(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074552
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】シフト管理装置、シフト管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240524BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185791
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】今村 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利恵
(72)【発明者】
【氏名】鴻野 大地
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大和
(72)【発明者】
【氏名】森岡 嵩文
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】監視対象の必要習熟度および監視員の習熟度に応じたシフト管理を行うことができるシフト管理装置を提供する。
【解決手段】シフト管理装置は、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得する必要習熟度取得部と、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定する割当処理部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置であって、
少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得する必要習熟度取得部と、
複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定する割当処理部と、
を備えるシフト管理装置。
【請求項2】
前記必要習熟度取得部は、複数の前記車線それぞれの時間帯別の必要習熟度を予め設定した車線別必要習熟度テーブルを参照し、各時間帯について、前記監視対象に含まれる車線の必要習熟度のうち最も高い難易度に対応する必要習熟度を、前記監視対象の必要習熟度として取得する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項3】
前記必要習熟度取得部は、前記料金所における監視員の作業負荷に影響を与えるイベントに関するイベント情報に基づいて、前記監視対象の必要習熟度を調整する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項4】
前記必要習熟度取得部は、前記監視対象に含まれる車線の数に応じた係数に基づいて前記必要習熟度を調整する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項5】
前記割当処理部は、一の監視拠点に対しリーダとなる第1監視員と当該監視拠点において前記監視対象を監視する第2監視員とを組み合わせて配置する場合に、前記第1監視員および前記第2監視員の習熟度の合計値が前記監視対象の必要習熟度以上となるように、前記一の監視拠点に割り当てる前記第1監視員および前記第2監視員の組み合わせを決定する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項6】
前記割当処理部は、過去の業務記録に基づいて採点された前記監視員同士の相性に基づいて、前記第1監視員および前記第2監視員の組み合わせを決定する、
請求項5に記載のシフト管理装置。
【請求項7】
前記割当処理部は、一の監視対象を第1監視員および第2監視員の複数人で監視する場合に、前記第1監視員および前記第2監視員の習熟度の合計値が当該監視対象の必要習熟度以上となるように、前記第1監視員および前記第2監視員の組み合わせを決定する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項8】
前記割当処理部は、過去の業務記録に基づいて採点された前記監視員同士の相性に基づいて、前記第1監視員および前記第2監視員の組み合わせを決定する、
請求項7に記載のシフト管理装置。
【請求項9】
前記割当処理部は、前記監視対象に対する前記監視員の経験にさらに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定する、
請求項1に記載のシフト管理装置。
【請求項10】
監視員が割り当てられていない監視対象が存在する場合に、他の監視対象に割り当てられていない監視員に対して当該監視対象の勤務募集を行う調整処理部をさらに備える、
請求項1から9の何れか一項に記載のシフト管理装置。
【請求項11】
シフト管理装置によって料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理方法であって、
前記シフト管理装置が、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、
前記シフト管理装置が、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、
を有するシフト管理方法。
【請求項12】
料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置に、
少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、
複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シフト管理装置、シフト管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路では、車両に搭載した車載器との間で通信を行って通行料金を収受する電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう。)が利用されている。ETCでは、自動的に料金収受処理が行われるため、料金所の車線(ETC専用車線)には収受員が常駐しない。このような車線においてトラブル等が発生したときは、料金所から離れた監視拠点にいる監視員が、車線に設置された監視カメラの映像や、インターホンの通話内容から車線の状況を確認し、応対(割引の適用、機器の遠隔操作等)を行う。
【0003】
現状、監視員の勤務シフトは、管理者が手作業で行っている。近年はETCを利用する車線が増加することが見込まれており、それに伴い監視員の人数も増加することが考えられる。そうすると、多数の監視員のシフト調整や、シフト確定後の予定変更等の調整のため、管理者の業務の負担が大きくなる。このため、勤務シフトを自動的に作成することが考えられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば料金所の立地に応じて交通量等が変化するため、監視対象となる車線毎に監視員に要求される応対内容や応対スピードは異なる。したがって、監視員の応対スキル(習熟度)、監視対象の難易度(必要習熟度)、監視員の勤務可能日時等の様々な条件を考慮して、各監視対象に適切な監視員を割り当てる技術が求められている。
【0006】
本開示の目的は、監視対象の必要習熟度および監視員の習熟度に応じたシフト管理を行うことができるシフト管理装置、シフト管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、シフト管理装置は、料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置であって、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得する必要習熟度取得部と、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定する割当処理部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、シフト管理方法は、シフト管理装置によって料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理方法であって、前記シフト管理装置が、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、前記シフト管理装置が、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、を有する。
【0009】
本開示の一態様によれば、プログラムは、料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置に、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、前記監視対象の必要習熟度とに基づいて、前記監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、監視対象の必要習熟度および監視員の習熟度に応じたシフト管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る遠隔監視システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】第1の実施形態に係るシフト管理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係るシフト表生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1の実施形態に係る勤務可否テーブルの一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係るシフト表生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施形態に係る車線別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る監視対象テーブルの一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態に係る監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る係数テーブルの一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係るイベント情報および補正テーブルの一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係る監視対象の日時別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る監視員の習熟度テーブルの一例を示す図である。
【
図13】第1の実施形態に係る割当処理の一例を示す第1のフローチャートである。
【
図14】第1の実施形態に係る割当処理の一例を示す第2のフローチャートである。
【
図15】第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第1の図である。
【
図16】第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第2の図である。
【
図17】第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第3の図である。
【
図18】第1の実施形態に係るシフト表変更処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】第2の実施形態に係る遠隔監視システムの全体構成を示す概略図である。
【
図20】第2の実施形態に係る割当処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】第3の実施形態に係る遠隔監視システムの全体構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
(シフト管理システムの全体構成)
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る遠隔監視システムの全体構成を示す概略図である。
遠隔監視システム1は、有料道路の料金所の各車線について、料金所から離れた監視拠点において遠隔監視するためのシステムである。
【0013】
有料道路は複数の料金所a,b,…を有する。各料金所には、有料道路を利用する車両が通行する車線が1つ以上設けられている。例えば、料金所aには車線La1,La2が設けられ、料金所bには車線Lb1,Lb2が設けられる。本実施形態では、車線La1,La2,Lb1,Lb2はETC専用車線であり、収受員が常駐していない無人の車線である。これら車線については、料金所から離れた監視拠点において、監視員が遠隔監視を行う。監視拠点は1つであってもよいし、複数の監視拠点がそれぞれ異なる場所に設けられてもよい。
【0014】
遠隔監視システム1は、シフト管理装置10と、監視端末20と、利用者端末30、データベース40とを備える。
【0015】
シフト管理装置10は、各監視員のシフトを管理するためのコンピュータである。シフトは交代勤務制の意味であり、各監視員がどの監視対象を監視するかを定めたものである。また、シフトは、各監視員がどの日時に監視対象を監視するかをさらに定めたものであってもよい。監視対象は少なくとも1つの車線である。また、監視対象は、同じ料金所内の複数の車線の組み合わせ(例えば、料金所aの車線La1およびLa2)であってもよいし、異なる料金所の車線の組み合わせ(例えば、料金所aの車線La1および料金所bの車線Lb1)であってもよい。
【0016】
監視端末20は、監視員が監視対象を監視するために用いるコンピュータである。監視端末20には、監視対象となる車線に設置された監視カメラの映像やインターホンの音声といった、車線に設置された機器が取得した情報が出力され、監視員はこれら映像や音声で車線の状況等を確認しながら応対(割引の適用、車線に設置された機器の遠隔操作等)を行う。
【0017】
利用者端末30は、監視員が勤務可否の入力や、シフト表の確認を行うためのコンピュータである。利用者端末30は、監視員それぞれが有するパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレットなどであってよい。
【0018】
データベース40は、シフト管理装置10が生成したシフト表や、監視員が入力した勤務可否の情報などが記録される。
【0019】
本実施形態では、1つの監視拠点に複数の監視端末20が設置され、各監視端末20に1人ずつ監視員が割り当てられる。
図1の例では、監視拠点Aには、3台の監視端末20それぞれに監視員P1,P2,P3が割り当てられる。また、監視拠点には、監視員の他に1人のリーダPLが割り当てられる。リーダPLは、各監視員の監視、応対作業の補助を行う。例えば、車線La1,La2の監視を担当する監視員P1が、車線La1について応対が必要になったとする。監視員P1は、車線La1の応対中に、他の車線La2の監視および応対を同時に行うことが困難となる場合がある。このような場合、リーダPLは、監視員P1の代理で車線La2の監視、応対を行うなどの補助をする。
【0020】
(シフト管理装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係るシフト管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、シフト管理装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とを備える。
【0021】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、必要習熟度取得部110、割当処理部111、調整処理部112としての機能を発揮する。
【0022】
必要習熟度取得部110は、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得する。
【0023】
割当処理部111は、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、監視対象の必要習熟度とに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定する。
【0024】
調整処理部112は、監視員が割り当てられていない監視対象が存在する場合に、他の監視対象に割り当てられていない監視員に対して当該監視対象の勤務募集を行う。
【0025】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0026】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0027】
通信インタフェース14は、外部機器(監視端末20、利用者端末30など)との間で各種情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0028】
(シフト表生成処理について)
図3は、第1の実施形態に係るシフト表生成処理の一例を示すフローチャートである。
以下、
図3を参照しながら、遠隔監視システム1におけるシフト表生成処理の流れについて説明する。
【0029】
まず、複数の監視員それぞれは、利用者端末30を通じて、シフト表の対象期間(例えば、来月の1か月間)の勤務可否を示す予定情報を入力する(ステップS100)。
【0030】
シフト管理装置10は、各監視員から入力された予定情報に基づいて、全監視員の対象期間における勤務可否を記入した勤務可否テーブルT1(
図4)を作成する(ステップS101)。作成した勤務可否テーブルT1は、データベース40に記録される。
【0031】
図4は、第1の実施形態に係る勤務可否テーブルの一例を示す図である。
図4には、ある対象期間(2022年7月1日~2022年7月31日)の勤務可否テーブルT1の例である。勤務可否テーブルT1は、各監視員の識別情報(氏名、またはユーザID)と、各監視員の予定情報とからなる。予定情報は、各日の勤務可否情報と、備考とを含む。勤務可否情報は、例えば、終日勤務可能であれば「〇」、勤務不可であれば「×」が記入される。なお、一部時間帯のみ勤務不可である場合は、
図4の例のように、「×」とともに勤務不可となる時間帯が記入される。備考は、例えば特定の監視拠点でのみ勤務可能である場合など、シフトで考慮すべき事項である。
【0032】
次に、シフト管理装置10は、対象期間のシフト表を生成する処理を実行する(ステップS102)。シフト管理装置10のシフト表生成処理の詳細については、
図5~
図8を参照しながら説明する。
【0033】
図5は、第1の実施形態に係るシフト表生成処理の一例を示すフローチャートである。
まず、シフト管理装置10の必要習熟度取得部110は、予めストレージ13またはデータベース40に記録されている車線別必要習熟度テーブルT2(
図6)および監視対象テーブルT3(
図7)を参照して、各監視対象の必要習熟度を取得する(ステップS1020)。
【0034】
図6は、第1の実施形態に係る車線別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
車線別必要習熟度テーブルT2は、各車線の時間帯別(例えば、1時間毎)の必要習熟度を定めたものである。各料金所(車線)は、時間帯に応じて交通量、車両の特性(例えば、車種の誤判別が多い車種の交通量が多い)、料金所のサービス(例えば、時間帯割引の有無)などが変化する場合がある。交通量が多い場合など、監視端末20を通じて応対を行う頻度が高いほど、応対の難易度、すなわち、必要習熟度が高くなる。このため、例えば遠隔監視システム1の管理者は、過去の交通量や車両の特性の統計値、サービスの有無に応じて、各車線の時間帯別の必要習熟度を設定する。
【0035】
図7は、第1の実施形態に係る監視対象テーブルの一例を示す図である。
監視対象テーブルT3は、複数の監視対象(監視グループ)それぞれに割り当てられる車線を定めたものである。1つの監視グループに1~n個(例えば、n=20)の車線が割り当てられる。
【0036】
図8は、第1の実施形態に係る監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
必要習熟度取得部110は、車線別必要習熟度テーブルT2と、監視対象テーブルT3とに基づいて、時間帯別に各監視対象に割り当てられる車線の必要習熟度の合計値を算出し、監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルT4を生成する。また、監視対象(監視グループNo.)それぞれに対する監視端末20の割り当てが予め決められていてもよい。この場合、時間帯別必要習熟度テーブルT4には、各監視対象に対応する監視端末20の端末No.がさらに入力されていてもよい。
【0037】
図6~
図8の例では、監視拠点Aで監視する監視グループNo.7は、料金所zの車線Lz1,Lz2,Lz3の3つの車線が割り当てられているとする。必要習熟度取得部110は、車線別必要習熟度テーブルT2から監視グループNo.7の車線Lz1,Lz2,Lz3の0時台の必要習熟度を抽出する。必要習熟度取得部110は、抽出した必要習熟度のうち最大値(すなわち、最も高い難易度に対応する必要習熟度)を、監視グループNo.7の0時台の必要習熟度として取得し、監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルT4に記録する。必要習熟度取得部110は、各監視グループの各時間帯の必要習熟度について、同様の処理を行い、監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルT4に記録する。
【0038】
次に、必要習熟度取得部110は、各監視対象に含まれる車線数に応じて必要習熟度を調整する(ステップS1021)。
【0039】
図9は、第1の実施形態に係る係数テーブルの一例を示す図である。
同時に監視する車線数が多くなるほど難易度が高くなる。このため、必要習熟度取得部110は、
図9の係数テーブルT5を参照し、各監視対象の時間帯別の必要習熟度を、車線数別のに基づいて調整する。
【0040】
例えば、監視グループNo.7は3つの車線を同時に監視するので、車線数別の係数は「1.1」となる。必要習熟度取得部110は、監視グループNo.7の各時間帯の必要習熟度にこの係数「1.1」を乗じて各時間帯の必要習熟度を調整する。このとき、小数点以下は四捨五入とする。したがって、監視グループNo.7の0時台の必要習熟度は、「5×1.1=5.5」を四捨五入して「6」となる。監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルT4は、調整後の値で上書きされる。必要習熟度取得部110は、他の監視対象についても同様の処理を行う。
【0041】
次に、必要習熟度取得部110は、イベント情報D1(
図10)に基づいて必要習熟度をさらに調整する(ステップS1022)。
【0042】
図10は、第1の実施形態に係るイベント情報および補正テーブルの一例を示す図である。
図10に示すように、イベント情報D1は、道路工事情報、保守情報、周辺施設のイベント情報等、各料金所の監視員の作業負荷に影響を与えるイベントの発生場所、発生日時、交通量の予測値等の情報を含む。例えば、有料道路の一部区間や近隣の道路の工事により、特定の料金所への交通量が増加する場合や、特別なサービス(工事区間前後で一時退出および再流入を行ったときの乗継処理等)の対応が必要となる場合がある。そうすると、この料金所の車線を監視する監視員の作業負荷が増加するので、熟練した監視員でないと応対が困難となる可能性がある。このため、例えば遠隔監視システム1の管理者は、イベント情報D1に基づいて、各車線の時間帯別の必要習熟度を調整するための補正テーブルT6を作成する。
【0043】
例えば、
図10に示すように、2022年7月1日は、ある道路の補修工事(通行止め)の影響で、終日に渡って料金所bの交通量が増加する見込みである。この場合、管理者は、この日の全て時間帯について、料金所bの車線Lb1,Lb2の必要習熟度を増加する補正値(例えば、「+1」)を設定する。2022年7月31日は、機器点検のために0時台~1時台は料金所aが閉鎖されるため、料金所aの監視は不要となる。この場合、管理者は、この日の0時台~1時台の時間帯について、料金所aの車線La1,La2の必要習熟度を下げる補正値(例えば、「-99」)を設定する。また、2022年7月31日は、料金所bの周辺地域でサッカーの試合が予定されており、観客帰宅時(22時台~23時台)に一時的に料金所bの交通量の増加が予測されている。この場合、管理者は、この日の22時台~23時台の時間帯について、料金所bの車線Lb1,Lb2の必要習熟度を増加する補正値(例えば、「+2」)を設定する。設定した補正値は、補正テーブルT6に入力される。また、複数のイベントが重複する場合は、各イベントの補正値を合計した値が補正テーブルT6に入力される。
【0044】
なお、補正テーブルT6は、イベント情報D1に基づいて必要習熟度取得部110が自動的に作成してもよい。例えば、必要習熟度取得部110は、イベント情報D1に含まれるイベントの発生場所、発生日時、交通量の予測値や、イベントの種類等に応じて、予め定められた補正値を補正テーブルT6に入力する。
【0045】
図11は、第1の実施形態に係る監視対象の日時別必要習熟度テーブルの一例を示す図である。
必要習熟度取得部110は、ステップS1021で調整後の監視対象の時間帯別必要習熟度テーブルT4と、補正テーブルT6とに基づいて、各監視対象の日別、時間帯別の必要習熟度を調整する。また、必要習熟度取得部110は、
図11に示すように、調整結果をまとめた各監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を作成する。
【0046】
次に、割当処理部111は、勤務可否テーブルT1と、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7と、監視員の習熟度テーブルT8(
図12)とに基づいて、対象期間における各監視対象(監視グループNo.)への監視員の割り当てを決定する(ステップS1023)。
【0047】
図12は、第1の実施形態に係る監視員の習熟度テーブルの一例を示す図である。
図12に示すように、各監視員について、経験や応対の正確性などに基づいて判定された習熟度が設定される。
【0048】
例えば、ストレージ13またはデータベース40には、各監視員の勤務履歴が蓄積されている。勤務履歴には、監視員がいつ、どの監視拠点でどのような業務(リーダまたは監視対象の監視)を行ったかが記録される。管理者は、勤務履歴に基づいて各監視員の総業務時間を算出し、総業務時間に応じた習熟度を設定する。
【0049】
また、勤務履歴には、監視員の応対内容(操作ログ、音声ログ等)が含まれる。遠隔監視システム1の管理者は、監視員の勤務履歴(操作ログ、音声ログ等)と、予め規定された応対手順とを比較して、監視員の評価を行う。具体的には、管理者は、応対手順通りの処理を行った監視員の評価点を、応対手順と異なる順序や不要な処理を実施した監視員の評価点よりも高くする。また、管理者は、監視員の応対時間が応対手順に定められた基準処理時間よりも短いほど、評価点を高くする。また、管理者は、音声ログから、会話内容、車両の運転者の感情などを評価して採点してもよい。管理者は、監視員の各応対内容の評価点の合計値を業務時間で除算した平均点数を算出し、監視員の総業務時間に加えて、平均点数に基づいて習熟度を設定してもよい。各応対内容の評価点や平均点数は、勤務履歴に追加されて記録される。
【0050】
なお、管理者に代えて、遠隔監視システム1が有する評価装置(不図示)が自動的に各監視員の評価および習熟度の設定を行うようにしてもよい。
【0051】
図13は、第1の実施形態に係る割当処理の一例を示す第1のフローチャートである。
割当処理部111は、ステップS1023において、対象期間の各時間帯(各日の各時間帯)について、監視拠点1つにつき1人のリーダと、監視端末20(監視対象)1つにつき1人の監視員を割り当てる。このとき、1人の基本勤務時間はN時間(例えば、N=8)、連続して勤務可能な時間は最大M時間(例えば、M=10)を条件とする。また、リーダは、原則的に習熟度が第1規定値X1(例えば、7)以上とする。割当処理部111の具体的な処理の内容については、
図13を参照しながら説明する。
【0052】
まず、割当処理部111は、習熟度テーブルT8を参照して、勤務可否テーブルT1から習熟度が第1規定値X1以上である監視員をリーダ候補として抽出する(ステップS1023A)。
【0053】
次に、割当処理部111は、勤務可否テーブルT1および監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を参照し、対象期間の各時間帯について、各監視拠点に抽出したリーダ候補から1人ずつをリーダとして割り当てる(ステップS1023B)。具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7のリーダ未割当の監視拠点および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視拠点(監視対象)および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、抽出した監視拠点および時間帯に、最も習熟度の高いリーダ候補を優先的に割り当てる。
図11の例では、2022年7月1日の22時台~23時台において、監視拠点A(監視グループNo.7)の必要習熟度が最も高い。このため、割当処理部111は、この時間帯に勤務可能なリーダ候補のうち、最も習熟度が高いものを監視拠点Aのリーダとして割り当てる。また、割当処理部111は、同様にして、他の監視拠点および時間帯にリーダを割り当てる。
【0054】
また、割当処理部111は、対象期間の何れかの時間帯において、リーダ未割当の監視拠点がある場合(ステップS1023C:YES)、習熟度が第1規定値X1未満である監視員の中から、この時間帯に勤務可能であり、最も習熟度が高いものをリーダとして割り当てる(ステップS1023D)。なお、リーダ未割当の監視拠点がない場合(ステップS1023C:NO)、ステップS1023Dはスキップする。
【0055】
なお、ステップS1023B、S1023Dのリーダ割当処理において、同じ習熟度のリーダ候補が複数人いる場合、割当処理部111は、ストレージ13またはデータベース40に蓄積された勤務履歴を参照し、この監視拠点や時間帯のリーダ経験が少ないものを優先して割り当ててもよい。また、監視拠点や時間帯によって、応対内容や応対量が異なる場合があるため、監視拠点および時間帯における業務を満遍なく行うことにより、監視員(リーダ候補)の応対スキルを向上させることが可能となる。さらに、他の実施形態では、割当処理部111は、この監視拠点や時間帯のリーダ経験が多いものを優先して割り当ててもよい。このようにすることで、応対に慣れた監視員がリーダとして割り当てられるので、難易度の高い監視拠点であっても円滑に業務を行うことが可能となる。
【0056】
次に、割当処理部111は、勤務可否テーブルT1および監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を参照し、対象期間の各時間帯について、監視対象(監視端末20)に1人ずつ監視員を割り当てる(ステップS1023E)。
【0057】
具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7の監視員未割当の監視対象および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視対象および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、この時間帯の勤務が可能であり、且つ、抽出した監視対象および時間帯の必要習熟度から、同時間帯に割り当てられたリーダの習熟度を引いた値(第2監視員設定値)以上の習熟度を有する監視員を割り当てる。
図11の例では、監視拠点Aの監視グループNo.2について、2022年7月1日の0時台の必要習熟度は「14」である。また、この時間帯に監視拠点Aに割り当てられたリーダの習熟度が「10」であるとする。この場合、この時間帯の監視グループNo.2の第2監視員設定値は「14-10=4」であり、習熟度が「4」以上の監視員を割り当てる。なお、第2監視員設定値が0以下になった場合、習熟度が「1」以上の監視員を割り当てる。また、割当処理部111は、同様にして、他の監視対象および時間帯についても監視員を割り当てる。
【0058】
なお、各監視対象および時間帯に監視員を割り当てる際、割当処理部111は、以下のような処理を行ってもよい。
【0059】
例えば、割当処理部111は、勤務可能、且つ、習熟度=第2監視員設定値である監視員を優先的に割り当てる。上述の例では、監視グループNo.2の2022年7月1日の0時台の第2監視員設定値は「4」であるため、割当処理部111は、習熟度が「4」である監視員を優先的に割り当てる。習熟度が「4」である監視員が他の監視対象に割り当て済みまたは勤務不可である場合は、第2監視員設定値を1ずつ増加させながら、割り当て可能な監視員を検索する。
【0060】
また、割当処理部111は、勤務可能、且つ、第2監視員設定値と同じ値の習熟度を有する監視員が複数人いる場合、リーダとの相性がよりよい監視員を割り当てる。例えば、割当処理部111は、ストレージ13またはデータベース40に記録された勤務履歴から、リーダと監視員とが同じ監視拠点で勤務したときの評価点の平均値を算出する。平均値が基準値以上の場合、このリーダと監視員の相性は「よい」と判定される。また、平均値が下限値以下の場合、このリーダと監視員の相性は「わるい」と判定される。なお、リーダと監視員が同じ監視拠点で勤務した時間が十分な評価時間(例えば、100時間)に満たない場合、相性は「不明」と判定される。割当処理部111は、複数の監視員のうち、リーダとの相性が「よい」と判定された監視員を割り当てる。リーダとの相性が「よい」と判定された監視員がいない場合は、「不明」と判定された監視員を割り当てる。いずれもいない場合は、リーダとの相性が「わるい」と判定された監視員を割り当ててもよい。
【0061】
なお、割当処理部111は、ステップS1023B、S1023D、S1023Eにおいて、例えば勤務可否テーブルT1に、特定の監視拠点のみの勤務が可能である等の条件が記録されている場合、この条件も満たすようにリーダおよび監視員の割り当てを行う。
【0062】
図14は、第1の実施形態に係る割当処理の一例を示す第2のフローチャートである。
また、割当処理部111は、ステップS1023において、
図13の処理に代えて、
図14の処理を実行してもよい。
図13では、割当処理部111が先にリーダを割り当て、次に監視員を割り当てる例について説明した。これに対し、
図14では、割当処理部111が先に監視員を割り当て、次にリーダを割り当てる例について説明する。
【0063】
まず、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を参照し、各監視対象の各時間帯の必要習熟度から第1規定値X1を減じた目標習熟度を設定する。また、割当処理部111は、勤務可否テーブルT1、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7、および習熟度テーブルT8を参照して、各監視対象の各時間帯について、目標習熟度に近い習熟度を有する監視員を割り当てる(ステップS1023F)。なお、目標習熟度が0以下になった場合、習熟度が「1」以上の監視員を割り当てる。
【0064】
具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7の監視員未割当の監視対象および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視対象および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、抽出した監視拠点および時間帯に、目標習熟度に最も近い監視員を優先的に割り当てる。また、割当処理部111は、同様にして、他の監視対象および時間帯に監視員を割り当てる。
【0065】
なお、目標習熟度に近い順とは、目標習熟度と同じ習熟度の監視員がいない場合は、目標習熟度から「-1」、「+1」、「-2」、「+2」、「-3」、「+3」、…の順に、習熟度が近いと判断する。このとき、割当処理部111は、習熟度が第2規定値X2(例えば、9)以上である監視員は割り当てから除外する。熟練度の高い監視員は少数であり、後の処理でリーダとして割り当てたいためである。
【0066】
図11の例では、2022年7月1日の0時台において、監視グループNo.7の必要習熟度は「14」である。この時間帯の目標習熟度は、第1規定値X1が7であるとして、「14-7=7」である。この場合、割当処理部111は、この時間帯に勤務可能な監視員のうち、習熟度が「7」であるものをこの時間帯の監視グループNo.7の監視員として割り当てる。なお、割当処理部111は、習熟度が「7」である監視員がいない(他の監視対象に割り当て済み、または勤務不可である)場合は、習熟度が「6」の監視員を探す。さらに習熟度が「6」の監視員がいない場合は、習熟度が「8」、「5」、「4」、「3」、…の順に探す。
【0067】
次に、割当処理部111は、習熟度テーブルT8を参照して、勤務可否テーブルT1から習熟度が第1規定値X1以上である監視員をリーダ候補として抽出する(ステップS1023G)。
【0068】
割当処理部111は、勤務可否テーブルT1および監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を参照し、対象期間の各時間帯について、各監視拠点に抽出したリーダ候補から1人ずつをリーダとして割り当てる(ステップS1023H)。
【0069】
具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7のリーダ未割当の監視拠点および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視対象および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、この時間帯の勤務が可能であり、且つ、抽出した監視対象および時間帯の必要習熟度から、この監視対象に割り当てられた監視員の習熟度を引いた値(第1監視員設定値)以上の習熟度を有するリーダ候補をリーダとして割り当てる。
図11の例では、監視拠点Aの監視グループNo.2について、2022年7月1日の0時台の必要習熟度は「14」である。また、この時間帯に監視グループNo.2に割り当てられた監視員の習熟度が「7」であるとする。この場合、この時間帯の監視グループNo.2の第1監視員設定値は「14-7=7」であり、抽出したリーダ候補のうち、習熟度が「7」のものをリーダとして割り当てる。なお、習熟度が「7」であるリーダ候補が他の監視対象やリーダに割り当て済み、または勤務不可である場合は、第1監視員設定値を1ずつ増加させながら、割り当て可能なリーダ候補を検索する。
【0070】
また、割当処理部111は、対象期間の何れかの時間帯において、リーダ未割当の監視拠点がある場合(ステップS1023I:YES)、習熟度が第1規定値X1未満である監視員の中から、この時間帯に勤務可能であり、最も習熟度が高いものをリーダとして割り当てる(ステップS1023J)。なお、リーダ未割当の監視拠点がない場合(ステップS1023I:NO)、ステップS1023Jはスキップする。
【0071】
なお、ステップS1023H、S1023Jのリーダ割当処理において、同じ習熟度のリーダ候補が複数人いる場合、割当処理部111は、ストレージ13またはデータベース40に蓄積された勤務履歴を参照し、この監視拠点や時間帯のリーダ経験が少ないものを優先して割り当ててもよい。さらに、他の実施形態では、割当処理部111は、この監視拠点や時間帯のリーダ経験が多いものを優先して割り当ててもよい。
【0072】
また、ステップS1023H、S1023Jのリーダ割当処理において、割当処理部111は、勤務可能、且つ、第1監視員設定値と同じ値の習熟度を有するリーダ候補が複数人いる場合、割り当て済みの監視員との相性がよりよいリーダ候補を割り当てる。当該処理は、
図13のステップS1023Eで説明した処理と同じである。
【0073】
なお、割当処理部111は、ステップS1023F、S1023H、S1023Jにおいて、例えば勤務可否テーブルT1に、特定の監視拠点のみの勤務が可能である等の条件が記録されている場合、この条件も満たすようにリーダおよび監視員の割り当てを行う。
【0074】
次に、
図5に戻り、割当処理部111は、リーダおよび監視員を割り当てたシフト表を生成する(ステップS1024)。このシフト表は暫定シフト表としてデータベース40に記録される。また、データベース40に記録された暫定シフト表は、利用者端末30から閲覧可能である。また、シフト表は、
図15~
図17に示す表示形式に切り替え可能である。
【0075】
図15は、第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第1の図である。
図15に示すシフト表Aは、対象期間における監視拠点別のシフト表の例である。シフト表Aは、ある監視拠点に割り当てられた監視員それぞれの勤務日時および勤務内容(監視対象またはリーダ)を表したものである。また、シフト表Aには、各監視員の習熟度や、各監視対象に対応する監視端末No.が表示されていてもよい。監視拠点を切り替えることにより、他の監視拠点のシフト表を確認可能である。
【0076】
図16は、第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第2の図である。
図16に示すシフト表Bは、対象期間における監視員別のシフト表の例である。シフト表Bは、ある監視員の対象期間における勤務日時、勤務場所(監視拠点)、勤務内容(監視対象またはリーダ)を表したものである。監視員を切り替えることにより、他の監視員のシフト表を確認可能である。
【0077】
図17は、第1の実施形態に係る監視員のシフト表の一例を示す第3の図である。
図17に示すシフト表Cは、対象期間における全体シフト表の例である。シフト表Cは、全ての監視拠点、監視対象(監視グループNo.)について、どの監視員がどの時間帯にリーダまたは監視員として勤務するかを表したものである。
【0078】
図3に戻り、管理者は、利用者端末30を使ってデータベース40に記録された暫定シフト表を読み出し、チェックを行う(ステップS103)。管理者は、例えば
図17に示すシフト表Cの形式で暫定シフト表を表示して、シフトの漏れなどの修正を行う。
【0079】
シフト管理装置10の割当処理部111は、
図13または
図14の処理において、ある時間帯の監視対象について、勤務可能且つ必要習熟度を満たす監視員またはリーダが存在しない場合、この時間帯への監視員またはリーダの割り当てを不可と判断し、暫定シフト表を空白(未割当)のままとする。管理者は、シフト管理装置10が生成した暫定シフト表を確認して、このような未割当の時間帯について、監視員の割り当ての調整および修正を行う。また、管理者は、修正した暫定シフト表をデータベース40に保存する。なお、シフト表A~Cは連動しており、何れかのシフト表を修正した場合、他のシフト表にも修正が反映されるものとする。このとき、管理者は、暫定シフト表の空白箇所を全て修正しなくてもよい。
【0080】
次に、シフト管理装置10の調整処理部112は、管理者により修正された暫定シフト表を確認し、シフト未割当があるかを再チェックする(ステップS104)。シフト未割当がある場合(ステップS104;YES)、調整処理部112は、勤務募集処理を行う(ステップS105)。具体的には、調整処理部112は、未割当の監視対象および時間帯がある場合、この時間帯に勤務なしとなっている全ての監視員に対し、メールや利用者端末30にインストールされているアプリケーション等を通じて、勤務募集の通知を行う。
【0081】
また、勤務募集の通知を受け取った監視員は、利用者端末30を通じて、勤務可否を回答する(ステップS106)。
【0082】
調整処理部112は、勤務募集の通知に対し勤務可能と回答した監視員を、未割当の監視対象および時間帯に割り当てて、暫定シフト表を更新する(ステップS107)。
【0083】
このとき、調整処理部112は、勤務可能と回答した監視員が1人のみである場合、習熟度に関わらず回答した監視員を割り当てる。
【0084】
また、調整処理部112は、勤務可能と回答した監視員が複数人である場合、この監視対象および時間帯の第2監視員設定値(必要習熟度からリーダの習熟度を引いた値)に近い習熟度を有する監視員、または、リーダとの相性が「よい」と判定された監視員を割り当てる。
【0085】
シフト管理装置10が暫定シフト表を更新した場合、管理者は、利用者端末30を使って更新後の暫定シフト表を読み出し、最終チェックを行う(ステップS108)。管理者は、利用者端末30を通じて必要に応じて暫定シフト表を修正し、シフト表確定の操作を行う。
【0086】
そうすると、シフト管理装置10の調整処理部112は、シフト表の確定処理を行う(ステップS109)。例えば、調整処理部112は、暫定シフト表を確定シフト表としてデータベース40に記録する。また、調整処理部112は、確定シフト表が完成したことを、利用者端末30を通じて管理者および監視員に通知してもよい。
【0087】
管理者および監視員は、利用者端末30でデータベース40に記録された確定シフト表を読み出して、確認する(ステップS110)。このとき、管理者および監視員は、
図15~
図17の表示形式のうち、任意の表示形式に切り替えて確定シフト表を確認可能である。
【0088】
一方、シフト未割当がない場合(ステップS104;NO)、調整処理部112は、シフト表確定処理を行う(ステップS109)。この場合、調整処理部112は、暫定シフト表を確定シフト表としてデータベース40に記録する。また、管理者および監視員は、利用者端末30でデータベース40に記録された確定シフト表を読み出して、確認する(ステップS110)。
【0089】
(シフト表変更処理について)
図18は、第1の実施形態に係るシフト表変更処理の一例を示すフローチャートである。
以下、
図18を参照しながら、遠隔監視システム1におけるシフト表変更処理の流れについて説明する。本実施形態では、確定シフト表を作成した後に、監視員の要望によりシフト変更を行うことが可能である。
【0090】
例えば、シフト表の確定後、ある監視員がシフトの変更を申請したとする(ステップS200)。なお、シフト変更は、メール、利用者端末30のアプリケーション、電話などにより管理者に申請可能である。
【0091】
また、管理者は、監視員の申請内容を確認し、承認した場合、利用者端末30を通じて、当該監視員の申請内容に対応するシフト(監視対象および時間帯)の削除をシフト管理装置10に要求する(ステップS201)。
【0092】
シフト管理装置10の調整処理部112は、確定シフト表から要求されたシフトを削除する(ステップS202)。また、この確定シフト表を暫定シフト表とする。
【0093】
次に、調整処理部112は、未割当となった監視対象および時間帯の勤務募集処理を行う(ステップS203)。なお、ステップS203~S208の処理は、それぞれ
図3のステップS105~S110の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0094】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係るシフト管理装置10は、監視対象の必要習熟度を取得する必要習熟度取得部110と、監視員の習熟度を設定した習熟度テーブルT8と、監視対象の必要習熟度とに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定する割当処理部111と、を備える。
【0095】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視対象の必要習熟度および監視員の習熟度に応じたシフト管理を行うことができる。
【0096】
また、必要習熟度取得部110は、各車線の時間帯別の必要習熟度を予め設定した車線別必要習熟度テーブルT2を参照し、各時間帯について、監視対象に含まれる車線の必要習熟度のうち最も高い難易度に対応する必要習熟度を、監視対象の必要習熟度として取得する。
【0097】
このようにすることで、シフト管理装置10は、例えば時間帯に応じて交通量が増減する等、時間帯別に必要習熟度が変化する監視対象についても、習熟度の異なる監視員を適切な時間帯に割り当てることができる。また、シフト管理装置10は、監視対象に含まれる車線のうち、最も難易度の高い車線に合わせて必要習熟度を設定することにより、難易度の高い車線(監視対象)の監視に、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることが可能となる。これにより、監視員のスキル不足により応対が停滞するといったトラブルを抑制することができる。
【0098】
また、必要習熟度取得部110は、料金所における監視員の作業負荷に影響を与えるイベントに関するイベント情報に基づいて、監視対象の必要習熟度を調整する。
【0099】
このようにすることで、シフト管理装置10は、例えば、料金所の周辺におけるイベントによって作業負荷が高くなる(すなわち、監視の難易度が高くなる)場合に、必要習熟度を調整して、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることが可能となる。
【0100】
また、必要習熟度取得部110は、監視対象に含まれる車線の数に応じた係数に基づいて必要習熟度を調整する。
【0101】
このようにすることで、シフト管理装置10は、同時に監視する車線数の多寡に応じて必要習熟度を調整することにより、監視員を適切に割り当てることが可能となる。例えば、監視する車線数が多いほど必要習熟度が高くなるように係数を設定することで、多数の車線を含む監視対象については、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることができる。
【0102】
また、割当処理部111は、監視拠点Aに対しリーダ(第1監視員)と、監視対象を監視する監視員(第2監視員)とを組み合わせて配置する場合に、リーダおよび監視員の習熟度の合計値が監視対象の必要習熟度以上となるように、当該監視拠点Aに割り当てられるリーダおよび監視員の組み合わせを決定する。
【0103】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視員が1つの車線の応対中には、リーダに他の車線の監視や応対の補助を行わせることができる。また、例え監視員の習熟度が低い場合であっても、リーダの補助により作業を円滑に行わせることが可能となる。
【0104】
また、割当処理部111は、過去の業務記録に基づいて採点された監視員同士の相性に基づいて、同じ監視拠点に割り当てるリーダおよび監視員の組み合わせを決定する。
【0105】
このようにすることで、シフト管理装置10は、リーダおよび監視員の作業効率や作業精度が向上するようなシフトを組むことが可能となる。
【0106】
また、割当処理部111は、監視対象に対する監視員の経験にさらに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定する。
【0107】
例えば、シフト管理装置10は、経験の少ない監視員を優先して監視対象に割り当てることにより、監視員の応対スキルの向上を図ることができる。また、シフト管理装置10は、経験の多い監視員を優先して監視対象に割り当てることにより、難易度の高い監視対象の監視業務を円滑に行えるようにすることができる。
【0108】
また、シフト管理装置10は、監視員が割り当てられていない監視対象が存在する場合に、他の監視対象に割り当てられていない監視員に対して当該監視対象の勤務募集を行う調整処理部112をさらに備える。
【0109】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視対象の必要習熟度、監視員の習熟度、および監視員の勤務可否から、シフト表に空白が生じてしまった場合であっても、監視員に勤務募集を行い、シフト表の空白を解消することができる。
【0110】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る遠隔監視システム1について
図19~
図20を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0111】
図19に示すように、本実施形態では、1つの監視拠点に複数の監視端末20が設置され、各監視端末20に1人ずつ監視員が割り当てられる。
図19の例では、監視拠点Aには、4台の監視端末20それぞれに監視員P1,P2,P3,P4が割り当てられる。監視員は、2人ずつペアとなり、同じ監視対象を監視する。例えば、監視員P1および監視員P2は1つの監視対象(例えば、
図7の監視グループNo.7)をペアで監視し、監視員P3および監視員P4は他の監視対象(例えば、
図7の監視グループNo.2)をペアで監視する。つまり、1つの監視対象に対し、2の監視端末20が割り当てられる。これにより、ペアの一方の監視員P1がある車線の応対中に、他方の監視員P2が他の車線の監視および応対を行うことができる。
【0112】
図20は、第2の実施形態に係る割当処理の一例を示すフローチャートである。
また、本実施形態では、シフト管理装置10の割当処理部111の処理が第1の実施形態と異なる。本実施形態に係る割当処理部111は、
図13または
図14に示す割当処理に代えて、
図20に示す割当処理を実行する。ここで、割当処理部111は、対象期間の各時間帯(各日の各時間帯)について、監視対象1つにつき2人の監視員を割り当てる。このとき、1人の基本勤務時間はN時間(例えば、N=8)、連続して勤務可能な時間は最大M時間(例えば、M=10)を条件とする。
【0113】
まず、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7を参照し、各監視対象の各時間帯の必要習熟度から所定の調整値(例えば、1)を減じた第1監視員設定値を設定する。また、割当処理部111は、勤務可否テーブルT1、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7、および習熟度テーブルT8を参照して、各監視対象の各時間帯について、第1監視員設定値に近い習熟度を有する監視員を、1人目の監視員(第1監視員)として割り当てる(ステップS1023K)。なお、第1監視員設定値が0以下になった場合、習熟度が「1」以上の監視員を割り当てる。
【0114】
具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7の1人目の監視員未割当の監視対象および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視対象および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、抽出した監視拠点および時間帯に、第1監視員設定値に最も近い監視員を優先的に割り当てる。また、割当処理部111は、同様にして、他の監視対象および時間帯に監視員を割り当てる。
【0115】
例えば、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7(
図11)によれば、監視グループNo.7の2022年7月1日の0時台における必要習熟度は「7」である。調整値が「1」である場合、この時間帯における第1監視員設定値は「7-1=6」である。割当処理部111は、習熟度が第1監視員設定値と同じ「6」であり、この時間帯に勤務可能な監視員を、この時間帯の1人目の監視員として割り当てる。
【0116】
また、割当処理部111は、第1監視員設定値と同じ習熟度の監視員がいない場合は、第1監視員設定値から1を引いた習熟度の監視員を割り当てる。上述の例では、習熟度が「6」で、勤務可能な監視員がいない場合、習熟度が「5」の監視員を割り当てる。また、習熟度を下げても割当可能な監視員がいない場合は、この時間帯は空白(未割当)とする。
【0117】
なお、割当処理部111は、割当可能な監視員が複数人いる場合は、この監視対象や時間帯の経験が少ないものを優先して割り当ててもよい。さらに、他の実施形態では、割当処理部111は、この監視対象や時間帯の経験が多いものを優先して割り当ててもよい。
【0118】
次に、割当処理部111は、2人目の監視員(第2監視員)を割り当てる(ステップS1023L)。
【0119】
具体的には、割当処理部111は、監視対象の日時別必要習熟度テーブルT7の2人目の監視員未割当の監視対象および時間帯うち、最も必要習熟度が高い監視対象および時間帯を抽出する。また、割当処理部111は、この時間帯の勤務が可能であり、且つ、抽出した監視対象および時間帯の必要習熟度から、同時間帯に割り当てられた1人目の監視員習熟度を引いた値(第2監視員設定値)以上の習熟度を有する監視員を割り当てる。
図11の例では、監視グループNo.7の2022年7月1日の0時台における必要習熟度は「7」である。また、この時間帯に監視グループNo.7に割り当てられた1人目の監視員の習熟度は「6」であるとする。この場合、この時間帯の監視グループNo.7の第2監視員設定値は「7-6=1」であり、習熟度が「1」以上の監視員を2人目の監視委として割り当てる。なお、第2監視員設定値が0以下になった場合、習熟度が「1」以上の監視員を割り当てる。また、1人目の監視員が割り当てられていない場合、第2監視員設定値=必要習熟度(上記の例では、「7」のまま)とする。また、割当処理部111は、同様にして、他の監視対象および時間帯についても監視員を割り当てる。
【0120】
なお、2人目の監視員を割り当てる際、割当処理部111は、以下のような処理を行ってもよい。
【0121】
例えば、割当処理部111は、勤務可能、且つ、習熟度=第2監視員設定値である監視員を優先的に割り当てる。上述の例では、監視グループNo.7の2022年7月1日の0時台の第2監視員設定値は「1」であるため、割当処理部111は、習熟度が「1」である監視員を優先的に割り当てる。習熟度が「1」である監視員が他の監視対象に割り当て済みまたは勤務不可である場合は、第2監視員設定値を1ずつ増加させながら、割り当て可能な監視員を検索する。
【0122】
また、割当処理部111は、勤務可能、且つ、第2監視員設定値と同じ値の習熟度を有する監視員が複数人いる場合、1人目の監視員との相性がよりよい監視員を割り当てる。当該処理は、
図13のステップS1023Eで説明した処理と同じである。
【0123】
なお、割当処理部111は、ステップS1023K、S1023Lにおいて、例えば勤務可否テーブルT1に、特定の監視拠点のみの勤務が可能である等の条件が記録されている場合、この条件も満たすように1人目および2人目の監視員の割り当てを行う。
【0124】
以上のように、本実施形態に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、一の監視対象を1人目および2人目の監視員のペアで監視する場合に、これら監視員の習熟度の合計値が当該監視対象の必要習熟度以上となるように、監視員の組み合わせを決定する。
【0125】
このようにすることで、シフト管理装置10は、1人目の監視員が1つの車線の応対中には、2人目の監視員に他の車線の監視や応対の補助を行わせることができる。また、例え何れか一方の監視員の習熟度が低い場合であっても、他方の監視員の補助により作業を円滑に行わせることが可能となる。
【0126】
また、割当処理部111は、過去の業務記録に基づいて採点された監視員同士の相性に基づいて、1人目および2人目の監視員の組み合わせを決定する。
【0127】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視員同士の作業効率や作業精度が向上するようなシフトを組むことが可能となる。
【0128】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係る遠隔監視システム1について
図21を参照しながら説明する。上述の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0129】
図21は、第3の実施形態に係る遠隔監視システムの全体構成を示す概略図である。
第2の実施形態では、ペアとなる監視員が同じ監視拠点に配置される例について説明した。これに対し、本実施形態では、
図21に示すように、ペアとなる監視員それぞれが異なる場所で遠隔監視を行ってもよい。
【0130】
図21の例のように、監視員P1および監視員P2は1つの監視対象(例えば、
図7の監視グループNo.7)をペアで監視し、監視員P3および監視員P4は他の監視対象(例えば、
図7の監視グループNo.2)をペアで監視しているとする。このとき、監視員P1は自宅、監視員P2は監視拠点Cから遠隔監視を行うようにしてもよい。また、監視員P3は出向先のオフィス(例えば料金所事務所)、監視員P4は監視拠点Cから遠隔監視を行うようにしてもよい。
【0131】
このようにすることで、シフト管理装置10は、例えば勤務可能な監視拠点に制限がある監視員であっても、他の監視員とペアを組ませることが可能となる。これにより、シフトの自由度が増すため、より適切な監視員の割り当てを行うことができる。
【0132】
また、このようにペアとなる監視員同士が異なる場所に配置される場合、コミュニケーションが取りづらく、連携して業務を行うことが困難となる可能性がある。このため、本実施形態では、ペアとなる監視員P1および監視員P2(または、監視員P3および監視員P4)は、それぞれVR(Virtual Reality)用のゴーグル21を利用して、仮想空間上の監視拠点オフィスで監視を行う。
【0133】
このようにすることで、ペアとなる監視員同士が異なる場所で勤務している場合であっても、互いにコミュニケーションを取りながら連携して監視を行うことが可能となる。
【0134】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0135】
<付記>
上述の実施形態に記載のシフト管理装置、シフト管理方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0136】
(1)第1の態様によれば、シフト管理装置10は、料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置10であって、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得する必要習熟度取得部110と、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、監視対象の必要習熟度とに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定する割当処理部111と、を備える。
【0137】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視対象の必要習熟度および監視員の習熟度に応じたシフト管理を行うことができる。
【0138】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係るシフト管理装置10において、必要習熟度取得部110は、複数の車線それぞれの時間帯別の必要習熟度を予め設定した車線別必要習熟度テーブルを参照し、各時間帯について、監視対象に含まれる車線の必要習熟度のうち最も高い難易度に対応する必要習熟度を、監視対象の必要習熟度として取得する。
【0139】
このようにすることで、シフト管理装置10は、例えば時間帯に応じて交通量が増減する等、時間帯別に必要習熟度が変化する監視対象についても、習熟度の異なる監視員を適切な時間帯に割り当てることができる。また、シフト管理装置10は、監視対象に含まれる車線のうち、最も難易度の高い車線に合わせて必要習熟度を設定することにより、難易度の高い車線(監視対象)の監視に、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることが可能となる。これにより、監視員のスキル不足により応対が停滞するといったトラブルを抑制することができる。
【0140】
(3)第3の態様によれば、第1または第2の態様に係るシフト管理装置10において、必要習熟度取得部110は、料金所における監視員の作業負荷に影響を与えるイベントに関するイベント情報に基づいて、監視対象の必要習熟度を調整する。
【0141】
このようにすることで、シフト管理装置10は、例えば、料金所の周辺におけるイベントによって作業負荷が高くなる(すなわち、監視の難易度が高くなる)場合に、必要習熟度を調整して、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることが可能となる。
【0142】
(4)第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係るシフト管理装置10において、必要習熟度取得部110は、監視対象に含まれる車線の数に応じた係数に基づいて必要習熟度を調整する。
【0143】
このようにすることで、シフト管理装置10は、同時に監視する車線数の多寡に応じて必要習熟度を調整することにより、監視員を適切に割り当てることが可能となる。例えば、監視する車線数が多いほど必要習熟度が高くなるように係数を設定することで、多数の車線を含む監視対象については、習熟度が高い監視員を適切に割り当てることができる。
【0144】
(5)第5の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、一の監視拠点に対しリーダとなる第1監視員と当該監視拠点において監視対象を監視する第2監視員とを組み合わせて配置する場合に、第1監視員および第2監視員の習熟度の合計値が監視対象の必要習熟度以上となるように、一の監視拠点に割り当てる第1監視員および第2監視員の組み合わせを決定する。
【0145】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視員が1つの車線の応対中には、リーダに他の車線の監視や応対の補助を行わせることができる。また、例え監視員の習熟度が低い場合であっても、リーダの補助により作業を円滑に行わせることが可能となる。
【0146】
(6)第6の態様によれば、第5の態様に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、過去の業務記録に基づいて採点された監視員同士の相性に基づいて、第1監視員および第2監視員の組み合わせを決定する。
【0147】
このようにすることで、シフト管理装置10は、リーダおよび監視員の作業効率や作業精度が向上するようなシフトを組むことが可能となる。
【0148】
(7)第7の態様によれば、第1から第4の何れか一の態様に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、一の監視対象を第1監視員および第2監視員の複数人で監視する場合に、第1監視員および第2監視員の習熟度の合計値が当該監視対象の必要習熟度以上となるように、第1監視員および第2監視員の組み合わせを決定する。
【0149】
このようにすることで、シフト管理装置10は、1人目の監視員が1つの車線の応対中には、2人目の監視員に他の車線の監視や応対の補助を行わせることができる。また、例え何れか一方の監視員の習熟度が低い場合であっても、他方の監視員の補助により作業を円滑に行わせることが可能となる。
【0150】
(8)第8の態様によれば、第7の態様に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、過去の業務記録に基づいて採点された監視員同士の相性に基づいて、第1監視員および第2監視員の組み合わせを決定する。
【0151】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視員同士の作業効率や作業精度が向上するようなシフトを組むことが可能となる。
【0152】
(9)第9の態様によれば、第1から第8の何れか一の態様に係るシフト管理装置10において、割当処理部111は、監視対象に対する監視員の経験にさらに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定する。
【0153】
例えば、シフト管理装置10は、経験の少ない監視員を優先して監視対象に割り当てることにより、監視員の応対スキルの向上を図ることができる。また、シフト管理装置10は、経験の多い監視員を優先して監視対象に割り当てることにより、難易度の高い監視対象の監視業務を円滑に行えるようにすることができる。
【0154】
(10)第10の態様によれば、第1から第9の何れか一の態様に係るシフト管理装置10は、監視員が割り当てられていない監視対象が存在する場合に、他の監視対象に割り当てられていない監視員に対して当該監視対象の勤務募集を行う調整処理部112をさらに備える。
【0155】
このようにすることで、シフト管理装置10は、監視対象の必要習熟度、監視員の習熟度、および監視員の勤務可否から、シフト表に空白が生じてしまった場合であっても、監視員に勤務募集を行い、シフト表の空白を解消することができる。
【0156】
(11)第11の態様によれば、シフト管理方法は、シフト管理装置10によって料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理方法であって、シフト管理装置10が、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、シフト管理装置10が、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、監視対象の必要習熟度とに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、を有する。
【0157】
(12)第12の態様によれば、プログラムは、料金所の車線を監視する監視員のシフトを管理するシフト管理装置10に、少なくとも1つの車線を含む監視対象の必要習熟度を取得するステップと、複数の監視員それぞれの習熟度を設定した習熟度テーブルと、監視対象の必要習熟度とに基づいて、監視対象に割り当てる監視員を決定するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0158】
1 遠隔監視システム
10 シフト管理装置
11 プロセッサ
110 必要習熟度取得部
111 割当処理部
112 調整処理部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
20 監視端末
21 ゴーグル