(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074541
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ハッチ付き足場板
(51)【国際特許分類】
E04G 5/08 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
E04G5/08 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185771
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】315019894
【氏名又は名称】株式会社杉孝グループホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】和田 錬太郎
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 徹
(57)【要約】
【課題】 補助開口に梯子を立て掛けていても、ハッチ蓋でハッチ開口を閉鎖できるようにする。
【解決手段】 平行な一対の主フレーム3の両端間を補助フレーム4で連結して足場枠5を形成し、この足場枠5内に床板6を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口Pを形成し、このハッチ開口Pを開閉するハッチ蓋7を主フレーム3に枢支している。前記ハッチ開口Pの延長部分に梯子Hを挿入可能な補助開口Sを形成しており、前記ハッチ蓋7の延長部分に前記補助開口Sを開閉するハッチ補助蓋8を配置し、このハッチ補助蓋8をハッチ蓋7に枢支している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な一対の主フレーム(3)の両端間を補助フレーム(4)で連結して足場枠(5)を形成し、この足場枠(5)内に床板(6)を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口(P)を形成し、このハッチ開口(P)を開閉するハッチ蓋(7)を主フレーム(3)に枢支したハッチ付き足場板であって、
前記ハッチ開口(P)の延長部分に梯子(H)を挿入可能な補助開口(S)を形成しており、
前記ハッチ蓋(7)の延長部分に前記補助開口(S)を開閉するハッチ補助蓋(8)を配置し、このハッチ補助蓋(8)をハッチ蓋(7)に枢支していることを特徴とするハッチ付き足場板。
【請求項2】
前記ハッチ補助蓋(8)は、ハッチ蓋(7)の側辺に枢支具(T)を介して連結されていて、ハッチ蓋(7)の上面側に折り畳み可能になっていることを特徴とする請求項1に記載のハッチ付き足場板。
【請求項3】
前記足場枠(5)は一対の主フレーム(3)の中途部間を連結する中間補助フレーム(13)を有しており、この中間補助フレーム(13)とハッチ蓋(7)との間に、ハッチ補助蓋(8)を伴って開放したハッチ蓋(7)の開放状態を維持する開放維持具(14)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハッチ付き足場板。
【請求項4】
前記ハッチ蓋(7)は、略四角形であり、一対の主フレーム(3)と平行な2側辺のうち、一側辺が枢支具(T)を介して一方の主フレーム(3)に連結され、他側辺が主閉鎖ロック具(11)を介して他方の主フレーム(3)に係合されており、
ハッチ蓋(7)の主フレーム(3)と直交する2側辺に縁材(7a)が固定され、一方の縁材(7a)に枢支具(T)を介してハッチ補助蓋(8)が連結され、このハッチ補助蓋(8)に縁材(7a)と係合することによりハッチ補助蓋(8)を閉鎖状態に保持する補助閉鎖ロック具(12)が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のハッチ付き足場板。
【請求項5】
前記一対の主フレーム(3)の間にハッチ開口(P)と補助開口(S)とが連続して形成され、一方の主フレーム(3)にハッチ開口(P)を開閉するハッチ蓋(7)が枢支され、他方の主フレーム(3)に補助開口(S)を閉鎖するハッチ補助蓋(8)が当接されており、
前記ハッチ補助蓋(8)に前記他方の主フレーム(3)と係合することによりハッチ蓋(7)とともにハッチ補助蓋(8)を閉鎖状態に保持する閉鎖ロック具(52)が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のハッチ付き足場板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梯子を立て掛けることのできるハッチ付き足場板に関する。
【背景技術】
【0002】
吊り足場や鋼管足場において、作業員が下方空間と上方空間とを行き来するために、上位床を形成している足場板にハッチ開口を形成し、このハッチ開口の口縁に梯子を立て掛け、この梯子を使って作業員が登り降りするようになっている。
【0003】
特許文献1に開示された足場パネルにおける窓装置は、ダクトを通すためのものであるが、梯子の立て掛けにも応用可能と推定される。
【0004】
この従来技術の窓装置は、足場パネルの下方空間と上方空間を連通する開閉自在な窓装置を設けており、窓装置は、床板に形成された開口部と、該開口部を開閉する蓋手段とから成り、前記開口部はX方向及びY方向に広がりを有する広口部と、該広口部から支持フレームを超える位置まで延長された拡張口部を形成し、蓋手段は、開口部を開閉する開閉板と、該開閉板の基端部を支持フレームに回動自在に枢結する枢結手段を設けており、前記開閉板を支持フレームに対して回動することにより前記開口部を開閉するように構成して成る(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来技術は、開口部の口縁に梯子を立て掛け、この梯子を使って作業員が登り降りすることができるが、上位床上で作業員が作業する際に、梯子が障害となって開閉板で開口部を閉鎖することはできなく、開口部は大きく開いたまま残ってしまう。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたハッチ付き足場板を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、ハッチ開口と補助開口とを形成し、ハッチ蓋に補助開口を開閉するハッチ補助蓋を配置することにより、補助開口に梯子を立て掛けていても、ハッチ蓋でハッチ開口を閉鎖できるようにしたハッチ付き足場板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における課題解決のための具体的手段は、平行な一対の主フレーム3の両端間を補助フレーム4で連結して足場枠5を形成し、この足場枠5内に床板6を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口Pを形成し、このハッチ開口Pを開閉するハッチ蓋7を主フレーム3に枢支したハッチ付き足場板であって、前記ハッチ開口Pの延長部分に梯子Hを挿入可能な補助開口Sを形成しており、前記ハッチ蓋7の延長部分に前記補助開口Sを開閉するハッチ補助蓋8を配置し、このハッチ補助蓋8をハッチ蓋7に枢支している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、補助開口Sに梯子Hを立て掛けることができ、ハッチ補助蓋8によって補助開口Sのみを開閉することができ、ハッチ蓋7によってハッチ開口Pのみまたはハッチ開口Pと補助開口Sとを同時に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態のハッチ付き足場板を示す平面図である。
【
図5】ハッチ蓋を開放した状態の断面側面図である。
【
図8】ハッチ付き足場板を吊り足場に使用した状態を示す説明図である。
【
図9】本発明の第2実施形態のハッチ付き足場板を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図8において、ハッチ付き足場板1を橋梁吊り足場40に使用した状態を示している。橋梁基礎部41から吊り部材42を垂下して中段吊り足場43を連結し、吊り部材42の下部のスイングクランプ44に吊りチェーン45の上端を連結し、複数本の吊りチェーン45の下端を下段吊り足場46を連結しており、中段吊り足場43には吊り部材42間に1枚のハッチ付き足場板1が配置されている。
【0014】
図8のハッチ付き足場板1は、ハッチ蓋7とハッチ補助蓋8とを同時に開放動作して、ハッチ開口Pとその延長の補助開口Sとを一体的に開放し、補助開口Sの口縁に梯子Hを立て掛けている。梯子Hは仮想線で示すように、ハッチ開口Pの口縁に立て掛けることも可能である。
【0015】
図1~7において、第1実施形態のハッチ付き足場板1は、平行な一対の主フレーム3の両端間を補助フレーム4で連結して平面視長方形状の足場枠5を形成し、この足場枠5内に床板6を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口P及び補助開口Sを形成し、このハッチ開口P及び補助開口Sを開閉するハッチ蓋7及びハッチ補助蓋8を設けている。
【0016】
足場枠5の主フレーム3は断面四角形の角筒形状であり、平行な一対の端部に平板状の補助フレーム4を固着している。
【0017】
足場枠5は長手方向中途2カ所に一対の主フレーム3の中途部間を連結する中間補助フレーム13を有している。この中間補助フレーム13は、前記補助フレーム4と同じ板材で形成され、2枚の中間補助フレーム13間がハッチ開口P及び補助開口Sとなっており、一方の中間補助フレーム13の上面はハッチ蓋7の側縁が当接可能であり、他方の中間補助フレーム13の上面はハッチ補助蓋8の側縁が当接可能になっている。
【0018】
ハッチ開口Pは人ひとりが昇降するのに必要かつ十分な広さであり、補助開口Sはハッチ開口Pが閉鎖されていても梯子Hが挿入可能な広さであり、補助開口Sはハッチ開口Pの主フレーム3の長手方向の延長部分に位置してハッチ開口Pとは連通しており、両者は一体的な開口となっている。
【0019】
前記ハッチ蓋7は、ハッチ開口Pと相似形の略四角形であり、一対の主フレーム3と平行な2側辺のうち、一側辺に枢支具T(蝶番)が設けられ、この枢支具Tを介して一方の主フレーム3に枢支連結されており、他側辺には断面L字アングル材で形成された側縁材15が設けられていて、側縁材15が他方の主フレーム3上に載置されるようになっている。
【0020】
前記他方の主フレーム3上に載置可能な側縁材15には内面(ハッチ蓋7の下面側)には主閉鎖ロック具11が設けられている。
【0021】
この主閉鎖ロック具11は、
図1、3、5、7に示すように、側縁材15の内面側に固定の支持ブラケット19と、側縁材15及び支持ブラケット19に2つの係合ピン部20aが水平移動自在に支持された平面視コ字形状のロックピン20と、2つの係合ピン部20aを外側方へ突出させるスプリング21と、主フレーム3に形成されていて2つの係合ピン部20aが挿入係合する係合孔22とを有している。
【0022】
ハッチ蓋7にはロックピン20の中央に対向して操作孔24が形成されており、この操作孔24から人指を入れて、スプリング21に抗してロックピン20を引っ張ることにより、2つの係合ピン部20aを係合ピン部20aから離脱させることができ、ハッチ蓋7は開放動作可能になる。
【0023】
また、ハッチ蓋7には中間補助フレーム13との間に開放維持具14が設けられている。この開放維持具14はつっかえ棒形状であり、一端がハッチ蓋7の縁材7aに枢支されており、他端には中間補助フレーム13側に設けた係止部25に係合する凹部14aが形成されており、
図5に仮想線で示す如く、ハッチ蓋7を開放状態にして、凹部14aを係止部25に係合することにより、ハッチ蓋7の開放状態を維持することができる。
【0024】
ハッチ蓋7の主フレーム3と直交する側辺には、断面略T字状の縁材7aが設けられており、一方の縁材7aは閉鎖時に中間補助フレーム13の上面に載置されるようになって
おり、他方の縁材7aには枢支具T(蝶番)を介してハッチ補助蓋8が枢支連結されている。
【0025】
前記ハッチ補助蓋8は、補助開口Sと相似形の略長方形であり、ハッチ蓋7の側辺の上面に設けられた枢支具Tを介して連結されているので、ハッチ蓋7の上面側に折り畳み可能であるとともに、ハッチ蓋7が枢支具Tを介して主フレーム3の上へ開放動作するときは、ハッチ蓋7と一体となって開放動作される。
【0026】
前記ハッチ補助蓋8の下面には縁材7aとの間にハッチ補助蓋8を閉鎖状態に保持する補助閉鎖ロック具12が設けられている。
【0027】
この補助閉鎖ロック具12は、
図1、3、4、7に示すように、ハッチ補助蓋8の下面に固定の支持ブラケット29と、この支持ブラケット29に先端の係合ピン部30aが水平移動自在に支持された平面視L字形状のロックピン30と、係合ピン部30aをハッチ蓋7側へ突出させるスプリング31と、縁材7aに固着された係合板32に形成されていて係合ピン部30aが挿入係合する係合孔32aとを有している。
【0028】
ハッチ補助蓋8にはロックピン30のL字状端部に対向して操作孔34が形成されており、この操作孔34から人指を入れて、スプリング31に抗してロックピン30を引っ張ることにより、係合ピン部30aを係合孔32aから離脱させることができ、ハッチ補助蓋8は開放動作可能になる。
【0029】
補助開口Sの口縁への梯子Hの立て掛けは、主閉鎖ロック具11を解除してハッチ蓋7を開放動作すると、ハッチ補助蓋8もハッチ蓋7に随伴して開放動作され、ハッチ開口Pと補助開口Sとを同時に開放し、その状態で梯子Hを補助開口Sの口縁に立て掛け、ハッチ開口Pを通って作業員が昇降する。
【0030】
作業員が上方空間で作業をするときには、補助閉鎖ロック具12を解除してハッチ補助蓋8をハッチ蓋7の上面側に折り畳み、その上でハッチ蓋7を閉鎖動作させてハッチ開口Pのみを閉鎖する。これにより、立て掛けられている梯子Hは補助開口Sに残したままにできる。
【0031】
前記主閉鎖ロック具11及び補助閉鎖ロック具12は、ハッチ蓋7の下方からも解除操作可能であり、ハッチ蓋7を開放しなくても、ハッチ補助蓋8のみを開閉することができる。
【0032】
図9において、第2実施形態のハッチ付き足場板51を示している。
【0033】
ハッチ付き足場板51は、平行な一対の主フレーム3の両端間を補助フレーム4で連結して平面視長方形状の足場枠5を形成し、この足場枠5内に床板6を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口P及び補助開口Sを形成し、このハッチ開口P及び補助開口Sを開閉するハッチ蓋7及びハッチ補助蓋8を設けている。
【0034】
前記一対の主フレーム3の間にハッチ開口Pと補助開口Sとが連続して形成され、一方の主フレーム3にハッチ開口Pを開閉するハッチ蓋7が枢支され、他方の主フレーム3に補助開口Sを閉鎖するハッチ補助蓋8が当接されている。
【0035】
足場枠5は長手方向中途1カ所に一対の主フレーム3の中途部間を連結する中間補助フレーム13を有している。この中間補助フレーム13の上面は、閉鎖時のハッチ蓋7の側縁及びハッチ補助蓋8の側縁が当接可能になっている。
【0036】
ハッチ開口Pは人ひとりが昇降するのに必要かつ十分な広さであり、補助開口Sはハッチ開口Pが閉鎖されていても梯子Hが挿入可能な広さであり、補助開口Sはハッチ開口Pの主フレーム3の長手方向と交差する方向の延長部分に位置してハッチ開口Pとは連通しており、両者は一体的な開口となっている。
【0037】
前記ハッチ蓋7は、ハッチ開口Pと相似形の略四角形であり、一対の主フレーム3と平行な2側辺に枢支具T(蝶番)が設けられ、一方の枢支具Tを介して一方の主フレーム3に枢支連結されており、他方の枢支具Tを介してハッチ補助蓋8が枢支連結されており、このハッチ補助蓋8はハッチ蓋7の上側へ折り畳み可能になっている。
【0038】
前記ハッチ補助蓋8の自由端側は閉鎖時に他方の主フレーム3に上から当接可能であり、この自由端側の下面に閉鎖ロック具52が設けられている。
【0039】
閉鎖ロック具52は、ハッチ蓋7の下面側に固定の支持ブラケット53と、支持ブラケ
ット53に2つの係合ピン部54aが水平移動自在に支持された平面視コ字形状のロックピン54と、2つの係合ピン部54aを外側方へ突出させるスプリング55と、主フレーム3に形成されていて2つの係合ピン部54aが挿入係合する係合孔56とを有している。
【0040】
ハッチ補助蓋8にはロックピン54の中央に対向して操作孔57が形成されており、この操作孔58から人指を入れて、スプリング55に抗してロックピン54を引っ張ることにより、2つの係合ピン部54aを係合孔56から離脱させることができる。
【0041】
閉鎖ロック具52を解除すると、ハッチ補助蓋8はそれのみをハッチ蓋7に対して上向き回動して補助開口Sのみを開放する開放動作と、ハッチ補助蓋8を上方へ大きく移動して、ハッチ蓋7を伴なって補助開口Sとハッチ開口Pとを同時に開放する開放動作とをとることが可能になる。
【0042】
補助開口Sの口縁への梯子Hの立て掛けは、閉鎖ロック具52を解除してハッチ補助蓋8を上方移動してハッチ蓋7を同伴して開放動作し、ハッチ開口Pと補助開口Sとを同時に開放し、その状態で梯子Hを補助開口Sの口縁に立て掛け、ハッチ開口Pを通って作業員が昇降する。
【0043】
作業員が上方空間で作業をするときには、ハッチ補助蓋8をハッチ蓋7の上面側に折り畳み、その上でハッチ蓋7を閉鎖動作させてハッチ開口Pのみを閉鎖する。これにより、立て掛けられている梯子Hは補助開口Sに残されたままとなる。
【0044】
前記閉鎖ロック具52はハッチ補助蓋8の下方からも解除操作可能であり、ハッチ蓋7を開放しなくても、ハッチ補助蓋8のみを開閉することができる。
【0045】
前述した実施形態においては、平行な一対の主フレーム3の両端間を補助フレーム4で連結して足場枠5を形成し、この足場枠5内に床板6を配置するとともに上下に貫通するハッチ開口Pを形成し、このハッチ開口Pを開閉するハッチ蓋7を主フレーム3に枢支したハッチ付き足場板であって、前記ハッチ開口Pの延長部分に梯子Hを挿入可能な補助開口Sを形成しており、前記ハッチ蓋7の延長部分に前記補助開口Sを開閉するハッチ補助蓋8を配置し、このハッチ補助蓋8をハッチ蓋7に枢支している。
【0046】
この構成によって、補助開口Sに梯子Hを立て掛けることができ、ハッチ補助蓋8によって補助開口Sのみを開閉することができ、ハッチ蓋7によってハッチ開口Pのみまたはハッチ開口Pと補助開口Sとを同時に開閉することができる。
【0047】
また、前記実施形態においては、ハッチ補助蓋8は、ハッチ蓋7の側辺に枢支具Tを介して連結されていて、ハッチ蓋7の上面側に折り畳み可能になっている。
【0048】
この構成によって、ハッチ補助蓋8のみの開閉動作と、ハッチ蓋7に随伴しての開閉動作とが可能になる。
【0049】
さらに、前記実施形態においては、足場枠5は一対の主フレーム3の中途部間を連結する中間補助フレーム13を有しており、この中間補助フレーム13とハッチ蓋7との間に、ハッチ補助蓋8を伴って開放したハッチ蓋7の開放状態を維持する開放維持具14が設けられている。
【0050】
この構成によって、開放維持具14の支持が強固になり、ハッチ蓋7及びハッチ補助蓋8の同時開放の状態を確実に維持できる。
【0051】
さらにまた、ハッチ蓋7は、略四角形であり、一対の主フレーム3と平行な2側辺のうち、一側辺が枢支具Tを介して一方の主フレーム3に連結され、他側辺が主閉鎖ロック具11を介して他方の主フレーム3に係合されており、ハッチ蓋7の主フレーム3と直交する2側辺に縁材7aが固定され、一方の縁材7aに枢支具Tを介してハッチ補助蓋8が連結され、このハッチ補助蓋8に縁材7aと係合することによりハッチ補助蓋8を閉鎖状態に保持する補助閉鎖ロック具12が設けられている。
【0052】
この構成によって、ハッチ蓋7は主フレーム3に支持できかつ主閉鎖ロック具11を介して主フレーム3に係合しておくことができ、ハッチ補助蓋8は主フレーム3の縁材7aに支持できかつ補助閉鎖ロック具12を介して縁材7aに係合しておくことができる。
【0053】
さらにまた、一対の主フレーム3の間にハッチ開口Pと補助開口Sとが連続して形成され、一方の主フレーム3にハッチ開口Pを開閉するハッチ蓋7が枢支され、他方の主フレ
ーム3に補助開口Sを閉鎖するハッチ補助蓋8が当接されており、前記ハッチ補助蓋8に前記他方の主フレーム3と係合することによりハッチ蓋7とともにハッチ補助蓋8を閉鎖状態に保持する閉鎖ロック具52が設けられている。
【0054】
この構成によって、ハッチ蓋7は一方の主フレーム3に支持でき、ハッチ補助蓋8は閉鎖時に閉鎖ロック具52を介して他方の主フレーム3に係合しておくことができ、閉鎖ロック具52を解除すれば、ハッチ補助蓋8のみの開放と、ハッチ補助蓋8を伴うハッチ蓋7の開放とができる。
【0055】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0056】
例えば、主閉鎖ロック具11と補助閉鎖ロック具12とは同一構造にしてもよい。
【0057】
ハッチ蓋7とハッチ補助蓋8とは足場枠5の長手方向略中央に配置されているが、足場枠5の長手方向端部に配置してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 足場板
3 主フレーム
4 補助フレーム
5 足場枠
6 床板
7 ハッチ蓋
7a 縁材
8 ハッチ補助蓋
11 主閉鎖ロック具
12 補助閉鎖ロック具
13 中間補助フレーム
14 開放維持具
14a 凹部
15 側縁材
19 支持ブラケット
20 ロックピン
20a 係合ピン部
21 スプリング
22 係合孔
24 操作孔
25 係止部
29 支持ブラケット
30 ロックピン
30a 係合ピン部
31 スプリング
32 係合板
32a 係合孔
34 操作孔
51 足場板
52 閉鎖ロック具
53 支持ブラケット
54 ロックピン
54a 係合ピン部
55 スプリング
56 係合孔
57 操作孔
H 梯子
P ハッチ開口
S 補助開口
T 枢支具(蝶番)