(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074608
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】屋外構造物
(51)【国際特許分類】
E04F 11/18 20060101AFI20240524BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
E04F11/18
E04B1/00 501J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185886
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井田 佳世子
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301LL16
2E301MM03
2E301NN05
(57)【要約】
【課題】耐久性の向上を図ること。
【解決手段】パラペットの上面と手摺り支柱11との間にカバー部材30が設けられる屋外構造物であって、手摺り支柱11は、中空部11aを有した筒状を成すように構成され、カバー部材30には、手摺り支柱11の下端に対向するように支柱対向面35及び傾斜面36が設けられ、支柱対向面35及び傾斜面36には、手摺り支柱11の中空部11aを外部に連通させるように排水溝38が設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体の表面と縦材との間にカバー部材が設けられる屋外構造物であって、
前記縦材は、中空部を有した筒状を成すように構成され、
前記カバー部材には、前記縦材の下端に対向するように上面が設けられ、
前記縦材の下端と前記カバー部材の上面との間には、前記縦材の中空部を外部に連通させるように隙間が設けられていることを特徴とする屋外構造物。
【請求項2】
前記カバー部材の上面には、前記縦材から離隔するに従って漸次下方となるように傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋外構造物。
【請求項3】
前記カバー部材の上面には、前記縦材の中空部から外部に延在する排水溝を設けることによって前記隙間が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋外構造物。
【請求項4】
前記排水溝は、前記縦材から離隔するに従って漸次下方となるように傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の屋外構造物。
【請求項5】
前記躯体の表面には、前記カバー部材を貫通する状態で上方に向けて延在するように支持縦材が設けられ、
前記支持縦材において前記カバー部材よりも上方に延在する部分に前記縦材が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の屋外構造物。
【請求項6】
前記支持縦材と前記カバー部材との間には止水材が介在されていることを特徴とする請求項5に記載の屋外構造物。
【請求項7】
前記支持縦材は、平板状を成す支持プレートを介して前記躯体の表面に固定され、
前記カバー部材には、前記支持プレートに当接することにより前記支持プレートに対して姿勢を規定する当接部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の屋外構造物。
【請求項8】
前記縦材には、外周部分に互いに空間を確保した状態で補助縦材が設けられ、
前記補助縦材の下面と前記カバー部材の上面との間には、前記空間を外部に連通させるように補助隙間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の屋外構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルコニー等の屋外構造物に関するもので、手摺り支柱等の縦材を備えた屋外構造物の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バルコニー等の屋外構造物では、縦桟を備えた枠体を手摺り支柱に取り付けることによって手摺りが構成されている。手摺り支柱は、アンカーボルト等の固定部材によって躯体に固定されている。手摺り支柱と躯体との間には、カバー部材が設けられており、互いに連結部がカバー部材によって覆われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、手摺り支柱としては、中空の筒状を成すものが多く適用されている。このため、例えば、手摺り用の枠体を取り付けるための取付ボルトが手摺り支柱の中空内部に達するまで設けられている場合には、雨水等の外部の水が手摺り支柱の内部に進入するおそれがある。上述したように、手摺り支柱の下端部には躯体との間を連結する固定部材が設けられているため、手摺り支柱の内部に進入した水が貯留された状態となると、固定部材や手摺り支柱の下端部が腐食する等、耐久性が損なわれる懸念がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、耐久性の向上を図ることのできる屋外構造物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る屋外構造物は、躯体の表面と縦材との間にカバー部材が設けられる屋外構造物であって、前記縦材は、中空部を有した筒状を成すように構成され、前記カバー部材には、前記縦材の下端に対向するように上面が設けられ、前記縦材の下端と前記カバー部材の上面との間には、前記縦材の中空部を外部に連通させるように隙間が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、縦材の中空部に進入した水はカバー部材の上面を伝い、隙間を通じて外部に排出されることになり、中空部に貯留された状態となるおそれがない。従って、縦材の下端部が腐食する等の問題を来すおそれがなく、耐久性の点で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1である屋外構造物の斜視図である。
【
図4】
図1に示した屋外構造物の要部を示す拡大横断面図である。
【
図5】
図1に示した屋外構造物の要部を示す拡大縦断面図である。
【
図6】
図1に示した屋外構造物に適用するカバー部材の平面図である。
【
図7】
図1に示した屋外構造物に適用するカバー部材を上方側から見た斜視図である。
【
図8】
図1に示した屋外構造物に適用するカバー部材を下方側から見た斜視図である。
【
図9】
図1に示した屋外構造物を下方側から見た破断斜視図である。
【
図10】
図1に示した屋外構造物を傾斜した躯体の上面に設けた状態の縦断面図である。
【
図11】本発明の実施の形態2である屋外構造物の斜視図である。
【
図14】
図11に示した屋外構造物の要部を示す拡大横断面図である。
【
図15】
図11に示した屋外構造物の要部を示す拡大縦断面図である。
【
図16】実施の形態2の変形例である屋外構造物の要部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る屋外構造物の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1~
図3は、本発明の実施の形態1である屋外構造物を示すものである。ここで例示する屋外構造物は、予め木材やコンクリートによって構成されたパラペット(躯体)1の上面1aに構成されるバルコニーの手摺りユニット10であり、複数の手摺り支柱(縦材)11を備えている。なお、手摺りユニット10を設けるパラペット1の上面1aは、ほぼ水平となるように施工された状態にある。
【0011】
手摺り支柱11は、断面がほぼ長方形の筒状を成すように構成したものである。図示の例では、アルミニウム合金等の金属を押し出し成形し、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様の断面形状を有するように手摺り支柱11が構成してある。
【0012】
この手摺り支柱11は、支持部材20を介してパラペット1の上面1aに固定してある。支持部材20は、ほぼ長方形の外形を有した平板状を成す支持プレート21と、長方形の断面を有する厚板状を成し、支持プレート21の上面から上方に延在した支持支柱(支持縦材)22とを備えて構成したもので、複数の固定ネジ23により支持プレート21を介してパラペット1の上面1aに取り付けてある。支持支柱22の寸法は、手摺り支柱11の中空部11aに挿入可能となるように設定してある。支持プレート21の上面と支持支柱22の下端部との間は、溶接によって固着してある。
図2、
図3からも明らかなように、本実施の形態1では、支持支柱22がほぼ鉛直上方に沿い、かつ支持支柱22の表裏両面がパラペット1の延在方向に直交する状態で支持部材20がパラペット1に配設してある。
【0013】
支持部材20には、支持プレート21の周囲を覆うようにカバー部材30が設けてある。カバー部材30は、
図4~
図9に示すように、底面が開口した略直方体状を成すもので、上壁31に設けた貫通孔32に支持支柱22を貫通させた状態で支持支柱22の下端部に配設してある。貫通孔32は、支持支柱22よりわずかに大きな四角形状に形成してある。カバー部材30において貫通孔32の周囲となる部分には、支持支柱22との間に介在するように止水材33が装着してある。カバー部材30の周壁34は、下面34aが同一の平面上に位置しており、パラペット1の上面1aに対してほぼ隙間無く当接している。
【0014】
上述した手摺り支柱11は、
図1~
図3に示すように、下端面がカバー部材30の上面に当接する状態で中空部11aに支持支柱22を挿入し、適宜箇所において外部から支持支柱22に取付ネジ12を螺合することにより、支持部材20を介してパラペット1に取り付けてある。支持部材20に取り付けた手摺り支柱11は、中空部11aの下端面がカバー部材30の上面に対向した状態となっている。本実施の形態1の手摺りユニット10は、複数の手摺りユニット10の間に上下の横桟13を架設し、かつ横桟13の相互間に複数の縦桟14を設けることにより、パラペット1の上面1aから上方に突出するように構成されることになる。
図1中の符号15は、手摺り支柱11の上端相互間に架設した笠木部材である。
【0015】
図4~
図9からも明らかなように、この手摺りユニット10には、カバー部材30の上面において貫通孔32の周囲となる部分に支柱対向面35及び傾斜面36が設けてあるとともに、内部に複数の当接板部(当接部)37が設けてある。
【0016】
支柱対向面35は、手摺り支柱11の下端面よりも大きな外形の長方形状を成す平坦面であり、手摺り支柱11の中空部11aに対向する状態でカバー部材30のほぼ中央となる部分に設けてある。この支柱対向面35は、周壁34の下面34aに対してほぼ平行となるように形成してある。
【0017】
傾斜面36は、支柱対向面35の四辺からそれぞれ周壁34の縁部に向けて漸次下方となるように傾斜したものである。これら支柱対向面35及び傾斜面36には、排水溝38及び補助排水溝39が設けてある。排水溝38及び補助排水溝39は、支柱対向面35から周壁34の縁部に開口するように設けた直線状の凹溝であり、周壁34に向けて漸次低くなるようにほぼ一様に傾斜している。図示の例では、支柱対向面35の長辺側となる部分に2つずつ排水溝38が互いにほぼ平行となるように設けてあるとともに、支柱対向面35の短辺側となる部分に2つずつ補助排水溝39が互いにほぼ平行となるように設けてある。排水溝38は、補助排水溝39よりも大きい幅を有し、かつ上端が手摺り支柱11の中空部11aに対向する位置に設けてある。補助排水溝39の上端は、手摺り支柱11の周囲に近接した位置に設けてある。
【0018】
当接板部37は、カバー部材30の内部において上下に沿う状態で周壁34の内面及び上壁31の下面から内方に向けて突出した平板状を成すものである。本実施の形態1では、カバー部材30の短辺を構成する周壁34の内面にそれぞれ2つずつ当接板部37が設けてある。当接板部37の下面37aは、周壁34の下面34aに対して支持プレート21の板厚分だけ上方となるように設けてある。これらの当接板部37は、個々の下面37aが支持プレート21の上面に同時に当接することのできる寸法に構成してある。
【0019】
上記のように構成した手摺りユニット10では、雨水等の外部の水が手摺り支柱11の中空部11aに進入した場合、下端の開口を通過した後、カバー部材30の支柱対向面35で受け止められることになる。このとき、支持支柱22とカバー部材30と間に止水材33が設けてあるため、これらの相互間からカバー部材30の内部に水が進入するおそれはない。しかも、カバー部材30の支柱対向面35で受け止められた水は、排水溝38を通じてカバー部材30の周囲に排出されることになり、手摺り支柱11の下端部に貯留するおそれもない。これにより、支持支柱22や手摺り支柱11には、発錆して腐食する等の問題が生じる懸念がなく、耐久性の点で有利となる。
【0020】
さらに、上述の手摺りユニット10では、カバー部材30の当接板部37が設けてあり、これらの当接板部37が支持プレート21の上面に当接された状態となる。これにより、例えば、
図10に示すように、上面41aが傾斜した状態のパラペット(躯体)41に手摺りユニット10を設ける場合に、支持プレート21とパラペット41の上面41aとの間にシム部材42を介在させることで支持プレート21を水平に配置すれば、手摺り支柱11をほぼ鉛直に沿って配置することができるとともに、カバー部材30の姿勢についてもほぼ水平となるように規定することが可能となる。
【0021】
(実施の形態2)
図11~
図15は、本発明の実施の形態2である屋外構造物を示すものである。ここで例示する屋外構造物は、実施の形態1と同様、パラペット(躯体)1の上面1aに構成されるバルコニーの手摺りユニット50であり、実施の形態1とは手摺り支柱(縦材)11に設ける部材のみが異なっている。すなわち、実施の形態2の手摺りユニット50は、複数の手摺り支柱11の外周側となる部分にそれぞれ補助支柱(補助縦材)51を設けるとともに、補助支柱51の相互間に複数の横桟52を設けることによって構成してある。
【0022】
補助支柱51は、補助基壁51aの両側に互いに平行となるように補助側壁51bを有したもので、これら補助基壁51a及び補助側壁51bが手摺り支柱11の3面を覆う状態で手摺り支柱11に取り付けてある。補助基壁51a及び補助側壁51bには、それぞれ手摺り支柱11との間に適宜空間60を確保するためのリブ51cが設けてある。上述したカバー部材30の補助排水溝39の上端は、手摺り支柱11と補助支柱51の間の空間60に対向して位置している。補助支柱51の相互間に設ける横桟52は、補助支柱51からネジ53を螺合することによって補助支柱51に取り付けてある。なお、実施の形態2では、実施の形態1と同一のカバー部材30を適用している。また実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については、同一の符号が付してある。
【0023】
上記のように構成した手摺りユニット50においても、雨水等の外部の水が手摺り支柱11の中空部11aに進入した場合、下端の開口を通過した後、カバー部材30の支柱対向面35で受け止められることになる。このとき、支持支柱(支持縦材)22とカバー部材30と間に止水材33が設けてあるため、これらの相互間からカバー部材30の内部に水が進入するおそれはない。しかも、カバー部材30の支柱対向面35で受け止められた水は、排水溝38を通じて排出されることになり、手摺り支柱11の下端部に貯留するおそれがない。これにより、支持支柱22や手摺り支柱11には、発錆して腐食する等の問題が生じる懸念がなく、耐久性の点で有利となる。また、手摺り支柱11と補助支柱51との間の空間60に進入した水についてもカバー部材30の支柱対向面35で受け止められた後、補助排水溝39を通じて排出されることになり、補助支柱51の下端部に貯留するおそれはない。
【0024】
(変形例1)
なお、実施の形態2では、単一の補助支柱51を例示しているが、
図16に示す変形例のように、手摺り支柱11に複数の補助支柱151が設けてあっても構わない。すなわち、変形例に示す手摺りユニット150は、実施の形態2と同様、補助支柱151を介して手摺り支柱11に横桟52を支持するもので、手摺り支柱11に2つの補助支柱151が設けてある。2つの補助支柱151は、補助基壁151aの一方の端部にのみ補助側壁151bを有したもので、互いに対称形状となるように構成してある。補助基壁151aの寸法は、実施の形態2に示した補助基壁51aのほぼ1/2である。補助基壁151a及び補助側壁151bには、それぞれ手摺り支柱11との間に適宜空間を確保するためのリブ151cが設けてある。カバー部材及びその他の構成については実施の形態2と同様であり、同一の符号が付してある。この変形例の手摺りユニット150においても実施の形態2と同様の作用効果を奏することになる。
【0025】
なお、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、屋外構造物としてバルコニーの手摺りユニット10,50,150を例示しているが、躯体の表面にカバー部材30が設けられ、カバー部材30から上方に向けて延在するように縦材が設けられる屋外構造物であれば、その他のものにも適用することは可能である。また、縦材及びカバー部材として断面が長方形状を成すものを例示しているが、縦材やカバー部材の断面形状は四角に限らない。この場合、必ずしも縦材の断面形状とカバー部材の断面形状とが合致している必要もない。さらに、縦材は、必ずしも支持部材20によって躯体に固定されている必要はない。
【0026】
また、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、カバー部材30に排水溝38を設けることによって縦材とカバー部材との間の隙間を構成しているが、本発明はこれに限定されず、縦材の下端に凹部や突起を設けることによって互いの間に隙間を設けても良いし、縦材及びカバー部材の双方に凹部や突起を設けても構わない。補助隙間についても同様である。なお、カバー部材30の上面に傾斜面36を設けるようにしているが、必ずしも傾斜面36を設ける必要はない。例えば、実施の形態1及び実施の形態2のように排水溝38を設ける場合には、排水溝38に傾斜があれば十分である。
【0027】
さらに、上述した実施の形態1及び実施の形態2では、当接部として板状の当接板部37を設けるようにしているが、当接部は必ずしも板状を成している必要はなく、支持プレートに当接することができれば、例えば突起や段部によって当接部を構成することも可能である。
【0028】
以上のように、本発明に係る屋外構造物は、躯体の表面と縦材との間にカバー部材が設けられる屋外構造物であって、前記縦材は、中空部を有した筒状を成すように構成され、前記カバー部材には、前記縦材の下端に対向するように上面が設けられ、前記縦材の下端と前記カバー部材の上面との間には、前記縦材の中空部を外部に連通させるように隙間が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、縦材の中空部に進入した水はカバー部材の上面を伝い、隙間を通じて外部に排出されることになり、中空部に貯留された状態となるおそれがない。従って、縦材の下端部が腐食する等の問題を来すおそれがなく、耐久性の点で有利となる。隙間としては、カバー部材に設けた凹凸部によって構成しても良いし、縦材の下端面に設けた凹凸部によって構成しても良いし、カバー部材及び縦材の両者に設けた凹凸部によって構成することも可能である。
【0029】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記カバー部材の上面には、前記縦材から離隔するに従って漸次下方となるように傾斜面が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、カバー部材の上面に設けた傾斜面により、カバー部材の上面に到達した水が滞留することなく排出されることになる。傾斜面としては、縦材からカバー部材の周囲に向けて下方となるように傾斜するものでも良いし、カバー部材の一方方向に傾斜するように構成しても良い。
【0030】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記カバー部材の上面には、前記縦材の中空部から外部に延在する排水溝を設けることによって前記隙間が構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、カバー部材に設けた排水溝によって隙間が構成されるため、縦材に加工を施す必要がない。
【0031】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記排水溝は、前記縦材から離隔するに従って漸次下方となるように傾斜していることを特徴としている。
この発明によれば、排水溝が傾斜しているため、排水溝の水が滞留することなく排出されることになる。
【0032】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記躯体の表面には、前記カバー部材を貫通する状態で上方に向けて延在するように支持縦材が設けられ、前記支持縦材において前記カバー部材よりも上方に延在する部分に前記縦材が連結されていることを特徴としている。
この発明によれば、支持縦材を介して縦材を躯体に取り付けることができる。
【0033】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記支持縦材と前記カバー部材との間には止水材が介在されていることを特徴としている。
この発明によれば、支持縦材とカバー部材との隙間からカバー部材の内部に水が進入するおそれがなくなる。
【0034】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記支持縦材は、平板状を成す支持プレートを介して前記躯体の表面に固定され、前記カバー部材には、前記支持プレートに当接することにより前記支持プレートに対して姿勢を規定する当接部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、当接部を支持プレートに当接させることにより、カバー部材の姿勢を規定することができる。
【0035】
また本発明は、上述した屋外構造物において、前記縦材には、外周部分に互いに空間を確保した状態で補助縦材が設けられ、前記補助縦材の下面と前記カバー部材の上面との間には、前記空間を外部に連通させるように補助隙間が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、補助縦材を介して縦材に複数の横桟を取り付けることが可能となる。しかも、補助縦材と縦材との空間に進入した水については、カバー部材との間に設けた隙間を通じて外部に排出することができ、滞留する事態を招来する懸念がない。
【符号の説明】
【0036】
1,41 パラペット、1a,41a 上面、11 手摺り支柱、11a 中空部、20 支持部材、21 支持プレート、22 支持支柱、30 カバー部材、31 上壁、33 止水材、35 支柱対向面、36 傾斜面、37 当接板部、37a 下面、38 排水溝、39 補助排水溝、51,151 補助支柱、60 空間