(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074309
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】照明装置および照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/19 20200101AFI20240524BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240524BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240524BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240524BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240524BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20240524BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20240524BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240524BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20240524BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20240524BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240524BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240524BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240524BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/105
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21V23/06
F21V15/01 100
F21V15/01 500
F21V15/01 300
F21V3/06 110
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21S8/04 110
H02J50/20
H02J50/10
H02J7/00 301D
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185367
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【弁理士】
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
(72)【発明者】
【氏名】船山 信介
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
5G503
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA03
3K014HA02
3K273PA09
3K273QA31
3K273RA04
3K273SA04
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA46
3K273TA15
3K273TA54
3K273TA57
3K273TA62
3K273TA70
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GB09
(57)【要約】
【課題】センサや他機能機器(以下、センサや他機能機器を外部機器とする)は自身を駆動するための電源電圧、即ち、商用電源や電池が必要になっていた。
【解決手段】照明装置100は、商用電源から得られた電力を外部機器に給電するための給電回路と、前記光源、点灯装置124及び給電回路123を格納する器具本体110を備え、給電回路123は、商用電源ACから得られた電力を磁界または電波に変換して外部機器200に放射する非接触給電送信部12を有し、器具本体110は、非接触給電送信部12が放射した磁界または電波を通過させるカバー125を有し、非接触給電送信部12が外部機器200の非接触給電受信部51と磁界接続または電波接続したとき、非接触給電送信部12と非接触給電受信部51とを結ぶ直線上に光源モジュール121を介在させずカバー125を介在させることで、外部機器200に非接触給電を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
商用電源が供給され、前記光源に電力供給して点灯制御する点灯回路と、
前記商用電源から得られた電力を外部機器に給電するための給電回路と、
前記光源、前記点灯回路及び前記給電回路を格納する器具本体と、
を備え、
前記給電回路は、前記商用電源から得られた電力を磁界または電波に変換して前記外部機器に放射する電力送信部を有し、
前記器具本体は、前記電力送信部が放射した磁界または電波を通過させる非金属部を有し、
前記電力送信部が前記外部機器の受電部と磁界接続または電波接続したとき、前記電力送信部と前記外部機器の受電部とを結ぶ直線上に前記光源を介在させず前記非金属部を介在させた照明装置。
【請求項2】
前記非金属部は、前記光源が前記器具本体に取り付けられる部分とは異なる前記器具本体の外郭部に設けられ、
前記電力送信部は、前記光源が発する方向とは異なる方向に向かって、前記非金属部を介して磁界または電波を放射する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源が光を発した発光方向に向かって前記電力送信部は磁界または電波を放射する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記電力送信部と前記外部機器の受電部は磁界結合または電波接続状態となっているとき、前記光源が発した光によって前記外部機器が照らされている、請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記非金属部は、前記光源が発した光を透過させる透光部材である、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記非金属部は、前記電力送信部との距離が前記外部機器の受電部との距離よりも近くなるように配置された、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記非金属部は、前記電力送信部との距離が所定間隔となるように固定された、請求項1~5の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記点灯回路は、前記給電回路からの制御信号に基づき前記光源の点灯状態を変化させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記電力送信部は、磁界または電波接続する前記外部機器が所定台数以上となった場合に前記電力送信部からの出力を停止する、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記電力送信部は、コイルまたはアンテナである、請求項1~5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照明装置の前記電力送信部が放射する磁界または電波を受信して、電源電圧を生成する電力受信部と、前記電力受信部から得られた電源電圧で動作する駆動部とを有する外部機器と、
を備えた照明システム。
【請求項12】
前記照明装置は、前記電力送信部が出力する磁界または電波に通信信号を重畳させて送受信する第1の通信部を有し、
前記外部機器は、前記電力受信部から磁界または電波に重畳された前記通信信号を送受信する第2の通信部を有する、
請求項11に記載の照明システム。
【請求項13】
前記第1の通信部及び前記第2の通信部が通信する前記通信信号の通信周波数は、前記電力送信部の動作周波数とは異なる、請求項12に記載の照明システム。
【請求項14】
前記通信信号に従って前記駆動部が動作する、または前記駆動部の情報を前記照明装置に出力する、請求項12に記載の照明システム。
【請求項15】
請求項1~5の何れか一項に記載の複数の照明装置と、
前記複数の照明装置のうち、少なくとも2以上の照明装置のそれぞれの電力送信部から放射される磁界または電波と磁界結合または電波接続する電力受信部と、
を備えた照明システム。
【請求項16】
クラウドネットワークに接続されるとともに、前記照明装置または/および前記外部機器に直接的にまたは間接的にネットワーク接続され、前記照明装置または/および前記外部機器の情報をクラウドネットワーク上に送信し、クラウドネットワークから受信した制御情報を前記照明装置または/および前記外部機器に送信するネットワーク制御部を備えた、請求項11に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源モジュールおよび光源モジュールを搭載した照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザや環境に適した明かりを提供する照明器具が検討され、照明器具は、各種センサから得られた情報を基に明かりを制御している(例えば特許文献1)。この発明によれば、ユーザ情報及び環境情報に基づいて生成された制御コマンド信号を他機器から受信して照明器具の明るさ又は色温度等を制御している。
【0003】
また、照明器具と監視カメラや空気清浄機との連動など、照明器具は天井に位置するため、設置メリットを生かした明かり以外の多機能化も検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、照明器具には環境等の様々な情報を取得するセンサや、また、監視カメラ等の他機能機器と連携して使用することが考えられるが、センサや他機能機器(以下、センサや他機能機器を外部機器とする)は自身を駆動するための電源電圧、即ち、商用電源や電池が必要になっていた。
【0006】
本開示は、照明装置から離れた外部機器に対して電力を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この開示に係る照明装置は、光源と、商用電源が供給され、前記光源に電力供給して点灯制御する点灯回路と、前記商用電源から得られた電力を外部機器に給電するための給電回路と、前記光源、前記点灯回路及び前記給電回路を格納する器具本体と、を備え、前記給電回路は、前記商用電源から得られた電力を磁界または電波に変換して前記外部機器に放射する電力送信部を有し、前記器具本体は、前記電力送信部が放射した磁界または電波を通過させる非金属部を有し、前記電力送信部が前記外部機器の受電部と磁界接続または電波接続したとき、前記電力送信部と前記外部機器の受電部とを結ぶ直線上に前記光源を介在させず前記非金属部を介在させたものである。
【0008】
この開示に係る照明システムは、光源と、商用電源が供給され、前記光源に電力供給して点灯制御する点灯回路と、前記商用電源から得られた電力を外部機器に給電するための給電回路と、前記光源、前記点灯回路及び前記給電回路を格納する器具本体と、を備え、前記給電回路は、前記商用電源から得られた電力を磁界または電波に変換して前記外部機器に放射する電力送信部を有し、前記器具本体は、前記電力送信部が放射した磁界または電波を通過させる非金属部を有し、前記電力送信部が前記外部機器の受電部と磁界接続または電波接続したとき、前記電力送信部と前記外部機器の受電部とを結ぶ直線上に前記光源を介在させず前記非金属部を介在させた照明装置と、前記照明装置の前記電力送信部が放射する磁界または電波を受信して、電源電圧を生成する電力受信部と、電力受信部から得られた電源電圧で動作する駆動部とを有する外部機器と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、照明装置から離間した外部機器に給電することができるので、外部機器を商用電源に接続したり、一次電池を交換したりする手間が省けるとともに、当該照明装置と連携させて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1の照明システムを示す図である。
【
図2】
図1の照明システムを構成する照明装置から光源ユニットを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図3】
図2の光源ユニットから透光カバーを外した状態を示す分解斜視図である。
【
図4】点灯回路と給電回路を示す回路ブロック図である。
【
図5】外部機器(環境センサ)の内部構成を示した構成図である。
【
図6】照明装置から外部機器へ給電する給電範囲と照明装置が発光する範囲を示す一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1の点灯装置の変形例を示す構成図である。
【
図8】実施の形態1の外部機器の変形例を示す構成図である。
【
図9】実施の形態1の点灯装置の変形例を示す構成図である。
【
図10】実施の形態1の外部機器の変形例を示す構成図である。
【
図11】実施の形態1に示す照明システムの他の変形例を示す構成図である。
【
図12】複数の外部機器を含む照明システムを示す構成図である。
【
図13】実施の形態3を示す照明システムを示すシステム構成図である。
【
図14】
図13の照明装置の具体的な構造を示す構造図である。
【
図15】
図14の照明装置から光源ユニットを外した状態を示す構造図である。
【
図16】
図15の光源ユニットを分解した状態を示す構造図である。
【
図17】実施の形態4における照明装置から外部機器へ給電する状態を示す図である。
【
図18】クラウドネットワークに接続された照明システムのシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態の照明システムを示す図であり、
図2は、
図1の照明システムを構成する照明装置から光源ユニットを取り外した状態を示す斜視図であり、
図3は、
図2の光源ユニットから透光カバーを外した状態を示す分解斜視図である。
【0012】
照明システム1000は、照明装置100と、外部機器200を有する。
【0013】
照明装置100は、器具本体110と、器具本体110に着脱可能に取り付けられる光源ユニット120を有する。
【0014】
光源ユニット120は、光源モジュール121と、光源モジュール121が取り付けられるベースプレート122と、ベースプレート122に取り付けられる給電装置123及び点灯装置124と、光源モジュール121を覆うようにベースプレート122に取り付けられるカバー125を有する。
【0015】
光源モジュール121は、発光ダイオード11(以下、LED11ともいう。)と、非接触給電送信部12と、LED11及び非接触給電送信部12が実装されたプリント基板13を有する。
【0016】
なお、本実施の形態では、非接触給電送信部12がLED11とともにプリント基板13に実装された場合について説明するが、LED11が実装されたプリント基板13とは別のプリント基板に非接触給電送信部12が実装されてもよい。また、非接触給電送信部12は、光源モジュール121とは別の部品、例えば、給電装置123や点灯装置124に備えられていても構わない。
【0017】
また、本実施の形態では、光源ユニット120の光源として発光ダイオード11を用いる場合について説明するが、光源の種類はこれに限らず、例えばエレクトロルミネッセンス(EL)などであっても構わない。
【0018】
給電装置123は、給電回路31と、給電回路31を収納するケース32を有する。
【0019】
点灯装置124は、点灯回路41と、点灯回路41を収納するケース42を有する。
【0020】
なお、本実施の形態では、給電装置123と点灯装置124とを別々にベースプレート122に取り付けられる場合について説明するが、給電装置123と点灯装置124は一体となっていてもよいし、給電装置123と点灯装置124のそれぞれを構成する機能や部品の一部を適宜組み合わせて構築するようにしてもよい。また、給電装置123と点灯装置124がベースプレート122、つまり光源ユニット120側に取り付けれている場合について説明したが、器具本体110側に取り付けられていてもよい。
【0021】
カバー125は、LED11が発した光を透過する透過性の非金属の素材で形成されており、例えば、樹脂やガラスなどの素材である。
【0022】
図4は、点灯回路41と給電回路31を示す回路ブロック図である。
点灯回路41は、商用電源ACを全波整流する整流器DBと、整流器DBに接続され、整流器DBで全波整流した脈流電圧を後段に接続された回路に合わせた直流電圧を生成する直流電圧生成部GENと、直流電圧生成部GENに接続され、光源ユニット120のLED11に供給する電力、電圧又は電流を制御する点灯制御部DRVと、を備える。
【0023】
直流電圧生成部GENは、商用電源ACから得られる電圧を点灯制御部DRV及び高周波生成部HQG1に合わせたそれぞれの所定の直流電圧値となるように電力を生成して、点灯制御部DRV及び後述する高周波生成部HQG1に供給する。
【0024】
点灯制御部DRVは、直流電圧生成部GENから供給された電力によって動作し、照明装置100から所定の明るさを得れるようにLED11の点灯状態を制御している。点灯制御部DRVは、具体的にはフライバック回路などのスイッチング電源回路で構成され、LED11に流れる電流或いは、印加される電圧の一方、またはLED11に流れる電流と印加される電圧の両方を制御することでLED11の光出力を制御している。
【0025】
給電回路31は、点灯回路41の直流電圧生成部GENに接続された高周波生成部HQG1と、この高周波生成部HQG1に接続されたコイルT1と、点灯回路41の点灯制御部DRVに接続された通信部COMMと、この通信部COMMに接続された通信用のアンテナANT1と、を備える。
【0026】
高周波生成部HQG1は、直流電圧生成部GENから印加された直流電圧を高周波電圧に変換し、変換した高周波電圧をコイルT1に供給する。
なお、本実施の形態では直流電圧生成部GENを介して高周波生成部HQG1に印加する直流電圧を生成する場合について説明するが、点灯制御部DRVに高周波生成部HQG1を接続してもよく、この場合、点灯制御部DRVの内部で生成された直流電圧から高周波生成部HQG1が高周波電圧を生成することで、同様の動作を実現することができる。
【0027】
コイルT1は、高周波生成部HQG1から高周波電圧が印加されることで磁界を発生させる。このように、コイルT1が磁界を発生させることで、後述する外部機器200と磁界接続することで非接触給電を行うことができる。この実施の形態において、コイルT1が非接触給電送信部12としての機能を有する。
【0028】
通信部COMMは、アンテナANT1が得る通信信号CSを処理して点灯制御部DRVに伝達し、通信信号CSに従ったLED11の消灯制御または調光制御等の指令を行う。また、通信部COMMは、点灯制御部DRVの情報をアンテナANT1から通信信号CSにて通信する。
【0029】
点灯制御部DRVの情報とはLED11の消費電力情報、LED11や点灯回路41の故障情報、または点灯回路41の通電時間、商用電源ACの通電回数等であり、これらを送信することができる。
【0030】
図5は、外部機器200の内部構成を示した構成図である。
外部機器200の内部構成は、コイルT2と、コイルT2に接続された電源電圧生成部PWG1と、電源電圧生成部PWG1に接続された制御部CTRと、電源電圧生成部PWG1及び制御部CTRに接続されたセンサSENと、制御部CTRに接続されたアンテナANT2と、を備える。
【0031】
コイルT2は、コイルT1から発せられた磁界と磁界接続することで、磁界から高周波電圧を生成する非接触給電受信部51となる。磁界を受けたコイルT2が高周波誘導電流を生成する。
【0032】
電源電圧生成部PWG1は、コイルT2が生成した高周波誘導電流を直流電圧Vccに変換し、この直流電圧Vccを制御部CTR及びセンサSENを動作させるための電源電圧として出力する。
【0033】
なお、電源電圧生成部PWG1には、2次電池や電気二重層コンデンサなどの大きな電荷を蓄える素子(図示しない)を備えてもよい。このように電源電圧生成部PWG1が大きな電荷を蓄える素子を備えた場合、コイルT2に高周波電流が発生しているときはセンサSEN、制御部CTRは定常的には低電力な待機モードで動作させるとともに、2次電池や電気二重層コンデンサなどの大きな電荷を備える素子を充電させる。このようにすることで、非接触給電の送受信電力を小さくすることができる。つまり、電源電圧生成部PWG1が大きな電荷を蓄えておくことで、センサSENや制御部CTRなどを動作モードで動かしたり、照明装置100との無線通信を行ったりなど、局所的に大きな電力を必要とするときに非接触給電信号PSの電力不足となったとしても、センサSENや制御部CTRなどを安定動作させることができる。
【0034】
センサSENは、温度検出素子、湿度検出素子、照度検出素子などのセンシング素子で構成されている。
【0035】
制御部CTRは、センサSENが得た温度、湿度、照度等の情報を処理してアンテナANT2から通信信号CSにて送信し、また照明装置100からの通信信号CSを受信してセンサSENを制御させることもできる。
【0036】
なお、本実施の形態では、外部機器200がセンサSENを備えた環境センサの場合について説明したが、外部機器200がセンサSENを備えていなくてもよく、また外部機器200がタブレット端末などのユーザ操作装置であってもよい。外部機器200がユーザ操作装置であることで、照明装置100などの情報をモニタに表示して可視化したり、入力ボタンを操作して照明装置100などの設定情報を変更したりすることができる。
【0037】
また、本実施の形態では、外部機器200は、照明装置100と無線通信を行う場合について説明するが、照明装置100以外の機器と有線または無線で通信を行ってもよい。
【0038】
この実施の形態においては、非接触給電の方式として磁界を使用した電磁誘導により行っている。磁界の発生周波数は10kHz~1MHzの周波数帯が一般的には適宜使用され、非接触給電送信部12と非接触給電受信部51による電磁誘導を使用して、照明装置100から外部機器200など他機器の駆動電源電圧を得ることができる。また、通信信号CSは非接触給電信号PSとは別の周波数帯を使用した無線通信で実施する方が好ましい。無線信号としては、920MHz、2.4GHzなどが一般的であるが、非接触給電制御の周波数と同じである場合、互いに干渉し非接触給電制御または通信制御が悪化する影響があるが、非接触給電信号PSにおける磁界の発生周波数と無線通信の周波数帯を異なるものにすることで、非接触給電信号PSと通信信号CSが互いに干渉するのを抑制できる。
【0039】
次に、照明装置100から外部機器200への給電方法について説明する。
図6は、照明装置100から外部機器200へ給電する給電範囲と照明装置が発光する範囲を示す一例であり、
図6(a)は照明装置100の長手方向から見たときの正面図であり、
図6(b)は照明装置100の短手方向から見たときの側面図である。
【0040】
照明装置100は、光源ユニット120の発光方向が床面方向となるように天井面(図示しない)に取り付けられている。
【0041】
非接触給電送信部12は、照明装置100の床面方向(
図6(a)、
図6(b)の上下方向)の基準線O1、O2へ向かって磁界を放射している。
【0042】
図6(a)において、照明装置100から発する磁界の範囲は、基準線O1を基準に左方向に放射角a1、右方向に放射角aであり、具体的には放射角a1、a2は45°である。
【0043】
また、
図6(a)において、照明装置100が発光する範囲は、基準線O1を基準に左方向に放射角b1、右方向に放射角b2であり、具体的には放射角b1、b2は60°である。
【0044】
また、
図6(b)において、照明装置100から発する磁界の範囲は、基準線O2を基準に左方向に放射角a3、右方向に放射角a4であり、具体的には放射角a3、a4は60°である。
【0045】
また、
図6(b)において、照明装置100が発光する範囲は、基準線O2を基準に左方向に放射角b3、右方向に放射角b4であり、具体的には放射角b3、b4は50°である。
【0046】
このように、非接触給電送信部12が発する磁界の範囲(放射角a1~a4)が、照明装置100が照射する範囲(放射角b1~b4)内に収まるようにすることで、外部機器200に光が照らされているとき、ユーザが給電範囲に入っていることを視覚的に確認することができる。
【0047】
なお、照明装置100の照射範囲(放射角a1~a4)及び、非接触給電送信部12の磁界の範囲(放射角b1~b4)は上述の角度に限らず、概ね非接触給電送信部12が発する磁界の範囲が、照明装置100が照射する範囲内に収まるような範囲となっていれば同等の作用効果を得ることができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、細長い長尺状の照明装置100である場合について説明したが、照明装置100の形状はこれに限らず、例えば、カバー125が円形や正直方体などであってもよい。また、本実施の形態の照明装置100の形態は天井直付灯の場合について説明したが、埋込形、ダウンライトやスポットライトなどであっても構わない。
【0049】
本実施の形態に示した照明装置100は、器具本体110が金属であることを想定しており、非金属であるカバー125の内部に非接触給電送信部12を備えている場合について説明した。非接触給電信号PSは電磁誘導または後述する電磁波による給電であるため、照明装置100からは非金属部を介して非接触給電送信を出力する必要があるが、カバー125以外の照明装置100の別の非金属部を介して出力しても構わない。例えば、器具本体110に開口を形成して、その開口を樹脂部品などで塞ぎ、この樹脂部品を介して電磁誘導または電磁波による給電を行ってもよい。
【0050】
このように、照明装置100から離間した状態、具体的には1m以上離した状態で外部機器200へ非接触給電信号PSによって駆動させることで、外部機器200を商用電源への接続配線や工事、また、電池では寿命劣化による交換を抑制することが可能になり、省施工及び省資源化することができる。また、本実施の形態では外部機器200として環境センサの場合を例に記載しているが、環境センサ以外の機器としてタブレットPC、監視カメラ、スマートスピーカー等の照明器具と連動して動作するものでも実現が可能である。
【0051】
変形例1
実施の形態1に示す給電装置123及び外部機器200の内部構成の変形例を説明する。
この変形例に示す給電装置123aは、
図4に示す給電装置123とは別の構成図であり、
図4に示す給電装置123では前述したように電磁誘導を使用した非接触給電を示したが、この変形例に示す給電装置123aでは電波受電を使用した非接触給電の方式になっている。
【0052】
図7は、実施の形態1の給電装置123の変形例を示す構成図である。主に
図4に示す給電装置123との相違点について説明する。
図4に示す給電装置123の給電回路31は、直流電圧生成部GENに接続された高周波生成部HQG1と、高周波生成部HQG1に接続されたコイルT1を備えていたが、
図7に示す給電装置123aの給電回路31aは、直流電圧生成部GENに接続された高周波生成部HQG2と、高周波生成部HQG2に接続されたアンテナANT3を備えている。
【0053】
高周波生成部HQG2はアンテナANT3に得られた直流電圧を高周波変換して電圧を発生させる。アンテナANT3は高周波電圧から電磁波を発生させることで、前述したコイルT1と同様に非接触給電送信部12aとなる。
【0054】
この変形例に示す外部機器200aは、
図5に示す外部機器200とは別の構成図であり、
図5に示す外部機器200では前述したように電磁誘導を使用した非接触給電を示したが、この変形例に示す外部機器200aでは電波受電を使用した非接触給電の方式になっている。
【0055】
図8は、実施の形態1の外部機器200の変形例を示す構成図である。主に
図5に示す外部機器200との相違点について説明する。
図5に示す外部機器200では、コイルT2に直流電圧生成部GENが接続され、直流電圧生成部GENは制御部CTR及びセンサSENに接続されていたが、本変形例に示す外部機器200aでは、アンテナANT4に電源電圧生成部PWG2が接続され、電源電圧生成部PWG2が制御部CTR及びセンサSENに接続されている。
【0056】
アンテナANT4は電波受電し高周波電圧を生成する非接触給電受信部51aとなる。電磁波を受けたアンテナANT4が高周波電流を生成し、電源電圧生成部PWG2で直流電圧Vccに電圧変換する。この直流電圧Vccは制御部CTR及びセンサSENが動作するための電源電圧となる。
【0057】
本変形例の給電装置123a及び外部機器200aの他の動作は、
図4に示す給電装置123、
図5に示す外部機器200と同様であるが、非接触給電方式として電磁波を使用した電波受電により行っている。電磁波の発生周波数は920MHz、2.4GHzの周波数帯が一般的に適宜使用され、非接触給電送信部と非接触給電受信部により電波受電を使用して、照明装置100から外部機器200など他機器の駆動電源電圧を得ることができる。また、通信信号CSは非接触給電信号PSとは別の周波数帯を使用した無線通信で実施する方が好ましい。また、電波受電方式は、前述した電磁誘導による非接触給電方式と比べて指向性が良いという特徴を備えている。照明装置100及び外部機器200に使用する際には、天井に備える照明装置100から局所的に給電することが可能である。
【0058】
実施例2
実施の形態1に示す給電装置123及び外部機器200の変形例を説明する。
この変形例に示す給電装置123bは、
図4に示す給電装置123とは別の構成図であり、
図4に示す給電装置123では前述したように電磁誘導を使用した非接触給電信号PSとアンテナANT1を介して通信信号CSの送受信を行う方式を示したが、この変形例に示す給電装置123bではコイルT1を用いて非接触給電信号PSと通信信号CSの送受信を行う方式になっている。
【0059】
図9は、実施の形態1の給電装置123の変形例を示す構成図である。主に
図4に示す給電装置123との相違点について説明する。
この変形例に示す給電装置123bの給電回路31bは、
図4に示す給電装置123の給電回路31とは別の構成図であり、
図4に示す給電回路31では前述したように通信部COMM及びアンテナANT1を使用して通信信号CSを介して外部機器200と通信していたが、この変形例に示す給電回路31bでは通信部COMM及びアンテナANT1を削除している。一方で高周波生成部HQG3が点灯制御部DRVに接続されている。
【0060】
通信部COMM及びアンテナANT1を使用しなくても非接触給電送信部12bであるコイルT1と高周波生成部HQG3により、非接触給電信号PSに発生する高周波に信号を重畳させることで外部機器200bとの通信が可能である。高周波生成部HQG3から非接触給電信号PSとして発生させる高周波信号の一部を欠落させること、又は別の周波数を重畳させることで非接触給電信号PSに通信信号CSを兼ねて送信することが可能である。
【0061】
図10は、実施の形態1の外部機器200の変形例を示す構成図である。主に
図5に示す外部機器200との相違点について説明する。
図5に示す外部機器200では前述したようにアンテナANT2を使用して照明装置100と通信を示したが、この変形例に示す外部機器200bではアンテナANT2を削除している。一方で電源電圧生成部PWG3が制御部CTRに接続されている。
【0062】
照明装置100から外部機器200bへ送信された非接触給電信号PSは、前述したように高周波信号の一部を欠落させること、又は別の周波数を重畳されているため、この変化を電源電圧生成部PWG3が検知して制御部CTRに伝えることで、照明装置100からの通信信号CSとしてセンサSENを動作させることができる。
【0063】
センサSENから照明装置100への通信信号CSの送信制御は、非接触給電受信部51bであるコイルT2及び電源電圧生成部PWG3が非接触給電信号PSの一部を受信しないことで実現することができる。具体的には、コイルT2が高周波誘導電流を生成したときに、電源電圧生成部PWG3の回路インピーダンスを高くすることで、一部の高周波誘導電流を変換しないことが可能となる。このことにより
図9の非接触給電送信部12b側は、外部機器200bが非接触給電信号PSの一部が受電されなかったことを検知することができ、この一部を受信しないことを通信信号CSとすることができる。この外部機器200bから照明装置100への通信信号CSの送信制御は制御部CTRから電源電圧生成部PWG3に指令する必要がある。
【0064】
なお、本変形例では非接触給電として電磁誘導方式を使用して示したが、前述している電波受電方式でも同様の制御が可能であるため、説明は省略する。
【0065】
実施例3
実施の形態1に示す照明システムの変形例を説明する。
図11は、実施の形態1に示す照明システムの他の変形例を示す構成図である。
照明システム2000は、照明装置100cと外部機器200cを備える。
照明装置100cは、外囲体として金属からなる器具本体110と、器具本体110に取り付けられる光源ユニット120cを備える。光源ユニット120cの構成は
図3に示した光源ユニット120とほぼ同様であるが、LED11が非接触給電送信部12cとして機能する。
【0066】
非接触給電送信部12cであるLED11は、カバー125から電磁波である光を非接触給電信号PSとして出力し、非接触給電信号PSは外部機器200cで受信する。
【0067】
外部機器200cは非接触給電受信部51cとして太陽電池SORを備え、太陽電池SORが照明装置100cから出力された光を電圧に変換し、センサ類が動作する駆動電源となる。
【0068】
照明装置100c及び外部機器200cは更に互いに通信する通信部(図示しない)を備えており、照明装置100cと外部機器200cは通信信号CSで互いの情報を通信することができる。このように照明装置100cは直接通信する外部機器200cに自己が発する光を非接触給電送信して通信することができる。
【0069】
実施の形態2
本実施の形態は、複数の外部機器を含む照明システムに関わるものを示す。
本実施の形態において、実施の形態1と同じ構成については同符号を付して説明を省略し、また同じ機能、動作について説明を省略する場合がある。
【0070】
図12は、複数の外部機器200を含む照明システムを示す構成図である。
照明システム3000は、1台の照明装置100と、2台以上の外部機器200を備える。
【0071】
なお、本実施の形態では、1台の照明装置100と2台以上の外部機器200の場合における照明システム3000について説明するが、照明システム3000を構成する照明装置100及び外部機器200の台数は設置環境などに応じて適宜変更しても構わない。
【0072】
この照明システム3000において、照明装置100はそれぞれの外部機器200に非接触給電を行うことができる。
【0073】
このように1つの照明装置100に対して複数の外部機器200を動作させることができるが、この場合だと照明装置100の非接触給電送信部12が送信する電力は外部機器200の台数に比例して大きくなる。よって照明装置100の非接触給電送信部12を駆動する直流電圧生成部GEN、高周波生成部HQG1は、非接触給電送信部12から供給する電力が所定値以上に大きくなったとき、即ち外部機器200の台数が多くなったときに、回路動作の負荷が大きくなりすぎて故障する恐れがある。このような故障を防止するために、直流電圧生成部GENまたは高周波生成部HQG1は、供給する電力が大きくなったことを検出して非接触給電動作を停止させる保護回路を備えている。
【0074】
実施の形態3
本実施の形態は、実施の形態1または実施の形態2に示す照明システムの変形例である。
本実施の形態において、実施の形態1または実施の形態2と同様の構成について同符号を付し説明を省略し、同じ機能、同じ動作について説明を省略する。
【0075】
図13は、本実施の形態を示す照明システム4000を示すシステム構成図である。
照明システム4000は、照明装置100dと、照明装置100dから非接触給電を受けるとともに通信を行う外部機器200dを備える。
外部機器200dは、環境情報を取得したりするセンサSENを有した環境センサなどである。
【0076】
図14は、
図13の照明装置の具体的な構造を示す構造図であり、
図15は、
図14の照明装置から光源ユニットを外した状態を示す構造図であり、
図16は、
図15の光源ユニットを分解した状態を示す構造図である。
【0077】
照明装置100dは、器具本体110dと、この器具本体110dに着脱可能に取り付けられる光源ユニット120dとを備える。
【0078】
器具本体110dは、有底箱状の本体ケース111dと、本体ケース111dの側部に設けられた非金属部112dとを備える。本体ケース111dが金属製のときは本体ケース111dの側部に開口が形成され、この開口が非金属部112dによって塞がれており、本体ケース111dが樹脂製のときは、本体ケース111dが金属製の場合と同じように本体ケース111dの側部に開口が形成され、この開口を非金属部112dで覆うようにしてもよいし、本体ケース111dに開口を設けずに非金属部112dと一体に形成してもよい。
【0079】
外部機器200dは、円筒形状の外部機器ケース201と、外部機器ケースの側部に設けられる外部機器側の非金属部202と、外部機器ケース201に収められる回路部(図示しないが
図5、
図7、
図9に示した外部機器200の内部構成に相当する)とを備える。
【0080】
外部機器ケース201と外部機器側の非金属部202との関係性は、本体ケース111dと非金属部112dとの関係性と同じで、外部機器ケース201が金属製の場合は外部機器ケース201に開口を形成して、その開口を非金属部202で塞ぐように設けられており、外部機器ケース201が樹脂製の場合は、外部機器ケース201が金属製である場合と同様に開口を形成して非金属部202で塞ぐようにしてもよいし、外部機器ケース201に開口を形成せずに非金属部202と一体に形成してもよい。
【0081】
外部機器200dは、ユーザが測定を行いたい環境情報が取得できる環境センサを有するものを任意に照明装置100dが取り付けられている天井や壁面などに取り付けることができる。このとき、ユーザは外部機器200dへ電源線を取り付けるといった工事を行う必要がないので、ユーザは所望の環境センサを有する外部機器200dに容易に交換したり、測定したい位置に容易に取り付けたりすることができる。また、環境センサは日進月歩で開発されており新製品が発売されるので、外部機器200dが容易に交換したり取り付けしたりすることができ、照明システム4000の機能アップが容易となる。
【0082】
次に、照明装置100dから外部機器200dへの給電について説明する。
図17は、本実施の形態における照明装置100dから外部機器200dへ給電する状態を示す図であり、
図17(a)は、照明装置100dの長手方向端部側からみた側面図、
図17(b)は、照明装置100dの底面側(光源ユニット120dが取り付けられる面とは反対側の面)からみた背面図である。
【0083】
照明装置100dは、光源ユニット120dの発光方向が床面方向となるように天井面(図示しない)に取り付けられている。
【0084】
照明装置100dは、設置されている天井面に対して平行な基準線O3の方向へ向かって、非接触給電送信部12dより磁界または電波を放射している。
【0085】
非接触給電送信部12dから放射される磁界または電波は、基準線O3に対して床面側の放射角a6、天井面側の放射角a5の範囲となっており、床面側に放射される放射角a6は、天井面側に対する放射角a5よりも狭くなるようにしている。なお、床面側に放射された放射角a6は、具体的には10°~35°程度とするとよい。
【0086】
このように、床面から天井面に向かう高さ方向において、非接触給電信号PSを送信する範囲を狭めることで、照明装置100dと同じ天井面に設置されている外部機器200dへ効率的に電力を送電することができる。特に、広範囲に放射すると広い範囲で受電することはできるが、受電できるエネルギー量は必然的に少なくなる。しかしながら、本実施の形態における照明装置100dが非接触給電にて送電する方向は、同じ天井面に設置されている外部機器200dに対するものであるので、天井面から離れる方向へ狭く送電することで、天井面と平行な方向に設置された外部機器200dに効率的に送電することが可能となる。
【0087】
なお、天井面側の放射角a5を床面側の放射角a6よりも広くしているのは、天井に取り付けられる外部機器200dが天井に埋め込まれることを考慮したものであるが、外部機器200dが天井に埋め込まれることなどを考慮する必要がない場合は、天井面側の放射角a5と床面側の放射角a6は同じであってもよいし、床面側の放射角a6よりも天井面側の放射角a5が狭くなるようにしてもよい。いずれにしても、外部機器200dが照明装置100dと同じ天井面に設置されるので、床面から天井面に向かう高さ方向における放射角a5、a6は狭くした方が天井面に対する平行な方向における非接触給電送信部12dの電力を多く送電することができ、またより遠方の外部機器200dまで届けることができる。
【0088】
なお、照明装置100dが設置された天井面に対して平行な面方向に対しては幅広く非接触給電を放射するようにするとよい。例えば、
図17(b)に示す基準線O4を基準に放射角a7、放射角a8をそれぞれ45°~80°の範囲とする。このように広範囲に磁界または電波を放射すると、外部機器200dを天井面に取り付けるとき、外部機器200dの非金属部が照明装置100dの非金属部112が対向していることを確認することで、非接触給電が可能であるかが容易に確認でき、外部機器200dの取り付け位置を容易に決めることができる。
【0089】
実施の形態4
本実施の形態は、実施の形態1~実施の形態3に示す照明システムを他のネットワークに接続したものである。
【0090】
図18は、クラウドネットワークに接続された照明システムのシステム構成を示す図である。
【0091】
クラウドネットワークシステム5000は、クラウドサービス800と、集中制御装置700と、3つの照明システム1000a、1000b、1000cを有する。
【0092】
この実施の形態において、3つの照明システム1000a、1000b、1000cを組み合わせた場合について説明するが、1つの照明システムでもよいし、2または4以上の照明システムを組み合わせても構わない。
【0093】
照明システム1000a、1000b、1000cは、実施の形態1から実施の形態3のいずれかに示した照明システム1000、2000、3000、4000と同様の構成を備えている。
【0094】
なお、照明システム1000a、1000b、1000cは、有線または無線で通信信号LCを集中制御装置700と通信する通信部(図示しない)を備える。
【0095】
この実施の形態の説明では、照明システム1000a、1000bは1つの外部機器200に対してそれぞれから非接触給電信号PSを送信し、通信信号CSで互いの情報を通信するものとする。
【0096】
このようにクラウドネットワークシステム5000は天井に複数台設置される照明装置100の特徴を活かして複数の照明装置100から外部機器200に非接給電することで、外部機器200は大きな駆動電力を得ることが可能である。さらに、前述したように非接触給電送信部12が電磁波のときには指向性を狭くすることが可能である。これにより、同じく天井に複数台設置される照明装置100の特徴を活かして複数の照明装置100aから指向性を狭くした状態で給電することで、外部機器200への給電効率を上げることが期待できる。
【0097】
この実施の形態の説明では、照明システム1000cはタブレット60に対して、非接触給電信号PSを送信し、通信信号CSで互いの情報を通信する。
【0098】
クラウドサービス800は、いわゆるインターネットを介して提供されるクラウドサービスである。クラウドサービス800は、照明装置100や外部機器200からの情報を蓄積したり、蓄積した情報を分析して照明装置100や外部機器200を制御する情報を送受信したりする。
【0099】
集中制御装置700はインターネット回線などを介してクラウドサービス800に通信信号NETで接続される。
【0100】
集中制御装置700は、各照明装置100に対して通信信号LCを介して調光、消灯等の光の制御指令や、各照明器具から更に通信信号CSを介して外部機器200およびタブレット60に操作等の指令を行うことができる。また、外部機器200およびタブレット60から通信信号CS及び通信信号LCを介して集中制御装置700にセンサ情報やタブレット情報を送信することができ、また各照明装置100の情報も通信信号CSを介して送信することができる。
【0101】
さらに集中制御装置700はクラウドサービス800に通信信号NETを介して、照明装置100、外部機器200及びタブレット60の情報をアップロード及びダウンロードすることができる。
【0102】
このように、照明装置100と環境センサなどの外部機器200を非接触給電及び通信したシステムを照明ネットワーク化することで、省施工、省資源化に加えて、多機能化、使用し易さが向上することができる。
【0103】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0104】
(付記1)
光源と、
商用電源が供給され、前記光源に電力供給して点灯制御する点灯回路と、
前記商用電源から得られた電力を外部機器に給電するための給電回路と、
前記光源、前記点灯回路及び前記給電回路を格納する器具本体と、
を備え、
前記給電回路は、前記商用電源から得られた電力を磁界または電波に変換して前記外部機器に放射する電力送信部を有し、
前記器具本体は、前記電力送信部が放射した磁界または電波を通過させる非金属部を有し、
前記電力送信部が前記外部機器の受電部と磁界接続または電波接続したとき、前記電力送信部と前記外部機器の受電部とを結ぶ直線上に前記光源を介在させず前記非金属部を介在させた照明装置。
(付記2)
前記非金属部は、前記光源が前記器具本体に取り付けられる部分とは異なる前記器具本体の外郭部に設けられ、
前記電力送信部は、前記光源が発する方向とは異なる方向に向かって、前記非金属部を介して磁界または電波を放射する、付記1に記載の照明装置。
(付記3)
前記光源が光を発した発光方向に向かって前記電力送信部は磁界または電波を放射する、付記1に記載の照明装置。
(付記4)
前記光源が発した光が前記外部機器にあたっているとき、前記電力送信部と前記外部機器の受電部は磁界結合または電波接続状態となる、付記3に記載の照明装置。
(付記5)
前記非金属部は、前記光源が発した光を透過させる透光部材である、付記4に記載の照明装置。
(付記6)
前記非金属部は、前記電力送信部との距離が前記外部機器の受電部との距離よりも近くなるように配置された、付記1~5のいずれか一項に記載の照明装置。
(付記7)
前記非金属部は、前記電力送信部との距離が所定間隔となるように固定された、付記1~6の何れか一項に記載の照明装置。
(付記8)
前記点灯回路は、前記給電回路からの制御信号に基づき前記光源の点灯状態を変化させる、付記1~7のいずれか一項に記載の照明装置。
(付記9)
前記電力送信部は、磁界または電波接続する前記外部機器が所定台数以上となった場合に前記電力送信部からの出力を停止する、付記1~8のいずれか一項に記載の照明装置。
(付記10)
前記電力送信部は、コイルまたはアンテナである、付記1~9のいずれか一項に記載の照明装置。
(付記11)
付記1~10のいずれか一項に記載の照明装置と、
前記照明装置の前記電力送信部が放射する磁界または電波を受信して、電源電圧を生成する電力受信部と、前記電力受信部から得られた電源電圧で動作する駆動部とを有する外部機器と、
を備えた照明システム。
(付記12)
前記照明装置は、前記電力送信部が出力する磁界または電波に通信信号を重畳させて送受信する第1の通信部を有し、
前記外部機器は、前記電力受信部から磁界または電波に重畳された前記通信信号を送受信する第2の通信部を有する、
付記11に記載の照明システム。
(付記13)
前記第1の通信部及び前記第2の通信部が通信する前記通信信号の通信周波数は、前記電力送信部の動作周波数とは異なる、付記12に記載の照明システム。
(付記14)
前記通信信号に従って前記駆動部が動作する、または前記駆動部の情報を前記照明装置に出力する、付記12または付記13に記載の照明システム。
(付記15)
付記1~10の何れか一項に記載の複数の照明装置と、
前記複数の照明装置のうち、少なくとも2以上の照明装置のそれぞれの電力送信部から放射される磁界または電波と磁界結合または電波接続する電力受信部と、
を備えた照明システム。
(付記16)
クラウドネットワークに接続されるとともに、前記照明装置または/および前記外部機器に直接的にまたは間接的にネットワーク接続され、前記照明装置または/および前記外部機器の情報をクラウドネットワーク上に送信し、クラウドネットワークから受信した制御情報を前記照明装置または/および前記外部機器に送信するネットワーク制御部を備えた、付記11~付記15の何れか一項に記載の照明システム。
【符号の説明】
【0105】
100、100a、100c、100d 照明装置、110、110d 器具本体、111d 本体ケース、112、112d 非金属部、120、120c、120d 光源ユニット、121 光源モジュール、11 発光ダイオード(LED)、12 非接触給電送信部、12a、12b、12c、12d 非接触給電送信部、13 プリント基板、122 ベースプレート、123、123a、123b 給電装置、31、31a、31b 給電回路、32 ケース、124 点灯装置、41 点灯回路、42 ケース、125 カバー、51、51a、51b、51c 非接触給電受信部、200、200a、200b、200c、200d 外部機器、201 外部機器ケース、202 非金属部、60 タブレット、700 集中制御装置、800 クラウドサービス、1000、1000a、1000b、1000c、2000、3000、4000 照明システム、5000 クラウドネットワークシステム、AC 商用電源、ANT1、ANT2、ANT3、ANT4 アンテナ、COMM 通信部、CTR 制御部、DRV 点灯制御部、GEN 直流電圧生成部、HQG1、HQG2、HQG3 高周波生成部、PWG1、PWG2、PWG3 電源電圧生成部、SEN センサ、SOR 太陽電池、T1、T2 コイル。