IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日本製鋼所の特許一覧

<>
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図1
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図2
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図3
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図4
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図5
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図6
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図7
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図8
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図9
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図10
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図11
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図12
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図13
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図14
  • 特開-塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074453
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 1/26 20060101AFI20240524BHJP
   B01F 23/30 20220101ALI20240524BHJP
   B01F 25/432 20220101ALI20240524BHJP
   B01F 31/445 20220101ALI20240524BHJP
   B01F 35/222 20220101ALI20240524BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20240524BHJP
   B29B 15/12 20060101ALI20240524BHJP
   B05B 1/04 20060101ALI20240524BHJP
   B05B 7/14 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B05B1/26 A
B01F23/30
B01F25/432
B01F31/445
B01F35/222
B01F35/75
B29B15/12
B05B1/04
B05B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185591
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】岩本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】服部 公治
(72)【発明者】
【氏名】田部 陽大
(72)【発明者】
【氏名】田代 晃
(72)【発明者】
【氏名】前田 俊樹
【テーマコード(参考)】
4F033
4F072
4G035
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4F033AA01
4F033BA02
4F033BA05
4F033CA05
4F033DA01
4F033EA01
4F033JA01
4F033LA09
4F033LA11
4F033LA13
4F033NA01
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
4F033QB12Y
4F033QB18
4F033QD07
4F033QD15
4F033QH03
4F072AA07
4F072AA08
4F072AB10
4F072AB28
4F072AG03
4F072AH05
4F072AH24
4F072AJ04
4F072AJ11
4F072AJ40
4G035AB34
4G035AC01
4G035AE13
4G036AB05
4G037AA11
4G037DA30
4G037EA01
4G037EA10
(57)【要約】
【課題】シート状繊維基材へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることができる塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置を提供する。
【解決手段】樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置に用いられる塗装ノズルであって、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第1樹脂粉体吐出口を含むエアーノズルと、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第2樹脂粉体吐出口と、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射され前記第2樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記第2樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、前記供給管内に配置された複数のコマミキサと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置に用いられる塗装ノズルであって、
前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第1樹脂粉体吐出口を含むエアーノズルと、
前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第2樹脂粉体吐出口と、
前記第1樹脂粉体吐出口から噴射され前記第2樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記第2樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、
前記供給管内に配置された複数のコマミキサと、を備え、
複数の前記コマミキサは、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射される樹脂粉体が、前記供給管内において、前記コマミキサへの衝突、当該衝突による分流、及び当該分流後の合流を複数回繰り返すことにより最終的に前記シート状繊維基材の幅方向に均一化又は概ね均一化され、前記第2樹脂粉体吐出口から均一又は概ね均一に噴射されるように配置されている塗装ノズル。
【請求項2】
前記供給管内には、前記シート状繊維基材の幅方向に配置された複数の前記コマミキサにより構成されるコマミキサ列が多段配置されている請求項1に記載の塗装ノズル。
【請求項3】
複数の前記コマミキサは、千鳥状に配置されている請求項2に記載の塗装ノズル。
【請求項4】
各々の前記コマミキサは、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射される空気及び樹脂粉体が衝突する上流側部分とその反対側の下流側部分を含み、
前記上流側部分は、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射され当該上流側部分に衝突する空気及び樹脂粉体を二等分に分流する形状に構成されている請求項1に記載の塗装ノズル。
【請求項5】
前記上流側部分は、半円柱形状である請求項4に記載の塗装ノズル。
【請求項6】
前記下流側部分は、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射された空気及び樹脂粉体が前記上流側部分に衝突した際、前記コマミキサの下流側に渦が発生しにくい形状に構成されている請求項4に記載の塗装ノズル。
【請求項7】
前記下流側部分は、三角柱形状である請求項6に記載の塗装ノズル。
【請求項8】
前記複数のコマミキサのうち少なくとも一部のコマミキサを揺動させるコマミキサ揺動機構をさらに備える請求項1に記載の塗装ノズル。
【請求項9】
前記複数のコマミキサのうち少なくとも一部のコマミキサを移動させるコマミキサ位置調整機構をさらに備える請求項1に記載の塗装ノズル。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項の塗装ノズルを備えたプリプレグ製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シート状繊維基材へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることができる塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
荷電された樹脂粉体を、高電圧が印加される電極(高電圧板)と搬送されるシート状繊維基材との間に形成された電界によるクーロン力及びエアーノズルから噴射されるエアの搬送力により、シート状繊維基材に付着させるように構成されたプリプレグ製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6121978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、エアーノズル(スリット)から樹脂粉体が不均一(スリットの長手方向に不均一)に噴射されるため、シート状繊維基材へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることが難しいという課題がある。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態に係る塗装ノズルは、樹脂粉体をシート状繊維基材に付着させてプリプレグを製造するプリプレグ製造装置に用いられる塗装ノズルであって、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第1樹脂粉体吐出口を含むエアーノズルと、前記シート状繊維基材の幅方向に延びたスリット状の第2樹脂粉体吐出口と、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射され前記第2樹脂粉体吐出口から前記シート状繊維基材に向けて噴射される空気及び樹脂粉体を前記第2樹脂粉体吐出口まで供給する供給管と、前記供給管内に配置された複数のコマミキサと、を備え、複数の前記コマミキサは、前記第1樹脂粉体吐出口から噴射される樹脂粉体が、前記供給管内において、前記コマミキサへの衝突、当該衝突による分流、及び当該分流後の合流を複数回繰り返すことにより最終的に前記シート状繊維基材の幅方向に均一化又は概ね均一化され、前記第2樹脂粉体吐出口から均一又は概ね均一に噴射されるように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
前記一実施の形態によれば、シート状繊維基材へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることができる塗装ノズル、及びプリプレグ製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す平面図である。
図2】本開示の実施形態に係るプリプレグ製造装置の構成概要を示す側面図である。
図3図2のA-A矢視図である。
図4】参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
図5】塗装ノズル100の斜視図である。
図6】(a)図5中の矢印AR4方向から見たエアーノズル41の矢視図、(b)図6(a)のB-B断面図である。
図7図5中の矢印AR8方向から見た塗装ノズル100の矢視図である。
図8図7からコマミキサ列1、2を抜き出した図(拡大図)である。
図9】(a)シミュレーション1においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布を表すグラフ、(b)シミュレーション1の結果(第2スリットSL2から噴射される樹脂粉体の分布)を表すグラフである。
図10】(a)シミュレーション2においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布を表すグラフ、(b)シミュレーション2の結果(第2スリットSL2から噴射される樹脂粉体の分布)を表すグラフである。
図11】(a)実験1で用いたコマミキサ110の斜視図、(b)実験1で用いた片側半分がカットされた形状のコマミキサ110の斜視図、(c)上段及び中段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110aの平面図、(d)下段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110bの平面図である。
図12図5中の矢印AR8方向から見た塗装ノズル100の矢視図である。
図13】実験1の結果試作した織物基材m1(プリプレグ)の幅方向樹脂付着均一性)を表すグラフである。
図14】(a)コマミキサ揺動機構160の一例、(b)コマミキサ110が揺動している様子を表す図、(c)コマミキサ110が揺動している様子を表す図である。
図15】コマミキサ110の制御例(コマミキサ制御処理)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<参考例>
図1から図3を参照して参考例のプリプレグ製造装置について説明する。
【0010】
参考例のプリプレグ製造装置は、樹脂粉体30を炭素繊維織物やUDテープなどのシート状繊維基材50に付着させてプリプレグを製造する装置であって、図1及び図2に示すように、シート状繊維基材50を間にして左右に設けられた2つのチャンバー31,32と、チャンバー31,32内にそれぞれ設けられた供給管37,38と、供給管37,38の端部にそれぞれ接続されたフラット型エアーノズル41,42と、供給管37,38にそれぞれ設けられた粉末樹脂帯電部43,44を主に備えている。
【0011】
チャンバー31,32は、矩形状の外殻31a,32aと、外殻31a,32aの内部に設けられた略矩形状で四角が丸みを帯びた内殻31b,32bを有している。
【0012】
外殻31a,32aのシート状繊維基材50側、すなわち、左側チャンバー31の右端(前面)及び右側チャンバー32の左端(前面)の位置は開放されていて、その間に樹脂粉体30が付着されるシート状繊維基材50が設置されている。また、外殻31a,32aのシート状繊維基材50側とは逆側、すなわち、左側チャンバー31の左端(後面)及び右側チャンバー32の右端(後面)の位置には排出口35,36が形成されている。排出口35,36には、排出口35,36から排出された樹脂粉体30を集める集塵機53,54が取付けられている。
【0013】
また、内殻31b,32bのシート状繊維基材50に相対向する前面位置、すなわち、左側チャンバー31の内殻31bの右端(前面)及び右側チャンバー32の内殻32bの左端(前面)の位置には開口部33,34が形成されている。開口部33,34の周囲には、全体を取り囲むように高電圧板51,52が設置されている。
【0014】
また、チャンバー31,32の内殻31b,32bは、外殻31a,32aに交わることなく仕切られた状態で設けられていて、外殻31a,32aと内殻31b,32bの間には、上下左右に開口部33,34から空気とともに吐出され付着しなかった樹脂粉体30が排出口35,36からチャンバー31,32の外側に排出されるような流路(隙間)45,46が形成されている。
【0015】
供給管37,38は、2つのチャンバー31,32の内殻31b,32b内の略中央の高さの位置にそれぞれ設けられ、その一端が開口部33,34まで略水平に延びている。また、供給管37,38の他端には、フラット型エアーノズル41,42が接続されている。
【0016】
フラット型エアーノズル41,42は、その本体部41a,42aが2つのチャンバー31,32の幅方向(図2においては紙面の表裏方向)に延び、本体部41a,42aのシート状繊維基材50側端部に、本体部41a,42aと同様にチャンバー31,32の幅方向に延びる長穴状の第1スリットSL1(図4参照)が形成され、第1スリットSL1からはカーテン状にエアーが噴射されるようになっている。第1スリットSL1が本開示の第1樹脂粉体吐出口の一例である。
【0017】
フラット型エアーノズル41,42の本体部41a,42aの基端には、一端に樹脂粉体30が投入される投入口47a,48aが設けられた投入管47,48の他端が接続されている。投入管47,48の他端はチャンバー31,32の内殻31b,32b内に入り込んでいるが、投入管47,48の一端は、チャンバー31,32の外部に位置し、その一端に設けられた投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入される。
【0018】
また、投口管47,48の略中央には、空気増幅装置Tを介してコンプレッサ39,40が接続されている。これにより、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気は、空気増幅装置Tで流速がさらに高められるとともに、投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって供給される樹脂粉体30に混合され、高圧の固気二相流としてフラット型エアーノズル41,42に押し込まれるようになっている。
【0019】
粉末樹脂帯電部43,44は、供給管37,38の略中央に設けられ、樹脂粉体30を空気とともにマイナス(逆にプラスでもよい)に帯電させるもので、高い電荷量が樹脂粉体30に与えられる。
【0020】
なお、樹脂粉体30としては、一般的に熱硬化性樹脂が使用されるが熱可塑性樹脂や天然樹脂などであってもよい。また、シート状繊維基材50は炭素繊維系以外の金属繊維や鉱物繊維やガラス繊維や合成繊維からなるものであってもよい。
【0021】
また、シート状繊維基材50はグランド接続されていて、チャンバー31,32の内殻31b,32bに形成された開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52との間に高圧の電界がかけられている。
【0022】
このように構成されたプリプレグ製造装置を使用してプリプレグを製造する方法について説明する。
【0023】
投入管47,48の投入口47a,48aから定量フィーダーなどによって定量の樹脂粉体30が連続的に投入されると、樹脂粉体30は、コンプレッサ39,40から送られた圧縮空気が空気増幅装置Tによってその流速がさらに高められた高圧の空気と投入管47,48の内部で混合された後、フラット型エアーノズル41,42に押し込まれる。
【0024】
これにより、フラット型エアーノズル41,42の噴射スリットから供給管37,38内に風速が均一化され、樹脂粉体30と空気が混合された固気二相流がエアーカーテン状に送られるとともに、供給管37,38に設けられた粉末樹脂帯電部43,44によって樹脂粉体30と空気がともにマイナスに帯電させられる。
【0025】
そして、帯電された樹脂粉体30と空気が混合された固気二相流は、チャンバー31,32の開口部33,34(本開示の第2樹脂粉体吐出口の一例。図4参照。以下、第2スリットSL2とも記載する)から吐出させられ、シート状繊維基材50に吹き付けられる。このとき、開口部33,34の周囲に設置された高電圧板51,52によって、開口部33,34とグランド接続されたシート状繊維基材50の間には、高圧の電界がかけられているとともに、開口部33,34側に負の高電圧がかけられるようにすると、マイナスに帯電された樹脂粉体30は勢いよく開口部33,34からシート状繊維基材50に向かって吐出してそのままシート状繊維基材50に強固な接着力で付着され、プリプレグが製造される。
【0026】
なお、樹脂粉体30が粉末樹脂帯電部43,44によってプラスに帯電される場合には、高電圧板51,52によって開口部33,34側には正の高電圧がかけられる。
【0027】
なお、本明細書においては、プリプレグは、セミプレグを含む。
【0028】
なお、シート状繊維基材50に付着されなかった樹脂粉体30は、2つのチャンバー31,32の外殻31a,32aと内殻31b,32bの間に形成された流路45,46を介して外殻31a,32aの後面側に流され、排出口35,36から2つのチャンバー31,32の外側に排出される。
【0029】
排出された樹脂粉体30は、排出口35,36に接続された集塵機53,54によって、集められ再利用できるようにしている。本実施形態では、図1に示したように、集塵機53,54で集められた樹脂粉体30を再度、定量フィーダーなどを介して投入管47,48の投入口47a,48aに投入し、コンプレッサ39,40を介して空気とともにフラット型エアーノズル41,42に押し込むようにしている。
【0030】
これによれば、シート状繊維基材50を間にして左右に外殻31a,32aと内殻31b,32bで構成されたチャンバー31,32を設け、チャンバー31,32の内殻31b,32bにはそれぞれフラット型エアーノズル41,42が設けられた構成であるので、装置全体が小型化され省スペース化が図られるとともにシート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30が同時に付着させられる。
【0031】
しかも、フラット型エアーノズル41,42を採用したことで、樹脂粉体30が空気と混合されて供給管37,38の後側から高圧でかつ均一の流速で押し込まれるので、供給管37,38内で帯電させられた樹脂粉体30と空気からなる固気二相流の流速は速く、しかも均一化されるために、通常使用されていた整流装置やブロワーは不要となり、これ
によっても装置全体の小型化が図れる。
【0032】
なお、本参考例では、2つのチャンバー31,32間にシート状繊維基材50を固定して両面に樹脂粉体30を同時に付着させるようにしたが、シート状繊維基材50自体を上方向又は下方向に連続的に搬送可能な搬送装置をさらに備えるようにすることで、シート状繊維基材50の両面に対して樹脂粉体30を広範囲にわたってしかも単時間に連続して付着させることができる。
【0033】
また、本参考例では、チャンバー31,32の開口部33,34の周囲に高電圧板51,52を設置してシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30がより強固に付着するようにしたが、高電圧板51,52,粉末樹脂帯電部43,44を省いてもシート状繊維基材50に対して樹脂粉体30を付着させることはできる。
【0034】
次に、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法について説明する。
【0035】
図4は、参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法を説明するための図である。
【0036】
以下、シート状繊維基材50として織物基材を用いる。織物基材とは、横糸及び縦糸に相当する繊維により構成されるシート状繊維基材をいう。以下、織物基材m1と記載する。なお、説明を簡略化するため、図4には、開口部33(第2スリットSL2)のみを記載し、開口部34を省略した。以下の説明も、第2スリットSL2側の動作説明を中心に行い、開口部34側の動作説明については省略する。
【0037】
図4に示すように、織物基材m1は、当該織物基材m1をロール状に巻き取ったロール体M1から連続的に引き出され、従動ローラR1、R2に掛け渡され、巻取軸Aに連結されている。織物基材m1は、巻取軸Aがモータ(図示せず)により回転されることにより搬送(図4中矢印AR1~AR3が示す方向に搬送)され、従動ローラR1、R2間に配置された第2スリットSL2、樹脂溶着ヒータ60、樹脂溶着ヒータ60の後段に配置された膜厚計80(定点膜厚計)をこの順に通過する。
【0038】
高電圧板51(電極板)には、高電圧電源70が電気的に接続されており、高電圧V(例えば、数十KV)が印加されている。そのため、高電圧板51からグランドに接地された織物基材m1に向かってコロナ放電が発生する。そのため、第2スリットSL2からエア(空気)と共に噴射される樹脂粉体は、高電圧板51を通過する際、コロナ放電により発生するイオンにより荷電される。この荷電された樹脂粉体は、高電圧板51と織物基材m1との間に形成された電界によるクーロン力及び第2スリットSL2から噴射されるエアの搬送力により、第2スリットSL2を通過する織物基材m1(表面又は裏面)に付着する(静電粉体塗装の原理)。なお、この第2スリットSL2から織物基材m1に向けて噴射されるエア及び樹脂粉体は、供給管37により、当該第2スリットSL2まで供給され当該第2スリットSL2から噴射される。
【0039】
上記のように樹脂粉体が付着した織物基材m1は、樹脂溶着ヒータ60を通過する際、当該樹脂溶着ヒータ60で加熱される。これにより、織物基材m1に付着した樹脂粉体が織物基材m1に溶着し、プリプレグm2(図4参照)が製造される。
【0040】
この製造されたプリプレグm2は、膜厚計80を通過する際、当該膜厚計80により膜厚が計測される。そして、この計測された膜厚が目標膜厚となるように定量フィーダー90(樹脂粉体の供給量)が制御(フィードバック制御)される。
【0041】
以上のようにして製造されたプリプレグm2は、従動ローラR2を介して、モータ(図示せず)により回転される巻取軸Aに巻き取られる。
【0042】
<実施形態>
まず、上記参考例のプリプレグ製造装置を用いてプリプレグを製造する製造方法において本発明者らが見出した課題について説明する。
【0043】
本発明者らは、上記参考例においては、エアーノズル41(第1スリットSL1)から樹脂粉体が不均一(第1スリットSL1の長手方向に不均一)に噴射され、この不均一に噴射される樹脂粉体が供給管37により第2スリットSL2まで供給され当該第2スリットSL2から不均一(第2スリットSL2の長手方向に不均一)に噴射されるため、織物基材m1へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることが難しいという課題を見出した。
【0044】
次に、実施形態として、上記課題を解決するための構成例を上記参考例に適用した例について説明する。以下、上記課題を解決するための構成例として、コマミキサ(拡散子)を用いる例について説明する。なお、上記参考例と同様の構成については同じ符号を付し適宜説明を省略する。なお、フラット型エアーノズル41、42は同様の構成及び動作であるため、説明を簡略化するため、以下代表して、フラット型エアーノズル41及び供給管37を用いる例について説明し、フラット型エアーノズル42及び供給管38を用いる例については省略する。
<塗装ノズル100>
図5は、塗装ノズル100の斜視図である。
【0045】
図5に示すように、エアーノズル41及び供給管37が塗装ノズル100を構成している。コマミキサ110(複数)は、供給管37内に配置されている。コマミキサ110については後に詳述する。
<エアーノズル41>
まず、エアーノズル41について説明する。このエアーノズル41は上記参考例と同様の構成である。
【0046】
図6(a)は図5中の矢印AR4方向から見たエアーノズル41の矢視図、図6(b)は図6(a)のB-B断面図である。
【0047】
図6(b)に示すように、エアーノズル41は、第1スリットSL1を備えたエアーノズル本体120、エアーノズル本体120にエア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)を供給する投入管47を備えるフラット型エアーノズルである。投入管47を介してエアーノズル本体120に供給されるエア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)は、後述のように、エアーノズル本体120の内部空間を通過して第1スリットSL1から噴射される。
【0048】
エアーノズル41の構成についてさらに詳細に説明する。
【0049】
図6(b)に示すように、エアーノズル本体120は、織物基材m1の幅方向(図6(a)中左右方向)に延びる断面矩形形状の筒状体である。なお、エアーノズル本体120の断面形状は、矩形以外の断面形状(例えば、六角形状)であってもよい。エアーノズル本体120の長手方向の両端部はそれぞれ壁部107、108により閉塞されている(図5図6(a)参照)。
【0050】
エアーノズル本体120には、第1スリットSL1(図5図6(a)、図6(b)参照)が形成されている。図6(a)に示すように、第1スリットSL1は、織物基材m1の幅方向に延びる、長さLSL1×スリット幅WSL1の横長矩形形状のスリットである。長さLSL1は例えば400mm、スリット幅WSL1は例えば20mmである。投入管47は、第1スリットSL1の反対側かつエアーノズル本体120の長手方向の中央に設けられている(図5参照)。投入管47と第1スリットSL1とは、エアーノズル本体120の内部空間を介して互いに連通している。エアーノズル本体120の内部空間は、投入管47及び第1スリットSL1以外、密閉された状態である。なお、投入菅47の配置は上記参考例と相違している(図1参照)が、投入菅47の機能は上記参考例と同様である。
【0051】
図6(b)に示すように、エアーノズル本体120の内部空間には、第1拡散板140及び第2拡散板150が配置されている。第1拡散板140及び第2拡散板150により、エアーノズル本体120の内部空間は、第1~第4内部空間S1~S4に区画されている。
【0052】
次に、第1拡散板140の構成について説明する。
【0053】
図6(b)に示すように、第1拡散板140は、第1~第3板状部141~143により構成される。第1~第3板状部141~143はそれぞれ織物基材m1の幅方向(図6(a)中左右方向)に延びている。そして、第1~第3板状部141~143それぞれの一端部は壁部107まで達している。第1~第3板状部141~143それぞれの一端部と壁部107との間にはシール材(図示せず)が配置されている。一方、第1~第3板状部141~143それぞれの他端部は壁部108まで達している。第1~第3板状部141~143それぞれの他端部と壁部108との間にはシール材(図示せず)が配置されている。
【0054】
第2板状部142は、第1板状部141の一方の長辺からエアーノズル本体120の後方上部の角部まで延びている(図6(b)参照)。第2板状部142と後方上部の角部との間にはシール材(図示せず)が配置されている。同様に、第3板状部143は、第1板状部141の他方の長辺からエアーノズル本体120の後方下部の角部まで延びている(図6(b)参照)。第3板状部143と後方下部の角部との間にはシール材(図示せず)が配置されている。
【0055】
図6(b)に示すように、第2板状部142には、貫通穴142a(複数)が形成されている。この貫通穴142aは、例えば、織物基材m1の幅方向(図5中矢印AR5参照)に一列に配置されている。同様に、第3板状部143には、貫通穴143a(複数)が形成されている。この貫通穴143aは、例えば、織物基材m1の幅方向(図5中矢印AR5参照)に一列に配置されている。この貫通穴142a、143aの直径は例えば10mm程度である。
【0056】
次に、第2拡散板150の構成について説明する。
【0057】
図6(b)に示すように、第2拡散板150は、第4~第6板状部151~153により構成される。第4~第6板状部151~153はそれぞれ織物基材m1の幅方向(図6(a)中左右方向)に延びている。そして、第4~第6板状部151~153それぞれの一端部は壁部107まで達している。第4~第6板状部151~153それぞれの一端部と壁部107との間にはシール材(図示せず)が配置されている。一方、第4~第6板状部151~153それぞれの他端部は壁部108まで達している。第4~第6板状部151~153それぞれの他端部と壁部108との間にはシール材(図示せず)が配置されている。
【0058】
第5板状部152は、第4板状部151の一方の長辺からエアーノズル本体120の前方上部の角部まで延びている(図6(b)参照)。第5板状部152と前方上部の角部との間にはシール材(図示せず)が配置されている。同様に、第6板状部153は、第4板状部151の他方の長辺からエアーノズル本体120の前方下部の角部まで延びている。第6板状部153と前方下部の角部との間にはシール材(図示せず)が配置されている。
【0059】
図6(b)に示すように、第5板状部152には、貫通穴152a(複数)が形成されている。同様に、第6板状部153には、貫通穴153a(複数)が形成されている。この貫通穴152a、153aは、例えば、織物基材m1の幅方向(図5中矢印AR5参照)に一列に配置されている。この貫通穴152a、153aの直径は第2板状部142及び第3板状部143に形成された貫通穴142a、143aの直径より小さい。
【0060】
上記構成の第1拡散板140(第1板状部141)と第2拡散板150(第4板状部151)とは固定(例えば、ねじ固定)されている。
【0061】
上記構成のエアーノズル41においては、投入管47を介してエアーノズル本体120に供給されるエア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)は、エアーノズル本体120の内部空間S1~S4を通過して第1スリットSL1から噴射される。
【0062】
具体的には、投入管47を介してエアーノズル本体120に供給される空気及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)は、まず内部空間S1に供給される。この内部空間S1に供給された空気及び樹脂粉体は、内部空間S1において織物基材m1の幅方向(図5中矢印AR5参照)に拡散されると共に圧縮された後、第1拡散板140(第2板状部142)に形成された貫通穴142a(複数)を介して内部空間S2に供給され、かつ、第1拡散板140(第3板状部143)に形成された貫通穴143a(複数)を介して内部空間S3に供給される。
【0063】
次に、内部空間S2に供給された空気及び樹脂粉体は、内部空間S2においてさらに圧縮された後、第2拡散板150(第5板状部152)に形成された貫通穴152a(複数)を介して内部空間S4に供給される。同様に、内部空間S3に供給された空気及び樹脂粉体は、内部空間S3においてさらに圧縮された後、第2拡散板150(第6板状部153)に形成された貫通穴153a(複数)を介して内部空間S4に供給される。
【0064】
次に、上記のように内部空間S4に供給された空気及び樹脂粉体は、内部空間S4においてさらに圧縮された後、第1スリットSL1から噴射される。その際、空気については第1スリットSL1から均一(第1スリットSL1の長手方向に均一)に噴射されるが、樹脂粉体については第1スリットSL1から不均一(第1スリットSL1の長手方向に不均一)に噴射される。
<供給管37>
次に、供給管37について説明する。この供給管37は上記参考例と同様の構成である。
【0065】
図5に示すように、供給管37は、板状部37a~37dにより構成される断面矩形形状の管路である。板状部37a、37cは互いに平行で、所定間隔をあけて配置されている。同様に、板状部37b、37dは互いに平行で、所定間隔をあけて配置されている。供給管37の高さH37は例えば20mm、幅W37は例えば400mm、長さL37は例えば500mmである。供給管37の基端部37e側(開口端部)は、第1スリットSL1を取り囲んだ状態でエアーノズル41に固定されている。その際、供給管37の基端部37e側(開口端部)とエアーノズル41との間にはシール材(図示せず)が配置されている。一方、供給管37の先端部37f側には、第2スリットSL2が配置されている。図3に示すように、第2スリットSL2は、織物基材m1の幅方向に延びる、長さLSL2×スリット幅WSL2の横長矩形形状のスリットである。長さLSL2は例えば400mm、スリット幅WSL2は例えば20mmである。
【0066】
上記構成のエアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射されるエア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)は、供給管37により第2スリットSL2まで供給される。その際、エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射される樹脂粉体は、供給管37内に配置されたコマミキサ110(複数)により織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)される。その結果、第2スリットSL2から樹脂粉体が均一(又は概ね均一)に噴射される。
<コマミキサ110>
次に、コマミキサ110について説明する。
【0067】
まず、エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射される樹脂粉体を、コマミキサ110(複数)により織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)する原理について説明する。
【0068】
図7は、図5中の矢印AR8方向から見た塗装ノズル100の矢視図である。
【0069】
図7に示すように、供給管37内には、コマミキサ列1~N1が多段かつ千鳥状に配置されている。N1は2以上の整数であればよい。各々のコマミキサ列は、織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に配置されたN2個のコマミキサ110により構成される。N2は2以上の整数であればよい。なお、偶数段のコマミキサ列の両端のコマミキサ110は、供給管37を構成する板状部37b、37dとの関係で、片側半分がカットされた形状に構成されている。
【0070】
コマミキサ110は、円柱形状に構成されている(図7参照)。なお、コマミキサ110は円柱形状に限らない。すなわち、ここでは、エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射される樹脂粉体を均一化(又は概ね均一化)する原理について分かりやすく説明するため、シンプルな円柱形状のコマミキサ110を用いたにすぎない。コマミキサ110の高さH110図5参照)は、供給管37の高さH37図5参照)と概ね等しい。コマミキサ110の一方の端面は例えば供給管37の板状部37aに固定され、他方の端面は例えば供給管37の板状部37cに固定されている。
【0071】
エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射され供給管37により第2スリットSL2まで供給さる樹脂粉体は、上記のように構成及び配置されたコマミキサ110(複数)により、織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)される。以下この点について図8を参照しながら具体的に説明する。図8は、図7からコマミキサ列1、2を抜き出した図(拡大図)である。
【0072】
図8中の矢印ARa~ARfは、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射されコマミキサ110A~110Fに衝突する空気及び樹脂粉体を表す。例えば、矢印ARaは、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射されコマミキサ110Aに衝突する空気及び樹脂粉体を表す。他の矢印ARb~ARfも同様である。また、図8中の矢印ARa~ARfに付した符号A~Fは、コマミキサ110A~110Fに衝突する樹脂粉体の質量を表す。例えば、符号Aは、コマミキサ110Aに衝突する樹脂粉体の質量を表す。他の符号B~Fも同様である。
【0073】
一方、図8中の矢印ARa1、ARa2~ARf1、ARf2は、コマミキサ110A~110Fにより二等分に分流された空気及び樹脂粉体を表す。例えば、矢印ARa1、ARa2は、図8中矢印ARaが示す空気及び樹脂粉体がコマミキサ110Aに衝突し当該コマミキサ110Aにより二等分に分流された空気及び樹脂粉体を表す。他の矢印ARb1、ARb2~ARf1、ARf2も同様である。また、図8中の符号A/2~F/2は、コマミキサ110A~110Fにより二等分に分流された樹脂粉体の質量を表す。例えば、符号A/2は、コマミキサ110Aにより二等分に分流された樹脂粉体の質量を表す。他の符号B/2~F/2も同様である。
【0074】
また、図8中の矢印ARab~ARefは、上記のように分流された空気及び樹脂粉体が合流したことを表す。例えば、矢印ARabは、上記のように分流された図8中矢印ARa2が示す分流(空気及び樹脂粉体)と、図8中矢印ARb1が示す分流(空気及び樹脂粉体)とが合流したことを表す。他の矢印ARbc~ARefも同様である。また、図8中の符号(A/2)+(B/2)~(E/2)+(F/2)は、上記のように合流した樹脂粉体の質量を表す。例えば、符号(A/2)+(B/2)は、上記のように合流した図8中矢印ARabが示す樹脂粉体の質量を表す。他の符号(B/2)+(C/2)~(E/2)+(F/2)も同様である。
【0075】
以上のように、エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射される樹脂粉体は、各段のコマミキサ列1~N1を通過する際、コマミキサ110への衝突、当該衝突による分流、及び当該分流後の合流を複数回繰り返す。これにより、エアーノズル41(第1スリットSL1)から不均一に噴射される樹脂粉体は、供給管37内において最終的に織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)される。その結果、第2スリットSL2から樹脂粉体が均一(又は概ね均一)に噴射される。本発明者らは、このことをシミュレーション及び実験により確認した。以下、本発明者らが行ったシミュレーション及び実験について説明する。
<シミュレーション1>
シミュレーション1の条件は次のとおりである。
【0076】
シミュレーション1で用いたコマミキサの配置は千鳥配列である。なお、シミュレーション1は、表計算ソフトウエアを用いて簡易に行った。その際、コマミキサの形状、サイズ、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される空気及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)の流速等は考慮していない。
【0077】
シミュレーション1においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布は、図9(a)に示すとおりである。図9(a)は、シミュレーション1においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布を表すグラフである。図9(a)中、縦軸が樹脂粉体の量を表し、一方、横軸が幅方向位置、すなわち、第1スリットSL1の長手方向の位置を表す。
【0078】
また、シミュレーション1では、12個のコマミキサにより構成されるコマミキサ列を2段配置した場合(N1=2)、10段配置した場合(N1=10)、50段配置した場合(N1=50)それぞれについてシミュレーションを行った。
【0079】
次に、上記条件で行ったシミュレーション1の結果について説明する。
【0080】
図9(b)は、シミュレーション1の結果(第2スリットSL2から噴射される樹脂粉体の分布)を表すグラフである。図9(b)中、縦軸が樹脂粉体の量を表し、一方、横軸が幅方向位置、すなわち、第2スリットSL2の長手方向の位置を表す。
【0081】
図9(b)を参照すると、コマミキサ列の段数が増加するに従って、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体は、供給管37内において最終的に織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)されることが分かる。
<シミュレーション2>
シミュレーション2の条件は次のとおりである。
【0082】
シミュレーション2で用いたコマミキサの配置は千鳥配列である。なお、シミュレーション2は、表計算ソフトウエアを用いて簡易に行った。その際、コマミキサの形状、サイズ、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される空気及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)の流速等は考慮していない。
【0083】
シミュレーション2においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布は、図10(a)に示すとおりである。図10(a)は、シミュレーション2においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体の分布を表すグラフである。図10(a)中、縦軸が樹脂粉体の量を表し、一方、横軸が幅方向位置、すなわち、第1スリットSL1の長手方向の位置を表す。
【0084】
また、シミュレーション2では、12個のコマミキサにより構成されるコマミキサ列を2段配置した場合(N1=2)、10段配置した場合(N1=10)、50段配置した場合(N1=50)それぞれについてシミュレーションを行った。
【0085】
次に、上記条件で行ったシミュレーション2の結果について説明する。
【0086】
図10(b)は、シミュレーション2の結果(第2スリットSL2から噴射される樹脂粉体の分布)を表すグラフである。図10(b)中、縦軸が樹脂粉体の量を表し、一方、横軸が幅方向位置、すなわち、第2スリットSL2の長手方向の位置を表す。
【0087】
図10(b)を参照すると、コマミキサ列の段数が増加するに従って、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体は、供給管37内において最終的に織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)されることが分かる。
<実験1>
実験1の条件は次のとおりである。
【0088】
図11(a)は、実験1で用いたコマミキサ110の斜視図である。
【0089】
図11(a)に示すように、実験1で用いたコマミキサ110は、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される空気及び樹脂粉体が衝突する上流側部分111とその反対側の下流側部分112とを含む。
【0090】
上流側部分111は、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射されコマミキサ110(上流側部分111)に衝突する空気及び樹脂粉体を二等分に分流するため、上流側に向かって凸の半円柱形状に構成されている。一方、下流側部分112は、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射された空気及び樹脂粉体がコマミキサ110(上流側部分111)に衝突した際、当該コマミキサ110の下流側に渦が発生するのを抑制するため、下流側に向かって先細りの三角柱形状に構成されている。以上のように、コマミキサ110の上流側部分111を上流側に向かって凸の半円柱形状に構成し、かつ、下流側部分112を下流側に向かって先細りの三角柱形状に構成することにより、すなわち、コマミキサ110を全体として涙滴形状に構成することにより、エア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)の流れがコマミキサ110の壁面から剥離しなくなるため、コマミキサ110の下流側に渦が発生するのを抑制することができる。これにより、コマミキサ110の下流側に樹脂粉体が堆積するのを抑制することができる。なお、涙滴形状を採用することにより下流側に渦が発生するのを抑制できることは一般的に知られている(例えば、https://vis-tech.site/air-resistance/参照)。
【0091】
図12は、図5中の矢印AR8方向から見た塗装ノズル100の矢視図である。
【0092】
図12に示すように、供給管37内には、コマミキサ列が多段(図12中3段を例示)かつ千鳥状に配置されている。上段のコマミキサ列は、織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に配置された5個のコマミキサ110aにより構成される。なお、上段のコマミキサ列の両端のコマミキサ110aは、供給管37を構成する板状部37b、37dとの関係で、片側半分がカットされた形状(図11(b)参照)に構成されている。図11(b)は、実験1で用いた片側半分がカットされた形状のコマミキサ110aの斜視図である。同様に、中段のコマミキサ列は、織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に配置された4個のコマミキサ110aにより構成される。
【0093】
図11(c)は上段及び中段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110aの平面図である。
【0094】
図11(c)に示すように、上段及び中段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110aの上流側部分111は、半径D1の円柱の一部である。半径D1は例えば20mmである。また、上段及び中段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110aの下流側部分112は、半径D1の円柱の中心と三角柱形状の頂部までの距離がL1で、半径D1の円柱に正接する2側面を含む下流側に向かって先細りの三角柱の一部である。L1は例えば50mmである。
【0095】
一方、下段のコマミキサ列は、織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に配置された5個のコマミキサ110bにより構成される(図12参照)。なお、下段のコマミキサ列の両端のコマミキサ110bは、供給管37を構成する板状部37b、37dとの関係で、片側半分がカットされた形状に構成されている。
【0096】
図11(d)は下段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110bの平面図である。
【0097】
図11(d)に示すように、下段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110bの上流側部分111は、半径D2の円柱の一部である。半径D2は例えば20mmである。また、下段のコマミキサ列を構成するコマミキサ110bの下流側部分112は、半径D2の円柱の中心と三角柱形状の頂部までの距離がL2で、半径D2の円柱に正接する2側面を含む下流側に向かって先細りの三角柱の一部である。L2は例えば30mmである。
【0098】
図12に示すように、上段のコマミキサ列と第1スリットSL1との距離はL3、上段のコマミキサ列と中段のコマミキサ列との距離はL4、中段のコマミキサ列と下段のコマミキサ列との距離はL5である。L3は例えば20mm、L4、L5は例えば50mmである。
【0099】
織物基材m1の幅方向(図12中左右方向)に関し、上段のコマミキサ列のコマミキサと中段のコマミキサ列のコマミキサとの距離はL6である。L6は例えば50mmである。
【0100】
また、実験1においてエアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される空気及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)の流速は4m/minである。
【0101】
コマミキサ110は、供給管37内を通過する樹脂粉体を分散する目的で供給管37内に配置される。一方、コマミキサ110を供給管37内に配置すると流路断面積が小さくなるため、供給管37内の風速が大きくなる。風速が大きいと、織物基材m1に対する樹脂粉体の衝突力が大きくなり、織物基材m1に樹脂粉体が付着しづらくなる。そこで、織物基材m1に到達するまでに徐々に風速を小さくする(戻す)目的で(織物基材m1に対する樹脂粉体の衝突力を小さくする目的で)、エアーノズル41(第1スリットSL1)から近くに大きいサイズのコマミキサ110aを配置し(図12中、上段及び中段のコマミキサ列参照)、一方、エアーノズル41(第1スリットSL1)から遠くに小さいサイズのコマミキサ110bを配置している(図12中、下段のコマミキサ列参照)。また、同様の目的で、小さいサイズのコマミキサ110bと供給管37の出口(第2スリットSL2)との間にスペースL7(図12参照)を設けている。実験1は、以上の条件の下、図4に示す製造方法と同様の方法で実施した。
【0102】
次に、上記条件で行った実験1の結果について説明する。
【0103】
図13は、実験1の結果(試作した織物基材m1(プリプレグ)の幅方向樹脂付着均一性)を表すグラフである。図13中、縦軸がVfを表し、一方、横軸が幅方向位置、すなわち、第2スリットSL2の長手方向の位置を表す。Vfは、織物基材m1の堆積含有率を表す。Vfのばらつきが少ないことは、織物基材m1に付着した樹脂粉体量のばらつきが少ないことを表す。また、図13中、「コマミキサ無し(1)」は供給管37内にコマミキサ110が一つも配置されていない状態で行った実験1(1回目)の結果を表す。同様に、図13中、「コマミキサ無し(2)」は供給管37内にコマミキサ110が一つも配置されていない状態で行った実験1(2回目)の結果を表す。一方、図13中、「コマミキサ有り(1)」は図12に示すように供給管37内にコマミキサ110a、110bが配置された状態で行った実験1(1回目)の結果を表す。同様に、図13中、「コマミキサ有り(2)」は図12に示すように供給管37内にコマミキサ110a、110bが配置された状態で行った実験1(2回目)の結果を表す。
【0104】
図13に示す結果に基づき変動係数(標準偏差/平均値)を算出したところ、「コマミキサ無し(2)」の場合の変動係数は6.8%、一方、「コマミキサ有り(2)」の場合の変動係数は3.4%であった。変動係数が小さい程、織物基材m1(プリプレグ)に樹脂粉体が均一に付着していることを表す。すなわち、図13に示す結果によれば、変動係数が小さいコマミキサ有りの場合の方が、織物基材m1(プリプレグ)に樹脂粉体が均一に付着していることが分かる。
【0105】
なお、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体を織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)するコマミキサの条件(例えば、コマミキサの数、形状、サイズ、配置)は、例えば、エアーノズル41や供給管37の形状、サイズ、投入管47を介してエアーノズル41に供給されるエア及び樹脂粉体(樹脂粉体が混合された高圧空気)の流速、流量、樹脂粉体の種類(粒径、質量、形状等)により変動する。そのため、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体を織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)するコマミキサの条件を具体的な数値等で表すのは困難である。
【0106】
しかしながら、実験1などの試験結果から蓄積したデータを用いてコマミキサの条件のうち少なくとも1つを変更(調整)し、変更するごとに、第2スリットSL2から噴射される樹脂粉体の分布を確認することにより、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体を織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)するコマミキサの条件を見出すことができる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態によれば、シート状繊維基材(例えば、織物基材、UD基材)へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることができる塗装ノズル100及びこの塗装ノズル100を用いたプリプレグ製造装置を提供することができる。
【0108】
次に、変形例について説明する。
【0109】
<第1変形例>
以下、第1変形例として、上記実施形態の塗装ノズル100に追加されるコマミキサ揺動機構160について説明する。
【0110】
図14(a)は、コマミキサ揺動機構160の一例である。図14(b)、図14(c)は、コマミキサ110が揺動している様子を表す図である。図14(a)~図14(c)に示すコマミキサ列は、図12から抜き出したコマミキサ列に対応する。
【0111】
図14(a)に示すように、第1変形例においては、コマミキサ110は、揺動軸113を中心に揺動可能に支持されている。揺動軸113は、供給管37に固定されており、図14(a)中、紙面に直交する方向に延びている。
【0112】
コマミキサ揺動機構160は、コマミキサ列を構成するコマミキサ110に形成されたガイド穴114(又はガイド溝)に挿入されるガイドピン161(複数)、ガイドピン161(複数)が固定されたスライド軸162、スライド軸162を図14(a)中矢印AR9方向又はAR10方向に移動させるアクチュエータ180を備えている。スライド軸162が図14(a)中矢印AR9方向に移動されることにより、コマミキサ列を構成するコマミキサ110は、図14(b)に示すように揺動する。一方、スライド軸162が図14(a)中矢印AR10方向に移動されることにより、コマミキサ列を構成するコマミキサ110は、図14(c)に示すように揺動する。
【0113】
次に、本変形例の制御装置170について説明する。
【0114】
制御装置170は、図示しないが、プロセッサ、RAM等を備えている。図14(a)に示すように、制御装置170には、アクチュエータ180、記憶部190が電気的に接続されている。記憶部190は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部190には、プログラム191が記憶されている。プログラム191は、制御装置170(プロセッサ)により実行されるプログラムである。
【0115】
プロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。例えば、プロセッサは、記憶部190(例えば、ROM)からRAMに読み込まれたプログラム191を実行することで、アクチュエータ180を制御する制御手段として機能する。アクチュエータ180は、例えば、モータ(図示せず)及びモータの回転をスライド軸162の移動(往復直線運動)に変換する機構を含む。
【0116】
次に、上記構成のコマミキサ110の制御例(コマミキサ制御処理)について説明する。
【0117】
図15は、コマミキサ110の制御例(コマミキサ制御処理)のフローチャートである。
【0118】
まず、コマミキサ制御タイミングが到来した場合(ステップS10:YES)、スライド軸162が図14(a)中矢印AR9方向又はAR10方向に所定量移動するように、アクチュエータ180を制御することにより、各コマミキサ列を構成するコマミキサ110の揺動方向及び揺動量を同時に制御する(ステップS11)。具体的には、各コマミキサ列を構成するコマミキサ110の揺動方向及び揺動量は、エアーノズル41(第1スリットSL1)から噴射される樹脂粉体が織物基材m1の幅方向(第2スリットSL2の長手方向)に均一化(又は概ね均一化)されるように制御される。これは、制御装置170がプログラム191を実行することにより実現される。
【0119】
コマミキサ制御タイミングは、例えば、織物基材m1の幅方向の厚さ分布のばらつき(例えば、標準偏差)がしきい値を超えたタイミングである。織物基材m1の幅方向の厚さは、例えば、特開2007-298387に記載の走査式X線膜厚計を用いて計測することができる。図示しないが、走査式X線膜厚計は、織物基材m1の幅方向に移動可能な可動部に設けられたX線源、X線検出器、X線源及びX線検出器を織物基材m1の幅方向に移動させる移動手段を備えている。走査式X線膜厚計は、例えば、膜厚計80(図4参照)に代えて、開口部33と樹脂溶着ヒータ60との間に配置される。
【0120】
上記ステップS11の処理は、コマミキサ制御タイミングが到来するごとに繰り返し実行される。
【0121】
本変形例によっても、上記実施形態と同様、シート状繊維基材(例えば、織物基材、UD基材)へ樹脂粉体を均一(又は概ね均一)に付着させることができる塗装ノズル100及びこの塗装ノズル100を用いたプリプレグ製造装置を提供することができる。
【0122】
なお、上記変形例では、コマミキサ110(複数)の揺動方向及び揺動量を同時に制御する例について説明したが、これに限らない。例えば、コマミキサ110(複数)それぞれの揺動方向及び揺動量を個別に制御してもよい。また、全てのコマミキサ110ではなく、一部のコマミキサ110の揺動方向及び揺動量を制御してもよい。
【0123】
また、上記変形例では、コマミキサ揺動機構160を用いてコマミキサ110の揺動方向及び揺動量を制御する例について説明したが、これに限らない。例えば、マグネットによる隔壁制御により、コマミキサ110の揺動方向及び揺動量を制御してもよい。
【0124】
また、コマミキサ揺動機構160に代えて、コマミキサ110を移動(例えば、平行移動)させるコマミキサ位置調整機構(図示せず)を用いてもよい。コマミキサ位置調整機構としては、例えば、モータを含む機構を用いてもよい。
【0125】
また、アクチュエータ180によらず、手動でスライド軸162を移動させることによりコマミキサ110の揺動方向及び揺動量を調整してもよいし、手動でコマミキサ110を移動(例えば、平行移動)させることによりコマミキサ110を位置調整してもよい。
【0126】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本開示は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0127】
11 注入口
12 加速容器
13 ブラシ
14 圧縮部
15 格納ボックス
16 チューブ
17 粉体
18 穴
19 チャンバー
20 炭素繊維織物
30 樹脂粉体
31,32 チャンバー
31a,32a 外殻
31b,32b 内殻
33,34 開口部(樹脂粉体吐出出口)
35,36 排出口
37,38 供給管
39,40 コンプレッサ
41,42 フラット型エアーノズル
41a,42a 本体部
43,44 粉末樹脂帯電部
45,46 流路
47,48 投入管
47a,48a 投入口
50 シート状繊維基材
51,52 高電圧板
53,54 集塵機
T 空気増倍装置
60 樹脂溶着ヒータ
70 高電圧電源
80 膜厚計
90 定量フィーダー
100 塗装ノズル
110、110a、110b コマミキサ
120 エアーノズル本体
130 閉塞板
140 第1拡散板
150 第2拡散板
160 コマミキサ揺動機構
170 制御装置
180 アクチュエータ
190 記憶部
SL1 第1スリット
SL2 第2スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15