(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074413
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】映像保存システム、映像保存方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/92 20060101AFI20240524BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20240524BHJP
H04N 5/93 20060101ALI20240524BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240524BHJP
G06F 16/78 20190101ALI20240524BHJP
【FI】
H04N5/92 010
H04N5/77
H04N5/93
H04N23/60 300
G06F16/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185528
(22)【出願日】2022-11-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載年月日 令和4年11月14日 掲載アドレス https://temotoru.net/
(71)【出願人】
【識別番号】518224820
【氏名又は名称】株式会社ゼアー
(74)【代理人】
【識別番号】110002446
【氏名又は名称】弁理士法人アイリンク国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前澤 周平
(72)【発明者】
【氏名】前田 卓磨
【テーマコード(参考)】
5B175
5C053
5C122
【Fターム(参考)】
5B175DA04
5B175FB02
5B175FB03
5B175GA03
5C053GB06
5C053HA29
5C053JA21
5C053LA01
5C053LA06
5C053LA11
5C122EA42
5C122GA18
5C122GA34
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】カメラで撮像して得た映像データをより簡易に検索できるようにする。
【解決手段】映像撮影システム10は、バーコードを読み取りバーコードリーダー11と、映像を撮影するカメラ12と、バーコードリーダー11がバーコードを読み取ったときにカメラ12が撮影した映像データを予め設定された時間、記憶部21に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にバーコードの情報を含ませる処理端末20と、を有し、ファイル名が含むバーコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニークコードを読み取る読み取り手段と、
映像を撮影する撮影手段と、
前記読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに前記撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名に前記ユニークコードの情報を含ませる保存処理手段と、を有し、
前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする映像保存システム。
【請求項2】
前記保存処理手段は、前記予め設定された時間内に前記読み取り手段が他のユニークコードを読み取ったときには、その読み取り時点まで前記撮影手段が撮影した映像データを前記第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名に前記読み取り手段が前記他のユニークコードの直前に読み取っているユニークコードの情報を含ませる請求項1に記載の映像保存システム。
【請求項3】
前記保存処理手段は、前記読み取り手段が読み取ったユニークコードの情報を前記第1保存手段に保存した映像データに対応付けて第2保存手段に保存し、
外部操作によって、前記第1保存手段に保存された映像データを前記第2保存手段に保存された前記ユニークコードの情報を基に検索し当該映像データを再生する検索手段をさらに有する請求項1又は2に記載の映像保存システム。
【請求項4】
前記保存処理手段は、前記第1保存手段に保存した映像データを得た前記撮影手段による撮影時間を、当該映像データに対応付けて第3保存手段に保存し、
外部操作によって、前記第3保存手段に保存された前記撮影時間の情報を外部出力する出力手段をさらに有する請求項1又は2に記載の映像保存システム。
【請求項5】
映像保存システムは、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップを有し、
前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする映像保存方法。
【請求項6】
保存処理手段が、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にしたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラで撮像した映像を保存する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カメラで作業者の作業内容を確認する装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、カメラで撮像して得た映像データをより簡易に検索できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、ユニークコードを読み取る読み取り手段と、映像を撮影する撮影手段と、前記読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに前記撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名に前記ユニークコードの情報を含ませる保存処理手段と、を有し、前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする映像保存システムである。
【0006】
本発明の第2の態様では、前記保存処理手段は、前記予め設定された時間内に前記読み取り手段が他のユニークコードを読み取ったときには、その読み取り時点まで前記撮影手段が撮影した映像データを前記第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名に前記読み取り手段が前記他のユニークコードの直前に読み取っているユニークコードの情報を含ませることが好ましい。
【0007】
本発明の第3の態様では、前記保存処理手段は、前記読み取り手段が読み取ったユニークコードの情報を前記第1保存手段に保存した映像データに対応付けて第2保存手段に保存し、外部操作によって、前記第1保存手段に保存された映像データを前記第2保存手段に保存された前記ユニークコードの情報を基に検索し当該映像データを再生する検索手段をさらに有することが好ましい。
【0008】
本発明の第4の態様では、前記保存処理手段は、前記第1保存手段に保存した映像データを得た前記撮影手段による撮影時間を、当該映像データに対応付けて第3保存手段に保存し、
外部操作によって、前記第3保存手段に保存された前記撮影時間の情報を外部出力する出力手段をさらに有することが好ましい。
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の第5の態様は、映像保存システムは、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップを有し、前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする映像保存方法である。
【0010】
前記課題を解決するために、本発明の第6の態様は、保存処理手段が、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にしたコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の前記第1,5,6の態様によれば、映像保存システムは、ユーザがユニークコードを基に保存した映像データのファイル名に当該ユニークコードの情報を自動的に含めることで、ユーザがそのユニークコードの情報を利用して映像データの検索し再生することを可能にする。これにより、ユニークコードの情報を知っているユーザは、簡易に映像データを検索し再生できる。
【0012】
本発明の前記第2の態様によれば、映像保存システムは、映像データを得るための撮影時間として予め設定された時間を設定しつつも、効率よく次々と映像データを保存していくことを可能にする。
【0013】
本発明の前記第3の態様によれば、映像保存システムは、ユニークコードに基づくユーザによる映像データの検索をより簡易に可能にする。
【0014】
本発明の前記第4の態様によれば、映像保存システムは、映像データの撮影時間をユーザに提供できる。これにより、ユーザは、映像データを再生しつつも、当該撮影時間を簡易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、映像保存システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、映像撮影システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、映像保存処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、バーコードリーダーに入力されるバーコードの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、処理装置のモニターに表示されるカメラによる録画状態の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、映像保存サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、映像保存サーバの処理部の構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、映像保存システムを利用するユーザの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、映像保存システムの利用例を示す図である。
【
図10】
図10は、EC荷主による映像再生の活用例を示す図である。
【
図11】
図11は、映像再生端末のモニターに表示される表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、映像保存システムを挙げている。
【0017】
(構成)
図1は、映像保存システム1の構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、映像保存システム1は、映像撮影システム10、映像再生端末30、及び映像保存サーバ100を有している。ここで、映像撮影システム10、映像再生端末30、及び映像保存サーバ100は、通信手段NWを介して通信可能とされている。通信手段NWは、有線又は無線で接続可能なインターネット回線等の通信網である。
【0019】
この映像保存システム1では、作業者による商品の箱詰め作業の映像を映像撮影システム10で撮影する。そして、映像保存システム1は、映像撮影システム10で撮影して得た映像データを映像保存サーバ100に保存し、映像保存サーバ100に保存されている映像データの映像を映像再生端末30で再生できる。
【0020】
図2は、映像撮影システム10の構成例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、映像撮影システム10は、処理端末20、バーコードリーダー11、及びカメラ12を有している。処理端末20は、パーソナルコンピュータ等の処理装置である。バーコードリーダー11、カメラ12は、一般に入手可能な汎用性があるもので、処理端末20に外付けで備えられている。バーコードリーダー11は、バーコードを読み取ると、そのバーコード情報を処理端末20に送信する。カメラ12は、撮影して得た映像データを処理端末20に送信する。処理端末20は、バーコードリーダー11からのバーコード情報及びカメラ12からの映像データを基に、映像保存処理を実行する。
【0022】
図3は、映像保存処理の一例を示すフローチャートである。
【0023】
図3に示すように、先ずステップS1の処理として、処理端末20は、初期設定を行う。初期設定では、処理端末20のユーザの操作によって、設定撮影時間の設定、映像保存時のエンコードの設定、作業者情報(例えば、当該ユーザ自身の識別番号)が登録される。例えば、ユーザは、商品の箱詰め作業の作業時間に応じて設定撮影時間を設定する。設定撮影時間は、例えば、30秒である。処理端末20は、初期設定が終了すると、ステップS2の処理に進む。
【0024】
ステップS2の処理として、処理端末20は、バーコードリーダー11にバーコードの入力があったか否かを判定する。バーコードリーダー11にバーコードの入力があったとき、処理端末20には、バーコードリーダー11からバーコード情報が送信されてくる。処理端末20は、バーコードリーダー11にバーコードの入力があったと判定すると、ステップS3の処理に進む。
【0025】
図4は、バーコードリーダー11に入力されるバーコード200aの一例を示す図である。
図4に示すように、バーコード200aは、箱詰めされる商品の商品リスト200に記載されているバーコードである。
【0026】
ステップS3の処理として、処理端末20は、カメラ12による録画を開始する。すなわち、処理端末20は、カメラ12から送信されてくる映像データの記憶部(以下、端末側記憶部という。)21への保存を開始する。端末側記憶部21は、例えば、HDD等である。
【0027】
図5は、処理端末20のモニターに表示されるカメラ12による録画状態(カメラ12が撮影している映像)の一例を示す図である。
図5に示すように、カメラ12は、箱詰め作業する作業者300の手元が映るように設置されている。
【0028】
処理端末20は、
図5(A)に示すように、作業者300がバーコードリーダー11で商品リストに記載されているバーコードを読み取らせたタイミングでカメラ12による録画を開始し、
図5(B)に示すように、箱詰め作業中の映像を録画する。
【0029】
続くステップS4の処理として、処理端末20は、次のバーコードの入力があったか否かを判定する。処理端末20は、次のバーコードの入力がないと判定すると、ステップS5の処理に進む。一方、処理端末20は、次のバーコードの入力があったと判定すると、ステップS6の処理に進む。
【0030】
ステップS5の処理として、処理端末20は、ステップS3の処理で録画を開始してからステップS1の処理で設定された設定撮影時間が経過したか否かを判定する。処理端末20は、設定撮影時間が経過したと判定すると、ステップS6の処理に進む。一方、処理端末20は、設定撮影時間が経過していないと判定すると、ステップS4の処理から再び実行する。
【0031】
ステップS6の処理として、処理端末20は、カメラ12による録画を終了する。すなわち、処理端末20は、カメラ12から送信されてくる映像データの保存を終了する。
【0032】
ステップS7の処理として、処理端末20は、映像保存処理を実行する。処理端末20は、映像保存処理として、端末側記憶部21に保存された映像データのファイル名にステップS2で受信したバーコード情報(バーコード記号)を含める処理を行う。ここで、バーコード情報(バーコード記号)は、例えば、バーコードの上側又は下側に記載されている数字やアルファベット等からなる情報である。また、処理端末20は、映像データのファイル名と対応づけて、撮影時間、並びにステップS1で設定されたエンコード情報及び作業者情報を端末側記憶部21に保存する。ここで、撮影時間は、ステップS3の処理の録画開始時からステップS6の処理の録画終了時までの時間である。
【0033】
続くステップS8の処理として、処理端末20は、映像保存サーバ100へのデータ保存を行う。具体的には、処理端末20は、ステップS7で端末側記憶部21に保存した映像データ、撮影時間、エンコード情報、及び作業者情報を映像保存サーバ100に送信する。
【0034】
以上のようにして、処理端末20は、初期設定の後、バーコードリーダー11からバーコードが入力されると、カメラ12による録画を開始する。処理端末20は、バーコードリーダー11から次のバーコードが入力されるか、又は録画開始から設定撮影時間が経過するまで、カメラ12による録画を継続する。そして、処理端末20は、バーコードリーダー11から次のバーコードが入力されるか、又は録画開始から設定撮影時間が経過すると、カメラ12による録画を終了する。その後、処理端末20は、映像保存処理を実行し、映像保存サーバ100へのデータ保存を行う。
【0035】
図6は、映像保存サーバ100の構成例を示すブロック図である。
【0036】
図6に示すように、映像保存サーバ100は、通信部101、記憶部(以下、サーバ側記憶部という。)110、及び処理部120を有している。ここで、通信部101は、通信手段NWを介して、映像撮影システム10、及び映像再生端末30等の他の装置との間で通信を行う。サーバ側記憶部110は、HDD等であって、各種データや各種プログラムが記憶されている。処理部120は、映像保存サーバ100における各種処理を実行する。処理部120は、例えば、マイクロコンピュータ及びその周辺回路を備え、例えば、CPU、ROM、RAM等によって構成されている。CPUは、ROMに格納されているプログラムに従って各種処理を実行する。処理部120は、必要に応じて、サーバ側記憶部110に記憶されている各種データや各種プログラム111に従って各種処理を実行する。
【0037】
図7は、映像保存サーバ100の処理部120の構成例を示すブロック図である。
【0038】
図7に示すように、処理部120は、各種処理を実行する処理機能として、映像データ保存処理部121、管理者用再生処理部122、作業者用再生処理部123を有している。
【0039】
映像データ保存処理部121は、映像データ保存処理として、処理端末20から送信されてきた映像データをサーバ側記憶部110に保存するとともに、その映像データのファイル名と、撮影時間、エンコード情報及び作業者情報とを対応付けてサーバ側記憶部110内のデータベース112に記憶する。管理者用再生処理部122は、管理者用再生処理として、映像再生端末30において管理者が映像データを再生する際の処理を実行する。作業者用再生処理部123は、作業者用再生処理として、映像再生端末30において作業者が映像データを再生する際の処理を実行する。
【0040】
映像再生端末30は、パーソナルコンピュータ等である。映像再生端末30のユーザは、映像保存サーバ100にアクセスして、映像保存サーバ100に保存されている映像データを再生する。このとき、ユーザは、映像データのファイル名を基に再生したい映像データを検索し再生する。
【0041】
(動作、作用等)
次に、本実施形態における映像保存システム1の動作、作用等を説明する。
【0042】
図8は、映像保存システム1を利用するユーザの一例を示す図である。
図9は、映像保存システム1の利用例を示す図である。
図8、
図9に示すように、EC(Electronic Commerce)の荷主は、商品を販売する業者であり、映像再生端末30を操作する。また、倉庫事業者は、EC荷主の在庫商品を倉庫内で管理している業者である。倉庫事業者は、EC荷主から商品の発送指示があると、EC荷主から送付されてきた商品リストを基に倉庫で保管している商品を箱詰めして、箱詰めした商品を購入者に発送する。
図9に示すように、倉庫事業者は、その箱詰め作業において、映像撮影システム10を操作する。また、本例では、倉庫事業者で箱詰め作業する作業者も、映像再生端末30を操作できるようになっている。
【0043】
具体的には、倉庫事業者側の作業者は、映像撮影システム10において、EC荷主から送付されてきた商品リストに記載されているバーコードをバーコードリーダー11で読み取る。これにより、処理端末20は、バーコードリーダー11からバーコードが入力されると、カメラ12による録画を開始する。カメラ12は、倉庫事業者の作業者による商品の箱詰め作業を撮影できるように設置されている。作業者は、バーコードをバーコードリーダー11で読み取らせた後、商品リストに記載されている商品の箱詰めを開始するが、その箱詰め作業がカメラ12で撮影されて、その映像データが端末側記憶部21に保存されていく。そして、処理端末20は、録画開始から設定撮影時間が経過するか、その設定撮影時間が経過する前に作業者が次の商品リストのバーコードをバーコードリーダー11で読み取らせると、カメラ12による録画を終了する。それから、処理端末20は、映像保存処理を実行する。すなわち、処理端末20は、端末側記憶部21に保存された映像データのファイル名にバーコード情報を含める処理を行う。また、処理端末20は、映像データのファイル名と対応づけて、撮影時間、エンコード情報及び作業者情報を端末側記憶部21に保存する。そして、処理端末20は、録画した映像データ等を映像保存サーバ100に送信する。
【0044】
ここで、処理端末20は、設定撮影時間が経過する前に次の商品リストのバーコードをバーコードリーダー11で読み取ったことでカメラ12による録画を終了した場合、当該ユニークコードの直前に読み取っているバーコード情報を、端末側記憶部21に保存した映像データのファイル名に含める。また、処理端末20は、映像データのファイル名に対応ける撮影時間を、録画開始時から、設定撮影時間が経過する前にバーコードリーダー11が次のバーコードが読み取った時までの時間にする。
【0045】
映像保存サーバ100の映像データ保存処理部121は、処理端末20から送信されてきた映像データをサーバ側記憶部110に保存し、ファイル名と、撮影時間、エンコード情報及び作業者情報とを対応付けてサーバ側記憶部110内のデータベース112に記憶する。
【0046】
その後、映像保存サーバ100は、EC荷主によって映像再生端末30で映像データの再生操作がされると、管理者用再生処理部122が管理者用再生処理を実行する。すなわち、管理者用再生処理部122は、映像再生端末30のモニターに管理者専用の画面表示をし、映像データによる映像再生を行う。これにより、EC荷主は、再生された映像を基に、倉庫事業者による商品の箱詰め作業がどのようになされたかを確認できる。
【0047】
図10は、EC荷主による映像再生の活用例を示す図である。
図10に示すように、EC荷主は、自社から遠隔で映像保存サーバ100にアクセスして映像を再生し、倉庫事業者による商品の箱詰め作業がどのようになされたかを確認できる。例えば、EC荷主のコールセンターの担当者は、商品の箱詰め作業の映像を確認しつつ、当該商品の購入者からの問い合わせ等に対応できる。
【0048】
また、映像保存サーバ100は、作業者によって映像再生端末30で映像データの再生操作がされると、作業者用再生処理部123が作業者用再生処理を実行する。すなわち、作業者用再生処理部123は、映像再生端末30のモニターに作業者専用の画面表示をし、映像データによる映像再生を行う。これにより、作業者は、再生された映像を基に、他の作業員による商品の箱詰め作業がどのようになされたかを確認できる。これにより、作業者は、他の作業員の商品の箱詰め作業を参考にして自己の作業内容の改善を図ることができる。
【0049】
図11は、映像再生端末30のモニターに表示される表示例を示す図である。
図11に示すように、映像再生端末30は、各作業者が箱詰めした数やその合計の箱詰め作業時間をモニターに表示する。例えば、映像保存サーバ100は、一定時間内にサーバ側記憶部110に記憶された映像データの数を箱詰めした数として算出する。そして、映像保存サーバ100は、各作業者毎に箱詰めした数と合計の箱詰め作業時間とを対応付けてデータベース112に記憶する。これにより、作業者等は、映像再生端末30から映像保存サーバ100にアクセスして、箱詰めした数、作業時間の情報を各作業者毎にモニターに表示させ、箱詰めした数や作業時間も確認することもできる。これにより、例えば、作業者等は、箱詰めした数や作業時間を基に、箱詰め作業の参考となる映像を選択しモニターで再生できる。
【0050】
(本実施形態における効果)
(1)映像保存システム1は、ユーザがユニークコードを基に保存した映像データのファイル名に当該ユニークコードの情報を自動的に含めることで、ユーザがそのユニークコードの情報を利用して映像データの検索し再生することを可能にする。これにより、ユニークコードの情報を知っているユーザは、簡易に映像データを検索し再生できる。
【0051】
(2)映像保存システム1は、映像データを得るための撮影時間として予め設定する時間として設定撮影時間を設定しつつも、効率よく次々と映像データを保存していくことを可能にする。
【0052】
(3)映像保存システム1は、ユニークコードに基づくユーザによる映像データの検索をより簡易に可能にする。
【0053】
(4)映像保存システム1は、映像データの撮影時間をユーザに提供できる。これにより、ユーザは、映像データを再生しつつも、当該撮影時間を簡易に知ることができる。
【0054】
なお、前述の実施形態では、バーコード200aは、例えば、ユニークコードを構成している。また、バーコードリーダー11は、例えば、読み取り手段を構成している。また、カメラ12は、例えば、撮影手段を構成している。また、処理端末20は、例えば、保存処理手段を構成している。また、映像再生端末30は、例えば、検索手段、出力手段を構成している。また、記憶部21は、例えば、第1保存手段を構成している。また、サーバ側記憶部110は、例えば、第1保存手段、第2保存手段、第3保存手段を構成している。
【0055】
(本実施形態の変形例等)
前記の実施形態の他の例として、ユニークコードは、バーコードに限定されず、QRコード(登録商標)等の他のユニークコードとされることもできる。この場合、例えば、QRコード(登録商標)は、当該QRコード(登録商標)の識別情報(例えば、数字やアルファベット等からなる記号)が付加されて商品リスト等に記載されている。
【0056】
また、前記の実施形態の他の例として、映像保存サーバ100は、自社サーバでも良く、社外サーバ(サービスとして提供されているオンラインストレージ、クラウドストレージ等)として構成されることもできる。この場合、処理端末20は、前記ステップS8の処理として、社外サーバである映像保存サーバにステップS7で端末側記憶部21に保存した映像データだけを送信する。この場合でも、ユーザは、映像再生端末30で社外サーバにアクセスして、ファイル名になっているバーコード情報を基に映像データを検索し再生できる。
【0057】
また、前記の実施形態の他の例として、映像保存システム1は、作業に限定されることなく、作業以外のものを撮影し、映像データとして保存することもできる。
【0058】
また、前記の実施形態の他の例として、映像保存サーバ100は、同一の記憶部に映像データと、データベース112とを記憶しておくこともでき、別々の記憶部に映像データと、データベース112とをそれぞれ記憶しておくこともできる。
【0059】
また、前記の実施形態の他の例として、映像保存システム1は、映像データを商品の購入者に提供することもできる。例えば、EC会社(EC荷主)は、商品の購入者への商品の発送状況のお知らせメールに映像データを添付する。又は、EC会社は、商品の発送状況のお知らせメールに映像データにリンクされるURLを記載する。これにより、商品の購入者は、映像再生端末30で映像保存サーバ100にアクセスして、映像データを再生できる。
【0060】
また、前記の実施形態では、映像保存システムは、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップを有し、前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にする映像保存方法を実現している。
【0061】
また、前記の実施形態では、保存処理手段が、ユニークコードを読み取る読み取り手段が前記ユニークコードを読み取ったときに撮影手段が撮影した映像データを予め設定された時間、第1保存手段に保存し、かつその保存した映像データのファイル名にユニークコードの情報を含ませる保存処理ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記ファイル名が含む前記ユニークコードの情報を基に保存した映像データを検索可能にしたコンピュータプログラムを実現している。
【0062】
また、本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0063】
1 映像保存システム、10 映像撮影システム、11 バーコードリーダー、12 カメラ、20 処理端末、30 映像再生端末、100 映像保存サーバ