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特開2024-74653管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法
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  • 特開-管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法 図1A
  • 特開-管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法 図1B
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  • 特開-管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法 図11
  • 特開-管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法 図12
  • 特開-管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法 図13
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074653
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/9093 20210101AFI20240524BHJP
   G01N 29/26 20060101ALI20240524BHJP
   G01N 27/904 20210101ALI20240524BHJP
【FI】
G01N27/9093
G01N29/26
G01N27/904
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185956
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】飯野 真成
(72)【発明者】
【氏名】西村 一仁
(72)【発明者】
【氏名】田村 和久
(72)【発明者】
【氏名】白井 南海
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 孟士
(72)【発明者】
【氏名】椎塚 晋
(72)【発明者】
【氏名】浦田 幹康
(72)【発明者】
【氏名】山口 岳彦
【テーマコード(参考)】
2G047
2G053
【Fターム(参考)】
2G047AA06
2G047AB01
2G047BC07
2G047BC11
2G047EA11
2G047GA03
2G047GA13
2G047GJ16
2G053AA11
2G053AA14
2G053AB21
2G053BA03
2G053BA12
2G053BA26
2G053DB04
2G053DB14
2G053DB22
(57)【要約】
【課題】様々な寸法の管部材に対して取り付け可能であり、簡易的に信頼性のある非破壊検査を実施する。
【解決手段】管部材検査装置は、センサが支持されたフレキシブル支持体を有する。フレキシブル支持体は、センサを有する検査面が一方側を向くようにセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成される。また本装置は、検査面が管部材の外表面に対向し、且つ、第1方向が管部材の周方向に沿うように、フレキシブル支持体が管部材に取り付けられる際に、フレキシブル支持体が外表面に沿って変形するようにフレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える、管部材検査装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサは、前記フレキシブル支持体の前記長手方向に沿って配列された複数のセンサを含む、請求項1に記載の管部材検査装置。
【請求項3】
前記管部材に取り付けられた際に、前記フレキシブル支持体の第1端及び第2端が係合可能である、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項4】
前記管部材に取り付けられた際に、前記フレキシブル支持体の第1端及び第2端の前記管部材の軸方向に沿った位置が異なる、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記複数のセンサのうち隣接する2つの前記センサ間に配置され、外部からの給気に応じて膨張可能なバルーン部材を含む、請求項2に記載の管部材検査装置。
【請求項6】
前記バルーン部材は、前記隣接する2つのセンサのうち前記検査面の反対側に設けられ、
前記隣接する2つのセンサの前記検査面側は回動部を介して互いに連結される、請求項5に記載の管部材検査装置。
【請求項7】
前記アクチュエータによって前記フレキシブル支持体のうち前記検査面側を伸縮可能なワイヤー部材を備える、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記複数のセンサのうち隣接する2つの前記センサの間に配置され、前記フレキシブル支持体に前記変形力を付与するためのサーボモータを含む、請求項2に記載の管部材検査装置。
【請求項9】
前記フレキシブル支持体の端部に取手部材を取り付け可能な取手取付部を備える、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項10】
前記フレキシブル支持体の中間部に取手部材を取り付け可能な取手取付部を備える、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項11】
前記フレキシブル支持体は、前記長手方向に沿って互いに連結された複数のピース部材を含み、
前記アクチュエータは、前記複数のピース部材の相対的位置関係を調整することで、前記フレキシブル支持体を変形させるように構成される、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのセンサはパルスECTセンサを含む、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項13】
前記管部材は、前記外表面の外周側を少なくとも部分的に囲む保温材を有する、請求項12に記載の管部材検査装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサはガイド波センサを含む、請求項1又は2に記載の管部材検査装置。
【請求項15】
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える、管部材検査装置の取付方法であって、
前記検査面が前記外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体を前記管部材に配置するステップと、
前記フレキシブル支持体に対して前記変形力を付与することで、前記フレキシブル支持体を前記外表面に沿って変形させるステップと、
を備える、管部材検査装置の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば発電プラントや化学プラントのようなプラント設備では、様々な媒体が流れる管部材が用いられる。これらの管部材では、使用に伴って腐食によって減肉等の欠陥が生じることがある。このような欠陥は、例えば外部で風雨にさらされる管部材や、腐食性が高い媒体を扱う管部材において生じやすい。そのため管部材を検査することによって、管部材に生じた欠陥を検出し、管部材の品質を管理することがプラント性能を維持するために重要である。
【0003】
この種の管部材を検査するための手法として、ガイド波や電磁波等を用いた非破壊検査が知られている。例えば特許文献1では、検査対象である管部材の全周にわたって延在する支持体によって周方向に沿って支持された複数のセンサからガイド波を照射することで、管部材の全周に沿って減肉等の欠陥の有無を検査可能な非破壊検査装置が開示されている。また特許文献2では、X線を用いた非破壊検査が可能な検査器が高層作業車の作業台に設置されており、高層作業車によって作業台を高所に移動することで、高所にある管部材に対して検査器を用いた非破壊検査を行うための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-36516号公報
【特許文献2】実開平3-113112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように、管部材の周方向に沿って延在する支持体によって非破壊検査を行うためのセンサを支持する場合、支持体の長さは、管部材の全周長(一周分の長さ)に一致するように設定される必要がある(仮に支持体の長さが全周長より大きいと、支持体で支持されるセンサと管部材の表面との間に余分な隙間が生じてしまう。逆に支持体の長さが全周長より短いと、管部材の全周に沿って取りまわされる支持体の両端を結合させることができない)。このように支持体の長さは、ある特定の全周長を有する管部材に適するように設定されると、異なる形状(特に全周長)を有する管部材に対して適用することができない。
【0006】
また例えば高所や狭所のように作業員がアクセスしにくい場所に配置された管部材では、非破壊検査を行うためのセンサを取り付けることは容易ではない。たとえば高所にある配管に対しては、作業員がアクセスするための足場の建設が必要になったり、特許文献2のように高層作業車を用いる必要があり、検査に要する設備規模やコストが大きくなってしまう。
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、様々な寸法の管部材に対して取り付け可能であり、簡易的に信頼性のある非破壊検査を実施可能な管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態に係る管部材検査装置は、上記課題を解決するために、
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える。
【0009】
本開示の少なくとも一実施形態に係る管部材検査装置の取付方法は、上記課題を解決するために、
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える、管部材検査装置の取付方法であって、
前記検査面が前記外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体を前記管部材に配置するステップと、
前記フレキシブル支持体に対して前記変形力を付与することで、前記フレキシブル支持体を前記外表面に沿って変形させるステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、様々な寸法の管部材に対して取り付け可能であり、簡易的に信頼性のある非破壊検査を実施可能な管部材検査装置、及び、管部材検査装置の取付方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】一実施形態に係る管部材検査装置を単体で検査面側から示す模式図である。
図1B図1Aの管部材検査装置を単体で側方から示す模式図である。
図2図1Aの管部材検査装置が管部材に対して取り付けられた様子を示す斜視図である。
図3】管部材に取り付けられた管部材検査装置が備えるフレキシブル支持体の一構成例を側方から示す模式図である。
図4図3の変形例である。
図5】管部材に取り付けられた管部材検査装置が備えるフレキシブル支持体の他の構成例を側方から示す模式図である。
図6】管部材に取り付けられた管部材検査装置が備えるフレキシブル支持体の他の構成例を側方から示す模式図である。
図7】他の実施形態に係る管部材検査装置が管部材に対して取り付けられた様子を示す斜視図である。
図8図7の変形例である。
図9図8の変形例である。
図10図8の他の変形例である。
図11】他の実施形態に係る管部材検査装置が管部材に対して取り付けられた様子を示す斜視図である。
図12図11のうち隣接する2つのピース部材間の連結構造の拡大図である。
図13】他の実施形態に係る管部材検査装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0013】
図1Aは一実施形態に係る管部材検査装置1Aを単体で検査面8側から示す模式図であり、図1B図1Aの管部材検査装置1Aを単体で側方から示す模式図であり、図2図1Aの管部材検査装置1Aが管部材2に対して取り付けられた様子を示す斜視図である。
【0014】
管部材検査装置1Aは、管部材2を検査対象として、センサ4を用いて管部材2を検査するための装置である。センサ4は、管部材2に対して検査波を照射することにより管部材2を非接触検査するためのセンサである。検査波は、例えば、電磁波であり、センサ4は電磁波を照射することで渦電流探傷法により非接触検査が可能なパルスECTセンサである。以下の説明では、センサ4が、パルスECTセンサである場合について例示的に述べるが、特段の記載がない限りにおいて、センサ4は、他の非接触センサ、例えば、検査波として、超音波等のガイド波やX線を照射可能なセンサであってもよい。
【0015】
尚、検査対象である管部材2は、外表面2aの外周側が保温材によって少なくとも部分的に囲まれていてもよい。但し、管部材検査装置1Aが管部材2に対して取り付けられた際に、センサ4と外表面2aとの間に保温材が介在していると、検査波としてガイド波(超音波)を取り扱うセンサ4を用いると、センサ4を外表面2aに対して直接接触できないため検査ができなくなる。それに対して、センサ4としてパルスECTセンサを用いる場合には、このようにセンサ4と外表面2aとの間に保温材が介在している場合においても、外表面2aに対して好適な検査を実施可能である。
【0016】
管部材検査装置1Aは、このようなセンサ4を少なくとも1つ備える。本実施形態では、管部材検査装置1Aが複数のセンサ4を備える場合について例示的に説明するが、単一のセンサ4を備えてもよい。管部材検査装置1Aが備えるセンサ4は、フレキシブル支持体6によって支持される。フレキシブル支持体6は、後述するように変形力が付与されることによって変形可能なフレキシブル構造を有しており、長手形状を有する。具体的なフレキシブル支持体6の構成については後述するが、フレキシブル支持体6は一体的な変形可能な部材から構成されていてもよいし、延在方向に沿って互いに連結された複数のピース部材の相対的位置関係が可変に構成されていてもよい。
【0017】
センサ4は、フレキシブル支持体6に対して、検査波の送受信に妨げにならない態様で支持される。具体的な支持構造については限定されないが、例えば、センサ4はフレキシブル支持体6に対して機械的に連結されていてもよいし、接着剤等によって接着されていてもよい。図1では、フレキシブル支持体6には複数のセンサ4が支持されており、これら複数のセンサ4はフレキシブル支持体6の長手方向である第1方向Xに沿って設けられる。このようにフレキシブル支持体6に複数のセンサ4が支持される場合には、図1に示されるように、各センサ4が検査波を照射する側が同じ面に位置するようにフレキシブル支持体6に支持されることで、フレキシブル支持体6の一方側に検査面8が形成される。
尚、フレキシブル支持体6に1つのセンサ4だけが支持される場合には、当該センサ4の検査波を照射する側が検査面8となる。
【0018】
管部材検査装置1Aは、センサ4を支持するフレキシブル支持体6に対して変形力を付与するための少なくとも1つのアクチュエータ10を備える。アクチュエータ10による変形力の付与は、作業者による操作や外部から制御信号に基づいてON/OFFが切替可能である。変形力が付与されていない場合、フレキシブル支持体6は図1A及び図1Bに示すように第1方向Xに沿った略直線形状を有するが、アクチュエータ10から変形力が付与されると、図2に示すように、管部材2の外表面2aに沿って変形可能である。
【0019】
尚、図1A及び図1Bでは、アクチュエータ10を簡易的に示しているが、アクチュエータ10はフレキシブル支持体6に対して前述の変形が可能な変形力を付与できる限りにおいて様々な態様を取り得る。アクチュエータ10の具体的な構成例については幾つか後述する。
【0020】
図2には、管部材検査装置1Aが管部材2に対して取り付けられた様子の一例が示されている。管部材検査装置1Aは、検査面8が管部材2の外表面2aに対向し、且つ、長手方向である第1方向Xが管部材2の周方向に沿うように、管部材2に対して取り付けられる。このとき管部材検査装置1Aは、まずアクチュエータ10からの変形力がOFFの状態で、フレキシブル支持体6が略直線形状を有する状態で管部材2の近傍まで移動され、第1方向Xが管部材2の周方向に沿う姿勢で配置される。そして、アクチュエータ10をONにしてフレキシブル支持体6に変形力を付与することで、図2に示すように、管部材2の周方向に沿って管部材検査装置1Aが巻き付けるように変形させ、取り付けられる。これにより、管部材検査装置1Aは、管部材2に対して落下等の脱落リスクも少ない安全な取付が可能となる。
【0021】
図2では、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さL1が、管部材2の全周長さ(周方向に沿った長さ)と略同一である。そのため、フレキシブル支持体6の第1端6aと第2端6bとが互いに連結することで、検査面8と外表面2aとの間に余分な隙間が生じることなく、管部材検査装置1Aを管部材2に取り付けて固定できる。
尚、第1端6a及び第2端6bの連結構造については任意の態様を取ることができるため、ここでは詳述を省略する。
【0022】
このようなアクチュエータ10は、図1A及び図1Bに示すように、フレキシブル支持体6に対して第1方向Xに沿って複数設けられていてもよい(図2では、図示をわかりやすくするためにアクチュエータ10は省略されている)。これにより、複数のアクチュエータ10を同時に動作させることで、ある程度大きな長さを有するフレキシブル支持体6を、管部材2の外表面2aの形状に対応するように適切に変形させることができる。この場合、複数のアクチュエータ10は、変形後のフレキシブル支持体6の形状に対応するように適宜配置してよいが、本実施形態では、フレキシブル支持体6に支持される複数のセンサ4の間にそれぞれ位置するように配置されている。
【0023】
ここでアクチュエータ10の構成については、幾つか説明する。図3は管部材2に取り付けられた管部材検査装置1Aが備えるアクチュエータ10の一構成例を側方から示す模式図である。
【0024】
図3に示す構成例では、アクチュエータ10は、外部からの給気に応じて膨張可能なバルーン部材である。バルーン部材であるアクチュエータ10は、フレキシブル支持体6に支持されるセンサ4のうち検査面8とは反対側に、隣接する2つのセンサ4間に設けられる。アクチュエータ10がONされた際にバルーン部材は膨張することで、隣接する2つのセンサ4間のうち外周側が内周側より拡大されることで、これらのセンサ4を支持するフレキシブル支持体6が管部材2の外表面2aに沿って湾曲するように変形される。この際、アクチュエータ10から付与される変形力は、変形後のフレキシブル支持体6の形状が管部材2の外表面2aの形状に対応するように予め設定される。
【0025】
図3では、フレキシブル支持体6に支持される各センサ4が、内周側より外周側の方がX軸に沿った幅が広くなるように構成されている。これにより、隣接する2つのセンサ4間に設けられたアクチュエータ10であるバルーン部材が膨張した際に、バルーン部材からの変形力を好適に受けられるようになっている。また隣接する2つのセンサ4は、内周側が互いに回動可能な回動部7を介して連結されている。これにより、バルーン部材が膨張することによりセンサ4の外周側に変形力を受けた際に、回動部7を中心に隣接する2つのセンサ4が回動することにより、管部材2の外表面2aに沿った所定の形状にフレキシブル支持体6を的確に変形させることができる。
【0026】
図4図3の変形例である。図4に示す変形例では、各センサ4は図1のような略直方体形状であるが、その両側に、内周側から外周側に向けて間隔が広がるようにフレキシブル支持体6の内周側に接続された一対の受部材9が設けられる。そしてアクチュエータ10であるバルーン部材は、隣接する2つのセンサ4に対応する受部材9の間に配置される。このように構成しても、隣接する2つのセンサ4に対応する受部材9は、その間に設けられたアクチュエータ10であるバルーン部材からの変形力を好適に受けて、フレキシブル支持体6を好適に変形させることができる。
【0027】
図5は管部材2に取り付けられた管部材検査装置1Aが備えるフレキシブル支持体6の他の構成例を側方から示す模式図である。図5に示す構成例では、ワイヤー部材12の端部に接続されたアクチュエータ10から、フレキシブル支持体6の内側に設けられたワイヤー部材12に引張力が印加されてワイヤー部材12が収縮すると、自由関節13を支点としてフレキシブル支持体6が変形するように構成される。ワイヤー部材12の端に対する引張力の印加は、図5に例示されるようにワイヤー部材12の端に接続されるアクチュエータ10によって行われてもよいし、作業員の人手により行われてもよい。
【0028】
このような構成では、アクチュエータ10や人手によってワイヤー部材12に変形力として引張力が付与されると、図5に示すように、ワイヤー部材12によってフレキシブル支持体6の内周側が外周側より縮小され、フレキシブル支持体6が管部材2の外表面2aに沿って湾曲するように変形される。この際、リンク機構、もしくはワイヤー部材12の端に設けられたアクチュエータ10又は人手から付与される変形力である引張力は、変形後のフレキシブル支持体6の形状が管部材2の外表面2aの形状に対応するように予め設定される。このようなワイヤー部材12を利用した態様では、フレキシブル支持体6に少なくとも1本のワイヤー部材12を設けるというシンプルな構造で、変形力の付与が可能である。
【0029】
図6は管部材2に取り付けられた管部材検査装置1Aが備えるアクチュエータ10の他の構成例を側方から示す模式図である。図6に示す構成例では、アクチュエータ10として、サーボモータが用いられる。この構成例では、各センサ4は、隣接する2つのアクチュエータ10間を連結する軸部材11に取り付けられている。サーボモータであるアクチュエータ10からの駆動力はセンサ4を支持するフレキシブル支持体6に伝達され変形が行われる。
尚、フレキシブル支持体6に設けられるサーボモータの数や位置によって、フレキシブル支持体6を様々な形状に変形できるため、計測対象物である管部材2の外表面2aの形状が、例えば湾曲部や分岐部のような複雑な形状であっても、意図する形状に変形することで対応可能である。
【0030】
尚、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さLより管部材2の径が大きい場合には、第1端6a及び第2端6bが互いに連結されていなくともよい。このような場合であっても、フレキシブル支持体6にはアクチュエータ10から変形力が付与されることで、変形したフレキシブル支持体6は管部材2に対して安定的に保持される。この場合、フレキシブル支持体6の管部材2に対するより安定的な保持構造が得られる観点から、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さは、少なくとも半周(軸方向から見て管部材2の外表面2aのうち180度)にわたる範囲以上であることが好ましい。
【0031】
続いて他の実施形態に係る管部材検査装置1Bについて説明する。図7は他の実施形態に係る管部材検査装置1Bが管部材2に対して取り付けられた様子を示す斜視図である。
【0032】
管部材検査装置1Bは、図7に示すように、管部材2に取り付けられた際に、フレキシブル支持体6の第1端6a及び第2端6bが第1方向Xに交差する第2方向Y(すなわち管部材2の軸方向)に沿って異なる位置にあることで、管部材2に捩れ状に取り付け可能である。これにより、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さLが、管部材2の全周長さに比べて大きい場合であっても、管部材2の軸方向に捩れて管部材2に巻き付くようにフレキシブル支持体6を変形させることで、管部材2に対して管部材検査装置1Bを好適に取り付けることができる。
【0033】
補足して説明すると、前述の管部材検査装置1Aは、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さLが、管部材2の全周長さと略同じであることで、フレキシブル支持体6の第1端6a及び第2端6bが同位置で互いに連結される構成である。そのため、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さLが、管部材2の全周長さに比べて大きい場合には適用できなかった。それに対して管部材検査装置1Bは、このように軸方向に沿って第1端6a及び第2端6bが異なる位置になるように、捩れながら管部材2に巻き付ける構成を有する。これにより、フレキシブル支持体6の第1方向Xに沿った長さLが、管部材2の全周長さに比べて大きい場合でも適用可能である。すなわち、管部材検査装置1Bは、異なる径を有する管部材2に対して広く柔軟に対応可能である。
【0034】
尚、管部材検査装置1Bの他の適用ケースとしては、管部材2の全周方向長さよりフレキシブル支持体6の長さLを大きく設定して、敢えて、捩れながら管部材2に巻き付けるように取り付けることで、より脱落リスクが少なく、確実な管部材2への取付を行うようにしてもよい。
【0035】
図8図7の変形例である。この変形例では、図7と同様の構成を有する管部材検査装置1Bと比べて、取手部材22が脱着可能な取手取付部20を更に備える点で異なる。取手取付部20は、フレキシブル支持体6に設けられ、棒状の取手部材22の一端が取り付け可能である。取手部材22は例えば、いわゆるアームであり、その他端は、作業員によって把持可能である。これにより、例えば管部材2が高所や狭所のように作業員の手が届きにくい場所にある場合においても、取手部材22を介して、管部材検査装置1Bを管部材2に近接させ、前述のようにアクチュエータ10によってフレキシブル支持体6に対して変形力を付与することで、管部材2に対して好適に取り付けることができる。そして管部材2に管部材検査装置1Bが取り付けられた後は、取手部材22を取り外すことで、例えば検査時の妨げになることもない(例えば管部材2に取り付けられた管部材検査装置1Bが、管部材2の軸方向に沿って自立的に自走可能なロボット構造を有する場合においても、取手部材22を取り外し可能とすることで、自走時の妨げにもならない)。このように高所や狭所のようなアクセスが難しい場所にある管部材2に対して、作業員は遠隔的な操作によって、安全且つ確実に、管部材検査装置1Bの取付が可能となる。
【0036】
図8では、取手取付部20はフレキシブル支持体6の端部に設けられる。本実施形態では、フレキシブル支持体6の端部のうち、取手取付部20は第2端6bに設けられている場合を例示しているが、第1端6aに設けられていてもよい。
【0037】
図9図8の変形例である。この変形例では、取手取付部20は、フレキシブル支持体6の中間部24に設けられる。中間部24は、第1端6a及び第2端6bの間の任意の位置を取り得るが、本実施形態では、第1端6a及び第2端6bから略等しい位置に設けられている。これにより、図9に示すように、管部材検査装置1Bを取り付ける際に、取手取付部20が上方に位置するように管部材検査装置1Bを吊り下げ姿勢で、管部材2に対する取付が可能となる。この場合、アクチュエータ10で変形力を付与する際に、フレキシブル支持体6の第1端6a及び第2端6bには重力によって鉛直下方に向かう力が作用することで、変形力をアシストできる。
【0038】
図10図8の他の変形例である。この変形例では図9と同様に、取手取付部20がフレキシブル支持体6の中間部24に設けられるが、管部材検査装置1Bを取り付ける際に、取手取付部20が下方に位置するように管部材検査装置1Bを押上げ姿勢で、管部材2に対する取付が可能となる。これにより、管部材2に対して上方からアクセスしにくい場合においても、管部材2に対して管部材検査装置1Bの取付が可能となる。また取っ手取付部20が中間部24に設けられることで、このように下方から管部材2に対して押上げ姿勢でアプローチする際に、フレキシブル支持体6の左右のバランスを取ることができ、取付が容易になる。
【0039】
図11は他の実施形態に係る管部材検査装置1Cが管部材2に対して取り付けられた様子を示す斜視図であり、図12図11のうち隣接する2つのピース部材16間の連結構造の拡大図である。
【0040】
この変形例では、フレキシブル支持体6は、第1方向Xに沿って互いに連結された複数のピース部材16を含んで構成される。複数のピース部材16の各々には、それぞれセンサ4が1つずつ設けられるが、図11に示すように、複数のピース部材16の一部にセンサ4が設けられていてもよい(すなわち一部のピース部材16にはセンサ4が設けられていなくてもよい)。これらのピース部材16は、隣接する2つのピース部材16の間における相対的位置関係が可変な状態で連結されており、その相対的位置関係は、アクチュエータ10からの変形力によって調整可能である。
【0041】
またフレキシブル支持体6を構成する複数のピース部材16は、フレキシブル支持体6の第1端6a及び第2端6bの第2方向Yに沿った位置が異なるように、少なくとの一部の隣接する2つのピース部材16の間における第2方向Yに沿った位置に変位があるように構成される。このような機構を実現するための一構成例として、図12に示すように、隣接する2つのピース部材16のうち互いに対向する側に互いに係合する一対の凸部16aを設け、一対の凸部16aを第2方向Yに沿って貫通するように、調整ボルト16bを設ける。調整ボルト16bの先端は、内側にある一方の凸部16aに挿入されて固定される。また調整ボルト16bは、外側にある他方の凸部16aの前後における箇所に、それぞれナット16cで締めこまれる。これらのナット16cの調整ボルト16bに対する固定位置を調整することで、隣接する2つのピース部材16間における第2方向Yに沿った変位量を安定的に調整できる(つまり、各ピース部材61間の第2方向Yに沿った変位量を積み重ねることで、結果的に、図11に示すように管部材2に対して捩り状に巻き付かせることができる)。
【0042】
この変形例では、隣接する2つのピース部材16の間における第2方向Yに沿った変位の大きさは、例えば検査対象である管部材2の径に基づいて、管部材2にフレキシブル支持体6を巻き付けた際に必要な捩れ量を求めておき、当該捩れ量を実現するために必要な変位になるように調整しておくことで、意図した捩れ量で管部材2に対する管部材検査装置1Bの取付が可能となる。
【0043】
図13は他の実施形態に係る管部材検査装置1Dの部分断面図である。管部材検査装置1Dは、図13に示すように、上記各実施形態のように管部材検査装置1Dが管部材2に取り付けられた際に、検査面8側において、管部材2の外表面2aに当接することにより管部材2の軸方向に沿って管部材検査装置1Dを自走させるための走行輪34を有する。走行輪34は、検査面8において管部材2の外表面2aに付勢されながら、不図示の駆動源からの動力によって駆動可能であり、周方向に沿って設けられた複数のセンサ4に対応するように複数設けられる。これにより、管部材検査装置1Dは管部材2の軸方向に沿って自律的に走行可能な自走ロボット構造を有する。これにより、作業員は遠隔的な操作によって走行輪34に駆動力を制御することにより、例えば高所や狭所のような作業員のアクセスが難しい場所にある管部材2に対しても、管部材検査装置1Cを用いて管部材2を好適に検査できる。
【0044】
以上説明したように上記各実施形態によれば、少なくとも1つのセンサ4を支持するフレキシブル支持体6が、少なくとも1つのアクチュエータ10から付与された変形力によって、検査対象物である管部材2の外表面2aに沿って変形されることで、管部材2に対して本装置を取り付けられる。これにより、例えば、検査対象である管部材2が高所や狭所のような作業員の手が届きにくい位置にある場合においても、アクチュエータ10によってフレキシブル支持体6を変形させることで、管部材2に本装置を取り付けて容易に検査を行うことができる。
【0045】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0046】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0047】
(1)一態様に係る管部材検査装置は、
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える。
【0048】
上記(1)の態様によれば、少なくとも1つのセンサを支持するフレキシブル支持体が、アクチュエータから付与された変形力によって、検査対象物である管部材の外表面に沿って変形されることで、管部材に対して本装置が取り付け可能となる。これにより、例えば、検査対象である管部材が高所や狭所のような作業員の手が届きにくい位置にある場合においても、アクチュエータによってフレキシブル支持体を変形させることで、管部材に本装置を容易に取り付け、検査が可能となる。
尚、アクチュエータは、管部材検査装置のフレキシブル支持体に対して変形力を付与するための構成を広く含み、例えば、作業員などがワイヤー等の部材を引っ張ることにより当該引張力をフレキシブル支持体に伝達するための構成を含む。
【0049】
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記少なくとも1つのセンサは、前記フレキシブル支持体の前記長手方向に沿って配列された複数のセンサを含む。
【0050】
上記(2)の態様によれば、フレキシブル支持体には、その長手方向に沿って複数のセンサが設けられる。このような複数のセンサが設けられたフレキシブル支持体を管部材に対して取り付けることで、管部材の周方向に沿って広い範囲にわたって効率的に検査を行うことができる。
【0051】
(3)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記管部材に取り付けられた際に、前記フレキシブル支持体の第1端及び第2端が係合可能である。
【0052】
上記(3)の態様によれば、管部材の周方向長さとフレキシブル支持体の長手方向の長さとが略同じである場合には、フレキシブル支持体の第1端及び第2端を互いに係合することで、管部材に対して本装置を好適に取り付けることができる。
【0053】
(4)他の態様では、上記(1)又は(2)の態様において、
前記管部材に取り付けられた際に、前記フレキシブル支持体の第1端及び第2端の前記管部材の軸方向に沿った位置が異なる。
【0054】
上記(4)の態様によれば、例えば管部材の周方向長さよりフレキシブル支持体の長手方向の長さが大きい場合においても、フレキシブル支持体の第1端及び第2端が管部材の軸方向の異なる位置になるように(すなわち捩れ状になるように)変形することで、異なる径の管部材に対して本装置を好適に取り付けることができる。
【0055】
(5)他の態様では、上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記アクチュエータは、前記複数のセンサのうち隣接する2つの前記センサ間に配置され、外部からの給気に応じて膨張可能なバルーン部材を含む。
【0056】
上記(5)の態様によれば、フレキシブル支持体に支持される隣接する2つのセンサ間に設けられたバルーン部材を膨張させることで、フレキシブル支持体が管部材の外表面にフィッティングするように好適に変形させることができる。
【0057】
(6)他の態様では、上記(5)の態様において、
前記バルーン部材は、前記隣接する2つのセンサのうち前記検査面の反対側に設けられ、
前記隣接する2つのセンサの前記検査面側は回動部を介して互いに連結される。
【0058】
上記(6)の態様によれば、センサのうち検査面の反対側が膨張したバルーン部材によって押圧されると、センサの検査面側が回動部を介して回動することで、複数のセンサを支持するフレキシブル支持体を管部材の表面に沿って好適に変形できる。
【0059】
(7)他の態様では、上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記アクチュエータによって前記フレキシブル支持体のうち前記検査面側を伸縮可能なワイヤー部材を備える。
【0060】
上記(7)の態様によれば、フレキシブル支持体の検査面側に配置されたワイヤー部材に対してアクチュエータから引張力を付与することで、フレキシブル支持体を管部材の外表面に対してフィッティングするように、好適に変形させることができる。
尚、アクチュエータとして作業員などの人手によって印加される引張力を伝達する構成を採用する場合には、当該人手による引張力がワイヤー部材を介してフレキシブル支持体に伝達されることで、フレキシブル支持体の変形が可能である。
【0061】
(8)他の態様では、上記(1)から(4)のいずれか一態様において、
前記アクチュエータは、前記複数のセンサのうち隣接する2つの前記センサの間に配置され、前記フレキシブル支持体に前記変形力を付与するためのサーボモータを含む。
【0062】
上記(8)の態様によれば、サーボモータから付与される変形力によって、フレキシブル支持体を管部材の外表面に対してフィッティングするように、好適に変形させることができる。
【0063】
(9)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記フレキシブル支持体の端部に取手部材を取り付け可能な取手取付部を備える。
【0064】
上記(9)の態様によれば、フレキシブル支持体の端部に設けられた取手取付部に対して、取手部材を取り付けることにより、例えば管部材が高所や狭所のように作業員の手が届きにくい場所にある場合においても、取手部材を介して、本装置を管部材に対して好適に取り付けることができる。そして管部材に本装置が取り付けられた後は、取手部材を取り外すことで、検査の妨げになることもない。
【0065】
(10)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記フレキシブル支持体の中間部に取手部材を取り付け可能な取手取付部を備える。
【0066】
上記(10)の態様によれば、フレキシブル支持体の中間部に設けられた取手取付部に対して、取手部材を取り付けることにより、例えば管部材が高所や狭所のように作業員の手が届きにくい場所にある場合においても、取手部材を介して、本装置を管部材に対して好適に取り付けることができる。そして管部材に本装置が取り付けられた後は、取手部材を取り外すことで、検査の妨げになることもない。
【0067】
(11)他の態様では、上記(1)から(10)のいずれか一態様において、
前記フレキシブル支持体は、前記長手方向に沿って互いに連結された複数のピース部材を含み、
前記アクチュエータは、前記複数のピース部材の相対的位置関係を調整することで、前記フレキシブル支持体を変形させるように構成される。
【0068】
上記(11)の態様によれば、フレキシブル支持体を構成する複数のピース部材の相対的位置関係がアクチュエータから付与される変形力によって調整されることで、フレキシブル支持体の変形が行われる。これにより、アクチュエータからの変形力によって適切な形にフレキシブル支持体を変形させ、本装置を管部材に対して好適に取り付けることができる。
【0069】
(12)他の態様では、上記(1)から(11)のいずれか一態様において、
前記少なくとも1つのセンサはパルスECTセンサを含む。
【0070】
上記(12)の態様によれば、管部材に対してパルスECTセンサから照射される電磁波を用いて、管部材を好適に検査できる。
【0071】
(13)他の態様では、上記(12)の態様において、
前記管部材は、前記外表面の外周側を少なくとも部分的に囲む保温材を有する。
【0072】
上記(13)の態様によれば、管部材の外表面が保温材によって少なくとも部分的に囲まれている場合においても、パルスECTセンサから照射される電磁波を用いて管部材を好適に検査できる。
【0073】
(14)他の態様では、上記(1)から(11)のいずれか一態様において、
前記少なくとも1つのセンサはガイド波センサを含む。
【0074】
上記(14)の態様によれば、管部材に対してガイド波センサから照射されるガイド波(例えば超音波)を用いて、管部材を好適に検査できる。
【0075】
(15)一態様に係る管部材検査装置の取付方法は、
管部材を検査するための少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサを有する検査面が一方側を向くように前記少なくとも1つのセンサを支持し、少なくとも長手方向に沿った変形が許容されるように構成されたフレキシブル支持体と、
前記検査面が前記管部材の外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体が前記管部材に取り付けられる際に、前記フレキシブル支持体が前記外表面に沿って変形するように前記フレキシブル支持体に対して変形力を付与するためのアクチュエータと、
を備える、管部材検査装置の取付方法であって、
前記検査面が前記外表面に対向し、且つ、前記第1方向が前記管部材の周方向に沿うように、前記フレキシブル支持体を前記管部材に配置するステップと、
前記フレキシブル支持体に対して前記変形力を付与することで、前記フレキシブル支持体を前記外表面に沿って変形させるステップと、
を備える。
【0076】
上記(15)の態様によれば、管部材に対して前述の管部材検査装置を取り付ける際には、まず少なくとも1つのセンサを支持するフレキシブル支持体が、検査対象物である管部材に対して、検査面が外表面に対向し、且つ、第1方向が前記管部材の周方向に沿うように取り付けられる。そして、アクチュエータから付与された変形力によって、検査対象物である管部材の外表面に沿ってフレキシブル支持体を変形されることで、管部材に対して本装置を好適に取り付けることができる。これにより、例えば、検査対象である管部材が高所や狭所のような作業員の手が届きにくい位置にある場合においても、アクチュエータによってフレキシブル支持体を変形させることで、管部材に本装置を取り付けて容易に検査を行うことができる。
尚、アクチュエータは、管部材検査装置のフレキシブル支持体に対して変形力を付与するための構成を広く含み、例えば、作業員などがワイヤー等の部材を引っ張ることにより当該引張力をフレキシブル支持体に伝達するための構成を含む。
【符号の説明】
【0077】
1A~1D 管部材検査装置
2 管部材
2a 外表面
3 実開平
4 センサ
6 フレキシブル支持体
6a 第1端
6b 第2端
7 回動部
8 検査面
9 受部材
10 アクチュエータ
11 軸部材
12 ワイヤー部材
13 自由関節
16 ピース部材
16a 凸部
16b 調整ボルト
16c ナット
20 取手取付部
22 取手部材
24 中間部
34 走行輪

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13