(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074333
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ソファーカバー
(51)【国際特許分類】
A47C 31/10 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A47C31/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185408
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】517214828
【氏名又は名称】株式会社ハズコウ
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(72)【発明者】
【氏名】松山 宗征
(57)【要約】
【課題】簡易な作業で適切にソファーに固定することが可能なソファーカバーを提供する。
【解決手段】ソファーカバー1は、カバー本体2、固定紐11、および紐挿通部12を備える。カバー本体2は、底部に開口部6を有する袋状に形成され、開口部6を通じてソファー50に上方から被せられることで、ソファー50を覆う。長尺状の固定紐11の一端部は、カバー本体2における開口部6の縁部に接続される。紐挿通部12は、カバー本体2における開口部6の縁部のうち、固定紐11が接続された部位とは異なる部位に設けられる。紐挿通部12には固定紐11が挿通される。カバー本体2がソファー50に上方から被せられた状態で、固定紐11がソファー50の底部において紐挿通部12に挿通された後、固定紐11同士が接続されることで、カバー本体2がソファー50に固定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソファーを覆うソファーカバーであって、
底部に開口部を有する袋状に形成され、前記開口部を通じて前記ソファーに上方から被せられることで前記ソファーを覆うカバー本体と、
前記カバー本体における前記開口部の縁部に一端部が接続された少なくとも1本の長尺状の固定紐と、
前記カバー本体における前記開口部の縁部のうち、前記固定紐が接続された部位とは異なる部位に設けられ、前記固定紐が挿通される紐挿通部と、
を備え、
前記カバー本体が前記ソファーに上方から被せられた状態で、前記固定紐が前記ソファーの底部において前記紐挿通部に挿通された後、前記固定紐同士が接続されることで、前記カバー本体が前記ソファーに固定されることを特徴とするソファーカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のソファーカバーであって、
前記固定紐同士が結ばれることで、前記固定紐同士が接続されることを特徴とするソファーカバー。
【請求項3】
請求項1に記載のソファーカバーであって、
前記固定紐には、
前記紐挿通部に挿通可能な長さに形成された長尺固定紐と、
前記長尺固定紐よりも長さが短い短尺固定紐が含まれており、
前記長尺固定紐が前記紐挿通部に挿通された状態で、前記長尺固定紐と前記短尺固定紐が接続されることで、前記カバー本体が前記ソファーに固定されることを特徴とするソファーカバー。
【請求項4】
請求項3に記載のソファーカバーであって、
前記長尺固定紐は、前記カバー本体における前記開口部の環状の縁部のうち、前記ソファーの後部側の縁部に接続されており、
前記短尺固定紐は、前記カバー本体における前記開口部の環状の縁部のうち、前記ソファーの前部側の縁部に接続されていることを特徴とするソファーカバー。
【請求項5】
請求項4に記載のソファーカバーであって、
前記長尺固定紐は、前記カバー本体における前記開口部の環状の縁部のうち、前記ソファーの後部側の縁部に少なくとも2つ接続されており、
前記短尺固定紐は、前記カバー本体における前記開口部の環状の縁部のうち、前記ソファーの前部側の縁部に少なくとも2つ接続されており、
前記紐挿通部は、前記カバー本体における前記開口部の環状の縁部のうち、前記ソファーの左側の縁部と右側の縁部の各々に設けられていることを特徴とするソファーカバー。
【請求項6】
請求項5に記載のソファーカバーであって、
2つの前記長尺固定紐の各々は、前記カバー本体における前記開口部の前記後部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されており、
2つの前記短尺固定紐の各々は、前記カバー本体における前記開口部の前記前部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されていることを特徴とするソファーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソファーを覆うソファーカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソファーを覆うソファーカバーが知られている。ソファーカバーによってソファーを覆うことで、ソファーの汚れおよび痛みが抑制される。また、使用者は、ソファーカバーを用いることで、ソファーの外観を好みの外観に変えることもできる。
【0003】
しかし、ソファーカバーで覆われたソファーを使用者が使用すると、ソファーカバーがずれてしまう場合がある。特許文献1に記載のソファーカバーでは、ソファーを覆う袋状本体の底部の開口部に、張設固定する引張ベルトが設けられている。引張ベルトは、開口部のうち、ソファーの前部側に固定されており、開口部の後部側においてクリップによって固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のソファーカバーでは、作業者は、ソファーカバーの開口部の前部側に接続された引張ベルトを、開口部の後部側まで引き出した状態で、開口部の後部にクリップで固定する必要がある。従って、作業者は、ソファーを使用時の姿勢としたまま引張ベルトの固定作業を行うことは困難であり、ソファーを倒して底部を露出させた状態で作業を行う必要があった。
【0006】
本開示の典型的な目的は、簡易な作業で適切にソファーに固定することが可能なソファーカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における典型的な実施形態が提供するソファーカバーは、ソファーを覆うソファーカバーであって、底部に開口部を有する袋状に形成され、前記開口部を通じて前記ソファーに上方から被せられることで前記ソファーを覆うカバー本体と、前記カバー本体における前記開口部の縁部に一端部が接続された少なくとも1本の長尺状の固定紐と、前記カバー本体における前記開口部の縁部のうち、前記固定紐が接続された部位とは異なる部位に設けられ、前記固定紐が挿通される紐挿通部と、を備え、前記カバー本体が前記ソファーに上方から被せられた状態で、前記固定紐が前記ソファーの底部において前記紐挿通部に挿通された後、前記固定紐同士が接続されることで、前記カバー本体が前記ソファーに固定される。
【0008】
本開示におけるソファーカバーは、簡易な作業で適切にソファーに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ソファーカバー1およびソファー50の斜視図である。
【
図2】本実施形態のソファーカバー1の、ソファー50に固定された状態の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概要>
本開示で例示するソファーカバーは、カバー本体、固定紐、および紐挿通部を備える。カバー本体は、底部に開口部を有する袋状に形成され、開口部を通じてソファーに上方から被せられることで、ソファーを覆う。長尺状の固定紐の一端部は、カバー本体における開口部の縁部に接続される。紐挿通部は、カバー本体における開口部の縁部のうち、固定紐が接続された部位とは異なる部位に設けられる。紐挿通部には固定紐が挿通される。カバー本体がソファーに上方から被せられた状態で、固定紐がソファーの底部において紐挿通部に挿通された後、固定紐同士が接続されることで、カバー本体がソファーに固定される。
【0011】
本開示で例示するソファーカバーによると、作業者は、開口部を通じてカバー本体をソファーに上方から被せた状態で、固定紐を紐挿通部に挿通させて、固定紐同士を接続することで、カバー本体をソファーに固定することができる。従って、作業者は、ソファー本体を倒さなくても、固定紐を紐挿通部に挿通させる作業、および、固定紐同士を接続する作業を行うことができる。よって、作業者は、簡易な作業で適切にカバー本体をソファーに固定することができる。
【0012】
固定紐同士が結ばれることで、固定紐同士が接続されてもよい。この場合、固定紐同士を接続するための接続部材(例えば、フック上に起毛された側とループ状に起毛された側が互いに押し付けられることで接続される面ファスナー、またはボタン等)を、ソファーカバーに用いる必要が無くなる。従って、例えばソファーカバーの洗濯時等に、面ファスナー等の接続部材によってソファーカバーの生地が傷付けられてしまうことが無い。さらに、ソファーカバーの部品点数も削減される。
【0013】
ただし、固定紐同士の接続に、面ファスナー等の接続部材を用いることも可能である。この場合でも、作業者は、簡易な作業で適切にソファー本体をソファーに固定することができる。
【0014】
固定紐には、紐挿通部に挿通可能な長さに形成された長尺固定紐と、長尺固定紐よりも長さが短い短尺固定紐が含まれていてもよい。長尺固定紐が紐挿通部に挿通された状態で、長尺固定紐と短尺固定紐が接続されることで、カバー本体がソファーに固定されてもよい。この場合、作業者は、長尺固定紐のみを紐挿通部に挿通させた後、長尺固定紐と短尺固定紐を接続すればよいので、固定作業が容易になる。また、長尺固定紐と短尺固定紐が用いられない場合に比べて、固定紐同士の接続後に、固定紐の余剰部分が全体の見栄えを低下させる可能性も低下する。
【0015】
長尺固定紐は、カバー本体における開口部の環状の縁部のうち、ソファーの後部側の縁部に接続されていてもよい。短尺固定紐は、カバー本体における開口部の環状の縁部のうち、ソファーの前部側の縁部に接続されていてもよい。この場合、作業者は、長尺固定紐のみを紐挿通部に挿通させた後、ソファーの前部側から長尺固定紐と短尺固定紐を接続することができる。長尺固定紐と短尺固定紐の接続を解除する場合も同様に、ソファーの前部側で作業を行うことが可能である。ソファーは、前部側にスペースが確保されるように配置されるが、後部側には壁等によってスペースが確保されない場合も多い。ソファーの前部側から長尺固定紐と短尺固定紐を接続・解除できれば、作業者はソファーの後部側に回り込まなくても作業を行うことができるので、より容易にソファーカバーをソファーに固定することができる。
【0016】
長尺固定紐は、カバー本体における開口部の環状の縁部のうち、ソファーの後部側の縁部に少なくとも2つ接続されていてもよい。短尺固定紐は、カバー本体における開口部の環状の縁部のうち、ソファーの前部側の縁部に少なくとも2つ接続されていてもよい。紐挿通部は、カバー本体における開口部の環状の縁部のうち、ソファーの左側の縁部と右側の縁部の各々に設けられていてもよい。この場合、作業者は、2つの長尺固定紐の一方を左側の紐挿通部に挿通させて、2つの短尺固定紐の一方と接続させると共に、他方の長尺固定紐を右側の紐挿通部に挿通させて、他方の短尺固定紐と接続させることで、カバー本体をソファーに固定することができる。その結果、カバー本体が、ソファーの底部の左側と右側の各々でバランスよく固定される。
【0017】
2つの長尺固定紐の各々は、カバー本体における開口部の後部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されていてもよい。2つの短尺固定紐の各々は、カバー本体における開口部の前部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されていてもよい。2つの長尺固定紐の各々を異なる位置に接続することで、開口部の後部側縁部の同一位置に固定する場合に比べて、長尺固定紐の接続位置にかかる負荷が分散されて低下する。同様に、2つの短尺固定紐の各々を異なる位置に接続することで、開口部の前部側縁部の同一位置に固定する場合に比べて、短尺固定紐の接続位置にかかる負荷が分散されて低下する。従って、固定紐から開口部の縁部にかかる負荷によって、カバー本体の形状が変化することによる見栄えの低下、および、生地の破損等が、効率良く抑制される。
【0018】
<実施形態>
以下、本開示における典型的な実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1における紙面左下側をソファーカバー1およびソファー50の前部側、紙面右上側をソファーカバー1およびソファー50の後部側、紙面左上側をソファーカバー1およびソファー50の右側、紙面右下側をソファーカバー1およびソファー50の左側とする。
【0019】
図1を参照して、本実施形態のソファーカバー1で覆うことが可能なソファー50の構造の一例について説明する。ソファー50は、座面51、背もたれ52、右肘掛け53R、左肘掛け53L、および脚部54を備える。座面51は、使用者が座る部位であり、使用者を下方から支持する。背もたれ52は、座面51の後部から上方に延びる部位であり、使用者を後方から支持する。右肘掛け53Rおよび左肘掛け53Lは、座面51の左右の各々から上方に延びる。脚部54は、ソファー50の本体の底面から下方に延びることで、ソファー50の本体を支持する。本実施形態では、ソファー50の本体の底面における4つの角部の各々に脚部54が設けられている。ただし、脚部54の数および位置を変更することも可能である。また、本実施形態で例示するソファーカバー1は、脚部54を有さないソファーに固定することも可能である。
【0020】
図1を参照して、本実施形態のソファーカバー1の概略構成について説明する。本実施形態のソファーカバー1のカバー本体2は、伸縮性を有する生地(例えば、ポリエステル繊維、またはポリウレタン繊維等による生地)で形成されている。ただし、ソファーカバー1のカバー本体2の少なくとも一部が、伸縮性が低い素材で形成されていてもよい。本実施形態のソファーカバー1は、座面カバー部3、背もたれカバー部4、右肘掛けカバー部5R、および左肘掛けカバー部6Lを備える。
【0021】
座面カバー部3は、ソファー50の座面51の上面を覆う。背もたれカバー部4は、少なくともソファー50の背もたれ52の前面および後面を覆う。詳細には、本実施形態の背もたれカバー部4は、背もたれ52の前面、上面、後面、および左右の側面の上部を覆うことができる。右肘掛けカバー部5Rは、右肘掛け53Rの内側面、外側面、上面、前面、および後面を覆う。左肘掛けカバー部5Lは、左肘掛け53Lの内側面、外側面、上面、前面、および後面を覆う。以上のように、本実施形態のカバー本体2は、袋状に形成されることで、座面カバー部3、背もたれカバー部4、右肘掛けカバー部5R、および左肘掛けカバー部5Lによって、ソファー50の底面を除く外周を覆うことができる。
【0022】
図2を参照して、本実施形態のソファーカバーの底部の構成について詳細に説明する。
図2は、本実施形態のソファーカバー1の、ソファー50に固定された状態の底面図である。以下の説明では、
図1における紙面上側をソファーカバー1およびソファー50の後部側、紙面下側をソファーカバー1およびソファー50の前部側、紙面右側をソファーカバー1およびソファー50の右側、紙面左側をソファーカバー1およびソファー50の左側とする。
【0023】
図2に示すように、ソファーカバー1の袋状のカバー本体2の底部には、開口部6が形成されている。カバー本体2は、開口部6を通じてソファー50に上方から被せられることで、ソファー50の底面以外の部分を覆う。カバー本体2の開口部6の近傍には、収縮部7が全周に渡って設けられている。収縮部7には、例えばゴム等を用いることができる。カバー本体2がソファー50に装着されると、収縮部7によって、カバー本体2の下端部が内側に向けて収縮する。その結果、ソファー50に装着されたソファーカバー1の見栄えが良好となる。
【0024】
カバー本体2における表面と裏面では、色およびデザインの少なくとも一方が異なっている。従って、使用者は、表面および裏面のうち、好みの色およびデザインの面を表側にして、カバー本体2をソファー50に被せることができる。つまり、本実施形態のソファーカバー1は、リバーシブルとして使用することができる。さらに、詳細は後述するが、本実施形態によると、表面および裏面のいずれが表側として使用された場合でも、カバー本体2が簡易な作業で適切にソファー50に固定される。
【0025】
カバー本体2の開口部6の縁部には、長尺状の固定紐11(詳細には、長尺固定紐11Aおよび短尺固定紐11B)の一端部が接続固定されている。また、カバー本体2における開口部6の縁部のうち、固定紐11が接続された部位とは異なる部位には、固定紐11が挿通される紐挿通部12(詳細には、右側の紐挿通部12Rおよび左側の紐挿通部12L)が設けられている。紐挿通部12には、例えば、開口部6の縁部に固定されてループを形成するループ部等を用いることができる。
【0026】
本実施形態のソファーカバー1によると、作業者は、開口部6を通じてカバー本体2をソファー50に上方から被せた状態で、固定紐11を紐挿通部12に挿通させて、固定紐11同士を接続することで、カバー本体2をソファー50に固定することができる。従って、作業者は、ソファー50の本体を倒さなくても、固定紐11を紐挿通部12に挿通させる作業、および、固定紐11同士を接続する作業を行うことができる。従って、作業者は、簡易な作業で適切にカバー本体をソファーに固定することができる。
【0027】
図2に示すように、本実施形態のソファーカバー1では、固定紐11同士が結ばれることで、固定紐11同士が接続される。従って、固定紐11同士を接続するための接続部材(例えば、フック上に起毛された側とループ状に起毛された側が互いに押し付けられることで接続される面ファスナー、またはボタン等)を、ソファーカバー1に用いる必要が無くなる。従って、例えばソファーカバー1の洗濯時等に、面ファスナー等の接続部材によってソファーカバー1の生地が傷付けられてしまうことが無い。さらに、ソファーカバー1の部品点数も削減される。
【0028】
固定紐11には、紐挿通部12に挿通可能な長さに形成された長尺固定紐11Aと、長尺固定紐11Aよりも長さが短い短尺固定紐11Bが含まれている。長尺固定紐11Aが紐挿通部12に挿通された状態で、長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bが接続されることで、カバー本体2がソファー50に固定される。従って、作業者は、長尺固定紐11Aのみを紐挿通部12に挿通させた後、長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bを接続すればよいので、固定作業が容易になる。また、長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bが用いられない場合(例えば、互いに接続される一対の固定紐11の長さが略同一の場合等)に比べて、固定紐11同士の接続後に、固定紐11の余剰部分が全体の見栄えを低下させる可能性も低下する。
【0029】
本実施形態では、長尺固定紐11Aは、カバー本体2における開口部6の環状の縁部のうち、ソファー50の後部側の縁部に接続されている。短尺固定紐11Bは、カバー本体2における開口部6の環状の縁部のうち、ソファーの前部側の縁部に接続されている。従って、作業者は、長尺固定紐11Aのみを紐挿通部12に挿通させた後、ソファー50の前部側から長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bを接続することができる。長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bの接続を解除する場合も同様に、ソファー50の前部側で作業を行うことが可能である。ソファー50は、前部側にスペースが確保されるように配置されるが、後部側には壁等によってスペースが確保されない場合も多い。ソファー50の前部側から長尺固定紐11Aと短尺固定紐11Bを接続・解除できれば、作業者はソファー50の後部側に回り込まなくても作業を行うことができるので、より容易にソファーカバー1をソファー50に固定することができる。
【0030】
長尺固定紐11Aは、カバー本体2における開口部6の環状の縁部のうち、ソファー50の後部側の縁部に2つ接続されている。短尺固定紐11Bは、カバー本体2における開口部6の環状の縁部のうち、ソファー50の前部側の縁部に2つ接続されている。紐挿通部12は、カバー本体2における開口部6の環状の縁部のうち、ソファー50の左側の縁部と右側の縁部の各々に設けられていてもよい。この場合、作業者は、右側の長尺固定紐11Aを右側の紐挿通部12Rに挿通させて、右側の短尺固定紐11Bと接続させると共に、左側の長尺固定紐11Aを左側の紐挿通部12Lに挿通させて、左側の短尺固定紐11Bと接続させることで、カバー本体2をソファー50に固定することができる。その結果、カバー本体2が、ソファー50の底部の左側と右側の各々でバランスよく固定される。
【0031】
2つの長尺固定紐11Aの各々は、カバー本体2における開口部6の後部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されている。また、2つの短尺固定紐11Bの各々は、カバー本体2における開口部6の前部側の縁部のうち、互いに異なる位置に接続されている。2つの長尺固定紐11Aの各々を異なる位置に接続することで、開口部6の後部側縁部の同一位置に接続する場合に比べて、長尺固定紐11Aの接続位置にかかる負荷が分散されて低下する。同様に、2つの短尺固定紐11Bの各々を異なる位置に接続することで、開口部6の前部側縁部の同一位置に固定する場合に比べて、短尺固定紐11Bの接続位置にかかる負荷が分散されて低下する。従って、固定紐11から開口部6の縁部にかかる負荷によって、カバー本体2の形状が変化することによる見栄えの低下、および、生地の破損等が、効率良く抑制される。
【0032】
上記実施形態で開示された技術は一例に過ぎない。従って、上記実施形態で例示された技術を変更することも可能である。まず、固定紐11および紐挿通部12の数および接続位置の少なくとも一方を変更することも可能である。例えば、1つの固定紐11と、3つの紐挿通部12を、カバー本体2の開口部6の縁部のうち、互いに異なる位置に接続してもよい。例えば、開口部6の縁部における前部側、左側、後部側、および右側のうち、1か所に固定紐11を接続させると共に他の3か所に紐挿通部12を設けてもよい。この場合、作業者は、固定紐11を3つの紐挿通部12の各々に挿通させた後、固定紐11の先端部分と根元部分を接続させることで、カバー本体2をソファー50に固定する。この場合でも、作業者は、ソファー50の本体を倒さなくても、固定紐11を紐挿通部12に挿通させる作業、および、固定紐11同士を接続する作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ソファーカバー
2 カバー本体
6 開口部
11 固定紐
11A 長尺固定紐
11B 短尺固定紐
12R,12L 紐挿通部
50 ソファー