(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074415
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】貨幣処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07D 13/00 20060101AFI20240524BHJP
G07D 11/235 20190101ALI20240524BHJP
G07D 11/23 20190101ALI20240524BHJP
【FI】
G07D13/00
G07D11/235
G07D11/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185531
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白崎 政実
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA12
3E141CA07
3E141DA06
3E141FH07
3E141FJ11
(57)【要約】
【課題】貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減させる。
【解決手段】プロセッサを、貨幣を収納する貨幣処理装置1の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部72として機能させ、オペレータ管理部72は、復旧の際に貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、貨幣処理装置1で発生した場合に、複数のオペレータのうち管理者権限R0を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可し、特定障害が貨幣処理装置1で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、複数のオペレータのうち担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可し、第1条件が充足されない場合に、担当者権限R1を有するオペレータが、特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴とする制御プログラムPG。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを、
貨幣を収納する貨幣処理装置の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部として機能させ、
前記オペレータ管理部は、
復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、
前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、
前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記第1条件が充足されない場合に、
前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記第1条件は、
前記特定操作を行うオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が第1の額以下という条件である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1条件は、
前記貨幣処理装置内に収納されている貨幣の合計額が第1の額以下という条件である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記オペレータ管理部は、
前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第2条件が充足された場合に、
前記複数のオペレータのうち第2種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記第2条件が充足されない場合に、
前記第2種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止し、
前記第2条件は、
前記特定操作を行うオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が、前記第1の額よりも小さい第2の額以下という条件である、
ことを特徴とする、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記複数のオペレータは、
前記第1種別のオペレータを複数含み、
前記オペレータ管理部は、
前記第1種別の複数のオペレータに対応する複数の上限額を示す上限額情報を参照可能であり、
前記第1条件は、
前記特定操作を行う一のオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が、
前記上限額情報の示す複数の上限額のうち、前記一のオペレータに対応する上限額以下という条件である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1条件は、
前記貨幣処理装置を操作する前記第1種別のオペレータの人数が第1の人数以上という条件である、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記オペレータ管理部は、
前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第2条件が充足された場合に、
前記複数のオペレータのうち第2種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記第2条件が充足されない場合に、
前記第2種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止し、
前記第2条件は、
前記貨幣処理装置を操作する前記第2種別のオペレータの人数が、前記第1の人数よりも多い第2の人数以上という条件である、
ことを特徴とする、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサを、
前記特定障害が発生したか否かを判定する判定部として機能させ、
前記オペレータ管理部は、
前記判定部における判定の結果が否定の場合に、
前記特定種別のオペレータ及び前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
貨幣を収納する貨幣処理装置であって、
前記貨幣処理装置の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部を備え、
前記オペレータ管理部は、
復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、
前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、
前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、
前記第1条件が充足されない場合に、
前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、
ことを特徴とする貨幣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売店やスーパーマーケット等の施設に設置され、当該施設内の紙幣及び硬貨等の貨幣を管理する貨幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨幣処理装置において障害が発生した場合、当該障害を復旧させるための障害復旧作業を実施する必要がある。障害復旧作業は、貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる操作(以下、「特定操作」と称する)を伴う場合がある。このため、従来の技術では、障害復旧作業の際に特定操作が必要となる障害(以下、「特定障害」と称する)が発生した場合には、貨幣処理装置のオペレータのうち、施設の管理者等、特定のオペレータに限り、特定操作を行うことを許可していた。しかし、従来の技術のように、特定操作が特定のオペレータに限定されている場合、施設に特定のオペレータが不在の際には、貨幣処理装置において生じた特定障害の復旧が困難となる。よって、従来の技術によれば、特定障害の発生に伴い、貨幣処理装置に対する入出金のような貨幣処理装置を用いた業務処理が困難となり、施設の運営に支障を来すという問題が生じる場合があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来の技術と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減させる技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明に係るプログラムは、プロセッサを、貨幣を収納する貨幣処理装置の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部として機能させ、前記オペレータ管理部は、復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第1条件が充足されない場合に、前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る貨幣処理装置は、貨幣を収納する貨幣処理装置であって、前記貨幣処理装置の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部を備え、前記オペレータ管理部は、復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第1条件が充足されない場合に、前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の技術と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る貨幣処理装置1の概要の一例を示す説明図である。
【
図2】制御装置6の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】紙幣処理装置2の構成の一例を示す断面図である。
【
図4】硬貨処理装置3の構成の一例を示す断面図である。
【
図5】貨幣管理情報DKのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】オペレータ管理情報DUのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】権限情報DRのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】障害情報DEのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】操作管理情報DMのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】収納庫管理情報DSのデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】制御装置6によるオペレータ登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】オペレータ登録画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【
図13】制御装置6による障害復旧処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】制御装置6による障害復旧処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】制御装置6による障害復旧処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】変形例4に係るオペレータ管理情報DUのデータ構成の一例を示す図である。
【
図17】変形例4に係るオペレータ登録画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0011】
<A.実施形態>
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
<1.貨幣処理装置の概要>
以下、
図1及び
図2を参照しつつ、貨幣処理装置1の概要について説明する。
【0013】
貨幣処理装置1は、紙幣及び硬貨を含む貨幣を管理する装置である。本実施形態では、貨幣処理装置1が、小売店またはスーパーマーケット等の商用施設、及び、金融機関の本店または支店等の金融施設等、貨幣を扱う可能性が施設(以下、「施設CF」と称する)に配置される場合を想定する。
【0014】
図1は、貨幣処理装置1の外観の一例を示す説明図である。
【0015】
図1に例示するように、貨幣処理装置1は、紙幣処理装置2と、硬貨処理装置3と、表示装置4と、入力装置5と、制御装置6と、を備える。なお、以下では、貨幣処理装置1の方向を説明する便宜上、座標系Σを導入する。
【0016】
座標系Σは、貨幣処理装置1の底面から上面に向かうZ1方向に延在するZ軸と、貨幣処理装置1の正面から背面に向かうY1方向に延在するY軸と、Z1方向及びY1方向に交差するX1方向に延在するX軸と、を有する、3軸の座標系である。なお、本実施形態では、X軸、Y軸、及び、Z軸が、互いに直交する場合を例示して説明するが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。X軸、Y軸、及び、Z軸は、互いに交差するものであればよい。また、以下では、X1方向の反対の方向をX2方向と称し、Y1方向の反対の方向をY2方向と称し、Z1方向の反対の方向をZ2方向と称する。
【0017】
紙幣処理装置2は、紙幣を管理するための装置である。具体的には、紙幣処理装置2は、紙幣を入金するための紙幣入金口21と、紙幣入金口21から入金された紙幣を収納するための複数の収納庫ST(
図3参照)と、紙幣処理装置2内の収納庫STに収納された紙幣を出金するための紙幣出金口22と、を備える。
【0018】
硬貨処理装置3は、硬貨を管理するための装置である。具体的には、硬貨処理装置3は、硬貨を入金させるための硬貨入金口31と、硬貨入金口31から入金された硬貨を収納するための複数の収納庫ST(
図4参照)と、硬貨処理装置3内の収納庫STに収納された硬貨を出金するための硬貨出金口32と、を備える。
【0019】
表示装置4は、各種情報を表示するためのハードウェアである。
入力装置5は、貨幣処理装置1のオペレータからの入力を受け付けるためのハードウェアである。
制御装置6は、貨幣処理装置1の各部を制御するためのハードウェアである。
【0020】
図2は、制御装置6の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に例示するように、制御装置6は、処理装置7と記憶装置8とを備える。
【0022】
処理装置7は、貨幣処理装置1の各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。ここで、プロセッサは、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。但し、プロセッサは、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。
【0023】
記憶装置8は、処理装置7が具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
【0024】
図2に例示するように、記憶装置8は、貨幣管理情報DKと、オペレータ管理情報DUと、権限情報DRと、障害情報DEと、操作管理情報DMと、収納庫管理情報DSと、貨幣処理装置1の各部を制御するための制御プログラムPGと、を記憶している。なお、記憶装置8が記憶する各種情報については後述する。
【0025】
図2に例示するように、処理装置7が具備するプロセッサは、記憶装置8に記憶された制御プログラムPGを実行し、当該制御プログラムPGに従って動作することで、貨幣管理部71、オペレータ管理部72、障害管理部73、表示制御部74、及び、入力受付部75として機能することが可能である。
【0026】
貨幣管理部71は、貨幣処理装置1内の貨幣を管理する。
オペレータ管理部72は、貨幣処理装置1の操作が可能な複数のオペレータを管理する。
障害管理部73(「判定部」の一例)は、貨幣処理装置1において生じる障害を管理する。
表示制御部74は、表示装置4を制御する。
入力受付部75は、貨幣処理装置1のオペレータによる入力装置5からの入力を受け付ける。
【0027】
<2.紙幣処理装置及び硬貨処理装置の構成>
以下、
図3及び
図4を参照しつつ、紙幣処理装置2及び硬貨処理装置3のハードウェア構成の概要について説明する。
【0028】
<2.1.紙幣処理装置の構成>
図3は、X1方向を法線方向とする平面により紙幣処理装置2を切断したときの、紙幣処理装置2の断面形状の概略の一例を示す図である。
【0029】
図3に例示するように、紙幣処理装置2は、上述のとおり、紙幣処理装置2に紙幣を入金するための紙幣入金口21と、紙幣処理装置2に収納されている紙幣を出金するための紙幣出金口22と、を備える。また、紙幣処理装置2は、筐体2Fと、筐体2Fの内部に設けられ、紙幣入金口21から入金された紙幣の種類を識別するための識別装置RGSと、筐体2Fの内部に設けられ、紙幣入金口21から入金された紙幣を収納するための4個の収納庫ST[1]~ST[4]と、を備える。
【0030】
本実施形態では、一例として、紙幣処理装置2に収納される紙幣が、一万円券、五千円券、二千円券、及び、千円券の、4種類の紙幣である場合を想定する。そして、本実施形態において、識別装置RGSは、紙幣入金口21から入金された紙幣が、一万円券、五千円券、二千円券、及び、千円券のうち、何れの種類の紙幣に該当するかを識別する。また、本実施形態では、一例として、収納庫ST[1]に一万円券が収納され、収納庫ST[2]に五千円券が収納され、収納庫ST[3]に二千円券が収納され、また、収納庫ST[4]に千円券が収納される場合を想定する。
なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。紙幣処理装置2は、3個以下の収納庫ST、または、5個以上の収納庫STを備えてもよい。紙幣処理装置2は、一万円券、五千円券、二千円券、及び、千円券以外の紙幣、例えば、五百円券等を収納可能であってもよい。
【0031】
図3に例示するように、紙幣処理装置2は、筐体2Fの内部において、搬送経路RS1と、搬送経路RS2と、搬送経路RSBと、搬送経路RSs1と、搬送経路RSs2と、搬送経路RSs3と、搬送経路RSs4と、を備える。
【0032】
搬送経路RS1は、搬送ローラ201及び搬送ローラ202を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RS2は、搬送ローラ211、搬送ローラ212、搬送ローラ213、及び、搬送ローラ214を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RSBは、搬送ローラ203、搬送ローラ204、及び、搬送ローラ202を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RSs1は、搬送ローラ211及び搬送ローラ221を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RSs2は、搬送ローラ212及び搬送ローラ222を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RSs3は、搬送ローラ213及び搬送ローラ223を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
搬送経路RSs4は、搬送ローラ214及び搬送ローラ224を含む複数の搬送ローラにより、紙幣を搬送するための経路である。
【0033】
図3に例示するように、紙幣処理装置2は、筐体2Fの内部において、紙幣振分装置FS1と、紙幣振分装置FS2と、紙幣振分装置FS3と、紙幣振分装置FS0と、を備える。
【0034】
紙幣振分装置FS1は、搬送経路RS2を搬送される紙幣が、識別装置RGSにより一万円券であると識別された紙幣である場合に、当該紙幣の搬送経路を、搬送経路RS2から搬送経路RSs1に振り分ける。
紙幣振分装置FS2は、搬送経路RS2を搬送される紙幣が、識別装置RGSにより五千円券であると識別された紙幣である場合に、当該紙幣の搬送経路を、搬送経路RS2から搬送経路RSs2に振り分ける。
紙幣振分装置FS3は、搬送経路RS2を搬送される紙幣が、識別装置RGSにより二千円券であると識別された紙幣である場合に、当該紙幣の搬送経路を、搬送経路RS2から搬送経路RSs3に振り分ける。
紙幣振分装置FS0は、搬送経路RS1を搬送される紙幣が、紙幣出金口22より出金すべき紙幣である場合に、当該紙幣の搬送経路を、搬送経路RS1から搬送経路RSBに振り分ける。
【0035】
紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金された紙幣を、搬送経路RS1に沿ってY1方向に搬送することで、当該紙幣を識別装置RGSへと供給する。
【0036】
紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金された紙幣であって、識別装置RGSにより一万円券であると識別された紙幣を、搬送経路RS2に沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RSs1に沿ってZ2方向に搬送することで、当該紙幣を収納庫ST[1]に収納する。
紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金された紙幣であって、識別装置RGSにより五千円券であると識別された紙幣を、搬送経路RS2に沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RSs2に沿ってZ2方向に搬送することで、当該紙幣を収納庫ST[2]に収納する。
紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金された紙幣であって、識別装置RGSにより二千円券であると識別された紙幣を、搬送経路RS2に沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RSs3に沿ってZ2方向に搬送することで、当該紙幣を収納庫ST[3]に収納する。
紙幣処理装置2は、紙幣入金口21から入金された紙幣であって、識別装置RGSにより千円券であると識別された紙幣を、搬送経路RS2に沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RSs4に沿ってZ2方向に搬送することで、当該紙幣を収納庫ST[4]に収納する。
【0037】
また、紙幣処理装置2は、収納庫ST[1]~ST[4]のうち何れかの収納庫STに収納されている紙幣であって、紙幣出金口22から出金する紙幣を、搬送経路RSs1~RSs4の何れかに沿ってZ1方向に搬送し、搬送経路RS2に沿ってY2方向に搬送し、搬送経路RS1に沿ってY2方向に搬送し、更に、搬送経路RSBに沿ってZ2方向及びY2方向に搬送することで、当該紙幣を紙幣出金口22から出金させる。
【0038】
図3に例示するように、紙幣処理装置2は、筐体2Fにおいて、貨幣処理装置1のオペレータが、筐体2Fの内部にアクセスすることを可能とするための、2個の装置内部アクセス扉TB[1]及びTB[2]を備える。
【0039】
装置内部アクセス扉TB[1]は、貨幣処理装置1のオペレータが、搬送ローラ201~204、搬送ローラ211~212、搬送ローラ221~222、識別装置RGS、及び、紙幣振分装置FS0~FS2に対してアクセスすることを可能とするための扉である。本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[1]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータは、上記の搬送ローラ201~204等にアクセス可能となると共に、収納庫ST[1]及び収納庫ST[2]に対してもアクセス可能となる。
【0040】
以下では、装置内部アクセス扉TB[1]が開放状態となった場合に、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる紙幣処理装置2の内部の領域を、アクセス可能領域AR[1]と称する。貨幣処理装置1のオペレータは、装置内部アクセス扉TB[1]を開放状態とすることで、紙幣処理装置2のうち、アクセス可能領域AR[1]において生じた障害を復旧する作業を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[1]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータが、アクセス可能領域AR[1]内の収納庫ST[1]に収納された一万円券、及び、アクセス可能領域AR[1]内の収納庫ST[2]に収納された五千円券に対してアクセス可能となる場合を想定する。
【0041】
装置内部アクセス扉TB[2]は、貨幣処理装置1のオペレータが、搬送ローラ213~214、搬送ローラ223~224、及び、紙幣振分装置FS3に対してアクセスすることを可能とするための扉である。本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[2]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータは、上記の搬送ローラ213~214等にアクセス可能となると共に、収納庫ST[3]及び収納庫ST[4]に対してもアクセス可能となる。
【0042】
以下では、装置内部アクセス扉TB[2]が開放状態となった場合に、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる紙幣処理装置2の内部の領域を、アクセス可能領域AR[2]と称する。貨幣処理装置1のオペレータは、装置内部アクセス扉TB[2]を開放状態とすることで、紙幣処理装置2のうち、アクセス可能領域AR[2]において生じた障害を復旧する作業を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[2]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータが、アクセス可能領域AR[2]内の収納庫ST[3]に収納された二千円券、及び、アクセス可能領域AR[2]内の収納庫ST[4]に収納された千円券に対してアクセス可能となる場合を想定する。
【0043】
<2.2.硬貨処理装置の構成>
図4は、X1方向を法線方向とする平面により硬貨処理装置3を切断したときの、硬貨処理装置3の断面形状の概略の一例を示す図である。
【0044】
図4に例示するように、硬貨処理装置3は、上述のとおり、硬貨処理装置3に硬貨を入金するための硬貨入金口31と、硬貨処理装置3に収納されている硬貨を出金するための硬貨出金口32と、を備える。また、硬貨処理装置3は、筐体3Fと、筐体3Fの内部に設けられ、硬貨入金口31から入金された硬貨の種類を識別するための識別装置RGKと、筐体3Fの内部に設けられ、硬貨入金口31から入金された硬貨を収納するための6個の収納庫ST[5]~ST[10]と、を備える。
【0045】
本実施形態では、一例として、硬貨処理装置3に収納される硬貨が、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨の、6種類の硬貨である場合を想定する。そして、本実施形態において、識別装置RGKは、硬貨入金口31から入金された硬貨が、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨のうち、何れの種類の硬貨に該当するかを識別する。また、本実施形態では、一例として、収納庫ST[5]に五百円硬貨が収納され、収納庫ST[6]に百円硬貨が収納され、収納庫ST[7]に五十円硬貨が収納され、収納庫ST[8]に十円硬貨が収納され、収納庫ST[9]に五円硬貨が収納され、また、収納庫ST[10]に一円硬貨が収納される場合を想定する。
なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。硬貨処理装置3は、5個以下の収納庫ST、または、7個以上の収納庫STを備えてもよい。硬貨処理装置3は、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨以外の硬貨を収納可能であってもよい。
【0046】
図4に例示するように、硬貨処理装置3は、筐体3Fの内部において、搬送経路RKと、搬送経路RKBと、搬送経路RKs5と、搬送経路RKs6と、搬送経路RKs7と、搬送経路RKs8と、搬送経路RKs9と、搬送経路RKs10と、硬貨搬送装置311と、硬貨搬送装置312と、硬貨搬送装置321と、硬貨搬送装置322と、を備える。
【0047】
搬送経路RKは、硬貨搬送装置311及び硬貨搬送装置312により、硬貨をY1方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKBは、硬貨搬送装置321及び硬貨搬送装置322により、硬貨をY2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs5は、搬送経路RKを搬送される五百円硬貨を収納庫ST[5]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs6は、搬送経路RKを搬送される百円硬貨を収納庫ST[6]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs7は、搬送経路RKを搬送される五十円硬貨を収納庫ST[7]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs8は、搬送経路RKを搬送される十円硬貨を収納庫ST[8]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs9は、搬送経路RKを搬送される五円硬貨を収納庫ST[9]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
搬送経路RKs10は、搬送経路RKを搬送される一円硬貨を収納庫ST[10]に向けてZ2方向に搬送するための経路である。
【0048】
図4に例示するように、硬貨処理装置3は、筐体3Fの内部において、硬貨振分装置FK5と、硬貨振分装置FK6と、硬貨振分装置FK7と、硬貨振分装置FK8と、硬貨振分装置FK9と、硬貨振分装置FK10と、を備える。
【0049】
硬貨振分装置FK5は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより五百円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs5に振り分ける。
硬貨振分装置FK6は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより百円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs6に振り分ける。
硬貨振分装置FK7は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより五十円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs7に振り分ける。
硬貨振分装置FK8は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより十円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs8に振り分ける。
硬貨振分装置FK9は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより五円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs9に振り分ける。
硬貨振分装置FK10は、搬送経路RKを搬送される硬貨が、識別装置RGKにより一円硬貨であると識別された硬貨である場合に、当該硬貨の搬送経路を、搬送経路RKから搬送経路RKs10に振り分ける。
【0050】
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより五百円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs5に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[5]に収納する。
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより百円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs6に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[6]に収納する。
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより五十円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs7に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[7]に収納する。
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより十円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs8に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[8]に収納する。
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより五円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs9に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[9]に収納する。
硬貨処理装置3は、硬貨入金口31から入金された硬貨であって、識別装置RGKにより一円硬貨であると識別された硬貨を、搬送経路RKに沿ってY1方向に搬送し、更に、搬送経路RKs10に沿ってZ2方向に搬送することで、当該硬貨を収納庫ST[10]に収納する。
【0051】
また、硬貨処理装置3は、収納庫ST[5]~ST[10]のうち何れかの収納庫STに収納されている硬貨であって、硬貨出金口32から出金する硬貨を、搬送経路RKBに沿ってY2方向に搬送することで、当該硬貨を硬貨出金口32から出金させる。
【0052】
図4に例示するように、硬貨処理装置3は、筐体3Fにおいて、貨幣処理装置1のオペレータが、筐体3Fの内部にアクセスすることを可能とするための、2個の装置内部アクセス扉TB[3]及びTB[4]を備える。
【0053】
装置内部アクセス扉TB[3]は、貨幣処理装置1のオペレータが、硬貨搬送装置311、硬貨搬送装置321、識別装置RGK、及び、硬貨振分装置FK5~FK7に対してアクセスすることを可能とするための扉である。本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[3]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータは、上記の硬貨搬送装置311等にアクセス可能となると共に、収納庫ST[5]、収納庫ST[6]、及び、収納庫ST[7]に対してもアクセス可能となる。
【0054】
以下では、装置内部アクセス扉TB[3]が開放状態となった場合に、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる硬貨処理装置3の内部の領域を、アクセス可能領域AR[3]と称する。貨幣処理装置1のオペレータは、装置内部アクセス扉TB[3]を開放状態とすることで、硬貨処理装置3のうち、アクセス可能領域AR[3]において生じた障害を復旧する作業を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[3]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータが、アクセス可能領域AR[3]内の収納庫ST[5]に収納された五百円硬貨、アクセス可能領域AR[3]内の収納庫ST[6]に収納された百円硬貨、及び、アクセス可能領域AR[3]内の収納庫ST[7]に収納された五十円硬貨に対してアクセス可能となる場合を想定する。
【0055】
装置内部アクセス扉TB[4]は、貨幣処理装置1のオペレータが、硬貨搬送装置312、硬貨搬送装置322、及び、硬貨振分装置FK8~FK10に対してアクセスすることを可能とするための扉である。本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[4]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータは、上記の硬貨搬送装置312等にアクセス可能となると共に、収納庫ST[8]、収納庫ST[9]、及び、収納庫ST[10]に対してもアクセス可能となる。
【0056】
以下では、装置内部アクセス扉TB[4]が開放状態となった場合に、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる硬貨処理装置3の内部の領域を、アクセス可能領域AR[4]と称する。貨幣処理装置1のオペレータは、装置内部アクセス扉TB[4]を開放状態とすることで、硬貨処理装置3のうち、アクセス可能領域AR[4]において生じた障害を復旧する作業を行うことが可能となる。なお、本実施形態では、装置内部アクセス扉TB[4]が開放状態となった場合、貨幣処理装置1のオペレータが、アクセス可能領域AR[4]内の収納庫ST[8]に収納された十円硬貨、アクセス可能領域AR[4]内の収納庫ST[9]に収納された五円硬貨、及び、アクセス可能領域AR[4]内の収納庫ST[10]に収納された一円硬貨に対してアクセス可能となる場合を想定する。
【0057】
なお、以下では、貨幣処理装置1に設けられた10個の収納庫ST[1]~ST[10]のうち、s番目の収納庫STを、収納庫ST[s]と称する場合がある。ここで、変数sは、1≦s≦Sを満たす自然数である。本実施形態において、自然数Sは、「S=10」である。
【0058】
また、以下では、貨幣処理装置1に設けられた4個の装置内部アクセス扉TB[1]~TB[4]のうち、q番目の装置内部アクセス扉TBを、装置内部アクセス扉TB[q]と称する場合がある。ここで、変数qは、1≦q≦Qを満たす自然数である。本実施形態において、自然数Qは、「Q=4」である。
【0059】
また、以下では、装置内部アクセス扉TB[q]が開放状態となる場合に、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる紙幣処理装置2または硬貨処理装置3の内部の領域を、アクセス可能領域AR[q]と称する。
【0060】
なお、本実施形態では、後述する障害復旧処理の中で、装置内部アクセス扉TB[q]が開放状態となることについての許可がなされない限り、装置内部アクセス扉TB[q]は閉塞状態となっていることとする。つまり、本実施形態において、貨幣処理装置1のオペレータは、後述する障害復旧処理の中で、装置内部アクセス扉TB[q]が開放状態となることについての許可がなされない限り、紙幣処理装置2及び硬貨処理装置3の内部のアクセス可能領域AR[q]に対してアクセスすることが禁止される。
【0061】
<3.貨幣処理装置が管理する情報>
以下、
図5乃至
図10を参照しつつ、貨幣処理装置1が管理する各種情報について説明する。
【0062】
<3.1.貨幣管理情報DK>
図5は、貨幣管理情報DKのデータ構成の一例を示す図である。
【0063】
図5に例示するように、貨幣管理情報DKは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種(例えば、一万円券、五千円券、二千円券、千円券、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨)と1対1に対応する複数のレコードを有する。貨幣管理情報DKの各レコードは、例えば、金種IDと、金種別管理情報DKKと、を有する。
【0064】
金種IDは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種の中から、各金種を一意に識別するための識別情報である。
【0065】
金種別管理情報DKKは、例えば、金種名称情報と、金種別数量情報DKRと、金種別在高情報DKVと、を含む情報である。
【0066】
金種名称情報は、金種IDに対応する金種の名称を示す情報である。
金種別数量情報DKRは、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の数量のうち、金種IDに対応する貨幣の数量を示す情報である。
金種別在高情報DKVは、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の金額の合計値のうち、金種IDに対応する種類の貨幣の金額の合計値を示す情報である。
【0067】
<3.2.オペレータ管理情報DU>
図6は、オペレータ管理情報DUのデータ構成の一例を示す図である。
【0068】
図6に例示するように、オペレータ管理情報DUは、貨幣処理装置1を操作可能な複数のオペレータと1対1に対応する複数のレコードを有する。オペレータ管理情報DUの各レコードは、例えば、オペレータIDと、オペレータ個別管理情報DUUと、を有する。
【0069】
オペレータIDは、貨幣処理装置1を操作可能な複数のオペレータの中から、各オペレータを一意に識別するための識別情報である。
【0070】
オペレータ個別管理情報DUUは、例えば、オペレータ名称情報と、権限設定情報DURと、オペレータ認証情報DUAと、を含む情報である。
【0071】
オペレータ名称情報は、オペレータIDに対応するオペレータの名称を示す情報である。
オペレータ認証情報DUAは、オペレータが貨幣処理装置1にログインする際に、オペレータの本人認証をするための情報である。例えば、オペレータ認証情報DUAは、オペレータが定めたパスワードであってもよいし、または、オペレータの生体情報であってもよい。
【0072】
権限設定情報DURは、オペレータIDに対応するオペレータに対して設定された権限IDを示す情報である。ここで、権限IDは、貨幣処理装置1を操作可能な複数のオペレータが割り当てられる複数種類の権限の中から、各種類の権限を一意に識別するための識別情報である。
【0073】
本実施形態では、一例として、貨幣処理装置1を操作可能な複数のオペレータに対して、管理者権限R0、担当者権限R1、及び、補助者権限R2の3種類の権限のうち、何れか1種類の権限が割り当てられる場合を想定する。
【0074】
管理者権限R0は、3種類の権限の中で最も強い権限であり、例えば、施設CFの管理者等に割り当てられる権限である。管理者権限R0を有するオペレータは、「特定種別のオペレータ」の一例である。
担当者権限R1は、3種類の権限の中で、管理者権限R0の次に強い権限であり、例えば、施設CFの担当者等に割り当てられる権限である。担当者権限R1を有するオペレータは、「第1種別のオペレータ」の一例である。
補助者権限R2は、3種類の権限の中で、最も弱い権限であり、例えば、施設CFに勤務するパートタイマ等に割り当てられる権限である。補助者権限R2を有するオペレータは、「第2種別のオペレータ」の一例である。
【0075】
<3.3.権限情報DR>
図7は、権限情報DRのデータ構成の一例を示す図である。
【0076】
図7に例示するように、権限情報DRは、貨幣処理装置1を操作するオペレータに割り当て可能な複数種類の権限と1対1に対応する複数のレコードを有する。権限情報DRの各レコードは、例えば、上述した権限IDと、個別権限情報DRRと、を有する。なお、上述のとおり、本実施形態では、貨幣処理装置1のオペレータに対して、管理者権限R0、担当者権限R1、及び、補助者権限R2の3種類の権限のうち、何れか1種類の権限が割り当てられる態様を想定する。このため、本実施形態では、権限情報DRが、当該3種類の権限に対応する3個のレコードを有する場合を想定する。
【0077】
個別権限情報DRRは、例えば、アクセス可能金額情報DRKと、アクセス可能人数情報DRNと、を含む情報である。
【0078】
アクセス可能金額情報DRKは、貨幣処理装置1(紙幣処理装置2または硬貨処理装置3)の内部に収納されている貨幣のうち、権限IDに対応するオペレータがアクセスすることを許容される金額の上限値を示す情報である。本実施形態において、装置内部アクセス扉TB[q]が開放状態となった場合に、アクセス可能領域AR[q]に位置する1または複数の収納庫ST[s]に収納される貨幣の合計値が、アクセス可能金額情報DRKの示す金額以下の場合に限り、権限IDに対応するオペレータが、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、装置内部アクセス扉TB[q]からアクセス可能領域AR[q]にアクセスすることを許容される。
【0079】
具体的には、本実施形態において、権限IDが管理者権限R0に対応する場合、アクセス可能金額情報DRKの示す金額は、金額α0に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、管理者権限R0を有するオペレータは、アクセス可能領域AR[q]に位置する1または複数の収納庫ST[s]に収納されている貨幣の合計額が、金額α0以下の場合に限り、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。
なお、
図7に示す例では、金額α0が「999,999,999円」である場合を例示しているが、金額α0は「貨幣処理装置1が収容可能な貨幣の最大額」であってもよい。本実施形態、簡単のため、金額α0が「貨幣処理装置1が収容可能な貨幣の最大額」であることとして説明する。すなわち、本実施形態では、一例として、管理者権限R0を有するオペレータが、アクセス可能領域AR[q]に位置する1または複数の収納庫ST[s]に収納されている貨幣の合計額の多寡に関わらず、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される場合を想定する。
【0080】
また、本実施形態において、権限IDが担当者権限R1に対応する場合、アクセス可能金額情報DRKの示す金額は、金額α1(「第1の額」の一例)に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、担当者権限R1を有するオペレータは、アクセス可能領域AR[q]に位置する1または複数の収納庫ST[s]に収納されている貨幣の合計額が、金額α1以下の場合に限り、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。ここで、金額α1は、金額α0よりも少ない金額である。
図7に示す例では、金額α1が「500,000円」である場合を例示している。なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。例えば、金額α1は、金額α0以下の金額であってもよい。
【0081】
また、本実施形態において、権限IDが補助者権限R2に対応する場合、アクセス可能金額情報DRKの示す金額は、金額α2(「第2の額」の一例)に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、補助者権限R2を有するオペレータは、アクセス可能領域AR[q]に位置する1または複数の収納庫ST[s]に収納されている貨幣の合計額が、金額α2以下の場合に限り、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。ここで、金額α2は、金額α1よりも少ない金額である。
図7に示す例では、金額α2が「200,000円」である場合を例示している。なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。例えば、金額α2は、金額α1以下の金額であってもよい。
【0082】
アクセス可能人数情報DRNは、貨幣処理装置1(紙幣処理装置2または硬貨処理装置3)の内部にアクセスする場合に必要となる、権限IDに対応するオペレータの同時ログイン人数を示す情報である。本実施形態において、アクセス可能人数情報DRNの示す人数以上のオペレータが貨幣処理装置1に同時にログインしている場合に限り、権限IDに対応するオペレータが、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、装置内部アクセス扉TB[q]からアクセス可能領域AR[q]にアクセスすることを許容される。
【0083】
具体的には、本実施形態において、権限IDが管理者権限R0に対応する場合、アクセス可能人数情報DRNの示す人数は、人数β0に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、人数β0以上の管理者権限R0を有するオペレータが、貨幣処理装置1に同時にログインしている場合に限り、管理者権限R0を有するオペレータは、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。なお、
図7に示す例では、人数β0が「1人」である場合を例示している。すなわち、本実施形態では、一例として、管理者権限R0を有するオペレータが、貨幣処理装置1に単独でログインしている場合であっても、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される場合を想定する。
【0084】
また、本実施形態において、権限IDが担当者権限R1に対応する場合、アクセス可能人数情報DRNの示す人数は、人数β1(「第1の人数」の一例)に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、人数β1以上の担当者権限R1を有するオペレータが、貨幣処理装置1に同時にログインしている場合に限り、担当者権限R1を有するオペレータは、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。ここで、人数β1は、人数β0よりも多い人数である。
図7に示す例では、人数β1が「2人」である場合を例示している。なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。例えば、人数β1は、人数β0以上の人数であってもよい。
【0085】
また、本実施形態において、権限IDが補助者権限R2に対応する場合、アクセス可能人数情報DRNの示す人数は、人数β2(「第2の人数」の一例)に設定されていることとする。すなわち、本実施形態において、人数β2以上の補助者権限R2を有するオペレータが、貨幣処理装置1に同時にログインしている場合に限り、補助者権限R2を有するオペレータは、装置内部アクセス扉TB[q]を開放状態として、アクセス可能領域AR[q]にアクセスすることが許容される。ここで、人数β2は、人数β1よりも多い人数である。
図7に示す例では、人数β2が「3人」である場合を例示している。なお、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。例えば、人数β2は、人数β1以上の人数であってもよい。
【0086】
<3.4.障害情報DE>
図8は、障害情報DEのデータ構成の一例を示す図である。
【0087】
図8に例示するように、障害情報DEは、貨幣処理装置1において発生する可能性がある複数の種類の障害と1対1に対応する複数のレコードを有する。障害情報DEの各レコードは、例えば、障害IDと、個別障害情報DEEと、を有する。
【0088】
障害IDは、貨幣処理装置1において発生する可能性がある複数の種類の障害の中から、各種類の障害を一意に識別するための識別情報である。
【0089】
個別障害情報DEEは、例えば、障害分類情報DEBと、障害復旧操作情報DEMと、を含む情報である。
【0090】
障害分類情報DEBは、例えば、障害発生場所情報DEB1と、障害重要度情報DEB2と、を含む情報である。
【0091】
障害発生場所情報DEB1は、障害IDに対応する障害の発生場所を示す情報である。具体的には、障害発生場所情報DEB1は、例えば、障害IDに対応する障害が、貨幣処理装置1が具備する複数の装置(紙幣処理装置2、硬貨処理装置3、表示装置4、入力装置5、及び、制御装置6)のうち、何れの装置において発生した障害であるかを示す情報を含んでもよい。また、障害発生場所情報DEB1は、例えば、障害IDに対応する障害が、紙幣処理装置2または硬貨処理装置3において発生した障害である場合に、当該障害が、アクセス可能領域AR[1]~AR[Q]のうち、何れのアクセス可能領域AR[q]において発生した障害であるかを示す情報を含んでもよい。
【0092】
障害重要度情報DEB2は、障害IDに対応する障害の重要度を示す情報である。具体的には、障害重要度情報DEB2は、障害IDに対応する障害が発生した場合に、貨幣処理装置1の稼働を継続できるか否かを示す情報であってもよい。
【0093】
障害復旧操作情報DEMは、障害IDに対応する障害が発生した場合に、当該障害を復旧させるための障害復旧作業を構成する1または複数の操作と1対1に対応する1または複数の操作IDを示す情報である。ここで、操作IDは、貨幣処理装置1に対してオペレータが行うことのできる複数の操作の中から、各操作を一意に識別するための識別情報である。なお、以下では、障害復旧作業を構成する1または複数の操作の各々を、「復旧操作」と称する場合がある。
【0094】
<3.5.操作管理情報DM>
図9は、操作管理情報DMのデータ構成の一例を示す図である。
【0095】
図9に例示するように、操作管理情報DMは、貨幣処理装置1に対してオペレータが行うことのできる複数種類の復旧操作と1対1に対応する複数のレコードを有する。操作管理情報DMの各レコードは、例えば、上述した操作IDと、個別操作情報DMMと、を有する。
【0096】
個別操作情報DMMは、例えば、操作対象部品情報DMBと、操作内容情報DMNと、操作時アクセス可能領域情報DMAと、を含む情報である。
【0097】
操作対象部品情報DMBは、操作IDに対応する復旧操作の対象となる貨幣処理装置1の部品に対応する部品IDを示す情報である。ここで、部品IDは、貨幣処理装置1を構成する複数の部品の中から、各部品を一意に識別するための識別情報である。
【0098】
操作内容情報DMNは、操作IDに対応する復旧操作において、操作IDに対応する部品IDの示す部品に対して施すべき操作の内容を示す情報である。例えば、部品IDの示す部品が、装置内部アクセス扉TB[q]である場合には、操作内容情報DMNは、当該装置内部アクセス扉TB[q]を「開ける」または「閉じる」等、当該装置内部アクセス扉TB[q]に対して貨幣処理装置1のオペレータが施すべき操作の内容を示す情報であってもよい。また、例えば、部品IDの示す部品が、貨幣処理装置1に設けられたネジである場合には、操作内容情報DMNは、当該ネジを「緩める」または「締める」等、当該ネジに対して貨幣処理装置1のオペレータが施すべき操作の内容を示す情報であってもよい。
【0099】
操作時アクセス可能領域情報DMAは、操作IDに対応する復旧操作を貨幣処理装置1のオペレータが行うことによって、当該オペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]を示す情報である。例えば、操作IDに対応する操作対象部品情報DMB及び操作内容情報DMNが、「装置内部アクセス扉TB[1]を開ける」という操作を示す場合、操作時アクセス可能領域情報DMAは、アクセス可能領域AR[1]を示すことになる。また、例えば、操作IDに対応する操作対象部品情報DMB及び操作内容情報DMNが、「装置内部アクセス扉TB[2]を開ける」という操作を示す場合、操作時アクセス可能領域情報DMAは、アクセス可能領域AR[2]を示すことになる。
【0100】
なお、操作IDに対応する復旧操作を貨幣処理装置1のオペレータが行うことによって、当該オペレータがアクセス可能となる領域にアクセス可能領域AR[1]~AR[Q]が含まれない場合、操作時アクセス可能領域情報DMAは「Null」を示すこととする。また、本実施形態では、上述のとおり、収納庫ST[1]~ST[S]が、アクセス可能領域AR[1]~AR[Q]に配置されている場合を想定する。よって、本実施形態では、操作IDに対応する操作時アクセス可能領域情報DMAが「Null」を示す場合、操作IDに対応する復旧操作を貨幣処理装置1のオペレータが行うことによっても、貨幣処理装置1のオペレータは、貨幣処理装置1に収納された貨幣にアクセスできない。
【0101】
以下では、復旧操作のうち、復旧操作を行うことによってアクセス可能領域AR[1]~AR[Q]のうち何れかにアクセス可能となる復旧操作を、「特定操作」と称する場合がある。すなわち、特定操作は、貨幣処理装置1のオペレータが特定操作を行う場合に、当該オペレータが貨幣処理装置1に収納された貨幣にアクセス可能となる操作である。
【0102】
また、以下では、貨幣処理装置1において発生する可能性がある障害のうち、当該障害を復旧させる際に特定操作を含む障害復旧作業が必要となる障害を、「特定障害」と称する場合がある。すなわち、特定障害は、当該特定障害を復旧させる障害復旧作業を貨幣処理装置1のオペレータが行う場合に、当該オペレータが貨幣処理装置1に収納された貨幣にアクセス可能となる障害である。
【0103】
<3.6.収納庫管理情報DS>
図10は、収納庫管理情報DSのデータ構成の一例を示す図である。
【0104】
図10に例示するように、収納庫管理情報DSは、貨幣処理装置1に設けられたS個の収納庫ST[1]~ST[S]と1対1に対応するS個のレコードを有する。収納庫管理情報DSの各レコードは、例えば、収納庫IDと、個別収納庫情報DSSと、を有する。
【0105】
収納庫IDは、貨幣処理装置1に設けられたS個の収納庫ST[1]~ST[S]の中から、各収納庫ST[s]を一意に識別するための識別情報である。
【0106】
個別収納庫情報DSSは、例えば、収納庫位置情報DSAと、格納金種情報DSKと、格納数量情報DSRと、格納在高情報DSVと、を含む情報である。
【0107】
収納庫位置情報DSAは、収納庫IDに対応する収納庫STが位置するアクセス可能領域ARを示す情報である。本実施形態において、収納庫IDに対応する収納庫STが、収納庫ST[1]または収納庫ST[2]である場合、収納庫位置情報DSAは、アクセス可能領域AR[1]を示し、収納庫IDに対応する収納庫STが、収納庫ST[3]または収納庫ST[4]である場合、収納庫位置情報DSAは、アクセス可能領域AR[2]を示し、収納庫IDに対応する収納庫STが、収納庫ST[5]、収納庫ST[6]、または、収納庫ST[7]である場合、収納庫位置情報DSAは、アクセス可能領域AR[3]を示し、収納庫IDに対応する収納庫STが、収納庫ST[8]、収納庫ST[9]、または、収納庫ST[10]である場合、収納庫位置情報DSAは、アクセス可能領域AR[4]を示す。
【0108】
格納金種情報DSKは、収納庫IDに対応する収納庫STに収納される貨幣の金種に対応する金種IDを示す情報である。
格納数量情報DSRは、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の数量のうち、収納庫IDに対応する収納庫STに収納されている貨幣の数量を示す情報である。
格納在高情報DSVは、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の金額の合計値のうち、収納庫IDに対応する収納庫STに収納されている貨幣の金額の合計値を示す情報である。
【0109】
<4.貨幣処理装置の動作>
本実施形態に係る貨幣処理装置1は、オペレータ登録処理及び障害復旧処理を含む多様な処理を実行することができる。以下、
図11乃至
図15を参照しつつ、貨幣処理装置1が各種処理を行う場合の動作について説明する。
【0110】
<4.1.オペレータ登録処理>
図11は、貨幣処理装置1がオペレータ登録処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0111】
ここで、オペレータ登録処理は、貨幣処理装置1に対して、貨幣処理装置1のオペレータを新たに登録する処理である。具体的には、オペレータ登録処理は、貨幣処理装置1に対して登録済みのオペレータであって、貨幣処理装置1に対してログインしているオペレータが、表示装置4に表示される画面を参照しつつ、入力装置5を操作することで、貨幣処理装置1に対する登録がなされていない他のオペレータを、貨幣処理装置1に対して登録する処理である。なお、本実施形態では、貨幣処理装置1のオペレータが、入力装置5から、オペレータ登録処理を開始する旨の指示を入力した場合に、オペレータ登録処理が開始される。
【0112】
図11に例示するように、オペレータ登録処理が開始されると、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、オペレータ登録画面G1を表示させる(S101)。
【0113】
図12は、オペレータ登録画面G1の一例を示す説明図である。ここで、オペレータ登録画面G1は、貨幣処理装置1に対して、貨幣処理装置1のオペレータを新たに登録するための画面である。
【0114】
図12に例示するように、オペレータ登録画面G1は、オペレータ名称登録領域A11と、オペレータ権限登録領域A12と、決定ボタンB1と、を有する。
【0115】
オペレータ名称登録領域A11は、貨幣処理装置1に登録するオペレータの名称を入力するための領域である。
オペレータ権限登録領域A12は、貨幣処理装置1に登録するオペレータの権限を入力するための領域である。
決定ボタンB1は、オペレータ名称登録領域A11に入力された内容、及び、オペレータ権限登録領域A12に入力された内容を、確定するためのボタンである。貨幣処理装置1のオペレータは、オペレータ名称登録領域A11及びオペレータ権限登録領域A12に対して、貨幣処理装置1に新たに登録するオペレータに関する情報を入力した上で、決定ボタンB1を押下することで、当該入力した情報を確定することができる。
【0116】
図11に例示するように、オペレータ登録処理において、オペレータ登録画面G1の決定ボタンB1が押下された場合、制御装置6の入力受付部75は、オペレータ登録画面G1から入力された情報を受け付け、当該情報を記憶装置8に記憶させる(S103)。
【0117】
次に、制御装置6のオペレータ管理部72は、新たにオペレータIDを払い出す(S105)。
【0118】
次に、制御装置6のオペレータ管理部72は、オペレータ管理情報DUを更新する(S107)。
具体的には、ステップS107において、オペレータ管理部72は、まず、オペレータ管理情報DUに新たなレコードを追加する。オペレータ管理部72は、次に、当該追加したレコードに対して、ステップS105で払い出したオペレータIDを記憶させ、当該追加したレコードのオペレータ名称情報に対して、ステップS103で受け付けたオペレータ登録画面G1のオペレータ名称登録領域A11から入力された情報を記憶させ、また、当該追加したレコードの権限設定情報DURに対して、ステップS103で受け付けたオペレータ登録画面G1のオペレータ権限登録領域A12から入力された情報を記憶させる。なお、オペレータ管理部72は、当該追加したレコードのオペレータ認証情報DUAに対して、貨幣処理装置1に新たに登録されるオペレータから受け付けたパスワードまたは生体情報等を登録してもよい。
【0119】
<4.2.障害復旧処理>
図13乃至
図15は、貨幣処理装置1が障害復旧処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0120】
ここで、障害復旧処理は、貨幣処理装置1において障害が発生した場合に、当該障害の復旧をするための処理である。障害復旧処理は、貨幣処理装置1において障害が発生した場合に開始される。
【0121】
図13に例示するように、制御装置6の障害管理部73は、貨幣処理装置1が具備する複数のセンサ(図示省略)による検出結果を取得する(S201)。なお、障害管理部73は、ステップS201において取得した検出結果に基づいて、貨幣処理装置1において障害が発生したことを把握する。
【0122】
次に、制御装置6の障害管理部73は、ステップS201において取得した、貨幣処理装置1が具備する複数のセンサによる検出結果に基づいて、貨幣処理装置1において発生した障害の内容を特定する(S203)。
具体的には、障害管理部73は、ステップS203において、貨幣処理装置1における障害の発生場所と、当該障害の内容と、を特定し、当該障害に対応する障害IDを特定する。
【0123】
次に、制御装置6の障害管理部73は、ステップS203における特定結果に基づいて、当該障害の復旧に必要な障害復旧作業を構成する1または複数の復旧操作を特定する(S205)。
具体的には、障害管理部73は、ステップS205において、障害情報DEを参照することで、ステップS203で特定した障害IDに対応する1または複数の操作IDを特定する。なお、以下では、説明の便宜上、ステップS205において、1つの復旧操作が特定される場合を例示して説明する。
【0124】
次に、制御装置6の障害管理部73は、ステップS205において特定された復旧操作を行うことで、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる貨幣処理装置1の領域を特定する(S207)。
具体的には、操作管理情報DMにおいて、ステップS205で特定した操作IDに対応する操作時アクセス可能領域情報DMAが、アクセス可能領域AR[q]を示す場合、障害管理部73は、ステップS207において、当該アクセス可能領域AR[q]を、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる貨幣処理装置1の領域として特定する。他方、操作管理情報DMにおいて、ステップS205で特定した操作IDに対応する操作時アクセス可能領域情報DMAが、「Null」を示す場合、障害管理部73は、ステップS207において、貨幣処理装置1のうちアクセス可能領域AR[1]~AR[Q]以外の領域を、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる貨幣処理装置1の領域として特定する。
【0125】
次に、制御装置6の障害管理部73は、ステップS207において特定した貨幣処理装置1の領域において、収納庫ST[1]~ST[S]のうち、何れかの収納庫STが存在するか否かを判定する(S209)。
具体的には、ステップS207において、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる貨幣処理装置1の領域として、アクセス可能領域AR[q]が特定された場合、障害管理部73は、ステップS209において、当該領域に収納庫STが存在する旨の判定を行う。他方、ステップS207において、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる貨幣処理装置1の領域として、アクセス可能領域AR[1]~AR[Q]以外の領域が特定された場合、障害管理部73は、ステップS209において、当該領域に収納庫STが存在しない旨の判定を行う。
【0126】
ステップS209における判定の結果が否定の場合、すなわち、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる領域に収納庫STが存在しない旨の判定がなされた場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを許可する(S211)。なお、ステップS211において行うことが許可される復旧操作は、特定操作以外の復旧操作である。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS211で許可された復旧操作のガイダンスを表示させて(S213)、障害復旧処理を終了させる。
【0127】
ステップS209における判定の結果が肯定の場合、すなわち、貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となる領域に収納庫STが存在する旨の判定がなされた場合、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、貨幣処理装置1のオペレータの貨幣処理装置1へのログインを促すガイダンスを表示させる(S215)。
【0128】
その後、貨幣処理装置1のオペレータが貨幣処理装置1にログインした場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、オペレータ管理情報DUを参照することで、当該貨幣処理装置1にログインしたオペレータが、管理者権限R0を有するか否かを判定する(S217)。
ステップS217における判定の結果が否定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は処理をステップS231に進める。
【0129】
ステップS217における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを許可する(S219)。なお、ステップS219において行うことが許可される復旧操作は、特定操作である。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS219で許可された復旧操作のガイダンスを表示させて(S221)、障害復旧処理を終了させる。
【0130】
図14に例示するように、ステップS217における判定の結果が否定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、オペレータ管理情報DUを参照することで、当該貨幣処理装置1にログインしたオペレータが、担当者権限R1を有するか否かを判定する(S231)。
ステップS231における判定の結果が否定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は処理をステップS251に進める。
【0131】
ステップS231における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額が、金額α1以下であるか否かを判定する(S233)。
具体的には、ステップS233において、オペレータ管理部72は、まず、収納庫管理情報DSを参照することで、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STを特定する。オペレータ管理部72は、次に、特定した1または複数の収納庫STに対応する1または複数の格納在高情報DSVに基づいて、当該1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額を特定する。オペレータ管理部72は、その後、特定した貨幣の合計額が、金額α1以下であるか否かを判定する。
【0132】
なお、本実施形態において、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額が、金額α1以下であるという条件は、「第1条件」の一例である。
【0133】
ステップS233における判定の結果が否定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを禁止する(S235)。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS205で特定された復旧操作が許可されない旨のガイダンスを表示させて(S237)、障害復旧処理を終了させる。
【0134】
ステップS233における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、貨幣処理装置1にログインしている担当者権限R1を有するオペレータの人数が人数β1以上であるか否かを判定する(S239)。
【0135】
なお、本実施形態において、貨幣処理装置1にログインしている担当者権限R1を有するオペレータの人数が人数β1以上であるという条件は、「第1条件」の他の例である。
【0136】
ステップS239における判定の結果が否定の場合、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、担当者権限R1以上の権限を有するオペレータの貨幣処理装置1へのログインを促す旨のガイダンスを表示させて(S241)、処理をステップS239に戻す。なお、制御装置6は、ステップS241において、例えば、所定時間以上、新たなオペレータのログインが確認されない場合には、障害復旧処理を終了させてもよい。
【0137】
ステップS239における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを許可する(S243)。なお、ステップS243において行うことが許可される復旧操作は、特定操作である。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS243で許可された復旧操作のガイダンスを表示させて(S245)、障害復旧処理を終了させる。
【0138】
図15に例示するように、ステップS231における判定の結果が否定の場合、すなわち、貨幣処理装置1にログインしたオペレータの権限が補助者権限R2である場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額が、金額α2以下であるか否かを判定する(S251)。
具体的には、ステップS251において、オペレータ管理部72は、まず、収納庫管理情報DSを参照することで、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STを特定する。オペレータ管理部72は、次に、特定した1または複数の収納庫STに対応する1または複数の格納在高情報DSVに基づいて、当該1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額を特定する。オペレータ管理部72は、その後、特定した貨幣の合計額が、金額α2以下であるか否かを判定する。
【0139】
なお、本実施形態において、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額が、金額α2以下であるという条件は、「第2条件」の一例である。
【0140】
ステップS251における判定の結果が否定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを禁止する(S253)。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS205で特定された復旧操作が許可されない旨のガイダンスを表示させて(S255)、障害復旧処理を終了させる。
【0141】
ステップS251における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、貨幣処理装置1にログインしているオペレータの人数が人数β2以上であるか否かを判定する(S257)。
【0142】
なお、本実施形態において、貨幣処理装置1にログインしているオペレータの人数が人数β2以上であるという条件は、「第2条件」の他の例である。
【0143】
ステップS257における判定の結果が否定の場合、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、オペレータの貨幣処理装置1へのログインを促す旨のガイダンスを表示させて(S259)、処理をステップS257に戻す。なお、制御装置6は、ステップS259において、例えば、所定時間以上、新たなオペレータのログインが確認されない場合には、障害復旧処理を終了させてもよい。
【0144】
ステップS257における判定の結果が肯定の場合、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS205で特定された復旧操作を行うことを許可する(S261)。なお、ステップS261において行うことが許可される復旧操作は、特定操作である。
次に、制御装置6の表示制御部74は、表示装置4に対して、ステップS261で許可された復旧操作のガイダンスを表示させて(S263)、障害復旧処理を終了させる。
【0145】
<5.実施形態の結び>
以上のように、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、特定障害が生じた場合に、管理者権限R0を有するオペレータに対して、アクセス可能領域AR[q]へのアクセスを伴う特定操作を許可するのみならず、担当者権限R1を有するオペレータ、及び、補助者権限R2を有するオペレータに対しても、アクセス可能領域AR[q]へのアクセスを伴う特定操作を許可する。よって、本実施形態によれば、管理者権限R0を有するオペレータが施設CFに不在の場合においても特定障害の復旧が可能となる。このため、本実施形態によれば、管理者権限R0を有するオペレータのみがアクセス可能領域AR[q]に対してアクセス可能な態様と比較して、特定障害の復旧が困難な状況が発生する可能性を低減できる。これにより、本実施形態によれば、管理者権限R0を有するオペレータのみがアクセス可能領域AR[q]に対してアクセス可能な態様と比較して、貨幣処理装置1の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減可能となる。
【0146】
また、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、特定操作に伴いアクセス可能となる貨幣処理装置1内の貨幣の合計額が、金額α1以下の場合に限り、担当者権限R1を有するオペレータに対して、貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作を行うことを許可し、また、特定操作に伴いアクセス可能となる貨幣処理装置1内の貨幣の合計額が、金額α1よりも小さい金額α2以下の場合に限り、補助者権限R2を有するオペレータに対して、貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作を行うことを許可する。このため、本実施形態によれば、管理者権限R0を有しないオペレータが、貨幣処理装置1内の多額の貨幣にアクセスすることを抑制することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、管理者権限R0を有しないオペレータが特定操作を行うことを可能とすることによる、貨幣処理装置1の障害復旧が困難な状況の発生可能性の低減と、管理者権限R0を有しないオペレータが多額の貨幣にアクセスすることを抑制することによる、セキュリティ上のリスクの低減との、両立を図ることが可能となる。
【0147】
また、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、担当者権限R1を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β1以上の場合に限り、担当者権限R1を有するオペレータに対して、貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作を行うことを許可し、また、補助者権限R2を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β2以上の場合に限り、補助者権限R2を有するオペレータに対して、貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作を行うことを許可する。このため、本実施形態によれば、管理者権限R0を有しないオペレータが、貨幣処理装置1内の多額の貨幣にアクセスすることによる不正行為の発生の可能性を低減することが可能となる。また、本実施形態によれば、管理者権限R0を有しないオペレータが、貨幣処理装置1内の多額の貨幣にアクセスする際における過失の発生の可能性を低減することが可能となる。これにより、本実施形態によれば、管理者権限R0を有しないオペレータが特定操作を行うことを可能とすることによる、貨幣処理装置1の障害復旧が困難な状況の発生可能性の低減と、管理者権限R0を有しないオペレータが多額の貨幣にアクセスすることを抑制することによる、セキュリティ上のリスクの低減との、両立を図ることが可能となる。
【0148】
また、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、貨幣処理装置1において障害が発生した場合であって、当該障害が特定障害に該当する場合に限り、貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が行われることを許可する。このため、本実施形態によれば、貨幣処理装置1において障害が発生していない場合にも貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが許容される態様、及び、貨幣処理装置1において特定障害以外の障害が発生した場合にも貨幣処理装置1内の貨幣へのアクセスが許容される態様と比較して、貨幣処理装置1のオペレータが貨幣処理装置1内の貨幣にアクセスする場合における、不正行為や過失の発生の可能性を低減することができる。
【0149】
<B.変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0150】
<変形例1>
上述した実施形態において、オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α1以下である場合であって、且つ、担当者権限R1を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β1以上である場合に、担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可したが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α1以下である場合、または、担当者権限R1を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β1以上である場合に、担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
【0151】
例えば、オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α1以下である場合、担当者権限R1を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数に関わらず、担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
また、例えば、オペレータ管理部72は、担当者権限R1を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β1以上である場合に、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額に関わらず、担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
【0152】
また、上述した実施形態において、オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α2以下である場合であって、且つ、補助者権限R2を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β2以上である場合に、補助者権限R2を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可したが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α2以下である場合、または、補助者権限R2を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β2以上である場合に、補助者権限R2を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
【0153】
例えば、オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、金額α2以下である場合、補助者権限R2を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数に関わらず、補助者権限R2を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
また、例えば、オペレータ管理部72は、補助者権限R2を有するオペレータの貨幣処理装置1への同時ログイン人数が、人数β2以上である場合に、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額に関わらず、補助者権限R2を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
【0154】
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例1において、オペレータ管理部72は、特定操作に伴い貨幣処理装置1のオペレータがアクセス可能となるアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額に基づいて、特定操作を許可するか否かを判定したが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
オペレータ管理部72は、貨幣処理装置1が具備するS個の収納庫ST[1]~ST[S]に収納されている貨幣の合計額、すなわち、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の合計額に基づいて、特定操作を許可するか否かを判定してもよい。
【0155】
例えば、オペレータ管理部72は、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の合計額が金額α1以下の場合に、担当者権限R1を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
また、例えば、オペレータ管理部72は、貨幣処理装置1内に収納されている貨幣の合計額が金額α2以下の場合に、補助者権限R2を有するオペレータに対して、特定操作を行うことを許可してもよい。
【0156】
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、制御装置6は、金額α1、金額α2、人数β1、及び、人数β2の一部または全部を、オペレータが入力装置5を用いて入力する値に設定してもよい。
【0157】
例えば、制御装置6は、金額α1、金額α2、人数β1、及び、人数β2の一部または全部を、管理者権限R0を有するオペレータが入力装置5を用いて入力する値に設定してもよい。また、例えば、制御装置6は、金額α2及び人数β2の一方または両方を、担当者権限R1を有するオペレータが入力装置5を用いて入力する値に設定してもよい。
【0158】
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例1乃至3において、制御装置6は、担当者権限R1を有するオペレータが複数存在する場合に、担当者権限R1を有する各オペレータに対して特定操作を許可するか否かを判定するために用いる判定基準値(具体的には、金額α1及び人数β1の一方または両方)を、担当者権限R1を有する複数のオペレータに対して共通の基準値として設定し、また、補助者権限R2を有するオペレータが複数存在する場合に、補助者権限R2を有する各オペレータに対して特定操作を許可するか否かを判定するために用いる判定基準値(具体的には、金額α2及び人数β2の一方または両方)を、補助者権限R2を有する複数のオペレータに対して共通の基準値として設定したが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。
制御装置6は、担当者権限R1または補助者権限R2を有する各オペレータに対して特定操作を許可するか否かを判定するために用いる判定基準値を、オペレータ毎に個別に設定してもよい。
【0159】
図16は、本変形例に係るオペレータ管理情報DU(「上限額情報」の一例)のデータ構成の一例を示す図である。
【0160】
図16に例示するように、本変形例において、オペレータ管理情報DUは、貨幣処理装置1を操作可能な複数のオペレータと1対1に対応する複数のレコードを有する。オペレータ管理情報DUの各レコードは、例えば、上述したオペレータIDと、オペレータ個別管理情報DUUと、を有する。
【0161】
本変形例に係るオペレータ個別管理情報DUUは、例えば、上述したオペレータ名称情報、権限設定情報DUR、及び、オペレータ認証情報DUAに加えて、操作許容上限額情報DUKと、操作許容最低人数情報DUNと、を含む情報である。
【0162】
操作許容上限額情報DUKは、操作許容上限額を示す情報である。本変形例において、オペレータ管理部72は、オペレータIDに対応するオペレータが特定操作を行う場合において、当該オペレータがアクセス可能となる1または複数の収納庫STに収納されている貨幣の合計額が、オペレータIDに対応する操作許容上限額情報DUKの示す操作許容上限額以下であるときに、当該オペレータに対して特定操作を許可する。
【0163】
操作許容最低人数情報DUNは、操作許容最低人数を示す情報である。本変形例において、オペレータ管理部72は、オペレータIDに対応するオペレータが特定操作を行う場合において、当該オペレータが有する権限以上の権限を有するオペレータの同時ログイン人数が、オペレータIDに対応する操作許容最低人数情報DUNの示す操作許容最低人数以上であるときに、当該オペレータに対して特定操作を許可する。
【0164】
図17は、本変形例に係るオペレータ登録画面G1の一例を示す説明図である。
【0165】
図17に例示するように、オペレータ登録画面G1は、上述したオペレータ名称登録領域A11、オペレータ権限登録領域A12、及び、決定ボタンB1に加えて、操作許容上限額登録領域A13と、操作許容最低人数登録領域A14と、を有する。
【0166】
操作許容上限額登録領域A13は、貨幣処理装置1に登録するオペレータの操作許容上限額を入力するための領域である。
操作許容最低人数登録領域A14は、貨幣処理装置1に登録するオペレータの操作許容最低人数を入力するための領域である。
本変形例に係る決定ボタンB1は、オペレータ名称登録領域A11に入力された内容、オペレータ権限登録領域A12に入力された内容、操作許容上限額登録領域A13に入力された内容、及び、操作許容最低人数登録領域A14に入力された内容を、確定するためのボタンである。本変形例において、貨幣処理装置1のオペレータは、オペレータ名称登録領域A11、オペレータ権限登録領域A12、操作許容上限額登録領域A13、及び、操作許容最低人数登録領域A14に対して、貨幣処理装置1に新たに登録するオペレータに関する情報を入力した上で、決定ボタンB1を押下することで、当該入力した情報を確定することができる。
【0167】
本変形例に係る障害復旧処理において、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS233において、ステップS207で特定されたアクセス可能領域AR[q]に存在する1または複数の収納庫STに収納された貨幣の合計額が、ステップS217でログインしたオペレータに対応する操作許容上限額以下であるか否かを判定する。
また、本変形例に係る障害復旧処理において、制御装置6のオペレータ管理部72は、ステップS239において、貨幣処理装置1にログインしているオペレータと同等以上の権限を有するオペレータの人数が操作許容最低人数以上であるか否かを判定する。
なお、本変形例に係る障害復旧処理において、制御装置6は、ステップS231、及び、ステップS251~S263に係る処理は実行しなくてもよい。
【0168】
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例1乃至4において、制御装置6は、貨幣処理装置1のオペレータに対して、管理者権限R0、担当者権限R1、及び、補助者権限R2の、3種類の権限の中から、何れか1種類の権限を割り当てるが、本発明はこのような態様に限定されるものでは無い。制御装置6は、貨幣処理装置1のオペレータに対して、管理者権限R0及び担当者権限R1の、2種類の権限の中から、何れか1種類の権限を割り当てるものであってもよい。また、制御装置6は、貨幣処理装置1のオペレータに対して、管理者権限R0を含む4種類以上の権限の中から、何れか1種類の権限を割り当てるものであってもよい。
【0169】
<C.付記>
上述した実施形態乃至変形例の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0170】
<付記1>
以上のように、本発明の一態様に係るプログラム(例えば、制御プログラムPG)は、プロセッサ(例えば、処理装置7のプロセッサ)を、貨幣を収納する貨幣処理装置(例えば、貨幣処理装置1)の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部(例えば、オペレータ管理部72)として機能させ、前記オペレータ管理部は、復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータ(例えば、管理者権限R0を有するオペレータ)に対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータ(例えば、担当者権限R1を有するオペレータ)に対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第1条件が充足されない場合に、前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴とする。
【0171】
本態様において、貨幣処理装置は、特定種別のオペレータに対して特定操作を行うことを許可するのに加えて、第1条件が充足される場合には、第1種別のオペレータに対しても特定操作を行うことを許可する。このため、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータが不在の際に特定障害が発生した場合であっても、第1種別のオペレータが特定操作を行うことで、当該特定障害からの復旧が可能となる。すなわち、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータのみが特定操作を行うことが許容されている従来の態様と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減することが可能となる。
【0172】
なお、本発明の一態様に係るプログラムは、プロセッサを、貨幣処理装置内の貨幣を管理する貨幣管理部(例えば、貨幣管理部71)、及び、前記貨幣処理装置を操作する複数のオペレータを管理するオペレータ管理部、として機能させ、前記オペレータ管理部は、復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第1条件が充足されない場合に、前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴としてもよい。
【0173】
なお、上記態様において、「第1条件」は、例えば、貨幣処理装置の管理状態に関する条件であってもよい。具体的には、「第1条件」は、例えば、貨幣処理装置が管理する貨幣に関する条件であってもよいし、貨幣処理装置を操作するオペレータに関する条件であってもよい。より具体的には、「第1条件」は、例えば、貨幣処理装置が管理する貨幣に対するリスクに関する条件であってもよいし、貨幣処理装置を操作するオペレータに起因するリスクに関する条件であってもよい。
【0174】
<付記2>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記第1条件は、前記特定操作を行うオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が第1の額(例えば、金額α1)以下という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0175】
本態様によれば、第1種別のオペレータが特定操作を行う場合において、第1種別のオペレータが、第1の額よりも多くの貨幣にアクセス可能な状況の発生を抑制する。このため、本態様によれば、例えば、第1種別のオペレータが第1の額よりも多くの貨幣にアクセス可能となる態様と比較して、貨幣処理装置が管理する貨幣に対してリスクが生じる可能性を低減することが可能となる。
【0176】
<付記3>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記第1条件は、前記貨幣処理装置内に収納されている貨幣の合計額が第1の額以下という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0177】
本態様によれば、第1種別のオペレータが特定操作を行う場合において、第1種別のオペレータが、第1の額よりも多くの貨幣にアクセスする可能性が生じうる状況の発生を抑制する。このため、本態様によれば、例えば、第1種別のオペレータが第1の額よりも多くの貨幣にアクセスする可能性が生じうる態様と比較して、貨幣処理装置が管理する貨幣に対してリスクが生じる可能性を低減することが可能となる。
【0178】
<付記4>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記2に記載のプログラムであって、前記オペレータ管理部は、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第2条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第2種別のオペレータ(例えば、補助者権限R2を有するオペレータ)に対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第2条件が充足されない場合に、前記第2種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止し、前記第2条件は、前記特定操作を行うオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が、前記第1の額よりも小さい第2の額(例えば、金額α2)以下という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0179】
本態様において、貨幣処理装置は、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータに対して特定操作を行うことを許可するのに加えて、第2条件が充足される場合には、第2種別のオペレータに対しても特定操作を行うことを許可する。このため、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータが不在の際に特定障害が発生した場合であっても、第2種別のオペレータが特定操作を行うことで、当該特定障害からの復旧が可能となる。すなわち、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータのみが特定操作を行うことが許容されている態様と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、第2種別のオペレータが特定操作を行う場合において、第2種別のオペレータが、第2の額よりも多くの貨幣にアクセス可能な状況の発生を抑制する。このため、本態様によれば、例えば、第2種別のオペレータが第2の額よりも多くの貨幣にアクセス可能となる態様と比較して、貨幣処理装置が管理する貨幣に対してリスクが生じる可能性を低減することが可能となる。
【0180】
<付記5>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記複数のオペレータは、前記第1種別のオペレータを複数含み、前記オペレータ管理部は、前記第1種別の複数のオペレータに対応する複数の上限額を示す上限額情報(例えば、オペレータ管理情報DU)を参照可能であり、前記第1条件は、前記特定操作を行う一のオペレータがアクセス可能となる貨幣の合計額が、前記上限額情報の示す複数の上限額のうち、前記一のオペレータに対応する上限額以下という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0181】
本態様によれば、第1種別の複数のオペレータの各々に対して、個別に上限額が設定されるため、第1種別の複数のオペレータに対して、一律に上限額が設定され態様と比較して、オペレータに起因するリスクを細やかに制御することが可能となる。
【0182】
<付記6>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記第1条件は、前記貨幣処理装置を操作する前記第1種別のオペレータの人数が第1の人数(例えば、人数β1)以上という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0183】
本態様によれば、第1種別のオペレータが特定操作を行う場合において、第1の人数よりも少ない人数の第1種別のオペレータが、貨幣処理装置の管理する貨幣にアクセスすることを抑制する。このため、本態様によれば、例えば、第1の人数よりも少ない人数の第1種別のオペレータが、貨幣処理装置の管理する貨幣にアクセスする際に生じる、操作ミスの発生の可能性、及び、不正行為の発生の可能性等、セキュリティ上のリスクの発生を低減することが可能となる。
【0184】
<付記7>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記6に記載のプログラムであって、前記オペレータ管理部は、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第2条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第2種別のオペレータ(例えば、補助者権限R2を有するオペレータ)に対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第2条件が充足されない場合に、前記第2種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止し、前記第2条件は、前記貨幣処理装置を操作する前記第2種別のオペレータの人数が、前記第1の人数よりも多い第2の人数(例えば、人数β2)以上という条件である、ことを特徴としてもよい。
【0185】
本態様において、貨幣処理装置は、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータに対して特定操作を行うことを許可するのに加えて、第2条件が充足される場合には、第2種別のオペレータに対しても特定操作を行うことを許可する。このため、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータが不在の際に特定障害が発生した場合であっても、第2種別のオペレータが特定操作を行うことで、当該特定障害からの復旧が可能となる。すなわち、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータ及び第1種別のオペレータのみが特定操作を行うことが許容されている態様と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減することが可能となる。
また、本態様によれば、第2種別のオペレータが特定操作を行う場合において、第2の人数よりも少ない人数の第2種別のオペレータが、貨幣処理装置の管理する貨幣にアクセスすることを抑制する。このため、本態様によれば、例えば、第2の人数よりも少ない人数の第2種別のオペレータが、貨幣処理装置の管理する貨幣にアクセスする際に生じる、操作ミスの発生の可能性、及び、不正行為の発生の可能性等、セキュリティ上のリスクの発生を低減することが可能となる。
【0186】
<付記8>
また、本発明の他の態様に係るプログラムは、付記1に記載のプログラムであって、前記プロセッサを、前記特定障害が発生したか否かを判定する判定部(例えば、障害管理部73)として機能させ、前記オペレータ管理部は、前記判定部における判定の結果が否定の場合に、前記特定種別のオペレータ及び前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴としてもよい。
【0187】
本態様において、貨幣処理装置は、貨幣処理装置において障害が発生した場合であって、当該障害が特定障害に該当する場合に限り、貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が行われることを許可する。このため、本実施形態によれば、貨幣処理装置において障害が発生していない場合にも貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが許容される態様、及び、貨幣処理装置において特定障害以外の障害が発生した場合にも貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが許容される態様と比較して、貨幣処理装置のオペレータが貨幣処理装置内の貨幣にアクセスする場合における、不正行為や過失の発生の可能性を低減することができる。
【0188】
<付記9>
また、本発明の一態様に係る貨幣処理装置は、貨幣を収納する貨幣処理装置であって、前記貨幣処理装置の操作が可能な複数のオペレータを管理するオペレータ管理部を備え、前記オペレータ管理部は、復旧の際に前記貨幣処理装置内の貨幣へのアクセスが可能となる特定操作が必要な特定障害が、前記貨幣処理装置で発生した場合に、前記複数のオペレータのうち特定種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記特定障害が前記貨幣処理装置で発生した場合であって、第1条件が充足された場合に、前記複数のオペレータのうち第1種別のオペレータに対して、前記特定操作を行うことを許可し、前記第1条件が充足されない場合に、前記第1種別のオペレータが、前記特定操作を行うことを禁止する、ことを特徴とする。
【0189】
本態様において、貨幣処理装置は、特定種別のオペレータに対して特定操作を行うことを許可するのに加えて、第1条件が充足される場合には、第1種別のオペレータに対しても特定操作を行うことを許可する。このため、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータが不在の際に特定障害が発生した場合であっても、第1種別のオペレータが特定操作を行うことで、当該特定障害からの復旧が可能となる。すなわち、本態様によれば、例えば、特定種別のオペレータのみが特定操作を行うことが許容されている従来の態様と比較して、貨幣処理装置の障害復旧が困難な状況の発生可能性を低減することが可能となる。
【符号の説明】
【0190】
1…貨幣処理装置、2…紙幣処理装置、3…硬貨処理装置、4…表示装置、5…入力装置、6…制御装置、7…処理装置、8…記憶装置、21…紙幣入金口、22…紙幣出金口、31…硬貨入金口、32…硬貨出金口、71…貨幣管理部、72…オペレータ管理部、73…障害管理部、74…表示制御部、75…入力受付部。