(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074457
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】半導体発光装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20240524BHJP
【FI】
H01L33/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185601
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増山 一哉
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA82
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA02
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD47
5F142CE03
5F142CE16
5F142CG05
5F142DA12
5F142DA21
5F142DB02
5F142FA42
5F142FA48
(57)【要約】
【課題】ピックアップ装置を用いて半導体発光装置をパッケージから容易に取り出すことができる半導体発光装置を提供する。
【解決手段】半導体発光装置1は、半導体発光素子20と、半導体発光素子20を封止する封止部材30と、封止部材30を覆うオーバーコート層35とを備える。封止部材30は、封止樹脂31を含み、かつ、半導体発光素子20とは反対側の第1上面(上面30a)を有している。オーバーコート層35は、無機材料で形成されており、かつ、封止部材30の第1上面に直接接触している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を封止する封止部材と、
前記封止部材を覆うオーバーコート層とを備え、
前記封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、前記半導体発光素子とは反対側の第1上面を有し、
前記オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、前記封止部材の前記第1上面に直接接触している、半導体発光装置。
【請求項2】
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の厚さは、一定である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の最小厚さは1μm以上であり、かつ、前記オーバーコート層の最大厚さは100μm以下である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
反射ケースをさらに備え、
前記半導体発光素子は、前記反射ケースに収容されており、
前記オーバーコート層は前記反射ケースに直接接触している、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記封止部材とは反対側の前記オーバーコート層の第2上面は、凹んでいる、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記無機材料は、SiO2である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記封止部材は、前記封止樹脂中に分散されている波長変換部材を含み、
前記波長変換部材は、前記半導体発光素子から出射される光の波長を変換し、かつ、前記封止部材及び前記オーバーコート層のうち、前記封止部材にのみ設けられている、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
基板連結体に複数の半導体発光素子をボンディングする工程と、
前記複数の半導体発光素子を封止部材で封止する工程と、
塗布法によって、前記封止部材を覆うオーバーコート層を形成する工程と、
前記基板連結体を複数の基板に分割する工程とを備え、
前記複数の基板の各々は、前記複数の半導体発光素子のうち対応するものを支持しており、
前記封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、前記複数の半導体発光素子とは反対側の第1上面を有し、
前記オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、前記封止部材の前記第1上面に直接接触している、半導体発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記塗布法は、スプレーコーティング法である、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記オーバーコート層にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングテープを加熱する工程とをさらに備える、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項11】
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の厚さは、一定である、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項12】
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の最小厚さは1μm以上であり、かつ、前記オーバーコート層の最大厚さは100μm以下である、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項13】
反射ケース連結体を前記基板連結体に取り付ける工程と、
前記反射ケース連結体を複数の反射ケースに分割する工程とをさらに備え、
前記複数の反射ケースの各々は、前記複数の半導体発光素子のうち対応するものを収容しており、
前記オーバーコート層を形成する前記工程において、前記オーバーコート層は前記反射ケース連結体上にも形成され、
前記オーバーコート層は、前記反射ケース連結体にも直接接触している、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記封止部材とは反対側の前記オーバーコート層の第2上面は、凹んでいる、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項15】
前記無機材料は、SiO2である、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【請求項16】
前記封止部材は、前記封止樹脂中に分散されている波長変換部材を含み、
前記波長変換部材は、前記半導体発光素子から出射される光の波長を変換し、かつ、前記封止部材及び前記オーバーコート層のうち、前記封止部材にのみ設けられている、請求項8に記載の半導体発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-13369号公報(特許文献1)は、基板と、半導体発光素子と、反射ケースと、封止樹脂とを備える半導体発光装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ピックアップ装置を用いて半導体発光装置をパッケージから容易に取り出すことができる半導体発光装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の半導体発光装置は、半導体発光素子と、半導体発光素子を封止する封止部材と、封止部材を覆うオーバーコート層とを備える。封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、半導体発光素子とは反対側の第1上面を有している。オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、封止部材の前記第1上面に直接接触している。
【0006】
本開示の半導体発光装置の製造方法は、基板連結体に複数の半導体発光素子をボンディングする工程と、複数の半導体発光素子を封止部材で封止する工程と、塗布法によって、封止部材を覆うオーバーコート層を形成する工程と、基板連結体を複数の基板に分割する工程とを備える。複数の基板の各々は、複数の半導体発光素子のうち対応するものを支持している。封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、複数の半導体発光素子とは反対側の第1上面を有している。オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、封止部材の第1上面に直接接触している。
【発明の効果】
【0007】
本開示の半導体発光装置及びその製造方法によれば、ピックアップ装置を用いて半導体発光装置をパッケージから容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態の半導体発光装置の製造方法の一工程を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の半導体発光装置の製造方法における、
図2に示される工程の次工程を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の半導体発光装置の製造方法における、
図3に示される工程の次工程を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の半導体発光装置の製造方法における、
図4に示される工程の次工程を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の半導体発光装置の製造方法における、
図5に示される工程の次工程を示す概略断面図である。
【
図7】
図7は、パッケージに収容されている実施の形態の半導体発光装置を示す概略断面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の半導体発光装置をパッケージから取り出す工程を示す概略断面図である。
【
図9】
図9は、比較例の半導体発光装置をパッケージから取り出す工程を示す概略断面図である。
【
図10】
図10は、比較例の半導体発光装置の製造方法の一工程を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の第一変形例の半導体発光装置の概略断面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の第二変形例の半導体発光装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面に基づいて本開示の実施の形態の詳細について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。以下に記載する実施の形態の少なくとも一部の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0010】
図1を参照して、実施の形態の半導体発光装置1を説明する。半導体発光装置1は、基板10と、反射ケース25と、半導体発光素子20と、導電ワイヤ23a,23bと、封止部材30と、オーバーコート層35とを主に備える。
【0011】
基板10は、半導体発光素子20を支持する。基板10は、例えば、絶縁基板11と、前面導電層12a,12bと、背面導電層13a,13bとを含む。
【0012】
絶縁基板11は、前面11aと、前面11aとは反対側の背面11bとを有している。絶縁基板11は、例えば、ガラスクロスと、ガラスクロスに含浸された樹脂とで形成されているガラスエポキシ基板である。
【0013】
前面導電層12a,12bは、前面11a上に設けられている。前面導電層12a,12bは、互いに間隔を空けて配置されている。背面導電層13a,13bは、背面11b上に設けられている。背面導電層13a,13bは、互いに間隔を空けて配置されている。前面導電層12a,12b及び背面導電層13a,13bは、例えば、銅のような導電材料で形成されている。前面導電層12a,12b及び背面導電層13a,13bは、金めっき層または銀めっき層のようなめっき層(図示せず)で覆われてもよい。
【0014】
前面導電層12aと背面導電層13aとは、貫通ビア(図示せず)を介して、互いに電気的に接続されている。前面導電層12bと背面導電層13bとは、貫通ビア(図示せず)を介して、互いに電気的に接続されている。貫通ビアは、例えば、銅のような導電材料で形成されている。基板10は、配線基板(図示せず)に実装される。配線基板は、配線(図示せず)を含む。背面導電層13a,13bは、はんだなどの導電接合部材(図示せず)を用いて、配線基板の配線に接合される。
【0015】
反射ケース25は、基板10上に配置されている。反射ケース25は、接着剤(図示せず)を用いて、前面導電層12a,12bに取り付けられている。反射ケース25は、基板10及び半導体発光素子20とは反対側の頂面25aを有する。反射ケース25は、半導体発光素子20が収容される収容部26を含む。収容部26は、反射ケーズの頂面25aから凹んでいる。反射ケース25は、半導体発光素子20の周りに配置されており、半導体発光素子20を取り囲んでいる。反射ケース25は、半導体発光素子20から放射される第1光と、後述する波長変換部材32から放射される第2光とを反射する。反射ケース25は、酸化チタンフィラーのような白色フィラーが添加された合成樹脂で形成されている。この合成樹脂は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン(PS)、エポキシ樹脂(EP)、ポリフタルアミド(PPA)または液晶ポリマ(LCP)等である。
【0016】
半導体発光素子20は、基板10にボンディングされている。半導体発光素子20は、エポキシ樹脂ペーストなどのような接合部材22を用いて、前面導電層12aに接合されている。半導体発光素子20は、反射ケース25の収容部26内に配置されている。半導体発光素子20は、例えば、発光ダイオード(LED)である。半導体発光素子20は、主に、窒化ガリウム(GaN)などの半導体材料で形成されている。半導体発光素子20は、例えば、n型電極(図示せず)とp型電極(図示せず)とを含む。半導体発光素子20は、紫外光または青色光などのような第1光を放射する。
【0017】
導電ワイヤ23a,23bは、半導体発光素子20に接続されている。具体的には、導電ワイヤ23aは、半導体発光素子20(例えば、n型電極)と前面導電層12aとに接続されている。導電ワイヤ23bは、半導体発光素子20(例えば、p型電極)と前面導電層12bとに接続されている。導電ワイヤ23a,23bは、例えば、金、銅またはアルミニウムのような導電材料で形成されている。
【0018】
封止部材30は、半導体発光素子20を封止する。封止部材30は、封止樹脂31と、波長変換部材32とを含む。
【0019】
封止樹脂31は、半導体発光素子20から放射される第1光及び波長変換部材32から放射される第2光に対して透明な樹脂である。封止樹脂31は、例えば、シリコーン樹脂で形成されている。封止部材30は、半導体発光素子20とは反対側の上面30aを有している。
【0020】
波長変換部材32は、封止樹脂31に添加されており、封止樹脂31中に分散されている。波長変換部材32は、半導体発光素子20から放射される第1光を、第1光とは異なる波長を有する第2光に変換して、第2光を放射する。第2光は、例えば、第1光よりも長い波長を有する。波長変換部材32は、例えば、一種類または複数種類の蛍光体粒子である。第2光は、例えば、蛍光光である。例えば、第1光が青色光である場合、波長変換部材32は、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce3+または(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+などで形成された黄色蛍光体粒子であり、第2光は黄色光である。青色光と黄色光とが混ざり合って、白色光が生成される。半導体発光装置1から白色光が放射される。
【0021】
波長変換部材32は、オーバーコート層35には設けられていない。波長変換部材32は、封止部材30及びオーバーコート層35のうち、封止部材30にのみ設けられている。
【0022】
オーバーコート層35は、封止部材30を覆う。オーバーコート層35は、封止部材30の上面30a全体を覆う。オーバーコート層35は、無機材料で形成されている。無機材料は、例えば、SiO2である。オーバーコート層35は、半導体発光素子20、基板10、封止部材30及び反射ケース25に対向する下面36と、下面36とは反対側の上面37とを有する。オーバーコート層35の下面36は、封止部材30の上面30a全体に直接接触している。オーバーコート層35の下面36は、反射ケース25の頂面25aに直接接触している。オーバーコート層35の下面36は、反射ケース25の頂面25a全体に直接接触している。オーバーコート層35の上面37は、半導体発光装置1の周囲環境(例えば、空気)に露出している。
【0023】
封止部材30及び反射ケース25上において、オーバーコート層35の厚さは、一定である。本明細書において、オーバーコート層35の厚さが一定であることは、オーバーコート層35の最大厚さとオーバーコート層35の最小厚さとの間の差が、オーバーコート層35の最大厚さの20%以内であることを意味する。オーバーコート層35の最小厚さは、例えば、1μm以上である。オーバーコート層35の最小厚さは、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。オーバーコート層35の最大厚さは、例えば、100μm以下である。オーバーコート層35の最大厚さは、90μm以下であってもよく、80μm以下であってもよく、70μm以下であってもよい。オーバーコート層35は、例えば、スプレーコーティング法などのような塗布法によって形成されたスプレーコート層である。
【0024】
図2から
図6を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法を説明する。
【0025】
図2を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、基板連結体15を準備する工程を含む。基板連結体15は、ベース部材16と、前面導電層12と、背面導電層13とを含む。ベース部材16は、前面16aと、前面16aとは反対側の背面16bとを有している。ベース部材16は、絶縁基板11と同じ材料で形成されている。前面導電層12は、互いに分離されている。前面導電層12は、前面導電層12a,12b(
図1を参照)と同じ材料で形成されている。背面導電層13は、互いに分離されている。背面導電層13は、背面導電層13a,13b(
図1を参照)と同じ材料で形成されている。
【0026】
図2を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、反射ケース連結体27を基板連結体15に取り付ける工程を含む。反射ケース連結体27には、複数の収容部26が設けられている。反射ケース連結体27は、例えば、白色フィラーが添加された合成樹脂をインサート成形することによって得られる。接着剤(図示せず)を用いて、反射ケース連結体27を基板連結体15(より具体的には、前面導電層12)に接着される。反射ケース連結体27は、基板連結体15とは反対側の頂面27aを有する。
【0027】
図3を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、反射ケース連結体27の複数の収容部26内に複数の半導体発光素子20を配置する工程を含む。複数の収容部26の各々は、複数の半導体発光素子20のうち対応するものを収容している。具体的には、複数の半導体発光素子20は、接合部材22を用いて、基板連結体15(具体的には、前面導電層12)にボンディングされる。
【0028】
図3を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、導電ワイヤ23a,23bを配線する工程を含む。具体的には、導電ワイヤ23aを、複数の半導体発光素子20(例えば、n型電極)と前面導電層12とに接続する。導電ワイヤ23bを、複数の半導体発光素子20(例えば、p型電極)と前面導電層12とに接続する。
【0029】
図4を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、複数の半導体発光素子20を封止部材30で封止する工程を含む。具体的には、反射ケース連結体27の複数の収容部26に、液状の封止樹脂を注入する。液状の封止樹脂は、蛍光体粒子のような波長変換部材32を含む。複数の半導体発光素子20は、液状の封止樹脂で覆われる。それから、液状の封止樹脂を加熱する。液状の封止樹脂は、熱硬化されて、封止部材30になる。こうして、複数の半導体発光素子20は、封止部材30で封止される。
【0030】
図5を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、スプレーコーティング法などのような塗布法によって、封止部材30を覆うオーバーコート層35を形成する工程を含む。オーバーコート層35を形成する工程は、例えば、室温において実施される。具体的には、溶液41が、ノズル40から吐出される。溶液41は、メチルエチルケトンなどのような溶媒と、溶媒中に分散された溶質とを含む。溶質は、例えば、シリカ粒子のような無機材料粒子またはシリカフィラーのような無機材料フィラーを含む。溶液41が封止部材30の上面37に噴霧される。溶媒を蒸発させる。こうして、オーバーコート層35が形成される。オーバーコート層35は、無機材料で形成されている。無機材料は、例えば、SiO
2である。オーバーコート層35は、封止部材30の上面30a全体を覆っており、封止部材30の上面30a全体に直接接触している。
【0031】
オーバーコート層35は反射ケース連結体27の頂面27a上にも形成される。オーバーコート層35は、反射ケース連結体27の頂面27a全体を覆っており、反射ケース連結体27の頂面27a全体に直接接触している。こうして、発光装置連結体2が得られる。発光装置連結体2は、基板連結体15と、反射ケース連結体27と、複数の半導体発光素子20と、導電ワイヤ23a,23bと、封止部材30と、オーバーコート層35とを主に含む。
【0032】
図6を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、発光装置連結体2のオーバーコート層35にダイシングテープ44を貼り付ける工程と、ダイシングテープ44を加熱する工程とを含む。ダイシングテープ44を加熱することによって、発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。ダイシングテープ44を加熱する工程は、オーバーコート層35を形成する工程よりも高い温度で実施される。
【0033】
図6を参照して、本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、発光装置連結体2を個片化する工程を含む。ダイシングブレード(図示せず)またはレーザ光(図示せず)を用いて、発光装置連結体2をダイシングライン46に沿って切断する。発光装置連結体2は、複数の半導体発光装置1に分割される。具体的には、発光装置連結体2が切断されると、ベース部材16は複数の絶縁基板11に分割され、前面導電層12は前面導電層12a,12bに分割され、背面導電層13は背面導電層13a,13bに分割され、基板連結体15は複数の基板10に分割され、反射ケース連結体27は複数の反射ケース25に分割される。複数の基板10の各々は、複数の半導体発光素子20のうち対応するものを支持する。複数の反射ケース25の各々は、複数の半導体発光素子20のうち対応するものを収容する。複数の半導体発光装置1からダイシングテープ44を剥離する。こうして、半導体発光装置1が得られる。
【0034】
図7を参照して、半導体発光装置1は、パッケージ50に収容される。パッケージ50は、キャリア51と、トップテープ53とを含む。キャリア51に、複数の凹部52が設けられている。半導体発光装置1は、複数の凹部52の各々に収容される。キャリア51は、帯状でかつ可撓性を有してもよい。トップテープ53は、凹部52の開口を閉塞する。半導体発光装置1は、パッケージ50は、リール(図示せず)に巻き取られた状態で、搬送及び保管される。
図8を参照して、半導体発光装置1を使用するとき、リールからパッケージ50を引き出して、トップテープ53をキャリア51から剥がして、ピックアップ装置(図示せず)を用いて、キャリア51の凹部52から半導体発光装置1を取り出す。
【0035】
図6から
図10を参照して、比較例の半導体発光装置6及びその製造方法と対比しながら、本実施の形態の半導体発光装置1及びその製造方法の作用を説明する。
【0036】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の半導体発光装置1は、封止部材30を覆うオーバーコート層35を含む。封止部材30は、封止樹脂31に起因する粘着性を有しているのに対し、オーバーコート層35は、無機材料で形成されているため、粘着性を有していない。半導体発光装置1がパッケージ50に収容されている間に半導体発光装置1がトップテープ53に接触しても、オーバーコート層35は半導体発光装置1がトップテープ53に付着することを防止する。
図8に示されるように、半導体発光装置1を使用するためにトップテープ53をキャリア51から剥がしても、半導体発光装置1は、キャリア51の凹部52に収容されたままである。そのため、ピックアップ装置(図示せず)を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0037】
これに対し、
図9を参照して、比較例の半導体発光装置6は、オーバーコート層35を含んでいない点で、本実施の形態の半導体発光装置1と異なっている。比較例の半導体発光装置6では、半導体発光装置6の最表面の一部は、封止部材30の上面30aである。封止部材30は、封止樹脂31に起因する粘着性を有している。半導体発光装置6がパッケージ50に収容されている間に半導体発光装置6がトップテープ53に接触すると、封止部材30はトップテープ53に付着して、半導体発光装置6はトップテープ53に付着する。半導体発光装置6を使用するためにトップテープ53をキャリア51から剥がすと、トップテープ53に付着した半導体発光装置6は、キャリア51の凹部52から抜け出す。そのため、ピックアップ装置(図示せず)を用いて、半導体発光装置6をパッケージ50から取り出すことが困難になる。
【0038】
図6を参照して、本実施の形態の発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性を向上させるためにダイシングテープ44を加熱すると、封止部材30が加熱されて、封止樹脂31からガス48が発生することがある。しかし、オーバーコート層35は、ガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。そのため、発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。本実施の形態では、基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0039】
これに対し、
図10を参照して、比較例の発光装置連結体7は、オーバーコート層35を含んでいない点で、本実施の形態の発光装置連結体2と異なっている。比較例の半導体発光装置6(
図9)は、発光装置連結体7を個片化することによって得られる。ダイシングテープ44を加熱すると、封止部材30が加熱されて、封止樹脂31からガス48が発生する。ガス48は、封止部材30とダイシングテープ44との間に滞留して、封止部材30とダイシングテープ44との間に隙間49を生じさせる。発光装置連結体7に対するダイシングテープ44の密着性がかえって低下する。そのため、比較例では、基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体7の個片化工程を精度よくかつ安定的に実行することが困難になる。
【0040】
(変形例)
【0041】
図11に示されるように、実施の形態の第一変形例では、封止部材30の上面30a及びオーバーコート層35の上面37は、凹んでいてもよい。そのため、半導体発光装置1がトップテープ53(
図7及び
図8を参照)に付着することがより一層防止される。ピックアップ装置(図示せず)を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0042】
図12に示されるように、実施の形態の第二変形例では、反射ケース25の頂面25aは、オーバーコート層35から露出してもよい。
【0043】
本実施の形態の半導体発光装置1及びその製造方法の効果を説明する。
【0044】
本実施の形態の半導体発光装置1は、半導体発光素子20と、半導体発光素子20を封止する封止部材30と、封止部材30を覆うオーバーコート層35とを備える。封止部材30は、封止樹脂31を含み、かつ、半導体発光素子20とは反対側の第1上面(上面30a)を有している。オーバーコート層35は、無機材料で形成されており、かつ、封止部材30の第1上面に直接接触している。
【0045】
オーバーコート層35は、無機材料で形成されているため、粘着性を有していない。そのため、封止部材30が封止樹脂31に起因する粘着性を有していても、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53(
図7及び
図8を参照)に付着することが防止される。半導体発光装置1を使用するためにトップテープ53をキャリア51から剥がしても、半導体発光装置1は、キャリア51の凹部52に収容されたままである。そのため、ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0046】
また、発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性を向上させるためにダイシングテープ44を加熱すると、封止部材30が加熱されて、封止樹脂31からガス48が発生することがある。しかし、オーバーコート層35は、ガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。そのため、発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0047】
本実施の形態の半導体発光装置1では、封止部材30上において、オーバーコート層35の厚さは、一定である。
【0048】
そのため、オーバーコート層35を、封止部材30の第1上面(上面30a)の形状に追従させることができる。
【0049】
本実施の形態の半導体発光装置1では、封止部材30上において、オーバーコート層35の最小厚さは1μm以上であり、かつ、オーバーコート層35の最大厚さは100μm以下である。
【0050】
オーバーコート層35の最小厚さが1μm以上であるため、オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを、より確実に防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。また、オーバーコート層35の最大厚さが100μm以下であるため、オーバーコート層35を形成するために要する時間及びコストが低減され得る。
【0051】
本実施の形態の半導体発光装置1は、反射ケース25をさらに備える。半導体発光素子20は、反射ケース25に収容されている。オーバーコート層35は、反射ケース25に直接接触している。
【0052】
オーバーコート層35を反射ケース25から除去する工程が不要になる。そのため、半導体発光装置1のコストが低減され得る。
【0053】
本実施の形態の半導体発光装置1では、封止部材30とは反対側のオーバーコート層35の第2上面(上面37)は、凹んでいる。
【0054】
そのため、半導体発光装置1がトップテープ53(
図7及び
図8を参照)に付着することがより一層防止される。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0055】
本実施の形態の半導体発光装置1では、無機材料は、SiO2である。
【0056】
そのため、オーバーコート層35は、粘着性を有していない。オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0057】
本実施の形態の半導体発光装置1では、封止部材30は、封止樹脂31中に分散されている波長変換部材32を含む。波長変換部材32は、半導体発光素子20から出射される光の波長を変換し、かつ、封止部材30及びオーバーコート層35のうち、封止部材30にのみ設けられている。
【0058】
オーバーコート層35は、粘着性を有していない。オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0059】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、基板連結体15に複数の半導体発光素子20をボンディングする工程と、複数の半導体発光素子20を封止部材30で封止する工程と、塗布法によって、封止部材30を覆うオーバーコート層35を形成する工程と、基板連結体15を複数の基板10に分割する工程とを備える。複数の基板10の各々は、複数の半導体発光素子20のうち対応するものを支持している。封止部材30は、封止樹脂31を含み、かつ、半導体発光素子20とは反対側の第1上面(上面30a)を有している。オーバーコート層35は、無機材料で形成されており、かつ、封止部材30の第1上面に直接接触している。
【0060】
オーバーコート層35は、無機材料で形成されているため、粘着性を有していない。そのため、封止部材30が封止樹脂31に起因する粘着性を有していても、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53(
図7及び
図8を参照)に付着することが防止される。半導体発光装置1を使用するためにトップテープ53をキャリア51から剥がしても、半導体発光装置1は、キャリア51の凹部52に収容されたままである。そのため、ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0061】
オーバーコート層35は、塗布法によって形成される。塗布法によれば、封止樹脂31を加熱することなく、オーバーコート層35が形成され得る。そのため、オーバーコート層35を形成する際に、封止樹脂31の変色などのような封止部材30の劣化を回避することができる。半導体発光装置1から放射される光の色温度の変動と、半導体発光装置1から放射される光の強度の低下と、半導体発光装置1の信頼性の低下とが抑制され得る。
【0062】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、塗布法は、スプレーコーティング法である。
【0063】
オーバーコート層35は、スプレーコーティング法によって形成される。スプレーコーティング法によれば、封止樹脂31を加熱することなく、オーバーコート層35が形成され得る。そのため、オーバーコート層35を形成する際に、封止樹脂31の変色などのような封止部材30の劣化を回避することができる。半導体発光装置1から放射される光の色温度の変動と、半導体発光装置1から放射される光の強度の低下と、半導体発光装置1の信頼性の低下とが抑制され得る。
【0064】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、オーバーコート層35にダイシングテープ44を貼り付ける工程と、ダイシングテープ44を加熱する工程とをさらに備える。
【0065】
発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性を向上させるためにダイシングテープ44を加熱すると、封止部材30が加熱されて、封止樹脂31からガス48が発生することがある。しかし、オーバーコート層35は、ガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。そのため、発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0066】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、封止部材30上において、オーバーコート層35の厚さは、一定である。
【0067】
そのため、オーバーコート層35を、封止部材30の第1上面(上面30a)の形状に追従させることができる。
【0068】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、封止部材30上において、オーバーコート層35の最小厚さは1μm以上であり、かつ、オーバーコート層35の最大厚さは100μm以下である。
【0069】
オーバーコート層35の最小厚さが1μm以上であるため、オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを、より確実に防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。また、オーバーコート層35の最大厚さが100μm以下であるため、オーバーコート層35を形成するために要する時間及びコストが低減され得る。
【0070】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法は、反射ケース連結体27を基板連結体15に取り付ける工程と、反射ケース連結体27を複数の反射ケース25に分割する工程とをさらに備える。複数の反射ケース25の各々は、複数の半導体発光素子20のうち対応するものを収容している。オーバーコート層35を形成する工程において、オーバーコート層35は反射ケース連結体27上にも形成される。オーバーコート層35は、反射ケース連結体27にも直接接触している。
【0071】
オーバーコート層35を反射ケース25から除去する工程が不要になる。そのため、半導体発光装置1の製造コストが低減され得る。
【0072】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、封止部材30とは反対側のオーバーコート層35の第2上面(上面37)は、凹んでいる。
【0073】
そのため、半導体発光装置1がトップテープ53(
図7及び
図8を参照)に付着することがより一層防止される。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。
【0074】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、無機材料は、SiO2である。
【0075】
そのため、オーバーコート層35は、粘着性を有していない。オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0076】
本実施の形態の半導体発光装置1の製造方法では、封止部材30は、封止樹脂31中に分散されている波長変換部材32を含む。波長変換部材32は、半導体発光素子20から出射される光の波長を変換し、かつ、封止部材30及びオーバーコート層35のうち、封止部材30にのみ設けられている。
【0077】
オーバーコート層35は、粘着性を有していない。オーバーコート層35は、半導体発光装置1がパッケージ50のトップテープ53に付着すること及びガス48がオーバーコート層35を通り抜けることを防止する。ピックアップ装置を用いて、半導体発光装置1をパッケージ50から容易に取り出すことができる。発光装置連結体2に対するダイシングテープ44の密着性が向上する。基板連結体15を分割する工程を含む発光装置連結体2の個片化工程を、より精度よくかつより安定的に実行することができる。
【0078】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0079】
(付記1)
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を封止する封止部材と、
前記封止部材を覆うオーバーコート層とを備え、
前記封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、前記半導体発光素子とは反対側の第1上面を有し、
前記オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、前記封止部材の前記第1上面に直接接触している、半導体発光装置。
(付記2)
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の厚さは、一定である、付記1に記載の半導体発光装置。
(付記3)
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の最小厚さは1μm以上であり、かつ、前記オーバーコート層の最大厚さは100μm以下である、付記1または付記2に記載の半導体発光装置。
(付記4)
反射ケースをさらに備え、
前記半導体発光素子は、前記反射ケースに収容されており、
前記オーバーコート層は前記反射ケースに直接接触している、付記1から付記3のいずれかに記載の半導体発光装置。
(付記5)
前記封止部材とは反対側の前記オーバーコート層の第2上面は、凹んでいる、付記1から付記4のいずれかに記載の半導体発光装置。
(付記6)
前記無機材料は、SiO2である、付記1から付記5のいずれかに記載の半導体発光装置。
(付記7)
前記封止部材は、前記封止樹脂中に分散されている波長変換部材を含み、
前記波長変換部材は、前記半導体発光素子から出射される光の波長を変換し、かつ、前記封止部材及び前記オーバーコート層のうち、前記封止部材にのみ設けられている、付記1から付記6のいずれかに記載の半導体発光装置。
(付記8)
基板連結体に複数の半導体発光素子をボンディングする工程と、
前記複数の半導体発光素子を封止部材で封止する工程と、
塗布法によって、前記封止部材を覆うオーバーコート層を形成する工程と、
前記基板連結体を複数の基板に分割する工程とを備え、
前記複数の基板の各々は、前記複数の半導体発光素子のうち対応するものを支持しており、
前記封止部材は、封止樹脂を含み、かつ、前記複数の半導体発光素子とは反対側の第1上面を有し、
前記オーバーコート層は、無機材料で形成されており、かつ、前記封止部材の前記第1上面に直接接触している、半導体発光装置の製造方法。
(付記9)
前記塗布法は、スプレーコーティング法である、付記8に記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記10)
前記オーバーコート層にダイシングテープを貼り付ける工程と、
前記ダイシングテープを加熱する工程とをさらに備える、付記8または付記9に記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記11)
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の厚さは、一定である、付記8から付記10のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記12)
前記封止部材上において、前記オーバーコート層の最小厚さは1μm以上であり、かつ、前記オーバーコート層の最大厚さは100μm以下である、付記8から付記11のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記13)
反射ケース連結体を前記基板連結体に取り付ける工程と、
反射ケース連結体を複数の反射ケースに分割する工程とをさらに備え、
前記複数の反射ケースの各々は、前記複数の半導体発光素子のうち対応するものを収容しており、
前記オーバーコート層を形成する前記工程において、前記オーバーコート層は前記反射ケース連結体上にも形成され、
前記オーバーコート層は、前記反射ケース連結体にも直接接触している、付記8から付記12のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記14)
前記封止部材とは反対側の前記オーバーコート層の第2上面は、凹んでいる、付記8から付記13のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記15)
前記無機材料は、SiO2である、付記8から付記14のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
(付記16)
前記封止部材は、前記封止樹脂中に分散されている波長変換部材を含み、
前記波長変換部材は、前記半導体発光素子から出射される光の波長を変換し、かつ、前記封止部材及び前記オーバーコート層のうち、前記封止部材にのみ設けられている、付記8から付記15のいずれかに記載の半導体発光装置の製造方法。
【0080】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0081】
1,6 半導体発光装置、2,7 発光装置連結体、10 基板、11 絶縁基板、11a,16a 前面、11b,16b 背面、12,12a,12b 前面導電層、13,13a,13b 背面導電層、15 基板連結体、16 ベース部材、20 半導体発光素子、22 接合部材、23a,23b 導電ワイヤ、25 反射ケース、25a 頂面、26 収容部、27 反射ケース連結体、27a 頂面、30 封止部材、30a 上面、31 封止樹脂、32 波長変換部材、35 オーバーコート層、36 下面、37 上面、40 ノズル、41 溶液、44 ダイシングテープ、46 ダイシングライン、48 ガス、49 隙間、50 パッケージ、51 キャリア、52 凹部、53 トップテープ。