(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074443
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】部品組立装置
(51)【国際特許分類】
B23P 19/00 20060101AFI20240524BHJP
H05K 13/04 20060101ALI20240524BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20240524BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B23P19/00 303A
H05K13/04 M
H05K13/08 Q
B25J13/08 A
B23P19/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185577
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】西村 知之
【テーマコード(参考)】
3C030
3C707
5E353
【Fターム(参考)】
3C030AA16
3C030AA18
3C030AA20
3C030AA21
3C030BC35
3C707AS06
3C707DS01
3C707KS05
3C707KT01
3C707LT12
3C707MS14
5E353CC04
5E353GG01
5E353GG21
5E353JJ25
5E353KK02
5E353KK11
5E353QQ11
5E353QQ12
(57)【要約】
【課題】部品組立装置における構成要素に位置ずれが生じている場合には適切な対応を取ることができる部品組立装置を提供する。
【解決手段】制御装置10は、ステージ1のステージマーク1mの位置を示す基準画像位置Gを算出して記憶部11に記憶させる。制御装置10は、マスターワークMWの第1の基準マークM1と第2の基準マークM2との間の基準距離Dを算出して記憶部11に記憶させる。制御装置10は、製品を組み立てる組立工程間に、ステージマーク1mの位置を示す画像位置G1を算出して、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が第1の閾値を超えるか否かを判定する。差分が第1の閾値を超えるとき、制御装置10は、マスターワークMWの第1の基準マークM1と第2の基準マークM2との間の距離D1を算出して、基準距離Dと距離D1との差分が第2の閾値を超えるとき、組立工程を異常停止させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を構成する部品を載置する部品載置面を有し、前記部品載置面上にステージマークが設けられている移動自在のステージと、
前記ステージに上方に位置が固定された状態で配置されており、位置及び互いの間隔を調整可能な第1及び第2の鏡筒を有する2視野カメラと、
前記ステージの移動を制御する制御装置と、
記憶部と、
を備え、
前記製品は、第1の部品と、第1及び第2の基準マークを有して、前記第1の部品上に配置される第2の部品とを含み、
前記制御装置は、
前記ステージマークが前記第1の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1の鏡筒を介して撮影される第1の撮影画像に基づいて前記ステージマークの位置を示す基準画像位置を算出して前記記憶部に記憶させ、
前記第1の部品上に前記第2の部品が配置されて一体化されており、前記製品の基準となるマスターワークを前記第1の部品が前記部品載置面側となるように前記部品載置面上に配置して、前記第1の基準マークが前記第1の鏡筒の下に位置し、前記第2の基準マークが前記第2の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1及び第2の鏡筒を介して撮影される第2の撮影画像に基づいて、前記第1の基準マークと前記第2の基準マークとの間の基準距離を算出して前記記憶部に記憶させ、
前記部品載置面上に前記第1の部品を配置し、前記第1の部品上に前記第2の部品を配置して前記製品を組み立てる組立工程を繰り返して複数の前記製品を組み立てる組立工程間に、前記ステージマークが前記第1の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1の鏡筒を介して撮影される第3の撮影画像に基づいて前記ステージマークの位置を示す画像位置を算出して、前記基準画像位置と前記画像位置との差分が第1の閾値を超えるとき、前記マスターワークを前記第1の部品が前記部品載置面側となるように前記部品載置面上に配置して、前記第1の基準マークが前記第1の鏡筒の下に位置し、前記第2の基準マークが前記第2の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1及び第2の鏡筒を介して撮影される第4の撮影画像に基づいて、前記第1の基準マークと前記第2の基準マークとの間の距離を算出し、
前記基準距離と算出された前記距離との差分が第2の閾値を超えるとき、前記組立工程を異常停止させる
部品組立装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記基準距離と算出された前記距離との差分が前記第2の閾値以下であるとき、前記ステージマークが前記第1の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1の鏡筒を介して撮影される第5の撮影画像に基づいて前記ステージマークの位置を示す新たな基準画像位置を算出して前記記憶部に記憶させる請求項1に記載の部品組立装置。
【請求項3】
前記基準画像位置と前記画像位置との差分が前記第1の閾値以下で前記第1の閾値より小さい第3の閾値を超えるとき、前記基準画像位置と前記画像位置との差分を、前記2視野カメラが生成する撮影画像上の座標を物理的な座標に変換するときに反映させて前記物理的な座標を補正する請求項1または2に記載の部品組立装置。
【請求項4】
前記基準画像位置と前記画像位置との差分が前記第1の閾値以下で前記第3の閾値を超えるとき、前記画像位置を新たな基準画像位置として前記記憶部に記憶させる請求項3に記載の部品組立装置。
【請求項5】
前記基準画像位置と前記画像位置との差分が前記第3の閾値以下であるとき、前記記憶部に記憶されている前記基準画像位置を維持した状態で、前記組立工程を繰り返す請求項3に記載の部品組立装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているような製品を製造する際に、部品組立装置を用いて、製品を構成する複数の部品を組み立てることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部品組立装置を用いて複数の部品を組み立てているときに、部品組立装置を構成する構成要素に位置ずれが生じると、複数の部品を正確に組み立てることができない。部品組立装置における構成要素に位置ずれが生じているか否かを判定して、位置ずれが生じている場合には適切な対応を取る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製品を構成する部品を載置する部品載置面を有し、前記部品載置面上にステージマークが設けられている移動自在のステージと、前記ステージに上方に位置が固定された状態で配置されており、位置及び互いの間隔を調整可能な第1及び第2の鏡筒を有する2視野カメラと、前記ステージの移動を制御する制御装置と、記憶部とを備え、前記製品は、第1の部品と、第1及び第2の基準マークを有して、前記第1の部品上に配置される第2の部品とを含み、前記制御装置は、前記ステージマークが前記第1の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1の鏡筒を介して撮影される第1の撮影画像に基づいて前記ステージマークの位置を示す基準画像位置を算出して前記記憶部に記憶させ、前記第1の部品上に前記第2の部品が配置されて一体化されており、前記製品の基準となるマスターワークを前記第1の部品が前記部品載置面側となるように前記部品載置面上に配置して、前記第1の基準マークが前記第1の鏡筒の下に位置し、前記第2の基準マークが前記第2の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1及び第2の鏡筒を介して撮影される第2の撮影画像に基づいて、前記第1の基準マークと前記第2の基準マークとの間の基準距離を算出して前記記憶部に記憶させ、前記部品載置面上に前記第1の部品を配置し、前記第1の部品上に前記第2の部品を配置して前記製品を組み立てる組立工程を繰り返して複数の前記製品を組み立てる組立工程間に、前記ステージマークが前記第1の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1の鏡筒を介して撮影される第3の撮影画像に基づいて前記ステージマークの位置を示す画像位置を算出して、前記基準画像位置と前記画像位置との差分が第1の閾値を超えるとき、前記マスターワークを前記第1の部品が前記部品載置面側となるように前記部品載置面上に配置して、前記第1の基準マークが前記第1の鏡筒の下に位置し、前記第2の基準マークが前記第2の鏡筒の下に位置するように前記ステージを移動させた状態で、前記第1及び第2の鏡筒を介して撮影される第4の撮影画像に基づいて、前記第1の基準マークと前記第2の基準マークとの間の距離を算出し、前記基準距離と算出された前記距離との差分が第2の閾値を超えるとき、前記組立工程を異常停止させる部品組立装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の部品組立装置によれば、部品組立装置における構成要素に位置ずれが生じているか否かを判定して、位置ずれが生じている場合には適切な対応を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る部品組立装置を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る部品組立装置の構成要素であるステージ及び2視野カメラを示す斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る部品組立装置を用いて部品を組み立てる前の部品組立装置の基準状態を確認するための処理を示すフローチャートである。
【
図4】一実施形態に係る部品組立装置を用いて部品を組み立てる処理を示すフローチャートである。
【
図5】
図4におけるステップS10の具体的な処理を示すフローチャートである。
【
図6】ステージのステージマークを2視野カメラの第1の鏡筒の下に位置決めした状態を示す側面図である。
【
図7】一実施形態に係る部品組立装置における制御装置が
図3のステップS3で取得する撮影画像を示す図である。
【
図8】マスターワークの一対の基準マークを第1及び第2の鏡筒の下に位置決めした状態を示す側面図である。
【
図9】マスターワークを上方から見た平面図である。
【
図10】制御装置が
図3のステップS7で取得する撮影画像を示す図である。
【
図11】
図4のステップS10において、第1の部品をステージ上に配置した状態を示す側面図である。
【
図12】
図11に示す状態で、第1の部品の中心点の算出する算出方法を示す図である。
【
図13】
図4のステップS10において、第1の部品の上方空中に第2の部品を配置した状態を示す側面図である。
【
図15】制御装置が
図5のステップS105で取得する撮影画像を示す図である。
【
図16】
図13に示す状態で、第2の部品の中心点の算出する算出方法を示す図である。
【
図17】
図5のステップS106において、第2の部品を第1の部品上に配置した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る部品組立装置について、添付図面を参照して説明する。
図1において、一実施形態に係る部品組立装置100は、構成要素としてステージ1及び2視野カメラ2を備える。
図2に示すように、ステージ1は例えば矩形の板状に構成されており、後述する部品を載置する部品載置面1aと、部品載置面1aの端部に設けられたステージマーク1mとを有する。ステージマーク1mを設ける位置は限定されない。2視野カメラ2は、レンズを含む第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22を有する。2視野カメラ2は、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22によって撮影する被写体を撮像する1つの撮像素子23を有する。
【0009】
ステージ1は、ステージ1をX方向に移動させる図示していないXスライダ及びY方向に移動させる図示していないYスライダを備えて、移動自在に構成されている。2視野カメラ2は、ステージ1の上方に図示していない位置決め機構によって固定された状態で配置されている。2視野カメラ2自体の位置は固定であるが、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の位置及び互いの間隔は調整可能である。
【0010】
図1に戻り、部品組立装置100は、制御装置10、画像処理装置12、ロボット13、コンベア14を備える。制御装置10は記憶部11を有する。部品組立装置100がロボット13及びコンベア14を備えることは必須ではない。制御装置10は、ステージ1の移動を制御する。ロボット13は、コンベア14で搬送された各部品を把持してステージ1へと搬送し、部品載置面1a上に載置する。ロボット13は、ステージ1上で組み立てられた複数の部品よりなる製品をコンベア14へと搬出する。制御装置10は、ロボット13の動きを制御する。
【0011】
制御装置10は、パーソナルコンピュータのようなコンピュータ機器によって構成することができる。ロボット13の動きを制御する制御装置を、ステージ1の移動を制御する制御装置10とは別に設けてもよい。記憶部11は制御装置10に外付けされていてもよい。画像処理装置12は少なくともA/D変換器を含む。制御装置10と画像処理装置12とが一体化されていてもよい。
【0012】
図3~
図5に示すフローチャート、及び
図6~
図17を参照しながら、部品組立装置100を用いてどのように複数の部品を組み立てるかを説明する。本実施形態においては、2つの部品を組み立てて製品を構成する場合を例とする。
【0013】
図3に示すフローチャートは、部品組立装置100を用いて部品を組み立てる前の部品組立装置100の基準状態を確認するための処理を示している。部品組立装置100の基準状態とは、詳細には、ステージ1及び2視野カメラ2の基準状態である。
図3において、制御装置10は、ステップS1にて、ステージ1を原点に復帰させる。制御装置10は、ステップS2にて、ステージマーク1mを第1の鏡筒21の下に位置決めする。
図6は、ステージマーク1mを第1の鏡筒21の下に位置決めした状態を示している。
【0014】
制御装置10は、ステップS3にて、2視野カメラ2がステージマーク1mを撮影して、画像処理装置12が2値化したステージマーク1mの撮影画像を取得する。
図7は、制御装置10がステップS3で取得する撮影画像V2a(第1の撮影画像)を示している。撮影画像V2は1フレームの静止画である。撮影画像V2aは、第1の鏡筒21を介して撮影される領域V21と第2の鏡筒22によって撮影される領域V22とを含む。ステージマーク1mを撮影したステージマーク画像1miは、第1の鏡筒21の中心を中心とする所定の半径の円よりなる許容領域210内に位置していればよい。
【0015】
制御装置10は、ステップS4にて、撮影画像V2aにおけるステージマーク画像1miの中心の座標(画素位置)を基準画像位置Gとして算出する。制御装置10は、ステップS5にて、基準画像位置Gを記憶部11に記憶させる。
【0016】
図8に示すように、制御装置10は、ステップS6にて、マスターワークMWの基準マークM1及びM2(第1及び第2の基準マーク)をそれぞれ第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の下に位置させて、マスターワークMWをステージ1の部品載置面1a上に配置するよう、ステージ1及びロボット13を制御する。マスターワークMWは、ロボット13が把持できるようにコンベア14によって搬送されている。ロボット13がマスターワークMWを部品載置面1a上に配置する代わりに、作業者がマスターワークMWを部品載置面1a上に配置してもよい。
【0017】
ロボット13がマスターワークMWを部品載置面1a上に配置したら。制御装置10はステージ1を移動させて、基準マークM1及びM2をそれぞれ第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の下に位置させる。
【0018】
本実施形態において、製品を構成する部品を、後述する第1の部品31と第2の部品32とする。マスターワークMWとは、第1の部品31と第2の部品32とが両者の中心を一致させた状態で予め一体化した基準となる製品である。マスターワークMWにおける第1の部品31及び第2の部品32をそれぞれ第1の部品M31及び第2の部品M32と称することとする。
【0019】
図9は、マスターワークMWを上方から見た平面図である。第1の部品M31及び第2の部品M32(第1の部品M31及び第2の部品M32)は円形の板状である。
図8に示すように、第1の部品M31の上に第2の部品M32が配置されている。マスターワークMWは、第1の部品M31が部品載置面1a側となるように部品載置面1a上に配置されている。第2の部品M32の上面には、基準マークM1及びM2が設けられている。基準マークM1及びM2は、第2の部品M32の中心に対して対称の位置に配置されている。
【0020】
2視野カメラ2における第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の間隔は、マスターワークMWにおける第2の部品M32の基準マークM1と基準マークM2との間隔に一致させた状態に調整されていることが好ましい。
【0021】
制御装置10は、ステップS7にて、基準マークM1及びM2の撮影画像を取得する。
図10は、制御装置10がステップS7で取得する撮影画像V2b(第2の撮影画像)を示している。撮影画像V2bは、領域V21内に基準マークM1を撮影した基準マーク画像M1iを含み、領域V22内に基準マークM2を撮影した基準マーク画像M2iを含む。制御装置10は、ステップS8にて、基準マーク画像M1iの中心と基準マーク画像M2iの中心との間の距離である基準距離Dを算出する。
【0022】
制御装置10は、ステップS9にて、基準距離Dを記憶部11に記憶させて、処理を終了させる。
【0023】
図4は、
図3に示す部品組立装置100の基準状態を確認する処理を実行させた後に、部品組立装置100を用いて部品を組み立てる処理を示している。
図4において、部品組立装置100は、ステップS10にて、第1の部品31と第2の部品32とを組み立てる。
【0024】
図5に示すフローチャートは、ステップS10の具体的な処理を示している。
図5において、制御装置10による制御に従って、ロボット13は、ステップS101にて、
図11に示すように第1の部品31をステージ1上に配置する。このとき、ロボット13が第1の部品31をステージ1上に配置する位置は厳密な位置である必要はない。制御装置10は、ステップS102にて、第1の部品31の中心点C31を算出する。
【0025】
例えば第1の鏡筒21を介して撮影される撮影画像に基づいて、制御装置10は、
図12に示す、任意のX方向の直線と第1の部品31の境界との交点の座標X1及びX2と、任意のY方向の直線と第1の部品31の境界との交点の座標Y1及びY2を得ることができる。制御装置10は、座標X1及びX2間の線分の垂直二等分線と、座標Y1及びY2間の線分の垂直二等分線との交点を第1の部品31の中心点C31と算出する。
【0026】
2視野カメラ2による撮影画像上の座標とステージ1の物理的な座標との互いの関係は予め求められている。従って、制御装置10は、撮影画像上の第1の部品31の画像の中心点を求めることにより、ステージ1上の物理的な位置である第1の部品31の中心点C31を算出することができる。
【0027】
制御装置10による制御に従って、ロボット13は、ステップS103にて、
図13に示すように第2の部品32をロボット13のアーム131及び132で把持して第1の部品31の上方空中に配置する。制御装置10は、ステップS104にて、基準マークM1及びM2の撮影画像を取得する。
【0028】
図14は、第2の部品32を上方から見た平面図である。
図15は、制御装置10がステップS104で取得する撮影画像V2cを示している。基準マークM1を撮影した基準マーク画像M1iは許容領域210内に位置していればよく、基準マークM2を撮影した基準マーク画像M2iは第2の鏡筒22の中心を中心とする所定の半径の円よりなる許容領域220内に位置していればよい。
【0029】
制御装置10は、ステップS105にて、第2の部品32の中心点C32を算出する。
図16に示すように、基準マークM1の中心と基準マークM2の中心とを結ぶ直線の中点が第2の部品32の中心点C32である。制御装置10は、撮影画像上の基準マーク画像M1iの中心と基準マーク画像M2iの中心とを結ぶ直線の中点を求めることにより、ステージ1上の物理的な位置である第2の部品32の中心点C32を算出することができる。
【0030】
制御装置10による制御に従って、ロボット13は、ステップS106にて、第1の部品31の中心点C31に第2の部品32の中心点C32を一致させ、
図17に示すように第2の部品32を下降させて、第2の部品32を第1の部品31上に配置する。このとき、第1の部品31と第2の部品32とは任意の方法で互いの位置がずれないように一体化されてもよい。
【0031】
制御装置10による制御に従って、ロボット13は、ステップS107にて、組み立てられた第1の部品31及び第2の部品32をコンベア14へと搬出する。
【0032】
図4に戻り、制御装置10は、ステップS11にて、ステージマーク1mを第1の鏡筒21の下に位置決めする。制御装置10は、ステップS12にて、ステージマーク1mの撮影画像(第3の撮影画像)を取得する。制御装置10は、ステップS13にて、ステージマーク画像1miの中心の座標を画像位置G1として算出する。
【0033】
制御装置10は、ステップS14にて、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が±3μm(第3の閾値)以下であるか否かを判定する。厳密には、基準画像位置G及びG1は撮影画像上の座標値であるから、制御装置10は、基準画像位置Gの座標値と画像位置G1の座標値との差分をステージ1上の物理的な距離に変換して、差分が±3μm以下であるか否かを判定する。
【0034】
ステップS14にて差分が±3μm以下であれば(YES)、制御装置10は、処理をステップS10に戻して次の第1の部品31と第2の部品32とを組み立て、同様に、ステップS11~S14の処理を繰り返す。ステップS14にて差分が±3μm以下である限り、部品載置面1a上に第1の部品31を配置し、第1の部品31上に第2の部品32を配置して製品を組み立てる組立工程が繰り返される。
【0035】
ステップS14にて差分が±3μm以下でなければ(NO)、制御装置10は、ステップS15にて、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が±5μm(第1の閾値)以下であるか否かを判定する。基準画像位置Gと画像位置G1との差分が±5μm以下であれば(YES)、制御装置10は、ステップS16にて、ステップS10において2視野カメラ2が生成する撮影画像上の座標を物理的な座標に変換する際に基準画像位置Gと画像位置G1との差分を反映させる。制御装置10は、ステップS17にて、画像位置G1を新たに基準画像位置Gとして記憶部11に記憶させて、処理をステップS10に戻す。
【0036】
基準画像位置Gと画像位置G1との差分が±5μm以下でなければ(NO)、制御装置10は、ステップS18にて、マスターワークMWをステージ1上に配置するようロボット13を制御する。また、制御装置10は、ステップS18にて、基準マークM1及びM2の撮像画像(第4の撮影画像)を取得して、基準マークM1及びM2間の距離D1を算出する。
【0037】
制御装置10は、ステップS19にて、基準距離Dと距離D1との差分が±3μm(第2の閾値)以下であるか否かを判定する。基準距離Dと距離D1との差分が±3μm以下であれば(YES)、制御装置10は、ステップS20にて、ステージマーク1mを第1の鏡筒21の下に位置決めし、ステージマーク1mを撮像した撮像画像(第5の撮影画像)に基づいて新たな基準画像位置Gを取得し、記憶部11に記憶させる。ステップS20の処理は、
図2におけるステップS2~S5の処理と同様の処理を改めて実行することに相当する。
【0038】
ステップS19にて基準距離Dと距離D1との差分が±3μm以下でなければ(NO)、制御装置10は、ステップS21にて、部品組立装置100による製品の組立工程を異常停止させて、処理を終了させる。上記のように、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の位置は調整可能であるから、温度変化の影響を受けて、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の互いの間隔がずれることがある。基準距離Dと距離D1との差分が例えば±3μmのような所定の閾値を超えていると、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の互いの間隔がずれている可能性が高い。
【0039】
部品組立装置100は、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の互いの間隔がずれている可能性が高いとき異常停止する。従って、作業者が、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22の位置を確認して、ずれていれば位置を調整した上で、部品組立装置100は、製品の組立工程を再開することができる。
【0040】
以上のように、部品組立装置100においては、制御装置10は、部品載置面1a上に第1の部品31を配置し、第1の部品31上に第2の部品32を配置して製品を組み立てる組立工程を繰り返して複数の製品を組み立てる組立工程間に、次のような処理を実行する。制御装置10は、ステージマーク1mが第1の鏡筒21の下に位置するようにステージ1を移動させた状態で、第1の鏡筒21を介して撮影される撮影画像に基づいてステージマーク1mの位置を示す画像位置G1を算出する。
【0041】
制御装置10は、記憶部11に記憶させた基準画像位置Gと画像位置G1との差分が±5μmのような第1の閾値を超えるか否かを判定する。制御装置10は、差分が所定の閾値を超えるとき、マスターワークMWを部品載置面1a上に配置して、基準マークM1が第1の鏡筒21の下に位置し、基準マークM2が第2の鏡筒22の下に位置するようにステージ1を移動させる。この状態で、制御装置10は、第1及び第2の鏡筒21及び22を介して撮影される撮影画像に基づいて、基準マークM1と基準マークM2との間の距離を算出する。
【0042】
制御装置10は、記憶部11に記憶させた基準距離Dと算出された距離との差分が±3μmのような第2の閾値を超えるとき、組立工程を異常停止させる。
【0043】
制御装置10は、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が第1の閾値以下で第1の閾値より小さい±3μmのような第3の閾値を超えるとき、基準画像位置Gと画像位置G1との差分を、2視野カメラ2が生成する撮影画像上の座標を物理的な座標に変換するときに反映させて物理的な座標を補正することが好ましい。制御装置10は、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が第1の閾値以下で第3の閾値を超えるとき、画像位置G1を新たな基準画像位置Gとして記憶部11に記憶させることが好ましい。
【0044】
制御装置10は、基準画像位置Gと画像位置G1との差分が第3の閾値以下であるとき、記憶部11に記憶されている基準画像位置Gを維持した状態で、組立工程を繰り返せばよい。
【0045】
部品組立装置100によれば、部品組立装置100における構成要素に位置ずれが生じているか否かを判定して、位置ずれが生じている場合には適切な対応を取ることができる。部品組立装置100によれば、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22に位置ずれが生じておらず、ステージ1を移動させるときに位置ずれが生じているのか、ステージ1を移動させるときに位置ずれが生じておらず、第1の鏡筒21及び第2の鏡筒22に位置ずれが生じているのかを判定して、適切な対応を取ることができる。
【0046】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 ステージ
1a 部品載置面
1m ステージマーク
2 2視野カメラ
10 制御装置
11 記憶部
12 画像処理装置
13 ロボット
14 コンベア
21 第1の鏡筒
22 第2の鏡筒
23 撮像素子
31,M31 第1の部品
32,M32 第2の部品
M1,M2 基準マーク
MW マスターワーク