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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074561
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】部品実装基板
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/00 20060101AFI20240524BHJP
   G01N 27/02 20060101ALI20240524BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20240524BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G01N27/00 H
G01N27/02 B
A61F13/42 F
A61F13/42 Z
A61F5/44 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185807
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】富永 梓己
【テーマコード(参考)】
2G060
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AC01
2G060AE12
2G060AF07
2G060AG03
2G060JA06
2G060KA05
3B200AA01
3B200DF01
3B200DF04
3B200DF05
3B200EA01
3B200EA08
4C098AA09
4C098CC02
4C098CD09
(57)【要約】
【課題】部品実装基板が液体に浸ったことをより確実に検知することが可能な構造の部品実装基板を提供する。
【解決手段】部品実装基板100は、基材11と、第1導電パターン30と、実装部品50と、を有する基板10と、第1導電パターン30と相補的に回路60を構成している第2導電パターン40と、を備え、第2導電パターン40は、液体に対して可溶であるか、又は液体に濡れて脆弱化するものであり、基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっており、第2導電パターン40は、欠落部12を跨いで、第1導電パターン30の一部分と第1導電パターン30における一部分とは別の部分とを相互に接続しており、当該部品実装基板100は、更に、可溶層22を備え、第2導電パターン40において少なくとも欠落部12を跨ぐ部分は、可溶層22の一方の面に形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備える部品実装基板であって、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
前記第2導電パターンは、前記欠落部を跨いで、前記第1導電パターンの一部分と前記第1導電パターンにおける前記一部分とは別の部分とを相互に接続しており、
当該部品実装基板は、更に、前記基材を基準として前記第1導電パターンと同じ側に配置されているとともに液体に対して可溶である可溶層を備え、
前記第2導電パターンは、前記液体に対して可溶であるか、又は前記液体に濡れて脆弱化するものであり、
前記第2導電パターンにおいて少なくとも前記欠落部を跨ぐ部分は、前記可溶層の一方の面に形成されている部品実装基板。
【請求項2】
前記欠落部の幅寸法が1.5mm以下である請求項1に記載の部品実装基板。
【請求項3】
前記可溶層の前記一方の面は、前記可溶層における前記基材側とは反対側の面である請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項4】
前記可溶層において前記欠落部を間に挟む両側の部分は、それぞれ両面テープを介して前記基材及び前記第1導電パターンに対して貼り付けられている請求項3に記載の部品実装基板。
【請求項5】
前記欠落部を跨いで前記基材上及び前記第1導電パターン上に配置されていて、前記液体に対して可溶である粘着層を有し、
前記可溶層は、前記粘着層上に形成されている請求項3に記載の部品実装基板。
【請求項6】
前記第2導電パターンの両端部は、それぞれ平面視において前記可溶層から外方に延出した延出部となっており、
前記延出部がそれぞれ導電ペースト又は導電粘着材を介して前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている請求項3に記載の部品実装基板。
【請求項7】
前記第2導電パターンの厚さが前記可溶層の厚さの2倍以上である請求項6に記載の部品実装基板。
【請求項8】
前記可溶層の前記一方の面は、前記可溶層における前記基材側の面である請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項9】
前記第2導電パターンの全体が前記可溶層の一方の面に形成されている請求項8に記載の部品実装基板。
【請求項10】
前記欠落部は、互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
前記第1延在部と前記第2延在部に対応してそれぞれ前記第2導電パターンが配置されており、
前記第1延在部に対応する前記第2導電パターンと前記第2延在部に対応する前記第2導電パターンとが一の前記可溶層の前記一方の面に形成されている請求項8に記載の部品実装基板。
【請求項11】
当該部品実装基板は、吸水膨張材を更に備え、
前記吸水膨張材が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材が前記基材又は前記第2導電パターンを当該基材の面直方向に押圧して前記第2導電パターンを破断させる請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項12】
前記欠落部は、互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
当該部品実装基板は、前記吸水膨張材を間に挟んで前記基材に対して重ねて配置されている導水シートを更に備え、
平面視において前記第1延在部及び前記第2延在部の配置領域よりも外方の位置において、前記導水シートと前記基材とが相互に接合されている請求項11に記載の部品実装基板。
【請求項13】
当該部品実装基板は、前記吸水膨張材及び前記基板を間に挟んで前記導水シートとは反対側に配置されている第2導水シートを更に備え、
平面視において前記基板の配置領域よりも外方の位置において、前記第2導水シートと前記導水シートとが相互に接合されている請求項12に記載の部品実装基板。
【請求項14】
当該部品実装基板は、前記吸水膨張材を間に挟んで前記基材に対して重ねて配置されている導水シートと、前記吸水膨張材及び前記基板を間に挟んで前記導水シートとは反対側に配置されている第2導水シートと、を更に備え、
前記基材において、前記第1導電パターンの形成領域を避けた部位に、当該基材を貫通し前記導水シート側と前記第2導水シート側とを連絡させる第2欠落部が形成されている請求項11に記載の部品実装基板。
【請求項15】
前記欠落部は平面視において直線状に延在している請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項16】
前記欠落部は平面視において波線状に延在している請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項17】
前記基材は前記液体に対して不溶である請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【請求項18】
前記第1導電パターンは前記液体に対して不溶である請求項1又は2に記載の部品実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板と、基板によって支持される同調無線周波数回路と、を備える部品実装基板(同文献のセンサ)について記載されており、同調無線周波数回路は、すべて基板の同じ側に配設された第1導電性パターンと第1コンデンサとジャンパーとを有する。第1コンデンサは、第1コンデンサ板と、第2コンデンサ板と、第1コンデンサ板と第2コンデンサ板との間に配置された第1誘電材料を含み、第1誘電材料は、液体に対して可溶である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-529732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者の検討によれば、特許文献1の部品実装基板は、部品実装基板が液体に浸ったことをより確実に検知する観点で、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、部品実装基板が液体に浸ったことをより確実に検知することが可能な構造の部品実装基板を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備える部品実装基板であって、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
前記第2導電パターンは、前記欠落部を跨いで、前記第1導電パターンの一部分と前記第1導電パターンにおける前記一部分とは別の部分とを相互に接続しており、
当該部品実装基板は、更に、前記基材を基準として前記第1導電パターンと同じ側に配置されているとともに液体に対して可溶である可溶層を備え、
前記第2導電パターンは、前記液体に対して可溶であるか、又は前記液体に濡れて脆弱化するものであり、
前記第2導電パターンにおいて少なくとも前記欠落部を跨ぐ部分は、前記可溶層の一方の面に形成されている部品実装基板が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部品実装基板が液体に浸ったことをより確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る部品実装基板の平面図である。
図2】第1実施形態における欠落部及びその周辺構造を示す平面図である。
図3図2に示すA部の部分拡大図である。
図4】第1実施形態に係る部品実装基板の端面図である。
図5】第1実施形態における第1延在部及びその周辺構造を示す端面図である。
図6】第1実施形態に係る部品実装基板の分解端面図である。
図7】第1実施形態に係る部品実装基板の端面図であり、吸水膨張材が膨張した状態を示す。
図8】第1実施形態の変形例1における第1延在部及びその周辺構造を示す端面図である。
図9】第1実施形態の変形例1における第1延在部及びその周辺構造を示す端面図であり、第2導電パターンに段差が形成されている例を示す。
図10】第1実施形態の変形例2における欠落部及びその周辺構造を示す平面図である。
図11図10に示すA部の部分拡大図である。
図12】第1実施形態の変形例3に係る部品実装基板の分解端面図である。
図13】第1実施形態の変形例4に係る部品実装基板の分解端面図である。
図14】第2実施形態に係る部品実装基板の端面図である。
図15】第3実施形態に係る部品実装基板の端面図である。
図16】第3実施形態に係る部品実装基板の分解端面図である。
図17】比較形態における欠落部及びその周辺構造を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図7を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。図1においては、基材11、第1導水シート85、第2導水シート86、第1透水シート87及び第2透水シート88を二点鎖線で図示している。また、図3においては、第1導電パターン30及び欠落部12を選択的に図示しており、その他の部位の図示を省略している。図4図1に示すA-A線に沿った切断端面を示しており、図6及び図7図4と対応する部位の分解端面図である。また、図4図7においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
【0010】
図1から図7に示すように、本実施形態に係る部品実装基板100は、基材11と、基材11上に形成されている第1導電パターン30と、第1導電パターン30に対して電気的に接続されている実装部品50と、を有する基板10と、第1導電パターン30と相補的に回路60を構成している第2導電パターン40と、を備える。
基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっており、第2導電パターン40は、欠落部12を跨いで、第1導電パターン30の一部分と第1導電パターン30における一部分とは別の部分とを相互に接続している。
部品実装基板100は、更に、基材11を基準として第1導電パターン30と同じ側に配置されているとともに液体に対して可溶である可溶層22を備えている。
第2導電パターン40は、液体に対して可溶であるか、又は液体に濡れて脆弱化するものであり、第2導電パターン40において少なくとも欠落部12を跨ぐ部分は、可溶層22の一方の面に形成されている。
【0011】
ここで、可溶層22が液体に対して可溶であるとは、液体との接触により可溶層22が溶解(溶ける)することである。より詳細には、例えば、液体は、水を含有するものであり、水(水分)との接触により可溶層22が溶解することである。すなわち、可溶層22は、例えば、水溶性である。ただし、可溶層22は、水分を含有しない有機溶剤などの液体に対して可溶であってもよい。
同様に、第2導電パターン40が液体に対して可溶であるとは、液体との接触により第2導電パターン40が溶解(溶ける)もしくは脆弱化(完全な溶解状態に至らずとも容易に断線する程度に変質)することであり、より詳細には、例えば、水(水分)との接触により第2導電パターン40が溶解もしくは脆弱化することである。すなわち、第2導電パターン40は、例えば、水溶性である。ただし、第2導電パターン40は、水分を含有しない有機溶剤などの液体に対して可溶もしくは脆弱化するものであってもよい。より詳細には、第2導電パターン40と可溶層22とは、同一種類の液体(例えば水)に対して可溶もしくは脆弱化する性質をもつものである。
【0012】
第2導電パターン40が破断したり、第2導電パターン40に亀裂が生じたり、又は水(水分)との接触により第2導電パターン40が溶解もしくは脆弱化することによって、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。そして、回路60の特性の変化(主として回路60としての機能消失)を検出することによって、部品実装基板100が液体に浸ったことを検知することができる。
【0013】
可溶層22は、空気中の水分を吸収することによって僅かに膨張(伸長)する。また、可溶層22は、当該可溶層22に含まれる水分が蒸発することによって僅かに縮小(収縮)する。すなわち、可溶層22は、周囲の湿度変化に伴って伸縮する。特に、可溶層22において欠落部12と対応する部位は、基材11によって支持されていないため、その他の部位よりも伸縮しやすい部位となっている。
一方、第2導電パターン40は、可溶層22とは異なり、周囲の湿度が変化したとしても実質的にその形状を保持する(伸縮しない)。よって、周囲の湿度が変化した際に、第2導電パターン40は可溶層22の伸縮に追従できず、当該第2導電パターン40に応力が生じてしまう場合がある。
【0014】
本実施形態によれば、基材11において第2導電パターン40と対応する部位は、欠落した欠落部12となっている。
このような構成によれば、可溶層22が液体との十分な接触により溶解した状態において、第2導電パターン40に対して軽微な外力が加わると、第2導電パターン40が容易に破断したり、第2導電パターン40に亀裂が生じたりし、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。また、欠落部12を介して液体が第2導電パターン40と十分に接触するようにできるので、より確実に第2導電パターン40が溶解もしくは脆弱化し、回路60が初期の特性を維持できなくなることが期待できる。すなわち、部品実装基板100が液体に浸ったことをより確実に検知することができる。
更には、第2導電パターン40において少なくとも欠落部12を跨ぐ部分は、可溶層22の一方の面に(一方の面に沿って)形成されている。
このような構成によれば、第2導電パターン40において欠落部12を跨ぐ部分の構造的強度を十分に確保することができる。よって、部品実装基板100の周囲の湿度変化に伴って可溶層22が伸縮したとしても、第2導電パターン40において欠落部12を跨ぐ部分が、意図しないタイミングで破断したり亀裂が生じたりすることを抑制できる。
このように、本実施形態によれば、部品実装基板100が液体に浸った旨の検出の確実性を向上させた上で、更に周囲の湿度変化に対する部品実装基板100の構造安定性も確保することができる。
【0015】
より詳細には、上述のように、可溶層22において、欠落部12と対応する部分は、その他の部分すなわち基材11によって支持されている部分と比較して、周囲の湿度変化に伴って伸縮しやすい部分となっている。そして、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分は、可溶層22の伸縮に伴って応力が集中しやすい部分である。
ここで、図17に示す比較形態のように、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分が、欠落部12の内部に形成される場合、当該部分は欠落部12の形状に沿って落ち窪んだ形状に形成される。つまり、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分は、欠落部12の形状に沿って屈曲した形状に形成される(角部45a、45bを含む形状に形成される。)このため、湿度変化によって可溶層22が伸縮した際に、第2導電パターン40における角部45a、45b及びその近傍に応力が集中し、当該部分が破断したり亀裂が生じたりする可能性がある。
一方、本実施形態のように、第2導電パターン40において少なくとも欠落部12を跨ぐ部分を、可溶層22の一方の面に形成する場合、後述するように当該部分を可溶層22に沿って実質的に平坦に形成することができる。よって、例えば、湿度変化によって可溶層22が伸縮したとしても、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分において局所的に応力が集中してしまうことを抑制できる。
また、図17に示す比較形態のように、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分が欠落部12の内部に形成される場合、当該部分を切れ目無く連続的に形成するためには、欠落部12の幅寸法を十分に確保する必要がある。なお、ここでいう「欠落部12の幅寸法」とは、第2導電パターン40が欠落部12を跨ぐ方向(本実施形態の場合、X方向)における寸法である。
一方、本実施形態の場合、第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分を可溶層22に形成するため、当該部分を欠落部12に沿って屈曲形状に形成する必要がない。よって、比較形態と比べて、欠落部12の幅寸法をより小さくすることができる。
これにより、可溶層22における欠落部12と対応する部分、すなわち湿度変化に伴って伸縮しやすい部分の幅寸法をより小さくすることができる。よって、可溶層22が伸縮したとしても、第2導電パターン40に生じる応力をより一層抑制できる。よって、第2導電パターン40において欠落部12を跨ぐ部分が、意図しないタイミングで破断したり亀裂が生じたりすることをより確実に抑制できる。
【0016】
部品実装基板100は、例えば、平板状に形成されている積層体である。部品実装基板100の平面形状は、特に限定されないが、一例として、図1に示すように略矩形状(例えば角丸の矩形状)とすることができる。
本実施形態の場合、実装部品50は、一例として、RFID用途のチップ(一般的にはICチップとも呼ばれる)であり、部品実装基板100は、RFIDタグである。
【0017】
以下では、部品実装基板100の各構成要素同士の位置関係などを説明するに際し、図4における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。また、上下方向に対して直交する方向を水平方向などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、部品実装基板100の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、図1図4における左右方向をX方向と称し、図1における上下方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、部品実装基板100の面方向に対して平行な方向(水平方向)であり、図4における上下方向(部品実装基板100の面直方向)に対して直交している。
【0018】
図1から図4に示すように、本実施形態の場合、欠落部12は、基材11に形成されているスリット状の切欠形状部である。欠落部12は、基材11の表裏を貫通している。欠落部12の存在領域においては、第1導電パターン30は非形成となっている。
本実施形態の場合、欠落部12は平面視において直線状に延在している。ここで、「欠落部12は平面視において直線状に延在している」とは、欠落部12において少なくとも第2導電パターン40と交差している部分が、直線状に延在していればよい。
より詳細には、欠落部12は、例えば、互いに並列に延在する第1延在部13a及び第2延在部13bと、第1延在部13aの延在方向における一端部(図1における上端部)から第2延在部13bの延在方向における一端部(図1における上端部)に亘って延在している第3延在部14と、を含む。
第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、互いに同一形状に配置されており、左右対称に配置されている。更に詳細には、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、平面視においてY方向に直線状に延在している。また、第3延在部14は、平面視においてX方向に直線状に延在している。
第1延在部13aの幅寸法と第2延在部13bの幅寸法とは、互いに等しい寸法に設定されている。
基材11において、欠落部12を間に挟む部分どうしは、互いに同じ高さ位置に配置されている。より詳細には、基材11において、第1延在部13aよりも左側の部分と、第1延在部13aよりも右側の部分とは、互いに同じ高さ位置に配置されている。同様に、基材11において、第2延在部13bよりも左側の部分と、第2延在部13bよりも右側の部分とは、互いに同じ高さ位置に配置されている。
【0019】
なお、本発明において、欠落部12の形状は、上記の例に限定されず、少なくとも第2導電パターン40の一部分に対して交差する部分を含んでいればよい。
また、例えば、それぞれ個別に形成された基板10の一部分と他の部分とを、これらの部分同士の間に欠落部12が形成されるように位置関係を調整して組み付けてもよい。この場合、第1導電パターン30は、基板10の一部分に形成されている部分と、基板10の他の部分に形成されている部分と、の組み合わせによって構成されている。
また、第1延在部13a及び第2延在部13bの延在方向は、上記の例に限定されず、少なくとも第2導電パターン40が欠落部12を跨ぐ方向に対して交差する方向であればよい。
また、第1延在部13a及び第2延在部13bは、例えば、互いに異なる方向に延在していてもよい。
【0020】
欠落部12の幅寸法は、1.5mm以下であることが好ましい。
これにより、周囲の湿度変化に伴う可溶層22の伸縮量をより抑制できる。よって、より確実に、第2導電パターン40において欠落部12を跨ぐ部分が、意図しないタイミングで破断したり亀裂が生じたりすることをより確実に抑制できる。
より詳細には、欠落部12において、少なくとも第2導電パターン40と交差する部分の幅寸法が、1.5mm以下であることが好ましい。
第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の幅寸法W(図3参照)は、0.01mm以上0.08mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01mm以上0.02mm以下である。本実施形態の場合、一例として、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の幅寸法Wは、0.016mmである。
第3延在部14の幅寸法は、0.01mm以上0.08mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.01mm以上0.02mm以下である。本実施形態の場合、一例として、第3延在部14の幅寸法は、0.016mmである。
【0021】
図4に示すように、第1導電パターン30は、例えば、基材11の上面上に形成されている。
本実施形態の場合、第1導電パターン30は、一例として、それぞれ以下に説明するアンテナ配線部と部品実装配線部とを有する。
アンテナ配線部は、図1において左側に位置する第1アンテナ配線部と、右側に位置する第2アンテナ配線部と、を有する。第1アンテナ配線部は、例えば、広幅部31aと、広幅部31aよりも細幅に形成されていてX方向に延在している細幅部32aと、を有する。
広幅部31aは、例えば、平面視において、平面視略矩形状の第1部分と、当該第1部分の左側縁部の上端からY方向における一方(図1における上方)に延出し、更にX方向における一方(図1における右方)に延出している第2部分と、を含む。
細幅部32aは、例えば、平面視において、当該細幅部32aの長手方向における中間部がY方向に折れ曲がった形状に形成されている。
より詳細には、細幅部32aの長手方向における左端部及び右端部の各々は、X方向に延在している一方で、当該長手方向における中間部は、例えば、左端部の右端から右端部の左端に向けてY方向に延在している。
細幅部32aの左端は広幅部31aと接続されており、細幅部32aの右端は部品実装配線部と接続されている。第2アンテナ配線部は、例えば、第1アンテナ配線部と左右対称に形成されており、広幅部31bと細幅部32bとを有する。細幅部32bの右端は広幅部31bと接続されており、細幅部32bの左端は部品実装配線部と接続されている。
【0022】
図2に示すように、部品実装配線部は、それぞれ以下に説明する環状パターン構成部34a、37a、38a、39a、34b、37b、38b及び39bと、連結部36と、を有する。
環状パターン構成部39aは、細幅部32aの右端に接続されていて、細幅部32aの右端からY方向における一方(図1における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38aは、環状パターン構成部39aの一端からY方向における一方(図1における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37aは、環状パターン構成部38aの一端から右方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34aは、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部37aの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部39bは、細幅部32bの左端に接続されていて、細幅部32bの左端からY方向における一方(図1における上方)に向けて上り傾斜している。環状パターン構成部38bは、環状パターン構成部39bの一端からY方向における一方(図1における上方)に延伸している(つまりY方向に延在している)。環状パターン構成部37bは、環状パターン構成部38bの一端から左方に延伸している(つまり、X方向に延在している)。環状パターン構成部34bは、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部37bの延長上に配置されていてX方向に延在している。
環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとは、互いに延長上に配置されている。
連結部36は、X方向に延在している。より詳細には、連結部36の左端は、左側の第1延在部13aを間に挟んで環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部の延長上に配置されており、連結部36の右端は、右側の第2延在部13bを間に挟んで環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部の延長上に配置されている。
ただし、本発明において、アンテナ配線部と部品実装配線部と含む第1導電パターン30の形状はこの例に限定されない。
【0023】
図4に示すように、第2導電パターン40が形成されている可溶層22の一方の面(本実施形態の場合、上面)は、例えば、可溶層22における基材11側とは反対側の面である。
可溶層22は、例えば、基材11の上面側に配置されており、第2導電パターン40における可溶層22と対応する部位は当該可溶層22の上面上に配置されている。
可溶層22は、欠落部12を跨いで配置されている。
より詳細には、可溶層22は、例えば、欠落部12の第1延在部13aを跨いで配置されている第1可溶層23aと、欠落部12の第2延在部13bを跨いで配置されている第2可溶層23bと、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々を跨いでいる第3可溶層23cと、を含む。なお、図2に示す例では、一の第3可溶層23cが第1延在部13a及び第2延在部13bの各々を跨いでいる図としているが、例えば、第3可溶層23cを、第1延在部13aを跨ぐ部分と第2延在部13bを跨ぐ部分とに左右に分けて個別に配置してもよい。
【0024】
ここで、可溶層22において欠落部12を間に挟む両側の部分は、それぞれ両面テープ24を介して基材11及び第1導電パターン30に対して貼り付けられている。
より詳細には、図4及び図5に示すように、第1可溶層23aにおける第1延在部13aを間に挟む両側の部分は、例えば、第1両面テープ24aを介して第1導電パターン30の上面に対して貼り付けられている。
第2可溶層23bにおける第2延在部13bを間に挟む両側の部分は、例えば、第2両面テープ24bを介して第1導電パターン30の上面に対して貼り付けられている。
第3可溶層23cにおける第1延在部13aを間に挟む両側の部分と、第2延在部13bを間に挟む両側の部分とは、例えば、それぞれ第3両面テープ(不図示)を介して第1導電パターン30の上面に対して貼り付けられている。
第1延在部13aの存在領域においては、第1両面テープ24aは非形成となっている。同様に、第2延在部13bの存在領域においては、第2両面テープ24bは非形成となっており、第1延在部13a及び第2延在部13bの存在領域においては、第3両面テープは非形成となっている。
第1可溶層23a~第3可溶層23cの各々は、両面テープ24に沿って実質的に平坦に形成されているとともに、水平に配置されている。
平面視において、第1両面テープ24aは、第1可溶層23aによってされ包含される領域に配置されており、第2両面テープ24bは、第2可溶層23bによって包含される領域に配置されている。また、第3両面テープは、第3可溶層23cによって包含される領域に配置されている。
【0025】
可溶層22は、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)を含んで構成されている。可溶層22がPVAを含んで構成されていることによって、部品実装基板100が水分と接触すると可溶層22が良好に溶解する構造を実現することができる。
ただし、可溶層22の材料は、PVAに限らず、例えば、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、又は水溶性の紙素材、でんぷん成分を由来とするシート素材などであってもよい。
更に、本実施形態の場合、可溶層22は、ホットメルト特性を有する樹脂を含有しており、第2導電パターン40に対してホットメルト接合される。つまり、可溶層22は、第2導電パターン40に対して融着接合される。
また、本実施形態の場合、可溶層22として、予めシート状に形成されたものを用いる。そして、シート状の可溶層22が欠落部12を跨いで配置される。このため、第2導電パターン40における少なくとも欠落部12を跨ぐ部分を、シート状の可溶層22の一方の面に沿って平坦に形成することができる。
【0026】
可溶層22の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
可溶層22の厚み寸法が30μm以下であることにより、可溶層22が液体と接触した際に、可溶層22が速やかに溶解するようにできる。
【0027】
図1に示すように、部品実装基板100は、第2導電パターン40として、例えば、それぞれX方向に延在するブリッジ部41a、41b及び42を有する。すなわち、部品実装基板100は、例えば、複数の第2導電パターン40を有する。
図2に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部37aの右端部と環状パターン構成部34aの左端部とを相互に接続している。ブリッジ部41bは、環状パターン構成部37bの左端部と環状パターン構成部34bの右端部とを相互に接続している。これにより、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b及び環状パターン構成部37bによって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部とが相互に接続されている。
ブリッジ部42は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、環状パターン構成部39bと細幅部32bとを相互に接続しているとともに、連結部36に沿って延在している。
これにより、環状パターン構成部37a、ブリッジ部41a、環状パターン構成部34a、環状パターン構成部34b、ブリッジ部41b、環状パターン構成部37b、環状パターン構成部38b、環状パターン構成部39b、ブリッジ部42及び環状パターン構成部39aによって、環状の環状パターンが構成されている。環状パターンは、例えば、平面視において、略環状に形成されている。環状パターンは、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間で不連続となっている。すなわち、環状パターンは、開口部を有する形状(開環状の形状)となっている。そして、図1及び図2等に示すように、実装部品50は、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとの間に跨がって配置されている。
【0028】
ここで、ブリッジ部41aは、左側の第1延在部13aを跨いで配置されているとともに、左側の第1可溶層23a上に形成されている。より詳細には、ブリッジ部41aは、X方向(第1延在部13aに対して直交する方向)に延在しているとともに、X方向において第1延在部13aを跨いでいる。図2に示すように、ブリッジ部41aの両端部(延在方向における両端部)は、例えば、それぞれ平面視において第1可溶層23aから外方に延出した延出部43aとなっている。より詳細には、ブリッジ部41aの左端部は、第1可溶層23aから左方に延出しており、ブリッジ部41aの右端部は、第1可溶層23aから右方に延出している。
ブリッジ部41aにおける中間部44a(延出部43aを除いた部分)は左側の第1可溶層23a上に形成されている。
ブリッジ部41bは、右側の第2延在部13bを跨いで配置されているとともに、右側の第2可溶層23b上に形成されている。ブリッジ部41bは、例えば、ブリッジ部41aと左右対称形状に形成されている。すなわち、ブリッジ部41bは、X方向(第2延在部13bに対して直交する方向)に延在しているとともに、X方向において第2延在部13bを跨いでいる。ブリッジ部41bの両端部は、例えば、それぞれ平面視において第2可溶層23bから外方に延出した延出部43bとなっている。ブリッジ部41bにおける中間部44bは右側の第2可溶層23b上に形成されている。
ブリッジ部42は、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々を跨いで配置されているとともに、第3可溶層23c上に形成されている。より詳細には、ブリッジ部42は、X方向(第1延在部13a及び第2延在部13bに対して直交する方向)に延在しているとともに、X方向において第1延在部13a及び第2延在部13bを跨いでいる。ブリッジ部42の両端部は、例えば、それぞれ平面視において第3可溶層23cから外方に延出した延出部43cとなっている。ブリッジ部42における中間部44c(延出部43cを除いた部分)は右側の第2可溶層23b上に形成されている。
図4に示すように、ブリッジ部41aは、環状パターン構成部37aと環状パターン構成部34aとの間に第1可溶層23aを介して架設されているとともに、環状パターン構成部37aと環状パターン構成部34aとを相互に電気的に接続している。同様に、ブリッジ部41bは、環状パターン構成部37bと環状パターン構成部34bとの間に第2可溶層23bを介して架設されているとともに、環状パターン構成部37bと環状パターン構成部34bとを相互に電気的に接続している。
ブリッジ部42は、左側の第1延在部13aと右側の第2延在部13bとに亘って架設されている第3可溶層(不図示)上に配置されている。より詳細には、ブリッジ部42の左端部は、左側の第1延在部13aを跨いで配置されており、ブリッジ部42の右端部は、右側の第2延在部13bを跨いで配置されている。
ブリッジ部42の左端部は、環状パターン構成部39aと細幅部32aとの境界部と、連結部36の左端と、を相互に電気的に接続しており、ブリッジ部42の右端部は、環状パターン構成部39bと細幅部32bとの境界部と、連結部36の右端と、を相互に電気的に接続している。
【0029】
本実施形態の場合、第2導電パターン40において、欠落部12と対応する部位の上面と、当該部位に隣接している部位の上面とは、互いに実質的に面一となっている。
より詳細には、上記の中間部44a~44c、すなわち第2導電パターン40における欠落部12を跨ぐ部分の上面の全体は、実質的に平坦に形成されている。
ただし、本発明において、第2導電パターン40における欠落部12と対応する部位の上面と、当該部位に隣接している部位の上面と、の境界部には段差が形成されていてもよい。
より詳細には、中間部44a~44cにおいて、欠落部12(第1延在部13a及び第2延在部13b)と対応する部位の上面と、当該部位に隣接している部位の上面と、の境界部に段差が形成されていてもよい。
この場合、中間部44a~44cにおいて、欠落部12(第1延在部13a及び第2延在部13b)と対応する部位の上面と、当該部位に隣接している部位の上面と、との境界部の段差の高さ寸法は、10μm以上、100μm以下であることが好ましい。
また、本実施形態の場合、第2導電パターン40において、可溶層22の一方の面に形成されている部位の上面と、当該部位に隣接する部位の上面とは、互いに実質的に面一となっている。
より詳細には、ブリッジ部41a、41b、42において、延出部43a、43b、43cの上面と、中間部44a、44b、44cの上面とは、互いに実質的に面一となっている。すなわち、ブリッジ部41a、41b、42の上面の全体が、実質的に平坦となっている。
ただし、本発明において、第2導電パターン40における可溶層22と対応する部位の上面と、当該部位に隣接する部位の上面と、の境界部には段差が形成されていてもよい。
より詳細には、ブリッジ部41a、41b、42において、延出部43a、43b、43cの上面と、中間部44a、44b、44cの上面と、の境界部に段差が形成されていてもよい。
この場合、延出部43aの上面と中間部44aの上面(延出部43b、43cの上面と中間部44b、44cの上面)との境界部の段差の高さ寸法は、10μm以上、100μm以下であることが好ましい。
【0030】
このように、第1延在部13aと第2延在部13bに対応してそれぞれ第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b、42の各々)が配置されている。そして、第2導電パターン40は、欠落部12(第1延在部13a及び第2延在部13b)を跨いで配置されているとともに、第1導電パターン30における第1部分と、第1導電パターン30において欠落部12を間に挟んで第1部分とは離間している部分である第2部分と、の間に架設されて、第1部分と第2部分とを相互に電気的に接続している。すなわち、第2導電パターン40の各々は、ブリッジ配線となっている。
【0031】
なお、部品実装基板100は、第2導電パターン40として、上記のブリッジ部41a~42以外の部分を有していてもよいが、ブリッジ部41a~42は、回路60を構成する配線部である。
すなわち、第2導電パターン40において欠落部12と対応する部位(ブリッジ部41a~42)は、回路60を構成する配線部であり、電極等ではない。
【0032】
第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b及び42の各々)は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(環状パターン構成部34a、34b、37a、37b、39a、39b)よりも太幅に形成されていることが好ましい。第1導電パターン30が例えば金属箔に由来するパターンであり、そのインピーダンスが低く仕上がっている場合に、第2導電パターン40が印刷により形成された塗膜であると、第2導電パターン40のインピーダンスが上記金属箔によるパターンのインピーダンスよりも高い数値になってしまうことが予想される。しかし、上記のように第2導電パターン40を第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位よりも太幅に形成しておくことで、第1導電パターン30と第2導電パターン40のそれぞれのインピーダンスを低い状態で整合できるといった点で有利となる。
ただし、第2導電パターン40は、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位と同幅に形成されていてもよいし、当該部位よりも細幅に形成されていてもよい。
【0033】
各第2導電パターン40の長さは、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位(環状パターン構成部34a、34b、37a、37b、39a、39b、細幅部32a、32b、連結部36)の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
特に、各第2導電パターン40において第1導電パターン30間(第1部分と第2部分との間)に架設されている部分の長さ(架設長)が、第1導電パターン30において第2導電パターン40と接続される部位の幅寸法よりも長いことが好ましく、当該幅寸法の2倍以上の長さであることが好ましく、当該幅寸法の3倍以上の長さであることがより好ましい。
【0034】
本実施形態の場合、第2導電パターン40は、ホットメルト特性を有する樹脂を含有しており、第1導電パターン30に対してホットメルト接合されることによって電気的及び機械的に接続されている。つまり、第2導電パターン40は、第1導電パターン30に対して融着接合されるものであり、第2導電パターン40と第1導電パターン30とは単に接触しているだけではない。
第2導電パターン40は、例えば、導電性フィラーと、熱可塑性樹脂を含有するバインダーと、を含んで構成された塗膜である。熱可塑性樹脂は、50℃以上でホットメルト特性を発現するものであることが好ましい。
第2導電パターン40は、例えば、水溶性導電ペーストにより構成されており、一例として、水溶性銀パターンである。
より詳細には、第2導電パターン40は、例えば、導電性粒子(例えば、銀粒子)が熱可塑性樹脂に有機溶剤によって混練された乾燥性の材料によって構成されている。また、第2導電パターン40は、例えば、印刷された塗膜である。
【0035】
第2導電パターン40の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上50μm以下であることが好ましい。第2導電パターン40の厚み寸法が10μm以上であることにより、部品実装基板100が液体と接触する前の段階においては、回路60の安定的な特性を得ることができる。第2導電パターン40の厚み寸法が50μm以下であることにより、部品実装基板100が液体と接触した際に、第2導電パターン40が速やかに溶解もしくは脆弱化するようにできる。
【0036】
本実施形態の場合、回路60の複数箇所にブリッジ配線としての第2導電パターン40が配置されているので、部品実装基板100が液体に接触した際に、いずれかの第2導電パターン40が破断したり、いずれかの第2導電パターン40に亀裂が生じたり、いずれかの第2導電パターン40が溶解もしくは脆弱化したりする可能性を高めることができる。
【0037】
本実施形態の場合、基材11は液体に対して不溶である。このため、保管時等に部品実装基板100が意図せず液体に接触した際においても、基材11が溶解することに起因して第1導電パターン30が破断したり第1導電パターン30に亀裂が生じたりして回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。
液体に対して不溶の基材11は、例えば、紙又は樹脂フィルムにより構成することができる。この樹脂フィルムを構成する樹脂材料は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルであることが挙げられる。
ただし、本発明は、この例に限らず、基材11が液体に対して可溶であってもよい。
基材11の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、10μm以上75μm以下であることが好ましい。基材11の厚み寸法が10μm以上であることにより、基材11によって第1導電パターン30を安定的に支持することができるとともに、部品実装基板100の構造的強度を十分に得ることができる。
基材11の厚み寸法が75μm以下であることにより、部品実装基板100の良好な可撓性が得られる。
【0038】
本実施形態の場合、第1導電パターン30も液体に対して不溶である。このため、保管時等に部品実装基板100が意図せず液体に接触した際においても、第1導電パターン30が溶解することに起因して回路60の特性が変化してしまうことを抑制できる。特に、回路60の過半部が、液体に対して不溶の第1導電パターン30により構成されていることが好ましい。
ただし、本発明は、この例に限らず、第1導電パターン30が液体に対して可溶であってもよい。
第1導電パターン30は、例えば、金属箔により構成されている。より詳細には、第1導電パターン30は、エッチングによりパターン形成された金属箔により構成されている。金属材料としては、一例として、アルミニウム、金、銀、銅等が挙げられる。
ただし、第1導電パターン30は、例えば、印刷された塗膜であってもよい。
第1導電パターン30が印刷形成される場合は、第1導電パターン30は、例えば、導電性フィラーと、熱可塑性樹脂を含有するバインダーと、を含んで構成された塗膜である。導電性フィラーは、例えば、金、銀、銅又はカーボン等によって構成されている。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。
第1導電パターン30の厚み寸法は、特に限定されないが、例えば、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
【0039】
ここで、上述のように、第2導電パターン40(ブリッジ部41a、41b)の両端部は、例えば、それぞれ平面視において可溶層22から外方に延出した延出部43a、43bとなっている。そして、延出部43a、43bがそれぞれ導電ペースト又は導電粘着材を介して第1導電パターン30に対して電気的に接続されている。
このような構成によれば、第2導電パターン40を第1導電パターン30に対して良好に電気的に接続することができる。
より詳細には、本実施形態の場合、導電ペースト65を形成する際に、導電ペースト65の印刷後に、当該導電ペースト65に対して熱処理(乾燥処理)を行う。また、第1導電パターン30がアルミニウムにより構成されている場合、その表面にはアルミ酸化膜(不図示)が形成されている場合がある。
そして、本実施形態によれば、導電ペースト65を熱処理する際に、第1導電パターン30の表面における導電ペースト65の形成領域では、導電ペースト65が含有する熱硬化性樹脂が収縮することにより応力が発生するので、当該形成領域において上記アルミ酸化膜を破ることができる。よって、第2導電パターン40が、導電ペースト65を介して第1導電パターン30に対して良好に電気的に接続されるようにできる。
【0040】
本実施形態の場合、一例として、延出部43a、43bは、それぞれ導電ペースト65を介して第1導電パターン30に対して電気的に接続されている。導電ペースト65は、例えば、第1導電パターン30の上面上に形成されている。
導電ペースト65は、例えば、粒径1μm以上5μm以下の導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む。導電性粒子は、一例として、銀粒子であるか、又はシリカによって構成されたコアの表面に銀コートを施したものである。
導電ペースト65の厚み寸法は、特に限定されないが、可溶層22の厚み寸法と略同等の寸法であることが好ましい。すなわち、導電ペースト65の厚み寸法は、例えば、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがより好ましい。
【0041】
詳細な図示は省略するが、実装部品50は、例えば、素子を樹脂モールドすることにより構成された部品本体と、部品本体の下面に沿って設けられている実装端子と、を備えており、素子と実装端子とが樹脂モールドの内部において相互に電気的に接続されている。
実装部品50が備える実装端子の数は、特に限定されないが、本実施形態の場合、実装部品50は、2つの実装端子を備えており、各実装端子が、それぞれ第1導電パターン30に対して電気的に接続されている。より詳細には、実装部品50の一方の実装端子は、環状パターン構成部34aの右端部に対して電気的に接続されており、実装部品50の他方の実装端子は、環状パターン構成部34bの左端部に対して電気的に接続されている。すなわち、実装部品50は、環状パターン構成部34aと環状パターン構成部34bとに跨がって配置されている。
このように、実装部品50は部品実装配線部に実装されている。
【0042】
アンテナ配線部は、例えば、図示しない外部機器(例えば、RFIDリーダライタ)との間で信号の送受信を行う。アンテナ配線部が外部機器から受信した信号あるいは電波が実装部品50に入力される。実装部品50は、部品実装配線部及びアンテナ配線部を介して、外部機器に信号を送信する。なお、部品実装配線部の一部分又は全体も、アンテナ配線部との協働でアンテナとしての機能を担う場合もあり得る。
実装部品50は、例えば、外部機器からアンテナ配線部を介して励起された電力によって動作するパッシブ型である。
【0043】
本実施形態の場合、部品実装基板100が液体と接触することに起因して第2導電パターン40が溶解したり、第2導電パターン40が破断したり、第2導電パターン40に亀裂が生じたりすることによって、部品実装基板100の通信機能が消失又は劣化する。当該通信機能の消失又は劣化を外部機器が検出することによって、部品実装基板100が液体と接触したことを検知することができる。
【0044】
ここで、図4等に示すように、部品実装基板100は、例えば、吸水膨張材70を更に備えている。
吸水膨張材70が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる。
これにより、第2導電パターン40に対して外力が加わるので、第2導電パターン40が破断する。回路60の特性の変化(主として回路60としての機能消失)を検出することによって、間接的に、第2導電パターン40における破断の発生を検出することで、部品実装基板100が液体に浸ったことをより確実に検知することができる。
【0045】
本実施形態の場合、図4及び図7に示すように、吸水膨張材70は、基材11を基準として、第2導電パターン40とは反対側に配置されており、吸水膨張材70が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材70が基材11を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる。
吸水膨張材70は、例えば、シート状に形成されており、基材11の下面に沿って配置されている。
図2に示すように、平面視において、吸水膨張材70は、例えば、Y方向に長尺な略矩形状に形成されている。なお、図2においては、吸水膨張材70を二点鎖線で図示している。
ここで、吸水膨張材70は、例えば、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と対応する位置に配置されている。
本実施形態の場合、「基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位」とは、例えば、基材11において第1延在部13a右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位である。
このような構成によれば、吸水し膨張した吸水膨張材70によって、第1アンテナ配線部と第2アンテナ配線部と相互に接続しているブリッジ部41a、41b、42を容易に破断することができる。よって、より確実に、部品実装基板100が液体と接触したことを検出することができる。
なお、本発明において、部品実装基板100は、吸水し膨張した吸水膨張材70が、ブリッジ部41a又はブリッジ部41bのうち少なくともいずれか一方を破断させるように構成されていればよい。すなわち、本発明において、吸水膨張材70は、少なくとも、平面視においてブリッジ部41a又はブリッジ部41bを包含する領域に配置されていればよく、例えば、吸水膨張材70の外縁が、平面視において基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位を超えて、欠落部12と重なる領域に位置していてもよい。
【0046】
吸水膨張材70は、一例として、圧縮セルローススポンジである。ただし、本発明はこの例に限定されず、吸水膨張材70は、例えば、吸水性ポリマー等の圧縮セルローススポンジ以外の吸水により膨張する部材であってもよい。
【0047】
図4に示すように、部品実装基板100は、吸水膨張材70を間に挟んで基材11に対して重ねて配置されている導水シート(第1導水シート85)を更に備えている。
これにより、第1導水シート85によって液体(例えば水)を吸水できるので、液体を吸水膨張材70に対して十分に供給することができる。
第1導水シート85は、少なくとも、平面視において吸水膨張材70を包含する領域に配置されていることが好ましい。第1導水シート85は、部品実装基板100の全面に亘って配置されていてもよいし、部品実装基板100の一部の領域に選択的に配置されていてもよい。本実施形態、一例として、第1導水シート85は、平面視において第1導電パターン30の全体を包含する領域に配置されている。
【0048】
また、部品実装基板100は、吸水膨張材70及び基板10を間に挟んで導水シート(第1導水シート85)とは反対側に配置されている第2導水シート86を更に備えている。
これにより、第2導水シート86によって液体(例えば水)を吸水できるので、可溶層22及び第2導電パターン40に対して液体を十分に供給することができる。
第2導水シート86は、少なくとも、平面視において可溶層22及び第2導電パターン40を包含する領域に配置されていることが好ましい。第2導水シート86は、部品実装基板100の全面に亘って配置されていてもよいし、部品実装基板100の一部の領域に選択的に配置されていてもよい。本実施形態、一例として、第2導水シート86は、平面視において第1導電パターン30の全体を包含する領域に配置されている。
【0049】
図4に示すように、例えば、平面視において第1延在部13a及び第2延在部13bの配置領域よりも外方の位置において、導水シート(第1導水シート85)と基材11とが相互に接合されている。
これにより、吸水膨張材70が吸水により膨張する際に、当該吸水膨張材70が主として面直方向に膨張するようにできる。
本実施形態の場合、基材11において、欠落部12を基準として吸水膨張材70側とは反対側(面方向における反対側)の部位が、第1接合部91によって第1導水シート85に対して接合されている。より詳細には、基材11における第1延在部13aよりも左側の部分と、当該基材11における第2延在部13bよりも右側の部分と、がそれぞれ第1接合部91によって第1導水シート85の上面に対して接合されている。
本実施形態の場合、一例として、第1接合部91は、両面テープである。ただし、本発明において、第1導水シート85と基材11とを接合する手法は特に限定されず、両面テープの他に、例えば、粘着剤や溶着など、第1導水シート85や基材11の材料の性質に合わせて適宜設定することができる。
また、X方向における第1接合部91と吸水膨張材70との離間距離D(図7参照)は、例えば、膨張した吸水膨張材70の厚み寸法Tの2倍以上であることが望ましい。より詳細には、例えば、膨張後の吸水膨張材70の厚み寸法Tが10mmである場合、第1接合部91と吸水膨張材70との離間距離Dは20mmである。
【0050】
図4に示すように、例えば、平面視において基板10の配置領域よりも外方の位置において、第2導水シート86と導水シート(第1導水シート85)とが相互に接合されている。
本実施形態の場合、第2導水シート86の左端部と、当該第2導水シート86の右端部と、がそれぞれ第2接合部93によって第1導水シート85の上面に対して接合されている。
本実施形態の場合、一例として、第2接合部93は、両面テープである。ただし、本発明において、第1導水シート85と第2導水シート86とを接合する手法は特に限定されず、両面テープの他に、例えば、粘着剤や溶着など、第1導水シート85や第2導水シート86の材料の性質に合わせて適宜設定することができる。
また、第1導水シート85と第2導水シート86とを接合する際に、基板10も併せて第1導水シート85と第2導水シート86とに接合してもよい。
【0051】
更に、基材11において、第1導電パターン30の形成領域を避けた部位に、当該基材11を貫通し導水シート(第1導水シート85)側と第2導水シート86側とを連絡させる第2欠落部77が形成されている。
このような構成によれば、液体が第1導水シート85と第2導水シート86との間で良好に連絡することができる。
本実施形態の場合、第2欠落部77は、例えば、基材11における、第1延在部13aよりも左側の部分と、第2延在部13bよりも右側の部分と、にそれぞれ形成されている。
図1に示すように、第2欠落部77の平面形状は、特に限定されないが、例えば、円形状となっている。
第2欠落部77の径寸法は、例えば、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは、1.0mm以上5.0mm以下である。本実施形態の場合、一例として、第2欠落部77の径寸法は、3.0mm程度である。
なお、本発明において、例えば、第2欠落部77を介して第1導水シート85と第2導水シート86とが相互に接続されていてもよい。すなわち、上記の第2接合部93が、例えば、第1導水シート85及び第2導水シート86における第2欠落部77と対応する部位に形成されていてもよい。
【0052】
ここで、部品実装基板100は、例えば、基材11の上面側に配置されている第1拘束シート(本実施形態の場合、後述する第1透水シート87)と、基材11の下面側に配置されているに第2拘束シート(本実施形態の場合、後述する第2透水シート88)と、を備えている。第1拘束シート及び第2拘束シートによって、基板10における少なくとも第2導電パターン40の配置領域の周囲が拘束されている。本実施形態の場合、一例として、第1拘束シート及び第2拘束シートによって、基板10における少なくとも第1導電パターン30の配置領域の周囲が拘束されている。
なお、ここで、第2導電パターン40の配置領域の周囲とは、欠落部12の全体を包絡する領域の周囲である。
【0053】
より詳細には、本実施形態の場合、図1に示すように、基材11は、例えば、X方向に長尺な平面視略矩形状の本体部111aと、本体部111aの周縁から外方に向けて突出しているとともに、互いに離間して配置されている複数の固定片111bと、を含む。
そして、複数の固定片111bの一方の面には、第1拘束シートの一部分が直接又は間接に固定されており、複数の固定片111bの他方の面には、第2拘束シートの一部分が直接又は間接に接合されている。一方、基材11の面方向における複数の固定片111b同士の間では、当該固定片111bを介さずに、第1拘束シートと第2拘束シートとが互いに直接又は間接に接合されている。
これにより、基板10の周縁部が第1拘束シート及び第2拘束シートによって拘束されている。
また、複数の固定片111bは、X方向において本体部111aを間に挟んで配置されているものと、Y方向において本体部111aを間に挟んで配置されているものと、をそれぞれ含んでいる。このため、第1拘束シート及び第2拘束シートによって、基材11のX方向における両端部と、基材11のY方向における両端部と、の双方において当該基材11を拘束することができる。
【0054】
本実施形態の場合、部品実装基板100は、例えば、第1拘束シートとして第1透水シート87を備え、第2拘束シートとして第2透水シート88を備えている。なお、図1においては、第1透水シート87及び第2透水シート88の各々を二点鎖線で図示している。
これにより、第1透水シート87又は第2透水シート88によって、液体を吸水膨張材70に対して速やかに供給することができる。より詳細には、部品実装基板100において、第1透水シート87が配置されている側の面が主として液体に浸った場合と、部品実装基板100において、第2透水シート88が配置されている側の面が主として液体に浸った場合と、の双方において第1透水シート87又は第2透水シート88によって、液体を吸水膨張材70に対して速やかに供給することができる。
【0055】
より詳細には、本実施形態の場合、図4に示すように、第1透水シート87と第2透水シート88との間に、第2導水シート86と、基板10と、吸水膨張材70と、第1導水シート85と、が上からこの順に配置されている。
更に、基板10の下面と、吸水膨張材70の上面と、の間には両面テープ75が配置されている。このようにして、吸水膨張材70は、基板10の下面と、第1導水シート85の上面と、の間に固定されている。
【0056】
本実施形態の場合、例えば、第1透水シート87の外形形状と、第2透水シート88の外形形状は、互いに等しく、平面視において互いに一致している。また、第1透水シート87の周縁部の一部分と第2透水シート88の周縁部の一部分とは、互いに接合(例えば、熱圧着)されている。より詳細には、第1透水シート87の周縁部及び第2透水シート88の周縁部の各々は、基材11の面方向における複数の固定片111b同士の間では、当該固定片111bを介さずに、第1透水シート87と第2透水シート88とが互いに直接に接合されている。また、第1透水シート87の周縁部において、複数の固定片111bと対応する部分は、当該固定片111bの一方の面に接合されており、第2透水シート88の周縁部において、複数の固定片111bと対応する部分は、当該固定片111bの他方の面に接合されている。
このようにして、基板10の周縁部は、第1透水シート87と第2透水シート88とによって拘束されている。
【0057】
第1導水シート85及び第2導水シート86の各々は、特に限定されないが、一例として、レーヨンの高吸水性(高保水性)の不織布であり、目付が例えば40g/m2以上80g/m2以下で、望ましくは50g/m2以上70g/m2以下である。なお、第1導水シート85及び第2導水シート86の各々は、例えば、パルプ、コットン又は麻等であってもよい。
第1透水シート87及び第2透水シート88の各々は、特に限定されないが、一例として、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート製で、目付が例えば5g/m2以上100g/m2以下で、好ましくは10g/m2以上50g/m2以下の不織布である。これにより、第1透水シート87及び第2透水シート88の各々の透水性を良好に確保することができる。
【0058】
以下、吸水により膨張した吸水膨張材70が基材11又は第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる際の動作の一例を説明する。
図7に示すように、部品実装基板100が液体に浸ると、吸水膨張材70は、当該液体を吸水し膨張する。なおここで、可溶層22は、液体との接触によって完全に溶解してもよいし、当該可溶層22における一部分のみは溶解してもよい。図7に示す例では、可溶層22において、吸水膨張材70と対応する部位が溶解せずにその形状を維持している。
膨張した吸水膨張材70は、基材11において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、第2導電パターン40において第1延在部13aと第2延在部13bとの間に位置する部位と、を基材11の面直方向(本実施形態の場合、図7における上方)に押圧する。これにより、基材11において欠落部12を間に挟む2つの部分同士が相対変位する。
より詳細には、上述のように、平面視において第1延在部13a及び第2延在部13bの配置領域よりも外方の位置において、第1導水シート85と基材11とが相互に接合されている。また、平面視において基板10の配置領域よりも外方の位置において、第2導水シート86と導水シート85とが相互に接合されている。
このため、基材11において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、基材11において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、基材11において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。また、ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aよりも右側の部位は、当該ブリッジ部41aにおいて第1延在部13aよりも左側の部位よりも上方に変位する。同様に、ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bより左側の部位は、当該ブリッジ部41bにおいて第2延在部13bより右側の部位よりも上方に変位する。ブリッジ部42において第1延在部13aの右側縁と第2延在部13bの左側縁との間に位置する部位は、当該ブリッジ部42において第1延在部13aの左側縁よりも左側の部位、及び、当該ブリッジ部42において第2延在部13bの右側縁よりも右側の部位の各々よりも上方に変位する。
これにより、第1延在部13aを跨いで架設されているブリッジ部41aと、第2延在部13bを跨いで架設されているブリッジ部41bと、第1延在部13aの左側縁と第2延在部13bの右側縁とに亘って架設されているブリッジ部42と、がそれぞれ破断する。
【0059】
本実施形態に係る部品実装基板100は、一例として、液体を吸収可能に構成されている吸収性物品(例えば、図4及び図6に示す紙オムツ300)に両面テープ99を介して装着される。
着用者が紙オムツ300に排尿し、尿によって第2導電パターン40や可溶層22が溶解すると、これを検知することにより、着用者の排尿を検知することができる。すなわち、部品実装基板100は、紙オムツ300の交換時期を介護者に知らせる排尿センサとして利用される。
なお、部品実装基板100が装着される吸収性物品は、紙オムツ300に限定されず、例えば、下着に装着される尿パット(不図示)であってもよい。
【0060】
<第1実施形態の変形例1>
次に、図8及び図9を用いて第1実施形態の変形例1を説明する。なお、図8及び図9においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
本変形例に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0061】
図8に示すように、本変形例の場合、部品実装基板100は、両面テープ24を備えていない代わりに、欠落部12を跨いで基材11上及び第1導電パターン30上に配置されていて、液体に対して可溶である粘着層25を有する。可溶層22は、粘着層25上に形成されている。
このような構成によっても、可溶層22を基材11に対して良好に接合することができる。
より詳細には、本変形例の場合、粘着層25は、第1延在部13aに跨がって配置されている第1粘着層25aと、第2延在部13bに跨がって配置されている第2粘着層(不図示)と、を含む。
可溶層22の第1可溶層23aは、第1粘着層25aの上面上に直に積層されており、当該可溶層22の第2可溶層23bは、第2粘着層の上面上に直に積層されている。
【0062】
粘着層25は、例えば、水溶性(又は水性)の粘着剤によって形成されている。粘着層25を形成する粘着剤は、特に限定されないが、例えば、デンプン糊、アラビアゴム糊、水性のアクリルエマルションなどであることが挙げられる。水性のアクリルエマルションは、カルボキシル基を含有するアクリルモノマーを共重合させアルコールやポリエチレンオキシドを添加して作成することが例示される。また、粘着層25は、2種類以上の水溶性(又は水性)の粘着剤を含んで構成されていてもよい。上記のうち、本発明に係る水溶性の粘着剤は、一例として、水性のアクリルエマルションを適用している。
【0063】
ここで、第2導電パターン40の厚さが可溶層22の厚さの2倍以上であることが好ましい。なお、ここでいう「第2導電パターン40の厚さ」とは、第2導電パターン40の全体の厚みの平均値を意味している。
このようにすることによって、第2導電パターン40において、可溶層22と対応する部位と、当該部位に隣接する部位と、の境界に段差が形成されてしまうことを抑制できる。よって、第2導電パターン40の構造的強度を十分に確保することができる。
より詳細には、第2導電パターン40の厚さが可溶層22の厚さの2倍未満である場合、図9に示すように、第2導電パターン40において、可溶層22と対応する部位(例えば、中間部44a、44b、44c)と、当該部位に隣接する部位(延出部43a、44b、44c)と、の境界に段差が形成されてしまう場合がある。
しかし、図8に示すように、第2導電パターン40の厚さを可溶層22の厚さの2倍以上とすることによって、第2導電パターン40において、可溶層22と対応する部位(同上)と、当該部位に隣接する部位(同上)と、が実質的に略面一となるようにできる。
【0064】
<第1実施形態の変形例2>
次に、図10及び図11を用いて第1実施形態の変形例2を説明する。なお、図11においては、第1導電パターン30及び欠落部12を選択的に図示しており、その他の部位の図示を省略している。
本実施形態に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0065】
図10に示すように、本変形例の場合、欠落部12は平面視において波線状に延在している。ここで、「欠落部12は平面視において波線状に延在している」とは、少なくとも欠落部12において第2導電パターン40と交差している部分が、波線状に延在していればよい。
これにより、欠落部12の延在方向において、その幅寸法が随時変化している構成となる。よって、湿度変化に伴って可溶層22が伸縮したとしても、第2導電パターン40における欠落部12を跨いでいる部分において生じる応力が作用する方向を分散できる。すなわち、第2導電パターン40における欠落部12を跨いでいる部分において応力が集中してしまうことをより確実に抑制できる。
【0066】
より詳細には、図10に示すように、一例として、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々が、平面視において波線状に延在している。一方、第3延在部14は、平面視において直線状に延在している。
本変形例の場合も、第2導電パターン40のブリッジ部41a、41bは、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々に対して直交する方向に延在している。
平面視において、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、一定の周期及び一定の振幅で波線状に延在している。また、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、互いに同等の周期及び振幅で延在している。ただし、本発明において、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の周期及び振幅は、例えば、その延在方向において変化していてもよい。また、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、互いに異なる周期及び振幅で延在していてもよい。
【0067】
第1延在部13a及び第2延在部13bの各々は、例えば、平面視において、振幅が周期の1/10以上1/1以下の波線状に延在していることが好ましく、より好ましくは振幅が周期の1/4以上1/2以下の波線状に延在している。
より詳細には、本変形例の場合、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の周期T(図11参照)は、例えば、好ましくは0.50mm以上5.0mm以下である。本変形例の場合、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の周期Tは、一例として、1.0mmである。
また、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の振幅A(図11参照)は、例えば、好ましくは0.25mm以上2.5mm以下である。本変形例の場合、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の振幅Aは、一例として、0.5mmである。
また、第1延在部13a及び第2延在部13bの最大幅寸法W(図11参照)は、例えば、好ましくは0.01mm以上0.08mm以下である。本変形例の場合、第1延在部13a及び第2延在部13bの各々の最大幅寸法Wは、一例として、0.016mmである。
【0068】
<第1実施形態の変形例3>
次に、図12を用いて第1実施形態の変形例3を説明する。なお、図12においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
本変形例に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0069】
本変形例の場合、吸水膨張材70は、第2導電パターン40を基準として、基材11とは反対側に配置されており、吸水膨張材70が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材70が第2導電パターン40を当該基材11の面直方向に押圧して第2導電パターン40を破断させる。
このような構成によっても、第2導電パターン40に対して外力が加わるので、第2導電パターン40が破断する。回路60の特性の変化(主として回路60としての機能消失)を検出することによって、間接的に、第2導電パターン40における破断の発生を検出することで、部品実装基板100が液体に浸ったことをより確実に検知することができる。
【0070】
より詳細には、図12に示すように、吸水膨張材70は、第2導電パターン40と第2導水シート86との間に配置されている。
吸水膨張材70及び両面テープ75は、例えば、左側のブリッジ部41aと右側のブリッジ部41bとに跨がって配置されている。両面テープ75は、吸水膨張材70の左側縁部を左側のブリッジ部41aの上面に対して接合しているとともに、吸水膨張材70の右側縁部を右側のブリッジ部41bの上面に対して接合している。
また、本変形例の場合、基材11における第1延在部13aよりも左側の部分と、当該基材11における第2延在部13bよりも右側の部分と、がそれぞれ第1接合部91によって第2導水シート86の下面に対して接合されている。
【0071】
<第1実施形態の変形例4>
次に、図13を用いて第1実施形態の変形例4を説明する。なお、図13においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
本変形例に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態の変形例3に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態の変形例3に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0072】
図13に示すように、本変形例の場合、第1実施形態の変形例3と比較して、基板10が上下反転した姿勢で配置されている。
より詳細には、第1導電パターン30は、基材11の下面に形成されている。両面テープ24は、可溶層22を第1導電パターン30の下面に対して接合している。また、第2導電パターン40において欠落部12を跨ぐ部分(中間部44a、44b、44c)は、可溶層22の下面に形成されている。
また、導電ペースト65は、例えば、第1導電パターン30の下面に形成されている。
【0073】
〔第2実施形態〕
次に、図14を用いて第2実施形態を説明する。なお、図14においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
本実施形態に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0074】
図14に示すように、本実施形態の場合、可溶層22は、粘着性である。より詳細には、本実施形態の場合、部品実装基板100は、両面テープ24又は粘着層25を備えておらず、可溶層22は、第1導電パターン30に対して直に積層されている。可溶層22は、第2導電パターン40と第1導電パターン30とを相互に粘着させている。
このような構成によれば、欠落部12を介して液体が可溶層22に対してより良好に接触するようにできる。
【0075】
粘着性の可溶層22は、例えば、水溶性(又は水性)の粘着剤によって形成されている。可溶層22を形成する粘着剤は、特に限定されないが、例えば、デンプン糊、アラビアゴム糊、水性のアクリルエマルションなどであることが挙げられる。水性のアクリルエマルションは、カルボキシル基を含有するアクリルモノマーを共重合させアルコールやポリエチレンオキシドを添加して作成することが例示される。また、可溶層22は、2種類以上の水溶性(又は水性)の粘着剤を含んで構成されていてもよい。
【0076】
〔第3実施形態〕
次に、図15及び図16を用いて第3実施形態を説明する。なお、図15及び図16においては、部品実装基板100の層構造を分かりやすくするため、便宜的に各層の厚みを模式的に厚く図示している。
本実施形態に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【0077】
図15及び図16に示すように、本実施形態の場合、第1延在部13aに対応する第2導電パターン40(ブリッジ部41a、42)と第2延在部13bに対応する第2導電パターン40(ブリッジ部41b、42)とが一の可溶層22の一方の面に形成されている。
このような構成によれば、複数の可溶層22にそれぞれ個別に第2導電パターン40を製造する必要がないので、部品実装基板100の製造容易性を向上させることができる。
【0078】
更に、本実施形態の場合、可溶層22の一方の面は、可溶層22における基材11側の面である。
このような構成によれば、可溶層22の一方の面に形成されている第2導電パターン40に対して、欠落部12を介して液体がより良好に接触するようにできる。
【0079】
また、本実施形態の場合、第2導電パターン40の全体が可溶層22の一方の面に形成されている。
これにより、第2導電パターン40の全体を可溶層22の一方の面に沿って平坦に形成することができる。
【0080】
より詳細には、一の可溶層22は、例えば、平面視において第2導電パターン40の全体を包含する領域に配置されている。また、第2導電パターン40は、例えば、可溶層22の下面に形成されている。第2導電パターン40の全体が、可溶層22の下面に沿って略平坦に形成されている。
また、導電ペースト65は、ブリッジ部41aの両端部の下面と、ブリッジ部41bの両端部の下面と、ブリッジ部42の両端部の下面と、にそれぞれ形成されている。より詳細には、ブリッジ部41aは、対応する左端側の導電ペースト65と、対応する右端側の導電ペースト65との間に架設されている。ブリッジ部42bは、対応する左端側の導電ペースト65と、対応する右端側の導電ペースト65との間に架設されている。
【0081】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0082】
例えば、上記においては、実装部品50がRFIDチップである例を説明したが、本発明は、この例に限らず、実装部品50は、その他の電子部品、例えば、コンデンサや抵抗であってもよい。また、部品実装基板100は、例えば、RFIDタグの用途のみならず、NFC(Near Field Communication)に適用してもよい。
【0083】
また、上記においては、欠落部12がスリット状の切欠形状部である例を説明したが、欠落部12は、例えば、基材11に形成されている細幅の開口孔であってもよい。
同様に、上記においては、第2欠落部77が開口孔である例を説明したが、第2欠落部77は、例えば、基材11に形成されている切欠形状部であってもよい。
【0084】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)基材と、前記基材上に形成されている第1導電パターンと、前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている実装部品と、を有する基板と、
前記第1導電パターンと相補的に回路を構成している第2導電パターンと、
を備える部品実装基板であって、
前記基材において前記第2導電パターンと対応する部位は、欠落した欠落部となっており、
前記第2導電パターンは、前記欠落部を跨いで、前記第1導電パターンの一部分と前記第1導電パターンにおける前記一部分とは別の部分とを相互に接続しており、
当該部品実装基板は、更に、前記基材を基準として前記第1導電パターンと同じ側に配置されているとともに液体に対して可溶である可溶層を備え、
前記第2導電パターンは、前記液体に対して可溶であるか、又は前記液体に濡れて脆弱化するものであり、
前記第2導電パターンにおいて少なくとも前記欠落部を跨ぐ部分は、前記可溶層の一方の面に形成されている部品実装基板。
(2)前記欠落部の幅寸法が1.5mm以下である(1)に記載の部品実装基板。
(3)前記可溶層の前記一方の面は、前記可溶層における前記基材側とは反対側の面である(1)又は(2)に記載の部品実装基板。
(4)前記可溶層において前記欠落部を間に挟む両側の部分は、それぞれ両面テープを介して前記基材及び前記第1導電パターンに対して貼り付けられている(3)に記載の部品実装基板。
(5)前記欠落部を跨いで前記基材上及び前記第1導電パターン上に配置されていて、前記液体に対して可溶である粘着層を有し、
前記可溶層は、前記粘着層上に形成されている(3)に記載の部品実装基板。
(6)前記第2導電パターンの両端部は、それぞれ平面視において前記可溶層から外方に延出した延出部となっており、
前記延出部がそれぞれ導電ペースト又は導電粘着材を介して前記第1導電パターンに対して電気的に接続されている(3)に記載の部品実装基板。
(7)前記第2導電パターンの厚さが前記可溶層の厚さの2倍以上である(6)に記載の部品実装基板。
(8)前記可溶層の前記一方の面は、前記可溶層における前記基材側の面である(1)又は(2)に記載の部品実装基板。
(9)前記第2導電パターンの全体が前記可溶層の一方の面に形成されている(8)に記載の部品実装基板。
(10)前記欠落部は、互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
前記第1延在部と前記第2延在部に対応してそれぞれ前記第2導電パターンが配置されており、
前記第1延在部に対応する前記第2導電パターンと前記第2延在部に対応する前記第2導電パターンとが一の前記可溶層の前記一方の面に形成されている(8)に記載の部品実装基板。
(11)当該部品実装基板は、吸水膨張材を更に備え、
前記吸水膨張材が吸水により膨張すると、当該吸水膨張材が前記基材又は前記第2導電パターンを当該基材の面直方向に押圧して前記第2導電パターンを破断させる(1)又は(2)に記載の部品実装基板。
(12)前記欠落部は、互いに並列に延在する第1延在部及び第2延在部を含み、
当該部品実装基板は、前記吸水膨張材を間に挟んで前記基材に対して重ねて配置されている導水シートを更に備え、
平面視において前記第1延在部及び前記第2延在部の配置領域よりも外方の位置において、前記導水シートと前記基材とが相互に接合されている(11)に記載の部品実装基板。
(13)当該部品実装基板は、前記吸水膨張材及び前記基板を間に挟んで前記導水シートとは反対側に配置されている第2導水シートを更に備え、
平面視において前記基板の配置領域よりも外方の位置において、前記第2導水シートと前記導水シートとが相互に接合されている(12)に記載の部品実装基板。
(14)当該部品実装基板は、前記吸水膨張材を間に挟んで前記基材に対して重ねて配置されている導水シートと、前記吸水膨張材及び前記基板を間に挟んで前記導水シートとは反対側に配置されている第2導水シートと、を更に備え、
前記基材において、前記第1導電パターンの形成領域を避けた部位に、当該基材を貫通し前記導水シート側と前記第2導水シート側とを連絡させる第2欠落部が形成されている(11)から(13)いずれか一項に記載の部品実装基板。
(15)前記欠落部は平面視において直線状に延在している(1)から(14)いずれか一項に記載の部品実装基板。
(16)前記欠落部は平面視において波線状に延在している(1)から(15)いずれか一項に記載の部品実装基板。
(17)前記基材は前記液体に対して不溶である(1)から(16)いずれか一項に記載の部品実装基板。
(18)前記第1導電パターンは前記液体に対して不溶である(1)から(17)いずれか一項に記載の部品実装基板。
【符号の説明】
【0085】
10 基板
11 基材
111a 本体部
111b 固定片
12 欠落部
13a 第1延在部
13b 第2延在部
14 第3延在部
22 可溶層
23a 第1可溶層
23b 第2可溶層
23c 第3可溶層
24 両面テープ
24a 第1両面テープ
24b 第2両面テープ
25 粘着層
25a 第1粘着層
30 第1導電パターン
31a、31b 広幅部
32a、32b 細幅部
34a、34b、37a、37b、38a、38b、39a、39b 環状パターン構成部
36 連結部
40 第2導電パターン
41a、41b、42 ブリッジ部
43a、43b 延出部
44a、44b、44c 中間部
45a、45b 角部
50 実装部品
60 回路
65 導電ペースト
70 吸水膨張材
75 両面テープ
77 第2欠落部
85 第1導水シート
86 第2導水シート
87 第1透水シート
88 第2透水シート
91 第1接合部(両面テープ)
93 第2接合部(両面テープ)
99 両面テープ
100 部品実装基板
300 紙オムツ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-09-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
<第1実施形態の変形例2>
次に、図10及び図11を用いて第1実施形態の変形例2を説明する。なお、図11においては、第1導電パターン30及び欠落部12を選択的に図示しており、その他の部位の図示を省略している。
本変形例に係る部品実装基板100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係る部品実装基板100と同様に構成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
より詳細には、一の可溶層22は、例えば、平面視において第2導電パターン40の全体を包含する領域に配置されている。また、第2導電パターン40は、例えば、可溶層22の下面に形成されている。第2導電パターン40の全体が、可溶層22の下面に沿って略平坦に形成されている。
また、導電ペースト65は、ブリッジ部41aの両端部の下面と、ブリッジ部41bの両端部の下面と、ブリッジ部42の両端部の下面と、にそれぞれ形成されている。より詳細には、ブリッジ部41aは、対応する左端側の導電ペースト65と、対応する右端側の導電ペースト65との間に架設されている。ブリッジ部4bは、対応する左端側の導電ペースト65と、対応する右端側の導電ペースト65との間に架設されている。