(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074435
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】シート製造装置
(51)【国際特許分類】
D04H 1/736 20120101AFI20240524BHJP
D04H 1/732 20120101ALI20240524BHJP
【FI】
D04H1/736
D04H1/732
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185565
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】堀子 由季浩
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA08
4L047AB02
4L047EA01
4L047EA03
(57)【要約】
【課題】原料の計量精度を向上させるシート製造装置を提供すること。
【解決手段】シート製造装置1は、原料Cを所定の質量毎に計量して供給する定量供給部15と、定量供給部15から供給される原料Cを解繊して繊維にする解繊部31と、繊維を堆積させて圧縮し、シートに成形する第3ユニット群103と、定量供給部15が固定される第1フレームF1と、第1フレームF1とは分離され、解繊部31が固定される第2フレームF2と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を所定の質量毎に計量して供給する定量供給部と、
前記定量供給部から供給される前記原料を解繊して繊維にする解繊部と、
前記繊維を堆積させて圧縮し、シートに成形するシート形成部と、
前記定量供給部が固定される第1フレームと、
前記第1フレームとは分離され、前記解繊部が固定される第2フレームと、を有するシート製造装置。
【請求項2】
前記定量供給部は、前記原料の質量を計量する計量器を有する、請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項3】
前記シート形成部が固定される第3フレームを有し、
前記第3フレームは、前記第1フレームと前記第2フレームとの間に設置される、請求項1に記載のシート製造装置。
【請求項4】
圧縮空気を生成するコンプレッサーを有し、
前記コンプレッサーは、前記第2フレーム内に設置される、請求項1に記載のシート製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維を含む紙片などを解繊してシートなどに再生するシート製造装置が知られていた。該装置には、紙片などの原料を計量する計量器を備えるものがある。例えば、特許文献1には、シート原料を計量して供給する定量供給機と、乾式解繊機とを備える繊維構造体製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、定量供給機の計量精度を向上させることが難しいという課題があった。詳しくは、乾式解繊機の振動が定量供給機に伝播し易く、上記振動が定量供給機の計量精度に影響を及ぼす場合があった。すなわち、原料の計量精度を向上させるシート製造装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート製造装置は、原料を所定の質量毎に計量して供給する定量供給部と、前記定量供給部から供給される前記原料を解繊して繊維にする解繊部と、前記繊維を堆積させて圧縮し、シートに成形するシート形成部と、前記定量供給部が固定される第1フレームと、前記第1フレームとは分離され、前記解繊部が固定される第2フレームと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態に係るシート製造装置の構成を示す模式図。
【
図2】第1フレーム、第2フレーム、および第3フレームの形態を示す側面図。
【
図3】第1フレーム、第2フレーム、および第3フレームの形態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の実施形態では、乾式にて古紙などの紙片を再生するシート製造装置1を例示し、図面を参照して説明する。本発明のシート製造装置は、乾式であることに限定されず、湿式であってもよい。なお、本明細書において乾式とは、液体中で実施されずに、大気などの空気中で実施されることをいう。
【0008】
以下の各図においては、相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。Z軸は鉛直方向に沿う仮想軸であって+Z方向を上方とし、-Z方向を下方とする。-Z方向は重力が作用する方向である。また、シート製造装置1において、原料、ウェブ、およびシートなどの搬送方向の先を下流、搬送方向を遡る側を上流ということもある。図示の便宜上、各部材の大きさを実際とは異ならせている。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係るシート製造装置1は、第1ユニット群101、第2ユニット群102、および第3ユニット群103を有する。シート製造装置1は、図示しない第1フレーム、第2フレーム、第3フレーム、および各構成の稼働を統合的に制御する制御部も有する。第1フレーム、第2フレーム、および第3フレームについては後述する。なお、
図1において、原料C、シートP3、スリット片S、および端材などが移動する方向を白抜きの矢印で示している。
【0010】
シート製造装置1は原料CからシートP3を製造する。シート製造装置1では、-X方向からの側面視にて、-Y方向から+Y方向に向かって、第1ユニット群101、第3ユニット群103、および第2ユニット群102が配置される。
【0011】
原料Cは、第1ユニット群101から、第3ユニット群103内を横断する配管21を介して第2ユニット群102へ搬送される。そして原料Cは、第2ユニット群102にて解繊などが施された後、配管24を介して第3ユニット群103へ搬送される。原料Cは、第3ユニット群103にてウェブWとされてから、帯状のシートP1に成形される。帯状のシートP1は、第1ユニット群101にて切断されてシートP3と成る。
【0012】
第1ユニット群101は、バッファータンク13、定量供給部15、合流部17、および配管21を有する。第1ユニット群101では、上流から下流に向かって、これらの構成が上記の順番にて配置される。また、第1ユニット群101は、第1切断部81、第2切断部82、トレイ91、および細断部95も有する。第1切断部81および第2切断部82は、帯状のシートP1を所定の形状のシートP3に切断する。
【0013】
原料Cは、原料投入口11からバッファータンク13へ投入される。原料Cは、セルロースなどの繊維を含み、例えば細断された古紙の紙片である。バッファータンク13の内部には、第3ユニット群103に備わる第2加湿部66から加湿された空気が供給される。
【0014】
原料Cは、バッファータンク13にて一時的に保管された後、シート製造装置1の稼働に応じて定量供給部15へ搬送される。シート製造装置1は、バッファータンク13の上流側に、古紙などを細断するシュレッダーを備えてもよい。
【0015】
定量供給部15は、計量器15a、および図示しない供給機構を有する。計量器15aは原料Cの質量を計量する。供給機構は、計量器15aにて計量された原料Cを、下流の合流部17に供給する。すなわち、定量供給部15は、計量器15aにて原料Cを所定の質量毎に計量して、供給機構にて下流の合流部17へ供給する。
【0016】
計量器15aには、デジタル式およびアナログ式の何れの計量機構も適用可能である。具体的には、計量器15aとして、ロードセルなどの物理センサー、およびバネ秤や天秤などが挙げられる。本実施形態では計量器15aとしてロードセルを用いる。計量器15aが原料Cを計量する所定の質量とは、例えば、数gから数10g程度である。
【0017】
供給機構には、振動式フィーダーなどの公知の技術が適用可能である。供給機構は、計量器15aに含まれる構成であってもよい。
【0018】
定量供給部15での原料Cの計量および供給はバッチ処理である。すなわち、定量供給部15から合流部17への原料Cの供給は、間欠的に実施される。定量供給部15は、計量器15aを複数有してもよく、複数の計量器15aを時差稼働させて、計量の効率を向上させてもよい。
【0019】
合流部17では、定量供給部15から供給される原料Cに対して、細断部95から供給されるスリット片Sの細断片が合流して混合される。スリット片Sおよび細断部95については後述する。上記細断片が混合された原料Cは、合流部17から配管21へと流入する。
【0020】
配管21は、図示しないブロアーが発生させる気流によって、原料Cを第1ユニット群101から第2ユニット群102へ搬送する。
【0021】
第2ユニット群102は、解繊部31、分離部32、配管23、混合部33、および配管24を有する。第2ユニット群102では、上流から下流に向かって、これらの構成が上記の順番にて配置される。また、第2ユニット群102は、分離部32に接続される配管25、回収部35、コンプレッサー38、および電源部39も有する。
【0022】
配管21を搬送された原料Cは、解繊部31に流入する。解繊部31は、定量供給部15から供給される原料Cを乾式にて解繊して繊維にする。解繊部31には、公知の解繊機構が適用可能である。
【0023】
解繊部31としては、例えば以下の構成が挙げられる。解繊部31は、ステーターおよびローターを備える。ステーターは略円筒状の内側面を有する。ローターは、ステーターの内部に設置されて、ステーターの内側面に沿って回転する。原料Cの細片は、ステーターの内側面とローターとの間に挟まれて、これらの間に生じるせん断力によって解繊される。これにより、原料Cは、紙片に含まれる絡まった繊維が解きほぐされて、繊維状の原料Cとなる。繊維状の原料Cは分離部32に搬送される。
【0024】
解繊部31は、せん断力などによって物理的に繊維を解きほぐすため、上記の構成に限らず振動を発生し易い。これに対して、シート製造装置1は後述するフレーム構成を備えるため、上記振動の影響が計量器15aに及び難くなっている。
【0025】
分離部32は、繊維状の原料Cに含まれる、シートP3の製造に不要な成分を取り除く。具体的には、分離部32は、比較的に長い繊維と、比較的に短い繊維とを分別する。比較的に短い繊維は、シートP3の強度低下を招く場合があるため、分離部32にて分別される。また、分離部32は、古紙に含まれる色材や添加剤なども分別して排除する。分離部32には、円盤メッシュ方式などの公知の技術が適用可能である。
【0026】
分離部32の内部には、第3ユニット群103の第2加湿部66から加湿された空気が供給される。
【0027】
原料Cは、比較的に短い繊維などが排除されて、配管23を介して混合部33へ搬送される。比較的に短い繊維や色材などの不要分は、配管25を介して回収部35へ排出される。
【0028】
混合部33は、原料Cに結着材などを空気中で混合して混合物とする。図示を省略するが、混合部33は、原料Cが搬送される流路、ファン、ホッパー、供給管、およびバルブを備える。
【0029】
ホッパーは、供給管を介して原料Cの流路に連通する。バルブは、ホッパーと流路との間の供給管に設けられる。ホッパーは、でんぷんなどの結着材を流路内へ供給する。バルブは、ホッパーから流路に供給される結着材の質量を調整する。これにより、原料Cと結着材との混合比が調整される。
【0030】
混合部33は、結着材を供給する上記構成の他に、色材や添加剤などを供給する同様な構成を備えてもよい。
【0031】
混合部33のファンは、発生させる気流により、原料Cを下流へ搬送しながら結着材などを空気中で混入させて混合物とする。混合物は、混合部33から配管24へ流入する。
【0032】
回収部35は、図示しないフィルターを備える。フィルターは、配管25を気流にて搬送された原料Cの不要分を濾し取る。
【0033】
コンプレッサー38は圧縮空気を生成する。上記フィルターでは、不要分のうちの微細な粒子などによって目詰まりが生じる場合がある。コンプレッサー38が生成する圧縮空気をフィルターに吹き付けて、付着した粒子を吹き飛ばしてフィルターをクリーニングすることが可能である。
【0034】
コンプレッサー38は、往復運動などによって圧縮空気を生成するため、振動を発生し易い。これに対して、シート製造装置1は後述するフレーム構成を備えるため、上記振動の影響が計量器15aに及び難くなっている。
【0035】
ここで、コンプレッサー38は、後述する第2フレームに固定されずに、シート製造装置1が設置される床面に置かれてもよい。この場合であっても、圧縮空気の管などを介してコンプレッサー38と他の構成とが接続される。そのため、振動が伝播する可能性は否定されず、本実施形態のフレーム構成は有用である。
【0036】
電源部39は、上述した制御部の他、シート製造装置1に電力を供給する電力供給装置を含む。電源部39は、外部から供給される電力をシート製造装置1の各構成に分配する。
【0037】
第3ユニット群103は、繊維を含む混合物を堆積させて圧縮し、帯状のシートP1に成形する。第3ユニット群103は、本発明のシート形成部の一例である。
【0038】
第3ユニット群103は、堆積部50、第1搬送部61、第2搬送部62、第1加湿部65、第2加湿部66、および成形部70を有する。第3ユニット群103では、上流から下流に向かって、堆積部50、第1搬送部61、第2搬送部62、第1加湿部65、および成形部70が、上記の順番にて配置される。
【0039】
堆積部50は、混合物を空気中で堆積させてウェブWを生成する。堆積部50は、ドラム部材53、ドラム部材53内に設置される羽根部材55、ドラム部材53を収容するハウジング51、吸引部59を有する。混合物は、配管24からドラム部材53の内部に取り込まれる。
【0040】
堆積部50の下方には、第1搬送部61が配置される。第1搬送部61は、メッシュベルト61a、メッシュベルト61aを張架する図示しない5つの張架ローラーを有する。吸引部59は、Z軸に沿う方向において、メッシュベルト61aを挟んでドラム部材53と対向する。
【0041】
羽根部材55は、ドラム部材53の内部にあって、図示しないモーターによって回転駆動される。ドラム部材53は半円柱状の篩である。ドラム部材53の下方を向く側面には、篩の機能を有する網が設けられる。ドラム部材53は、篩の網の目開きの大きさより小さい繊維や混合物などの粒子を、内部から外側に通過させる。
【0042】
混合物は、ドラム部材53内において、回転する羽根部材55に撹拌されながらドラム部材53の外側に放出される。ドラム部材53の内部には、第2加湿部66から加湿された空気が供給される。
【0043】
吸引部59はドラム部材53の下方に配置される。吸引部59は、メッシュベルト61aが有する複数の穴を介して、ハウジング51内の空気を吸引する。メッシュベルト61aの複数の穴は、空気を通し、混合物に含まれる繊維や結着材などを通し難い。これにより、ドラム部材53の外側に放出された混合物は、空気と共に下方に吸引される。吸引部59はブロアーなどの公知の吸引装置である。
【0044】
混合物は、ハウジング51内の空気中に分散されて、重力と吸引部59の吸引によって、メッシュベルト61aの上方の面に堆積してウェブWとなる。
【0045】
メッシュベルト61aは、無端ベルトであって、5つの張架ローラーによって張り架けられる。メッシュベルト61aは、張架ローラーの自転によって、
図1において反時計回りに回動する。これにより、メッシュベルト61aに連続して混合物が堆積し、ウェブWが形成される。ウェブWは、空気を比較的に多く含み、柔らかく膨らんでいる。第1搬送部61は、形成されたウェブWを、メッシュベルト61aの回動により下流へ搬送する。
【0046】
第2搬送部62は、第1搬送部61の下流において、第1搬送部61に代わってウェブWを搬送する。第2搬送部62は、メッシュベルト61aの上方の面からウェブWを剥離させて、成形部70に向けて搬送する。第2搬送部62は、ウェブWの搬送経路の上方にあって、メッシュベルト61aのリターン側の起点よりもやや上流側に配置される。第2搬送部62の+Y方向と、メッシュベルト61aの-Y方向とは、鉛直方向において一部が重なる。
【0047】
第2搬送部62は、図示しない輸送ベルト、複数のローラー、およびサクション機構を有する。輸送ベルトには空気を通す複数の穴が設けられる。輸送ベルトは、複数のローラーによって張り架けられ、ローラーの回転により回動する。
【0048】
第2搬送部62は、サクション機構が発生させる負圧により、ウェブWの上方の面を輸送ベルトの下方の面に吸着させる。この状態にて輸送ベルトが回動することによって、ウェブWは、輸送ベルトに吸着されて下流へ搬送される。
【0049】
第1加湿部65は、超音波式の加湿器であって、第2搬送部62によって搬送されるウェブWへ下方からミストMを供給して加湿する。第1加湿部65は、第2搬送部62の下方に配置され、第2搬送部62が搬送するウェブWとZ軸に沿う方向に対向する。
【0050】
ウェブWがミストMにて加湿されることにより、でんぷんの結着材としての機能が促進されて、シートP3の強度が向上する。また、ウェブWに対して下方から加湿するため、ミスト由来の雫のウェブWへの落下が防止される。さらに、輸送ベルトとウェブWとの接触面の反対側から加湿するため、輸送ベルトに対するウェブWの貼り付きが低減される。第2搬送部62はウェブWを成形部70へ搬送する。
【0051】
成形部70は、ウェブWを加熱および加圧して帯状のシートP1に成形する。成形部70は、一対の加熱ローラー71,72を有する。一対の加熱ローラー71,72の各々は、電熱ヒーターを内蔵し、ローラー表面を加熱する機能を有する。
【0052】
一対の加熱ローラー71,72の間へ、ウェブWを連続的に通過させることにより、ウェブWが加熱されながらプレス加工される。これにより、比較的に空気を多く含んで柔らかいウェブWから、内包する空気が低減されると共に結着材によって繊維同士が結着されて、帯状のシートP1が成形される。帯状のシートP1は、図示しない搬送ローラーにより、第1ユニット群101へ搬送される。
【0053】
第2加湿部66は、第1加湿部65の下方に配置される。第2加湿部66は気化式の加湿器である。第2加湿部66は、図示しない複数の管を介して、バッファータンク13、分離部32、およびドラム部材53の内部に加湿された空気を供給する。加湿された空気は、上記の各構成において、原料Cの繊維や粒子などの帯電を抑制して、これらの静電気による付着を抑える。
【0054】
第1ユニット群101に搬送される帯状のシートP1は、第1切断部81に至る。第1切断部81は、帯状のシートP1を搬送方向と交差する方向、例えばX軸に沿う方向に切断する。帯状のシートP1は、第1切断部81にて単票状のシートP2に切断される。単票状のシートP2は、第1切断部81から第2切断部82へ搬送される。
【0055】
第2切断部82は、単票状のシートP2を搬送方向、例えばY軸に沿う方向に切断する。詳しくは、第2切断部82は、単票状のシートP2において、X軸に沿う方向の両側の辺近傍を切断する。これにより、単票状のシートP2は、A4判やA3判などの所定の形状のシートP3と成る。シートP3は、斜め上方に搬送されてトレイ91に集積される。シートP3は、例えばコピー用紙などの代替品として適用可能である。
【0056】
第2切断部82にて、単票状のシートP2をシートP3に切断する際に、端材であるスリット片Sが生じる。スリット片Sは、略-Y方向へ搬送されてシュレッダーである細断部95に至る。細断部95は、スリット片Sを細断して細断片として、合流部17へ供給する。細断部95と合流部17との間には、スリット片Sの細断片を計量して合流部17へ供給する機構が設置されてもよい。
【0057】
図2および
図3に示すように、第1フレームF1、第3フレームF3、および第2フレームF2は、Y軸に沿ってこの順番にて配列される。第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3は、各々別体である。第1フレームF1と、第2フレームF2と、第3フレームF3とは、それぞれ分離されている。図示を省略するが、シート製造装置1では、第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3を覆う筐体が備わる。なお、
図2では、第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3の境界を破線で示している。
【0058】
第1フレームF1と第2フレームF2との間には、第3フレームF3が設置される。なお、第1フレームF1と第3フレームF3と、および第3フレームF3と第2フレームF2とは、それぞれ連結されていてもよい。
【0059】
第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3の各々は、XYZ軸の何れかに沿って配置される主骨格と、補強部材などとから成り、内部に上述した構成を設置可能な空間を備える。第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3は、略直方体の外形を有する。各々の外形は、X軸に沿う長さが等しく、Z軸に沿う高さが略等しい。第1フレームF1、第2フレームF2、および第3フレームF3は、下方の端部に各々移動用のキャスターを備えてもよい。
【0060】
第1ユニット群101は第1フレームF1に設置される。すなわち、定量供給部15は第1フレームF1に固定される。第2ユニット群102は第2フレームF2に設置される。すなわち、解繊部31は第2フレームF2に固定される。第3ユニット群103は第3フレームF3に設置される。すなわち、シート形成部である第3ユニット群103は、第3フレームF3に固定される。
【0061】
本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0062】
原料Cの計量精度を向上させることができる。詳しくは、定量供給部15が固定される第1フレームF1と、解繊部31が固定される第2フレームF2とは、別体に分離されている。そのため、解繊部31から生じる振動は、定量供給部15に伝播する間に減衰し易くなる。これにより、定量供給部15に対して上記振動が波及し難くなる。したがって、原料Cの計量精度を向上させるシート製造装置1を提供することができる。
【0063】
第1フレームF1と第2フレームF2との間に第3フレームF3が介在することから、第1フレームF1と第2フレームF2との距離が離れる。そのため、解繊部31およびコンプレッサー38から生じて定量供給部15に伝播する振動は、さらに減衰し易くなる。これにより、原料Cの計量精度をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0064】
1…シート製造装置、15…定量供給部、15a…計量器、31…解繊部、38…コンプレッサー、103…シート成形部としての第3ユニット群、C…原料、F1…第1フレーム、F2…第2フレーム、F3…第3フレーム、P1…帯状のシート。