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特開2024-74447情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074447
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/00 20060101AFI20240524BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240524BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20240524BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G08B13/00 B
G08G1/00 A
G08B25/08 A
G08B25/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185584
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕也
【テーマコード(参考)】
5C084
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C084AA04
5C084BB40
5C084CC16
5C084DD01
5C084EE06
5C084FF02
5C084HH12
5C084HH13
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD13
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG67
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF10
5H181MB10
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】車両の盗難を相対的に早期に検知することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得部と、走行中の車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得部と、第1取得部によって取得した走行情報と、第2取得部によって取得した車両走行情報とに基づいて、車両の走行に関する走行内容が、車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定部と、推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得部と、
走行中の前記車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得部と、
前記第1取得部によって取得した走行情報と、前記第2取得部によって取得した車両走行情報とに基づいて、前記車両の走行に関する走行内容が、前記車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定部と、
前記推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記第1取得部は、前記車両の所定期間内の走行パターンと、所定期間内に前記車両を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、前記車両をユーザとは異なる第三者が運転をしていると推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、前記第2取得部によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報に基づいて、前記車両の位置を道路地図にマッピングして、前記車両を追跡する追跡部を備え、
前記出力制御部は、所定の出力として、前記追跡部による追跡内容を出力する
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記第2取得部によって、前記車両に搭載される監視装置の監視に基づいて前記車両の監視が不正に解除された可能性がある際に不正解除の可能性が有る旨の情報が含まれる車両走行情報を取得した場合、及び、監視装置が搭載されていない前記車両から送信される車両走行情報を取得した場合のうちの少なくとも一方の場合に、推定を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力制御部によって所定の出力を行った後、前記車両をユーザが運転している旨の正規運転情報を取得することが可能な第3取得部と、
前記第3取得部によって正規運転情報を取得した場合に対応する、前記車両の走行に関する車両走行情報を特定する特定部と、
前記第3取得部によって正規運転情報を所定回数以上取得した場合、前記特定部によって特定した車両走行情報に基づく、前記車両の走行パターンと、前記車両を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方を、例外情報として走行情報に記録する記録部と、
を備える請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得ステップと、
走行中の前記車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得した走行情報と、前記第2取得ステップによって取得した車両走行情報とに基づいて、前記車両の走行に関する走行内容が、前記車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定ステップと、
前記推定ステップによって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得機能と、
走行中の前記車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得機能と、
前記第1取得機能によって取得した走行情報と、前記第2取得機能によって取得した車両走行情報とに基づいて、前記車両の走行に関する走行内容が、前記車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定機能と、
前記推定機能によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の盗難が発生することがあるため、車両メーカ等は、車両の盗難に対して対処を行うシステムを車両に搭載させている。例えば、特許文献1に記載の車両監視システムは、リレーアタックにより車両の盗難が行われた場合、車内を撮像した画像を車両外部(例えば、車外にいるユーザ)の機器に送信し、そのユーザに不審者が車両を走行させていること(車両の盗難)を覚知させる。また、車両監視システムは、車内の画像に基づいて警察等に窃盗犯の人相を伝えることができ、車両の回収、犯人の逮捕につなげることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-77838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した車両監視システムでは、車内画像を機器に送信するが、その機器とユーザとが離れた状態にある場合には、相対的に早期に車両の盗難を覚知することができない可能性がある。
車両の盗難が発生した場合には相対的に早期に検知を行い、その車両を相対的に早期に発見することが求められている。
【0005】
本開示は、車両の盗難を相対的に早期に検知することが可能な情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得部と、走行中の車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得部と、第1取得部によって取得した走行情報と、第2取得部によって取得した車両走行情報とに基づいて、車両の走行に関する走行内容が、車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定部と、推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、車両の盗難を相対的に早期に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図3】追跡内容を出力する際の一例について説明するための図である。(A)は追跡内容を出力する際の第1例を示し、(B)は第2例を示し、(C)は第3例を示す。
図4】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
図5】変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、車両200が盗難されたことを推定する推定装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置100は、例えば、盗難された車両200を追跡する追跡装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置100は、例えば、盗難されたこと、及び、盗難された車両200の追跡内容を出力する出力装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
情報処理装置100は、走行情報及び車両走行情報を取得する。走行情報及び車両走行情報は、いずれも同一の車両200の走行に関する情報である。なお、「走行情報」は、「車両所有者識別用情報」と言い換えてもよい。
ここで特に、走行情報は、例えば、正規ユーザの運転に基づく、所定期間内の車両200の走行内容をまとめた情報等であってもよい。すなわち、走行情報は、例えば、所定期間内に生成される同一車両200の1又は複数の車両走行情報に基づいてその車両200の走行内容をまとめた情報等であってもよい。
一方、車両走行情報は、例えば、走行中の車両200で生成される情報である。すなわち、走行中の車両200は、車両走行情報を情報処理装置100等に送信する。なお、車両走行情報は、例えば、サーバ300を介して、リアルタイム(又は、略リアルタイム)で車両200から情報処理装置100に送信されてもよく、又は、サーバ300を介さずに、リアルタイム(又は、略リアルタイム)で車両200から情報処理装置100に送信されてもよい。
【0013】
情報処理装置100は、走行情報及び車両走行情報に基づいて、走行中の車両200の走行内容Aが、その車両200の所定期間内の走行内容Bと相違するかを推定する。
情報処理装置100は、例えば、走行内容としての車両200の位置及び走行範囲(行動範囲)等に基づいて、走行中の車両200の位置(走行内容A)が、所定期間内の走行範囲(例えば、車両200が日常的に走行する範囲)(走行内容B)と異なるかを推定してもよい(行動範囲の推定)。
また、情報処理装置100は、例えば、走行内容としての車両200の走行時刻及び走行時間帯等に基づいて、走行中の車両200の走行時刻(又は、走行時間帯)(走行内容A)が、所定期間内の走行時間帯(例えば、車両200が日常的に走行する際の時間帯)(走行内容B)と異なるかを推定してもよい(行動パターンの推定)。
また、情報処理装置100は、例えば、走行内容としての車両200の加速度(例えば、平均加速度)、走行速度(例えば、平均走行速度)、エンジンの回転数(例えば、平均回転数)及びブレーキの操作量(例えば、平均操作量)等(運転特性)に基づいて、走行中の車両200の運転特性(走行内容A)が、所定期間内の運転特性(例えば、車両200が日常的に走行する際の運転特性)(走行内容B)と異なるかを推定してもよい(運転特性の推定)。
【0014】
情報処理装置100は、上述した一例のような、走行中の車両200の走行内容Aが、所定期間内の走行内容Bと相違する場合(又は、相違すると推定した場合等)、走行中の車両200が盗難された可能性がある、すなわち、車両200が正規ユーザとは異なる第三者(例えば、窃盗犯等)が運転していると推定してもよい。
この場合、情報処理装置100は、所定の出力を行う。すなわち、情報処理装置100は、例えば、所定の出力として、車両200の正規ユーザが使用するユーザ端末410に対して、警告等の通知を行ってもよい。また、情報処理装置100は、所定の出力として、警備会社及び警察等が使用する端末420に対して、警告等の通知を行ってもよい。なお、ユーザ端末410及び端末420をまとめて、通知端末400と言う場合がある。
【0015】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0016】
情報処理装置100は、例えば、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110等を備える。通信部121、記憶部122及び表示部123は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部110は、例えば、第1取得部111、第2取得部112、推定部113、追跡部114、出力制御部115、第3取得部116、特定部117及び記録部118等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、第1取得部111、第2取得部112、推定部113、追跡部114、出力制御部115、第3取得部116、特定部117及び記録部118等)の機能を実現してもよい。
【0017】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。通信部は、例えば、車両200、サーバ300及び通知端末400(ユーザ端末410及び端末420)等と通信を行ってもよい。
【0018】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部122は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
記憶部122は、道路地図に関する地図情報を記憶してもよい。
【0019】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0020】
第1取得部111は、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する。なお、「走行情報」は、「車両所有者識別用情報」と言い換えてもよい。
第1取得部111は、例えば、サーバ300又は車両200から走行情報を取得してもよい。すなわち、第1取得部111は、例えば、サーバ300又は車両200で生成された走行情報を、通信部121を介して取得してもよい。
又は、第1取得部111は、例えば、後述する第2取得部112で取得する車両走行情報に基づいて、自ら、走行情報を生成し取得してもよい。
【0021】
一例として上述したように、第1取得部111は、第2取得部112で取得する車両走行情報に基づいて、走行情報を生成する。この場合、第1取得部111は、所定期間内に同一の車両で生成される1又は複数の車両走行情報に基づいて、走行情報を生成してもよい。所定期間は、例えば、現在に近い期間であることが望ましく、適宜設定される期間等であってもよい。具体的な一例として、所定期間は、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、8ヶ月、9ヶ月及び1年等の種々の期間であってもよい。
【0022】
第1取得部111は、例えば、同一車両の車両走行情報に基づいて、所定期間内のその車両の走行パターン及び運転特性のうち少なくとも一方をまとめることにより、走行情報を生成してもよい。走行パターンは、例えば、車両の走行範囲(行動範囲)及び車両の行動パターンのうち少なくとも一方を含む。
【0023】
第1取得部111は、例えば、所定期間内の同一車両の複数の位置情報(車両の走行位置を示す情報)を集計し、その車両の走行範囲(行動範囲)をまとめる。すなわち、第1取得部111は、例えば、車両が日常的に走行する範囲(行動範囲)を取得する。
【0024】
また、第1取得部111は、例えば、所定期間内の同一車両の複数の時刻情報(車両が走行中に取得する時刻の情報)を集計し、その車両の走行時間帯としてまとめる。すなわち、第1取得部111は、例えば、車両が日常的に走行する時間帯(行動パターン)を取得する。ここで、時間帯は、例えば、第1時刻から第2時刻までの時間等に応じた時間帯であってもよく、カレンダの日付、曜日、稼働日及び月等に応じた時間帯(時間帯Z)であってもよい。時間帯Zは、例えば、日付別、月初若しくは月末等の別、曜日別、平日若しくは休日の別、及び、季節、年末年始、年度末若しくは年度初等の別それぞれに応じた時間帯等であってもよい。
【0025】
また、第1取得部111は、例えば、所定期間内の同一車両の複数の運転特性を集計し、車両が日常的に走行する際の運転特性を取得する。運転特性の一例は、車両に加わる加速度(例えば、平均加速度)、車両の走行速度(例えば、平均走行速度)、車両エンジンの回転数(例えば、平均回転数)、及び、車両に搭載されるブレーキの操作量(例えば、平均操作量)等を含んでもよい。具体的な一例として、第1取得部111は、車両が日常的に走行する際の走行速度の範囲(走行速度幅)を取得してもよい。第1取得部111は、例えば、走行速度を除く他の運転特性についても、日常的な、加速度の範囲(加速度幅)、回転数の範囲(回転数幅)及びブレーキの操作量の範囲(操作量幅)等を取得する。なお、運転特性には、例えば、ハンドルの単位時間当たりの回転角度(回転角度幅)等が含まれてもよい。
【0026】
すなわち上述したように、第1取得部111は、車両200の所定期間内の走行パターンと、所定期間内に車両200を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得してもよい。第1取得部111は、例えば、後述する正規ユーザが所定期間内に車両200を運転する際の走行パターン及び運転特性のうち少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得してもよい。
この場合、第1取得部111は、例えば、走行パターンを道路地図と対応付けて、すなわち、車両の日常圏の傾向及び車両が走行する時間帯を道路地図に対応付けることにより、走行情報を生成してもよい。
同様に、第1取得部111は、例えば、運転特性を道路地図に対応付けて、すなわち、車両走行情報に基づく加速度、走行速度、エンジン回転数及びブレーキ操作量等を道路地図に対応付けることにより、走行情報を生成してもよい。一例として、運転特性を対応付けることには、各運転特性が取得された位置を道路地図上の位置に対応付けること等であってもよい。
【0027】
なお一例として、1台の車両は、複数のユーザが使用する場合がある。一例として、1家族が1台の車両を共有する場合、及び、企業の複数の従業員が1台の車両を共有する場合等である。この場合、それらの車両に対しては、家族又は従業員が正規ユーザとなる。
したがって、第1取得部111は、例えば、車両のユーザ(正規ユーザ)毎に走行情報を取得してもよい。この場合、車両走行情報には、車両を運転しているユーザ(正規ユーザ)を識別するユーザ識別情報が記録されてもよい。すなわち、第1取得部111は、例えば、車両走行情報(及びユーザ識別情報)に基づいて、車両のユーザ(正規ユーザ)毎の所定期間内の走行パターンと、その車両のユーザ(正規ユーザ)毎の所定期間内の運転特性とのうちの少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得してもよい。第1取得部等の処理においては、正規ユーザ毎の走行パターン及び運転特性の取得の概念は、車両の走行パターン及び運転特性の取得の概念に含まれてもよい。
【0028】
第1取得部111は、例えば、サーバ300又は車両200から走行情報を取得する場合がある。
この場合、サーバ300又は車両200が、上述した第1取得部111によって走行情報を取得する場合と同様の処理により、同一車両(及びユーザ毎)の走行情報を生成してもよい。
【0029】
第2取得部112は、走行中の車両200から車両の走行に関する車両走行情報を取得する。第2取得部112は、例えば、通信部121を介して、車両200又はサーバ300から車両走行情報を取得する。
第2取得部112がサーバ300から車両走行情報を取得する場合、車両200は、サーバ300に対して車両走行情報を送信する。なお、車両200は、例えば、エンジンの始動から停止までの間の一例の走行等に基づいて、車両走行情報を生成してもよい。この場合でも、第2取得部112は、車両200から送信された車両走行情報を、リアルタイム(又は、略リアルタイム)で、サーバ300を介して取得してもよい。
【0030】
車両走行情報は、例えば、CAN情報及びプローブ情報等を含んでもよい。また、車両走行情報は、例えば、車両200が走行する際にその車両200で取得される位置情報及び時刻情報、並びに、車両200の運転特性の情報(運転特性情報)を含んでもよい。運転特性(運転特性情報)は、例えば、車両200に加わる加速度(例えば、平均加速度)(加速度情報)、車両200の走行速度(例えば、平均加速度)(走行速度情報)、車両200のエンジンの回転数(例えば、平均回転数)(回転数情報)、及び、車両200に搭載されるブレーキの操作量(例えば、平均操作量)(操作量情報)等を含んでもよい。
【0031】
推定部113は、第1取得部111によって取得した走行情報と、第2取得部112によって取得した車両走行情報とに基づいて、車両200の走行に関する走行内容(走行内容A)が、車両200の所定期間内の走行に関する内容(走行内容B)と相違するかを推定する。すなわち、推定部113は、車両走行情報に基づく走行中の車両の走行内容Aが、走行情報に基づくその車両の所定期間内の走行内容Bと相違するかを推定する。また、推定部113は、例えば、同一車両を複数のユーザが使用する場合、走行内容Aが、その複数のユーザ全ての走行内容Bと相違するかを推定してもよい。
【0032】
推定部113は、例えば、走行内容としての車両の位置及び走行範囲(行動範囲)等に基づいて、走行中の車両の位置(走行内容A)が、所定期間内の走行範囲(走行内容B)内にあるか(又は、走行範囲内にあるか)等を推定してもよい(行動範囲の推定)。
【0033】
また、推定部113は、例えば、走行内容としての車両の走行時刻及び走行時間帯等に基づいて、走行中の車両の走行時刻(又は、走行時間帯)(走行内容A)が、所定期間内の走行時間帯(走行内容B)の範囲内にないか(又は、走行時間帯の範囲内にあるか)等を推定してもよい(行動パターンの推定)。
【0034】
また、推定部113は、例えば、走行内容としての車両の加速度、走行速度、エンジンの回転数及びブレーキの操作量等のうち少なくとも1つの運転特性に基づいて、走行中の車両の運転特性(走行内容A)が、所定期間内の運転特性(走行内容B)の範囲内にないか(又は、運転特性の範囲内にあるか)等を推定してもよい(運転特性の推定)。
【0035】
推定部113は、車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、車両200をユーザとは異なる第三者が運転をしていると推定してもよい。すなわち、推定部113は、上述した一例の行動範囲、行動パターン及び運転特性それぞれの推定のうち少なくとも1つに基づいて、走行中の車両の走行内容Aが、所定期間内の走行内容Bと相違する場合(又は、相違すると推定した場合等)、走行中の車両が盗難された可能性がある、すなわち、車両が正規ユーザとは異なる第三者(例えば、窃盗犯等)が運転していると推定してもよい。
なお一例として、推定部113は、行動範囲、行動パターン及び運転特性それぞれの推定のうち1つの推定(又は、2つの推定若しくは3つの推定)において、走行中の車両の走行内容Aが、所定期間内の走行内容Bと相違する場合、走行中の車両が盗難された可能性があると推定してもよい。
【0036】
推定部113は、第2取得部112によって、車両200に搭載される監視装置201(図1参照)の監視に基づいて車両200の監視が不正に解除された可能性がある際に不正解除の可能性が有る旨の情報が含まれる車両走行情報を取得した場合、及び、監視装置201が搭載されていない車両200から送信される車両走行情報を取得した場合のうちの少なくとも一方の場合に、推定を行ってもよい。
【0037】
監視装置201は、例えば、車両に搭載される種々のセンサ装置、及び、車内(及び、車外)を撮像する撮像装置(カメラ装置)等であってもよい。監視装置201は、例えば、車両の盗難の恐れがある場合に種々の不具合等を検知する。監視装置201は、例えば、正規ユーザが車両を使用しない場合(車両を駐車させる場合)に、正規ユーザの操作に基づいて作動する。また、監視装置201は、例えば、正規ユーザが車両を使用する場合、正規ユーザの操作に基づいて作動を停止する。
窃盗犯が車両を盗む場合、その窃盗犯は、正規ユーザが行うような正しい操作ではなく、不正操作により監視装置201による監視を解除する可能性がある(不正解除)。監視装置201は、そのような不正操作(正規の操作とは異なる操作)を検出することが可能である。この場合、監視装置201は、不正解除の可能性がある旨の情報(不正解除情報)を車両走行情報に含ませてもよい。
同様に、監視装置201は、監視の解除がされていない旨の情報(非解除情報)を車両情報に含ませてもよい。
【0038】
推定部113は、第2取得部112によって取得する車両走行情報に不正解除情報又は非解除情報が含まれている場合、車両の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違するかを推定してもよい。すなわちこの場合、推定部113は、車両を正規ユーザとは異なる第三者(例えば、窃盗犯等)が運転をしているかを推定してもよい。
【0039】
また、車両には、上述した一例のような監視装置201が搭載されない場合もある。車両は、車両走行情報に不正解除情報及び非解除情報を含ませることができない。
この場合、推定部113は、第2取得部112によって不正解除情報及び非解除情報(監視装置201に関する情報)等が含まれていない車両走行情報を取得した際でも、車両の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違するかを推定してもよい。すなわち、推定部113は、車両を正規ユーザとは異なる第三者(例えば、窃盗犯等)が運転をしているかを推定してもよい。
【0040】
追跡部114は、推定部113によって車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、第2取得部112によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報に基づいて、車両200の位置を道路地図にマッピングして、車両200を追跡する。すなわち、追跡部114は、例えば、走行中の車両(盗難と推定される車両)の位置情報を、道路地図にマッピングする。この場合、追跡部114は、例えば、その車両の位置を、リアルタイム(略リアルタイム)で道路地図にマッピングしてもよい。追跡部114は、道路地図にマッピングした車両の位置に基づいて、その車両を追跡してもよい。
【0041】
この場合、追跡部114は、例えば、車両走行情報に含まれる位置情報及び時刻情報等に基づいて、道路地図にマッピングされる車両の位置に対応付けて、その車両の走行時刻を道路地図に記録してもよい。すなわち、追跡部114は、例えば、車両の位置と、その位置に対応する走行時刻とを、道路地図に記録してもよい。
また、追跡部114は、例えば、道路地図にマッピングした車両の位置に基づいて、その車両の走行軌跡を道路地図に記録してもよい。
【0042】
出力制御部115は、推定部113によって車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、所定の出力を行う。この場合、出力制御部115は、例えば、所定の出力を行うよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
一例として、出力制御部115は、所定の出力として、車両の正規ユーザが使用するユーザ端末410に対して、警告等の通知を行うよう通信部121を制御してもよい。また一例として、出力制御部115は、所定の出力として、警備会社及び警察等が使用する端末420に対して、警告等の通知を行うよう通信部121を制御してもよい。上述したユーザ端末410及び端末420(通知端末400)は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等であってもよい。警告は、例えば、車両が盗難にあった可能性がある旨の警告等であってもよい。車両の正規ユーザは、例えば、車両を使用する家族及び従業員等のユーザ等であってもよい。
また一例として、出力制御部115は、所定の出力として、走行内容Aが走行内容Bと相違する旨の情報、及び、走行内容Aが走行内容Bと相違することとなった時刻(異常発生時刻)の情報等をログ(ログ情報)として記憶するよう記憶部122を制御してもよい。
また一例として、出力制御部115は、所定の出力として、警告等を表示するよう表示部123を制御してもよい。この場合でも警告は、例えば、車両が盗難にあった可能性がある旨の警告等であってもよい。
【0043】
図3は、追跡内容を出力する際の一例について説明するための図である。図3(A)は追跡内容を出力する際の第1例を示し、図3(B)は第2例を示し、図3(C)は第3例を示す。
【0044】
出力制御部115は、所定の出力として、追跡部114による追跡内容を出力してもよい。すなわち、出力制御部115は、例えば、走行中の車両(盗難と推定される車両)の位置がマッピングされた道路地図、及び、走行中の車両(盗難と推定される車両)の位置(例えば、座標等)のうちの少なくとも一方を出力するよう出力部を制御してもよい。なお、出力制御部115は、例えば、車両の走行位置と共に、対応する走行時刻、及び、走行軌跡を道路地図と共に出力するよう出力部を制御してもよい。この場合においても出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
一例として図3(A)に示すように、出力制御部115は、所定の出力として、走行中の車両200の位置510をマッピングした道路地図520を出力するよう出力部を制御してもよい。
また一例として図3(B)に示すように、出力制御部115は、所定の出力として、走行中の車両200の位置510と、その位置510に対応する走行時刻530とを道路地図520に記録して出力するよう出力部を制御してもよい。
また一例として図3(C)に示すように、出力制御部115は、所定の出力として、走行中の車両200の位置510と、その位置510の軌跡(走行軌跡)510Aと、その位置510に対応する走行時刻530とを道路地図520に記録して出力するよう出力部を制御してもよい。なお、図3(C)では、車両200の位置510として、二重の点で示す現在の位置と、点で示す過去の位置とを含むものであってもよい。走行軌跡510Aは、車両200の現在の位置と過去の位置と含む複数の位置510で形成される軌跡であってもよい。
【0045】
ここで、制御部110は、例えば、通信部121を介して、走行中の車両(盗難と推定される車両)に搭載される撮像装置(カメラ装置)(監視装置201)から画像情報を取得してもよい。この場合、制御部110(第2取得部112)は、例えば、画像情報を含む車両走行情報を取得してもよい。制御部110は、例えば、推定部113によって上述した推定を行った際に利用した車両走行情報に含まれる画像情報(盗難が発生した際(車両が停車している際)に時間的に前後する画像情報)(犯行時刻画像情報)を特定してもよい。
出力制御部115は、走行中の車両から取得した画像(画像情報)、及び、上述したように特定した犯行時刻の画像(犯行時刻画像情報)のうちの少なくとも一方を出力するよう出力部を制御してもよい。
この場合、出力制御部115は、例えば、上述した走行中の車両の位置をマッピングした道路地図の出力と、画像の出力とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。すなわち、出力制御部115は、例えば、走行中の車両の位置をマッピングした道路地図と、その車両で取得された画像との両方を対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。
【0046】
また、制御部110は、例えば、通信部121を介して、走行中の車両(盗難と推定される車両)からシートベルト着用状況及びドア開閉状況を取得してもよい。シートベルト着用状況及びドア開閉状況の情報は、例えば、車両走行情報に含まれてもよい。この場合、制御部110(第2取得部112)は、例えば、シートベルト着用状況及びドア開閉状況の情報を含む車両走行情報を取得してもよい。制御部110は、例えば、シートベルト着用状況及びドア開閉状況のうち少なくとも一方に基づいて、走行中の車両(盗難と推定される車両)に乗車した人数を推定してもよい。
出力制御部115は、上述したように推定した人数を出力するよう出力部を制御してもよい。
この場合、出力制御部115は、例えば、上述した走行中の車両の位置をマッピングした道路地図を出力と、上述した画像の出力と、人数の出力とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。すなわち、出力制御部115は、例えば、走行中の車両の位置をマッピングした道路地図と、その車両で取得された画像と、その車両に乗車する人数とを対応付けて出力するよう出力部を制御してもよい。
【0047】
第3取得部116は、上述した一例のように出力制御部115によって所定の出力を行った後、車両200を正規ユーザが運転している旨の正規運転情報を取得することが可能であってもよい。第3取得部116は、例えば、通信部121を介して、車両200又はユーザ端末410から正規運転情報を取得してもよい。正規運転情報は、車両の正規ユーザを示す情報であってもよい。正規ユーザは、例えば、情報処理装置100から通知を受けた場合でも、その通知の対象となった車両200の運転が自身である際には、種々の方法により、車両200を運転しているドライバが自身(正規ユーザ)である旨の入力を、車両200又はユーザ端末410に対して行うことが可能である。
【0048】
第3取得部116は、例えば、正規ユーザが使用するユーザ端末410(所定の出力を行ったユーザ端末410)から、正規ユーザである旨の返信が有った場合、その返信を正規運転情報として取得してもよい。
また、第3取得部116は、例えば、盗難が推定された車両から、正規ユーザが運転している旨の種々の通知があった場合、その返信を正規運転情報として取得してもよい。
【0049】
特定部117は、第3取得部116によって正規運転情報を取得した場合に対応する、車両200の走行に関する車両走行情報を特定する。すなわち、特定部117は、例えば、第3取得部116で正規運転情報を取得した際に対応する、第2取得部112で取得した車両走行情報を特定する。特定部117は、例えば、上述したように推定部113によって車両の車両走行情報に基づき推定を行い、出力制御部115によってその推定に応じてその車両の正規ユーザに所定の出力を行っているため、第3取得部116によって正規ユーザからの返信(正規運転情報)を取得すると、その返信(正規運転情報)に対応する車両走行情報を特定することが可能である。
【0050】
記録部118は、第3取得部116によって正規運転情報を所定回数以上取得した場合、特定部117によって特定した車両走行情報に基づく、車両200の走行パターンと、その車両200を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方を、例外情報として走行情報に記録する。
すなわち、記録部118は、第3取得部116によって同一車両(又は、同一の正規ユーザ)に対応して正規運転情報を取得した回数を閾値以上取得した場合、対応する車両走行情報については正規ユーザが車両を運転することに基づいて車両で生成されたと推定してもよい。
具体的な一例として、記録部118は、走行情報に基づく同一車両の走行範囲(行動範囲)を超えて、その車両の正規ユーザが運転するようになったと推定してもよい。これは、行動パターン及び運転特性の場合も同様である。
したがって、記録部118は、走行情報に記録される、走行範囲(行動範囲)、行動パターン、及び、運転特性うちの少なくとも1つを超えて正規ユーザが運転をするようになった旨を例外情報として、その走行情報に記録する。すなわち、記録部118は、例外となったパターン(走行パターン又は運転特性)では、次回以降でさらに、正規ユーザとは異なる第三者(例えば、窃盗犯等)が車両を運転していると推定しないために、その例外となったパターンを走行情報に記録する。
【0051】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図4は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0052】
ステップST101において、第1取得部111は、車両200の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する。第1取得部111は、例えば、車両200の所定期間内の走行パターンと、所定期間内に車両200を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得してもよい。
【0053】
ステップST102において、第2取得部112は、走行中の車両200から車両の走行に関する車両走行情報を取得する。
【0054】
ステップST103において、推定部113は、ステップST101で取得した走行情報と、ステップST102で取得した車両走行情報とに基づいて、車両200の走行に関する走行内容(走行内容A)が、車両200の所定期間内の走行に関する内容(走行内容B)と相違するかを推定する。推定部113は、車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、車両200を正規ユーザとは異なる第三者が運転をしていると推定してもよい。
この場合、推定部113は、ステップST102で不正解除情報を含む車両走行情報を取得した場合、及び、監視装置201が搭載されていない車両200から送信される車両走行情報を取得した場合のうちの少なくとも一方の場合に、推定を行ってもよい。
【0055】
ステップST104において、追跡部114は、ステップST103で車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、ステップ102で取得した車両走行情報に含まれる位置情報に基づいて、車両200の位置を道路地図にマッピングして、車両200を追跡する。
【0056】
ステップST105において、出力制御部115は、ステップST103で車両200の走行内容Aが所定期間内の走行内容Bと相違すると推定した場合、所定の出力を行う。また、出力制御部115は、所定の出力として、ステップST104での追跡内容を出力してもよい。
【0057】
ステップST106において、第3取得部116は、ステップST105で所定の出力を行った後、正規運転情報を取得してもよい。
【0058】
ステップST107において、特定部117は、ステップST106で正規運転情報を取得した場合に対応する、車両200の走行に関する車両走行情報を特定する。
【0059】
ステップST108において、記録部118は、ステップST106で正規運転情報を所定回数以上取得した場合、ステップST107で特定した車両走行情報に基づく、車両200の走行パターンと、車両200を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方を、例外情報として走行情報に記録する。
【0060】
[機能及び回路について]
次に、上述した情報処理装置100の機能及び回路について説明する。
情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の第1取得部111、第2取得部112、推定部113、追跡部114、出力制御部115、第3取得部116、特定部117及び記録部118(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による第1取得機能、第2取得機能、推定機能、追跡機能、出力制御機能、第3取得機能、特定機能及び記録機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の第1取得部111、第2取得部112、推定部113、追跡部114、出力制御部115、第3取得部116、特定部117及び記録部118(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する第1取得回路、第2取得回路、推定回路、追跡回路、出力制御回路、第3取得回路、特定回路及び記録回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0061】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0062】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図5は、変形例について説明するための図である。
【0063】
本変形例では、走行情報を取得した車両(対象車両)210が他車両220に対してあおり運転を行った場合を考える。
この場合、他車両220は、あおり運転をされた旨を警察600に通報する(図5の(1)参照)。
警察600は、通報を受け付けると、情報処理装置100に対して情報の提供を要請する旨のリクエストを行う(図5の(2)参照)。
情報処理装置100は、上述したリクエストと共に、他車両220の現在位置を取得するため、上述した実施形態の処理を利用して、道路地図に紐づいた走行情報の以下の情報を確認する。
(i)現在地
(ii)カメラ装置(車載カメラ211)で進行方向を撮像した画像(あおり運転の実映像)
(iii)車両走行情報から取得した、車両210の特定・識別が可能な情報(車両情報)
すなわち、情報処理装置100は、他車両220の現在位置に対応する位置にある車両210に対して、情報をアップロードするよう指示する(図5の(3)参照)。
車両210は、情報アップロード指示に応じて、例えば、車載カメラ211で撮像した画像(画像情報)及び位置情報を情報処理装置100にアップロードする(図5の(4)参照)。
情報処理装置100は、走行情報に含まれる種々の情報と、アップロードされた画像(実映像)とを速やかに警察600に提供する(図5の(5)参照)。
上述した(1)~(5)の仕組みを情報処理システム等として構築することにより、あおり運転を行ったユーザを早期に検挙することが可能である。また、上述した(1)~(5)の仕組みが有ることにより、あおり運転自体の抑制効果も期待できる。
【0064】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0065】
ここで、本開示の内容が提供される背景として、近年、スマートキーの微弱電波を利用したリレーアタック、及び、CANに侵入し監視装置を作動させずに解錠・エンジン始動を行うCANインベーダといった手口による車両盗難が増加している。各車両メーカはイモビライザを始め、指紋認証等の新たな対策を講じているものの、車両窃盗団も次々と新たな盗難手段を見出し、車両盗難を完全に撲滅することができないのが実状である。
リレーアタック及びCANインベーダの手口は、車両の監視装置を作動させずに車両の解錠・エンジン始動が行われるため、車両盗難の検知が遅れる可能性がある。エンジンの始動があった際、車両所有者にメールを送信するサービスも存在するが、夜間の就寝時間帯に犯行が行われるケースも多く、マナーモードにしている場合等、メールに気が付かないこともある。車両盗難を撲滅するためには、盗難車両がヤード及び輸出用コンテナに隠される前に早期検知し、犯人の検挙に繋げることが重要である。
そこで、本開示では、以下のような一態様とすることにより、車両盗難を早期検知し、犯人の検挙に繋げることができる。
【0066】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得部と、走行中の車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得部と、第1取得部によって取得した走行情報と、第2取得部によって取得した車両走行情報とに基づいて、車両の走行に関する走行内容が、車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定部と、推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、車両の盗難を相対的に早期に検知することができる。
また、情報処理装置は、例えば、所定の出力として、ユーザ端末の他に、警備会社等の端末にも出力を行ってもよいため、ユーザ(正規ユーザ)とユーザ端末とが離れた状態であっても、警備会社等によって車両の盗難を検知することができる。
【0067】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、第1取得部は、車両の所定期間内の走行パターンと、所定期間内に車両を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方に基づいて、走行情報を取得することとしてもよい。
車両の走行パターン及び運転特性は、例えば、ユーザによってそれぞれ異なり、また同一ユーザについては所定期間内では略一定となると考えられる。
情報処理装置は、そのような車両の走行パターン及び運転特性を利用することにより、車両の正規ユーザか又は第三者(窃盗犯)かを推定することができる。
【0068】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、推定部は、車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、車両をユーザとは異なる第三者が運転をしていると推定することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、上述したように所定期間内の(日常的な)走行パターン及び運転特性はユーザに応じて略一定となると考えられるため、それとは異なる場合には車両を第三者(窃盗犯)が運転していると推定できる。
【0069】
(態様4)
一態様の情報処理装置は、推定部によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、第2取得部によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報に基づいて、車両の位置を道路地図にマッピングして、車両を追跡する追跡部を備え、出力制御部は、所定の出力として、追跡部による追跡内容を出力することとしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両を追跡できるため、正規ユーザとは異なる第三者(窃盗犯)の検挙に繋げることができる。
【0070】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、推定部は、第2取得部によって、車両に搭載される監視装置の監視に基づいて車両の監視が不正に解除された可能性がある際に不正解除の可能性が有る旨の情報が含まれる車両走行情報を取得した場合、及び、監視装置が搭載されていない車両から送信される車両走行情報を取得した場合のうちの少なくとも一方の場合に、推定を行うこととしてもよい。
これにより、情報処理装置は、全ての車両走行情報に基づいて推定部により推定処理を行う場合に比べて、推定部による推定処理(例えば、処理負担等)を軽減することができる。
【0071】
(態様6)
一態様の情報処理装置は、出力制御部によって所定の出力を行った後、車両をユーザが運転している旨の正規運転情報を取得することが可能な第3取得部と、第3取得部によって正規運転情報を取得した場合に対応する、車両の走行に関する車両走行情報を特定する特定部と、第3取得部によって正規運転情報を所定回数以上取得した場合、特定部によって特定した車両走行情報に基づく、車両の走行パターンと、車両を運転する際の運転特性とのうちの少なくとも一方を、例外情報として走行情報に記録する記録部と、を備えることとしてもよい。
正規ユーザは、所定期間内の(日常的な)走行パターン及び運転特性を超えて、車両を運転する場合がある。一例として、正規ユーザの任意対象に対する興味の追加及び旅行等に応じて、その正規ユーザの行動範囲が広がることもある。「興味の追加」の具体的一例は、日常的に市街地を走行していた場合に、郊外に立地する施設に通い始めた等であってもよい。
このような場合、情報処理装置は、例外情報を生成して走行情報に記録することにより、その記録の後では、正規ユーザにより車両の運転を第三者(窃盗犯)の運転として推定することがなくなり、より適切な推定処理を行うことができる。
【0072】
(態様7)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得ステップと、走行中の車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得ステップと、第1取得ステップによって取得した走行情報と、第2取得ステップによって取得した車両走行情報とに基づいて、車両の走行に関する走行内容が、車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定ステップと、推定ステップによって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0073】
(態様8)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、車両の所定期間内の走行に関する走行情報を取得する第1取得機能と、走行中の車両から車両の走行に関する車両走行情報を取得する第2取得機能と、第1取得機能によって取得した走行情報と、第2取得機能によって取得した車両走行情報とに基づいて、車両の走行に関する走行内容が、車両の所定期間内の走行に関する内容と相違するかを推定する推定機能と、推定機能によって車両の走行内容が所定期間内の走行内容と相違すると推定した場合、所定の出力を行う出力制御機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 情報処理装置
110 制御部
111 第1取得部
112 第2取得部
113 推定部
114 追跡部
115 出力制御部
116 第3取得部
117 特定部
118 記録部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部
200 車両
201 監視装置
300 サーバ
410 ユーザ端末
420 端末
図1
図2
図3
図4
図5