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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074648
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】積層インダクタ部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20240524BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F27/29 123
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185943
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】川村 翔人
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄一郎
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AB06
5E070CB13
5E070EA01
(57)【要約】
【課題】積層インダクタ部品におけるQ値を向上する。
【解決手段】積層インダクタ部品10は、素体11とインダクタ配線12とを備えている。素体11の6つの外面のうち、特定の1つの面を底面11Aとし、底面11Aに平行な面を天面11Bとする。インダクタ配線12は、底面11Aに対して平行に延びる複数のインダクタ導体30と、底面11Aに直交する直交軸に沿って延びるビア導体40とを有している。直交軸に沿う方向を向いて視たときの各インダクタ導体30の面積を導体面積とし、インダクタ導体30の総数をNとする。直交軸に沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えてN/2番目までのインダクタ導体30の導体面積の合計である天面側導体面積は、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてN/2番目までのインダクタ導体30の導体面積の合計である底面側導体面積に対して、1.1倍以上である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6つの外面を有する直方体状の素体と、
前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、
を備え、
前記素体は、前記インダクタ配線に接続している電極を有し、
前記素体の6つの外面のうち、特定の1つの面を底面とし、前記底面に平行な面を天面としたとき、
前記電極は、前記底面において前記素体の外部に露出しており、
前記インダクタ配線は、前記底面に対して平行に延びる複数のインダクタ導体と、前記底面に直交する直交軸に沿って延びるビア導体と、を有しており、
前記各インダクタ導体は、前記直交軸に沿って互いに離れて位置しており、
前記ビア導体は、前記直交軸に沿う方向で隣り合う前記インダクタ導体同士を接続しており、
前記直交軸に沿う方向を向いて視たときの、前記各インダクタ導体の面積を導体面積とし、前記インダクタ導体の総数をNとしたとき、
前記直交軸に沿う方向において、前記天面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である天面側導体面積は、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である底面側導体面積に対して、1.1倍以上である
積層インダクタ部品。
【請求項2】
前記天面側導体面積は、前記底面側導体面積に対して、2倍以下である
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項3】
最も前記導体面積の大きい前記インダクタ導体は、前記直交軸に沿う方向において、前記天面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体のいずれかであり、
最も前記導体面積の小さい前記インダクタ導体は、前記直交軸に沿う方向において、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体のいずれかである
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項4】
最大の前記導体面積は、最小の前記導体面積に対して、1.3倍以上、且つ2.1倍以下である
請求項3に記載の積層インダクタ部品。
【請求項5】
複数の前記インダクタ導体の前記導体面積のうち、前記直交軸に沿う方向において前記底面に最も近い前記インダクタ導体の前記導体面積が最小である
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項6】
前記各インダクタ導体の配線幅は、同じである
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項7】
前記底面の長辺の長さは0.63mm以下であり、
前記底面の短辺の長さは0.33mm以下である
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項8】
前記電極は、前記天面においては前記素体の外部に露出していない
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【請求項9】
互いに異なるX及びYを1以上N未満の整数としたとき、
前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてX番目の前記インダクタ導体の前記導体面積が、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてX+1番目の前記インダクタ導体の前記導体面積よりも大きく、
前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてY番目の前記インダクタ導体の前記導体面積が、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてY+1番目の前記インダクタ導体の前記導体面積よりも小さい
というX及びYの組が1つ以上存在する
請求項1に記載の積層インダクタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層インダクタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の積層インダクタ部品は、直方体状の素体を備えている。したがって、素体は、6つの外面を有している。素体の6つの外面のうちの1つは、インダクタ部品を基板などに実装するときに、基板と向かい合う底面である。そして、残りの5つの外面のうちの2つは、底面に垂直な第1端面と、第1端面に平行な第2端面と、である。また、素体は、素体の外部に露出する第1電極及び第2電極を備えている。第1電極は、第1端面から底面に跨っている。第2電極は、第2端面から底面に跨っている。
【0003】
上記の積層インダクタ部品は、素体の内部を延びるインダクタ配線を有している。インダクタ配線は、底面に直交する直交軸を中心とするスパイラル状に延びている。具体的には、インダクタ配線は、複数のインダクタ導体と複数のビア導体とを備えている。各インダクタ導体は、底面に対して平行に延びている。各インダクタ導体は、上記直交軸に沿う方向において互いに離れている。各ビア導体は、直交軸に沿う方向において互いに隣り合うインダクタ導体を接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-1306336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の積層インダクタ部品では、インダクタ配線と各電極との間、及びインダクタ配線と基板上の電極との間に浮遊容量が発生する。仮に、過度に大きな浮遊容量が発生すると、積層インダクタ部品のQ値が悪化するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の積層インダクタ部品は、6つの外面を有する直方体状の素体と、前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、を備え、前記素体は、前記インダクタ配線に接続している電極を有し、前記素体の6つの外面のうち、特定の1つの面を底面とし、前記底面に平行な面を天面としたとき、前記電極は、前記底面において前記素体の外部に露出しており、前記インダクタ配線は、前記底面に対して平行に延びる複数のインダクタ導体と、前記底面に直交する直交軸に沿って延びるビア導体と、を有しており、前記各インダクタ導体は、前記直交軸に沿って互いに離れて位置しており、前記ビア導体は、前記直交軸に沿う方向で隣り合う前記インダクタ導体同士を接続しており、前記直交軸に沿う方向を向いて視たときの、前記各インダクタ導体の面積を導体面積とし、前記インダクタ導体の総数をNとしたとき、前記直交軸に沿う方向において、前記天面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である天面側導体面積は、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である底面側導体面積に対して、1.1倍以上である。
【0007】
上記構成によれば、底面と近い側において、電極と向かい合うインダクタ導体の導体面積を低減できる。これにより、電極とインダクタ導体との間で発生する浮遊容量を低減できる。したがって、積層インダクタ部品におけるQ値を向上できる。
【発明の効果】
【0008】
積層インダクタ部品におけるQ値を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、積層インダクタ部品の概略構成図である。
図2図2は、積層インダクタ部品の分解斜視図である。
図3図3は、比較例となる積層インダクタ部品の分解斜視図である。
図4図4は、積層インダクタ部品及び比較例となる積層インダクタ部品を対象としてシミュレーションした結果を示すグラフである。
図5図5は、変更例の積層インダクタ部品の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、インダクタ部品の一実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。
【0011】
<積層インダクタ部品の全体構成について>
図1に示すように、積層インダクタ部品10は、直方体状の素体11を備えている。
図2に示すように、積層インダクタ部品10は、全体として、複数の板状の層が積層されたような構造になっている。また、各層は、平面視で長方形状になっている。そして、素体11は直方体状であることから6つの外面を有している。図1に示すように、これら6つの外面のうち、各層の主面と平行な特定の1つの面を底面11Aとする。なお、底面11Aは、積層インダクタ部品10を基板に実装するときに、基板に向かい合う面である。底面11Aと平行な面を天面11Bとする。そして底面11Aに垂直な特定の1つの面を第1主面11Cとする。また、第1主面11Cに平行な面を第2主面11Dとする。さらに、底面11A及び第1主面11Cのいずれにも垂直な特定の1つの面を第1端面11Eとする。また、第1端面11Eに平行な面を第2端面11Fとする。
【0012】
なお、以下の説明では、複数の層が積層する方向に沿う軸、すなわち底面11Aに直交する軸を直交軸とする。そして、直交軸を第1軸Xとして説明する。また、第1端面11Eに垂直な軸を第2軸Yとする。さらに、第1主面11Cに垂直な軸を第3軸Zとする。そして、第1軸Xに沿う方向のうちの天面11Bが向く方向を第1正方向X1とし、第1正方向X1と反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う方向のうちの第1端面11Eが向く方向を第2正方向Y1とし、第2正方向Y1と反対方向を第2負方向Y2とする。さらに、第3軸Zに沿う方向のうちの第1主面11Cが向く方向を第3正方向Z1とし、第3正方向Z1と反対方向を第3負方向Z2とする。
【0013】
本実施形態において、底面11Aの長辺は、第2軸Yに平行である。底面11Aの短辺は、第3軸Zに平行である。底面11Aの長辺の長さは、0.4mmである。底面11Aの短辺の長さは、0.2mmである。このように、積層インダクタ部品10は、所謂0402で規定されるサイズである。
【0014】
図2に示すように、積層インダクタ部品10は、インダクタ配線12を備えている。インダクタ配線12は、素体11の内部で延びている。インダクタ配線12は、12個のインダクタ導体30と、11個のビア導体40と、有している。各インダクタ導体30は、底面11Aに対して平行に延びている。各ビア導体40は、第1軸Xに沿って延びている。なお、図2において1つのインダクタ導体30に対してのみ、「30」の符号を付している。また、図2において1つのビア導体40に対してのみ、「40」の符号を付している。
【0015】
また、積層インダクタ部品10は、第1電極50と、第2電極60と、を備えている。第1電極50は、インダクタ配線12の第1端に接続している。第2電極60は、インダクタ配線12の第2端に接続している。
【0016】
図2に示すように、積層インダクタ部品10は、第1層L1~第23層L23を有している。第1層L1~第23層L23は、この順で第1負方向X2に向かって順に並んでいる。第1層L1~第23層L23の厚み、すなわち第1軸Xに沿う方向の寸法は、すべて略同一である。
【0017】
第1層L1は、第1電極部501と、第2電極部601と、第1インダクタ導体301と、第1絶縁部201と、によって構成されている。
第1電極部501は、銀などの導電性材料からなっている。第1電極部501は、第3軸Zと平行に、第1層L1における第2正方向Y1側の縁に沿って延びている。第1電極部501における第3軸Zに沿う方向の最大の寸法は、第1層L1における第3軸Zに沿う方向の寸法よりも小さい。第1電極部501は、第3軸Zに沿う方向において、第1層L1の中央に位置している。
【0018】
第2電極部601は、銀などの導電性材料からなっている。第2電極部601は、第3軸Zと平行に、第1層L1における第2負方向Y2側の縁に沿って延びている。第2電極部601における第3軸Zに沿う方向の最大の寸法は、第1層L1における第3軸Zに沿う方向の寸法よりも小さい。第2電極部601は、第3軸Zに沿う方向において、第1層L1の中央に位置している。
【0019】
第1インダクタ導体301は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1インダクタ導体301は、全体として、概ね第1層L1の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第1インダクタ導体301の第1端部301Aは、第1負方向X2を向いて視たときに第1層L1~第23層L23における各インダクタ導体30が重なって構成される周回経路から外れた部分である。当該第1端部301Aは、第1電極部501の第3負方向Z2側の端部に接続している。なお、第1端部301Aは、インダクタ配線12全体の第1端である。
【0020】
第1インダクタ導体301の第2端部301Bは、略円形状になっている。第1インダクタ導体301の第2端部301Bは、後述するビア導体401と接続するためのランドとして機能している。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1インダクタ導体301の第2端部301Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第1層L1の略幾何中心である。また、第1インダクタ導体301の第2端部301Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第1層L1の幾何中心に対して第3正方向Z1側に位置する。
【0021】
そして、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1インダクタ導体301は、第1端部301Aから第2端部301Bに向かって時計回りに延びている。また、第1インダクタ導体301のターン数は、約1.5ターンである。なお、ターン数は、以下のように定義する。
【0022】
各インダクタ導体30のターン数は、仮想ベクトルに基づいて定められている。仮想ベクトルの始点は、インダクタ導体30の配線幅中央を通ってインダクタ導体30の延び方向に延びる仮想中心線上に配置されている。そして、仮想ベクトルは、法線方向から視たときに、インダクタ導体30の始点を一方の端に配置した状態から仮想中心線の他方の端まで移動させたときに、仮想ベクトルの向きが回転した角度が360度のときに、ターン数は1.0ターンとして定められる。したがって、例えば180度巻回されると、ターン数は0.5ターンとなる。
【0023】
各インダクタ導体30の配線幅は、第1端部及び第2端部を除き一定である。なお、配線幅の定義は、次のとおりである。すなわち、あるインダクタ導体30の縁上の任意の点からその反対側の縁へと引ける線分のうち、最も短い線分を特定する。この特定された線分の長さが、上記任意の点での配線の線幅である。また、線幅が一定とは、製造上の誤差等を含む。つまり、線幅が一定とは、配線の線幅の平均値に対する差が、当該平均値の20%以下であることをいう。
【0024】
第1層L1において、第1電極部501と、第2電極部601と、第1インダクタ導体301と、を除く部分は、第1絶縁部201である。第1絶縁部201は、ガラス、樹脂、アルミナなど非磁性の絶縁体からなっている。
【0025】
図2に示すように、第2層L2は、第1層L1の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たとき、第2層L2は、第1層L1と同じ長方形状である。第2層L2は、第3電極部502と、第4電極部602と、ビア導体401と、第2絶縁部202と、によって構成されている。
【0026】
第3電極部502は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たとき、第3電極部502は、第1電極部501と同じ寸法であり、且つ第1電極部501と同じ箇所に位置している。したがって、第3電極部502は、第1電極部501の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0027】
第4電極部602は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たとき、第4電極部602は、第2電極部601と同じ寸法であり、且つ第2電極部601と同じ箇所に位置している。したがって、第4電極部602は、第2電極部601の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0028】
ビア導体401は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体401は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体401は、第1インダクタ導体301の第2端部301Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体401は、第1インダクタ導体301の第2端部301Bと電気的に接続している。そして、ビア導体401は、第1インダクタ導体301の第2端部301Bから第1負方向X2に延びている。
【0029】
第2層L2において、第3電極部502と、第4電極部602と、ビア導体401と、を除く部分は、第2絶縁部202である。第2絶縁部202は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0030】
第3層L3は、第2層L2の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たとき、第3層L3は、第1層L1と同じ長方形状である。第3層L3は、第5電極部503と、第6電極部603と、第2インダクタ導体302と、第3絶縁部203と、によって構成されている。
【0031】
第5電極部503は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たとき、第5電極部503は、第3電極部502と同じ寸法であり、且つ第3電極部502と同じ箇所に位置している。したがって、第5電極部503は、第3電極部502の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0032】
第6電極部603は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たとき、第6電極部603は、第4電極部602と同じ寸法であり、且つ第4電極部602と同じ箇所に位置している。したがって、第6電極部603は、第4電極部602の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0033】
第2インダクタ導体302は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2インダクタ導体302は、全体として、概ね第3層L3の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第2インダクタ導体302の第1端部302Aは、略円形状になっている。第2インダクタ導体302の第1端部302Aは、ビア導体401の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第2インダクタ導体302の第1端部302Aは、ビア導体401に接続している。
【0034】
第2インダクタ導体302の第2端部302Bは、略円形状になっている。第2端部302Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第3層L3の幾何中心に対して第2負方向Y2側である。第2インダクタ導体302の第2端部302Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3層L3の幾何中心に対して第3正方向Z1側である。そして、第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2インダクタ導体302は、第1端部302Aから第2端部302Bに向かって時計回りに延びている。また、第2インダクタ導体302のターン数は、約1.75ターンである。ここで、第1端部301Aを除き第2端部301Bを含む第1インダクタ導体301の配線長を1単位とする。このとき、第2インダクタ導体302の配線長は、約1.04単位である。また、第2インダクタ導体302の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0035】
第3層L3において、第5電極部503と、第6電極部603と、第2インダクタ導体302と、を除く部分は、第3絶縁部203である。第3絶縁部203は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0036】
第4層L4は、第3層L3の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たとき、第4層L4は、第1層L1と同じ長方形状である。第4層L4は、第7電極部504と、第8電極部604と、ビア導体402と、第4絶縁部204と、によって構成されている。
【0037】
第7電極部504は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たとき、第7電極部504は、第5電極部503と同じ寸法であり、且つ第5電極部503と同じ箇所に位置している。したがって、第7電極部504は、第5電極部503の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0038】
第8電極部604は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たとき、第8電極部604は、第6電極部603と同じ寸法であり、且つ第6電極部603と同じ箇所に位置している。したがって、第8電極部604は、第6電極部603の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0039】
ビア導体402は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体402は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体402は、第2インダクタ導体302の第2端部302Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体402は、第2インダクタ導体302の第2端部302Bと電気的に接続している。そして、ビア導体402は、第2インダクタ導体302の第2端部302Bから第1負方向X2に延びている。
【0040】
第4層L4において、第7電極部504と、第8電極部604と、ビア導体402と、を除く部分は、第4絶縁部204である。第4絶縁部204は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0041】
第5層L5は、第4層L4の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たとき、第5層L5は、第1層L1と同じ長方形状である。第5層L5は、第9電極部505と、第10電極部605と、第3インダクタ導体303と、第5絶縁部205と、によって構成されている。
【0042】
第9電極部505は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たとき、第9電極部505は、第7電極部504と同じ寸法であり、且つ第7電極部504と同じ箇所に位置している。したがって、第9電極部505は、第7電極部504の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0043】
第10電極部605は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たとき、第10電極部605は、第8電極部604と同じ寸法であり、且つ第8電極部604と同じ箇所に位置している。したがって、第10電極部605は、第8電極部604の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0044】
第3インダクタ導体303は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3インダクタ導体303は、全体として、概ね第5層L5の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第3インダクタ導体303の第1端部303Aは、略円形状になっている。第3インダクタ導体303の第1端部303Aは、ビア導体402の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第3インダクタ導体303の第1端部303Aは、ビア導体402に接続している。
【0045】
第3インダクタ導体303の第2端部303Bは、略円形状になっている。第2端部303Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第5層L5の略幾何中心である。第3インダクタ導体303の第2端部303Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第5層L5の幾何中心に対して第3負方向Z2側である。そして、第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3インダクタ導体303は、第1端部303Aから第2端部303Bに向かって時計回りに延びている。また、第3インダクタ導体303のターン数は、約1.5ターンである。第3インダクタ導体303の配線長は、約1単位である。第3インダクタ導体303の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0046】
第5層L5において、第9電極部505と、第10電極部605と、第3インダクタ導体303と、を除く部分は、第5絶縁部205である。第5絶縁部205は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0047】
第6層L6は、第5層L5の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たとき、第6層L6は、第1層L1と同じ長方形状である。第6層L6は、第11電極部506と、第12電極部606と、ビア導体403と、第6絶縁部206と、によって構成されている。
【0048】
第11電極部506は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たとき、第11電極部506は、第9電極部505と同じ寸法であり、且つ第9電極部505と同じ箇所に位置している。したがって、第11電極部506は、第9電極部505の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0049】
第12電極部606は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たとき、第12電極部606は、第10電極部605と同じ寸法であり、且つ第10電極部605と同じ箇所に位置している。したがって、第12電極部606は、第10電極部605の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0050】
ビア導体403は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体403は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体403は、第3インダクタ導体303の第2端部303Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体403は、第3インダクタ導体303の第2端部303Bと電気的に接続している。そして、ビア導体403は、第3インダクタ導体303の第2端部303Bから第1負方向X2に延びている。
【0051】
第6層L6において、第11電極部506と、第12電極部606と、ビア導体403と、を除く部分は、第6絶縁部206である。第6絶縁部206は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0052】
第7層L7は、第6層L6の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たとき、第7層L7は、第1層L1と同じ長方形状である。第7層L7は、第13電極部507と、第14電極部607と、第4インダクタ導体304と、第7絶縁部207と、によって構成されている。
【0053】
第13電極部507は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たとき、第13電極部507は、第11電極部506と同じ寸法であり、且つ第11電極部506と同じ箇所に位置している。したがって、第13電極部507は、第11電極部506の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0054】
第14電極部607は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たとき、第14電極部607は、第12電極部606と同じ寸法であり、且つ第12電極部606と同じ箇所に位置している。したがって、第14電極部607は、第12電極部606の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0055】
第4インダクタ導体304は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4インダクタ導体304は、全体として、概ね第7層L7の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第4インダクタ導体304の第1端部304Aは、略円形状になっている。第4インダクタ導体304の第1端部304Aは、ビア導体403の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第4インダクタ導体304の第1端部304Aは、ビア導体403に接続している。
【0056】
第4インダクタ導体304の第2端部304Bは、略円形状である。第4インダクタ導体304の第2端部304Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第7層L7の幾何中心に対して第2正方向Y1側である。第4インダクタ導体304の第2端部304Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第7層L7の幾何中心に対して第3負方向Z2側である。そして、第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4インダクタ導体304は、第1端部304Aから第2端部304Bに向かって時計回りに延びている。また、第4インダクタ導体304のターン数は、約1.75ターンである。第4インダクタ配線の配線長は、約1.04単位である。第4インダクタ導体304の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0057】
第7層L7において、第13電極部507と、第14電極部607と、第4インダクタ導体304と、を除く部分は、第7絶縁部207である。第7絶縁部207は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0058】
第8層L8は、第7層L7の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たとき、第8層L8は、第1層L1と同じ長方形状である。第8層L8は、第15電極部508と、第16電極部608と、ビア導体404と、第8絶縁部208と、によって構成されている。
【0059】
第15電極部508は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たとき、第15電極部508は、第13電極部507と同じ寸法であり、且つ第13電極部507と同じ箇所に位置している。したがって、第15電極部508は、第13電極部507の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0060】
第16電極部608は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たとき、第16電極部608は、第14電極部607と同じ寸法であり、且つ第14電極部607と同じ箇所に位置している。したがって、第16電極部608は、第14電極部607の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0061】
ビア導体404は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体404は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体404は、第4インダクタ導体304の第2端部304Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体404は、第4インダクタ導体304の第2端部304Bと電気的に接続している。そして、ビア導体404は、第4インダクタ導体304の第2端部304Bから第1負方向X2に延びている。
【0062】
第8層L8において、第15電極部508と、第16電極部608と、ビア導体404と、を除く部分は、第8絶縁部208である。第8絶縁部208は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0063】
第9層L9は、第8層L8の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たとき、第9層L9は、第1層L1と同じ長方形状である。第9層L9は、第17電極部509と、第18電極部609と、第5インダクタ導体305と、第9絶縁部209と、によって構成されている。
【0064】
第17電極部509は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たとき、第17電極部509は、第15電極部508と同じ寸法であり、且つ第15電極部508と同じ箇所に位置している。したがって、第17電極部509は、第15電極部508の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0065】
第18電極部609は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たとき、第18電極部609は、第16電極部608と同じ寸法であり、且つ第16電極部608と同じ箇所に位置している。したがって、第18電極部609は、第16電極部608の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0066】
第5インダクタ導体305は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5インダクタ導体305は、全体として、概ね第9層L9の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第5インダクタ導体305の第1端部305Aは、略円形状になっている。第5インダクタ導体305の第1端部305Aは、ビア導体404の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第5インダクタ導体305の第1端部305Aは、ビア導体404に接続している。
【0067】
第5インダクタ導体305の第2端部305Bは、略円形状である。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たとき、第5インダクタ導体305の第2端部305Bは、第1インダクタ導体301の第2端部301Bと同じ箇所に位置している。そして、第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5インダクタ導体305は、第1端部305Aから第2端部305Bに向かって時計回りに延びている。また、第5インダクタ導体305のターン数は、約1.5ターンである。第5インダクタ導体305の配線長は、約1単位である。第5インダクタ導体305の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0068】
第9層L9において、第17電極部509と、第18電極部609と、第5インダクタ導体305と、を除く部分は、第9絶縁部209である。第9絶縁部209は、第1絶縁部201と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0069】
第10層L10は、第9層L9の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第10層L10を視たとき、第10層L10は、第1層L1と同じ長方形状である。第10層L10は、第19電極部510と、第20電極部610と、ビア導体405と、第10絶縁部210と、によって構成されている。
【0070】
第19電極部510は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第10層L10を視たとき、第19電極部510は、第17電極部509と同じ寸法であり、且つ第17電極部509と同じ箇所に位置している。したがって、第19電極部510は、第17電極部509の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0071】
第20電極部610は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第10層L10を視たとき、第20電極部610は、第18電極部609と同じ寸法であり、且つ第18電極部609と同じ箇所に位置している。したがって、第20電極部610は、第18電極部609の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0072】
ビア導体405は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体405は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体405は、第5インダクタ導体305の第2端部305Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体405は、第5インダクタ導体305の第2端部305Bと電気的に接続している。そして、ビア導体405は、第5インダクタ導体305の第2端部305Bから第1負方向X2に延びている。
【0073】
第10層L10において、第19電極部510と、第20電極部610と、ビア導体405と、を除く部分は、第10絶縁部210である。第10絶縁部210は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0074】
第11層L11は、第10層L10の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第11層L11を視たとき、第11層L11は、第1層L1と同じ長方形状である。第11層L11は、第21電極部511と、第22電極部611と、第6インダクタ導体306と、第11絶縁部211と、によって構成されている。
【0075】
第21電極部511は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第11層L11を視たとき、第21電極部511は、第19電極部510と同じ寸法であり、且つ第19電極部510と同じ箇所に位置している。したがって、第21電極部511は、第19電極部510の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0076】
第22電極部611は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第11層L11を視たとき、第22電極部611は、第20電極部610と同じ寸法であり、且つ第20電極部610と同じ箇所に位置している。したがって、第22電極部611は、第20電極部610の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0077】
第6インダクタ導体306は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第11層L11を視たときに、第6インダクタ導体306は、全体として、概ね第11層L11の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第6インダクタ導体306の第1端部306Aは、略円形状になっている。第6インダクタ導体306の第1端部306Aは、ビア導体405の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第6インダクタ導体306の第1端部306Aは、ビア導体405に接続している。
【0078】
第6インダクタ導体306の第2端部306Bは、略円形状である。第2端部306Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第11層L11の幾何中心に対して第2負方向Y2側である。また、当該第2端部306Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第11層L11の幾何中心に対して第3負方向Z2側である。そして、第1負方向X2を向いて第11層L11を視たときに、第6インダクタ導体306は、第1端部306Aから第2端部306Bに向かって時計回りに延びている。また、第6インダクタ導体306のターン数は、約1.5ターンである。第6インダクタ導体306の配線長は、約1単位である。第6インダクタ導体306の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0079】
第11層L11において、第21電極部511と、第22電極部611と、第6インダクタ導体306と、を除く部分は、第11絶縁部211である。第11絶縁部211は、第1絶縁部201と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0080】
第12層L12は、第11層L11の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第12層L12を視たとき、第12層L12は、第1層L1と同じ長方形状である。第12層L12は、第23電極部512と、第24電極部612と、ビア導体406と、第12絶縁部212と、によって構成されている。
【0081】
第23電極部512は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第12層L12を視たとき、第23電極部512は、第21電極部511と同じ寸法であり、且つ第21電極部511と同じ箇所に位置している。したがって、第23電極部512は、第21電極部511の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0082】
第24電極部612は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第12層L12を視たとき、第24電極部612は、第22電極部611と同じ寸法であり、且つ第22電極部611と同じ箇所に位置している。したがって、第24電極部612は、第22電極部611の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0083】
ビア導体406は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体406は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体406は、第6インダクタ導体306の第2端部306Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体406は、第6インダクタ導体306の第2端部306Bと電気的に接続している。そして、ビア導体406は、第6インダクタ導体306の第2端部306Bから第1負方向X2に延びている。
【0084】
第12層L12において、第23電極部512と、第24電極部612と、ビア導体406と、を除く部分は、第12絶縁部212である。第12絶縁部212は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0085】
第13層L13は、第12層L12の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第13層L13を視たとき、第13層L13は、第1層L1と同じ長方形状である。第13層L13は、第25電極部513と、第26電極部613と、第7インダクタ導体307と、第13絶縁部213と、によって構成されている。
【0086】
第25電極部513は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第13層L13を視たとき、第25電極部513は、第23電極部512と同じ寸法であり、且つ第23電極部512と同じ箇所に位置している。したがって、第25電極部513は、第23電極部512の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0087】
第26電極部613は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第13層L13を視たとき、第26電極部613は、第24電極部612と同じ寸法であり、且つ第24電極部612と同じ箇所に位置している。したがって、第26電極部613は、第24電極部612の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0088】
第7インダクタ導体307は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第13層L13を視たときに、第7インダクタ導体307は、全体として、概ね第13層L13の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第7インダクタ導体307の第1端部307Aは、略円形状になっている。第7インダクタ導体307の第1端部307Aは、ビア導体406の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第7インダクタ導体307の第1端部307Aは、ビア導体406に接続している。
【0089】
第7インダクタ導体307の第2端部307Bは、略円形状になっている。第1負方向X2を向いて第13層L13を視たとき、第2端部307Bは、第4インダクタ導体304の第2端部304Bと同じ箇所に位置している。そして、第1負方向X2を向いて第13層L13を視たときに、第7インダクタ導体307は、第1端部307Aから第2端部307Bに向かって時計回りに延びている。また、第7インダクタ導体307のターン数は、約0.5ターンである。第7インダクタ導体307の配線長は、約0.52単位である。第7インダクタ導体307の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0090】
第13層L13において、第25電極部513と、第26電極部613と、第7インダクタ導体307と、を除く部分は、第13絶縁部213である。第13絶縁部213は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0091】
第14層L14は、第13層L13の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第14層L14を視たとき、第14層L14は、第1層L1と同じ長方形状である。第14層L14は、第27電極部514と、第28電極部614と、ビア導体407と、第14絶縁部214と、によって構成されている。
【0092】
第27電極部514は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第14層L14を視たとき、第27電極部514は、第25電極部513と同じ寸法であり、且つ第25電極部513と同じ箇所に位置している。したがって、第27電極部514は、第25電極部513の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0093】
第28電極部614は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第14層L14を視たとき、第28電極部614は、第26電極部613と同じ寸法であり、且つ第26電極部613と同じ箇所に位置している。したがって、第28電極部614は、第26電極部613の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0094】
ビア導体407は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体407は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体407は、第7インダクタ導体307の第2端部307Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体407は、第7インダクタ導体307の第2端部307Bと電気的に接続している。そして、ビア導体407は、第7インダクタ導体307の第2端部307Bから第1負方向X2に延びている。
【0095】
第14層L14において、第27電極部514と、第28電極部614と、ビア導体407と、を除く部分は、第14絶縁部214である。第14絶縁部214は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0096】
第15層L15は、第14層L14の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第15層L15を視たとき、第15層L15は、第1層L1と同じ長方形状である。第15層L15は、第29電極部515と、第30電極部615と、第8インダクタ導体308と、第15絶縁部215と、によって構成されている。
【0097】
第29電極部515は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第15層L15を視たとき、第29電極部515は、第27電極部514と同じ寸法であり、且つ第27電極部514と同じ箇所に位置している。したがって、第29電極部515は、第27電極部514の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0098】
第30電極部615は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第15層L15を視たとき、第30電極部615は、第28電極部614と同じ寸法であり、且つ第28電極部614と同じ箇所に位置している。したがって、第30電極部615は、第28電極部614の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0099】
第8インダクタ導体308は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第15層L15を視たときに、第8インダクタ導体308は、全体として、概ね第15層L15の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第8インダクタ導体308の第1端部308Aは、略円形状になっている。第8インダクタ導体308の第1端部308Aは、ビア導体407の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第8インダクタ導体308の第1端部308Aは、ビア導体407に接続している。
【0100】
第8インダクタ導体308の第2端部308Bは、略円形状になっている。第1負方向X2を向いて第15層L15を視たとき、第2端部308Bは、第3インダクタ導体303の第2端部303Bと同じ箇所に位置している。そして、第1負方向X2を向いて第15層L15を視たときに、第8インダクタ導体308は、第1端部308Aから第2端部308Bに向かって時計回りに延びている。また、第8インダクタ導体308のターン数は、約1ターンである。第8インダクタ導体308の配線長は、0.78単位である。第8インダクタ導体308の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0101】
第15層L15において、第29電極部515と、第30電極部615と、第8インダクタ導体308と、を除く部分は、第15絶縁部215である。第15絶縁部215は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0102】
第16層L16は、第15層L15の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第16層L16を視たとき、第16層L16は、第1層L1と同じ長方形状である。第16層L16は、第31電極部516と、第32電極部616と、ビア導体408と、第16絶縁部216と、によって構成されている。
【0103】
第31電極部516は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第16層L16を視たとき、第31電極部516は、第29電極部515と同じ寸法であり、且つ第29電極部515と同じ箇所に位置している。したがって、第31電極部516は、第29電極部515の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0104】
第32電極部616は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第16層L16を視たとき、第32電極部616は、第30電極部615と同じ寸法であり、且つ第30電極部615と同じ箇所に位置している。したがって、第32電極部616は、第30電極部615の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0105】
ビア導体408は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体408は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体408は、第8インダクタ導体308の第2端部308Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体408は、第8インダクタ導体308の第2端部308Bと電気的に接続している。そして、ビア導体408は、第8インダクタ導体308の第2端部308Bから第1負方向X2に延びている。
【0106】
第16層L16において、第31電極部516と、第32電極部616と、ビア導体408と、を除く部分は、第16絶縁部216である。第16絶縁部216は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0107】
第17層L17は、第16層L16の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第17層L17を視たとき、第17層L17は、第1層L1と同じ長方形状である。第17層L17は、第33電極部517と、第34電極部617と、第9インダクタ導体309と、第17絶縁部217と、によって構成されている。
【0108】
第33電極部517は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第17層L17を視たとき、第33電極部517は、第31電極部516と同じ寸法であり、且つ第31電極部516と同じ箇所に位置している。したがって、第33電極部517は、第31電極部516の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0109】
第34電極部617は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第17層L17を視たとき、第34電極部617は、第32電極部616と同じ寸法であり、且つ第32電極部616と同じ箇所に位置している。したがって、第34電極部617は、第32電極部616の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0110】
第9インダクタ導体309は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第17層L17を視たときに、第9インダクタ導体309は、全体として、概ね第9層L9の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第9インダクタ導体309の第1端部309Aは、略円形状になっている。第9インダクタ導体309の第1端部309Aは、ビア導体408の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第9インダクタ導体309の第1端部309Aは、ビア導体408に接続している。
【0111】
第9インダクタ導体309の第2端部309Bは、略円形状になっている。第1負方向X2を向いて第17層L17を視たとき、第2端部309Bは、第6インダクタ導体306の第2端部306Bと同じ箇所に位置している。そして、第1負方向X2を向いて第17層L17を視たときに、第9インダクタ導体309は、第1端部309Aから第2端部309Bに向かって時計回りに延びている。また、第9インダクタ導体309のターン数は、約1ターンである。第9インダクタ導体309の配線長は、0.78単位である。第9インダクタ導体309の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0112】
第17層L17において、第33電極部517と、第34電極部617と、第9インダクタ導体309と、を除く部分は、第17絶縁部217である。第17絶縁部217は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0113】
第18層L18は、第17層L17の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第18層L18を視たとき、第18層L18は、第1層L1と同じ長方形状である。第18層L18は、第35電極部518と、第36電極部618と、ビア導体409と、第18絶縁部218と、によって構成されている。
【0114】
第35電極部518は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第18層L18を視たとき、第35電極部518は、第33電極部517と同じ寸法であり、且つ第33電極部517と同じ箇所に位置している。したがって、第35電極部518は、第33電極部517の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0115】
第36電極部618は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第18層L18を視たとき、第36電極部618は、第34電極部617と同じ寸法であり、且つ第34電極部617と同じ箇所に位置している。したがって、第36電極部618は、第34電極部617の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0116】
ビア導体409は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体409は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体409は、第9インダクタ導体309の第2端部309Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体409は、第9インダクタ導体309の第2端部309Bと電気的に接続している。そして、ビア導体409は、第9インダクタ導体309の第2端部309Bから第1負方向X2に延びている。
【0117】
第18層L18において、第35電極部518と、第36電極部618と、ビア導体409と、を除く部分は、第18絶縁部218である。第18絶縁部218は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0118】
第19層L19は、第18層L18の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第19層L19を視たとき、第19層L19は、第1層L1と同じ長方形状である。第19層L19は、第37電極部519と、第38電極部619と、第10インダクタ導体310と、第19絶縁部219と、によって構成されている。
【0119】
第37電極部519は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第19層L19を視たとき、第37電極部519は、第35電極部518と同じ寸法であり、且つ第35電極部518と同じ箇所に位置している。したがって、第37電極部519は、第35電極部518の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0120】
第38電極部619は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第19層L19を視たとき、第38電極部619は、第36電極部618と同じ寸法であり、且つ第36電極部618と同じ箇所に位置している。したがって、第38電極部619は、第36電極部618の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0121】
第10インダクタ導体310は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第19層L19を視たときに、第10インダクタ導体310の形状及び配置は、第7インダクタ導体307と同じである。第10インダクタ導体310は、第1端部310Aから第2端部310Bに向かって時計回りに延びている。また、第10インダクタ導体310のターン数は、約0.5ターンである。第10インダクタ導体310の配線長は、約0.52単位である。また、第10インダクタ導体310の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0122】
第19層L19において、第37電極部519と、第38電極部619と、第5インダクタ導体305と、を除く部分は、第19絶縁部219である。第19絶縁部219は、第1絶縁部201と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0123】
第20層L20は、第19層L19の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第20層L20を視たとき、第20層L20は、第1層L1と同じ長方形状である。第20層L20は、第39電極部520と、第40電極部620と、ビア導体410と、第20絶縁部220と、によって構成されている。
【0124】
第39電極部520は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第20層L20を視たとき、第39電極部520は、第37電極部519と同じ寸法であり、且つ第37電極部519と同じ箇所に位置している。したがって、第39電極部520は、第37電極部519の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0125】
第40電極部620は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第20層L20を視たとき、第40電極部620は、第38電極部619と同じ寸法であり、且つ第38電極部619と同じ箇所に位置している。したがって、第40電極部620は、第38電極部619の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0126】
ビア導体410は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体410の形状及び配置は、ビア導体407と同じある。
第20層L20において、第39電極部520と、第40電極部620と、ビア導体410と、を除く部分は、第20絶縁部220である。第20絶縁部220は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0127】
第21層L21は、第20層L20の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第21層L21を視たとき、第21層L21は、第1層L1と同じ長方形状である。第21層L21は、第41電極部521と、第42電極部621と、第11インダクタ導体311と、第21絶縁部221と、によって構成されている。
【0128】
第41電極部521は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第21層L21を視たとき、第41電極部521は、第39電極部520と同じ寸法であり、且つ第39電極部520と同じ箇所に位置している。したがって、第41電極部521は、第39電極部520の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0129】
第42電極部621は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第21層L21を視たとき、第42電極部621は、第40電極部620と同じ寸法であり、且つ第40電極部620と同じ箇所に位置している。したがって、第42電極部621は、第40電極部620の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0130】
第11インダクタ導体311は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第21層L21を視たときに、第11インダクタ導体311は、全体として、概ね第21層L21の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第11インダクタ導体311の第1端部311Aは略円形状になっている。第11インダクタ導体311の第1端部311Aは、ビア導体410の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第11インダクタ導体311の第1端部311Aは、ビア導体410に接続している。
【0131】
第11インダクタ導体311の第2端部311Bは、略円形状である。第1負方向X2を向いて第21層L21を視たとき、第11インダクタ導体311の第2端部311Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第21層L21の略幾何中心である。第11インダクタ導体311の第2端部311Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第21層L21の幾何中心に対して第3正方向Z1側である。そして、第1負方向X2を向いて第21層L21を視たときに、第11インダクタ導体311は、第1端部311Aから第2端部311Bに向かって時計回りに延びている。また、第11インダクタ導体311のターン数は、約0.5ターンである。第11インダクタ導体311の配線長は、約0.52単位である。第11インダクタ導体311の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0132】
第21L21において、第41電極部521と、第42電極部621と、第11インダクタ導体311と、を除く部分は、第21絶縁部221である。第21絶縁部221は、第1絶縁部201と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0133】
第22層L22は、第21層L21の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第22層L22を視たとき、第22層L22は、第1層L1と同じ長方形状である。第22層L22は、第43電極部522と、第44電極部622と、ビア導体411と、第22絶縁部222と、によって構成されている。
【0134】
第43電極部522は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第22層L22を視たとき、第43電極部522は、第41電極部521と同じ寸法であり、且つ第41電極部521と同じ箇所に位置している。したがって、第43電極部522は、第41電極部521の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0135】
第44電極部622は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第22層L22を視たとき、第44電極部622は、第42電極部621と同じ寸法であり、且つ第42電極部621と同じ箇所に位置している。したがって、第44電極部622は、第42電極部621の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0136】
ビア導体411は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。ビア導体411は、第1軸Xに沿って延びる円柱状である。ビア導体411は、第11インダクタ導体311の第2端部311Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア導体411は、第11インダクタ導体311の第2端部311Bと電気的に接続している。そして、ビア導体411は、第11インダクタ導体311の第2端部311Bから第1負方向X2に延びている。
【0137】
第22層L22において、第43電極部522と、第44電極部622と、ビア導体411と、を除く部分は、第22絶縁部222である。第22絶縁部222は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0138】
第23層L23は、第22層L22の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第23層L23を視たとき、第23層L23は、第1層L1と同じ長方形状である。第23層L23は、第45電極部523と、第46電極部623と、第12インダクタ導体312と、第23絶縁部223と、によって構成されている。
【0139】
第45電極部523は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第23層L23を視たとき、第45電極部523は、第43電極部522と同じ寸法であり、且つ第43電極部522と同じ箇所に位置している。したがって、第45電極部523は、第43電極部522の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0140】
第46電極部623は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第23層L23を視たとき、第46電極部623は、第44電極部622と同じ寸法であり、且つ第44電極部622と同じ箇所に位置している。したがって、第46電極部623は、第44電極部622の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0141】
第12インダクタ導体312は、第1インダクタ導体301と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第23層L23を視たときに、第12インダクタ導体312は、全体として、概ね第23層L23の幾何中心を中心として渦巻状に延びている。第12インダクタ導体312の第1端部312Aは、略円形状になっている。第12インダクタ導体312の第1端部312Aは、ビア導体411の第1負方向X2を向く面上に位置している。そのため、第12インダクタ導体312の第1端部312Aは、ビア導体411に接続している。
【0142】
第12インダクタ導体312の第2端部312Bは、第1負方向X2を向いて視たときに第1層L1~第23層L23におけるインダクタ導体30が重なって構成される周回経路から外れた部分である。当該第2端部312Bは、第46電極部623の第3軸Zに沿う方向における第3負方向Z2側の端部に接続している。そして、第1負方向X2を向いて第23層L23を視たときに、第12インダクタ導体312は、第1端部312Aから第2端部312Bに向かって時計回りに延びている。なお、第12インダクタ導体312の第2端部312Bは、インダクタ配線12全体の第2端である。また、第12インダクタ導体312のターン数は、約0.5ターンである。第2端部312Bを除き、第1端部312Aを含む第12インダクタ導体312の配線長は、0.52単位である。第12インダクタ導体312の配線幅は、第1インダクタ導体301の配線幅と同じである。
【0143】
第23層L23において、第45電極部523と、第46電極部623と、第12インダクタ導体312と、を除く部分は、第23絶縁部223である。第23絶縁部223は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0144】
素体11は、第1被覆絶縁層71と、第2被覆絶縁層72と、を有している。第1被覆絶縁層71は、第1層L1の第1正方向X1を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第1被覆絶縁層71を視たとき、第1被覆絶縁層71は、第1層L1と同じ長方形状である。第1被覆絶縁層71は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0145】
第2被覆絶縁層72は、第23層L23の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第2被覆絶縁層72を視たとき、第2被覆絶縁層72は、第1層L1と同じ長方形状である。
【0146】
第2被覆絶縁層72は、第47電極部524と、第48電極部624と、第24絶縁部224を有している。
第47電極部524は、第1電極部501と同じ材料からなっている。第47電極部524は、第2被覆絶縁層72における第2正方向Y1の端面から第2被覆絶縁層72における第1負方向X2側の主面に跨って露出している。また、第1負方向X2を向いて視たときに、第47電極部524の一部は、第45電極部523と重複している。第47電極部524の一部は、第45電極部523に接続している。
【0147】
第48電極部624は、第2電極部601と同じ材料からなっている。第48電極部624は、第2被覆絶縁層72における第2負方向Y2の端面から第2被覆絶縁層72における第1負方向X2側の主面に跨って露出している。また、第1負方向X2を向いて視たときに、第48電極部624の一部は、第46電極部623と重複している。第48電極部624の一部は、第46電極部623に接続している。
【0148】
第24絶縁部224は、第2被覆絶縁層72において、第47電極部524と、第48電極部624と、を除く部分である。第24絶縁部224は、第1絶縁部201と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0149】
なお、第1被覆絶縁層71は、複数の絶縁層が積層されて構成されていてもよい。また、絶縁層のうちの一部の層が、着色されていてもよい。この点、第2被覆絶縁層72においても同様である。
【0150】
上述した第1絶縁部201~第24絶縁部224と、第1被覆絶縁層71と、は一体化されている。したがって、第1絶縁部201~第24絶縁部224と、第1被覆絶縁層71と、における絶縁体との間に、物理的な境界はないこともある。以下では、これらを区別する必要がない場合には、絶縁部20と総称する。
【0151】
上述した各インダクタ導体30と各ビア導体40とは、第1軸Xに沿う方向において、交互に積層されている。すなわち、各インダクタ導体30は、第1軸Xに沿って互いに離れて位置している。そして、各ビア導体40は、第1軸Xに沿う方向で隣り合うインダクタ導体30同士を接続している。
【0152】
また、インダクタ配線12は一体化している。すなわち、第1インダクタ導体301~第12インダクタ導体312と、ビア導体401~ビア導体411と、は一体化されている。したがって、これらの物理的な境界はないこともある。そして、インダクタ配線12は、全体として、螺旋状に巻き回されている。そして、インダクタ配線12における巻き回しの中心軸は、第1軸Xに沿う軸である。
【0153】
さらに、上述した第1電極部501~第47電極部524は、一体化している。そして、これらが合わさって、第1電極50になっている。同様に、上述した第2電極部601~第48電極部624は一体化している。そして、これらが合わさって、第2電極60になっている。
【0154】
そして、本実施形態においては、絶縁部20と、第1電極50と、第2電極60と、によって、積層インダクタ部品10の素体11が構成されている。なお、素体11は、焼結されている。そして、インダクタ配線12は、素体11の内部で延びている。なお、インダクタ配線12と、第1電極50と、第2電極60とは、一体化していてもよい。したがって、インダクタ配線12と第1電極50との間、及びインダクタ配線12と第2電極60との間に、物理的な境界がないこともある。
【0155】
第1層L1~第23層L23、第1被覆絶縁層71、および第2被覆絶縁層72が積層された結果、図1に示すように、素体11は、全体として直方体状になっている。なお、第1電極50は、第1端面11Eから底面11Aにかけての領域で素体11の外部に露出している。また、第2電極60は、第2端面11Fから底面11Aにかけての領域で素体11の外部に露出している。すなわち、第1電極50及び第2電極60は、天面11Bにおいては素体11の外部に露出していない。
【0156】
図1に示すように、積層インダクタ部品10は、第1被覆電極81と、第2被覆電極82と、を備えている。第1被覆電極81は、第1電極50のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。第1被覆電極81は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。なお、第1電極50が素体11から外部に露出している箇所とは、第1電極50において素体11に覆われていない箇所を示す。したがって、第1電極50が他の層に覆われていても、素体11から外部に露出している、という。
【0157】
第2被覆電極82は、第2電極60のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。第2被覆電極82は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。なお、図2においては、第1被覆電極81と第2被覆電極82との図示を省略している。
【0158】
<導体面積について>
ここで、第1軸Xに沿う方向を向いて視たときの各インダクタ導体30の面積を導体面積とする。また、本実施形態において、インダクタ配線12は、12個のインダクタ導体30を有している。さらに、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30の導体面積を天面側導体面積TAとする。具体的には、第1インダクタ導体301、第2インダクタ導体302、第3インダクタ導体303、第4インダクタ導体304、第5インダクタ導体305、及び第6インダクタ導体306の導体面積の合計が天面側導体面積TAである。一方、第1軸Xに沿う方向において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30の導体面積を底面側導体面積BAとする。具体的には、第7インダクタ導体307、第8インダクタ導体308、第9インダクタ導体309、第10インダクタ導体310、第11インダクタ導体311、及び第12インダクタ導体312の導体面積の合計が底面側導体面積BAである。このとき、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、1.1倍以上である。また、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、2倍以下である。
【0159】
なお、インダクタ導体30の面積は、次のように測定する。先ず、素体11において、第1層L1が露出するように研磨する。そして、画像解析ソフトを用いて、当該断面における第1インダクタ導体301の導体面積を測定する。次いで、第2層L2が露出するように研磨する。同様に、画像解析ソフトを用いて、第2インダクタ導体302の導体面積を測定する。これを繰り返し、各インダクタ導体30の導体面積を測定する。ただし、第1インダクタ導体301の導体面積は、第2端部301Bの面積を含み、第1端部301Aの面積を含まない。また、第12インダクタ導体312の導体面積は、第1端部312Aの面積を含み、第2端部312Bの面積を含まない。一方で、第2インダクタ導体302の導体面積は、第1端部302Aの面積と、第2端部302Bの面積とを含む。この点第3インダクタ導体303~第11インダクタ導体311の導体面積についても同様である。すなわち、導体面積は、第1負方向X2を向いて透視したときに、各インダクタ導体30が重なり合っている部分の面積として測定される。
【0160】
ここで、上述したように、各インダクタ導体30の配線幅は、ほぼ同じである。したがって、導体面積の比は、配線長の比と略等しい。そして、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までの各インダクタ導体30の配線長の合計は、約6.09単位である。また、第1軸Xに沿う方向において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30の配線長の合計は、約3.65単位である。したがって、具体的には、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、約1.67倍である。なお、第1インダクタ導体301の第2端部301B、及びその他の略円形状となった各端部の大きさによっては、導体面積の比と、配線長の比は等しくない場合がある。
【0161】
上述したように、第2インダクタ導体302及び第4インダクタ導体304は、インダクタ導体30の中で最も配線長が長い。したがって、最も導体面積の大きいインダクタ導体30は、上記2つのインダクタ導体30である。換言すると、最も導体面積の大きいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30に含まれている。
【0162】
また、上述したように、第7インダクタ導体307、第10インダクタ導体310、第11インダクタ導体311、第12インダクタ導体312がインダクタ導体30の中で最も配線長が短い。したがって、最も導体面積の小さいインダクタ導体30は、第7インダクタ導体307、第10インダクタ導体310、第11インダクタ導体311、第12インダクタ導体312である。換言すると、最も導体面積の小さいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30に含まれている。
【0163】
また、第12インダクタ導体312は、最も導体面積の小さいインダクタ導体30のうちのひとつである。すなわち、複数のインダクタ導体30導体面積のうち、第1軸Xに沿う方向において底面11Aに最も近いインダクタ導体30の導体面積が最小である。
【0164】
また、インダクタ導体30の最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、1.3倍以上、且つ2.1倍以下である。具体的には、最も導体面積の大きいインダクタ導体30である第2インダクタ導体302及び第4インダクタ導体304の配線長は、約1.04単位である。一方、最も導体面積の小さいインダクタ導体30である第7インダクタ導体307、第10インダクタ導体310、第11インダクタ導体311、第12インダクタ導体312の配線長は、0.52単位である。したがって、インダクタ導体30の最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、約2.0倍である。
【0165】
<比較例の積層インダクタ部品について>
次に、比較例となる積層インダクタ部品10について説明する。
図3に示すように、積層インダクタ部品10Pは、インダクタ配線12Pを備えている。インダクタ配線12Pは、12個のインダクタ導体30Pと、11個のビア導体40Pとを有している。積層インダクタ部品10Pは、上記実施形態と同様にインダクタ導体30Pを有する層と、ビア導体40Pとを有する層とが交互に重ねられている。なお、比較例の積層インダクタ部品10Pは、上記の積層インダクタ部品10に対して、インダクタ導体30P以外の構成は共通である。したがって、比較例の積層インダクタ部品10Pにおいて、上記の積層インダクタ部品10に共通する構成は、共通の符号を付して説明を省略する。また、積層インダクタ部品10と比較例の積層インダクタ部品10Pとでは、インダクタ導体の総ターン数が互いに等しい。そして、以下では、インダクタ導体30Pについてのみ説明する。
【0166】
第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1インダクタ導体301Pの形状及び配置は、上記実施形態における第1インダクタ導体301と同じである。したがって、第1インダクタ導体301Pのターン数は約1.5ターンである。
【0167】
第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2インダクタ導体302Pは、第1端部302PAから第2端部302PBに向かって時計回りに延びている。第2インダクタ導体302Pのターン数は、約1.25ターンである。ここで、第1端部301PAを除き第2端部301PBを含む第1インダクタ導体301Pの配線長を1単位とする。このとき、第2インダクタ導体302Pの配線長は、約0.83単位である。
【0168】
第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3インダクタ導体303Pは、第1端部303PAから第2端部303PBに向かって時計回りに延びている。第3インダクタ導体303Pのターン数は、約1ターンである。第3インダクタ導体303Pの配線長は、約0.78単位である。
【0169】
第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4インダクタ導体304Pの形状及び配置は、第2インダクタ導体302Pの2回対称である。したがって、第4インダクタ導体304Pのターン数は、約1.25ターンである。また、第4インダクタ導体304Pの配線長は、約0.83単位である。
【0170】
第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5インダクタ導体305Pの形状及び配置は、第3インダクタ導体303Pの2回対称である。したがって、第5インダクタ導体305Pのターン数は、約1ターンである。また、第5インダクタ導体305Pの配線長は、約0.78単位である。
【0171】
第1負方向X2を向いて第11層L11を視たときに、第6インダクタ導体306Pの形状及び配置は、第2インダクタ導体302Pと同じである。したがって、第6インダクタ導体306Pのターン数は、約1.25ターンである。また、第6インダクタ導体306Pの配線長は、約0.83単位である。
【0172】
第1負方向X2を向いて第13層L13を視たときに、第7インダクタ導体307Pの形状及び配置は、第3インダクタ導体303Pと同じである。したがって、第7インダクタ導体307Pのターン数は、約1ターンである。また、第5インダクタ導体305Pの配線長は、約0.78単位である。
【0173】
第1負方向X2を向いて第15層L15を視たときに、第8インダクタ導体308Pの形状及び配置は、第4インダクタ導体304Pと同じである。したがって、第8インダクタ導体308Pのターン数は、約1.25ターンである。また、第8インダクタ導体308Pの配線長は、約0.83単位である。
【0174】
第1負方向X2を向いて第17層L17を視たときに、第9インダクタ導体309Pの形状及び配置は、第5インダクタ導体305Pと同じである。したがって、第9インダクタ導体309Pのターン数は、約1ターンである。また、第9インダクタ導体309Pの配線長は、約0.78単位である。
【0175】
第1負方向X2を向いて第19層L19を視たときに、第10インダクタ導体310Pの形状及び配置は、第6インダクタ導体306Pと同じである。したがって、第10インダクタ導体310Pのターン数は、約1.25ターンである。また、第10インダクタ導体310Pの配線長は、約0.83単位である。
【0176】
第1負方向X2を向いて第21層L21を視たときに、第11インダクタ導体311Pの形状及び配置は、第7インダクタ導体307Pと同じである。したがって、第11インダクタ導体311Pのターン数は、約1ターンである。また、第11インダクタ導体311Pの配線長は、約0.78単位である。
【0177】
第1負方向X2を向いて第23層L23を視たときに、第12インダクタ導体312Pは、第1端部312PAから第2端部312PBに向かって時計回りに延びている。第12インダクタ導体312Pのターン数は、約1ターンである。第12インダクタ導体312Pの配線長は、約0.78単位である。
【0178】
積層インダクタ部品10Pにおける各インダクタ導体30Pの配線幅は、第1端部及び第2端部を除き一定である。したがって、各インダクタ導体30Pの導体面積は、各インダクタ導体30Pの配線長に比例する。
【0179】
上記比較例の積層インダクタ部品10Pにおける天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、約1.05倍である。すなわち、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、1.1倍未満である。
【0180】
<シミュレーションについて>
図4に示すように、積層インダクタ部品10及び比較例の積層インダクタ部品10Pに特定の電圧を与えたときのインダクタンス値及びQ値をシミュレーションした。シミュレーションでは、積層インダクタ部品10と比較例の積層インダクタ部品10Pとにおいて、それぞれのインダクタ導体の配線幅を変更した。具体的には、シミュレーションにおける配線幅は、第1線幅MW1、第2線幅MW2、第3線幅MW3とした。第2線幅MW2は、第1線幅MW1よりも配線幅が細い。第3線幅MW3は、第2線幅MW2よりも配線幅が細い。また、第1線幅MW1~第3線幅MW3での交流電圧の周波数は、500MHzとした。図4では、第1線幅MW1での試験結果を四角形で、第2線幅MW2での試験結果を三角形で、第3線幅MW3での試験結果を丸で示している。
【0181】
第1線幅MW1では、積層インダクタ部品10のQ値は、比較例の積層インダクタ部品10PのQ値よりも僅かに高かった。第2線幅MW2では、積層インダクタ部品10のQ値は、比較例の積層インダクタ部品10PのQ値よりも高かった。第3線幅MW3では、積層インダクタ部品10のQ値は、比較例の積層インダクタ部品10PのQ値よりも高かった。すなわち、どの配線幅においても、積層インダクタ部品10のQ値は、比較例の積層インダクタ部品10PのQ値よりも高かった。
【0182】
また、第1線幅MW1~第3線幅MW3のいずれの場合でも、比較例の積層インダクタ部品10Pに比較して、積層インダクタ部品10のインダクタンス値が低下した。ただし、配線幅が細いほど、インダクタンス値の低下量は抑えられた。
【0183】
<本実施形態の効果>
(1)上記実施形態では、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、1.1倍以上である。このような構成によれば、底面11Aと近い側において、第1電極50及び第2電極60と向かい合うインダクタ導体30の導体面積を低減できる。これにより、各電極とインダクタ導体30との間で発生する浮遊容量を低減できる。したがって、積層インダクタ部品10におけるQ値を向上できる。
【0184】
また、上記構成では、天面側導体面積TAの合計は、底面側導体面積BAの合計より大きい。すなわち、インダクタ導体30と各電極との間で発生する浮遊容量に寄与しにくい箇所でインダクタ導体30の導体面積を確保できる。したがって、上記構成によれば、積層インダクタ部品10のインダクタンス値が低下することを抑制できる。
【0185】
(2)底面側導体面積BAと、天面側導体面積TAの合計との差が大きいほど、当該積層インダクタ部品10を焼結したときに発生する内部応力が大きくなる。そして、当該内部応力に起因して、積層インダクタ部品10にクラック等が生じるおそれがある。上記実施形態では、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、2倍以下である。すなわち、上記構成によれば、積層インダクタ部品10の内部応力の増加を抑制できる。
【0186】
(3)仮に、積層インダクタ部品10において、インダクタ導体30の配線幅が異なるとする。例えば、第7インダクタ導体307~第12インダクタ導体312の配線幅が、第1インダクタ導体301~第6インダクタ導体306の配線幅よりも小さいとする。そして、この配線幅の大小に起因して、天面側導体面積TAの合計が、底面側導体面積BAの合計より大きくなっているとする。
【0187】
この場合、第7インダクタ導体307~第12インダクタ導体312の各インダクタ導体30の延びる方向に直交する各断面積は、第1インダクタ導体301~第6インダクタ導体306の各インダクタ導体30の延びる方向に直交する各断面積に対して小さい。断面積が小さい場合、積層インダクタ部品10の使用時に発生する熱及び焼成時の熱等による断線リスクが高くなる。
【0188】
上記実施形態では、各インダクタ導体30の配線幅は、同じである。すなわち、各インダクタ導体30において当該インダクタ導体30が延びる方向に直交する断面積は、同じである。その結果、上記構成によれば、上述したようなインダクタ導体30の断線リスクを低減できる。
【0189】
(4)上記実施形態では、インダクタ導体30の最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、1.3倍以上、且つ2.1倍以下である。具体的には、インダクタ導体30の最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、約2倍である。このように、インダクタ導体30の最大の導体面積と最小の導体面積との差が極端でない。そのため、導体面積が最大のインダクタ導体30と導体面積が最小のインダクタ導体30との間の部分に、大きな内部応力が生じることを防げる。なお、Q値の改善という観点からすると、インダクタ導体30の最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、1.3倍以上であることが好ましい。
【0190】
(5)上記実施形態では、最も導体面積の大きいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30である。すなわち、底面11Aからの距離が遠い側において導体面積が大きいインダクタ導体30を配置されている。この構成によれば、各電極とインダクタ導体30との間で発生する浮遊容量を、より効果的に抑制できる。
【0191】
(6)上記実施形態では、底面11Aの長辺の長さは、0.4mmである。底面11Aの短辺の長さは、0.2mmである。このように、小型の積層インダクタ部品10では、各電極とインダクタ導体30との距離が近くなりやすい。すなわち、このような小型の積層インダクタ部品10では、浮遊容量が大きくなりやすい。したがって、このような小型の積層インダクタ部品10に、上記導体面積に関する構成を適用することは、特に好適である。
【0192】
(7)仮に、天面11B側にも各電極が位置している場合、天面11B側の電極とインダクタ導体30との間に、浮遊容量が発生し得る。上記実施形態において、各電極は、天面11Bにおいては素体11の外部に露出していない。上記実施形態では、上述したような浮遊容量の発生を防止できる。
【0193】
(8)上記実施形態では、底面側導体面積BAは、天面側導体面積TAに対して小さい。このような構成では、底面側導体面積BAが天面側導体面積TAと同程度の構成と比較して、底面11Aに近い側では素体11において絶縁部20の体積比率が大きくなる。また、絶縁部20の材質は、インダクタ導体30の材質よりも強度が高い。そのため、上記実施形態では、積層インダクタ部品10を基板等に実装する際、素体11が基板等に衝突したとしても、素体11に欠け及び割れが生じにくい。
【0194】
(9)上記実施形態では、最も導体面積の小さいインダクタ導体30は、最も底面11Aに近いインダクタ導体30である。底面側導体面積BAに対する天面側導体面積TAの比が同一であれば、最も底面11Aに近いインダクタ導体30の導体面積が小さいほど、Q値の改善に繋がる。
【0195】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0196】
・素体11は、第1軸Xに沿う方向に長い直方体であってもよいし、第3軸Zに沿う方向に長い直方体であってもよい。
・素体11は、第1軸Xに沿う方向の寸法、第2軸Yに沿う方向の寸法、及び第3軸Zに沿う方向の寸法が等しい直方体であってもよい。すなわち、底面11Aの長辺及び短辺の長さは、上記実施形態の例に限定されない。なお、(6)に記載の効果を得るためには、底面11Aの長辺の長さは、0.63mm以下、底面11Aの短辺の長さは、0.33mm以下であることが好ましい。
【0197】
・絶縁部20の材質は、上記実施形態の例に限られず、絶縁体であればよい。例えば、絶縁部20の材質は、磁性の絶縁体であってもよい。また、絶縁部20の一部が、他の部分と異なる非磁性または磁性の絶縁体であってもよい。
【0198】
・第1電極50及び第2電極60は、底面11Aにおいて素体11の外部に露出していれば、その形状、位置は問わない。例えば、第1電極50は、素体11のうちの第2端面11F以外の5面を覆う5面電極であってもよい。また、第1電極50は、底面11Aのみに露出する構成でもよい。この点、第2電極60も同様である。
【0199】
・第1被覆電極81及び第2被覆電極82は、3層以上で構成されていてもよい。また、第1被覆電極81及び第2被覆電極82における各層の材質も、導電性の材質であれば採用できる。さらに、第1被覆電極81及び第2被覆電極82は、省略してもよい。
【0200】
・天面側導体面積TAが底面側導体面積BAに対して1.1倍以上という要件を満たすのであれば、インダクタ導体30毎に配線幅が異なっていてもよい。また、第1層L1~第23層L23の厚みは、それぞれ異なっていてもよい。すなわち、インダクタ導体30毎に厚みが異なっていてもよい。
【0201】
・インダクタ導体30の総数は、上記実施形態よりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、インダクタ導体30の総数をNとしたとき、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までのインダクタ導体30の導体面積の合計を、天面側導体面積TAとする。また、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までのインダクタ導体30の導体面積の合計を底面側導体面積BAとする。つまり、インダクタ導体30の総数が奇数の場合、第1軸Xに沿う方向において中央のインダクタ導体30の導体面積は、天面側導体面積TA及び底面側導体面積BAのいずれにも属さない。
【0202】
・天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAの1.1倍以上であれば、その倍率は限定されない。ただし、(2)に記載の効果を得るためには、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAの2倍以下であることが好ましい。
【0203】
・最大の導体面積は、最小の導体面積に対して、1.3倍より小さくてもよい。また、(2)の効果を得るためには、最大の導体面積は、最小の導体面積の2.1倍以下であることが好ましい。
【0204】
・最も導体面積の小さいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30のいずれかであれば、どのインダクタ導体30でもよい。また、最も導体面積の大きいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30のいずれかであれば、どのインダクタ導体30であってもよい。
【0205】
・さらに、最も導体面積の大きいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30のいずれかであってもよい。同様に、最も導体面積の小さいインダクタ導体30は、第1軸Xに沿う方向において、天面11Bに最も近いインダクタ導体30から数えて6番目までのインダクタ導体30のいずれかであってもよい。これらの場合でも、全体として天面側導体面積TAが底面側導体面積BAに対して、1.1倍以上であればよい。
【0206】
・上記実施形態において、天面側導体面積TAが底面側導体面積BAに対して、1.1倍以上であれば、導体面積の大きなインダクタ導体30が、天面11Bに近い側に集中していなくてもよい。
【0207】
例えば、インダクタ導体30の総数をNとし、互いに異なるX及びYを1以上N未満の整数としたとする。このとき、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてX番目のインダクタ導体30の導体面積が、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてX+1番目のインダクタ導体30の導体面積よりも大きくてもよい。また、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてY番目のインダクタ導体30の導体面積が、底面11Aに最も近いインダクタ導体30から数えてY+1番目のインダクタ導体30の導体面積よりも小さいてもよい。すなわち、上記関係を満たすX及びYが1つ以上存在していてもよい。
【0208】
例えば、図5に示す積層インダクタ部品10Sは、インダクタ配線12Sを備えている。インダクタ配線12Sは、12個のインダクタ導体30Sと、11個のビア導体40Sとを有している。積層インダクタ部品10Sは、上記実施形態と同様にインダクタ導体30Sを有する層と、ビア導体40Sとを有する層とが交互に重ねられている。なお、図5の積層インダクタ部品10Sは、上記実施形態の積層インダクタ部品10に対して、インダクタ導体30S以外の構成は共通である。したがって、図5の積層インダクタ部品10Sにおいて、上記実施形態の積層インダクタ部品10に共通する構成は、共通の符号を付して説明を省略する。以下では、インダクタ導体30Sについてのみ説明する。
【0209】
第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1インダクタ導体301Sの形状及び配置は、上記実施形態における第1インダクタ導体301と同じである。したがって、第1インダクタ導体301Sのターン数は約1.5ターンである。
【0210】
第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2インダクタ導体302Sの形状及び配置は、上記実施形態における第2インダクタ導体302と同じである。したがって、第2インダクタ導体302Sのターン数は、約1.75ターンである。ここで、第1端部301SAを除き第2端部301SBを含む第1インダクタ導体301Sの配線長を1単位とする。このとき、第2インダクタ導体302Sの配線長は、約1.04単位である。
【0211】
第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3インダクタ導体303Sは、第1端部303SAから第2端部303SBに向かって時計回りに延びている。第3インダクタ導体303Sのターン数は、約0.5ターンである。第3インダクタ導体303Sの配線長は、約0.86単位である。
【0212】
第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4インダクタ導体304Sの形状は、上記実施形態における第7インダクタ導体307と同じである。したがって、第4インダクタ導体304Sのターン数は、約0.5ターンである。第4インダクタ導体304Sの配線長は、約0.52単位である。
【0213】
第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5インダクタ導体305Sの形状は、上記実施形態における第5インダクタ導体305と同じである。したがって、第5インダクタ導体305Sのターン数は、約1.5ターンである。第5インダクタ導体305Sの配線長は、約1単位である。
【0214】
第1負方向X2を向いて第11層L11を視たときに、第6インダクタ導体306Sの形状及び配置は、上記実施形態における第6インダクタ導体306と同じである。したがって、第6インダクタ導体306Sのターン数は、約1.5ターンである。第6インダクタ導体306Sの配線長は、約1単位である。
【0215】
第1負方向X2を向いて第13層L13を視たときに、第7インダクタ導体307Sの形状及び配置は、上記実施形態における第7インダクタ導体307と同じである。第7インダクタ導体307Sのターン数は、約0.5ターンである。第7インダクタ導体307Sの配線長は、約0.52単位である。
【0216】
第1負方向X2を向いて第15層L15を視たときに、第8インダクタ導体308Sの形状及び配置は、第3インダクタ導体303Sを第2軸Yに沿う方向に反転したものと同じである。第8インダクタ導体308Sのターン数は、約0.5ターンである。第8インダクタ導体308Sの配線長は、約0.86単位である。
【0217】
第1負方向X2を向いて第17層L17を視たときに、第9インダクタ導体309Sの形状及び配置は、第2インダクタ導体302Sを第2軸Yに沿う方向に反転したものと同じである。したがって、第9インダクタ導体309Sのターン数は、約1.75ターンである。第9インダクタ導体309Sの配線長は、約1.04単位である。
【0218】
第1負方向X2を向いて第19層L19を視たときに、第10インダクタ導体310Sの形状及び配置は、第2インダクタ導体302Sと同じである。したがって、第10インダクタ導体310Sのターン数は、約1.75ターンである。第10インダクタ導体310Sの配線長は、約1.04単位である。
【0219】
第1負方向X2を向いて第21層L21を視たときに、第11インダクタ導体311Sは、第1端部311SAから第2端部311SBに向かって時計回りに延びている。第11インダクタ導体311Sのターン数は、約0.25ターンである。第11インダクタ導体311Sの配線長は、約0.39単位である。
【0220】
第1負方向X2を向いて第23層L23を視たときに、第12インダクタ導体312Sは、第2軸Yと略平行に延びている。第12インダクタ導体312Sのターン数は、0ターンである。第12インダクタ導体312Sの配線長は、0.26単位である。すなわち、第12インダクタ導体312Sは、インダクタ導体30の中で最も配線長が短くなっている。
【0221】
積層インダクタ部品10Sにおける各インダクタ導体30Sの配線幅は、第1端部及び第2端部を除き一定である。上記図5に示す変更例の積層インダクタ部品10Sの天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、約1.32倍である。すなわち、天面側導体面積TAは、底面側導体面積BAに対して、1.1倍以上である。
【0222】
図5に示す変更例において、底面11Aに最も近いインダクタ導体30Sから数えて4番目のインダクタ導体30Sの導体面積が、底面11Aに最も近いインダクタ導体30Sから数えて5番目のインダクタ導体30Sの導体面積よりも大きい。また、底面11Aに最も近いインダクタ導体30Sから数えて2番目のインダクタ導体30Sの導体面積が、底面11Aに最も近いインダクタ導体30Sから数えて3番目のインダクタ導体30Sの導体面積よりも小さい。
【0223】
また、図5に示す例の構成によれば、底面11Aに近い側から順に見ていったときに、隣り合う2つのインダクタ導体30Sの導体面積が大きくなる部分と、隣り合う2つのインダクタ導体30Sの導体面積が小さくなる部分と、が混在している。具体的には、導体面積が大きくなる部分と導体面積が小さくなる部分とが、2つのインダクタ導体30S毎に交互に入れ替わる。このように、導体面積が大きくなる部分及び小さくなる部分が混在することで、素体11の内部の特定の箇所に応力が集中することを防げる。
【0224】
上記実施形態及び変更例から導き出せる技術思想を以下に記載する。
[1]6つの外面を有する直方体状の素体と、前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、を備え、前記素体は、前記インダクタ配線に接続している電極を有し、前記素体の6つの外面のうち、特定の1つの面を底面とし、前記底面に平行な面を天面としたとき、前記電極は、前記底面において前記素体の外部に露出しており、前記インダクタ配線は、前記底面に対して平行に延びる複数のインダクタ導体と、前記底面に直交する直交軸に沿って延びるビア導体と、を有しており、前記各インダクタ導体は、前記直交軸に沿って互いに離れて位置しており、前記ビア導体は、前記直交軸に沿う方向で隣り合う前記インダクタ導体同士を接続しており、前記直交軸に沿う方向を向いて視たときの、前記各インダクタ導体の面積を導体面積とし、前記インダクタ導体の総数をNとしたとき、前記直交軸に沿う方向において、前記天面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である天面側導体面積は、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体の前記導体面積の合計である底面側導体面積に対して、1.1倍以上である積層インダクタ部品。
【0225】
[2]前記天面側導体面積は、前記底面側導体面積に対して、2倍以下である[1]に記載の積層インダクタ部品。
[3]最も前記導体面積の大きい前記インダクタ導体は、前記直交軸に沿う方向において、前記天面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体のいずれかであり、最も前記導体面積の小さい前記インダクタ導体は、前記直交軸に沿う方向において、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてN/2(ただし、小数点以下は切り捨て)番目までの前記インダクタ導体のいずれかである[1]または[2]に記載の積層インダクタ部品。
【0226】
[4]最大の前記導体面積は、最小の前記導体面積に対して、1.3倍以上、且つ2.1倍以下である[3]に記載の積層インダクタ部品。
[5]複数の前記インダクタ導体の前記導体面積のうち、前記直交軸に沿う方向において前記底面に最も近い前記インダクタ導体の前記導体面積が最小である[1]~[4]のいずれか1つに記載の積層インダクタ部品。
【0227】
[6]前記各インダクタ導体の配線幅は、同じである[1]~[5]のいずれか1つに記載の積層インダクタ部品。
[7]前記底面の長辺の長さは0.63mm以下であり、前記底面の短辺の長さは0.33mm以下である[1]~[6]のいずれか1つに記載の積層インダクタ部品。
【0228】
[8]前記電極は、前記天面においては前記素体の外部に露出していない[1]~[7]のいずれか1つに記載の積層インダクタ部品。
[9]互いに異なるX及びYを1以上N未満の整数としたとき、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてX番目の前記インダクタ導体の前記導体面積が、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてX+1番目の前記インダクタ導体の前記導体面積よりも大きく、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてY番目の前記インダクタ導体の前記導体面積が、前記底面に最も近い前記インダクタ導体から数えてY+1番目の前記インダクタ導体の前記導体面積よりも小さいというX及びYの組が1つ以上存在する[1]~[8]のいずれか1つに記載の積層インダクタ部品。
【符号の説明】
【0229】
BA…底面側導体面積
TA…天面側導体面積
X…第1軸
10…積層インダクタ部品
11…素体
11A…底面
11B…天面
12…インダクタ配線
30…インダクタ導体
40…ビア導体
50…第1電極
60…第2電極
図1
図2
図3
図4
図5