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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074657
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】カラオケ端末
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185961
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優太
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA03
5D208CA09
5D208CB04
5D208CG09
(57)【要約】
【課題】カラオケルームでボードゲームを行うプレーヤに対し、好適なタイミングでカラオケ歌唱を薦めることが可能なカラオケ端末を提供する。
【解決手段】カラオケルームでボードゲームを行う際に利用可能なカラオケ端末であって、ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの少なくとも一方に対応する映像データを取得する取得部、取得された映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定する判定部、ボードゲームが終了したと判定された場合、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示する提示部を有するカラオケ端末。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケルームでボードゲームを行う際に利用可能なカラオケ端末であって、
ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの少なくとも一方に対応する映像データを取得する取得部と、
取得された前記映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定する判定部と、
前記ボードゲームが終了したと判定された場合、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示する提示部と、
を有するカラオケ端末。
【請求項2】
前記判定部は、前記映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた当該プレーヤの感情を示す感情情報に基づいて、ボードゲームの終了を判定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ端末。
【請求項3】
前記判定部は、前記感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定し、
前記提示部は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示することを特徴とする請求項2記載のカラオケ端末。
【請求項4】
ボードゲームの名称及びルールを対応付けて記憶する情報記憶部と、
プレイされるボードゲームの名称を特定する特定部と、
を有し、
前記判定部は、前記映像データに含まれるボードゲームのボードの映像データを解析して得られたボードゲームの進行状況、及び特定されたボードゲームの名称に対応するルールに基づいて、ボードゲームの終了を判定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ端末。
【請求項5】
前記判定部は、前記映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた当該プレーヤの感情を示す感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定し、
前記提示部は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示することを特徴とする請求項4記載のカラオケ端末。
【請求項6】
前記提示部は、ボードゲームが終了したと判定された時点からカラオケルームの利用終了時刻までの残り時間にカラオケ演奏可能な楽曲を前記レコメンド楽曲として提示することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のカラオケ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ端末に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能のAV設備や通信環境を備え、遮音性にも優れるカラオケルームは、カラオケ以外でも様々な目的で利用されている。
【0003】
たとえば、カラオケルームでボードゲームを行う利用者がいる。この際、携帯端末で動作する支援アプリを使ってボードゲームを楽しむことができる(非特許文献1、2参照)。また、特定のボードゲームをサポートするためのWebアプリもある(非特許文献3、4参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】サイコロ. Tim O's Studios, LLC、[令和4年11月14日検索]、インターネット<URL:https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%AD/id620453835>
【非特許文献2】カウンターポイント Marek Lenart、[令和4年11月14日検索]、インターネット<URL:https://apps.apple.com/jp/app/%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88/id532579400>
【非特許文献3】Agricola Calc、[令和4年11月14日検索]、インターネット<URL:http://www5a.biglobe.ne.jp/~ohiro/agricola/agricola#calc.html>
【非特許文献4】7 Wonders Companion Repos Production[令和4年11月14日検索]、インターネット<URL:https://apps.apple.com/jp/app/7-wonders-companion/id504797218>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、カラオケルームでボードゲームを行うプレーヤに対し、好適なタイミングでカラオケ歌唱を薦めることが可能なカラオケ端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、カラオケルームでボードゲームを行う際に利用可能なカラオケ端末であって、ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの少なくとも一方に対応する映像データを取得する取得部と、取得された前記映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定する判定部と、前記ボードゲームが終了したと判定された場合、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示する提示部と、を有するカラオケ端末である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケルームでボードゲームを行うプレーヤに対し、好適なタイミングでカラオケ歌唱を薦めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るカラオケルームを示す図である。
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図3】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図4】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図6】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態及び第2実施形態の変形例に係る全国歌唱ランキングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1図4を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0010】
==カラオケ装置及びボードゲーム==
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置は、カラオケ店舗のカラオケルームに設置される。
【0011】
本実施形態において、カラオケ装置はカラオケルームでボードゲームを行う際に利用可能となっている(詳細は後述)。カラオケ装置は「カラオケ端末」の一例である。
【0012】
ボードゲームは、たとえばチェス、すごろく、オセロのような、専用のボード上で駒を動かしたり、取り除いたりして遊ぶゲームである。ボードゲームは少なくとも2人以上のプレーヤで行われる。ボードゲームは、プレーヤの私物やカラオケ店舗で貸し出されるものを使用できる。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケルームRに設置されている。利用者U1及び利用者U2は、カラオケルームRでボードゲームBGを行う者(すなわち、プレーヤ)である。ボードゲームBGは、テーブルT上に置かれている。
【0014】
==カラオケ装置==
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50、撮影装置60を備える。
【0015】
カラオケ本体10は、楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する操作をおこなうための装置である。撮影装置60は、カメラのような、ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの少なくとも一方を撮影するための装置である。
【0016】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。楽曲データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、カラオケ演奏データ、リファレンスデータ等を含む。
【0018】
また、記憶手段10aは、楽曲毎に、カラオケ演奏時に表示される背景映像に対応する背景映像データ、楽曲の歌詞を表示するための歌詞テロップデータ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を記憶する。
【0019】
また、記憶手段10aは、全国歌唱ランキング(たとえば、全国のカラオケ装置で直近6か月にカラオケ歌唱された楽曲のうち、歌唱回数が多い上位100曲を集計したリスト)や、世代別ランキング(たとえば、カラオケ歌唱を行った利用者の世代別に歌唱回数が多い上位50曲を集計したリスト)のような、楽曲の歌唱回数に応じたランキングを記憶していてもよい。
【0020】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、外部との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0021】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0022】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0023】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、判定部200、及び提示部300として機能する。
【0024】
(取得部)
取得部100は、ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの少なくとも一方に対応する映像データを取得する。
【0025】
撮影装置60は、たとえば、利用者(以下「プレーヤ」という場合がある)がカラオケルームに入室した時点からカラオケルーム内の撮影を開始する。撮影装置60は、ボードゲームのボード及びプレーヤの少なくとも一方が映るよう撮影を行う。撮影装置60は、撮影したボードゲームのボード及びプレーヤの少なくとも一方に対応する映像データをカラオケ本体10に出力する。取得部100は、撮影装置60から出力された映像データを取得する。撮影装置60は、プレーヤがカラオケルームを利用している間、連続して、または所定間隔毎(たとえば15秒間隔、30秒間隔)に撮影を行う。
【0026】
本実施形態において、取得部100は、ボードゲームのプレーヤに対応する映像データを取得する。具体的に、撮影装置60は、少なくともボードゲームのプレーヤが映るよう撮影を行う。撮影装置60は、撮影したプレーヤに対応する映像データをカラオケ本体10に出力する。取得部100は、撮影装置60から出力された映像データを取得する。
【0027】
(判定部)
判定部200は、取得された映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定する。本実施形態において、判定部200は、映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた感情情報に基づいて、ボードゲームの終了を判定する。
【0028】
判定部200は、公知技術を用いて映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを抽出する。判定部200は、抽出した顔画像データに対して公知の感情分析処理を行い、プレーヤの感情情報を取得する。判定部200は、映像データに含まれるプレーヤ毎に感情情報を取得する。
【0029】
感情情報はプレーヤの感情を示す。感情情報は、「喜び」や「悲しみ」のような感情毎に求めることができる。感情情報は、たとえば1~10(数字が大きいほど、ある感情が強く現れていることを示す)のような値(以下、「感情分析値」という場合がある)で表すことができる。
【0030】
判定部200は、取得したプレーヤ毎の感情情報を対比し、予め設定した所定条件を満たしているかどうかを判断する。所定条件を満たしている場合、判定部200は、ボードゲームの終了を判定する。所定条件は、ボードゲームの終了を判定するための条件であり、たとえば「一のプレーヤの喜びの感情分析値が8以上、且つ当該一のプレーヤと他のプレーヤの感情分析値の差が5以上」のように予め一の条件が設定されている。
【0031】
具体的に、判定部200は、撮影装置60から出力された映像データから一のプレーヤと他のプレーヤの顔画像データをそれぞれ抽出する。判定部200は、抽出した顔画像データに対して、たとえば特開2019-132980号公報に記載の感情分析処理を行うことにより、感情情報として喜びの感情分析値を求める。
【0032】
判定部200は、求めた感情分析値を対比し、所定条件を満たしているかどうかを判断する。所定条件を満たしている場合、判定部200は、ボードゲームの終了を判定し、提示部300に判定結果を出力する。一方、所定条件を満たしていない場合、判定部200は、ボードゲームが終了していないと判定し、提示部300に判定結果を出力しない。
【0033】
(提示部)
提示部300は、ボードゲームが終了したと判定された場合、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示する。
【0034】
レコメンド楽曲は、プレーヤに対してカラオケ歌唱を薦める楽曲である。提示されるレコメンド楽曲の種類は、カラオケ装置Kでカラオケ演奏が可能な楽曲であれば特に限定されない。また、本実施形態において、提示されるレコメンド楽曲の数は特に限定されない。
【0035】
たとえば、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている楽曲の中からランダムに抽出した1曲をレコメンド楽曲として提示してもよい。また、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている全国歌唱ランキングの中から上位3曲をレコメンド楽曲として提示してもよい。或いは、提示部300は、公知技術を用いてプレーヤの顔画像データを解析することによりプレーヤの年齢を特定する。提示部300は、記憶手段10aに記憶されている世代別ランキングの中から特定した年齢に対応するランキングを選択し、選択したランキングの上位1曲をレコメンド楽曲として提示してもよい。
【0036】
提示は、たとえば表示装置30の表示画面にレコメンド楽曲の楽曲名及びカラオケ歌唱を薦めるメッセージ(たとえば「ボードゲームお疲れ様でした。次はカラオケ歌唱を楽しんでください」)を表示させることにより行うことができる。
【0037】
プレーヤは、リモコン装置50を操作し、選曲画面を介してカラオケ歌唱を希望するレコメンド楽曲の選曲を行う。リモコン装置50は、プレーヤが選曲したレコメンド楽曲の楽曲IDをカラオケ装置Kに送信する。カラオケ装置Kは、受信した楽曲IDを予約待ち行列に登録することで、楽曲のカラオケ演奏の予約を行う。
【0038】
カラオケ装置Kは、予約待ち行列に登録されている楽曲IDを元に、楽曲の伴奏データを記憶手段10aから取得する。カラオケ装置Kは、取得した伴奏データを演奏手段10dに出力する。カラオケ装置Kは、楽曲の伴奏データを再生し、スピーカ20からカラオケ演奏音を放音させるよう、演奏手段10dを制御する。プレーヤは、スピーカ20から放音されるカラオケ演奏音に合わせてカラオケ歌唱を行うことができる。
【0039】
==カラオケ装置の動作について==
次に、図4を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図4は、カラオケ装置Kにおける動作を示すフローチャートである。この例では、図1に示したカラオケルームRにおいて利用者U1及び利用者U2がボードゲームBGを行うとする。また、感情情報は、プレーヤの喜びの感情を1~10(数字が大きいほど、喜びの感情が強く現れていることを示す)の感情分析値で表すものとする。また、判定部200がボードゲームの終了を判定する際に参照する所定条件は「一のプレーヤの喜びの感情分析値が8以上、且つ当該一のプレーヤと他のプレーヤの感情分析値の差が5以上」であるとする。
【0040】
利用者U1及び利用者U2がカラオケルームRに入室した場合、撮影装置60は、利用者U1及び利用者U2の撮影を開始する。利用者U1及び利用者U2は、テーブルT上でボードゲームGBを開始する(ボードゲームを開始。ステップ10)。
【0041】
取得部100は、ボードゲームGBのプレーヤである利用者U1及び利用者U2に対応する映像データを取得する(プレーヤに対応する映像データを取得。ステップ11)。
【0042】
判定部200は、ステップ11で取得された映像データに含まれる利用者U1及び利用者U2の顔画像データを解析して得られた感情情報に基づいて、ボードゲームGBの終了を判定する(感情情報に基づいてボードゲームの終了を判定。ステップ12)。
【0043】
ボードゲームGBが終了したと判定された場合(ステップ13でYの場合)、提示部300は、利用者U1及び利用者U2に対してレコメンド楽曲を提示する(レコメンド楽曲を提示。ステップ14)。
【0044】
具体的に、撮影装置60は、利用者U1及び利用者U2がカラオケルームRに入室したタイミングT0でボードゲームGBを行う利用者U1及び利用者U2の撮影を開始する。撮影装置60は、撮影した映像に対応する映像データM0をカラオケ本体10に出力する。取得部100は、映像データM0を取得する。
【0045】
判定部200は、映像データM0から利用者U1及び利用者U2の顔画像データを抽出する。判定部200は、抽出した顔画像データに対して公知の感情分析処理を行うことにより、感情情報として喜びの感情分析値を求める。ここでは利用者U1及び利用者U2の喜びの感情に相当する感情分析値としていずれも「5」を求めたとする。
【0046】
判定部200は、求めた感情分析値を対比し、所定条件を満たしているかどうかを判断する。この場合、利用者U1及び利用者U2の感情分析値が同じ値であるため所定条件を満たさない。従って、判定部200は、ボードゲームが終了していないと判定し、提示部300に判定結果を出力しない。
【0047】
ここで、ボードゲームGBが進行するにつれて、各利用者の感情は変化する。一般に、ゲームに勝利する可能性が高まるにつれて喜びの感情が強くなる(逆に、悲しみの感情が弱くなる)一方、ゲームに敗北する可能性が高まるにつれて喜びの感情は弱くなる(逆に、悲しみの感情は強くなる)。
【0048】
たとえば、撮影装置60は、あるタイミングTnでボードゲームGBを行う利用者U1及び利用者U2の撮影を行う。撮影装置60は、撮影した映像に対応する映像データMnをカラオケ本体10に出力する。取得部100は、映像データMnを取得する。
【0049】
判定部200は、映像データMnから利用者U1及び利用者U2の顔画像データを抽出する。判定部200は、抽出した顔画像データに対して公知の感情分析処理を行うことにより、感情情報として喜びの感情分析値を求める。ここでは利用者U1の喜びの感情に相当する感情分析値として「1」を求め、利用者U2の喜びの感情に相当する感情分析値として「8」を求めたとする。
【0050】
判定部200は、求めた分析値を対比し、所定条件を満たしているかどうかを判断する。この場合、利用者U2の感情分析値が8以上、且つ利用者U2と利用者U1の感情分析値の差が7(すなわち5以上)であるため、所定条件を満たす。従って、判定部200は、ボードゲームが終了したと判定し、提示部300に判定結果を出力する。
【0051】
判定部200から判定結果が出力された場合、提示部300は、たとえば記憶手段10aに記憶されている楽曲の中からランダムに1曲を抽出し、表示装置30の表示画面にレコメンド楽曲の楽曲名及びカラオケ歌唱を薦めるメッセージを表示させることにより、利用者U1及び利用者U2に対してレコメンド楽曲を提示する。
【0052】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケルームでボードゲームを行う際に利用可能である。カラオケ装置Kは、ボードゲームのプレーヤに対応する映像データを取得する取得部100と、取得された映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定する判定部200と、ボードゲームが終了したと判定された場合、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示する提示部300と、を有する。
【0053】
このようなカラオケ装置Kによれば、ボードゲームを行うプレーヤを撮影して得られた映像データに基づいて、ボードゲームの終了を判定することができる。そして、ボードゲームが終了した場合、カラオケ装置Kは、プレーヤに対してレコメンド楽曲を提示することができる。プレーヤは、提示されたレコメンド楽曲を参照することでボードゲームの終了後に気軽にカラオケ歌唱を行うことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、カラオケルームでボードゲームを行うプレーヤに対し、好適なタイミングでカラオケ歌唱を薦めることができる。
【0054】
また、本実施形態に係るカラオケ装置Kの判定部200は、映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた当該プレーヤの感情を示す感情情報に基づいて、ボードゲームの終了を判定することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、プレーヤの表情に現れる感情に応じて、ボードゲームの終了を判定できる。
【0055】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の構成において、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定することも可能である。
【0056】
(判定部)
本変形例に係る判定部200は、感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定することができる。
【0057】
判定部200は、ボードゲームの終了を判定した際に用いた感情分析値を参照し、感情分析値が最も高い値を示した一のプレーヤをボードゲームで勝利したプレーヤとして特定する。判定部200は、特定したプレーヤの顔画像データを提示部300に出力する。
【0058】
たとえば実施形態の例において、判定部200は、利用者U1の喜びの感情に相当する感情分析値「1」と、利用者U2の喜びの感情に相当する感情分析値「8」を参照することにより、ボードゲームGBで勝利したプレーヤとして利用者U2を特定する。判定部200は、利用者U2の顔画像データ(映像データMnに含まれる顔画像データ)を提示部300に出力する。
【0059】
(提示部)
本変形例に係る提示部300は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示する。
【0060】
歌唱履歴は、利用者がカラオケ歌唱を行った楽曲名、日時、採点結果等を時系列に登録したものである。歌唱履歴は、当該歌唱履歴に対応する利用者の顔画像データと紐付けられて記憶手段10aに記憶されている。すなわち、利用者の顔画像データは利用者の識別情報として用いられる。提示部300は、勝利したプレーヤの歌唱履歴の中から、レコメンド楽曲を抽出し、提示する。提示は、たとえば表示装置30の表示画面にレコメンド楽曲の楽曲名及び勝利したプレーヤに対してカラオケ歌唱を薦めるメッセージ(たとえば「ボードゲームで勝利したプレーヤはカラオケ歌唱を楽しんでください。あなたの得意な楽曲は〇〇(楽曲名)です」)を表示させることにより行うことができる。なお、英数字などによる利用者IDが利用者の識別情報として用いられている場合には、カラオケ端末へのログイン操作時に撮影した顔画像のデータを利用者IDと紐付けることができる。
【0061】
提示部300は、記憶手段10aに記憶されている顔画像データの中から、判定部200から出力された顔画像データと一致する顔画像データを特定する。提示部300は、特定した顔画像データに紐付けられている歌唱履歴の中からレコメンド楽曲を抽出し、プレーヤに対してメッセージと共に提示する。
【0062】
たとえば上記例において、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている顔画像データの中から、判定部200から出力された利用者U2の顔画像データと一致する顔画像データを特定する。提示部300は、特定した利用者U2の顔画像データに紐付けられている歌唱履歴(すなわち、利用者U2の歌唱履歴)の中からレコメンド楽曲を抽出し、利用者U1及び利用者U2に対してメッセージと共に提示する。
【0063】
レコメンド楽曲は、歌唱履歴に含まれる楽曲の中から適宜選択することができる。たとえば、提示部300は、歌唱履歴に含まれる楽曲のうち、所定期間内(たとえば直近3か月の間)に所定回数以上(たとえば10回以上)カラオケ演奏され、且つ採点結果の平均値が最も高い一の楽曲を、レコメンド楽曲として抽出することができる。
【0064】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kの判定部200は、感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定する。提示部300は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示する。このようなカラオケ装置Kによれば、ボードゲームで勝利したプレーヤに対してレコメンド楽曲を提示することができる。またレコメンド楽曲は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に含まれている楽曲である。すなわち、レコメンド楽曲は勝利したプレーヤがカラオケ歌唱可能な楽曲であるため、カラオケ歌唱をより積極的に行いやすくなる。
【0065】
<第2実施形態>
次に、図5及び図6を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態では、ボードゲームのボードに対応する映像データを用いてボードゲームの終了を判定する例について述べる。第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0066】
==カラオケ装置==
[記憶手段]
(情報記憶部)
本実施形態に係る記憶手段10aの記憶領域の一部は、情報記憶部400として機能する(図5参照)。情報記憶部400は、ボードゲームの名称及びルールを対応付けて記憶する。
【0067】
たとえば、情報記憶部400は、ボードゲームの名称「チェス」に対し、「チェスボード(64マス)上に駒(各人、キング×1、クイーン×1、ビショップ×2、ナイト×2、ルーク×2、ポーン×8を使用する)を並べる」、「プレーヤは、交互にボード上にある自分の駒を1回ずつ動かす」、「チェックメイトにより、キングの駒がボードから取り除かれることでゲームの勝利が確定する」のようなルールを対応付けて記憶している。なお、ルールは、少なくともボードゲームの終了を示すルール(チェスの例であれば、「チェックメイトにより、キングの駒がボードから取り除かれることでゲームの勝利が確定する」)が記憶されていればよい。
【0068】
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、取得部100、判定部200、提示部300、及び特定部500として機能する(図5参照)。
【0069】
(特定部)
特定部500は、プレイされるボードゲームの名称を特定する。
【0070】
カラオケルームの利用者は、ボードゲームを開始する前にリモコン装置50を介してこれからプレイするボードゲーム名を入力する。リモコン装置50は、入力されたボードゲーム名をカラオケ本体10に出力する。特定部500は、出力されたボードゲーム名を、これからカラオケルームでプレイされるボードゲームの名称として特定する。
【0071】
或いは、カラオケ店舗で貸し出されたボードゲームをプレイする場合、カラオケ店舗の従業員は、フロントの端末装置を介して、ボードゲームを貸し出す際にボードゲーム名を入力する。フロントの端末装置は、入力されたボードゲーム名を利用者が利用するカラオケルームに設置されているカラオケ装置に送信する。カラオケ装置の特定部500は、受信したボードゲーム名を、これからカラオケルームでプレイされるボードゲームの名称として特定する。
【0072】
(判定部)
本実施形態に係る判定部200は、映像データに含まれるボードゲームのボードの映像データを解析して得られたボードゲームの進行状況、及び特定されたボードゲームの名称に対応するルールに基づいて、ボードゲームの終了を判定する。
【0073】
判定部200は、公知技術を用いて映像データに含まれるボードの映像データを抽出する。判定部200は、公知技術を用いて抽出した映像データを解析し、ボードゲームの進行状況を取得する。ボードゲームの進行状況は、たとえばチェスや将棋のようなゲームの場合、ボード上の各駒の種類で示され、すごろくのようなゲームの場合、ボード上の駒とゴールエリアとの位置関係で示される。また、判定部200は、特定部500により特定されたボードゲームに対応するルールを情報記憶部400から読み出す。
【0074】
判定部200は、ボードゲームの進行状況と、読み出したボードゲームのルールのうち、ボードゲームの終了を示すルールとを対比し、ボードゲームの進行状況がボードゲームの終了を示すルールと一致するかどうかを判断する。ボードゲームの進行状況がボードゲームの終了を示すルールと一致する場合、判定部200は、ボードゲームの終了を判定し、提示部300に判定結果を出力する。
【0075】
==カラオケ装置の動作について==
次に、図6を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。図6は、カラオケ装置Kにおける動作を示すフローチャートである。この例では、図1に示したカラオケルームRにおいて利用者U1及び利用者U2がボードゲームBGとしてチェスを行うとする。また、情報記憶部400は、ボードゲームの名称「チェス」に対し、チェスの終了を示すルール(チェックメイトにより、キングの駒がボードから取り除かれることでゲームの勝利が確定する)を含むルールを対応付けて記憶しているとする。
【0076】
カラオケルームRの利用者U1または利用者U2は、ボードゲームGBを開始する前にリモコン装置50を介してこれからプレイするボードゲーム名を入力する。リモコン装置50は、入力されたボードゲーム名をカラオケ本体10に出力する。特定部500は、出力されたボードゲーム名を、カラオケルームRでプレイされるボードゲームGBの名称として特定する(ボードゲームの名称を特定。ステップ20)。
【0077】
また、利用者U1及び利用者U2がカラオケルームRに入室した場合、撮影装置60は、ボードゲームGBが置かれるテーブルTの撮影を開始する。利用者U1及び利用者U2は、テーブルT上でボードゲームGBを開始する(ボードゲームを開始。ステップ21)。
【0078】
取得部100は、ボードゲームGBのボードに対応する映像データを取得する(ボードゲームのボードに対応する映像データを取得。ステップ22)。
【0079】
判定部200は、ステップ22で取得された映像データに含まれるボードゲームGBのボードの映像データを解析して得られたボードゲームの進行状況、及びステップ20で特定されたボードゲームの名称に対応するルールに基づいて、ボードゲームGBの終了を判定する(ボードゲームの進行状況及びルールに基づいてボードゲームの終了を判定。ステップ23)。
【0080】
ボードゲームGBが終了したと判定された場合(ステップ24でYの場合)、提示部300は、プレーヤである利用者U1及び利用者U2に対してレコメンド楽曲を提示する(レコメンド楽曲を提示。ステップ25)。
【0081】
具体的に、カラオケルームRの利用者U1または利用者U2は、ボードゲームGBを開始する前にリモコン装置50を介してこれからプレイするボードゲーム名「チェス」を入力する。特定部500は、カラオケルームRでプレイされるボードゲームGBが「チェス」であると特定する。
【0082】
撮影装置60は、利用者U1及び利用者U2がカラオケルームRに入室し、テーブルTにチェスのボード及び駒が置かれたタイミングT0でテーブルTの撮影を開始したとする。撮影装置60は、撮影した映像に対応する映像データM0をカラオケ本体10に出力する。取得部100は、映像データM0を取得する。
【0083】
判定部200は、映像データM0からテーブルTに置かれたチェスのボードの映像データを抽出する。判定部200は、抽出した映像データからボード上の各駒の種類を特定することによりチェスの進行状況を取得する。また、判定部200は、特定部500により特定されたチェスに対応するルールを情報記憶部400から読み出す。
【0084】
判定部200は、チェスの進行状況とチェスの終了を示すルールとを対比し、一致するかどうかを判断する。ここで、タイミングT0はチェスの開始前である。すなわち、映像データM0に対応する進行状況においては、キングの駒が2つ存在している。一方、チェスの終了を示すルールは「チェックメイトにより、キングの駒がボードから取り除かれる」である。すなわち、チェスの終了時点においては、ボード上にキングの駒は1つしか存在しない。
【0085】
従って、判定部200は、タイミングT0の時点においてボードゲームの進行状況がボードゲームの終了を示すルールと一致しない、すなわちボードゲームが終了していないと判定し、提示部300に判定結果を出力しない。
【0086】
一方、チェスが進行するにつれて、ボード上の駒の数は減っていく。最終的にはチェックメイトによりいずれか一方のキングの駒がボードから取り除かれる。
【0087】
たとえば、撮影装置60は、あるタイミングTnでチェスのボードの撮影を行う。撮影装置60は、撮影した映像に対応する映像データMnをカラオケ本体10に出力する。取得部100は、映像データMnを取得する。
【0088】
判定部200は、映像データMnからテーブルTに置かれたチェスのボードの映像データを抽出する。判定部200は、抽出した映像データからボード上の各駒の種類を特定することによりチェスの進行状況を取得する。また、判定部200は、特定部500により特定されたチェスに対応するルールを情報記憶部400から読み出す。
【0089】
判定部200は、チェスの進行状況とチェスの終了を示すルールとを対比し、一致するかどうかを判断する。ここで、タイミングTnでは、チェックメイトにより一方のキングの駒がボード上から取り除かれた状態にあったとする。
【0090】
この場合、判定部200は、タイミングTnの時点においてボードゲームの進行状況がボードゲームの終了を示すルールと一致する、すなわちボードゲームが終了したと判定し、提示部300に判定結果を出力する。
【0091】
判定部200から判定結果が出力された場合、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている楽曲の中からランダムに1曲を抽出し、表示装置30の表示画面にレコメンド楽曲の楽曲名及びカラオケ歌唱を薦めるメッセージを表示させることにより、利用者U1及び利用者U2に対してレコメンド楽曲を提示する。
【0092】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、ボードゲームの名称及びルールを対応付けて記憶する情報記憶部400と、プレイされるボードゲームの名称を特定する特定部500とを有する。また本実施形態に係る判定部200は、映像データに含まれるボードゲームのボードの映像データを解析して得られたボードゲームの進行状況、及び特定されたボードゲームの名称に対応するルールに基づいて、ボードゲームの終了を判定する。このようなカラオケ装置Kによれば、ボードゲームのルールを参照することにより、ボードゲームの進行状況に応じてボードゲームの終了を判定できる。
【0093】
<第2実施形態の変形例>
第2実施形態の構成において、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定することも可能である。
【0094】
本変形例において、撮影装置60は、たとえば、利用者がカラオケルームに入室した時点からカラオケルーム内の撮影を開始する。撮影装置60は、ボードゲームのボード及びプレーヤの両方が映るよう撮影を行う。撮影装置60は、撮影した映像に対応する映像データをカラオケ本体10に出力する。取得部100は、撮影装置60から出力された映像データを取得する。本変形例に係る取得部100は、ボードゲームのボード及びボードゲームのプレーヤの両方に対応する映像データを取得する。
【0095】
(判定部)
本変形例に係る判定部200は、映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた当該プレーヤの感情を示す感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定する。判定部200の処理は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0096】
(提示部)
本変形例に係る提示部300は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示する。提示部300の処理は、第1実施形態の変形例と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0097】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kの判定部200は、映像データに含まれるプレーヤの顔画像データを解析して得られた当該プレーヤの感情を示す感情情報に基づいて、ボードゲームで勝利したプレーヤを特定する。提示部300は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に基づいて、レコメンド楽曲を提示する。このようなカラオケ装置Kによれば、ボードゲームで勝利したプレーヤに対してレコメンド楽曲を提示することができる。またレコメンド楽曲は、勝利したプレーヤの歌唱履歴に含まれている楽曲である。すなわち、レコメンド楽曲は勝利したプレーヤがカラオケ歌唱可能な楽曲であるため、カラオケ歌唱をより積極的に行いやすくなる。また、このようなカラオケ装置Kによれば、ボードゲームのボードに対応する映像データに基づいてボードゲームの終了を判定しつつ、プレーヤに対応する映像データに基づいて勝利したプレーヤを特定することができる。
【0098】
<第1実施形態及び第2実施形態の変形例>
一般にカラオケルームは利用時間が決まっている。従って、たとえば複数のレコメンド楽曲を提示した場合や演奏時間が長い楽曲をレコメンド楽曲として提示した場合に利用時間内にカラオケ歌唱ができない可能性がある。本変形例では、利用時間を考慮してレコメンド楽曲を提示する例について述べる。
【0099】
(提示部)
本変形例に係る提示部300は、ボードゲームが終了したと判定された時点からカラオケルームの利用終了時刻までの残り時間にカラオケ演奏可能な楽曲をレコメンド楽曲として提示する。
【0100】
ボードゲームが終了したと判定された場合、提示部300は、カラオケルームが設置されているカラオケ店舗のサーバ装置(図示なし)から、当該カラオケルームの利用終了時刻を取得する。提示部300は、ボードゲームが終了したと判定された時点からカラオケルームの利用終了時刻までの残り時間を算出する。
【0101】
提示部300は、算出した残り時間でカラオケ演奏可能な楽曲(すなわちカラオケ演奏時間が残り時間よりも短い楽曲)をレコメンド楽曲として提示する。レコメンド楽曲は様々な方法により決定することができる。
【0102】
たとえば、提示部300は、ボードゲームが終了したと判定された時点からカラオケルームの利用終了時刻までの残り時間として「20分」を算出したとする。
【0103】
この場合、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている楽曲の中から演奏時間が5分前後の楽曲をランダムに抽出し、合計演奏時間が20分以内になるような楽曲(4曲)の組み合わせを決定することができる。
【0104】
或いは、提示部300は、記憶手段10aに記憶されている全国歌唱ランキング(図7参照)を読み出し、歌唱回数が多い楽曲から順に抽出し、合計演奏時間が20分未満となるような組み合わせを決定する。
【0105】
ここで、図7に示した通り、歌唱回数の多い上位3曲(楽曲X1、X2、X3)の合計演奏時間は16分5秒である。一方、4番目に歌唱回数が多い楽曲X4の演奏時間は5分45秒であり、5番目に歌唱回数が多い楽曲X5の演奏時間は4分10秒である。よって、いずれの楽曲を組み合わせた場合であっても、合計演奏時間が20分を超える。一方、6番目に歌唱回数が多い楽曲X6の演奏時間は3分50秒である。よって、上位3曲に楽曲X6を組み合わせた合計演奏時間は19分55秒となり、20分未満となる。
【0106】
この場合、提示部300は、楽曲X1、X2、X3、X6の組み合わせを決定する。提示部300は、レコメンド楽曲として楽曲X1、X2、X3、X6を提示する。
【0107】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kの提示部300は、ボードゲームが終了したと判定された時点からカラオケルームの利用終了時刻までの残り時間にカラオケ演奏可能な楽曲をレコメンド楽曲として提示する。このようなカラオケ装置によれば、カラオケルームの利用終了時刻を考慮してレコメンド楽曲を提示することができる。よって、利用者は、カラオケルームの利用終了時刻までに全てのレコメンド楽曲をカラオケ歌唱することができる。
【0108】
<その他>
上記実施形態等ではカラオケルームに設置されたカラオケ装置を用いる例について述べた。一方、カラオケ装置の代わりに携帯端末を用いることも可能である。
【0109】
携帯端末は、利用者が所有するスマートフォンやタブレット端末である。携帯端末は、たとえばカメラ、マイク、スピーカ等、一般的なスマートフォン等に備えられる構成を有する。
【0110】
携帯端末には、カラオケルームでボードゲームを行う際に利用する専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「カラオケアプリ」)がインストールされている。カラオケアプリは、所定のWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0111】
携帯端末においてカラオケアプリを起動することにより、携帯端末は、取得部100、判定部200、提示部300等、実施形態のカラオケ装置と同様の機能を実施可能となる。このような携帯端末は「カラオケ端末」の一例である。
【0112】
また、上記実施形態及び変形例はプレーヤが2名の例で説明したが、プレーヤは3名以上であってもよい。カラオケ装置Kは、プレーヤが3名以上の場合であっても実施形態及び変形例と同様の処理を実行することにより、レコメンド楽曲を提示することができる。
【0113】
上記実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
100 取得部
200 判定部
300 提示部
400 情報記憶部
500 特定部
BG ボードゲーム
K カラオケ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7