応した係合凹部25dに入り込んで装着されているので、モールド樹脂40のケース20内での流動により、基板ユニット30が位置ずれを起こすことはない。
【0066】
そして、
図1に示されるように、開口部25を埋めるようにモールド樹脂40をケース20に充填することで、モールド樹脂40の充填作業が終了する。なお、ケース20にモールド樹脂40を満遍なく行き渡らせるために、確実にエア抜きがされるようにゆっくりと充填作業を行うようにする。
【0067】
次いで、基板ユニット30が収容されかつモールド樹脂40が充填されたケース20を、乾燥炉等(図示せず)に入れて約80℃に加熱することで、モールド樹脂40を完全に硬化させる。これにより、制御装置10の組み立て作業が終了する。
【0068】
以上詳述したように、実施の形態1の制御装置10によれば、ケース20は、基板31が当該基板31の縁部から挿入される開口部25と、開口部25が設けられる側とは反対側に設けられる底壁部26と、U字状弾性枠35を介して基板31の裏面SF2を支持する基板支持面23cと、基板支持面23cと対向し、かつ基板支持面23cに対して傾斜した傾斜面24eと、を有し、基板支持面23cと傾斜面24eとの離間距離は、開口部25が設けられる側(離間距離L1)の方が、底壁部26が設けられる側(離間距離L2)よりも大きくなっている(L1>L2)。
【0069】
これにより、基板31の縁部を開口部25に挿入し、基板31を傾斜面24eに沿わせてケース20に収容し、U字状弾性枠35を介して基板31の裏面SF2を基板支持面23cに支持させることができる。よって、ケース20を1つの部品から形成することができ、ひいては組み立て作業性を低下させずに十分な防水性を確保することが可能となる。
【0070】
また、実施の形態1の制御装置10によれば、基板31の縁部に、U字状弾性枠35が設けられ、U字状弾性枠35は、基板31と基板支持面23cとの間に配置されているので、基板31をケース20の振動等から保護することができる。
【0071】
さらに、実施の形態1の制御装置10によれば、U字状弾性枠35に、第1,第2係合凸部35f,35kが設けられ、第1,第2係合凸部35f,35kは、ケース20に設けられる一対の支持突起25bにそれぞれ装着されているので、基板ユニット30をケース20の規定の位置にずれることなく位置決めすることができる。よって、制御装置10の組み立て時において、モールド樹脂40のケース20内での流動により、基板ユニット30が位置ずれを起こすことが防止される。
【0072】
また、実施の形態1の制御装置10によれば、U字状弾性枠35は、開口部25が設けられる側が開口するようにU字形状に形成されているので、ケース20の外部に露出される一対の雄型コネクタ33を、基板31の第1長辺部31cに配置することができる。なお、基板31の第1長辺部31cとケース20との間には、モールド樹脂40が設けられるため、一対の雄型コネクタ33をケース20の振動等から保護することができる。
【0073】
さらに、実施の形態1の制御装置10によれば、基板31に、第1,第2切欠部31e,31gおよび第1,第2固定穴31f,31hが設けられ、これらの第1,第2切欠部31e,31gおよび第1,第2固定穴31f,31hは、U字状弾性枠35に設けられる第1,第2角柱状凸部35g,35mおよび第1,第2円柱状凸部35h,35nにそれぞれ固定されている。これにより、基板31とU字状弾性枠35とを互いにずれることなく、精度良く位置決めすることができ、ひいては基板31とケース20との位置精度の低下も防止できる。
【0074】
また、実施の形態1の制御装置10によれば、基板31の裏面SF2に、基板31の熱をケース20に逃がす放熱シート34が設けられているので、基板31に装着された一対の電子部品32等が過熱状態になることを確実に防止することができる。よって、制御装置10の信頼性を向上させることが可能となる。
【0075】
さらに、実施の形態1の制御装置10によれば、ケース20に、基板31を覆うモールド樹脂40が充填されているので、基板31を、雨や塵埃さらには振動等から確実に保護することが可能となり、制御装置10の信頼性をより向上させることができる。
【0076】
また、実施の形態1の制御装置10によれば、ケース20を1つの部品から形成することができ、かつ制御装置10を組み立てる際にねじ止め等の作業が不要となるため、部品点数および組み立て工数を低減できる。よって、製造エネルギーを削減することが可能となり、国連で定められた持続可能な開発目標(SDGs)における特に目標7(すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的なエネルギーへのアクセスを確保する)および目標13(気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる)を実現することができる。
【0077】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0078】
図15は実施の形態2の組み立て手順2を示す断面図を、
図16は実施の形態2の組み立て手順3を示す断面図を、
図17は実施の形態2の
図14に対応した断面図をそれぞれ示している。
【0079】
図15ないし
図17に示されるように、実施の形態2の制御装置50では、実施の形態1の制御装置10(
図12ないし
図14参照)に比して、ケース20およびU字状弾性枠35の形状が若干異なっている。
【0080】
具体的には、実施の形態2では、ケース20の開口部25の部分に設けられる一対の支持突起25b(
図2および
図3参照)を省略し、その一方でケース20の開口部25が設けられる部分に一対の係合窪み部51を設けている。なお、
図15ないし
図17では、一方の係合窪み部51のみが示されている。
【0081】
具体的には、一対の係合窪み部51は、開口部25の長手方向両側に配置され、かつ平板状部23に対して基板31の板厚方向に窪んで設けられている。ここで、一対の係合窪み部51は、本発明における第2装着部に相当する。
【0082】
また、実施の形態2では、U字状弾性枠35の第1,第2腕部35b,35cに一体に設けられる第1,第2係合凸部35f,35k(
図6参照)を省略し、その一方で、第1,第2腕部35b,35cの長手方向先端側に、第1,第2突起部52,53を設けている。なお、
図15ないし
図17では、第1腕部35bおよび第1突起部52のみが示され、第2腕部35cおよび第2突起部53を括弧で示している。
【0083】
具体的には、第1,第2突起部52,53は、基板31の板厚方向に突出するようにして設けられている。ここで、第1,第2突起部52,53は、本発明における第1装着部に相当する。
【0084】
そして、第1,第2突起部52,53が一対の係合窪み部51にそれぞれ嵌合することで、基板ユニット30がケース20の規定の位置に配置され、かつ平板状部23に対して平行な状態となる(
図17参照)。
【0085】
ただし、一対の係合窪み部51および第1,第2突起部52,53の凹凸関係を逆にすることもできる。つまり、U字状弾性枠35側に係合凹部を設け、ケース20側に突起部を設けることもできる。
【0086】
[組み立て手順]
制御装置50を組み立てるには、基板ユニット30を形成するU字状弾性枠35の本体部35a(縁部,
図10参照)を、開口部25に向ける。次いで、
図15の矢印M3に示されるように、基板ユニット30を開口部25に差し込んでいく。その際に、実施の形態2の開口部25には、一対の支持突起25b(
図2および
図3参照)が設けられていないので、実施の形態1に比して容易に挿入可能となっている。
【0087】
すなわち、実施の形態2の開口部25の開口幅OP2(
図17参照)は、実施の形態1の基板ユニット挿通孔25aの開口幅OP1(
図5参照)よりも大きくなっている(OP2>OP1)。具体的には、開口幅OP2は、開口幅OP1の略1.5倍の大きさとなっている(OP2≒1.5×OP1)。
【0088】
その後、実施の形態1と同様に、
図16の矢印M4に示されるように、基板ユニット30をケース20に対してさらに挿入しつつ、基板ユニット30の第1長辺部31c側(
図6参照)を、基板支持面23cに向けて押し下げる。これにより、
図17に示されるように、第1,第2突起部52,53が一対の係合窪み部51にそれぞれ嵌合して、基板ユニット30がケース20の規定の位置に配置される。
【0089】
よって、基板ユニット30の本体部35a側(
図17の右側)および第1長辺部31c側(
図17の左側)が、基板支持面23cにそれぞれ支持されて、基板31が平板状部23に対して平行な状態となる。
【0090】
以上のように形成された実施の形態2においても、実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、開口部25の開口幅OP2を実施の形態1よりも大きくできるので、基板ユニット30のケース20への挿入作業を、より容易に行うことが可能となる。
【0091】
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態では、福祉機器としての電動アシスト付き手押し車(図示せず)に搭載される制御装置10であるものを示したが、本発明はこれに限らず、電動車椅子や電動カート等の車両や自動車等の車両に搭載される制御装置にも適用することができる。
【0092】
その他、上記各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記各実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0093】
10:制御装置,20:ケース,21:ケース本体,22:取り付け脚,22a:ボルト挿通孔,23:平板状部,23a:補強リブ,23b:シート台,23c:基板支持面,24:段差状カバー部,24a:カバー本体,24b:第1段差部,24c:第2段差部,24d:補強リブ,24e:傾斜面,25:開口部,25a:基板ユニット挿通孔,25b:支持突起,25c:壁面,25d:係合凹部(第2装着部),26:底壁部,27:側壁部,30:基板ユニット,31:基板,31a:第1短辺部(縁部),31b:第2短辺部(縁部),31c:第1長辺部(縁部),31d:第2長辺部(縁部),31e:第1切欠部(第1固定部),31f:第1固定穴(第1固定部),31g:第2切欠部(第1固定部),31h:第2固定穴(第1固定部),32:電子部品,33:雄型コネクタ,34:放熱シート(熱伝導部材),35:U字状弾性枠(弾性部材),35a:本体部,35b:第1腕部,35c:第2腕部,35d:第1接続部,35e:第2接続部,35f:第1係合凸部(第1装着部),35g:第1角柱状凸部(第2固定部),35h:第1円柱状凸部(第2固定部),35k:第2係合凸部(第1装着部),35m:第2角柱状凸部(第2固定部),35n:第2円柱状凸部(第2固定部),40:モールド樹脂(封止材),50:制御装置,51:係合窪み部(第2装着部),52:第1突起部(第1装着部),53:第2突起部(第1装着部),G:基板支持溝,L1,L2:離間距離,SF1:表面,SF2:裏面(一方の面)