▶ 恒成株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074501
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】木製荷受台製造装置
(51)【国際特許分類】
B27M 1/08 20060101AFI20240524BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
B27M1/08 A
B27M3/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185703
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】595051278
【氏名又は名称】恒成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】澁木 収一
(72)【発明者】
【氏名】白井 和久
【テーマコード(参考)】
2B250
【Fターム(参考)】
2B250AA40
2B250CA04
2B250FA14
2B250FA16
2B250HA01
2B250HA05
(57)【要約】
【課題】耐久性に優れた木製荷受台を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置及び製造方法並びに簡易構成にして安価に製造可能な耐久性に優れた木製荷受台を提供する。
【解決手段】木製脚材31と木製荷受材32とを釘34aにより固定する第一固定手段1と、木製脚材31と木製荷受材32とを金具33により固定する第二固定手段2とを備え、第一固定手段1は、木製脚材31と木製荷受材32との交差部に釘34aを打設して両者を固定する手段であり、第二固定手段2は、木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面とに金具33を設け、金具33により両者を固定する手段である木製荷受台製造装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材と、前記木製脚材と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材とで構成された木製荷受台を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材と前記木製荷受材とを釘により固定する第一固定手段と、前記木製脚材と前記木製荷受材とを金具により固定する第二固定手段とを備え、前記第一固定手段は、前記木製脚材と前記木製荷受材との交差部に前記釘を打設して両者を固定する手段であり、前記第二固定手段は、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに前記金具を設け、前記金具により両者を固定する手段であることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の木製荷受台製造装置において、前記第二固定手段は、平板状に形成された複数の前記金具を積層収納する金具収納部と、この金具収納部に収納された前記金具を取り出し所定位置に搬送する金具搬送手機構と、この金具搬送手機構により搬送された前記金具を前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面に釘により固定する第二釘打部とを備えることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項3】
請求項2記載の木製荷受台製造装置において、前記金具搬送手機構は、第一金具搬送部、第二金具搬送部及び第三金具搬送部とを備え、前記第一金具搬送部は、前記金具収納部に収納された前記金具一枚を取り出し前記第二金具搬送部まで搬送するように構成され、前記第二金具搬送部は、前記第一金具搬送部から前記金具を受け取り、この金具の位置を前記第三金具搬送部側に移動させるように構成され、前記第三金具搬送部は、前記第二金具搬送部から前記金具を受け取り、この金具を前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに跨設状態で当接させるように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項4】
請求項3記載の木製荷受台製造装置において、前記第一金具搬送部及び前記第二金具搬送部は、吸引吸着により前記金具を保持し、前記第三金具搬送部は磁力吸着により前記金具を保持するように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項5】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材と、前記木製脚材と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材とで構成された木製荷受台の製造方法であって、前記木製脚材と前記木製荷受材とを位置決めする部材位置決め工程と、前記部材位置決め工程により位置決めされた前記木製脚材と前記木製荷受材とが交差する交差部に釘を打設し両者を固定すると共に、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに金具を設け、この金具により両者を固定する部材固定工程とを含むものであることを特徴とする木製荷受台の製造方法。
【請求項6】
請求項5記載の木製荷受台の製造方法において、前記部材固定工程は、平板状に形成された前記金具を、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに跨設状態で当接させることを含む工程であることを特徴とする木製荷受台の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の木製荷受台の製造方法において、前記部材固定工程は、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに跨設状態で当接させた前記金具を、釘を打設し両者を連結固定することを特徴とする木製荷受台の製造方法。
【請求項8】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材に該木製脚材と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材が組み付けられてなる木製荷受台であって、前記木製脚材と前記木製荷受材との交差部には釘が打設され、さらに、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに金具が跨設され、この金具は釘により固定されていることを特徴とする木製荷受台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製荷受台製造装置、木製荷受台の製造方法及び木製荷受台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多数枚の大判の鋼板を目的地(納品先)まで運搬する場合、スキッドと称する角材を格子状に組み付けてなる木製の荷受台を用い、この木製荷受台上に鋼板を積層載置し、帯鉄(鉄製のバンド)で鋼板を木製荷受台に固定した後、木製荷受台に吊りワイヤーを掛け回し、吊り上げ搬送により車両等の輸送手段に積載し運搬しているが、この木製荷受台は、大判の鋼板が載置し得る大型形状であり、返却にかかる輸送コストが高くなることから、多くのものは使い捨てタイプとなっている。
【0003】
そのため、このような使い捨てタイプの木製荷受台は、できるだけコストを抑えて製造されるため、角材同士の接合は、角材同士が交差する交差部に釘を打設する釘着固定のみの簡易な接合となっているが、目的地に運搬する際は、前記のとおり鋼板を固定する帯鉄により角材同士の接合が保持されるため、接合部(釘着部)の固定が緩むことはなく、このような簡易な接合でも問題ない。
【0004】
しかしながら、このような使い捨てタイプの木製荷受台は、納品先において、そのまま鋼板が積層載置された状態で保管され、鋼板を使用する際は、木製荷受台に積層載置した状態のまま使用場所まで移動させることが多い。
【0005】
この納品先の移動においては、近距離移動が多いため帯鉄で固定せずに吊りワイヤーやフォークリフトを用いて運搬移動することもあり、帯鉄で固定しない場合、鋼板の重みで接合部(釘着部)に負荷が掛かり、交差部の釘着固定のみでは釘着部の固定が緩み、角材同士の接合が外れてしまう不具合が生じる。
【0006】
そこで、本出願人は前記不具合を防止すべく、交差部の釘着固定に加え、脚部となる角材の端面と荷受部となる角材の側面とに金具を設け、両者を金具により固定し、接合強度を補強した木製荷受台を見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記金具の取り付け作業を作業者が手作業で行う場合、時間と労力がかかり、製造コストがアップしてしまう。
【0008】
本発明は上述のような現状に鑑みなされたものであり、耐久性に優れた木製荷受台を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置及び製造方法並びに簡易構成にして安価に製造可能な耐久性に優れた木製荷受台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材31と、前記木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32とで構成された木製荷受台30を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを釘34aにより固定する第一固定手段1と、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを金具33により固定する第二固定手段2とを備え、前記第一固定手段1は、前記木製脚材31と前記木製荷受材32との交差部に前記釘34aを打設して両者を固定する手段であり、前記第二固定手段2は、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに前記金具33を設け、前記金具33により両者を固定する手段であることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の木製荷受台製造装置において、前記第二固定手段2は、平板状に形成された複数の前記金具33を積層収納する金具収納部3と、この金具収納部3に収納された前記金具33を取り出し所定位置に搬送する金具搬送手機構4と、この金具搬送手機構4により搬送された前記金具33を前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面に釘34bにより固定する第二釘打部5とを備えることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0012】
また、請求項2記載の木製荷受台製造装置において、前記金具搬送手機構4は、第一金具搬送部4a、第二金具搬送部4b及び第三金具搬送部4cとを備え、前記第一金具搬送部4aは、前記金具収納部3に収納された前記金具33一枚を取り出し前記第二金具搬送部4bまで搬送するように構成され、前記第二金具搬送部4bは、前記第一金具搬送部4aから前記金具33を受け取り、この金具33の位置を前記第三金具搬送部4c側に移動させるように構成され、前記第三金具搬送部4cは、前記第二金具搬送部4bから前記金具33を受け取り、この金具33を前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0013】
また、請求項3記載の木製荷受台製造装置において、前記第一金具搬送部4a及び前記第二金具搬送部4bは、吸引吸着により前記金具33を保持し、前記第三金具搬送部4cは磁力吸着により前記金具33を保持するように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0014】
また、間隔をおいて並設された複数の木製脚材31と、前記木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32とで構成された木製荷受台30の製造方法であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを位置決めする部材位置決め工程と、前記部材位置決め工程により位置決めされた前記木製脚材31と前記木製荷受材32とが交差する交差部に釘34aを打設し両者を固定すると共に、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに金具33を設け、この金具33により両者を固定する部材固定工程とを含むものであることを特徴とする木製荷受台の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項5記載の木製荷受台の製造方法において、前記部材固定工程は、平板状に形成された前記金具33を、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させることを含む工程であることを特徴とする木製荷受台の製造方法に係るものである。
【0016】
また、請求項6記載の木製荷受台の製造方法において、前記部材固定工程は、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させた前記金具33を、釘34bを打設し両者を連結固定することを特徴とする木製荷受台の製造方法に係るものである。
【0017】
また、間隔をおいて並設された複数の木製脚材31に該木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32が組み付けられてなる木製荷受台30であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32との交差部には釘34aが打設され、さらに、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに金具33が跨設され、この金具33は釘34bにより固定されていることを特徴とする木製荷受台に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、耐久性に優れた木製荷受台を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置及び製造方法並びに簡易構成にして安価に製造可能な耐久性に優れた木製荷受台となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施例の木製荷受台を示す説明斜視図である。
【
図2】本実施例の木製荷受台製造装置を示す概略平面図である。
【
図3】本実施例の木製荷受台製造装置の使用状態(釘着装置作動時)を示す概略斜視図である。
【
図4】本実施例の木製荷受台製造装置の使用状態(金具取付装置作動時)を示す概略斜視図である。
【
図5】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図6】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図7】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図8】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図9】本実施例の金具取付装置における金具取付状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
本発明は、木製脚材31と木製荷受材32とを所定の直交状態に位置決めした後、第一固定手段1により、木製脚材31と木製荷受材32との交差部に釘34aを打設して釘着固定し、続いて、第二固定手段2により、金具33を木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面とに跨設し、適宜な固定部材でこの金具33を木製脚材31及び木製荷受材32に固定する。
【0022】
このように、本発明は、従来の交差部の釘着固定に加え、金具33を用いて木製脚材31と木製荷受材32とを連結固定するから、作業者による手作業を要することなく、耐久性に優れた木製荷受台30を低コストで効率的に製造することができる実用性に優れた木製荷受台製造装置及び製造方法となる。
【実施例0023】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、間隔をおいて並設された複数の木製脚材31と、前記木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32とで構成された木製荷受台30を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを釘34aにより固定する第一固定手段1と、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを金具33により固定する第二固定手段2とを備え、前記第一固定手段1は、前記木製脚材31と前記木製荷受材32との交差部に前記釘34aを打設して両者を固定する手段であり、前記第二固定手段2は、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに前記金具33を設け、前記金具33により両者を固定する手段である。
【0025】
具体的には、本実施例は、前記第一固定手段1及びこの第一固定手段1に連設される第一搬送手段6とからなる釘着装置7と、前記第二固定手段2及びこの第二固定手段2に連設される第二搬送手段8とからなる金具取付装置9とを備えるものである。
【0026】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。なお、本実施例は、
図1に示すような三本の木製脚材31と四本の木製荷受材32とを格子状に組み付けてなる木製荷受台30を製造する場合の木製荷受台製造装置について説明するが、本発明の木製荷受台製造装置は、前記構成の木製荷受台30に限らず、木製脚材31は二本~四本、木製荷受材32は二本~五本の範囲の組み合わせの木製荷受台30が製造可能である。
【0027】
本実施例の釘着装置7は、
図2,3に示すように、第一搬送手段6、第一固定手段1及び図示省略の第一クランプ手段を備え、第一搬送手段6上にセットされ所定位置まで搬送された木製荷受材32に対して、この木製荷受材32上にセットされた木製脚材31を第一クランプ手段により直交状態となるように位置決めし、この木製脚材31と木製荷受材32の位置決め状態を保持(クランプ)した後、木製脚材31と木製荷受材32の交差部を上方から(木製脚材31側から)第一固定手段1により釘着固定するように構成されている。
【0028】
具体的には、第一搬送手段6は、サーボモータ(図示省略)により駆動する四本のチェーンコンベア6aが並設されてなるものであり、各チェーンコンベア6a上に載置された部材(木製脚材31及び木製荷受材32)をタクト搬送するように構成されている。
【0029】
また、第一搬送手段6は、チェーンコンベア6aの並設間隔が調整可能に構成され、一台の木製荷受台30に使用する木製荷受材32の本数に応じて、並設間隔を適正な間隔に設定できるように構成されている。
【0030】
また、第一クランプ手段は、前記第一搬送手段6で搬送された木製脚材31及び木製荷受材32を所定状態に位置決め固定(クランプ)するように構成されている。
【0031】
具体的には、第一クランプ手段は、第一固定手段1の下方に設けられ、各木製荷受材32を所定位置で適正状態に位置決めすると共に、この木製荷受材32の所定位置において、木製荷受材32上にセットされた木製脚材31を木製荷受材32に対して直交状態及び木製脚材31の端面と外側の木製荷受材32の側面とが面一状態となるように位置決めし、この木製脚材31と木製荷受材32の位置決め状態を保持するように構成されている。
【0032】
また、第一固定手段1は、複数(本実施例では四つ)の第一釘打部10とこの第一釘打部10に釘34aを供給する第一釘供給部(図示省略)とを備えるものである。
【0033】
具体的には、各第一釘打部10は、釘34aを射出する射出部を二つ有し、二本の釘34aを同時に打設するように構成されている。
【0034】
また、各第一釘打部10は、釘着装置7の幅方向(第一搬送手段6の搬送方向と直交するY方向)及び上下方向(Z方向)に移動可能に構成され(釘着装置7の幅方向(X方向)は固定)、
図2に示すように、第一搬送手段6の各チェーンコンベア6aの直上に設けられ、チェーンコンベア6aの並設間隔の調整移動に伴い調整移動可能に構成されている。
【0035】
なお、釘着装置7に関し、第一搬送手段6を構成するチェーンコンベア6aの設置数、第一固定手段1の第一釘打部10の設置数は本実施例に限定されるものではなく適宜設計変更可能なものとする。
【0036】
また、本実施例の金具取付装置9は、
図2,4に示すように、第二搬送手段8、第二固定手段2及び図示省略の第二クランプ手段を備え、釘着装置7を介して格子状に組み付けられた(荷受台形状に形成された)部材(以下、「格子状部材」という。)を、金具33を用いて木製脚材31と木製荷受材32とを連結し補強固定するように構成されている。
【0037】
具体的には、第二搬送手段8は、複数の駆動ローラ8aが並設されてなるものであり、釘着装置7から送出され、この駆動ローラ8a上に載置された格子状部材を適正な搬送姿勢を保持して第二固定手段2へ搬送するように構成されている。
【0038】
また、第二搬送手段8は、幅方向一側にガイド部11が設けられ、このガイド部11の案内により木製荷受材32が移動することで、格子状部材が適正な搬送姿勢で搬送されるように構成されている。
【0039】
具体的には、ガイド部11は、搬送方向に沿って二列状態で配設された複数のガイドローラ11aで構成され、このガイドローラ11aが最も外側に位置する木製荷受材32を挟持案内することで格子状部材の姿勢が固定されると共に、幅方向への位置ずれが防止され、格子状部材が適正姿勢、適正位置で第二クランプ手段へ搬送されるように構成されている。
【0040】
より具体的には、本実施例のガイド部11は、内側に配列されたガイドローラ11aが、幅方向(第二搬送手段8の搬送方向と直交する方向)に移動可能に構成され、挟持案内する木製荷受材32の幅(太さ)に応じて、外側列のガイドローラ11aと内側列のガイドローラ11aとの間隔を適宜調整できるように構成されている。
【0041】
また、第二クランプ手段は、後述する第二固定手段2の手前に設けられ、この第二固定手段2による金具取付作業時に格子状部材が位置ずれしないように、格子状部材を所定位置で適正状態に位置決めし、この位置決め状態を保持するように構成されている。
【0042】
また、第二固定手段2は、
図5に示すように、平板状に形成された複数の金具33を積層収納する金具収納部3と、この金具収納部3に収納された金具33を取り出し所定位置に搬送する金具搬送手機構4と、この金具搬送手機構4に搬送された金具33を木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面に釘着固定する第二釘打部5と、この第二釘打部5に釘34bを供給する第二釘供給部(図示省略)とを備えるものであり、図示するように、金具取付装置9の左右両側に対向状態に設けられ、格子状部材の両側面に同時に金具を取り付けるように構成されている。
【0043】
具体的には、金具搬送手機構4は、第一金具搬送部4a、第二金具搬送部4b及び第三金具搬送部4cとを備え、第一金具搬送部4aは、
図5,6に示すように、金具収納部3に収納された金具33を一枚取り出し、第二金具搬送部4bまで搬送するように構成され、第二金具搬送部4bは、
図7に示すように、第一金具搬送部4aから金具33を受け取り、この金具33の位置を第三金具搬送部4c側に移動させるように構成され、第三金具搬送部4cは、
図7~9に示すように、第二金具搬送部4bから金具33を受け取り、この金具33を木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されている。
【0044】
より具体的には、第一金具搬送部4a及び第二金具搬送部4bは、吸引吸着により金具33を保持し、第三金具搬送部4cは磁力吸着により金具33を保持するように構成されている。
【0045】
詳細には、第一金具搬送部4aは、吸引吸着により金具33を保持する吸引吸着部12を有する移動部13と、この移動部13の移動を案内するガイド部14とを備え、吸引吸着部12は上下方向に移動自在に設けられ、下方移動により金具収納部3に収納された金具33を吸着保持し、移動部13の移動により第二金具搬送部4bとの金具受け渡し位置まで移動するように構成されている。
【0046】
また、第二金具搬送部4bは、吸引吸着により金具33を保持する吸引吸着部15を有する回動部16と、この回動部16の回動動作を案内する回動軸部17とを備え、第一金具搬送部4aから金具33を受け取り、90°回動し、金具33を第三金具搬送部4c側に移動させるように構成されている。
【0047】
また、第三金具搬送部4cは、磁力吸着により金具33を保持する磁力吸着部18を有する移動部19と、この移動部19を移送させるための駆動部20を備え、磁力吸着部18は、平板状に形成され、板面に第二釘打部5の釘34bが射出される射出部が挿入される貫通孔18aが設けられた構成であり、さらに、磁力吸着部18は、前後方向に移動自在に設けられ、前進移動により第二金具搬送部4bの吸引吸着部15に保持されている金具33に磁力吸着し、前記吸引吸着部15の吸引解除により金具33を受け取り、後退移動した後、移動部19の下方移動により金具33を所定位置まで下降させ、再び磁力吸着部18の前進移動により金具33を、木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されている。
【0048】
なお、本実施例は上述のように第三金具搬送部4cにおいて金具33を磁力吸着するため、使用する金具33は磁着可能な金属(たとえば、SUS430)を用いている。
【0049】
また、金具搬送手機構4に関し、第二金具搬送部4bを設ける代わりに、第一金具搬送部4aに回動動作機能を追加し、第一金具搬送部4aが第三金具搬送部4cに金具33を受け渡す構成としても良く、また、搬送部レイアウト変更により、第二金具搬送部4bを不要とする構成としても良い。
【0050】
また、第二釘打部5は、釘34bを射出する射出部5aを四つ有し、四本の釘34bを同時に打設するように構成されている。
【0051】
また、第二釘打部5は、前後方向に移動可能に構成され(格子状部材の側面に接近退避移動自在に構成され)、前記した第三金具搬送部4cの前後移動に連動して移動するように構成されている。
【0052】
具体的には、第二釘打部5は、第三金具搬送部4cと共に前進移動し、第三金具搬送部4cが金具33を格子状部材の側面に当接させ移動を停止した後も前進移動を続け、
図9に示すように、射出部5aを磁力吸着部18に設けられた貫通孔18aに挿入すると共に、磁力吸着部18を押圧し、金具33を格子状部材の側面に密着状態とした後、釘34bを射出し打設するように構成されている。
【0053】
なお、第二釘打部5において、釘34bを射出する本数は適宜設計変更可能なものとする。
【0054】
次に、上述のように構成される本実施例の木製荷受台製造装置を用いた木製荷受台30の製造方法につい説明する。
【0055】
まず、作業者が、釘着装置7及び金具取付装置9の作動を制御する制御装置(図示省略)において、予め登録されている製品データから作製する木製荷受台30に該当する製品データを選択する。
【0056】
続いて、木製荷受台30の荷受部(パネル部)の形成に必要な本数の木製荷受材32を釘着装置7の第一搬送手段6のチェーンコンベア6aにセットし、さらに、このチェーンコンベア6aにセットした木製荷受材32上の所定位置に、この木製荷受材32と交差状態に木製脚材31を必要本数セットした後、作業開始操作を行う。
【0057】
なお、木製脚材31を木製荷受材32上にセットする場合、帯鉄を掛け回すための凹溝31aが形成された面を上側にしてセットする。また、木製脚材31は木製荷受材32に対して正確な位置に直交状態にセットする必要は無く、おおまかなにセットするだけで良い(作業開始後、釘着装置7の第一クランプ手段により適正状態にセットされるため。)。
【0058】
前記作業開始操作により、釘着装置7が作動し、第一搬送手段6により木製荷受材32と一本目の木製脚材31とを第一クランプ手段へ搬送し、木製荷受材32上にセットされた一本目の木製脚材31を所定位置において直交状態及び木製脚材31の端面と外側の木製荷受材32の側面とが面一状態となるように位置決めし、この一本目の木製脚材31を木製荷受材32に対して前記位置決め状態を保持したまま、第一固定手段1により一本目の木製脚材31と木製荷受材32とが交差する各交差部に釘34aを二本ずつ打設し、一本目の木製脚材31と木製荷受材32とを釘着固定する。
【0059】
一本目の木製脚材31の釘着固定終了後、第一搬送手段6のタクト搬送により前進移動し、二本目、三本目の木製脚材31の位置決め及び釘着固定を同様に行う。
【0060】
続いて、この釘着装置7による木製脚材31と木製荷受材32との釘着固定終了後、格子状に組み付けられた木製脚材31と木製荷受材32(格子状部材)を、釘着装置7と連設する金具取付装置9へ送出し、この金具取付装置9において、側面に金具33を取り付け、木製脚材31と木製荷受材32との接合(連結)を補強する。
【0061】
具体的には、釘着装置7から送出された格子状部材の幅方向一側の最外側に位置する木製荷受材32を第二搬送手段8のガイド部11で挟持し(ガイド部11のガイドローラ11aに挟持し)、格子状部材の適正姿勢、適正位置を保持しながら第二固定手段2へ搬送する。
【0062】
続いて、この第二固定手段2に搬送した格子状部材を、第二クランプ手段により所定状態に位置決め固定し、第二固定手段2により所定の金具取付位置に金具33を取り付け、この金具33により木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面とを連結固定する。
【0063】
詳細には、まず、第一金具搬送部4aが作動し、金具収納部3に収納されている金具33を、吸引吸着により一枚だけ取り出し、第二金具搬送部4bとの金具受け渡し位置まで水平移動する。
【0064】
続いて、第二金具搬送部4bが第一金具搬送部4aに保持されている金具33を吸引吸着して受け取り、回動部16の回動により金具33を90°方向反転させ、第三金具搬送部4c側に配設する。
【0065】
続いて、第三金具搬送部4cが第二金具搬送部4bに保持されている金具33を磁力吸着して受け取り、格子状部材の金具取付位置と対向する位置まで下降移動する。
【0066】
続いて、金具33を保持する第三金具搬送部4cと第二釘打部5とが前進移動し、第三金具搬送部4cで保持している金具33を格子状部材の側面に当接させ(木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態に当接させ)、この金具33が格子状部材の側面に当接した後、さらに、第二釘打部5が前進し、金具33を保持している第三金具搬送部4cの磁力吸着部18を押圧して、金具33を格子状部材の側面に密着状態にした後、第二釘打部5から釘34bを射出して打設し、金具33を所定位置に釘着固定する。
【0067】
金具取付装置9における上記作業が所定の金具取付位置に対して行われた後、作業終了となり、完成した木製荷受台30は、金具取付装置9に連設される搬送台40上に送出され、作業者によって回収される。
【0068】
なお、完成した木製荷受台30の回収作業に関しては、たとえば、金具取付装置9に反転装置を連設し、この反転装置により自動的に積み上げ収納するようにしても良い。
【0069】
本実施例は上述のように構成したから、耐久性に優れた木製荷受台30を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置となり、また、この木製荷受台製造装置を用いて上述のように製造される本実施例の木製荷受台30は、簡易構成にして安価に製造可能な耐久性に優れた木製荷受台30となる。
【0070】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0071】
1 第一固定手段
2 第二固定手段
3 金具収納部
4 金具搬送手段
4a 第一金具搬送部
4b 第二金具搬送部
4c 第三金具搬送部
5 第二釘打部
30 木製荷受台
31 木製脚材
32 木製荷受材
33 金具
34a 釘
34b 釘
【手続補正書】
【提出日】2024-03-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材と、前記木製脚材と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材とで構成された木製荷受台を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材と前記木製荷受材とを釘により固定する第一固定手段と、前記木製脚材と前記木製荷受材とを金具により固定する第二固定手段とを備え、前記第一固定手段は、前記木製脚材と前記木製荷受材との交差部に前記釘を打設して該木製脚材と該木製荷受材とを固定する手段であり、前記第二固定手段は、平板状に形成された複数の前記金具を積層収納する金具収納部と、この金具収納部に収納された前記金具を取り出し所定位置に搬送する金具搬送機構と、この金具搬送機構により搬送された前記金具を前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面に釘により固定する釘打部とを備え、前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに設けた前記金具により該木製脚材と該木製荷受材とを固定する手段であることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項2】
請求項1記載の木製荷受台製造装置において、前記金具搬送機構は、第一金具搬送部、第二金具搬送部及び第三金具搬送部とを備え、前記第一金具搬送部は、前記金具収納部に収納された前記金具一枚を取り出し前記第二金具搬送部まで搬送するように構成され、前記第二金具搬送部は、前記第一金具搬送部から前記金具を受け取り、この金具の位置を前記第三金具搬送部側に移動させるように構成され、前記第三金具搬送部は、前記第二金具搬送部から前記金具を受け取り、この金具を前記木製脚材の端面と前記木製荷受材の側面とに跨設状態で当接させるように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【請求項3】
請求項2記載の木製荷受台製造装置において、前記第一金具搬送部及び前記第二金具搬送部は、吸引吸着により前記金具を保持し、前記第三金具搬送部は磁力吸着により前記金具を保持するように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木製荷受台製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多数枚の大判の鋼板を目的地(納品先)まで運搬する場合、スキッドと称する角材を格子状に組み付けてなる木製の荷受台を用い、この木製荷受台上に鋼板を積層載置し、帯鉄(鉄製のバンド)で鋼板を木製荷受台に固定した後、木製荷受台に吊りワイヤーを掛け回し、吊り上げ搬送により車両等の輸送手段に積載し運搬しているが、この木製荷受台は、大判の鋼板が載置し得る大型形状であり、返却にかかる輸送コストが高くなることから、多くのものは使い捨てタイプとなっている。
【0003】
そのため、このような使い捨てタイプの木製荷受台は、できるだけコストを抑えて製造されるため、角材同士の接合は、角材同士が交差する交差部に釘を打設する釘着固定のみの簡易な接合となっているが、目的地に運搬する際は、前記のとおり鋼板を固定する帯鉄により角材同士の接合が保持されるため、接合部(釘着部)の固定が緩むことはなく、このような簡易な接合でも問題ない。
【0004】
しかしながら、このような使い捨てタイプの木製荷受台は、納品先において、そのまま鋼板が積層載置された状態で保管され、鋼板を使用する際は、木製荷受台に積層載置した状態のまま使用場所まで移動させることが多い。
【0005】
この納品先の移動においては、近距離移動が多いため帯鉄で固定せずに吊りワイヤーやフォークリフトを用いて運搬移動することもあり、帯鉄で固定しない場合、鋼板の重みで接合部(釘着部)に負荷が掛かり、交差部の釘着固定のみでは釘着部の固定が緩み、角材同士の接合が外れてしまう不具合が生じる。
【0006】
そこで、本出願人は前記不具合を防止すべく、交差部の釘着固定に加え、脚部となる角材の端面と荷受部となる角材の側面とに金具を設け、両者を金具により固定し、接合強度を補強した木製荷受台を見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記金具の取り付け作業を作業者が手作業で行う場合、時間と労力がかかり、製造コストがアップしてしまう。
【0008】
本発明は上述のような現状に鑑みなされたものであり、耐久性に優れた木製荷受台を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
間隔をおいて並設された複数の木製脚材31と、前記木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32とで構成された木製荷受台30を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを釘34aにより固定する第一固定手段1と、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを金具33により固定する第二固定手段2とを備え、前記第一固定手段1は、前記木製脚材31と前記木製荷受材32との交差部に前記釘34aを打設して該木製脚材31と該木製荷受材32とを固定する手段であり、前記第二固定手段2は、平板状に形成された複数の前記金具33を積層収納する金具収納部3と、この金具収納部3に収納された前記金具33を取り出し所定位置に搬送する金具搬送機構4と、この金具搬送機構4により搬送された前記金具33を前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面に釘34bにより固定する釘打部とを備え、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに設けた前記金具33により該木製脚材31と該木製荷受材32とを固定する手段であることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の木製荷受台製造装置において、前記金具搬送機構4は、第一金具搬送部4a、第二金具搬送部4b及び第三金具搬送部4cとを備え、前記第一金具搬送部4aは、前記金具収納部3に収納された前記金具33一枚を取り出し前記第二金具搬送部4bまで搬送するように構成され、前記第二金具搬送部4bは、前記第一金具搬送部4aから前記金具33を受け取り、この金具33の位置を前記第三金具搬送部4c側に移動させるように構成され、前記第三金具搬送部4cは、前記第二金具搬送部4bから前記金具33を受け取り、この金具33を前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【0012】
また、請求項2記載の木製荷受台製造装置において、前記第一金具搬送部4a及び前記第二金具搬送部4bは、吸引吸着により前記金具33を保持し、前記第三金具搬送部4cは磁力吸着により前記金具33を保持するように構成されていることを特徴とする木製荷受台製造装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したから、耐久性に優れた木製荷受台を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施例の木製荷受台を示す説明斜視図である。
【
図2】本実施例の木製荷受台製造装置を示す概略平面図である。
【
図3】本実施例の木製荷受台製造装置の使用状態(釘着装置作動時)を示す概略斜視図である。
【
図4】本実施例の木製荷受台製造装置の使用状態(金具取付装置作動時)を示す概略斜視図である。
【
図5】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図6】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図7】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図8】本実施例の金具取付装置における金具搬送状態を示す概略説明図である。
【
図9】本実施例の金具取付装置における金具取付状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0016】
本発明は、木製脚材31と木製荷受材32とを所定の直交状態に位置決めした後、第一固定手段1により、木製脚材31と木製荷受材32との交差部に釘34aを打設して釘着固定し、続いて、第二固定手段2により、金具33を木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面とに跨設し、適宜な固定部材でこの金具33を木製脚材31及び木製荷受材32に固定する。
【0017】
このように、本発明は、従来の交差部の釘着固定に加え、金具33を用いて木製脚材31と木製荷受材32とを連結固定するから、作業者による手作業を要することなく、耐久性に優れた木製荷受台30を低コストで効率的に製造することができる実用性に優れた木製荷受台製造装置となる。
【実施例0018】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】
本実施例は、間隔をおいて並設された複数の木製脚材31と、前記木製脚材31と直交し間隔をおいて並設された複数の木製荷受材32とで構成された木製荷受台30を製造する木製荷受台製造装置であって、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを釘34aにより固定する第一固定手段1と、前記木製脚材31と前記木製荷受材32とを金具33により固定する第二固定手段2とを備え、前記第一固定手段1は、前記木製脚材31と前記木製荷受材32との交差部に前記釘34aを打設して両者を固定する手段であり、前記第二固定手段2は、前記木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに前記金具33を設け、前記金具33により両者を固定する手段である。
【0020】
具体的には、本実施例は、前記第一固定手段1及びこの第一固定手段1に連設される第一搬送手段6とからなる釘着装置7と、前記第二固定手段2及びこの第二固定手段2に連設される第二搬送手段8とからなる金具取付装置9とを備えるものである。
【0021】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。なお、本実施例は、
図1に示すような三本の木製脚材31と四本の木製荷受材32とを格子状に組み付けてなる木製荷受台30を製造する場合の木製荷受台製造装置について説明するが、本発明の木製荷受台製造装置は、前記構成の木製荷受台30に限らず、木製脚材31は二本~四本、木製荷受材32は二本~五本の範囲の組み合わせの木製荷受台30が製造可能である。
【0022】
本実施例の釘着装置7は、
図2,3に示すように、第一搬送手段6、第一固定手段1及び図示省略の第一クランプ手段を備え、第一搬送手段6上にセットされ所定位置まで搬送された木製荷受材32に対して、この木製荷受材32上にセットされた木製脚材31を第一クランプ手段により直交状態となるように位置決めし、この木製脚材31と木製荷受材32の位置決め状態を保持(クランプ)した後、木製脚材31と木製荷受材32の交差部を上方から(木製脚材31側から)第一固定手段1により釘着固定するように構成されている。
【0023】
具体的には、第一搬送手段6は、サーボモータ(図示省略)により駆動する四本のチェーンコンベア6aが並設されてなるものであり、各チェーンコンベア6a上に載置された部材(木製脚材31及び木製荷受材32)をタクト搬送するように構成されている。
【0024】
また、第一搬送手段6は、チェーンコンベア6aの並設間隔が調整可能に構成され、一台の木製荷受台30に使用する木製荷受材32の本数に応じて、並設間隔を適正な間隔に設定できるように構成されている。
【0025】
また、第一クランプ手段は、前記第一搬送手段6で搬送された木製脚材31及び木製荷受材32を所定状態に位置決め固定(クランプ)するように構成されている。
【0026】
具体的には、第一クランプ手段は、第一固定手段1の下方に設けられ、各木製荷受材32を所定位置で適正状態に位置決めすると共に、この木製荷受材32の所定位置において、木製荷受材32上にセットされた木製脚材31を木製荷受材32に対して直交状態及び木製脚材31の端面と外側の木製荷受材32の側面とが面一状態となるように位置決めし、この木製脚材31と木製荷受材32の位置決め状態を保持するように構成されている。
【0027】
また、第一固定手段1は、複数(本実施例では四つ)の第一釘打部10とこの第一釘打部10に釘34aを供給する第一釘供給部(図示省略)とを備えるものである。
【0028】
具体的には、各第一釘打部10は、釘34aを射出する射出部を二つ有し、二本の釘34aを同時に打設するように構成されている。
【0029】
また、各第一釘打部10は、釘着装置7の幅方向(第一搬送手段6の搬送方向と直交するY方向)及び上下方向(Z方向)に移動可能に構成され(釘着装置7の幅方向(X方向)は固定)、
図2に示すように、第一搬送手段6の各チェーンコンベア6aの直上に設けられ、チェーンコンベア6aの並設間隔の調整移動に伴い調整移動可能に構成されている。
【0030】
なお、釘着装置7に関し、第一搬送手段6を構成するチェーンコンベア6aの設置数、第一固定手段1の第一釘打部10の設置数は本実施例に限定されるものではなく適宜設計変更可能なものとする。
【0031】
また、本実施例の金具取付装置9は、
図2,4に示すように、第二搬送手段8、第二固定手段2及び図示省略の第二クランプ手段を備え、釘着装置7を介して格子状に組み付けられた(荷受台形状に形成された)部材(以下、「格子状部材」という。)を、金具33を用いて木製脚材31と木製荷受材32とを連結し補強固定するように構成されている。
【0032】
具体的には、第二搬送手段8は、複数の駆動ローラ8aが並設されてなるものであり、釘着装置7から送出され、この駆動ローラ8a上に載置された格子状部材を適正な搬送姿勢を保持して第二固定手段2へ搬送するように構成されている。
【0033】
また、第二搬送手段8は、幅方向一側にガイド部11が設けられ、このガイド部11の案内により木製荷受材32が移動することで、格子状部材が適正な搬送姿勢で搬送されるように構成されている。
【0034】
具体的には、ガイド部11は、搬送方向に沿って二列状態で配設された複数のガイドローラ11aで構成され、このガイドローラ11aが最も外側に位置する木製荷受材32を挟持案内することで格子状部材の姿勢が固定されると共に、幅方向への位置ずれが防止され、格子状部材が適正姿勢、適正位置で第二クランプ手段へ搬送されるように構成されている。
【0035】
より具体的には、本実施例のガイド部11は、内側に配列されたガイドローラ11aが、幅方向(第二搬送手段8の搬送方向と直交する方向)に移動可能に構成され、挟持案内する木製荷受材32の幅(太さ)に応じて、外側列のガイドローラ11aと内側列のガイドローラ11aとの間隔を適宜調整できるように構成されている。
【0036】
また、第二クランプ手段は、後述する第二固定手段2の手前に設けられ、この第二固定手段2による金具取付作業時に格子状部材が位置ずれしないように、格子状部材を所定位置で適正状態に位置決めし、この位置決め状態を保持するように構成されている。
【0037】
また、第二固定手段2は、
図5に示すように、平板状に形成された複数の金具33を積層収納する金具収納部3と、この金具収納部3に収納された金具33を取り出し所定位置に搬送する金具搬
送機構4と、この金具搬
送機構4に搬送された金具33を木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面に釘着固定する第二釘打部5と、この第二釘打部5に釘34bを供給する第二釘供給部(図示省略)とを備えるものであり、図示するように、金具取付装置9の左右両側に対向状態に設けられ、格子状部材の両側面に同時に金具を取り付けるように構成されている。
【0038】
具体的には、金具搬
送機構4は、第一金具搬送部4a、第二金具搬送部4b及び第三金具搬送部4cとを備え、第一金具搬送部4aは、
図5,6に示すように、金具収納部3に収納された金具33を一枚取り出し、第二金具搬送部4bまで搬送するように構成され、第二金具搬送部4bは、
図7に示すように、第一金具搬送部4aから金具33を受け取り、この金具33の位置を第三金具搬送部4c側に移動させるように構成され、第三金具搬送部4cは、
図7~9に示すように、第二金具搬送部4bから金具33を受け取り、この金具33を木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されている。
【0039】
より具体的には、第一金具搬送部4a及び第二金具搬送部4bは、吸引吸着により金具33を保持し、第三金具搬送部4cは磁力吸着により金具33を保持するように構成されている。
【0040】
詳細には、第一金具搬送部4aは、吸引吸着により金具33を保持する吸引吸着部12を有する移動部13と、この移動部13の移動を案内するガイド部14とを備え、吸引吸着部12は上下方向に移動自在に設けられ、下方移動により金具収納部3に収納された金具33を吸着保持し、移動部13の移動により第二金具搬送部4bとの金具受け渡し位置まで移動するように構成されている。
【0041】
また、第二金具搬送部4bは、吸引吸着により金具33を保持する吸引吸着部15を有する回動部16と、この回動部16の回動動作を案内する回動軸部17とを備え、第一金具搬送部4aから金具33を受け取り、90°回動し、金具33を第三金具搬送部4c側に移動させるように構成されている。
【0042】
また、第三金具搬送部4cは、磁力吸着により金具33を保持する磁力吸着部18を有する移動部19と、この移動部19を移送させるための駆動部20を備え、磁力吸着部18は、平板状に形成され、板面に第二釘打部5の釘34bが射出される射出部が挿入される貫通孔18aが設けられた構成であり、さらに、磁力吸着部18は、前後方向に移動自在に設けられ、前進移動により第二金具搬送部4bの吸引吸着部15に保持されている金具33に磁力吸着し、前記吸引吸着部15の吸引解除により金具33を受け取り、後退移動した後、移動部19の下方移動により金具33を所定位置まで下降させ、再び磁力吸着部18の前進移動により金具33を、木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態で当接させるように構成されている。
【0043】
なお、本実施例は上述のように第三金具搬送部4cにおいて金具33を磁力吸着するため、使用する金具33は磁着可能な金属(たとえば、SUS430)を用いている。
【0044】
また、金具搬送機構4に関し、第二金具搬送部4bを設ける代わりに、第一金具搬送部4aに回動動作機能を追加し、第一金具搬送部4aが第三金具搬送部4cに金具33を受け渡す構成としても良く、また、搬送部レイアウト変更により、第二金具搬送部4bを不要とする構成としても良い。
【0045】
また、第二釘打部5は、釘34bを射出する射出部5aを四つ有し、四本の釘34bを同時に打設するように構成されている。
【0046】
また、第二釘打部5は、前後方向に移動可能に構成され(格子状部材の側面に接近退避移動自在に構成され)、前記した第三金具搬送部4cの前後移動に連動して移動するように構成されている。
【0047】
具体的には、第二釘打部5は、第三金具搬送部4cと共に前進移動し、第三金具搬送部4cが金具33を格子状部材の側面に当接させ移動を停止した後も前進移動を続け、
図9に示すように、射出部5aを磁力吸着部18に設けられた貫通孔18aに挿入すると共に、磁力吸着部18を押圧し、金具33を格子状部材の側面に密着状態とした後、釘34bを射出し打設するように構成されている。
【0048】
なお、第二釘打部5において、釘34bを射出する本数は適宜設計変更可能なものとする。
【0049】
次に、上述のように構成される本実施例の木製荷受台製造装置を用いた木製荷受台30の製造方法につい説明する。
【0050】
まず、作業者が、釘着装置7及び金具取付装置9の作動を制御する制御装置(図示省略)において、予め登録されている製品データから作製する木製荷受台30に該当する製品データを選択する。
【0051】
続いて、木製荷受台30の荷受部(パネル部)の形成に必要な本数の木製荷受材32を釘着装置7の第一搬送手段6のチェーンコンベア6aにセットし、さらに、このチェーンコンベア6aにセットした木製荷受材32上の所定位置に、この木製荷受材32と交差状態に木製脚材31を必要本数セットした後、作業開始操作を行う。
【0052】
なお、木製脚材31を木製荷受材32上にセットする場合、帯鉄を掛け回すための凹溝31aが形成された面を上側にしてセットする。また、木製脚材31は木製荷受材32に対して正確な位置に直交状態にセットする必要は無く、おおまかなにセットするだけで良い(作業開始後、釘着装置7の第一クランプ手段により適正状態にセットされるため。)。
【0053】
前記作業開始操作により、釘着装置7が作動し、第一搬送手段6により木製荷受材32と一本目の木製脚材31とを第一クランプ手段へ搬送し、木製荷受材32上にセットされた一本目の木製脚材31を所定位置において直交状態及び木製脚材31の端面と外側の木製荷受材32の側面とが面一状態となるように位置決めし、この一本目の木製脚材31を木製荷受材32に対して前記位置決め状態を保持したまま、第一固定手段1により一本目の木製脚材31と木製荷受材32とが交差する各交差部に釘34aを二本ずつ打設し、一本目の木製脚材31と木製荷受材32とを釘着固定する。
【0054】
一本目の木製脚材31の釘着固定終了後、第一搬送手段6のタクト搬送により前進移動し、二本目、三本目の木製脚材31の位置決め及び釘着固定を同様に行う。
【0055】
続いて、この釘着装置7による木製脚材31と木製荷受材32との釘着固定終了後、格子状に組み付けられた木製脚材31と木製荷受材32(格子状部材)を、釘着装置7と連設する金具取付装置9へ送出し、この金具取付装置9において、側面に金具33を取り付け、木製脚材31と木製荷受材32との接合(連結)を補強する。
【0056】
具体的には、釘着装置7から送出された格子状部材の幅方向一側の最外側に位置する木製荷受材32を第二搬送手段8のガイド部11で挟持し(ガイド部11のガイドローラ11aに挟持し)、格子状部材の適正姿勢、適正位置を保持しながら第二固定手段2へ搬送する。
【0057】
続いて、この第二固定手段2に搬送した格子状部材を、第二クランプ手段により所定状態に位置決め固定し、第二固定手段2により所定の金具取付位置に金具33を取り付け、この金具33により木製脚材31の端面と木製荷受材32の側面とを連結固定する。
【0058】
詳細には、まず、第一金具搬送部4aが作動し、金具収納部3に収納されている金具33を、吸引吸着により一枚だけ取り出し、第二金具搬送部4bとの金具受け渡し位置まで水平移動する。
【0059】
続いて、第二金具搬送部4bが第一金具搬送部4aに保持されている金具33を吸引吸着して受け取り、回動部16の回動により金具33を90°方向反転させ、第三金具搬送部4c側に配設する。
【0060】
続いて、第三金具搬送部4cが第二金具搬送部4bに保持されている金具33を磁力吸着して受け取り、格子状部材の金具取付位置と対向する位置まで下降移動する。
【0061】
続いて、金具33を保持する第三金具搬送部4cと第二釘打部5とが前進移動し、第三金具搬送部4cで保持している金具33を格子状部材の側面に当接させ(木製脚材31の端面と前記木製荷受材32の側面とに跨設状態に当接させ)、この金具33が格子状部材の側面に当接した後、さらに、第二釘打部5が前進し、金具33を保持している第三金具搬送部4cの磁力吸着部18を押圧して、金具33を格子状部材の側面に密着状態にした後、第二釘打部5から釘34bを射出して打設し、金具33を所定位置に釘着固定する。
【0062】
金具取付装置9における上記作業が所定の金具取付位置に対して行われた後、作業終了となり、完成した木製荷受台30は、金具取付装置9に連設される搬送台40上に送出され、作業者によって回収される。
【0063】
なお、完成した木製荷受台30の回収作業に関しては、たとえば、金具取付装置9に反転装置を連設し、この反転装置により自動的に積み上げ収納するようにしても良い。
【0064】
本実施例は上述のように構成したから、耐久性に優れた木製荷受台30を低コストで効率的に製造することができる木製荷受台製造装置となり、また、この木製荷受台製造装置を用いて上述のように製造される本実施例の木製荷受台30は、簡易構成にして安価に製造可能な耐久性に優れた木製荷受台30となる。
【0065】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。