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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074603
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】手袋ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
B65D83/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185879
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】598146986
【氏名又は名称】宇都宮製作株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】潤井 訓
(72)【発明者】
【氏名】関本 真介
(72)【発明者】
【氏名】武村 信道
(72)【発明者】
【氏名】牧野田 晃平
(72)【発明者】
【氏名】上野 雅世
(57)【要約】
【課題】手袋パッケージを上下方向のスペースを圧迫することなく縦壁部に容易に保持可能な手袋ホルダを提供する。
【解決手段】手袋ホルダ1は、互いに重ねられた複数の手袋Gを収容した手袋パッケージ60を縦壁部70に保持する。手袋ホルダ1は、軸方向に長手の筒状の袋体10を備える。袋体10は、軸方向が横方向を向くように縦壁部70に取り付け可能である。袋体10には、袋体10が縦壁部70に取り付けられる取付姿勢のときにおける横方向の一端部13に開口し且つ手袋パッケージ60が袋体10に対して出入りする出入口20と、取付姿勢のときに縦壁部70に平行となる前面15に開口し且つ袋体10に入れられた手袋パッケージ60から手袋Gが取り出されるホルダ側取出口30と、袋体10を縦壁部70に取り付ける取付部40と、が設けられている
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ねられた複数の手袋を収容した手袋パッケージを縦壁部に保持するための手袋ホルダであって、
軸方向に長手の筒状の袋体を備え、
前記袋体は、前記軸方向が横方向を向くように前記縦壁部に取り付け可能であり、
前記袋体には、
前記袋体が前記縦壁部に取り付けられる取付姿勢のときにおける前記横方向の少なくとも一端部に開口し且つ前記手袋パッケージが前記袋体に対して出入りする出入口と、
前記取付姿勢のときに前記縦壁部に平行となる少なくとも片側の面に開口し且つ前記袋体に入れられた前記手袋パッケージから前記手袋が取り出される取出口と、
前記袋体を前記縦壁部に取り付ける取付部と、が設けられている、手袋ホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載の手袋ホルダであって、
前記取付部は、前記取付姿勢のときにおける前記袋体の上縁部に空けられた穴部である、手袋ホルダ。
【請求項3】
請求項2に記載の手袋ホルダであって、
前記穴部は、前記横方向に並んだ第1穴及び第2穴を含み、
前記第1穴と前記第2穴とは、前記出入口を前記横方向に折り返すことによって互いに重ねられる、手袋ホルダ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の手袋ホルダであって、
前記出入口には、前記袋体内における前記手袋パッケージが引っ掛かるストッパが設けられている、手袋ホルダ。
【請求項5】
請求項4に記載の手袋ホルダであって、
前記ストッパは、前記袋体における前記横方向の内方に延びるに従って前記横方向に交差する方向の内方に延びている、手袋ホルダ。
【請求項6】
請求項4に記載の手袋ホルダであって、
前記袋体は、樹脂で形成されており、
前記ストッパは、前記袋体を溶着することによって形成されている、手袋ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手袋ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の使い捨て手袋の収納製品は、厚さ0.1mm以下の面材からなる使用前形態の手袋を多数枚重ね合わせた手袋束と、手袋束の手首側基部に取り付けられ且つ手袋束を一体に固定止めする止め手段と、使用前形態の手袋の各々に設けられ且つ引っ張ると使用形態の手袋を手首側基部から分離することを可能にする分離手段と、手袋束及び止め手段の全体を包み覆う収納袋と、収納袋に設けられ且つ袋内より使用形態の手袋を引っ張り出すための手袋取出口と、を備える。
【0003】
止め手段には、手袋束を吊り下げるための掛け吊るし手段が設けられている。手袋束は、掛け吊るし手段によって、壁に取り付けたフックに吊り下げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-218763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の使い捨て手袋の収納製品(手袋パッケージ)では、手袋束が壁のフックに吊り下げられるとき、手袋束の手首側部分(手首側基部)が上部に位置付けられる一方、手袋束の指先側部分が下部に位置付けられる。
【0006】
すなわち、特許文献1では、手袋を収容した手袋パッケージは、壁に対して縦長に取り付けられる。このため、壁における上下のスペースは、縦長の手袋パッケージによって、圧迫されてしまう。
【0007】
壁における上下のスペースが圧迫されると、例えばサイズの異なる数種類の手袋に対応して複数の手袋パッケージを上下に並べた場合に、各手袋パッケージ同士が上下に嵩張ってしまい、ユーザが各手袋パッケージの手袋取出口から手袋を取り出しにくくなる。
【0008】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、手袋パッケージを上下方向のスペースを圧迫することなく縦壁部に容易に保持することが可能な手袋ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る手袋ホルダは、互いに重ねられた複数の手袋を収容した手袋パッケージを縦壁部に保持するための手袋ホルダであって、軸方向に長手の筒状の袋体を備え、前記袋体は、前記軸方向が横方向を向くように前記縦壁部に取り付け可能であり、前記袋体には、前記袋体が前記縦壁部に取り付けられる取付姿勢のときにおける前記横方向の少なくとも一端部に開口し且つ前記手袋パッケージが前記袋体に対して出入りする出入口と、前記取付姿勢のときに前記縦壁部に平行となる少なくとも片側の面に開口し且つ前記袋体に入れられた前記手袋パッケージから前記手袋が取り出される取出口と、前記袋体を前記縦壁部に取り付ける取付部と、が設けられている。
【0010】
本開示に係る手袋ホルダでは、筒状の袋体は、長手の軸方向を横方向に向けて、取付部によって縦壁部に取り付けられる。手袋パッケージは、袋体における横方向の少なくとも一端部に開口した出入口を通じて、袋体に対して横方向に出入りする。
【0011】
手袋パッケージが袋体に入れられることによって、手袋パッケージは、縦壁部に保持される。手袋パッケージが袋体に入れられて縦壁部に保持されるとき、手袋パッケージに収容された手袋は、手首側から指先側に亘って横方向に配置されることが好ましい。袋体に入れられた手袋パッケージに収容された手袋は、袋体の取出口から取り出される。
【0012】
筒状の袋体が、長手の軸方向を横方向に向けて縦壁部に取り付けられるので、袋体が縦壁部に取り付けられる取付姿勢のときに、縦壁部における上下方向のスペースを圧迫しない。
【0013】
ユーザの作業は、袋体を取付部によって縦壁部に取り付ける作業、手袋パッケージを出入口を通じて袋体に対して出し入れする作業、及び袋体に入れられた手袋パッケージに収容された手袋を取出口を通じて袋体から取り出す作業のみであり、扱いが容易である。
【0014】
以上、手袋パッケージを上下方向のスペースを圧迫することなく縦壁部に容易に保持することが可能な手袋ホルダを提供することができる。
【0015】
一実施形態では、前記取付部は、前記取付姿勢のときにおける前記袋体の上縁部に空けられた穴部である。
【0016】
かかる構成によれば、袋体の上縁部に空けられた穴部を、縦壁部に設けられた例えばフック等に引っ掛けることによって、袋体を、縦壁部に簡単に取り付けることができる。
【0017】
一実施形態では、前記穴部は、前記横方向に並んだ第1穴及び第2穴を含み、前記第1穴と前記第2穴とは、前記出入口を前記横方向に折り返すことによって互いに重ねられる。
【0018】
かかる構成によれば、袋体の出入口を横方向に折り返すことによって、袋体の出入口は、塞がれる。これにより、袋体に入れられた手袋パッケージが出入口を通じて袋体から出てしまうことを抑制することがきる。
【0019】
さらに、袋体の出入口を横方向に折り返すことにより互いに重ねられた第1穴と第2穴とを、当該重ねられた状態にて、縦壁部に設けられた例えばフック等に引っ掛けることによって、袋体の出入口が塞がれた状態のまま、袋体を縦壁部に取り付けることができる。
【0020】
このように、袋体の出入口を横方向に折り返すことによって、袋体に入れられた手袋パッケージが出入口を通じて袋体から出てしまうことを抑制しつつ、互いに重ねられた第1穴と第2穴とを縦壁部のフック等に引っ掛けることによって、袋体を縦壁部に容易に取り付けることができる。
【0021】
一実施形態では、前記出入口には、前記袋体内における前記手袋パッケージが引っ掛かるストッパが設けられている。
【0022】
かかる構成によれば、手袋パッケージが袋体の内部から出入口を通じて袋体の外部に出ようとするとき、手袋パッケージは、ストッパに引っ掛かる。これにより、手袋パッケージが袋体の内部から出入口を通じて袋体の外部に出ることを抑制することができる。
【0023】
一実施形態では、前記ストッパは、前記袋体における前記横方向の内方に延びるに従って前記横方向に交差する方向の内方に延びている。
【0024】
かかる構成によれば、手袋パッケージが袋体の内部から出入口を通じて袋体の外部に出ようとするとき、手袋パッケージは、出入口に設けられ且つ袋体における横方向の内方及び横方向に交差する方向の内方に延びるストッパに接触するので、出入口を通じて袋体の外部に出られなくなる。
【0025】
一方、手袋パッケージが袋体の外部から出入口を通じて袋体の内部に入ろうとするとき、手袋パッケージは、出入口に設けられたストッパによって、袋体における横方向の内方及び横方向に交差する方向の内方に案内されて、袋体の内部に進入可能である。
【0026】
このように、手袋パッケージが袋体の内部から出入口を通じて袋体の外部に出ることを抑制する機能と、手袋パッケージが袋体の外部から出入口を通じて袋体の内部に入ることを案内する機能とを、1つのストッパによって実現することができる。
【0027】
一実施形態では、前記袋体は、樹脂で形成されており、前記ストッパは、前記袋体を溶着することによって形成されている。
【0028】
かかる構成によれば、ストッパを袋体の出入口に設けるにあたって、袋体とは別の部材を用意しなくてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、手袋パッケージを上下方向のスペースを圧迫することなく縦壁部に容易に保持することが可能な手袋ホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、第1実施形態に係る手袋パッケージを正面図で示す。
図2図2は、第1実施形態に係る手袋ホルダを正面図で示す。
図3図3は、第1実施形態に係る手袋ホルダの袋体に対する手袋パッケージの出入りを正面図で示す。
図4図4は、第1実施形態に係る手袋ホルダによる手袋パッケージの縦壁部に対する保持を正面図で示す。
図5図5は、第1実施形態に係る手袋ホルダによる手袋パッケージの縦壁部に対する保持を背面図で示す。
図6図6は、第2実施形態に係る手袋パッケージを正面図で示す。
図7図7は、第2実施形態に係る手袋ホルダを正面図で示す。
図8図8は、第2実施形態に係る手袋ホルダによる手袋パッケージの縦壁部に対する保持を正面図で示す。
図9図9は、第2実施形態について図8のストッパ近傍を拡大正面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0032】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る手袋ホルダ1及び手袋パッケージ60について、図1~5を参照しながら説明する。
【0033】
図1は、手袋パッケージ60を正面図で示す。図1に示すように、手袋パッケージ60は、互いに重ねられた(積層された)複数の手袋Gを、収容する。手袋パッケージ60は、手袋Gの手首G1側から指先G2側に亘る方向(長さ方向)が長手になり且つ手袋Gの指先G2が並ぶ方向(幅方向)が短手になるように、略直方体箱状に形成されている。手袋パッケージ60は、厚紙製である。複数の手袋Gは、手袋パッケージ60の内部において、厚み方向(図1の紙面垂直方向)に、互いに重ねられている。
【0034】
手袋パッケージ60における厚み方向の手前側の前面61には、パッケージ側取出口62が空けられている。手袋パッケージ60の内部に収容された複数の手袋Gの中から、厚み方向の最も手前側にある手袋Gが、パッケージ側取出口62を通じて、手袋パッケージ60の外部に取り出される。
【0035】
パッケージ側取出口62は、手袋パッケージ60の前面61における長さ方向の中央よりも一方側である手首G1側に、寄っている。パッケージ側取出口62は、図1では一部のみが空けられているが、ミシン目62aを切ることによって残部を空けることもできる。
【0036】
図2は、手袋ホルダ1を正面図で示す。手袋ホルダ1は、手袋パッケージ60を縦壁部70に保持するためにある。縦壁部70の壁面は、水平方向(横方向、図2の左右方向)に直交する鉛直方向(縦方向、図2の上下方向)の成分を含む。縦壁部70の壁面は、鉛直方向に真直ぐに延びる必要はなく、鉛直方向に対して斜めに延びてもよい。縦壁部70には、2つのフック71,72が横方向に並んで設けられている。
【0037】
手袋ホルダ1は、袋体10を備える。詳細は後述するが、袋体10の内部には、手袋パッケージ60が出入りする。袋体10は、軸方向(Xで示す)に長手の有底角筒状である。有底角筒状の袋体10の厚みは、薄い。袋体10は、封筒のような形状である。袋体10は、軸方向(長手方向)と、軸方向に直交し且つ軸方向よりも寸法の短い幅方向と、軸方向及び幅方向に直交し且つ軸方向及び幅方向よりも寸法の短い厚み方向と、を有する。
【0038】
袋体10は、軸方向が縦壁部70の壁面に平行な横方向(X示す)を向くように、縦壁部70に取り付け可能である。袋体10が縦壁部70に取り付けられるとき、袋体10の幅方向は、縦壁部70の壁面に平行な上下方向(Zで示す)を向く。袋体10が縦壁部70に取り付けられるとき、袋体10の厚み方向は、縦壁部70の壁面に垂直な前後方向(Yで示す)を向く。
【0039】
以下、袋体10が縦壁部70に取り付けられるときの袋体10の姿勢を、簡単のため、取付姿勢(Kで示す)という場合がある。
【0040】
ここで、袋体10は、樹脂で形成されている。樹脂として、例えばポリエチレンやポリ塩化ビニルなど、種々の態様がある。樹脂製の袋体10は、柔らかくて変形しやすい。袋体10は、前後方向(厚み方向)に重ねられた2枚の樹脂シートを互いに溶着することによって、形成されている。
【0041】
第1溶着線A1は、袋体10における上下方向(幅方向)の上縁部11において、横方向(軸方向)に延びている。第2溶着線A2は、袋体10の上縁部11における上下方向の第1溶着線A1よりもやや下側において、横方向に延びている。第3溶着線A3は、袋体10における上下方向の下縁部12において、横方向に延びている。なお、袋体10の上縁部11は、袋体10の上端からやや下側に至る部分を含む。袋体10の下縁部12は、袋体10の下端からやや上側に至る部分を含む。
【0042】
袋体10における横方向(軸方向)の一端部13(図2の右端部)には、溶着線が延びていない。第4溶着線A4は、袋体10における横方向(軸方向)の他端部14(図2の左端部)において、上下方向(幅方向)に延びている。
【0043】
このように、前後方向に重ねられた2枚の樹脂シートが各溶着線A1~A4で互いに溶着されることによって、有底角筒状の袋体10が形成される。有底角筒状の袋体10では、横方向の一端部13が開口するとともに、横方向の他端部14が第4溶着線A4で塞がれている。有底角筒状の袋体10の内部において、第2溶着線A2と第3溶着線A3と第4溶着線A4とで囲まれたスペースには、手袋パッケージ60が入れられる。
【0044】
袋体10には、出入口20と、ホルダ側取出口30と、取付部40と、が設けられている。出入口20は、取付姿勢のときにおける袋体10の横方向の一端部13に、開口している。
【0045】
ホルダ側取出口30は、袋体10の前面15(図2の紙面手前側の面)に、開口している。前面15は、袋体10において取付姿勢のときに縦壁部70の壁面に平行となる片側の面である。袋体10のホルダ側取出口30は、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62に対応している。ホルダ側取出口30は、袋体10の前面15における横方向の中央よりも一方側に、寄っている。
【0046】
取付部40は、取付姿勢のときにおける袋体10の上縁部11に空けられた穴部41である。穴部41は、袋体10の上縁部11における第1溶着線A1と第2溶着線A2との間に、配置されている。穴部41は、袋体10(2枚の樹脂シート)を、前後方向(厚み方向)に貫通している。
【0047】
穴部41は、第1穴41aと、第2穴41bと、第3穴41cと、を含む。第1穴41aと第2穴41bと第3穴41cとは、横方向に互いに並んでいる。第1穴41a及び第2穴41bは、袋体10の横方向の中央よりも一方側に、寄っている。第3穴41cは、袋体10の横方向の中央よりも他方側に、寄っている。第1穴41aは、横方向において、袋体10の一端部13(出入口20)の近傍に配置されている。第2穴41bは、横方向において、第1穴41aよりも他方側に配置されている。第3穴41cは、横方向において、袋体10の中央と他端部14との間に配置されている。
【0048】
図3は、手袋ホルダ1の袋体10に対する手袋パッケージ60の出入りを正面図で示す。手袋パッケージ60は、袋体10における横方向の一端部13に開口した出入口20を通じて、袋体10に対して横方向に出入りする(図3の矢印F参照)。
【0049】
図3では、手袋パッケージ60は、袋体10の内部において、横方向の他端部14(第4溶着線A4)まで、進入している。このとき、袋体10の前面15におけるホルダ側取出口30は、手袋パッケージ60の前面61におけるパッケージ側取出口62に、重なる。また、このとき、袋体10の内部における出入口20近傍(一端部13近傍)には、手袋パッケージ60が存在しない。
【0050】
図4は、手袋ホルダ1による手袋パッケージ60の縦壁部70に対する保持を正面図で示す。図5は、手袋ホルダ1による手袋パッケージ60の縦壁部70に対する保持を背面図で示す。図5では、袋体10における前面15とは厚み方向(前後方向)反対側に配置された後面16が、投影されている。後面16は、袋体10において取付姿勢のときに縦壁部70の壁面に平行となるもう1つの片側の面である。縦壁部70の壁面に平行である。また、図5では、手袋パッケージ60における前面61とは反対側に配置された後面63が、投影されている。
【0051】
図4,5に示すように、袋体10における出入口20を、横方向の一端部13側から他端部14側に、且つ、前後方向の前面15側から後面16側に、折り返す。これにより、袋体10の出入口20は、塞がれる。第1穴41aと第2穴41bとは、袋体10の出入口20を横方向に折り返すことによって、互いに重ねられる。
【0052】
互いに重ねられた第1穴41a及び第2穴41bと、第3穴41cとを、縦壁部70における横方向に並んだ2つのフック71,72に、引っ掛ける。具体的には、互いに重ねられた第1穴41a及び第2穴41bを、縦壁部70における横方向の一方側のフック71に引っ掛ける。第3穴41cを、縦壁部70における横方向の他方側のフック72に引っ掛ける。このようにして、袋体10は、取付部40としての穴部41(第1穴41a及び第2穴41b並びに第3穴41c)によって、縦壁部70に取り付けられる。
【0053】
袋体10の内部に入れられた手袋パッケージ60からは、手袋Gが、パッケージ側取出口62及びホルダ側取出口30を通じて、袋体10の外部に取り出される。
【0054】
以上、本実施形態に係る手袋ホルダ1では、有底角筒状の袋体10は、長手の軸方向を横方向に向けて、取付部40によって、縦壁部70に取り付けられる。手袋パッケージ60は、袋体10における横方向の一端部13に開口した出入口20を通じて、袋体10に対して横方向に出入りする。
【0055】
手袋パッケージ60が袋体10の内部に入れられることによって、手袋パッケージ60は、縦壁部70に保持される。手袋パッケージ60が袋体10の内部に入れられて縦壁部70に保持されるとき、手袋パッケージ60に収容された手袋Gは、手首G1側から指先G2側に亘って横方向に長手に配置される。袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gは、パッケージ側取出口62を介して、袋体10のホルダ側取出口30から取り出される。
【0056】
有底角筒状の袋体10が、長手の軸方向を横方向に向けて縦壁部70に取り付けられるので、袋体10が縦壁部70に取り付けられる取付姿勢のときに、縦壁部70における上下方向のスペースを圧迫しない。
【0057】
ユーザによる作業は、袋体10を取付部40によって縦壁部70に取り付ける作業、手袋パッケージ60を出入口20を通じて袋体10に対して出し入れする作業、及び袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gをパッケージ側取出口62及びホルダ側取出口30を通じて袋体10から取り出す作業のみであり、扱いが容易である。
【0058】
以上、手袋パッケージ60を上下方向のスペースを圧迫することなく縦壁部70に容易に保持することが可能な手袋ホルダ1を提供することができる。
【0059】
手袋ホルダ1により手袋パッケージ60を縦壁部70に保持することによって、手袋ホルダ1及び手袋パッケージ60をテーブルに置く必要がないので、テーブルの省スペース化に寄与する。
【0060】
手袋ホルダ1の不使用時に、樹脂製の袋体10を折り畳むことによって、手袋ホルダ1を収納しやすくなる。
【0061】
樹脂製の袋体10を用いた手袋ホルダ1は、金属製の壁掛型手袋ホルダに比較して、縦壁部70への取り付け及び取り外しが容易である。特に、樹脂の中でもポリエチレンやポリ塩化ビニルで形成された袋体10を用いた手袋ホルダ1は、アクリル製の壁掛型手袋ホルダに比較して、縦壁部70への取り付け及び取り外しが容易である。
【0062】
袋体10のホルダ側取出口30が、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62に対応して、袋体10の前面15における横方向の中央よりも一方側に寄っているので、袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gをパッケージ側取出口62及びホルダ側取出口30を通じて袋体10から取り出す際に、手袋Gの手首G1側を掴むことができる。このため、手袋Gの指先G2側に触れなくてよいので、衛生面で有利である。
【0063】
サイズの異なる数種類(例えばS,M,L)の手袋Gに対応して複数の手袋パッケージ60を複数の手袋ホルダ1によって縦壁部70に対して上下方向に並べて保持した場合であっても、各手袋ホルダ1(各手袋パッケージ60)が上下方向に嵩張りにくい。このため、ユーザは、上下方向に嵩張らずに並んだ各手袋ホルダ1の袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gを、取り出しやすくなる。
【0064】
袋体10の上縁部11に空けられた穴部41を、縦壁部70のフック71,72に引っ掛けることによって、袋体10を、縦壁部70に簡単に取り付けることができる。
【0065】
袋体10の出入口20を横方向に折り返すことによって、袋体10の出入口20は、塞がれる。これにより、袋体10に入れられた手袋パッケージ60が出入口20を通じて袋体10から出てしまうことを抑制することがきる。
【0066】
さらに、袋体10の出入口20を横方向に折り返すことにより互いに重ねられた第1穴41aと第2穴41bとを、当該重ねられた状態にて、縦壁部70における同じフック71に引っ掛けることによって、袋体10の出入口20が塞がれた状態のまま、袋体10を縦壁部70に取り付けることができる。
【0067】
このように、袋体10の出入口20を横方向に折り返すことによって、袋体10に入れられた手袋パッケージ60が出入口20を通じて袋体10から出てしまうことを抑制しつつ、互いに重ねられた第1穴41aと第2穴41bとを縦壁部70における同じフック71に引っ掛けることによって、袋体10を縦壁部70に容易に取り付けることができる。
【0068】
樹脂製で変形しやすい袋体10は、縦壁部70に取り付けた際に斜めになりやすいので、手袋パッケージ60が出入口20を通じて袋体10から出てしまうことを抑制する上記工夫は、特に有効である。
【0069】
樹脂製の袋体10を前後方向(厚み方向)に広げることによって、袋体10の内部において、手袋パッケージ60の向きを前後方向に反転させることができる。これにより、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62(前面61)が袋体10のホルダ側取出口30(前面15)に臨む取出姿勢と、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62(前面61)が袋体10の後面16に臨んでパッケージ側取出口62が後面16に塞がれる衛生姿勢と、を切り換えることができる。袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gは、衛生姿勢のとき、袋体10の後面16によって空気中のダストから保護されるので、汚染されにくい。
【0070】
袋体10の出入口20を横方向に折り返して、袋体10の出入口20を塞いで壁を作ることによって、袋体10に対する手袋パッケージ60の相対位置を、固定することができる。これにより、袋体10のホルダ側取出口30と手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62とが互いに重なった状態を、維持することができる。したがって、袋体10に入れられた手袋パッケージ60に収容された手袋Gを、パッケージ側取出口62を介して、袋体10のホルダ側取出口30から、より一層、取り出しやすくなる。
【0071】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る手袋ホルダ1及び手袋パッケージ60について、図6~9を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0072】
図6は、手袋パッケージ60を正面図で示す。図7は、手袋ホルダ1を正面図で示す。図6に示すように、手袋パッケージ60は、手袋Gの手首G1側から指先G2側に亘る方向(長さ方向)が長手になり且つ手袋Gの指先G2が並ぶ方向(幅方向)が短手になるように、細長形状に形成されている。
【0073】
手袋パッケージ60は、樹脂製であって、柔らかくて変形しやすい。パッケージ側取出口62は、手袋パッケージ60の前面61における長さ方向の略全体に亘って配置されている。
【0074】
図7に示すように、袋体10のホルダ側取出口30は、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62に対応している。ホルダ側取出口30は、袋体10の前面15における横方向の中央よりもやや一方側に、配置されている。
【0075】
穴部41(取付部40)は、横方向に並んだ2つの穴41dを含む。2つの穴41dは、袋体10の横方向の中央に関して、対称に配置されている。
【0076】
取付姿勢のときの袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における下端部21には、ストッパ50が設けられている。ストッパ50は、袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における下端部21から出発して、袋体10における横方向の内方に(横方向の中央に向かって)延びるに従って、横方向に交差する上下方向の内方に(上下方向の中央に向かって)延びている。
【0077】
具体的には、ストッパ50は、袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における下端部21から出発して、袋体10における横方向の他端部14側に延びるに従って、上下方向の上方に延びている。ストッパ50の先端部50aは、袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における下端部21に対して、横方向の他端部14側且つ上下方向の上側に、位置する。
【0078】
出入口20の下端部21は、第3溶着線A3の上下方向位置ないしその近傍に相当する。また、出入口20の上端部22は、第2溶着線A2の上下方向位置ないしその近傍に相当する。
【0079】
ストッパ50には、袋体10の内部における手袋パッケージ60が引っ掛かる。
【0080】
ストッパ50は、樹脂製の袋体10を溶着することによって、形成されている。具体的には、ストッパ50は、袋体10を構成する前後方向(厚み方向)に重ねられた2枚の樹脂シートを互いに溶着することによって、形成されている。
【0081】
図8は、手袋ホルダ1による手袋パッケージ60の縦壁部70に対する保持を正面図で示す。手袋パッケージ60は、袋体10における横方向の一端部13に開口した出入口20を通じて、袋体10に対して横方向に出入りする(図8の矢印F参照)。
【0082】
図8では、手袋パッケージ60は、袋体10の内部において、横方向の他端部14(第4溶着線A4)まで、進入している。このとき、袋体10のホルダ側取出口30は、手袋パッケージ60のパッケージ側取出口62に、重なる。ここで、袋体10の内部における出入口20近傍(一端部13近傍)にも、手袋パッケージ60が存在する。
【0083】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0084】
図9は、図8におけるストッパ50近傍を拡大正面図で示す。図9に示すように、本実施形態によれば、手袋パッケージ60が袋体10の内部から出入口20を通じて袋体10の外部に出ようとするとき、手袋パッケージ60は、ストッパ50に引っ掛かる。これにより、手袋パッケージ60が袋体10の内部から出入口20を通じて袋体10の外部に出ることを抑制することができる。
【0085】
具体的には、手袋パッケージ60が袋体10の内部から出入口20を通じて袋体10の外部に出ようとするとき、手袋パッケージ60は、出入口20(一端部13)の下端部21に設けられ且つ袋体10における横方向の内方(他端部14側)及び横方向に交差する方向(上下方向)の内方(上方)に延びるストッパ50の先端部50aに接触する(係止される)ので、出入口20を通じて袋体の外部に出られなくなる。
【0086】
一方、手袋パッケージ60が袋体10の外部から出入口20を通じて袋体10の内部に入ろうとするとき、手袋パッケージ60は、出入口20(一端部13)に設けられたストッパ50によって、袋体10における横方向の内方(他端部14側)及び横方向に交差する方向(上下方向)の内方(上方)に案内されて、袋体10の内部に進入可能である(図9の矢印G参照)。
【0087】
このように、手袋パッケージ60が袋体10の内部から出入口20を通じて袋体10の外部に出ることを抑制する機能と、手袋パッケージ60が袋体10の外部から出入口20を通じて袋体10の内部に入ることを案内する機能とを、1つのストッパ50によって実現することができる。
【0088】
ストッパ50が樹脂製の袋体10の溶着によって形成されているので、ストッパ50を袋体10の出入口20に設けるにあたって、袋体10とは別の部材を用意しなくてもよい。
【0089】
手袋パッケージ60が樹脂製なので、袋体10の内部における手袋パッケージ60の反転が容易である。
【0090】
<その他の実施形態>
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【0091】
第2実施形態において、ストッパ50は、取付姿勢のときの袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における上端部22に、設けられてもよい。この場合、ストッパ50は、袋体10の出入口20(横方向の一端部13)における上端部22から出発して、袋体10における横方向の他端部14側に延びるに従って、上下方向の下方に延びる。ストッパ50は、樹脂製の袋体10の溶着によって形成されるのではなく、袋体10とは別部材にて用意されてもよい。別部材としてのストッパ50は、例えば樹脂や金属など、種々の材質が適用され得る。
【0092】
ストッパ50は、袋体10の内部における手袋パッケージ60が引っ掛かるのであれば、例えば、横方向に真直ぐに延びたり、上下方向に真直ぐに延びたり、袋体10における横方向の内方に延びるに従って、横方向に交差する上下方向の外方に延びたりしてもよい。 上記実施形態では、出入口20は、取付姿勢のときにおける袋体10の横方向の一端部13のみに開口しているが、これに限定されない。出入口20は、取付姿勢のときにおける袋体10の横方向の他端部14のみに開口してもよいし、取付姿勢のときにおける袋体10の横方向の一端部13及び他端部14の両方に開口してもよい。
【0093】
出入口20が袋体10の横方向の一端部13及び他端部14の両方に開口する場合、袋体10における横方向の一端部13及び他端部14の両方のために、袋体10の出入口20を横方向に折り返すことにより互いに重ねられる第1穴41a及び第2穴41b、並びに/又は、ストッパ50が設けられることが好ましい。
【0094】
袋体10のホルダ側取出口30は、袋体10の前面15における横方向の中央ないし中央よりも他方側に寄ってもよい。さらに、ホルダ側取出口30は、袋体10の後面16に開口してもよい。また、ホルダ側取出口30は、袋体10の前面15及び後面16の両方に開口してもよい。
【0095】
手袋パッケージ60の形状は、略直方体箱状や細長形状に限定されず、その他の種々の形状が適用され得る。手袋パッケージ60の材質は、厚紙や樹脂に限定されず、その他の種々の材質が適用され得る。
【0096】
袋体10は、1枚の樹脂シートを折り畳んで溶着することによって、形成されてもよい。さらに、袋体10の材質は、樹脂に限定されず、例えば、紙や布などによって形成されてもよい。袋体10が布製の場合、袋体10の出入口20にストッパ50を縫製してもよい。袋体10の形状は、角筒状に限定されず、例えば、円筒状などでもよい。
【0097】
袋体10の穴部41を補強するために、穴の空いた挟持具によって、穴部41を厚み方向(前後方向)に挟んでもよい。
【0098】
袋体10の穴部41に引っ掛けられた中間フックを、縦壁部70に設けられた係合部(例えば、フック、段差、穴部など)に引っ掛けてもよい。
【0099】
取付部40は、穴部41に限定されない。取付部40は、例えば、テープ、接着剤、磁石、吸盤など、袋体10を縦壁部70に取り付けるものであれば、いかなる構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示は、手袋ホルダに適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0101】
1 手袋ホルダ
10 袋体
11 上縁部
12 下縁部
13 一端部
14 他端部
15 前面
16 後面
20 出入口
21 下端部
22 上端部
30 ホルダ側取出口
40 取付部
41 穴部
41a 第1穴
41b 第2穴
41c 第3穴
41d 穴
50 ストッパ
50a 先端部
60 手袋パッケージ
61 前面
62 パッケージ側取出口
63 後面
70 縦壁部
71 フック
72 フック
G 手袋
G1 手首
G2 指先
X 横方向(軸方向)
Y 前後方向(厚み方向)
Z 上下方向(幅方向)
K 取付姿勢
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9