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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074674
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/16 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
B65D43/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185992
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】591161623
【氏名又は名称】株式会社コバヤシ
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】下山 豪佐
(72)【発明者】
【氏名】保坂 弘司
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA12
3E084AA13
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084CA02
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA01
3E084DA02
3E084DA03
3E084DB01
3E084DC03
3E084FA02
3E084FD13
3E084GA06
3E084GB06
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD01
3E084JA19
3E084KB10
3E084LA06
3E084LB02
3E084LB07
3E084LB08
3E084LB09
(57)【要約】
【課題】
本発明は、容易に蓋を開けることができ且つ商品価値を高めることに貢献することができる容器を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、蓋部と、収容部と、を備えている樹脂製容器であって、前記蓋部には、所定形状を描く切取り線が設けられており、前記切取り線は、前記蓋部により前記収容部に蓋をした場合において、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように、且つ、前記所定形状が前記蓋部の縁の一部を含むように、設けられている前記樹脂製容器を提供する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部と、
収容部と、
を備えている樹脂製容器であって、
前記蓋部には、所定形状を描く切取り線が設けられており、
前記切取り線は、
前記蓋部により前記収容部に蓋をした場合において、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように、且つ、
前記所定形状が前記蓋部の縁の一部を含むように、
設けられている、
前記樹脂製容器。
【請求項2】
前記蓋部のうちの前記所定形状の部分が、前記蓋部のうちの他の部分に対して立ち上げ可能であるように構成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記切取り線は、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことができるように設けられている、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことによって、前記他の部分が前記収容部から離れる、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記容器は、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部をさらに有し、
前記所定形状に含まれる前記縁の一部が、前記接続部とは反対側の縁に存在している、
請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記容器は、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部をさらに有し、
前記所定形状の部分が前記接続部から離れるように、前記所定形状の部分を立ち上げ可能である、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記蓋部は、前記所定形状の周囲の一部に、指又は同様物を挿入することができるように構成された陥入可能部が設けられている、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記蓋部は、前記所定形状の周囲に、スタック部を有している、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記スタック部は、前記容器を前記接続部での折り曲げによって前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において前記収容部側に向けて突き出る凸形状を有する、請求項8に記載の容器。
【請求項10】
前記スタック部は、前記接続部側の反対側に向かって開口している形状を描くように前記蓋部に設けられている、請求項8又は9に記載の容器。
【請求項11】
前記収容部は、前記蓋部と接合するための縁を有し、
前記所定形状を描く切取り線は、前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合における前記縁と前記蓋部との接合部分を横切るように設けられている、
請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記容器は、発泡樹脂から形成されている、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
前記容器は、食品を収容するために用いられる、請求項1に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、特には蓋部と収容部とを有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば食品などの内容物を収容するための容器の構造に関して、これまでに様々な技術が提案されている。これらの技術のうちの一つとして、容器の蓋を開けることに関する技術がある。容器の蓋の構造は、種々の観点から設計される。
【0003】
下記特許文献1には、比較的小さな力で開蓋できる容器に関する技術が開示されている。同文献には、「食品を収納する凹部と凹部の上縁に設けられたフランジを有し、平面略方形の容器本体と、前記容器本体のフランジにヒンジ部を介して連設された蓋体とよりなり、前記蓋体を前記容器本体のヒンジ部に対向するフランジに固着して収納物を封緘するようにした包装用容器において、前記蓋体に、前記固着部位を囲み縁部に開放したミシン目を設けると共に、ミシン目を破断する際の指かけとなる凹部又は凸部を設けた、包装用容器」(請求項1)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-074478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器本体と蓋とが、例えば接着剤又は熱融着などによって接着されている場合に、蓋を開けることはしばしば難しい。また、開けることができても、蓋が破れることもあり、これは、商品の印象を悪化させうる。これらは、特には容器を開ける人が子供である場合に、より特には幼児である場合に、当てはまる。
【0006】
例えば納豆容器に関して、納豆が収容されている収容部と当該収容部を覆う蓋とは、上記のように接着剤又は熱融着などによって接着されている。容器本体と蓋とがこのように接着されている容器に関して、当該蓋を当該収容部から外すことはしばしば困難を伴う。また、当該蓋を当該収容部から外すことができたとしても、当該蓋は破れたりすることもある。
【0007】
また、蓋そのものに付加価値を付けることができれば、その蓋を有する商品の価値を高めることができる。例えば、蓋は、ユーザが商品を利用する際に必ず見るところであるので、そこに例えばキャラクターやロゴなどを表示することは、商品価値を高めるために有用であると考えられる。
【0008】
本発明は、容易に蓋を開けることができ且つ商品価値を高めることに貢献することができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、特定の構成を有する容器によって、上記課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1]
蓋部と、
収容部と、
を備えている樹脂製容器であって、
前記蓋部には、所定形状を描く切取り線が設けられており、
前記切取り線は、
前記蓋部により前記収容部に蓋をした場合において、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように、且つ、
前記所定形状が前記蓋部の縁の一部を含むように、
設けられている、
前記樹脂製容器。
[2]
前記蓋部のうちの前記所定形状の部分が、前記蓋部のうちの他の部分に対して立ち上げ可能であるように構成されている、[1]に記載の容器。
[3]
前記切取り線は、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことができるように設けられている、[1]又は[2]に記載の容器。
[4]
前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことによって、前記他の部分が前記収容部から離れる、[1]~[3]のいずれか一つに記載の容器。
[5]
前記容器は、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部をさらに有し、
前記所定形状に含まれる前記縁の一部が、前記接続部とは反対側の縁に存在している、
[1]~[4]のいずれか一つに記載の容器。
[6]
前記容器は、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部をさらに有し、
前記所定形状の部分が前記接続部から離れるように、前記所定形状の部分を立ち上げ可能である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の容器。
[7]
前記蓋部は、前記所定形状の周囲の一部に、指又は同様物を挿入することができるように構成された陥入可能部が設けられている、[1]~[6]のいずれか一つに記載の容器。
[8]
前記蓋部は、前記所定形状の周囲に、スタック部を有している、[1]~[7]のいずれか一つに記載の容器。
[9]
前記スタック部は、前記容器を前記接続部での折り曲げによって前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において前記収容部側に向けて突き出る凸形状を有する、[8]に記載の容器。
[10]
前記スタック部は、前記接続部側の反対側に向かって開口している形状を描くように前記蓋部に設けられている、[8]又は[9]に記載の容器。
[11]
前記収容部は、前記蓋部と接合するためのフランジ部を有し、
前記所定形状を描く切取り線は、前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合における前記フランジ部と前記蓋部との接合部分を横切るように設けられている、
[1]~[10]のいずれか一つに記載の容器。
[12]
前記容器は、発泡樹脂から形成されている、[1]~[11]のいずれか一つに記載の容器。
[13]
前記容器は、食品を収容するために用いられる、[1]~[12]のいずれか一つに記載の容器。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、容易に蓋を開けることができ且つ商品価値を高めることができる容器が提供される。本発明に従う容器は、例えば子供であっても、容易に蓋を開けることができ、且つ、その蓋自体をキャラクターやロゴが表示されたアイテムとして利用することができる。
なお、本発明の効果は、ここに記載されたものに限定されず、本明細書内に記載された他の効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1B】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1C】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1D】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1E】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1F】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1G】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1H】本発明に従う容器の構成例を示す模式図である。
図1I】スタック部の変形例を説明するための図である。
図1J】スタック部の変形例を説明するための図である。
図1K】スタック部の変形例を説明するための図である。
図1L】スタック部の変形例を説明するための図である。
図1M】スタック部の変形例を説明するための図である。
図2】本発明に従う容器の蓋を閉じた状態を示す模式図であり
図3】蓋部と収容部との接着状態を説明するための図である。
図4A】本発明に従う容器の蓋の開き方の例を説明するための模式図である。
図4B】本発明に従う容器の蓋の開き方の例を説明するための模式図である。
図4C】本発明に従う容器の蓋の開き方の例を説明するための模式図である。
図4D】本発明に従う容器の蓋の開き方の例を説明するための模式図である。
図5A】本発明に従う容器のスタック状態を説明するための模式図である。
図5B】本発明に従う容器を閉じた状態における模式的な横断面図である。
図6A】本発明に従う容器の寸法の例を説明するための模式図である。
図6B】本発明に従う容器の寸法の例を説明するための模式図である。
図6C】本発明に従う容器の寸法の例を説明するための模式図である。
図7】本発明に従う容器の変形例を示す図である。
図8】本発明に従う容器の変形例を示す図である。
図9】前記変形例の容器の蓋を開けた後の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態を示したものであり、本発明の範囲がこれらの実施形態のみに限定されることはない。
【0013】
本発明について、以下の順序で説明を行う。
1.第1の実施形態(容器)
(1)収容部110
(2)蓋部120
(3)接続部130
(4)形状及び寸法の例
(5)材料
(6)変形例1
(7)変形例2
2.第2の実施形態(製造方法)
【0014】
1.第1の実施形態(容器)
【0015】
本発明に従う容器を、図1A~Hを参照しながら説明する。これらの図は、当該容器の構成例を示す図であり、容器の蓋が空いている状態を示す。
図1Aは、本発明に従う容器100の正面図である。また、図1Bに、容器100の構成要素を説明するための図である。同図は、前記正面図において、容器100の構成要素を破線によって区分けした図である。図1C~Eはそれぞれ、容器100の平面図、底面図、及び斜視図である。図1Fは、容器100を、前記斜視図中の方向D1から見た場合における正面図である。図1Gは、容器100は、前記斜視図中の方向D2から見た場合における正面図である。これらの図に示されるように(特には図1Bの破線によって示されるように)、容器100は、収容部110及び蓋部120を備えている。当該収容部及び当該蓋部は、これらの図に示されるように、接続部130によって接続されていてよい。
図1Hに示されるように、容器100には、物Bが収容されてよい。当該物が収容された状態で、蓋部120が閉じられてよい。当該物は、例えば食品であってよい。すなわち、本発明の容器は、食品を収容するために用いられてよい。当該食品は、特には豆であり、より特には納豆であってよいが、これに限定されない。
図2は、収容部110が蓋部120によって蓋をされた状態を示す。同図に示されるように、接続部130は、ヒンジとして機能する。当該接続部において折り曲げられることで、当該収容部は当該蓋部によって閉じられた状態となる。
本発明に従う容器100は、樹脂製容器であってよい。また、蓋部120には、所定形状を描く切取り線124が設けられており、前記切取り線は、蓋部120により収容部110に蓋をした場合において、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように、且つ、前記所定形状が前記蓋部の縁の一部を含むように設けられていてよい。以下で本発明の容器についてより詳細に説明する。
【0016】
(1)収容部110
収容部110(以下では「容器本体110」ともいう)は、底面111、側面112、及び、縁113を有している。底面111の形状は、平面視において、同図に示されるように四角形であってよいが、これに限定されない。底面111の形状は、例えば、三角形、四角形、五角形、若しくは六角形などの多角形であってよく、又は、例えば正円形又は楕円形などの円形であってもよく、又は、円形と多角形とが連結した形状などであってもよい。同図においては底面111の形状は、略正方形であるが、略長方形であってもよく、底面の多角形の辺の長さは適宜選択されてよい。円形の半径の長さも適宜選択されてよい。また、多角形の角の形状は、同図のように丸められてよく又は丸められていなくてもよい。
側面112は、底面111の辺の数に対応する数だけ存在してよく、同図においては、略正方形の辺の数(4)に対応する4つの側面112を、収容部110は有している。縁113は、側面112の数に対応する数だけ存在してよく、同図においては、4つの縁113を、収容部110は有している。
【0017】
底面111は、特には図1Aに示されるように、波状の凹凸を有する面として構成されてよいが、凹凸の形状は波状に限られない。底面111の凹凸は、例えば複数の山状構造が格子状に並んでいる形状であってもよい。また、底面111は、平面であってもよい。本明細書内において、面を形成する材料自体に起因する微小な凹凸を有する底面は、平面に包含される。
【0018】
側面112は、同図に示されるように、波状の凹凸を有する面として構成されてよいが、凹凸の形状は波状に限られない。側面112の凹凸は、底面111と同様に、例えば複数の山状構造が格子状に並んでいる形状であってもよい。また、側面112は、底面111と同様に、平面であってもよい。
【0019】
底面111及び側面112の表面の形状は、収容部110に収容される物に応じて当業者により適宜選択されてよい。例えば容器の強度向上の観点から、凹凸を有する底面が好ましい。例えば納豆などのかき混ぜ動作が行われる収容物に関して、当該凹凸によって、かき混ぜやすさやかき混ぜ時の感触の向上ももたらされる。
【0020】
縁113(以下「収容部縁113」ともいう)の面の形状は、蓋部120によって収容部110を閉じたときに収容部縁113が接触する蓋部120の縁123(以下「蓋部縁123」ともいう)の面の形状に対応するものであってよい。例えば蓋部縁123の面が平面である場合は、収容部縁113の面も平面であってよい。これにより、蓋部120によって収容部110を閉じたときに、収容部110内部の密閉性を確保することができる。
【0021】
(2)蓋部120
蓋部120(以下では単に「蓋」ともいう)は、天面121、スタック部122、及び、縁123を有している。天面121は、平面視において矩形であってよく、同図においては略正方形であるが、略長方形であってもよい。スタック部122は、天面121と縁123との間に位置してよい。縁123は、天面121の形状の辺の数に対応する数だけ存在してよく、同図においては、4つの縁123を、蓋部120は有している。
【0022】
天面121は、同図に示されるように、平面として構成されてよいが、凹凸形状を有してもよい。平面であることによって、後述の切取り線124による切取りを行いやすい。
【0023】
天面121には、所定形状を描く切取り線124が設けられている。当該切取り線について以下でより詳細に説明する。
【0024】
前記切取り線は、蓋部120によって収容部110に蓋をした場合において、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように設けられる。
より具体的には、蓋部120により収容部110に蓋をした状態で、当該容器が前記底面を下にして置かれた場合(当該容器の底面が例えばテーブルや台などに接するように置かれた場合)に、前記所定形状が前記収容部の上に位置するように、当該切取り線(特には当該所定形状)は、設けられる。
同図においては、当該所定形状として、人の顔を含む形状(特には胸像)が描かれている。同図に示される所定形状は、本発明のより良い理解のために簡略化して示されており、実際には、描かれるべき形状が詳細に記載されていてよい。
当該所定形状として、例えば人(特には人の体の一部又は全体、より特には人の顔、胸像、半身像、若しくは全体像など)、キャラクター(特にはキャラクターの一部又は全体、より特にはキャラクターの顔、胸像、半身像、又は全体像)、動物(特には動物の一部又は全体、より特には動物の顔、半身像、又は全体像)、ロゴ、又はマークなどのイラストを含む所定形状が、前記切取り線によって描かれてよい。
一実施態様において、前記イラストは、例えば、季節(例えば四季のいずれか又は1月~12月のいずれかなど)を表すデザイン又は特定の日(例えばクリスマス、ハロウィン、七夕、又は節分など)を表すデザインであってよい。このようなデザインを有するイラストが含まれること、容器に季節感を付加することが可能になり、商品の付加価値を高めることができる。食品容器は、一年を通して同じ形状又は外観を有する場合があるが、このようなイラストによって、容器に季節感を付加することができる。これは商品価値の向上をもたらす。
他の実施態様において、前記イラストは、例えば収容物の製造者又は販売者を表すキャラクターであってよい。このようなイラストが蓋部に描かれることは、当該キャラクターの認知度向上に貢献し、さらには、当該キャラクターによって表される前記製造者又は販売者の認知度向上にも貢献する。これは、商品価値の向上をもたらす。
前記切取り線が、前記収容部内の収容物が存在する領域の上部に前記所定形状が位置するように設けられることによって、所定形状の領域をより大きく確保することができ、これにより、例えば上記切取り線により描かれるヒト、キャラクター、動物、ロゴ、又はマークなどのイラストをより大きく描くことできる。また、切り取られる部分がより大きいことで、切取りをより容易に実行することができる。
以上のように、本発明の容器は、商品価値の向上に貢献することができる。
【0025】
上記のとおり、前記切取り線は、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことができるように設けられていてよい。これにより、上記のとおり、前記切取り線に沿って前記所定形状の部分を切り取った場合に、当該切り取られた前記所定形状の部分は、例えば子供にとって、魅力的なアイテムとして利用されることができる。
【0026】
切取り線124は、前記所定形状が前記蓋部の縁の一部を含むように設けられる。より好ましくは、前記所定形状が、前記蓋部の縁のうち前記収容部の縁と接着される部分を含むように、切取り線124は設けられる。前記容器は、例えば前記所定形状に含まれる前記縁の一部のいずれかの位置で、例えば接着剤又は熱融着によって、前記蓋部と前記収容部とが接着されてよい。これにより、後述のとおり、容器の開封を容易に実行することができる。切取り線124は、いわゆるミシン目であってよく、又は、その線に沿って切り離すことができるように形成された他の線であってもよい。当該ミシン目は、当該線に沿って連続して並ぶ穴であってよい。
これについて、以下で図3を参照しながら説明する。
【0027】
同図に示されるように、前記蓋部の縁123のうち位置P1及びP2が、前記蓋部によって前記収容部を閉じたときの接着部位として利用される場合を想定する。
位置P1及びP2に接着剤が施与され、そして、前記蓋部によって前記収容部が閉じられる。これにより、前記収容部の縁113のうちの位置P1’及びP2’が、前記蓋部の縁123のうちの位置P1及びP2と、当該接着剤を介して接着される。
代替的には、前記蓋部によって前記収容部が閉じられた状態で、位置P1及び位置P2に熱融着処理が行われてもよい。これにより、前記収容部の縁113のうちの位置P1’及びP2’が、前記蓋部の縁123のうちの位置P1及びP2と接着されてもよい。
位置P1及びP2は、前記所定形状を描く切取り線124の内側(より具体的には切取り線124と前記蓋部の外周の一部の線L1とによって描かれる領域内)に存在し、且つ、縁123内に存在する。
以上のように、本発明において、前記蓋部の縁の一部及び前記収容部の縁の一部が、蓋を閉じた状態を維持するための接着位置として用いられ、且つ、当該接着位置が、前記所定形状を描く切取り線の内側に存在する。これは、以下のとおり、容器の開封を容易に実行することを可能とする。
【0028】
次に、このように蓋を閉じた状態において、切取り線を利用して前記所定形状を切り離した場合の蓋の開き方について、図4A~Dを参照しながら説明する。
図4Aに示されるように、容器100を開封するユーザが、切取り線124に沿って、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を切り離す。より具体的には、前記切取り線のうちの一部に、同図に示されるように指又は同様物が押し当てられ又は挿入されて、前記所定形状の部分の一部が、前記蓋部の他の部分から切り離される。より具体的には、図4Bに示されるように、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分126が、前記蓋部のうちの他の部分127に対して立ち上げられる。より具体的には、前記蓋部と前記収容部とは、接着位置P1及びP2で接着しているので、その接着部分が支点となり、前記所定形状の部分は、前記他の部分に対して立ち上げやすい。このように立ち上げることで、前記所定形状の部分は、前記他の部分から切り離される。
このように、本発明の容器は、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分が、前記蓋部のうちの他の部分に対して立ち上げ可能であるように構成されていてよい。さらに、前記切取り線は、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことができるように設けられていてよい。
より特には、前記容器は、後述のとおり、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部130をさらに有し、前記所定形状に含まれる前記蓋部縁の一部が、前記接続部とは反対側の縁に存在していてよい。さらには、前記所定形状の部分が前記接続部から離れるように、前記所定形状の部分を立ち上げ可能であってよい。
【0029】
次に、前記切取り線は、前記蓋部の縁を横切っているので、上記のとおりに立ち上げ作業を進めていくと、前記所定形状の部分126は、前記他の部分127から完全に切り離される。これは、前記切取り線は、前記蓋部の縁を横切って、蓋部の外周部分に到達していることによる。
図4Cに示されるように、前記所定形状の部分126を、前記他の部分127から立ち上げるように切り離すことで、接着位置P1及びP1’並びにP2及びP2’における蓋部縁と収容部縁との接着も解除される。
ここで、前記接着位置P1及びP2での蓋部縁と収容部縁との接着は、所定の力を加えることで、離れることができるように構成されてよい。当該接着は、例えば通常の発泡樹脂製納豆容器などにおける蓋と容器との接着のように実行されてよい。
【0030】
また、前記切取り線は、前記蓋部の縁を横切って、前記蓋部の外周部分に到達しているので、前記所定形状の部分126を前記他の部分127から切り離すことに伴い、前記他の部分127が、図4Cに示されるように、前記収容部から離すことができる。これは、前記蓋部のうちの前記他の部分127は、接続部130を介してのみ前記収容部と結合しており、その他の部分(その他の部分の蓋部縁など)は、前記収容部(特には前記収容部縁)と接触しているだけであり、離れることができるためである。
このようにして、図4Dに示されるように、前記蓋部のうちの所定形状の部分126が、容器の他の部分から離れる。
以上のとおり、本発明の容器は、前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分を前記蓋部のうちの他の部分から切り離すことによって、前記他の部分が前記収容部から離れるように構成されてよい。これにより、前記所定形状の部分を切り離すという作業によって、蓋部を開けるということが可能となる。
【0031】
本発明において、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分が当該容器から切り離されることに伴い、前記蓋部のうちの前記他の部分が前記収容部から離れる。より詳細には、前記蓋部と前記収容部との間の接着箇所が、前記所定形状のうちの前記蓋部の縁の一部に含まれているため、上記のとおり前記所定形状の部分が切り離されることによって、前記蓋部(特には前記蓋部のうちの前記他の部分)が、前記収容部から離れる。
すなわち、本発明の容器は、前記収容部は、前記蓋部と接合するための縁を有し、前記蓋部に設けられた前記所定形状を描く切取り線は、前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合における前記縁と前記蓋部との接合部分を横切るように設けられていてよい。
【0032】
上記のとおり、前記蓋部のうちの前記所定形状の部分は、前記蓋部のうちの他の部分に対して立ち上げ可能であるように構成されていてよい。より具体的には、前記所定形状の部分は、前記蓋部の縁と前記収容部の縁との接着箇所を軸として、前記収容部から離れるように、前記他の部分に対して立ち上がる。これにより、前記容器の蓋を開ける動作を行う際に、前記所定形状に含まれる前記イラストが立ち上がるようになるので、蓋を開ける動作に、楽しみを与えることができる。
【0033】
一実施態様において、前記イラストは、前記蓋部の表面(特には前記所定形状内の表面)に当該イラストを描く溝を設けることによって描かれてよい。当該溝の深さは、前記蓋部の厚みよりも小さくてよい。この場合、溝は、例えば容器の成型時に描かれてよく、インク又は塗料は用いられなくてよい。これにより、インク又は塗料によるイラスト描画工程は省略されうる。
他の実施態様において、前記イラストは、前記蓋部の表面(特には前記所定形状内の表面)に、インク又は塗料によってイラストが描画されてもよい。この場合には、前記蓋部の材料自体によってもたらされる色でなく、他の色によるイラストが描かれる。例えば、イラスト本来の色と同じ又は類似の色が前記蓋部表面に表示されてよい。例えば、実際のヒト、キャラクター、動物、ロゴ、又はマークと同じ又は類似のイラストが前記蓋部表面に表示されてよい。
【0034】
前記蓋部は、前記所定形状の周囲に、スタック部122を有していてよい。特には、前記所定形状を描く切取り線の周囲に、スタック部122を有してよい。
容器100は、例えば納豆製造において用いられる場合、納豆の原料となる豆が収容部に収容される前においては、蓋部120による蓋がされない状態で輸送されうる。当該輸送において、複数の容器100が重ねられる。スタック部122は、複数の容器100が重ねられた場合に、重ねられた容器が滑ってずれないという効果をもたらす。
また、切取り線124上にスタック部は存在しなくてよい。スタック部に切取り線を設けることは、しばしば困難であるためである。一実施態様において、切取り線124の内部にスタック部が存在しなくてよい。
【0035】
図5Aに、本発明の2つの容器100-1及び100-2が、スタック部を利用して重ねられている状態の模式図を示す。同図に示されるように、本発明の複数の容器は、一方の容器100-2のスタック部122-2が、他方の容器100-1のスタック部122-1に挿入されるように、重ねられてよい。より具体的には、スタック部122-2の凸形状が、スタック部122-1の凸形状(特には凸形状の反対側の凹部)にはまるように、これら容器は重ねられてよい。
【0036】
前記スタック部は、前記容器を後述の接続部130での折り曲げによって前記収容部を前記蓋部によって閉じた場合において前記収容部側に向けて突き出る凸形状を有してよい。より具体的には、当該凸形状は、前記蓋部により前記収容部を閉じた場合に前記収容部側に向かって突き出ることになる凸形状である。
前記蓋部によって前記収容部に蓋をする前の状態においても同じく、当該凸形状は、前記蓋部の所定形状が描かれている面(蓋を閉じた状態でユーザが視認できる面)と反対側の面から突き出ている。
図5Bに、本発明の容器100の蓋を閉じた状態における、横断面図を示す。同図は、図2におけるA-A’線に平行であり且つ天面に垂直な面で切断した場合の横断面である。同図に示されるように、スタック部122は、蓋を閉じた場合において、収容部の縁113よりも内側に位置するように設けられてよい。これにより、蓋と容器との位置関係をより強固にすることができる。
【0037】
前記スタック部は、前記接続部側の反対側に向かって開口している形状を描くように前記蓋部に設けられていてよい。前記切取り線を、スタック部を横切って設けることは困難である。すなわち、当該開口している形状を描くように前記スタック部を設けることによって、本開示に従う切取り線を描くことが可能となる。
前記開口している形状は、例えば、四角形の4つの辺のうちの一辺(又はその一辺の一部)が描かれない形状(コの字形状)であってよく、又は、円又は楕円のうちの一部がかけている形状(Cの字形形状)であってもよい。
【0038】
前記スタック部の構造は、上記で述べた開口している形状に限定されず、2以上の容器を重ねた場合に、蓋部がずれることを防止するように構成された他の形状であってもよい。そのような他の形状の例を図1I図1mを参照して説明する。これらの図は、上記で述べた容器100の平面図と同様の平面図であり、スタック部の位置及び形状の例を説明するためのものである。
図1Iに示されるように、蓋部には、平面視において2本線状のスタック部140a及び140bが設けられてよい。同図に示されるように、スタック部140a及び140bは、前記所定形状を挟むように設けられてよい。これら2つのスタック部は、図1Cに示されるコの字状スタック部122のうちから接続部130側の一辺を省略し、向かい合う二辺だけを残した形状ともいえる。同図においては、スタック部140aの線及びスタック部140bの線は平行に配置されているが、非平行であってもよい。また、同図においては、スタック部140aの線及びスタック部140bの線はいずれも直線であるが、曲線(例えば波線又は円弧を描くような線)又はジグザグ線などの他の形状の線であってもよい。
また、図1Jに示されるように、蓋部には、平面視においてL字状(又は、「く」の字状)のスタック部141が設けられてもよい。当該スタック部141は、同図に示されるように、接続部側の直線状部分141aと、当該部分141bと角(特には直角)を形成するように設けられた直線状部分141bとを有する。これら2つの直線状部分によって形成された鋭角側に、前記所定形状を描く切取り線が設けられている。これら直線状部分は、上記で述べたように、曲線又はジグザグ線などの他の形状の線であってもよい。
また、図1I及び図1Jに示されるスタック部は、蓋部の一辺のサイズの半分以上の長さを有する線の形状を有するが、スタック部の長さは短くてもよい。このように短いスタック部の例を図1Kに示す。同図に示される容器の蓋部は、4つのスタック部142a、142b、142c、及び142dを有する。これら4つのスタック部は、図1Cに示されるコの字状スタック部122のうちから4か所(コの字を描く線のうちの2つの端部及び2つの角部分)だけを残し、他を省略した形状ともいえる。これら4つのスタック部は、前記所定形状を描く切取り線の周囲に、間を空けて配置されている。このように、本発明において、前記所定形状を描く切取り線の周囲に、2以上のスタック部が、間を空けて配置されてよい。
上記のように2以上のスタック部が間を空けて配置される場合には、2つの隣り合うスタック部の間に前記切取り線が存在してもよい。これにより、所定形状が描かれる領域をより広く確保することができる。この場合の例を、図1Lを参照して説明する。同図に示される容器の蓋部には、図1Kに示されたものと同じ4つのスタック部142a、142b、142c、及び142dが設けられている。当該蓋部には、切取り線によって、上部に星が付された木の形状143(特にはクリスマスツリー)が描かれている。当該形状の周囲に、これらスタック部が設けられている。これら4つのスタック部は間を空けて設けられている。同図に示されるように、スタック部142c及びスタック部142dの間に、前記星が存在する。また、スタック部142c及びスタック部142aの間に、木の一部が存在する。また、スタック部142d及びスタック部142bの間にも、木の一部が存在する。このように、2つ以上のスタック部が間を空けて配置されていることで、所定形状を描く線をその間に存在させることができ、これにより、前記所定形状をより大きく描くことができる。
また、図1I図1Lに示される容器の蓋部に設けられたスタック部はいずれも平面視において線を描くような形状を有するが、スタック部は必ずしも線を描くように設けられていなくてもよい。その例を図1Mに示す。同図に示される容器の蓋部は、3つのスタック部144a、144b、及び144cを有する。これらスタック部は、平面視において点の状(円形状)を有し、すなわち、点状の凸部である。これら点状のスタック部は、例えば円錐様形状(円錐のように円形底面の有する形状)の凸部、より特には円錐台状の凸部であってよく、蓋部によって収容部を閉じたときに収容部側に向かって突き出るような形状を有してよい。当該点状のスタック部は、円錐様形状に限られず、角錐様形状など他の形状の凸部であってもよい。当該角錐様形状の凸部は、特には三角錘様、四角錘様、五角錘様、又は六角錘様の形状など)の凸部であってよく、より特には角錐台状(特には三角錘台状、四角錘台状、五角錘台状、又は六角錘台状など)の凸部であってもよい。また、これら点状のスタック部は、2以上の容器を重ねた場合に重なり合うために、反対側から見た場合には、凹んでいるように構成されてよい。当該凹みは、上記で言及した図5Bに示されるように形成されてよい。
以上のようなスタック部によっても、2以上の容器を重ねた場合における蓋部のずれを防止することができる。このように、蓋部に設けられるスタック部の数は、1つであってもよく又は2つ以上であってもよい。これら1又は複数のスタック部の間に、所定形状を描く切取り線が存在してもよく又は存在しなくてもよい。また、スタック部の構成(例えば数、位置、及び形状)は、前記所定形状に応じて、当業者により適宜選択されてよい。
【0039】
(3)接続部130
容器100は、前記蓋部と前記収容部とを接続する接続部130を有している。接続部130は、前記蓋部によって前記収容部に蓋をする際にヒンジとして機能するように構成されてよい。
例えば、接続部130をヒンジとして機能させるために、接続部130における厚みは、接続部130が接続されている前記蓋部の縁の厚み(及び接続部130が接続されている前記収容部の縁の厚み)よりも小さくてよい。接続部130の厚みを小さくすることで、接続部130で容易に折り曲げることができる。
接続部130をヒンジとして機能させるために、接続部は、折り曲げを可能とするような他の構造を有してよく、例えば折り目が設けられていてもよい。
【0040】
いくつかの実施態様において、接続部130には、図1C及びDに示されるように、折り曲げられる位置に切取り線131が設けられていてもよい。これにより、蓋部120のうちの前記所定形状の部分を開けた後に、蓋部120のうちの他の部分を切取り線で切り離すことができる。これにより、前記収容部(又は前記収容部及び、前記接続部のうち当該切取り線から前記収容部側の一部)だけの状態にすることが可能となる。
【0041】
(4)形状及び寸法の例
本発明の容器の寸法の例を、図6A~Cを参照しながら説明する。
【0042】
収容部110の平面視における形状(特には収容部縁の外周によって規定される形状)は同図に示されるように矩形であってよい。当該矩形の一辺L11は、例えば50mm~200mm、特には60mm~150mm、より特には70mm~130mmであってよい。
【0043】
収容部110のうち、収容部縁の幅L12は、例えば3mm~15mm、特には4mm~12mm、より特には5mm~10mmであってよい。このような幅を有する縁によって、収容部110と蓋部120との間の接着箇所を設けやすくなる。
【0044】
収容部110のうち、収容部縁の厚みL13は、例えば0.5mm~5mm、より特には1mm~3mm、より特には1.5mm~2.5mmであってよい。
【0045】
収容部110の深さL14は、例えば10mm~100mm、特には15mm~50mm、より特には20mm~40mmであってよい。
【0046】
蓋部120の平面視における形状(特には蓋部縁の外周によって規定される形状)は同図に示されるように矩形であってよい。好ましくは、蓋部120の平面視における形状は、収容部110の平面視における形状と略同一であってよい。蓋部120の平面視における矩形形状の一辺L21は、例えば50mm~200mm、特には60mm~150mm、より特には70mm~130mmであってよい。
【0047】
蓋部120のうち、蓋部縁の幅L22は、例えば3mm~20mm、特には4mm~18mm、より特には5mm~15mmであってよい。このような幅を有する縁によって、収容部110と蓋部120との間の接着箇所を設けやすくなる。
【0048】
蓋部120のうち、蓋部縁の厚みL23は、例えば0.5mm~5mm、より特には1mm~3mm、より特には1.5mm~2.5mmであってよい。
【0049】
蓋部120のうち、スタック部の幅L24は、例えば1mm~10mm、特には1.5mm~8mm、より特には2mm~6mmであってよい。
【0050】
蓋部120のうち、スタック部の深さL25は、例えば1mm~10mm、特には2mm~9mm、より特には3mm~8mmであってよい。
【0051】
容器100のスタックピッチL26は、例えば1mm~10mm、特には2mm~9mm、より特には3mm~8mmであってよい。
【0052】
接続部130の幅L31は、例えば0mm~15mm、特には0.5mm~13mm、より特には1mm~10mmであってよい。
【0053】
接続部130の長さL32は、収容部110及び蓋部120の一辺の長さと同じであってよいが、より短くてもよい。接続部130の長さL32は、例えば50mm~200mm、特には60mm~150mm、より特には70mm~130mmであってよい。
【0054】
(5)材料
一実施態様において、本発明の容器は、樹脂から形成されてよく、より特には発泡樹脂から形成されてよい。容器の材料の種類は、当業者により適宜選択されてよく、例えば収容される物に応じて当業者が適宜選択することができる。収容される物が、例えば納豆である場合は、発泡樹脂であることが好ましく、特にはポリスチレン系発泡樹脂であってよい。
前記容器は、単層の樹脂から形成されてよく、又は、複数の層を有する積層体から形成されてもよい。前記積層体は、そのうちの1つ以上の層が樹脂層であってよく、例えばすべての層が樹脂層であってよく、又は、1つ以上の層が樹脂層であり他の層が樹脂以外の材料の層であってもよい。前記樹脂以外の材料の層は、例えば紙層であってよい。
前記容器が単層の樹脂から形成されている場合、当該単層の樹脂は発泡樹脂であってよく又は非発泡樹脂であってもよい。
前記容器が複数の層を有する積層体から形成されている場合、これら複数の層のいずれもが発泡樹脂であってよく、又は、これら複数の層のうちの少なくとも1つが発泡樹脂であり他の層が非発泡樹脂であってよく、又は、これらの複数の層のすべてが非発泡樹脂であってもよい。この場合において、例えば、前記複数の層は、1以上の発泡樹脂層と1以上の非発泡樹脂層とから構成されてよく、特には、1つの発泡樹脂層と1つの非発泡樹脂層とから構成されてもよい。前記発泡樹脂層は、上記で述べたようにポリスチレン系発泡樹脂であってよい。また、前記非発泡樹脂層は、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリスチレン系樹脂のフィルムであってよく、特にはポリスチレン系樹脂のフィルムであってよい。すなわち、前記複数の層の積層体は、発泡樹脂層と前記フィルムの層との積層体であってよい。前記フィルムの厚みは、例えば10μm~50μm、特には15μm~40μm、より特には20μm~30μmであってよい。
【0055】
本発明の容器は、樹脂以外の容器で形成されてもよく、例えば紙により形成されてもよい。本発明の容器の構造、特には特定の切取り線を有する蓋部の構成は、樹脂以外の材料が容器材料として用いられた場合においても適用できる。
【0056】
本発明の容器の材料は、以上で述べた材料のうち、蓋部に切取り線を設けることができる材料であることが好ましい。このような材料のより具体的な例を以下に説明する。
【0057】
一実施態様において、本発明の容器は、発泡したポリスチレン又は非発泡のポリスチレンから形成されてよく、特に好ましくは発泡したポリスチレンから形成されてよい。すなわち、当該容器は、例えば発泡スチレンシート(PSPともいう)から製造されたものであってよい。
他の実施態様において、本発明の容器は、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートから形成されてよい。
これらの樹脂は、例えばリサイクル樹脂(例えば廃プラスチックから再生された樹脂)であってもよく、又は、リサイクルされたものでない樹脂(例えば一次プラスチック)であってもよい。
これらの樹脂は、例えばバイオマス成分及びフィラーなどの非樹脂成分を含んでもよい。
当該バイオマス成分は、植物由来又は動物由来の成分であってよい。当該バイオマス成分は、例えば廃棄物系バイオマス成分、未利用バイオマス成分、又は資源作物バイオマスであってよい。前記廃棄物系バイオマス成分は、例えば家畜排せつ物由来成分、食品廃棄物由来成分、木材由来成分、又は紙由来成分であってよい。前記未利用バイオマス成分は、稲わら由来成分、麦わら由来成分、もみがら由来成分、又は林地残材由来成分であってよい。前記資源作物バイオマスは、例えば糖質資源(さとうきび等)由来成分、でんぷん資源(とうもろこし等)由来成分、又は油脂資源(なたね等)由来成分であってよい。
一実施態様において、前記非樹脂成分は、セルロース粉末であってよく、特にはセルロースナノファイバーであってよい。
当該フィラーは、例えば炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、及びカーボンブラックのうちの1つ又は2つ以上の組み合わせであってよい。
また、当該容器を形成する材料は、樹脂成分の含有割合が、非樹脂成分の含有割合以上であってよく、又は、樹脂成分の含有割合が、非樹脂成分の含有割合未満であってもよい。
さらに他の実施態様において、本発明の容器は、紙から形成されてもよい。
【0058】
本発明の容器の材料は、収容される物に応じて適宜選択されてよい。例えば当該容器に納豆が収容される場合には、本発明の容器は、好ましくは発泡樹脂から形成され、特に好ましくは発泡ポリスチレンから形成される。発泡ポリスチレンは、例えばPSPであってよい。発泡ポリスチレンは、納豆容器としての機能(例えば保温性、クッション性、納豆製造のラインへの適性、スタック安定性、及びフタ閉じ溶着性)の観点から特に好ましい。
【0059】
(6)変形例1
本発明の容器は、前記蓋部は、前記所定形状の周囲の一部に、指又は同様物を挿入することができるように構成された陥入可能部が設けられていてよい。前記陥入可能部においては、前記所定形状を描く切取り線が、予め切断されていてよい。すなわち、陥入可能部は、切取り線でなく、切断された線によって描かれていてよい。当該陥入可能部によって、指又は同様物を挿入しやすくなり、所定形状の切取りが行いやすくなる。当該陥入可能部について、以下で図7を参照しながら説明する。
【0060】
同図に示される容器200は、切取り線によって描かれる所定形状が異なること以外は、上記で説明した容器100と同じである。容器200の蓋部220には、所定形状を描く切取り線224が設けられている。切取り線224は、動物の形状を描くように設けられている。切取り線224のうち、当該動物の耳部分は、切取り線でなく、予め切断されている。これにより、当該耳部分に指又は同様物を挿入することができ、切取り線224に沿った当該動物形状の部分を切り取りやすくなる。当該耳部分が、上記の陥入可能部225に相当する。
以上のとおり、前記所定形状を描く切取り線のうちの一部が、切取り線でなく、予め切断されていてよい。
【0061】
当該陥入可能部には(同図においては耳部分には)、例えばマーク又は文字によって、陥入可能部であることが表示されていてよく、又は、当該陥入可能部の付近に、当該陥入可能部を示すマーク又は文字が表示されていてもよい。これにより、容器のユーザが当該陥入可能部を認識しやすくなる。
【0062】
(7)変形例2
上記で説明した容器100は、蓋部に切取り線が設けられており、収容部には切取り線が設けられていないが、本発明の容器は蓋部に加え、収容部に切取り線が設けられていてもよい。これについて、以下で図8を参照しながら説明する。同図に示される容器300は、収容部110の縁113にさらに切取り線324が設けられていること以外は、上記で説明した容器100と同じである。
【0063】
同図に示されるように、本開示の容器は、蓋部だけでなく、収容部の縁113にも切取り線324が設けられていてよい。この場合において、収容部の当該縁に設けられた切取り線324は、好ましくは、前記蓋部によって前記収容部を閉じたときの接着部位(同図においてはP1’及びP2’)を囲むように設けられていてよい。すなわち、当該切取り線と前記収容部の縁の一部とによって規定される領域内に、前記接着部位が存在してよい。
このように切取り線324が前記収容部に設けられることによって、上記で図4A~4Dを参照して説明したように蓋を開けた場合に、前記所定形状の部分126は、図9の右に示されるように、前記収容部の縁の一部325が前記所定形状の部分126に前記接着部位を介してくっついたままで切り離される。その結果、図9の左に示されるように、前記収容部は、縁113の一部が欠けた状態となる。
この場合は、蓋を開ける際に、接着部位における接着を解除する必要がない。そのため、当該解除を行う動作が不要となり、蓋を容易に開けことができる。
【0064】
2.第2の実施形態(製造方法)
本発明は、上記1.において説明した容器の製造方法も提供する。当該製造方法は、容器材料を容器形状へと成型する成型工程、及び、当該容器に切取り線を設ける切取り線形成工程を含んでよい。本発明の容器は、これらの工程を実行することによって製造される。
以下でこれらの工程について説明する。
【0065】
前記成型工程において、例えば容器材料から形成されたシートが用意される。当該容器材料は、上記1.の(5)において説明したとおりであってよい。当該容器が納豆容器として利用される場合は、当該シートは発泡ポリスチレンシートであり、特にはPSPである。
当該シートが、ヒータにより加熱され、そして、当該加熱後に型(例えば金型)によって成型される。当該成型後に冷却される。当該冷却後、所定の形状へと打ち抜かれる。当該シートがPSPである場合は、当該加熱において、二次発泡が起こってよい。
当該加熱、当該成型、当該冷却、及び当該打ち抜きは、当技術分野で既知の装置を用いて実行されてよく、当業者が適宜実行することができる。また、当該型は、容器の所望の形状に応じて当業者が適宜製造することができる。
【0066】
前記切取り線形成工程において、当該容器の蓋部に、切取り線が設けられる。当該切取り線は、前記打ち抜きと同時に行われてよく、又は、当該打ち抜きの後に行われてもよい。当該切取り線を設けるための装置は、当技術分野で既知の装置であってよく、当該打ち抜きのための刃の設計は当業者が適宜実行することができる。
【0067】
上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料、及び数値はあくまでも例に過ぎず、これと異なる構成、方法、工程、形状、材料、及び数値が用いられてもよい。
【0068】
また、上述の実施形態及び実施例の構成、方法、工程、形状、材料、及び数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0069】
また、本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階における数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階における数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9