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特開2024-74306ソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074306
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージ
(51)【国際特許分類】
   A22C 11/02 20060101AFI20240524BHJP
   A23P 30/10 20160101ALI20240524BHJP
   A23P 30/25 20160101ALI20240524BHJP
   A23L 13/60 20160101ALI20240524BHJP
【FI】
A22C11/02
A23P30/10
A23P30/25
A23L13/60 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185358
(22)【出願日】2022-11-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】722002454
【氏名又は名称】オトボッシュ アティラ
【氏名又は名称原語表記】ATTILA OETVOES
【住所又は居所原語表記】fukuokashi nishiku imazu1160― 29
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】オトボッシュ アティラ
【テーマコード(参考)】
4B011
4B042
4B048
【Fターム(参考)】
4B011CA02
4B011CC02
4B042AC09
4B042AC10
4B042AD03
4B042AE03
4B042AE10
4B042AP21
4B042AP23
4B042AP30
4B048PE05
4B048PE08
4B048PE14
4B048PM11
4B048PM14
(57)【要約】
【課題】ソーセージのケーシングに充填される、見た目に異なる複数種類の調味具材を、ケーシングを通して模様として見せることができる、意匠が特徴的なソーセージを製造するソーセージ製造装置を提供する。
【解決手段】ソーセージの製造装置Dは、内部に軸周方向へ配された複数の充填路22、22a、22b、22cを有する基管2と、充填路22、22a、22b、22cに、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する供給管30、30a、30b、30cと、基管2に軸周方向へ回転可能に取り付けられ、充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な回転充填体24とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記調味具材を前記基管の充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングに、その内面に接して所定の模様を描くように充填する工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項2】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項1記載のソーセージの製造方法。
【請求項3】
前記充填路が前記基管の長さ方向へ螺旋を描くように設けられている
請求項1記載のソーセージの製造方法。
【請求項4】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら、前記調味具材を前記ケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填する工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項5】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項4記載のソーセージの製造方法。
【請求項6】
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部の前記ケーシングに引き込み部材の先部を接続する工程と、
前記基材料の他端部から内部の調味具材に、前記基材料の一端部を案内するガイド部材を挿着する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記引き込み部材の基部を前記基材料の他端部から前記調味具材に差し入れ、前記ケーシングの適宜箇所を貫通して外部に出し、外部に出た部分を更に引いて、前記基材料の一端部を前記ガイド部材に沿わせるように前記調味具材内に引き込む工程と、
前記基材料の一端部が、前記ガイド部材の内面に充分に圧着、又は密着する程度に引き込んで、前記基材料の全体をリング状に形成したところで、前記引き込み部材の接続状態を解除する工程と、
前記ガイド部材を基材料から抜き取る工程とを備える
請求項1又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項7】
前記基材料の一端部を先細りに形成して、前記基材料の他端部から引き込み、その先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出す
請求項6記載のソーセージの製造方法。
【請求項8】
前記基材料の一端部の前記ケーシングに対する前記引き込み部材の先部の接続が、前記引き込み部材の鉤部を前記ケーシングに引っ掛けて行う
請求項6記載のソーセージの製造方法。
【請求項9】
前記ガイド部材が、前記基材料の湾曲した部分にほぼ沿うように、長手方向に湾曲し、かつ幅方向にも湾曲した所定の長さの桶状、又は前記ガイド部材が、長さ方向に真っ直ぐで、幅方向には湾曲した所定の長さの桶状に形成されている
請求項6記載のソーセージの製造方法。
【請求項10】
前記基材料の他端部から内部の前記調味具材に挿着されている前記ガイド部材の内面側に、前記ケーシング内の前記調味具材を成形するか、又は取り除いて、前記基材料の一端部の入口を形成する
請求項6記載のソーセージの製造方法。
【請求項11】
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部を先細りに形成して所定の硬度となるように先端から所定の長さの範囲で冷凍する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記冷凍した一端部を前記基材料の他端部の前記調味具材内の所定の深さに押し込んで収容し、前記一端部の先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出すか、又は貫通させないでおき、前記基材料の全体をリング状に形成する工程とを備える
請求項1又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項12】
内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有すると共に、該充填路の充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な基管と、
該充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部とを備える
ソーセージの製造装置。
【請求項13】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項6記載のソーセージの製造装置。
【請求項14】
前記充填路が前記基管の長さ方向へ螺旋を描くように設けられている
請求項6記載のソーセージの製造装置。
【請求項15】
内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有する基管と、
前記充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に取り付けられ、充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な回転充填体とを備える
ソーセージの製造装置。
【請求項16】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項9記載のソーセージの製造装置。
【請求項17】
透光性を有するケーシングに、見た目に異なる複数種類の調味具材が、前記ケーシングの内面に接して所定の模様を描くように充填されている
ソーセージ。
【請求項18】
前記ケーシングに前記調味具材が充填され、所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から前記調味具材の内部に収容した状態で接合されており、全体が所定の径を有するリング状に形成されている
請求項17記載のソーセージ。
【請求項19】
前記一端部は先細りに形成されており、その先端が前記ケーシングの所定箇所を貫通して外部に出してある
請求項18記載のソーセージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージに関するものである。詳しくは、ソーセージのケーシングに充填される、見た目に異なる複数種類の調味具材を、ケーシングを通して模様として見せることができる、意匠が特徴的なソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージに関する。
【背景技術】
【0002】
ソーセージは、羊腸などのケーシングに刻み肉やミンチ肉に調味を施した調味具材を充填し、燻製をするなどしたもので、全世界的に食されている。しかし、ソーセージは見た目にほぼ一様で、色や形に大きな違いはない。
【0003】
そこで、ソーセージを意匠的(外観的)に特徴付けようとする試みが成されている。例えば、ケーシングに色分けにより模様を付けて特徴付けるものの他、特許文献1に記載の「モザイク状ソーセージの成形方法」のように、ケーシングに充填される調味具材で特徴付けようとするものも提案されている。
【0004】
特許文献1記載の成形方法は、外側ノズルと内側ノズルによって形成されるベース用充填路と模様用充填路に、それぞれベース用練り肉と模様用練り肉(何れも本発明にいう調味具材)を移送して、吐出口から同時に充填用型内に吐出させ、練り肉の押し出し圧により充填用型を押し出すというものである。
【0005】
これにより製造されるソーセージは、充填用型内にベース用練り肉と模様用練り肉とがそれぞれ吐出口形状に応じた模様を呈して、練り肉の押し出し方向に均一なモザイク状に形成され、太さ方向の任意の切り口の何れにも、同様の模様が鮮明に表れ、意匠的効果がきわめて高い、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61-205457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の成形方法には、次のような課題があった。すなわち、この方法で成形されるソーセージは、外観には、必然的にベース用練り肉のみが表れることになり、長さ方向の端部の模様用練り肉はほとんど目立たない。すなわち、太さ方向に切断しない限り、ほぼ内側の模様用練り肉が表れることはない。
【0008】
つまり、ソーセージを盛り付けたり食する際は、必ずしも太さ方向に切断するとは限らないので、このソーセージのように、製品としての外観にベース用練り肉と模様用練り肉で形成される模様が表れないと、食する人がせっかくの模様に気付かないまま、食べてしまうこともあり得る。
【0009】
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、ソーセージのケーシングに充填される、見た目に異なる複数種類の調味具材を、ケーシングを通して模様として見せることができる、意匠が特徴的なソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
〔1〕上記の目的を達成するために本発明は、具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、前記調味具材を前記基管の充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングに、その内面に接して所定の模様を描くように充填する工程とを備えるソーセージの製造方法である。
【0011】
本発明のソーセージの製造方法では、具材供給部から調味具材が供給される充填路が、基管の内部に軸周方向へ配されているので、基管の充填側の端部に嵌着されるケーシングの内面に接する位置で調味具材を充填することができる。
【0012】
そして、充填に伴って、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを模様として外部から認識できるソーセージが製造できる。また、製造されたソーセージには、外観に模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0013】
また、ケーシングに充填される調味具材のそれぞれに、見た目だけでなく、例えば肉の種類や部位の違いにより、歯触りや歯切れなどの食感の異なる調味具材を採用することができる。これによれば、複数の食感の異なる調味具材を適宜組み合わせることにより、歯触りや歯切れなどの食感をコントロールして様々に特徴付けることができ、ソーセージにこの点での多くのバリエーションを持たせることができる。
【0014】
〔2〕本発明のソーセージの製造方法は、前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている構成とすることもできる。
【0015】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、各充填路で平行かつ直線的になるので、ケーシングの中で長さ方向に同質の調味具材が延びて、かつ周方向に複数種類の調味具材が並んだ模様のソーセージを製造することができる。
【0016】
〔3〕本発明のソーセージの製造方法は、前記充填路が前記基管の長さ方向へ螺旋を描くように設けられている構成とすることもできる。
【0017】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、直線的でなく、それぞれ吐出角度が異なる捻れ方向となるので、ケーシングの中で長さ方向に同質の調味具材が螺旋状に延びて、かつ周方向に複数種類の調味具材が並んだ模様のソーセージを製造することができる。
【0018】
〔4〕上記の目的を達成するために本発明は、具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、前記基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら、前記調味具材を前記ケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填する工程とを備えるソーセージの製造方法である。
【0019】
本発明のソーセージの製造方法では、具材供給部から調味具材が供給される充填路が、基管の内部に軸周方向へ配されているので、基管の充填側の端部に嵌着されるケーシングの内面に接する位置で調味具材を充填することができる。
【0020】
また、充填する際には、基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら充填する。しかも、充填に伴い、ケーシングは延びていくので、調味具材をケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填できる。
【0021】
これにより、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを螺旋状の模様として外部から認識できるソーセージが製造できる。また、回転充填体の回転スピードに応じて、螺旋の曲がりの角度が異なる螺線状の模様を描くことができる。このように、製造されたソーセージには、外観に螺旋状の模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0022】
〔5〕本発明のソーセージの製造方法は、前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている構成とすることもできる。
【0023】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、各充填路で平行かつ直線的になるので、長さ方向に同質の調味具材が吐出して充填される。しかし、ケーシングが回転しながら延びるので、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを螺旋状の模様として外部から認識できるソーセージが製造できる。このように、製造されたソーセージには、外観に螺旋状の模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0024】
〔6〕本発明のソーセージの製造方法は、前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、前記基材料の一端部の前記ケーシングに引き込み部材の先部を接続する工程と、前記基材料の他端部から内部の調味具材に、前記基材料の一端部を案内するガイド部材を挿着する工程と、前記基材料を湾曲させて、前記引き込み部材の基部を前記基材料の他端部から前記調味具材に差し入れ、前記ケーシングの適宜箇所を貫通して外部に出し、外部に出た部分を更に引いて、前記基材料の一端部を前記ガイド部材に沿わせるように前記調味具材内に引き込む工程と、前記基材料の一端部が、前記ガイド部材の内面に充分に圧着、又は密着する程度に引き込んで、前記基材料の全体をリング状に形成したところで、前記引き込み部材の接続状態を解除する工程と、前記ガイド部材を基材料から抜き取る工程とを備える構成とすることもできる。
【0025】
本発明のソーセージの製造方法は、基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程により、所定の長さに形成したそれぞれを、一つのリング状ソーセージの材料とすることができ、長さを揃えれば、同様の方法で製造することにより、自然に同じ径(大きさ)のリング状ソーセージを製造することができる。
【0026】
また、基材料の一端部のケーシングに引き込み部材の先部を接続する工程により、引き込み部材を利用して、基材料の一端部を充分な力で引っ張ることが可能になる。これによれば、基材料の一端部を他端部から調味具材の内部に引き込む操作ができるようになる。
【0027】
また、基材料の他端部から内部の調味具材に、基材料の一端部を案内するガイド部材を挿着する工程により、基材料の他端部の調味具材にガイド部材を止め付けて、ガイド部材を基材料の一端部を引き込む際のガイドとすることができるようになる。
【0028】
また、他端部の調味具材に挿着してあるガイド部材は、筒状のケーシングを内側から補強しており、引き込み作業の際に、基材料の他端部を保持するときに変形しにくくするための補助となり、作業がしやすい。
【0029】
また、基材料を湾曲させて、引き込み部材の基部を基材料の他端部から調味具材に差し入れ、ケーシングの適宜箇所を貫通して外部に出し、外部に出た部分を更に引いて、基材料の一端部をガイド部材に沿わせるように調味具材内に引き込む工程により、一端部を充分な長さを以て引き込むことができる。また、基材料他端部のケーシング内にある調味具材が、基材料の一端部に強く押されて内圧が高くなるので、調味具材が一端部を包んで固定する力が強くなり、抜けにくくなる。
【0030】
また、基材料の一端部が、ガイド部材の内面に充分に圧着、又は密着する程度に引き込んで、基材料の全体をリング状に形成したところで、引き込み部材の接続状態を解除する工程と、ガイド部材を基材料から抜き取る工程により、食することが可能なリング状のソーセージとすることができる。
【0031】
本発明によれば、チューブ状のケーシングに、調味具材が充填されて所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から調味具材の内部に引き込んだ状態で接合されているリング状ソーセージを製造することができるので、形が安定してリング状に整っていると共に、リング状ソーセージが、調理や盛り付けの際に、接合部分が外れたり位置がずれたりして形が崩れてしまうことを抑止できる。
【0032】
〔7〕本発明のソーセージの製造方法は、前記基材料の一端部を先細りに形成して、前記基材料の他端部から引き込み、その先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出す構成とすることもできる。
【0033】
この場合は、引き込む際に、それ程大きな抵抗は作用せず、比較的容易に引き込むことができる。しかも、基材料の一端部の引き込んだ部分も充分に長くなるので、調味具材の内圧による固定力も強くなり、リング状の型崩れを防ぎながら、製造の際の作業性を向上させることができる。
【0034】
また、一端部の引き込んだ部分が長くなることにより、ケーシングも伸びるので、食する際の歯切れが良く、食感も悪くなりにくい。更に、ケーシングの所定箇所を貫通している一端部の先端が、一端部の内部の調味具材の圧力でケーシングに対して固定されるので、型崩れをより効果的に抑止することができる。
【0035】
〔8〕本発明のソーセージの製造方法は、前記基材料の一端部の前記ケーシングに対する前記引き込み部材の先部の接続が、前記引き込み部材の鉤部を前記ケーシングに引っ掛けて行う構成とすることもできる。
【0036】
この場合は、ケーシング、特に一般的に利用される羊腸、豚腸などは、薄くても良好な強度を有しており、引き込み部材の鉤部を引っ掛けただけでも、充分な接続強度を有しているので、手早く、かつ確実に接続することが可能になる。また、これにより、製造の際の作業性も良好である。
【0037】
〔9〕本発明のソーセージの製造方法は、前記ガイド部材が、前記基材料の湾曲した部分にほぼ沿うように、長手方向に湾曲し、かつ幅方向にも湾曲した所定の長さの桶状、又は前記ガイド部材が、長さ方向に真っ直ぐで、幅方向には湾曲した所定の長さの桶状に形成されている構成とすることもできる。
【0038】
この場合は、ガイド部材が、基材料の湾曲した部分にほぼ沿うように、長手方向に湾曲しているので、ガイド部材をケーシングの内面に寄せても、ケーシングを傷付けにくいので、ケーシング内面に密着するくらい寄せることもできる。これにより、基材料の一端部を入れる調味具材の部分を大きくとることができ、一端部がやや太くなっても、引き込みが可能になる。
【0039】
また、ガイド部材が、長さ方向に真っ直ぐな形状であるため、調味具材への挿着時の差し込みと、後の抜き取りの際に、抵抗が小さく作業が容易である。特にガイド部材の抜き取りの際に調味具材が引っ掛かることによる一部の引き外れが抑えられるので、手直しの手間も軽減できる。
【0040】
〔10〕本発明のソーセージの製造方法は、前記基材料の他端部から内部の前記調味具材に挿着されている前記ガイド部材の内面側に、前記ケーシング内の前記調味具材を成形するか、又は取り除いて、前記基材料の一端部の入口を形成する構成とすることもできる。
【0041】
この場合は、基材料の他端部に入り口があることで、基材料の一端部を調味具材に引き込む際に、最初の位置が決まるので、引き込み作業がしやすい。また、一端部の引き込みの際に、調味具材が溢れて無駄になることも抑制できる。
【0042】
〔11〕本発明のソーセージの製造方法は、前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、前記基材料の一端部を先細りに形成して所定の硬度となるように先端から所定の長さの範囲で冷凍する工程と、前記基材料を湾曲させて、前記冷凍した一端部を前記基材料の他端部の前記調味具材内の所定の深さに押し込んで収容し、前記一端部の先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出すか、又は貫通させないでおき、前記基材料の全体をリング状に形成する工程とを備える構成とすることもできる。
【0043】
この場合は、チューブ状のケーシングに、調味した生の調味具材を充填し、ケーシング詰めのソーセージの基材料を形成することができ、これをリング状ソーセージの材料とすることができる。
【0044】
また、基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程により、所定の長さに形成したそれぞれを、一つのリング状ソーセージの材料とすることができる。また、長さを揃えれば、同様の方法で製造することにより、自然に同じ径(大きさ)のリング状ソーセージを製造することができる。
【0045】
また、基材料の一端部を先細りに形成して所定の硬度となるように先端から所定の長さの範囲で冷凍する工程により、一端部に力を加えても変形しにくくなり、後工程の他端部に対する押し込みがしやすくなると共に、より確実にできるようになる。
【0046】
また、基材料を湾曲させて、冷凍した一端部を基材料の他端部の調味具材内の所定の深さに押し込んで収容し、一端部の先端をケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出すか、又は貫通させないで収容しておき、基材料の全体をリング状に形成する工程により、まず、冷凍した一端部が他端部の調味具材内に収容されると、抜けたりずれたりしにくい。
【0047】
また、一端部の先端をケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出した場合は、ケーシングの所定箇所を貫通している一端部の先端が、一端部の内部の調味具材の圧力でケーシングに対して固定されるので、型崩れをより効果的に抑止することができる。更に、一端部をケーシングに貫通させないで収容しておく場合は、手間がかからず、作業を容易に行うことができる。
【0048】
本発明によれば、チューブ状のケーシングに、調味具材が充填されて所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から調味具材の内部に収容した状態で接合されているリング状ソーセージを製造することができるので、形が安定してリング状に整っていると共に、リング状ソーセージは、調理や盛り付けの際に、接合部分が外れたり位置がずれたりして形が崩れてしまうことを抑止できる。
【0049】
〔12〕上記の目的を達成するために本発明は、内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有すると共に、該充填路の充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な基管と、該充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部とを備えるソーセージの製造装置である。
【0050】
本発明のソーセージの製造装置は、基管の充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部とを備えるので、各充填路毎に種類が異なる調味具材を供給することができる。
【0051】
また、内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有すると共に、該充填路の充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な基管を備えるので、調味具材を基管の充填側の端部に嵌着されるケーシングの内面に接する位置で調味具材を充填することができる。
【0052】
これにより、充填に伴って、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを模様として外部から認識できるソーセージが製造できる。また、製造されたソーセージには、外観に模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0053】
また、ケーシングに充填される調味具材のそれぞれに、見た目だけでなく、例えば肉の種類や部位の違いにより、歯触りや歯切れなどの食感の異なる調味具材を採用することができる。これによれば、複数の食感の異なる調味具材を適宜組み合わせることにより、歯触りや歯切れなどの食感をコントロールして様々に特徴付けることができ、ソーセージにこの点での多くのバリエーションを持たせることができる。
【0054】
〔13〕本発明のソーセージの製造装置は、前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている構成とすることもできる。
【0055】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、各充填路で平行かつ直線的になるので、ケーシングの中で長さ方向に同質の調味具材が延びて、かつ周方向に複数種類の調味具材が並んだ模様のソーセージを製造することができる。
【0056】
〔14〕本発明のソーセージの製造装置は、前記充填路が前記基管の長さ方向へ螺旋を描くように設けられている構成とすることもできる。
【0057】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、直線的でなく、それぞれ吐出角度が異なる捻れ方向となるので、ケーシングの中で長さ方向に同質の調味具材が螺旋状に延びて、かつ周方向に複数種類の調味具材が並んだ模様のソーセージを製造することができる。
【0058】
〔15〕上記の目的を達成するために本発明は、内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有する基管と、前記充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部と、前記基管に軸周方向へ回転可能に取り付けられ、充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な回転充填体とを備えるソーセージの製造装置である。
【0059】
本発明のソーセージの製造装置は、具材供給部から調味具材が供給される充填路が、基管の内部に軸周方向へ配されているので、基管の充填側の端部に嵌着されるケーシングの内面に接する位置で調味具材を充填することができる。
【0060】
また、充填する際には、基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら充填する。しかも、充填に伴い、ケーシングは延びていくので、調味具材をケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填できる。
【0061】
これにより、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを螺旋状の模様として外部から認識できるソーセージが製造できる。また、回転充填体の回転スピードに応じて、螺旋の曲がりの角度が異なる螺線状の模様を描くことができる。このように、製造されたソーセージには、外観に螺旋状の模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0062】
〔16〕本発明のソーセージの製造装置は、前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている構成とすることもできる。
【0063】
この場合は、充填する際の調味具材の吐出方向が、各充填路で平行かつ直線的になるので、調味具材の充填時に回転充填体を回転させないようにすることにより、ケーシングの中で長さ方向に同質の調味具材が延びて、かつ周方向に複数種類の調味具材が並んだ模様のソーセージを製造することができる。
【0064】
このように、このソーセージ製造装置によれば、模様が直線状のソーセージを製造することもできるし、模様が螺旋状のソーセージを製造することもできるので、必要に応じて装置を使い分けることができる。
【0065】
〔17〕上記の目的を達成するために本発明は、透光性を有するケーシングに、見た目に異なる複数種類の調味具材が、前記ケーシングの内面に接して所定の模様を描くように充填されているソーセージである。
【0066】
本発明のソーセージは、複数の見た目に異なる複数種類の調味具材が、透光性を有するケーシングを通して表面に表れ、これを模様として外部から認識できるソーセージであり、外観に模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。なお、例えばソーセージを太さ方向で切断すれば、切り口にも調味具材で分かれた模様が表れる。
【0067】
〔18〕本発明のソーセージは、前記ケーシングに前記調味具材が充填され、所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から前記調味具材の内部に収容した状態で接合されており、全体が所定の径を有するリング状に形成されている構成とすることもできる。
【0068】
この場合は、チューブ状のケーシングに、調味具材が充填されて所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から調味具材の内部に収容した状態で接合されているので、形が安定してリング状に整ったソーセージとなり、調理や盛り付けの際に接合部分が外れたり位置がずれたりして形が崩れてしまうことを抑止できる。
【0069】
更に、全体が所定の径を有するリング状に形成されているので、意匠的にもユニークであり、その中心部の空隙に様々な食材を置いたり詰めたりすることができ、オードブルとしても有用な点は、従来のリング状のソーセージと同様である。
【0070】
〔19〕本発明のソーセージは、前記一端部は先細りに形成されており、その先端が前記ケーシングの所定箇所を貫通して外部に出してある構成とすることもできる。
【0071】
この場合は、一端部の収容された部分が長くなることにより、ケーシングも伸びるので、食する際の歯切れが良く、食感も悪くなりにくい。また、ケーシングの所定箇所を貫通している一端部の先端(ケーシングの端部など)が、一端部の内部の調味具材の圧力でケーシングに対して固定されるので、型崩れをより効果的に抑止することができる。更には、貫通している一端部の先端が穴を閉塞するため、内部の調味具材が漏れ出ることを抑止できるなど、穴自体が何かの支障となることはない。
【0072】
なお、リング状ソーセージに、一般的に行われる、乾燥処理、燻煙処理、又は湯煮処理をすれば、ケーシング内部の調味具材が加熱されてやや硬くなる(或いは固まる)ため、製品としての形状の維持ができるようになると共に、特に燻煙処理によれば、加えて特有の香味のある燻製品とすることができる。また、燻煙処理や湯煮処理では、加熱による殺菌も行われるので、製品の賞味期間を長く設定することができるようになる。
【発明の効果】
【0073】
本発明は、ソーセージのケーシングに充填される、見た目に異なる複数種類の調味具材を、ケーシングを通して模様として見せることができる、意匠が特徴的なソーセージの製造方法、製造装置、及びソーセージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本発明に係るソーセージ製造装置の概略説明図である。
図2図1に示すソーセージ製造装置の基管の構造を示す説明図である。
図3図1における基管と回転充填体の正面図である。
図4】ソーセージ製造装置の使用状態を示す要部断面説明図(切断線は図2でC-C)である。
図5】ソーセージ製造装置で製造されたソーセージを示し。(a)は模様が長さ方向に直線状のソーセージ、(b)は模様が長さ方向に螺旋状であるソーセージの説明図である。
図6】ソーセージ製品の例を示し、(a)はウィンナー状で模様が直線状のもの、(b)はウィンナー状で模様が螺旋状のもの、(c)はリング状で模様が螺旋状のものの説明図である。
図7】ソーセージ製造装置を構成する基管の変形例の構造を示す説明図である。
図8】リング状ソーセージの製造方法を示し、ガイド部材と引き込みピンを、調味具材を充填したケーシングにセットする工程を示す説明図である。
図9】リング状ソーセージの製造方法を示し、調味具材を充填したケーシングの一端部の先細りに形成した側を、他端部から入れて内部に引き込む工程の説明図である。
図10】リング状ソーセージの製造方法を示し、調味具材を充填したケーシングの先細りに形成した側を引き込んで連結した後、ガイド部材を抜き取ってリングソーセージを形成する工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1乃至図7を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。
本発明に係るソーセージ製造装置Dは、メンテナンス性が良好なステンレススチール製である。ソーセージ製造装置Dは、正面視長方形状で所定の厚さを有する基体フレーム1を有する。
【0076】
基体フレーム1の正面側のほぼ中央部には、取付孔(図示、符号共省略)が設けられ、取付孔には、所定の長さの基管2が正面側に突出して固定されている。また、取付孔は、背面側に設けられた空隙(図示、符号共省略)につながり、後で説明する供給管30、30a、30b、30cの配管ができるようにしてある。
【0077】
基管2は、円筒形の外管20を有しており、外管20の内部には、中心角度90°で交差した交差板状の隔離部材21が取り付けてある。なお、製造されるソーセージの太さは、通常はこの基管2の太さと同じ程度となるが、例えば調味具材の充填圧力を変えることで太くするなど、調整は可能である。
【0078】
隔離部材21を構成する板体の四箇所の外縁辺部は外管20の内壁に固定され、交差部分は、外管20の中心線と重なっている。これにより、基管2の内部には、断面扇形の空隙を持つ四つの充填路22、22a、22b、22cが、各空隙が外管20から始まるように軸周方向へ配されて形成されている(図2参照)。なお、充填路の数は、複数であればよく、通常は基管2の内部に2乃至4箇所に設けられるが、限定はしない。
【0079】
また、軸周方向に複数配される充填路とは別に、それらの中心となる位置に充填路を設けることもできる。この場合は、中心となる外からは見えない調味具材の周りに、外から見えて模様を構成する複数の調味具材を充填したソーセージの製造が可能になる。これによれば、例えば中心の調味具材としてチーズやハーブなどを使用するなど、中心の調味具材を模様とは無関係に、味に特徴を持たせるための手段として利用することもできる。
【0080】
外管20の外周部のやや基部寄りには、外周面よりやや径大な案内環23が全周にわたり形成されている。これにより、外管20の案内環23より先部側は、軸受管部201となっており、軸受管部201には、回転充填体24が回転可能に嵌装されている(図3図4参照)。
【0081】
回転充填体24は、円管状の外管240と、その基端に設けてある板状のストッパー241を有している。ストッパー241の外周部には、軸周方向へ等間隔で四箇所にハンドル242が放射方向に設けられ、その先端部には手掛具243が設けられている。
【0082】
ハンドル242は、回転充填体24を回転させるときの手操作用のハンドルである。なお、回転充填体24の外管240には、ソーセージの外皮となるケーシング5を被せるように基部方向へ手繰り寄せて、まとめて嵌着することができる(図4参照)。
【0083】
また、ストッパー24の基部側には、外管240に連通して、外管240よりやや径大な保持管244が設けられている。保持管244の内径は、上記案内環23に外嵌めして回転可能なように、案内環23の外径よりやや径大に形成されている。
【0084】
保持管244の基部開口部寄りには、直径線位置の二箇所に螺子穴245が設けられ、各螺子穴245には、螺子246が螺合されている。螺子246の先端部は、最も締め込んだ状態で、外管20に当たることなく螺子穴245の口から一部突出しており、突出した部分が案内環23の基側面に当たる抜け止めとなる(図4参照)。
【0085】
そして、この状態では、回転充填体24の外管240は、軸受管部201の長さ方向に、ちょうど収まるようにしてあると共に、回転充填体24は、軸受管部201を中心として、抜け外れることなく、回転させることができる。
【0086】
また、基管2の充填路22、22a、22b、22cには、それぞれ具材供給部である供給管30、30a、30b、30cが接続されている(なお、供給管30bは図1では表れないので、符号の図示は省略している。)。更に、供給管30、30a、30b、30cは、四本のシリンダー31、31a、31b、31cにそれぞれつながっている。
【0087】
各シリンダー31、31a、31b、31cには、図示しないミンチ機から、例えばミンチの挽き具合(回数)や材料の違い、或いは着色の有無や色の違いなどによって、見た目に異なる複数種類の調味具材が適宜供給される。なお、調味具材の供給部の構成については、本実施の形態に限定されず、例えば各シリンダー31、31a、31b、31cの位置にミンチ機を配置するなど適宜変更が可能である。
【0088】
(作用)
次に、図1乃至図5を参照して、ソーセージ製造装置Dの使用方法及び作用について説明する。
【0089】
〔A.模様が長さ方向に直線状のソーセージS1の製造〕
(1)見た目に異なる二種類の調味具材4、4aをつくる。本実施の形態では、一方の調味具材4が肉を粗挽きにして調味した具材で、他方の調味具材4aが肉をハーブ草と共に二度挽きにした具材である。
【0090】
これにより、調味具材4は肉質の粒が目立つ見た目であり、調味具材4aはやや緑がかった色を呈し、肉質の粒が細やかな見た目である。なお、調味具材は二種類に限定されるものではなく、充填路22、22a、22b、22c毎に、供給される調味具材を適宜特徴付けることができるのはいうまでもない。
【0091】
(2)ソーセージ製造装置Dの回転充填体24の外管240に、ソーセージの外皮となる透光性を有するケーシング5を被せるように基部方向へ手繰り寄せて重ね、まとめて嵌着する。これにより、ケーシング5は、閉じられた先端部分で外管20、240の吐出口(符号省略)を塞ぐように位置する(図4参照)。
【0092】
なお、ケーシング5としては、本実施の形態では可食性の羊腸を採用しているが、豚腸などの他の天然ケーシング、或いは天然タンパク質を原料としたコラーゲンなどでつくった人口ケーシングの採用も可能である。また、可食性のものだけでなく、ソーセージの種類によっては、合成樹脂などの非可食性のものも使用可能である。
【0093】
(3)そして、ソーセージ製造装置Dの具材供給部であるシリンダー31、31a、31b、31cから供給管30、30a、30b、30cを通って、基管2の充填路22、22a、22b、22cに調味具材4、4aを供給する。このとき、軸周方向に一つ置きの充填路22、22bには、調味具材4が供給されるように、同じく充填路22a、22cには、調味具材4aが供給されるようにする(図4参照)。なお、回転充填体24は停止させたままとする。
【0094】
(4)これにより、充填路22、22bから調味具材4が、充填路22a、22cから調味具材4aが吐出し、その吐出方向は各充填路22、22a、22b、22cで平行かつ直線的になり、ケーシング5に充填される。これに伴い、ケーシング5は膨らみ、手繰り寄せて重ねた部分を解きながら伸長し、調味具材4、4aの適量が充填されたところで所定の長さのソーセージ(いわゆる腸詰め)S1となる。
【0095】
これにより、ソーセージS1は、二種類の見た目に異なる種類の調味具材4、4aが、透光性を有するケーシング5の内面に接して、これを通して軸線方向に直線的に、長さ方向に同質の調味具材4又は調味具材4aが延びて、かつ軸周方向に一つ置きに表れた模様P1として外部から認識できる(図5(a)参照)。このように製造されたソーセージS1は、製品としての外観に上記のような模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0096】
また、ケーシング5に充填される調味具材4、4aのそれぞれに、見た目だけでなく、例えば肉の種類や部位の違いにより、歯触りや歯切れなどの食感の異なる調味具材を採用することができる。これによれば、複数の食感の異なる調味具材を適宜組み合わせることにより、歯触りや歯切れなどの食感をコントロールして様々に特徴付けることができ、ソーセージS1に、この点での多くのバリエーションを持たせることができる。なお、これについては、後述の螺旋状の模様P2を有するソーセージS2、及びリング状のソーセージ製品S30においても同様である。
【0097】
〔B.模様が長さ方向に螺旋状のソーセージS2の製造〕
(1)上記〔A.模様が長さ方向に直線状のソーセージS1の製造〕の(1)と同様に、見た目に異なる二種類の調味具材4、4aをつくる。なお、調味具材の種類を適宜調整することができるのは、Aと同様である。
【0098】
(2)ソーセージ製造装置Dの回転充填体24の外管240に、ソーセージの外皮となる透光性を有するケーシング5を被せるように基部方向へ手繰り寄せて重ね、まとめて嵌着する。これにより、ケーシング5は、閉じられた先端部分で外管20、240の吐出口(符号省略)を塞ぐように位置する(図4参照)。
【0099】
(3)そして、ソーセージ製造装置Dの具材供給部であるシリンダー31、31a、31b、31cから供給管30、30a、30b、30cを通って、基管2の充填路22、22a、22b、22cに調味具材4、4aを供給する。このとき、軸周方向に一つ置きの充填路22、22bには、調味具材4が供給されるように、同じく充填路22a、22cには、調味具材4aが供給されるようにする。
【0100】
(4)これにより、充填路22、22bから調味具材4が、充填路22a、22cから調味具材4aが吐出する。これに伴い、作業者がハンドル242を持って、回転充填体24を図2で右回り方向に回転させるが、このときケーシング5の重ねた部分を外管240に押し付けるようにして握り、一緒に回すようにする。そして、ケーシング5は回転しながら膨らみ、手繰り寄せて重ねた部分を解きながら伸長し、調味具材4、4aの適量が充填されたところで所定の長さのソーセージ(いわゆる腸詰め)S2となる。
【0101】
なお、調味具材4、4aの充填の際の吐出方向は各充填路22、22a、22b、22cで平行かつ直線的であるが、ケーシング5が上記方向に回転しているので、相対的にはそれぞれ吐出角度が異なる捻れ方向となる。
【0102】
これにより、ケーシング5の中で長さ方向に同質の調味具材4又は調味具材4aが螺旋状に延びて、かつ周方向に二種類の調味具材4、4aが一つ置きに並んだ模様P2としてケーシング5を通して表面に表れ、外部から認識できる(図5(b)参照)。また、回転充填体24の回転スピードに応じて、螺旋の曲がりの角度が異なる螺線状の模様を描くことができる。このように製造されたソーセージS2は、製品としての外観に上記のような模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
【0103】
次に、図6を参照して、ソーセージ製造装置で製造されたソーセージS1、S2を適当な長さに成形し、燻製加工をしたソーセージ製品を、ソーセージ製品S10、S20、及びS30の例を挙げて説明する。
【0104】
図11(a)に示すソーセージ製品S10は、長さ方向に直線状の模様P1が表れている、ウィンナー状としたソーセージ製品である。また、図6(b)に示すソーセージ製品20は、長さ方向に螺旋状の模様P2が表れている、ウィンナー状としたソーセージ製品である。
【0105】
更に、図6(c)に示すソーセージ製品S30は、螺旋状の模様P2が表れている、リング状としたソーセージ製品である。リング状のソーセージ製品S30は、リング状の形状そのものに、従来のソーセージにない特徴を備えるが、本発明に係る模様P2の意匠的な特徴とも相俟って、より特徴的で人目を引くソーセージとなる。
【0106】
(リング状のソーセージ製品の製造方法1)
ここで、図8乃至図10を参照して、リング状のソーセージ製品S30の製造方法を説明する。
<1>上記ソーセージ製造装置Dを使用して、羊腸のケーシング5に挽肉や刻み肉を塩やスパイスで調味した調味具材4、4a(図8乃至図10では、便宜上、一種類の調味具材4bで表しているが、実際上は図4乃至図6に表すような調味具材4、4aである。)を充填し、必要な長さのいわゆる腸詰めを作る。
【0107】
<2>この腸詰めを、所定の径(例えば80~100mm)のリング状に形成することができる長さに切断し、必要な数の基材料100を作る。
【0108】
<3>基材料100の両側端部は、ケーシング5が開口(開放)されている。一端部101の開口部103から調味具材4bを適宜取り出しながら、ケーシング5内部の調味具材4bの先端部がやや先細りになるように成形し、ケーシング5の端部は押さえて閉じておく。
【0109】
<4>先端部に鉤部51(又はフック)を設けた所定の長さの金属線体である引き込みピン50(図8参照)と、ケーシング5の他端部の開口部104に入る、ステンレススチール製の板体を湾曲形成した樋形状のガイド部材3とを用意する。ガイド部材3は、長手方向に所定の曲率で湾曲し、かつ幅方向にも湾曲した形状である。
【0110】
<5>基材料100の一端部のケーシング5を閉じた部分に、引き込みピン50の鉤部51を刺して引っ掛ける。なお、羊腸のケーシング5は、薄くても良好な強度を有しており、引き込みピン50の鉤部51を引っ掛けただけでも、充分な接続強度を有しているので、手早く、かつ確実に接続することが可能であり、作業性も良好である。
【0111】
<6>基材料100において、鉤部51を引っ掛けた側とは反対側の他端部102の開口部104から、ガイド部材3を調味具材4bに差し込むようにして挿着する。このとき、ガイド部材3をケーシング5の内面に沿わせるようにするが、内面から離してもよく、限定はしない(図8参照)。
【0112】
なお、ガイド部材3は、基材料100の湾曲したケーシング5の内面にほぼ沿うように、長手方向に湾曲しており、ガイド部材3をケーシング5の内面に寄せても、ケーシング5を傷付けにくいので、ケーシング5内面に密着するくらい寄せることもできる。これにより、基材料100の一端部101を入れる調味具材4bの部分を大きくとることができ、一端部101がやや太くなっても、引き込みが可能になる。
【0113】
また、ガイド部材は、本実施の形態のガイド部材3のように、リング状ソーセージの湾曲部に沿うように、つまりケーシング5の内面に沿わせることができるように長手方向へ湾曲させて作るのが望ましいが、これに限定せず、容易に作れるように、長さ方向に真っ直ぐな形状とすることもできる。
【0114】
なお、このガイド部材は、ほぼ扇形のステンレススチール製の板体を丸めて作られており、長さ方向の両端部に大きさの差がある。つまり、大きい方の端部は、円形のうち下側の40%を切り欠き、小さい方の端部は、円形のうち下側の70%を切り欠いた形状である。この寸法比は、適宜調整が可能である。なお、使い方と作用は、上記ガイド部材3とほぼ同様であるので、説明は省略する。
【0115】
<7>基材料100の他端部102に挿着されているガイド部材3の内側にある調味具材4bを外から押し込むようにして、調味具材4bに所定の大きさの入り口(図示省略)を作る。なお、入り口は必ずしも作る必要はなく、調味具材4bの端面は切断時のままでもよい。
【0116】
特に、この製造方法の場合は、後述するようにケーシング5の内側から外側へ貫通させた引き込みピン50により一端部101を引き込むので、調味具材4bに入り口を作らなくても、貫通位置を調整することで、引き込む位置のコントロールがしやすい。また、このときに、一端部101を押さえたりしないので、形が崩れにくい。
【0117】
<8>引き込みピン50の、鉤部51とは反対側の端部をガイド部材3の内側に入れて、調味具材4bに差し込み、奥のケーシング5の適宜位置(又は所定位置)で内部から外部へ貫通させて突き出すようにする。そして、引き込みピン50の突き出した部分を持って外部方向へ引くと、基材料100の先細りとなった一端部101が調味具材4bの入り口に入り、そのまま引き込まれる(図8図9参照)。
【0118】
このとき、入り口に入る一端部101は、誘導されて位置が自然に決まり、先細り形状でもあるので、引き込みが比較的容易であると共に安定する。また、他端部102の調味具材4bに挿着してあるガイド部材3は、筒状のケーシング5を内側から補強しており、引き込み作業の際に、基材料100の他端部102を掴む際に変形しにくくするための補助となり、接合作業時に手持ちがしやすい。
【0119】
また、ガイド部材3を挿着していることで、引き込みピン50を基材料100の他端部102から差し込む際に、ガイド部材3が引き込みピン50のガードとなる。これにより、ガイド部材3が存在する箇所、すなわち他端部102の端部に近い箇所(つまり引き込み量が少ないため接合が不十分になりやすい箇所)で、引き込みピン50をケーシング5に貫通させてしまう失敗を防止でき、接合部から所定の距離を以て貫通させるという作業がしやすくなる。
【0120】
<9>これにより、基材料100の一端部101は、ガイド部材3の内側にある調味具材4bに所定の圧力を加えるようにして引き込まれ、鉤部51がケーシング5の外に出てケーシング5の一端部101の引っ掛けられた部分(先端)がケーシング5の穴(図示省略)から外に出たところで、鉤部51を取り外すようにする。
【0121】
また、ケーシング5の、鉤部51が外れた一端部101は、ケーシング5の内部で圧力が加わった調味具材4bで包むように挟まれ、ほぼ固定されて抜けにくくなり(図10参照)、型崩れをより効果的に抑止することができる。
【0122】
更には、一端部の引き込んだ部分が長くなることにより、ケーシング5も伸びるので、リング状ソーセージSを食する際の歯切れが良く、食感も悪くなりにくい。また、貫通している一端部の先端が穴を閉塞するため、内部の調味具材4bが漏れ出ることを抑止できるなど、穴自体が何かの支障となることはない。
【0123】
<10>そして、基材料100からガイド部材3を抜き取り、一端部101と他端部102の接合部の調味具材4bのはみ出しなどを整えると、ケーシング5に生の調味具材が詰まった状態のリング状のソーセージ製品S30が出来上がる。なお、この後、例えばケーシング5と同じ材料で帯状に作ったものを接合部(境界部)に重ねるようにデンプンで接着するなどして巻き付けて、結合をより確実にすることもできる。
【0124】
<11>最後に、乾燥処理、燻煙処理(燻製)、又は湯煮処理(ボイル)をして保存性を高めた状態で製品とする(ソーセージ製品の符号S30は、便宜上、図10のソーセージに付与している。)。なお、この各処理は、必ずしも行う必要はなく、例えば生の状態のまま、或いは生の状態から冷凍して製品とすることもできる。
【0125】
このように、本発明のリング状のソーセージ製品の製造方法1によれば、ソーセージ製品S30の形が安定してリング状に整っており、調理や盛り付けを行う際にも、接合部分が外れたり位置がずれたりして形が崩れてしまうことを抑止できる。
【0126】
(リング状のソーセージ製品の製造方法2)
<1>製造方法1と同様に腸詰めを作り、同じく所定の径のリング状に形成することができる長さに切断し、必要な数の基材料100を作る。なお、製造方法2については、材料などの構成部分が上記製造法1に準じているところもあるため、具体的な図示は省略する。
【0127】
<2>基材料100の両側端部は、ケーシング5が開口されている。一端部101の開口部103から調味具材4bを適宜取り出しながら、ケーシング5内部の調味具材4bの先端部がやや先細りになるように成形し、ケーシング5の端部は押さえて閉じておく。
【0128】
<3>基材料100の一端部101において、先端から所定の長さ(例えば数センチの長さ)の範囲で冷凍して硬化させる。冷凍する範囲は、後工程の基材料100をリング状に変形させる際に形を作る上での支障とならず、しかも押し込みはしやすい限度で調整する。
【0129】
<4>基材料100の他端部102の内部にある調味具材4bを外から押し込むようにして、調味具材4bに所定の大きさの入り口を作る。なお、入り口は必ずしも作る必要はなく、調味具材4bの端面は切断時のままでもよい。また、この際に併せて基材料100の他端部102をやや冷凍して、入り口周りの硬度を上げて持ちやすくしておくと、後工程の接合作業がし易くなるので好ましい。
【0130】
<5>基材料100の冷凍した一端部101を、他端部102の入り口に合わせるようにして押し込む。このとき、他端部102は、入り口周りだけが硬くなっており、奥の調味具材4bは比較的軟らかいので、入り口に入る一端部101は、誘導されて位置が自然に決まり、更に先細り形状でもあるので、押し込み作業が比較的容易であると共に安定する。
【0131】
なお、この製造方法では、一端部101をケーシング5の内側から外側へ貫通させることなく、接合することが可能であり、引き込み部材を用いなくても、リング形状とする作業を比較的簡単に行うことができる。
【0132】
<6>押し込んだ一端部101は、他端部102の開口部104を形成するケーシング5にきつく内嵌めされることで固定ができるが、例えば先端を更に長くして尖らせておき、この部分をケーシング5に貫通させ、製造方法1と同様に固定することもできる。一端部101は、このように固定されると抜けにくくなり、型崩れをより効果的に抑止することができる。
【0133】
<7>そして、一端部101と他端部102の接合部の調味具材4bのはみ出しなどを整えると、ケーシング5に調味具材4bが詰まった状態のリング状のソーセージが出来上がる。
【0134】
<8>最後に、乾燥処理、燻煙処理(燻製)、又は湯煮処理(ボイル)をして保存性を高めた状態で製品とする。なお、この各処理は、必ずしも行う必要はなく、例えば生の状態のまま、或いは生の状態から冷凍して製品とすることもできるのは、上記製造方法1で作るソーセージ製品S30と同様である。
【0135】
このように、本発明のリング状ソーセージの製造方法によれば、基材料100の一端部101が、他端部102から調味具材4bの内部に押し込んで収容された状態で接合されているので、接合が強固であり、形が安定してリング状に整っており、調理や盛り付けを行う際にも、接合部分が外れたり位置がずれたりして形が崩れてしまうことを抑止できるリング状ソーセージを製造できる。
【0136】
ここで、図7を参照して、基管の変形例を説明する。
基管2aは、図示しないソーセージ製造装置の基管であり、このソーセージ製造装置では、上記ソーセージ製造装置Dと相違して、基管2aには回転充填体24が装着されていない。そして、その他の具材供給部などの他の構成部分はソーセージ製造装置Dと同様の構造である。
【0137】
基管2aは、円筒形の外管20aを有しており、外管20aの内部には、中心角度90°で交差し、螺旋状に形成された交差板状の隔離部材21aが、各板体の外縁辺部が外管20aの内壁に接して固定されている。これにより、基管2aの内部には、断面扇形の空隙を持つ四つの充填路22d、22e、22f、22gが、各空隙が外管20aから始まるようにして軸周方向へ配されており、かつ長さ方向に螺旋状に形成されている。
【0138】
(作用)
基管2a、及び基管2aを採用したソーセージ製造装置の作用を説明する。
(1)ソーセージ製造装置の基管2aに、透光性を有するケーシングを被せるように基部方向へ手繰り寄せて重ね、まとめて嵌着する。これにより、ケーシングは、閉じられた先端部分で基管2aの吐出口を塞ぐように位置する。
【0139】
(2)そして、ソーセージ製造装置の具材供給部であるシリンダーから供給管を通って、基管2aの充填路22d、22e、22f、22gに上記調味具材4、4aを供給する。このとき、軸周方向に一つ置きの充填路22d、22fには、調味具材4が供給されるように、同じく充填路22a、22cには、調味具材4aが供給されるようにする。
【0140】
(3)これにより、充填路22d、22fから調味具材4が、充填路22e、22gから調味具材4aが吐出する。これに伴い、作業者がケーシングの先端部に手を添えて、調味具材4、4aが吐出され一部が充填されたところで、その部分を持ち、図7で右回り方向に回転させるようにする。
【0141】
これにより、ケーシングは回転しながら膨らみ、手繰り寄せて重ねた部分を解きながら伸長し、調味具材4、4aの適量が充填されたところで所定の長さのソーセージ(図示省略)となる。
【0142】
また、調味具材4、4aの充填の際の吐出方向は各充填路22d、22e、22f、22gで螺旋方向であり、ケーシングも同じ方向に回転させているので、ケーシングの中では長さ方向に同質の調味具材4又は調味具材4aが螺旋状に延びて、かつ周方向に二種類の調味具材4、4aが一つ置きに並んだ模様P2として外部から認識できる。
【0143】
このように製造されたソーセージは、製品としての外観に上記のような模様が表れるので、特徴的な意匠を有するソーセージとなる。
なお、基管2aで、充填路を螺旋状でなく、直線状にすれば、模様P1を備えるソーセージを製造することができる。
【0144】
本明細書及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0145】
D ソーセージ製造装置
1 基体フレーム
2 基管
20 外管
21 隔離部材
22、22a、22b、22c 充填路
23 案内環
201 軸受管部
24 回転充填体
240 外管
241 ストッパー
242 ハンドル
243 手掛具
244 保持管
245 螺子穴
246 螺子
30、30a、30b、30c 供給管
31、31a、31b、31c シリンダー
S1 ソーセージ
S10 ソーセージ製品
S2 ソーセージ
S20 ソーセージ製品
P1 直線状の模様
P2 螺旋状の模様
4 粗挽きの調味具体
4a 二度挽きの調味具材
5 ケーシング
2a 基管
20a 外管
21a 隔離部材
22d、22e、22f、22g 充填路
S30 ソーセージ製品
100 基材料
101 一端部
102 他端部
103 一端部の開口部
104 他端部の開口部
4b 調味具材
3 ガイド部材
50 引き込みピン
51 鉤部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら、前記調味具材を前記ケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填する工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項2】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項1記載のソーセージの製造方法。
【請求項3】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記調味具材を前記基管の充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングに、その内面に接して所定の模様を描くように充填する工程と、
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部の前記ケーシングに引き込み部材の先部を接続する工程と、
前記基材料の他端部から内部の調味具材に、前記基材料の一端部を案内するガイド部材を挿着する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記引き込み部材の基部を前記基材料の他端部から前記調味具材に差し入れ、前記ケーシングの適宜箇所を貫通して外部に出し、外部に出た部分を更に引いて、前記基材料の一端部を前記ガイド部材に沿わせるように前記調味具材内に引き込む工程と、
前記基材料の一端部が、前記ガイド部材の内面に充分に圧着、又は密着する程度に引き込んで、前記基材料の全体をリング状に形成したところで、前記引き込み部材の接続状態を解除する工程と、
前記ガイド部材を基材料から抜き取る工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項4】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら、前記調味具材を前記ケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填する工程と、
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部の前記ケーシングに引き込み部材の先部を接続する工程と、
前記基材料の他端部から内部の調味具材に、前記基材料の一端部を案内するガイド部材を挿着する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記引き込み部材の基部を前記基材料の他端部から前記調味具材に差し入れ、前記ケーシングの適宜箇所を貫通して外部に出し、外部に出た部分を更に引いて、前記基材料の一端部を前記ガイド部材に沿わせるように前記調味具材内に引き込む工程と、
前記基材料の一端部が、前記ガイド部材の内面に充分に圧着、又は密着する程度に引き込んで、前記基材料の全体をリング状に形成したところで、前記引き込み部材の接続状態を解除する工程と、
前記ガイド部材を基材料から抜き取る工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項5】
前記基材料の一端部を先細りに形成して、前記基材料の他端部から引き込み、その先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出す
請求項3又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項6】
前記基材料の一端部の前記ケーシングに対する前記引き込み部材の先部の接続が、前記引き込み部材の鉤部を前記ケーシングに引っ掛けて行う
請求項3又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項7】
前記ガイド部材が、前記基材料の湾曲した部分にほぼ沿うように、長手方向に湾曲し、かつ幅方向にも湾曲した所定の長さの桶状、又は前記ガイド部材が、長さ方向に真っ直ぐで、幅方向には湾曲した所定の長さの桶状に形成されている
請求項3又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項8】
前記基材料の他端部から内部の前記調味具材に挿着されている前記ガイド部材の内面側に、前記ケーシング内の前記調味具材を成形するか、又は取り除いて、前記基材料の一端部の入口を形成する
請求項3又は4記載のソーセージの製造方法。
【請求項9】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記調味具材を前記基管の充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングに、その内面に接して所定の模様を描くように充填する工程と、
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部を先細りに形成して所定の硬度となるように先端から所定の長さの範囲で冷凍する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記冷凍した一端部を前記基材料の他端部の前記調味具材内の所定の深さに押し込んで収容し、前記一端部の先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出すか、又は貫通させないでおき、前記基材料の全体をリング状に形成する工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項10】
具材供給部から、見た目に異なる複数種類の調味具材のそれぞれを、基管の内部に軸周方向へ配された複数の充填路に供給する工程と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に装着された回転充填体を、充填する側の端部に嵌着した透光性を有するケーシングと共に回転させながら、前記調味具材を前記ケーシングの内面に接して螺旋状の模様を描くように充填する工程と、
前記ケーシングに前記調味具材が充填されたソーセージの基材料の端部を切断して所定の長さに形成する工程と、
前記基材料の一端部を先細りに形成して所定の硬度となるように先端から所定の長さの範囲で冷凍する工程と、
前記基材料を湾曲させて、前記冷凍した一端部を前記基材料の他端部の前記調味具材内の所定の深さに押し込んで収容し、前記一端部の先端を、前記ケーシングの所定箇所を貫通させて外部へ出すか、又は貫通させないでおき、前記基材料の全体をリング状に形成する工程とを備える
ソーセージの製造方法。
【請求項11】
内部に軸周方向へ配された複数の充填路を有する基管と、
前記充填路に、見た目に異なる複数種類の調味具材を供給する具材供給部と、
前記基管に軸周方向へ回転可能に取り付けられ、充填する側の端部に透光性を有するケーシングが嵌着可能な回転充填体とを備える
ソーセージの製造装置。
【請求項12】
前記充填路が前記基管の軸線方向へ相互に平行に設けられている
請求項11記載のソーセージの製造装置。
【請求項13】
透光性を有するケーシングに、見た目に異なる複数種類の調味具材が、前記ケーシングの内面に接して所定の模様を描くように充填されており、
前記ケーシングに前記調味具材が充填されて、所定の長さを以て形成され、その一端部は、他端部から前記調味具材の内部に収容した状態で接合されており、全体が所定の径を有するリング状に形成されていると共に、
前記一端部は先細りに形成されており、その先端が前記ケーシングの所定箇所を貫通して外部に出してある
ソーセージ。