(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007458
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】改良されたホイールアーチトリムを有する自動車
(51)【国際特許分類】
B62D 25/16 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B62D25/16 B
B62D25/16 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023106579
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】102022000013945
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ アルネッリ
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン モランツォーニ
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BC03
3D203BC04
3D203BC09
3D203BC10
3D203BC22
3D203BC23
3D203DB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】走行中の砂利およびチッピングの衝撃から車体を保護し、それによって生じる乱流を低減する。
【解決手段】複数の車輪(2、3)と、各ホイールコンパートメント(16、17)のそれぞれのホイールアーチ(18、19)に配置されたホイールアーチトリム(20、21)とを備え、各ホイールアーチトリム(20、21)は、車体(5)によって画定された容積内に配置され、自動車(1)のボディシェルに取り付けられた第1のアーチ状部分と、相対的なホイールアーチ(18、19)に対して車体(5)から外側に突出する第2のアーチ状部分(23)と、第2のアーチ状部分(23)に少なくとも部分的に形成され、それぞれの車輪(2、3)の外側側壁およびそれぞれのホイールアーチ(18、19)に隣接するそれぞれの側壁の領域に接するエアブレードを形成する空気流路(24)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線移動方向に平行な中央長手方向軸(A)を提示する自動車(1)であって、
-複数の車輪(2、3)と、
-前記自動車(1)の外部輪郭を画定し、それぞれのホイールアーチ(18、19)によって境界付けられた、各車輪(2、3)のそれぞれのホイールコンパートメント(16、17)を画定する2つの対向する側壁(8)を有する車体(5)と、
-各ホイールコンパートメント(16、17)について、それぞれのホイールアーチ(18、19)に配置されたホイールアーチトリム(20、21)と、を備え、
各ホイールアーチトリム(20、21)が、
-前記車体(5)によって画定された容積内に配置され、少なくとも部分的に前記車体(5)自体の内側から、それぞれの前記ホイールアーチ(18、19)に面し、前記車体(5)に対して内部で前記自動車(1)の構造部品(4)に取り付けられた第1のアーチ状部分(22)と、
-前記ホイールアーチ(18、19)に対して前記車体(5)から外側に突出する第2のアーチ状部分(23)と、
-前記それぞれの車輪(2、3)の外側側壁および前記それぞれのホイールアーチ(18、19)に隣接する前記それぞれの側壁(8)の領域に接するエアブレードを形成するために、前記第2のアーチ状部分(23)に少なくとも部分的に形成された空気流路(24)と、を備える、ことを特徴とする、自動車。
【請求項2】
前記流路(24)が、前記ホイールアーチトリム(18、19)の前記第2のアーチ状部分(23)の少なくとも1つの前端部分(26)および/または1つの後端部分(27)に得られる1つまたは複数の貫通開口部(25)を備える、請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
前記1つの開口部(25)または複数の開口部(25)が、前記長手方向軸(A)を横断する1つまたはそれぞれの通路セクションを有する、請求項2に記載の自動車。
【請求項4】
各車輪(2、3)にはタイヤ(T)が設けられ、各ホイールアーチトリム(20、21)の前記1つの開口部(25)または前記複数の開口部(25)が、前記自動車(1)の直線走行中に、前記それぞれの車輪(2、3)の前記タイヤ(T)のトレッド(T1)の外周縁(T5)に面している、請求項1に記載の自動車。
【請求項5】
前記ホイールアーチトリム(20、21)のそれぞれが、同様にアーチ状であるそれぞれの骨格要素(30、35)の介在によって前記自動車(1)の前記構造部品(4)に取り付けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項6】
各ホイールアーチトリム(20、21)が、それを外側に完全に覆うように前記それぞれの骨格要素(30、35)に結合および/または接着される、請求項5に記載の自動車。
【請求項7】
各前記骨格要素(30、35)が、解除可能なセンタリング要素(31)および解除可能な拘束要素(32)によって前記構造部品(4)に取り付けられている、請求項5または6に記載の自動車。
【請求項8】
フロントバンパ(11)をさらに備え、前記フロントバンパ(11)が、それ自体の対向する端部(11a、11b)に、前記自動車(1)自体の前記直線移動中に前記それぞれの側壁(8)に沿って空気が流れるのを容易にするために前記自動車(1)自体の前記それぞれの前輪(2)の前記ホイールアーチトリム(20)の前記前端部分(26)に形成された前記開口部(25)に面するそれぞれの貫通窓(11c)を有する、請求項2から7のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項9】
前記構造部品が、前記車体(5)が取り付けられる前記自動車(1)のボディシェル(4)である、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項10】
各前記ホイールアーチトリム(20、21)が、単一の構成要素から形成されてもよく、または互いに組み立てられたいくつかの構成要素から形成されてもよく、それぞれがアーチ状輪郭の曲線部分を形成する、請求項1から9のいずれか一項に記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2022年7月1日に出願されたイタリア特許出願第102022000013945号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、改良型のホイールアーチトリムを備える自動車に関する。特に、以下の説明は、明確に四輪自動車を指すが、一般性を失うことはない。
【背景技術】
【0003】
2つの前輪および2つの後輪を有し、ボディシェルまたはシャーシと、ボディシェルに適用されるかまたはボディシェル自体と一体化された車体(耐荷重車体)と、前輪と後輪との間の車体の内側に得られる乗員室とを備える既知の自動車、特にモーターカーがある。
【0004】
各車輪の領域において、車体およびボディシェルは、それぞれのホイールアーチによって上方および横方向に境界付けられたそれぞれのホイールコンパートメントを形成する。実際には、ホイールアーチは、車輪を覆うが、孔および石によって引き起こされるその垂直方向の動きを可能にするようにし、前輪の場合、操舵を可能にするような幅を有しなければならない。
【0005】
SUV(スポーツ用途車)またはクロスオーバータイプの自動車、または一般にオフロード車として使用するのに適した自動車では、一般にプラスチック材料から作られたホイールアーチトリムが、それぞれのホイールアーチに外側から取り付けられ、汚れた道路を走行する間のチッピングおよび/または砂利によって起こり得る衝撃によって引き起こされる損傷から塗装された板金部品を保護する。
【0006】
既知のタイプのホイールアーチトリムにおいて考慮されるべき重要な態様は、それらが嵌合される車体の側壁に対するそれらの横方向突出部である。この突出部は、実際には、自動車の空気力学を過度に不利にすることを回避するために最小化されなければならず、ホイールリムの存在および回転、ホイールリムの透過性、およびリム自体に取り付けられたタイヤの外側肩部に由来する乱流の滑り流が既に存在する領域において空気力学的抗力の増加をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、走行中の砂利およびチッピングの衝撃によって生じる可能性のある損傷から隣接する車体の部分が保護されることができるだけでなく、それによって生じる乱流を低減または排除して車輪のスリップストリームの管理を大幅に改善することができるホイールアーチトリムを備えた自動車を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、請求項1およびそれに従属する請求項に記載の自動車が製造される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
次に、本発明が、その非限定的な実施形態の例を示す添付の図面を参照して説明される。
【
図1】本発明の規定にしたがって製造された自動車の、明瞭にするために部品を取り除き、使用されるホイールアーチトリムを強調するために、前輪および後輪の領域が拡大された側面図である。
【
図2】関連する自動車に適用される
図1の前ホイールアーチトリムの拡大スケールの側面図である。
【
図3】関連する自動車に適用される
図1の後ホイールアーチトリムの拡大スケールの側面図である。
【
図4】
図2の前ホイールアーチトリムの構成要素の分解斜視図である。
【
図7】
図2の線VII-VIIに沿った断面である。
【
図8】
図3の後ホイールアーチトリムの構成要素の分解斜視図である。
【
図10】移動中のスリップストリームの傾向が示されている、
図1および
図9の自動車の前輪の領域を拡大した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1および
図9は、全体として、2つの前輪2および2つの後輪3を提示し、シャーシまたはボディシェル4(
図5、
図6および
図7において部分的に見える)と、ボディシェル4に取り付けられた、またはボディシェル4自体と一体化された車体5と、車輪2と車輪3自体との間で車体5の内側に得られる乗員室6と、を備える自動車、特にモーターカーを1によって示している。
【0011】
図1、
図9および
図10に見られるように、各車輪2、3は、スポークSが設けられたリムCと、リムC自体を取り囲み、トレッドT1およびそれぞれの対向する側壁T2、T3を含むタイヤTと、を備え、その一方(T2)は、使用時にそれぞれのホイールコンパートメント16、17の内側に面し、他方(T3)は、外側に面する。特に
図9および
図10を参照すると、各車輪2、3のトレッドT1は、関連するホイールコンパートメント16、17の内側および外側にそれぞれ面するそれぞれの丸い周縁T4、T5によって対向する側壁T2、T3に向かって境界付けられている。
【0012】
図示の例(
図5、
図6、
図7)では、ボディシェル4は、車体5内に配置され、既知の方法で、フラットベッド7と、車体5自体および自動車1の他の構成要素が取り付けられる一連の長手方向部材および直立部とを備える。
【0013】
軸受車体の場合、フラットベッド7は、ボディシェルが車体自体に一体化されているのと同様に、その直接の一部である。
【0014】
特に、車体5は、自動車1の外部輪郭を画定し、
-図示のケースでは、前後のドア9が設けられた2つの対向する側壁8と、
-フロントフード10と、
-フロントバンパ11と、
-ルーフ12と、
-リアトランク13と、
-リアバンパ14と、を備える。
【0015】
自動車1は、フロントフード10とルーフ11との間に延在するフロントガラス15と、フロントガラス15に面し、添付の図面では見えない後部窓(それ自体は既知である)とをさらに備える。
【0016】
側壁8は、自動車1の中央長手方向軸Aの両側に対称的に配置され、直進方向に平行であり、自動車1自体の中央横断垂直面Pに直交する。側壁8は、自動車1を横方向外側に境界付け、実際には、互いに対向して軸Aに平行に配置される。
【0017】
乗員室6は、前方ではフロントガラス12によって、後方ではリアウィンドウによって、横方向ではドア9によって、および部分的には側壁8によって境界付けられている。
【0018】
自動車1はまた、各側壁8に単一のドア9を備えることができる。
【0019】
図1~
図3、
図5~
図7および
図9~
図10を参照すると、側壁8は、フラットベッド7とともに、各前輪2および後輪3のためのそれぞれの前輪および後輪コンパートメント16、17を画定する。ホイールコンパートメント16は、それぞれの前輪アーチ18および後輪アーチ19によって結合される。
【0020】
さらに、添付の図面に見られるように、各ホイールコンパートメント16、17に対して、それぞれのホイールアーチ18、19に配置されたそれぞれの前後のホイールアーチトリム20、21が存在する。
【0021】
有利には、各ホイールアーチトリム20、21は、
-車体5によって画定された容積内に配置され、少なくとも部分的に、車体5自体の内側から、それぞれのホイールアーチ18、19に面し、ボディシェル4の一部に締結された第1のアーチ状部分22と、
-それぞれのホイールアーチ18、19に対して車体5から外側に突出する第2のアーチ状部分23と、
-それぞれの車輪2、3の外側側壁およびそれぞれのホイールアーチ18、19に隣接するそれぞれの側壁8の領域に接するエアブレード(
図10)を形成するために、アーチ状部分23に少なくとも部分的に形成された空気流路24と、を備える。
【0022】
特に、
図5に示すように、各ホイールアーチトリム20、21のアーチ状部分22の自由曲線縁と、それぞれのホイールアーチ18、19に隣接する車体5との間の、軸Aに水平且つ直交する方向における距離は、Xによって示され、常にゼロよりも大きい。距離Xの関数は、以下に明らかにされる。
【0023】
代わりに、垂直方向において、軸Aおよび距離Xに直交する、各ホイールアーチトリム20、21のアーチ状部分22の自由曲線端縁と、それぞれのホイールアーチ18、19の曲線下端縁との間の距離は、Yによって示され、常にゼロよりも大きい。これは、各ホイールアーチトリム18、19のアーチ状部分22の前述の自由曲線状端縁が、それぞれのホイールアーチ18、19の下曲線状端縁に対して常により高く配置されることを意味する。
【0024】
図1、
図2、
図4、
図9および
図10を参照すると、各前ホイールアーチトリム20の場合、流路24は、ホイールアーチトリム20自体のアーチ状部分23の前端部分26および後端部分27に得られる2つの貫通開口部25を備える。
【0025】
双方の開口部25は、軸Aを横切るそれぞれの通路セクションを有する。
【0026】
より詳細には、開口部25は、中央平面Pを横断し、軸Aに向かって前方に収束する、開口部25自体のそれぞれの軸の周りに延在するそれぞれの境界縁28を有する。
【0027】
特に
図9および
図10からわかるように、各前ホイールアーチトリム20の開口部25は、自動車1の直線走行中に、それぞれの車輪2のタイヤTのトレッドT1の外縁T5に面している。
【0028】
図1、
図9および
図10に示す例では、フロントバンパ11は、それ自体の対向する側端部11a、11bに、前ホイールアーチトリム20の前部26に得られた開口部25に面するそれぞれの貫通窓11cを有し、自動車1の直線走行中に、それぞれの側壁8に沿って流れる空気流を生成する。
【0029】
好ましくは、
図2、
図4、
図5、
図6および
図7を参照すると、各前ホイールアーチトリム20は、やはりアーチ状であるそれぞれの骨格要素30の介在によってボディシェル4の一部に取り付けられる。特に、各ホイールアーチトリム20は、それを外側に完全に覆うように、それぞれの骨格要素30に結合および/または接着される。
【0030】
図5から
図7は、各骨格要素30がボディシェル4に取り付けられる方法を示している。特に、各骨格要素30上に一体に得られたセンタリングピンなどのセンタリング要素31、ならびにスナップロックピン33およびメートルねじ34などの解放可能な拘束要素32が使用される。センタリング要素31および拘束要素32は、ボディシェル4上に得られたそれぞれの孔4a、4b、4cに解放可能に係合する。
【0031】
センタリング要素31は、各ホイールアーチトリム20がボディシェル4と接合する第1の点を表し、これは実際には孔4aにおいて行われる。センタリング要素31の機能は、オペレータによる実際の目視確認なしに各ホイールアーチトリム20の正確な位置決めを保証することである。スナップロックピン33は、各前ホイールアーチトリム20をボディシェル4上に局所的に保持し、メートルねじ34を締め付ける前に正確で頑丈な事前組み立てを保証するために使用され、これにより、経時的な組み立ての安定性を保証する。
【0032】
各骨格要素30の組み立て中、センタリング要素31は、最初にボディシェル4のそれぞれの孔4aに係合される。この時点で、しっかりと押圧することによって、ピン33が孔4bにスナップ嵌めされて、ボディシェル4上の骨格要素30の事前組み立てが得られる。最後の動作は、それぞれのねじ孔4c内にメートルねじ34を締め付けることである。
【0033】
上記で定義され、
図5に示された距離Xは、各骨格要素30の最小並進を可能にして、ボディシェル4上へのその組み立てを可能にするようなものでなければならない。同じことが、それぞれの骨格要素30上の各ホイールアーチトリム20のその後の組み立てにも当てはまる。
【0034】
本質的に
図3および
図8に示されている、後ホイールアーチトリム21は、前ホイールアーチトリム20の構造および形状と非常に類似した構造および形状を有し、したがって、それらと異なる部分のみを以下に説明する。前後のホイールアーチトリム20、21の同じまたは同等の部分は、同じ参照符号によって以下に特定される。
【0035】
特に、各後ホイールアーチトリム21は、前ホイールアーチトリム20に対して、本質的に、それらが前部26に開口部25を有しないという点、および、それらが、いくつかの構成要素によって形成されるという点で異なり、図示されている場合、それらは一緒に組み立てられ、それぞれが、全アーチプロファイルの曲線部分、図示されている場合、約半分を形成する。
【0036】
図8からわかるように、後ホイールアーチトリム21もまた、同様にアーチ状で骨格要素30と同一のそれぞれの骨格要素35の介在によってボディシェル4の一部に取り付けられる。
【0037】
特に、この場合も、各ホイールアーチトリム21は、それぞれの骨格要素31を外側に完全に覆うように、それぞれの骨格要素に結合および/または接着される。
【0038】
各骨格要素35がボディシェル4に取り付けられる方法は、骨格要素30に使用される方法、すなわち、上述したものと同一のセンタリング要素31および拘束要素32、すなわちスナップロックピン33およびメートルねじ34を介するものと同一である。したがって、この方法は、これ以上説明されず、上記の説明が参照されるべきである。
【0039】
使用時、自動車1の直進走行中、空気は、フロントバンパ11の両側において窓11cから2つの側壁8に向かって導かれる。
【0040】
窓11cは、2つの前ホイールアーチトリム20の開口部25と相乗的に作用して、前輪2を空気力学的にシールして軸Aに対する横方向(
図9および
図10)の乱流の放出を防止する強力なエアブレードを形成する。
【0041】
前ホイールアーチトリム20の後部において、さらなる開口部25は、ホイールコンパートメント16の内側からの空気の抽出が最大化されることを可能にし、それにより、付着するそれぞれの側壁8に沿って前方領域から到来する流れの正しい方向を保証する(
図10)。
【0042】
後ホイールアーチトリム21の特定の解決策は、開口部25を介して後輪コンパートメント17からの空気の強力な抽出を可能にする。さらに、前述のホイールアーチトリム21のアーチ状部分22の表面は、側壁8および車輪2、3の周りを流れる空気流の分離の後部点を管理することができるように細長く且つ起伏がある。
【0043】
本発明にしたがって製造された自動車1の特徴を調べることにより、それによって得られることができる利点が明らかである。
【0044】
特に、ホイールアーチトリム20、21について説明した解決策は、ホイール2、3の滑り流の管理の大幅な改善、ひいてはリムCの存在および回転によって生成される乱流の排除、ひいては車輪2、3自体の側面に沿った清浄で均一な空気流を得ることを可能にする。
【0045】
実際には、このタイプの結果は、車体5に対するホイールアーチトリム20、21自体の突出を最小限に抑え、同時に空気力学的抗力を最小限に抑えるように、ホイールアーチトリム20、21を車体5の下方に部分的に配置することによって得られた。車体5の下方にホイールアーチトリム20、21を配置することは、「浮動」効果をもたらし、すなわち、車体がホイールアーチトリム20、21自体に「載っている」という印象を与える(
図1の詳細)。
【0046】
さらに、骨格要素30、35にボディシェル4への取り付けを委託することにより、ホイールアーチトリム20、21は、上述した空気力学的機能のみならず、審美的機能も果たすことができる。したがって、これは、使用される材料、例えばプラスチックまたは複合材料、および/またはホイールアーチトリム20、21に塗布される表面コーティング、例えばエンボス加工または塗装仕上げに関してより大きな可撓性を可能にする。
【0047】
最後に、添付の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、説明されて図示された自動車1に変更および変形が加えられることができることは明らかである。
【外国語明細書】