(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074562
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】複合建材
(51)【国際特許分類】
E04C 2/26 20060101AFI20240524BHJP
E04C 2/30 20060101ALI20240524BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240524BHJP
E04H 17/14 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
E04C2/26 V
E04C2/30 L
E04C2/30 Z
E04B1/00 501J
E04H17/14 102A
E04H17/14 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185811
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】大淵 知至
【テーマコード(参考)】
2E142
2E162
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142DD23
2E142HH03
2E142HH13
2E142HH22
2E162CB08
2E162CD04
2E162GB01
(57)【要約】
【課題】中空芯材と被覆材との組付及び分解の作業を容易としながら、中空芯材に対して被覆材を強固に組み付けることを可能とした複合建材を提供する。
【解決手段】押出成形された長尺の中空芯材2及び被覆材3A,3Bを備え、中空芯材2は、その幅方向の両側端部に各々位置して長さ方向に延在する一対の第1の係止凹部4と、その主面に位置して長さ方向に延在する第2の係止凹部5とを有し、被覆材3A,3Bは、中空芯材2の主面を覆う第1の被覆部9と、中空芯材2の幅方向の両側端部を覆う一対の第2の被覆部10と、一対の第2の被覆部10から各々突出した一対の第1の係止凸部11と、第1の被覆部9から突出した第2の係止凸部12とを有し、一対の第1の係止凹部4に一対の第1の係止凸部11が係止され、第2の係止凹部5に第2の係止凸部12が係止された状態で、中空芯材2を被覆する被覆材3A,3Bが中空芯材2に一体に組み付けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出成形された長尺の中空芯材及び被覆材を備え、
前記中空芯材は、その幅方向の両側端部に各々位置して長さ方向に延在する一対の第1の係止凹部と、その主面に位置して長さ方向に延在する第2の係止凹部とを有し、
前記被覆材は、前記中空芯材の主面を覆う第1の被覆部と、前記中空芯材の幅方向の両側端部を覆う一対の第2の被覆部と、前記一対の第2の被覆部から各々突出した一対の第1の係止凸部と、前記第1の被覆部から突出した第2の係止凸部とを有し、
前記一対の第1の係止凹部に前記一対の第1の係止凸部が係止され、前記第2の係止凹部に前記第2の係止凸部が係止された状態で、前記中空芯材を被覆する前記被覆材が前記中空芯材に一体に組み付けられていることを特徴とする複合建材。
【請求項2】
前記被覆材は、前記第1の被覆部と前記第1の係止凸部との互いに対向する間に位置して長さ方向に延在する第3の係止凹部を有し、
前記中空芯材は、前記第3の係止凹部に係止される第3の係止凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の複合建材。
【請求項3】
前記第2の係止凹部は、その底面における幅よりも前記中空芯材の主面における幅が小さく、
前記第2の係止凸部は、その先端における幅よりも基端における幅が小さいことを特徴とする請求項1に記載の複合建材。
【請求項4】
前記中空芯材の両面を被覆する一対の前記被覆材が前記中空芯材に一体に組み付けられていることを特徴とする請求項1に記載の複合建材。
【請求項5】
前記中空芯材は、一対の前記被覆材のうち、一方の前記被覆材の前記第1の係止凸部が係止される一方の前記第1の係止凹部と、他方の前記被覆材の前記第1の係止凸部が係止される他方の前記第1の係止凹部との間を仕切る第1の仕切壁と、
一方の前記被覆材の前記第2の係止凸部が係止される一方の前記第2の係止凹部と、他方の前記被覆材の前記第2の係止凸部が係止される他方の前記第2の係止凹部との間を仕切る第2の仕切壁とを有することを特徴とする請求項4に記載の複合建材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合建材に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、金属製の中空芯材を被覆する合成樹脂製の被覆材が中空芯材に一体に組み付けられた複合建材がある(例えば、下記特許文献1を参照。)。このような複合建材では、軽量化を図りつつ、中空芯材による機械的強度と、被覆材による木調の表情及び質感とを得ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した複合建材では、近年のリサイクル化の流れから、この複合建材を廃棄する際に、材質の異なる中空芯材と被覆材とを分解して、分別回収することが求められている。
【0005】
このため、上記特許文献1に記載の発明では、中空芯材と被覆材との幅方向の両側に、互いに嵌合される部分を設けて、接着剤を用いることなく、中空芯材に被覆材を一体に組み付ける構造が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の組付構造では、中空芯材と被覆材との互いに対向する主面の間に浮き(隙間)が生じることがあり、互いに対向する主面の幅が大きくなるほど、このような浮き(隙間)が生じ易くなっている。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、中空芯材を被覆する被覆材を中空芯材に一体に取り付ける構造において、中空芯材と被覆材との組付及び分解の作業を容易としながら、中空芯材に対して被覆材を強固に組み付けることを可能とした複合建材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 押出成形された長尺の中空芯材及び被覆材を備え、
前記中空芯材は、その幅方向の両側端部に各々位置して長さ方向に延在する一対の第1の係止凹部と、その主面に位置して長さ方向に延在する第2の係止凹部とを有し、
前記被覆材は、前記中空芯材の主面を覆う第1の被覆部と、前記中空芯材の幅方向の両側端部を覆う一対の第2の被覆部と、前記一対の第2の被覆部から各々突出した一対の第1の係止凸部と、前記第1の被覆部から突出した第2の係止凸部とを有し、
前記一対の第1の係止凹部に前記一対の第1の係止凸部が係止され、前記第2の係止凹部に前記第2の係止凸部が係止された状態で、前記中空芯材を被覆する前記被覆材が前記中空芯材に一体に組み付けられていることを特徴とする複合建材。
〔2〕 前記被覆材は、前記第1の被覆部と前記第1の係止凸部との互いに対向する間に位置して長さ方向に延在する第3の係止凹部を有し、
前記中空芯材は、前記第3の係止凹部に係止される第3の係止凸部を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の複合建材。
〔3〕 前記第2の係止凹部は、その底面における幅よりも前記中空芯材の主面における幅が小さく、
前記第2の係止凸部は、その先端における幅よりも基端における幅が小さいことを特徴とする前記〔1〕に記載の複合建材。
〔4〕 前記中空芯材の両面を被覆する一対の前記被覆材が前記中空芯材に一体に組み付けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載の複合建材。
〔5〕 前記中空芯材は、一対の前記被覆材のうち、一方の前記被覆材の前記第1の係止凸部が係止される一方の前記第1の係止凹部と、他方の前記被覆材の前記第1の係止凸部が係止される他方の前記第1の係止凹部との間を仕切る第1の仕切壁と、
一方の前記被覆材の前記第2の係止凸部が係止される一方の前記第2の係止凹部と、他方の前記被覆材の前記第2の係止凸部が係止される他方の前記第2の係止凹部との間を仕切る第2の仕切壁とを有することを特徴とする前記〔4〕に記載の複合建材。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、中空芯材を被覆する被覆材を中空芯材に一体に取り付ける複合建材において、中空芯材と被覆材との組付及び分解の作業を容易としながら、中空芯材に対して被覆材を強固に組み付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複合建材の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す複合建材の構成を示す断面図である。
【
図3】
図2に示す複合建材を構成する中空芯材の断面図である。
【
図4】
図2に示す複合建材を構成する被覆材の断面図である。
【
図5】
図1に示す複合建材を用いたフェンスの構成を示す斜視図である。
【
図6】
図1に示す複合建材が支柱に取り付けられた状態を示す断面図である。
【
図7】
図1に示す複合建材の端部を被覆するカバー部材の構成し、(A)はその正面図、(B)はその側面図、(C)はその上面図である。
【
図8】別の複合建材の支柱に取り付けられた構成例を示す断面図である。
【
図9】別の複合建材を用いたデッキの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態として、例えば
図1~
図4に示す複合建材1について説明する。
なお、
図1は、複合建材1の構成を示す斜視図である。
図2は、複合建材1の構成を示す断面図である。
図3は、複合建材1を構成する中空芯材2の断面図である。
図4は、複合建材1を構成する被覆材3A,3Bの断面図である。
【0012】
本実施形態の複合建材1は、
図1~
図4に示すように、押出成形された長尺の中空芯材2及び一対の被覆材3A,3Bを備え、中空芯材2の両面を被覆する一対の被覆材3A,3Bが中空芯材2に一体に組み付けられた構造を有している。
【0013】
中空芯材2は、例えば、アルミニウムなどの金属を長尺に押出成形した後、所定の長さで切断することによって、略中空平板状に形成されている。中空芯材2は、その両側の主面を構成する一対の主壁部2aと、その幅方向の両側端部を構成する一対の側壁部2bとを有している。
【0014】
中空芯材2は、その幅方向の両側端部に各々位置して長さ方向に延在する一対の第1の係止凹部4と、その主面に位置して長さ方向に延在する第2の係止凹部5と、一対の第1の係止凹部4と第2の係止凹部5との間に各々位置して長さ方向に延在する一対の中空孔6とを有している。
【0015】
一対の第1の係止凹部4は、一対の被覆材3A,3Bの各々に対応して設けられている。すなわち、一対の被覆材3A,3Bのうち、一方の被覆材3Aに対応した一対の第1の係止凹部4(以下、必要に応じて「第1の係止凹部4a」として区別する。)は、中空芯材2の幅方向の両側端部における一方の被覆材3A側を凹状に切り欠くように設けられている。
【0016】
これに対して、他方の被覆材3Bに対応した一対の第1の係止凹部4(以下、必要に応じて「第1の係止凹部4b」として区別する。)は、中空芯材2の幅方向の両側端部における他方の被覆材3B側を凹状に切り欠くように設けられている。
【0017】
また、中空芯材2の幅方向の両側端部には、それぞれ一方の第1の係止凹部4aと他方の第1の係止凹部4bとの間を仕切る第1の仕切壁7が設けられている。第1の仕切壁7は、中空芯材2の側壁部2bの中央部から突出しながら、中空芯材2の長さ方向に延在して設けられている。
【0018】
第2の係止凹部5は、一対の被覆材3A,3Bの各々に対応して設けられている。すなわち、一対の被覆材3A,3Bのうち、一方の被覆材3Aに対応した第2の係止凹部5(以下、必要に応じて「第2の係止凹部5a」として区別する。)は、中空芯材2の一方の被覆材3Aと対向する側の主面を凹状に切り欠くように設けられている。
【0019】
これに対して、他方の被覆材3Bに対応した第2の係止凹部5(以下、必要に応じて「第2の係止凹部5b」として区別する。)は、中空芯材2の他方の被覆材3Bと対向する側の主面を凹状に切り欠くように設けられている。
【0020】
また、中空芯材2の幅方向の中央部には、一方の第2の係止凹部5aと他方の第2の係止凹部5bとの間を仕切る第2の仕切壁8が設けられている。第2の仕切壁8は、この第2の仕切壁8を挟んだ両側に位置する一対の内壁部2cの間を連結しながら、中空芯材2の長さ方向に延在して設けられている。
【0021】
第2の係止凹部5は、その底面における幅Wbよりも中空芯材2の主面における幅Wsが小さくなっている。すなわち、中空芯材2の主面を構成する主壁部2aの第2の係止凹部5により分断された部分2dの幅Wsは、第2の係止凹部5の底面を構成する第2の仕切壁8の幅Wbよりも小さくなっている。
【0022】
したがって、主壁部2aの第2の係止凹部5により分断された部分2dは、一対の内壁部2cよりも互いに向かい合う方向に向かって突出している。
【0023】
一対の中空孔6は、一対の主壁部2aと側壁部2bと内壁部2cとにより区画された空間により構成されている。
【0024】
一対の被覆材3A,3Bは、例えば、ABS樹脂、ASA樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの合成樹脂を長尺に押出成形した後、所定の長さで切断することによって、略平板状に形成されている。一対の被覆材3A,3Bは、互いに対称な(同一の)形状であり、それぞれ中空芯材2に対応した長さを有している。また、一対の被覆材3A,3Bには、上述した樹脂に木粉を充填することによって、木調による表情及び質感を持たせている。
【0025】
なお、一対の被覆材3A,3Bについては、互いに同じ色や柄のものを用いるだけでなく、互いに異なる色や柄のものを用いてもよい。
【0026】
各被覆材3A,3Bは、中空芯材2の主面を覆う第1の被覆部9と、中空芯材2の幅方向の両側端部を覆う一対の第2の被覆部10と、一対の第2の被覆部10から各々突出した一対の第1の係止凸部11と、第1の被覆部9から突出した第2の係止凸部12とを有している。
【0027】
第1の被覆部9は、中空芯材2の主壁部2aに対応して、この主壁部2aよりも大きい厚みを有して平板状に形成されている。
【0028】
一対の第2の被覆部10は、第1の被覆部9の幅方向の両端部から互いに同一方向に向かって直角に折り曲げられた部分を形成している。
【0029】
一対の第1の係止凸部11は、一対の第2の被覆部10の先端から互いに向かい合う方向に向かって直角に折り曲げられた部分を形成している。また、一対の第2の被覆部10と一対の第1の係止凸部11との間の角部には、この角部を斜めに切り欠く傾斜面13が設けられている。
【0030】
また、各被覆材3A,3Bは、第1の被覆部9と第1の係止凸部11との互いに対向する間に位置して長さ方向に延在する第3の係止凹部14を有している。第3の係止凹部14は、第2の被覆部10の第1の被覆部9と第1の係止凸部11との間を凹状に切り欠くように設けられている。
【0031】
一方、中空芯材2は、この第3の係止凹部に対応した第3の係止凸部15を有している。第3の係止凸部15は、主壁部2aの側壁部2bよりも外側に突出した部分により形成されている。
【0032】
第2の係止凸部12は、第1の被覆部9の中央部から突出しながら、被覆材3A,3Bの長さ方向に延在して設けられている。
【0033】
また、第2の係止凸部12は、その先端における幅Wtよりも基端における幅Wpが小さくなっている。すなわち、この第2の係止凸部12は、その先端における幅Wtよりも基端における幅Wpが小さくなるように、その両側面が逆テーパー状に傾斜して設けられている。
【0034】
以上のような構成を有する本実施形態の複合建材1では、上述した一対の第1の係止凹部4に一対の第1の係止凸部11が係止され、第2の係止凹部5に第2の係止凸部12が係止され、第3の係止凹部14に第3の係止凸部15が係止された状態で、中空芯材2の両面を被覆する一対の被覆材3A,3Bが中空芯材2に一体に組み付けられている。
【0035】
本実施形態の複合建材1では、中空芯材2の一端側から一対の被覆材3A,3Bを長さ方向にスライドさせながら、中空芯材2に一対の被覆材3A,3Bを容易に組み付ける、若しくは、中空芯材2から一対の被覆材3A,3Bを容易に取り外す(分解する)ことが可能である。
【0036】
また、本実施形態の複合建材1では、上述した中空芯材2と一対の被覆材3A,3Bとの互いに対向する主面に設けられた第2の係止凹部5に第2の係止凸部12が係止されることによって、中空芯材2と一対の被覆材3A,3Bとの互いに対向する主面の間、すなわち主壁部2aと第1の被覆部9との間に浮き(隙間)が生じることを防ぐことが可能である。
【0037】
また、本実施形態の複合建材1では、上述した第2の係止凹部5の底面における幅Wbよりも中空芯材2の主面における幅Wsが小さく、第2の係止凸部12の先端における幅Wtよりも基端における幅Wpが小さくなっている。これにより、第2の係止凹部5の間から第2の係止凸部12が抜けることがなく、中空芯材2に対して一対の被覆材3A,3Bを強固に組み付けることが可能である。
【0038】
また、本実施形態の複合建材1では、中空芯材2のほぼ全面を一対の被覆材3A,3Bにより被覆することで、その外観を被覆材3A,3Bによる木調とし、見栄えを良くすることが可能である。
【0039】
特に、本実施形態の複合建材1では、上述した第1の仕切壁7が一対の被覆材3A,3Bの第2の被覆部10の間に位置し、この第1の仕切壁7に向かって傾斜面13が傾斜することで、一対の被覆材3A,3Bの間に形成される隙間を目立たなくし、この部分の見栄えを良くすることが可能である。
【0040】
以上のように、本実施形態の複合建材1では、中空芯材2と一対の被覆材3A,3Bとの組付及び分解の作業を容易としながら、中空芯材2に対して一対の被覆材3A,3Bを強固に組み付けることが可能である。
【0041】
なお、上記複合建材1が幅広となる場合には、上述した第2の係止凹部5及び第2の係止凸部12を中空芯材2及び被覆材3A,3Bの幅方向に複数並べて設けることも可能である。
【0042】
本実施形態の複合建材1の使用形態については、特に限定されないものの、例えば
図5及び
図6に示すようなフェンス100に適用することが可能である。なお、
図5は、複合建材1を用いたフェンス100の構成を示す斜視図である。
図6は、複合建材1が支柱101に取り付けられた状態を示す断面図である。
【0043】
具体的に、この
図5及び
図6に示すフェンス100では、デッキ200の上に起立して状態で並ぶ複数の支柱101の間で、複数の複合建材1を上下方向に並べた状態で、支柱101に対して各複合建材1をビス止め等により固定する。
【0044】
本実施形態の複合建材1では、軽量化を図りつつ、中空芯材2による機械的強度と、一対の被覆材3A,3Bによる木調の表情及び質感とを得ることが可能である。したがって、このような複合建材1をフェンス100に好適に用いることが可能である。
【0045】
なお、本実施形態の複合建材1をフェンス100に適用する場合、フェンス100の角部については、互いに隣り合う複合建材1の端部を斜めにカットし、互いに端部同士を突き合わせた状態とする。
【0046】
また、フェンス100の端部については、複合建材1の端部が露出するため、例えば
図7(A)~(C)に示すようなカバー部材50を複合建材1の端部に取り付けて、複合建材1の端部を被覆する。なお、
図7(A)は、カバー部材50の構成を示す正面図、
図7(B)は、カバー部材50の構成を示す側面図、
図7(C)は、カバー部材50の構成を示す上面図である。
【0047】
カバー部材50は、被覆材3A,3Bと同じ材料からなり、複合建材1の端部を覆うカバー本体51と、カバー本体51の一方の面から突出された複数の係止片52とを有している。
【0048】
複数の係止片52は、中空芯材2の各中空孔6を構成する一対の主壁部2aと対向する位置に、それぞれ中空芯材2の幅方向に並んで設けられている。また、各係止片52の先端には、係止突起52aが主壁部2aと対向する側に向かって突出して設けられている。
【0049】
カバー部材50は、複数の係止片52を各中空孔6の内側に挿入し、各係止片52を撓み変形させた状態で、係止突起52aを主壁部2aに押し当てた状態とする。これにより、カバー部材50を複合建材1の端部に取り付けることが可能である。
【0050】
なお、複合建材1の分解時に、複合建材1の端部からカバー部材50を取り外し易くするため、カバー本体51の一部に切欠部53を設けた構成としてよい。なお、
図7に示すカバー部材50には、カバー本体51の幅方向の両端部に一対の切欠部53が設けられている。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記複合建材1では、中空芯材2の両面に一対の被覆材3A,3Bが組み付けられた構成となっているが、本発明を適用した複合建材については、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば
図8(A),(B)に示す複合建材1Aのように、中空芯材2の一面のみに被覆材3が組み付けられた構成であってもよい。なお、
図8(A),(B)は、別の複合建材1Aの支柱101に取り付けられた構成例を示す断面図である。
【0052】
この場合も、上述したフェンス100において、デッキ200の上に起立して状態で並ぶ複数の支柱101の間で、複数の複合建材1Aを上下方向に並べた状態で、支柱101に対して各複合建材1をビス止め等により固定する。
【0053】
このうち、
図8(A)では、支柱101に対して一対の複合建材1Aを互いに向かい合わせた状態で支柱101に取り付けた構成となっている。一方、
図8(B)に示す構成では、支柱101に対して一対の複合建材1Aを互い違いに向かい合わせた状態で、支柱101に取り付けた構成となっている。
【0054】
また、複合建材1Aは、
図9に示すように、デッキ200の床材として用いてもよい。なお、
図9は、別の複合建材1Aを用いたデッキ200の構成を示す断面図である。
【0055】
デッキ200では、床組を構成する複数の横架材201の間で、複数の複合建材1Aを水平方向に並べた状態で、横架材201に対して各複合建材1Aをビス止め等により固定する。
【符号の説明】
【0056】
1,1A…複合建材 2…中空芯材 3,3A,3B…被覆材 4…第1の係止凹部 4a…一方の第1の係止凹部 4b…他方の第1の係止凹部 5…第2の係止凹部 5a…一方の第2の係止凹部 5b…他方の第2の係止凹部 6…中空孔 7…第1の仕切壁 8…第2の仕切壁 9…第1の被覆部 10…第2の被覆部 11…第1の係止凸部 12…第2の係止凸部 13…傾斜面 14…第3の係止凹部 15…第3の係止凸部