IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シマノの特許一覧

特開2024-74681人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置
<>
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図1
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図2
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図3
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図4
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図5
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図6
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図7
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図8
  • 特開-人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074681
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 27/00 20060101AFI20240524BHJP
   B62J 45/42 20200101ALI20240524BHJP
   B62J 45/411 20200101ALI20240524BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20240524BHJP
【FI】
B60B27/00 D
B62J45/42
B62J45/411
B62M6/50
B60B27/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186000
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和也
(72)【発明者】
【氏名】腰山 和喜
(57)【要約】
【課題】歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付け可能とした、人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の軸部材は、前記人力駆動車の車体に対して回転しないように、前記車体に取り付け可能に構成され、複数の歪みゲージを配置可能な配置面を備え、前記配置面は、前記複数の歪みゲージのうちの1つ以上を配置可能に構成される複数の配置部を含み、前記複数の配置部は、前記軸部材の周方向において、前記配置面のうちのそれぞれ異なる位置に設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の軸部材であって、
前記人力駆動車の車体に対して回転しないように、前記車体に取り付け可能に構成され、
複数の歪みゲージを配置可能な配置面を備え、
前記配置面は、前記複数の歪みゲージのうちの1つ以上を配置可能に構成される複数の配置部を含み、
前記複数の配置部は、前記軸部材の周方向において、前記配置面のうちのそれぞれ異なる位置に設けられる、軸部材。
【請求項2】
前記複数の配置部のそれぞれは、平面部を含む、請求項1に記載の軸部材。
【請求項3】
前記複数の配置部のそれぞれは、凹部を含む、請求項2に記載の軸部材。
【請求項4】
前記複数の配置部のうちの少なくとも1つは、前記複数の歪みゲージのうちの少なくとも2つを、前記軸部材の軸方向に並んで配置可能に構成される、請求項1に記載の軸部材。
【請求項5】
前記複数の配置部のうちの2つは、前記軸部材の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる、請求項1に記載の軸部材。
【請求項6】
前記複数の配置部のうちの2つは、前記軸部材のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられる、請求項1に記載の軸部材。
【請求項7】
前記複数の配置部のうちの前記2つは、実質的に等しい形状を有する、請求項6に記載の軸部材。
【請求項8】
前記複数の配置部は、4つの配置部を含み、
前記配置面の前記4つの配置部は、前記軸部材の中心軸心と平行、かつ、前記軸部材の周方向に等間隔に設けられ、
前記複数の配置部のうちの前記軸部材の周方向における位相が180度異なる2つに配置される前記複数の歪みゲージのそれぞれは、互いにブリッジ接続される、請求項1に記載の軸部材。
【請求項9】
前記軸部材の軸方向における第1端部および第2端部をさらに備え、
前記配置面には、前記複数の歪みゲージと接続される複数の電気配線を配置可能な少なくとも1つの配線溝が設けられ、
前記少なくとも1つの配線溝は、前記複数の配置部のうちの少なくとも1つと、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つと、の間に位置する、請求項1に記載の軸部材。
【請求項10】
前記少なくとも1つの配線溝は、前記複数の配置部の全てと、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つとの間に位置する、請求項9に記載の軸部材。
【請求項11】
前記第1端部には、前記軸部材を車体に取り付けるための雄ねじ部が設けられ、
前記少なくとも1つの配線溝は、
前記複数の配置部のうちの少なくとも1つと、前記第1端部と、の間に位置し、
前記雄ねじ部を通過するように前記配置面に設けられる、請求項9に記載の軸部材。
【請求項12】
前記第1端部の最大外径は、前記第2端部の最大外径よりも大きい、請求項11に記載の軸部材。
【請求項13】
前記車体は、前記人力駆動車のフレームを含み、
前記軸部材は、前記フレームに取り付け可能に構成される、請求項1に記載の軸部材。
【請求項14】
前記軸部材は、前記人力駆動車の車輪軸を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項15】
前記軸部材は、前記人力駆動車のハブ軸を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項16】
前記人力駆動車は、ハブを含み、
前記ハブは、ハブシェルを含み、
前記複数の配置部の少なくとも一部は、前記ハブシェルによって形成される内部空間に配置される、請求項1に記載の軸部材。
【請求項17】
前記ハブシェルは、2つのハブフランジを含み、
前記複数の配置部は、前記軸部材の軸方向において、前記ハブシェルのうちの前記2つのハブフランジの間の部分に配置されるように構成される、請求項16に記載の軸部材。
【請求項18】
前記複数の歪みゲージをさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の軸部材。
【請求項19】
人力駆動車用のハブであって、
請求項15に記載の軸部材を備える、ハブ。
【請求項20】
人力駆動車用の車輪軸であって、
前記人力駆動車のフレームに設けられる雌ねじ部と係合する雄ねじ部を有する前記車輪軸の軸方向における第1端部と、
少なくとも1つの歪みゲージを配置可能に構成される少なくとも1つの配置部を含む配置面と、を備える、車輪軸。
【請求項21】
前記車輪軸の軸方向において、前記第1端部とは反対側の第2端部をさらに備え、
前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つには、前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に取り付けるための工具を係合可能な工具係合部が設けられる、請求項20に記載の車輪軸。
【請求項22】
人力駆動車用の検出装置であって、
前記人力駆動車の軸部材に設けられる少なくとも1つの歪みゲージと、
前記少なくとも1つの歪みゲージの出力に応じて、前記人力駆動車の横方向の荷重を演算する演算部と、を備える、検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用のハブ、人力駆動車用の車輪軸、および、人力駆動車用の検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車では、車輪軸に歪みゲージが取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】カナダ国特許出願公開第2426109号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付け可能とした、人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う軸部材は、人力駆動車用の軸部材であって、前記人力駆動車の車体に対して回転しないように、前記車体に取り付け可能に構成され、複数の歪みゲージを配置可能な配置面を備え、前記配置面は、前記複数の歪みゲージのうちの1つ以上を配置可能に構成される複数の配置部を含み、前記複数の配置部は、前記軸部材の周方向において、前記配置面のうちのそれぞれ異なる位置に設けられる。
第1側面の軸部材によれば、複数の配置部が、軸部材の周方向において、配置面のうちのそれぞれ異なる位置に設けられるため、各配置部のそれぞれに設けられる複数の歪みゲージが軸部材の周方向の異なる位置における歪みを検出できる。したがって、軸部材は、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付けできる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の軸部材において、前記複数の配置部のそれぞれは、平面部を含む。
第2側面の軸部材によれば、複数の配置部のそれぞれは、平面部を含むため、軸部材は、歪ゲージを安定して配置面に取り付けできる。
【0007】
本開示の第1または2側面に従う第3側面の軸部材において、前記複数の配置部のそれぞれは、凹部を含む。
第3側面の軸部材によれば、複数の配置部のそれぞれは、凹部を含むため、歪ゲージが凹部から突出しにくい。したがって、軸部材は、歪ゲージを安定して配置面に取り付けできる。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の軸部材において、前記複数の配置部のうちの少なくとも1つは、前記複数の歪みゲージのうちの少なくとも2つを、前記軸部材の軸方向に並んで配置可能に構成される。
第4側面の軸部材によれば、複数の配置部のうちの少なくとも1つは、複数の歪みゲージのうちの少なくとも2つを、軸部材の軸方向に並んで配置できるため、軸部材の歪みの検出精度を向上できる。
【0009】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の軸部材において、前記複数の配置部のうちの2つは、前記軸部材の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。
第5側面の軸部材によれば、複数の配置部のうちの2つは、軸部材の周方向における位相が90度異なる位置に設けられるため、歪みゲージが軸部材の周方向における位相が90度異なる位置の歪みを検出できる。
【0010】
本開示の第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面の軸部材において、前記複数の配置部のうちの2つは、前記軸部材のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられる。
第6側面の軸部材によれば、複数の配置部のうちの2つは、軸部材のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられるため、歪みゲージが軸部材のうちの周方向における位相が180度異なる位置の歪みを検出できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の軸部材において、前記複数の配置部のうちの前記2つは、実質的に等しい形状を有する。
第7側面の軸部材によれば、複数の配置部のうちの2つは、実質的に等しい形状を有するため、複数の配置部のうちの2つのそれぞれ配置される歪みゲージの検出結果を比較しやすい。
【0012】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第8側面の軸部材において、前記複数の配置部は、4つの配置部を含み、前記配置面の前記4つの配置部は、前記軸部材の中心軸心と平行、かつ、前記軸部材の周方向に等間隔に設けられ、前記複数の配置部のうちの前記軸部材の周方向における位相が180度異なる2つに配置される前記複数の歪みゲージのそれぞれは、互いにブリッジ接続される。
第8側面の軸部材によれば、複数の配置部のうちの軸部材の周方向における位相が180度異なる2つに配置される複数の歪みゲージのそれぞれが互いにブリッジ接続されるため、複数の歪みゲージによる出力を大きくできる。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の軸部材において、前記軸部材の軸方向における第1端部および第2端部をさらに備え、前記配置面には、前記複数の歪みゲージと接続される複数の電気配線を配置可能な少なくとも1つの配線溝が設けられ、前記少なくとも1つの配線溝は、前記複数の配置部のうちの少なくとも1つと、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つと、の間に位置する。
第9側面の軸部材によれば、少なくとも1つの配線溝は、複数の配置部のうちの少なくとも1つと、第1端部および第2端部の少なくとも1つと、の間において、複数の電気配線を軸部材に沿って配置できる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の軸部材において、前記少なくとも1つの配線溝は、前記複数の配置部の全てと、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つとの間に位置する。
第10側面の軸部材によれば、少なくとも1つの配線溝は、複数の配置部の全てと、第1端部および第2端部の少なくとも1つとの間において、複数の電気配線を軸部材に沿って配置できる。
【0015】
本開示の第9または第10側面に従う第11側面の軸部材において、前記第1端部には、前記軸部材を車体に取り付けるための雄ねじ部が設けられ、前記少なくとも1つの配線溝は、前記複数の配置部のうちの少なくとも1つと、前記第1端部と、の間に位置し、前記雄ねじ部を通過するように前記配置面に設けられる。
第11側面の軸部材によれば、少なくとも1つの配置溝は、複数の配置部のうちの少なくとも1つと、第1端部と、の間において、雄ねじ部を通過するように軸部材に沿って複数の電気配線を配置できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の軸部材において、前記第1端部の最大外径は、前記第2端部の最大外径よりも大きい。
第12側面の軸部材によれば、少なくとも1つの配線溝は、複数の配置部のうちの少なくとも1つと、第2端部よりも最大外径の大きい第1端部との間に位置するため、複数の配置部のうちの少なくとも1つと、第2端部との間に位置するよりも、溝を深くできる。
【0017】
本開示の第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の軸部材において、前記車体は、前記人力駆動車のフレームを含み、前記軸部材は、前記フレームに取り付け可能に構成される。
第13側面の軸部材によれば、フレームに対して回転しないように軸部材をフレームに取り付けできる。
【0018】
本開示の第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の軸部材において、前記軸部材は、前記人力駆動車の車輪軸を含む。
第14側面の軸部材によれば、車輪軸の歪みを好適に検出できる。
【0019】
本開示の第1から第13側面のいずれか1つに従う第15側面の軸部材において、前記軸部材は、前記人力駆動車のハブ軸を含む。
第15側面の軸部材によれば、ハブ軸の歪みを好適に検出できる。
【0020】
本開示の第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の軸部材において、前記人力駆動車は、ハブを含み、前記ハブは、ハブシェルを含み、前記複数の配置部の少なくとも一部は、前記ハブシェルによって形成される内部空間に配置される。
第16側面の軸部材によれば、ハブシェルによって形成される内部空間に歪みゲージを配置できるため、ハブシェルが歪みゲージを保護できる。
【0021】
本開示の第16側面に従う第17側面の軸部材において、前記ハブシェルは、2つのハブフランジを含み、前記複数の配置部は、前記軸部材の軸方向において、前記ハブシェルのうちの前記2つのハブフランジの間の部分に配置されるように構成される。
第17側面の軸部材によれば、軸部材の軸方向において、ハブシェルのうちの2つのハブフランジの間の部分に歪みゲージを配置できる。
【0022】
本開示の第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の軸部材において、前記複数の歪みゲージをさらに備える。
第18側面の軸部材によれば、複数の歪みゲージによって軸部材の歪みを好適に検出できる。
【0023】
本開示の第19側面に従うハブは、人力駆動車用のハブであって、第15側面に記載の軸部材を備える。
第19側面のハブによれば、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付けできる。
【0024】
本開示の第20側面に従う車輪軸は、人力駆動車用の車輪軸であって、前記人力駆動車のフレームに設けられる雌ねじ部と係合する雄ねじ部を有する前記車輪軸の軸方向における第1端部と、少なくとも1つの歪みゲージを配置可能に構成される少なくとも1つの配置部を含む配置面と、を備える。
第20側面の車輪軸によれば、人力駆動車のフレームに設けられる雌ねじ部と係合する雄ねじ部を有する車輪軸に、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付けできる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の車輪軸において、前記車輪軸の軸方向において、前記第1端部とは反対側の第2端部をさらに備え、前記第1端部および前記第2端部の少なくとも1つには、前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に取り付けるための工具を係合可能な工具係合部が設けられる。
第21側面の車輪軸によれば、第1端部および第2端部の少なくとも1つに雄ねじ部を雌ねじ部に取り付けるための工具を係合可能な工具係合部が設けられる車輪軸に、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付けできる。
【0026】
本開示の第22側面に従う検出装置は、人力駆動車用の検出装置であって、前記人力駆動車の軸部材に設けられる少なくとも1つの歪みゲージと、前記少なくとも1つの歪みゲージの出力に応じて、前記人力駆動車の横方向の荷重を演算する演算部と、を備える。
第22側面の検出装置によれば、少なくとも1つの歪みゲージの出力に応じて、人力駆動車の横方向の荷重を検出できるため、歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを軸部材に取り付けできる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置は、歪みゲージが歪みを好適に検出できるように、歪みゲージを取り付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態の人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置を含む人力駆動車の側面図である。
図2図1の人力駆動車用の検出装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
図3図1の人力駆動車用のハブの断面図である。
図4図2の人力駆動車用のハブの斜視図である。
図5図2の人力駆動車用の軸部材の斜視図である。
図6図2の人力駆動車用の軸部材の一部分を示す第1平面図である。
図7図2の人力駆動車用の軸部材の一部分を示す第2平面図である。
図8図6のD8-D8線に沿う人力駆動車用の軸部材の断面図である。
図9図6のD9-D9線に沿う人力駆動車用の軸部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態>
図1から図9を参照して、人力駆動車用の軸部材60、人力駆動車用の車輪軸12A、人力駆動車用のハブ16、および、人力駆動車用の検出装置80が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えば、マウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば、1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0030】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車の基準位置(例えば、サドルまたはシート上)においてハンドルバーを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0031】
図1に示されるように、人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、前輪12F、および、後輪12Rを含む。少なくとも1つの車輪12は、車輪軸12Aを含む。車輪軸12Aは、例えば、車体14に対して回転しないように、車体14に取り付けられる。軸部材60は、例えば、人力駆動車10の車輪軸12Aを含む。
【0032】
図1および図3に示されるように、人力駆動車10は、例えば、ハブ16を含む。ハブ16は、少なくとも1つの車輪12に設けられる。ハブ16は、前輪12Fに設けられるフロントハブ、および、後輪12Rに設けられるリアハブの少なくとも1つを含む。人力駆動車用のハブ16は、例えば、軸部材60を備える。人力駆動車10がハブ16を含む場合、軸部材60は、例えば、人力駆動車10のハブ軸16Aを含む。ハブ軸16Aは、例えば、車体14に対して回転しないように、車体14に取り付けられる。人力駆動車10がハブ16を含む場合、車輪軸12Aは、ハブ軸16Aを含む。
【0033】
ハブ16は、例えば、ハブシェル18を含む。ハブシェル18は、ハブ軸16Aに対して回転可能に設けられる。ハブシェル18は、2つのハブフランジ18A,18Bを含む。2つのハブフランジ18A,18Bのそれぞれは、ハブシェル18の外面からハブ軸16Aの径方向外側に突出する。2つのハブフランジ18A,18Bのそれぞれは、ハブ軸16Aの軸方向に離れて設けられる。2つのハブフランジ18A,18Bのそれぞれには、例えば、スポークが接続される。ハブシェル18は、少なくとも1つの車輪12と一体回転するように構成される。
【0034】
ハブ16は、例えば、第1軸受16B、および、第2軸受16Cをさらに含む。第1軸受16B、および、第2軸受16Cは、例えば、ハブシェル18がハブ軸16Aに対して回転可能に、ハブシェル18を支持する。第1軸受16B、および、第2軸受16Cのそれぞれは、例えば、ハブシェル18の内面とハブ軸16Aの外面との間に設けられる。第1軸受16Bは、例えば、ハブシェル18のハブ軸16Aの軸方向の一方の端部に設けられる。第2軸受16Cは、例えば、ハブシェル18のハブ軸16Aの軸方向の他方の端部に設けられる。第1軸受16Bは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。第2軸受16Cは、例えば、玉軸受であってもよく、ころ軸受であってもよく、すべり軸受であってもよい。
【0035】
車体14は、人力駆動車10のフレーム20を含む。例えば、フレーム20にはサドルが取り付けられる。フレーム20は、フロントフォーク30を含む。フロントフォーク30は、フレーム20に接続される。フロントフォーク30には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク30には、ハンドルバー32がステム34を介して連結される。後輪12Rは、フレーム20に支持される。ハブ16がリアハブを含む場合、ハブ軸16Aは、例えば、フレーム20のリアエンドに取り付けられる。ハブ16がフロントハブを含む場合、ハブ軸16Aは、例えば、フロントフォーク30に取り付けられる。
【0036】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク22をさらに含む。クランク22は、例えば、クランク軸24、および、クランクアーム26を含む。クランク軸24は、例えば、フレーム20に対して回転可能である。クランクアーム26には、例えば、ペダル28が連結される。クランクアーム26は、例えば、第1クランクアーム26Aおよび第2クランクアーム26Bを含む。ペダル28は、例えば、第1ペダル28Aおよび第2ペダル28Bを含む。第1クランクアーム26Aおよび第2クランクアーム26Bのそれぞれは、例えば、クランク軸24の軸方向の端部にそれぞれ設けられる。第1クランクアーム26Aには第1ペダル28Aが連結される。第2クランクアーム26Bには、例えば、第2ペダル28Bが連結される。
【0037】
本実施形態では、クランク22は、駆動機構36によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、例えば、クランク軸24が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構36によってクランク22に連結されてもよい。
【0038】
駆動機構36は、クランク軸24に連結される第1回転体38を含む。第1回転体38は、例えば、フロントスプロケットを含む。第1回転体38は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸24は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0039】
駆動機構36は、第2回転体40および伝達部材42をさらに含む。伝達部材42は、第1回転体38の回転力を第2回転体40に伝達するように構成される。伝達部材42は、例えば、チェーンを含む。伝達部材42は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。第2回転体40は、例えば、リアスプロケットを含む。第2回転体40は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。チェーンは、例えば、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。第2回転体40は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、第2回転体40の回転にともなって回転するように構成される。
【0040】
人力駆動車10は、例えば、人力駆動車用のバッテリ44をさらに含む。バッテリ44は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリ44は、例えば、演算部82に電力を供給するように構成される。バッテリ44は、例えば、演算部82と、有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ44は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)によって演算部82と通信可能に構成される。バッテリ44は、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって演算部82と通信可能に構成されてもよい。
【0041】
人力駆動車10は、例えば、制動装置46をさらに含む。制動装置46は、例えば、フレーム20およびフロントフォーク30の少なくとも1つに設けられる。制動装置46は、例えば、少なくとも1つの車輪12に制動力を付与するように構成される。制動装置46は、ディスクブレーキであってもよく、リムブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。
【0042】
図3および図4に示されるように、人力駆動車用の軸部材60は、人力駆動車10の車体14に対して回転しないように、車体14に取り付け可能に構成される。軸部材60がフロントハブに含まれる場合、軸部材60は、例えば、フロントフォーク30に取り付けられる。図3および図4は、フロントハブおよびフロントハブに含まれる軸部材60を示すが、リアハブおよびリアハブに含まれる軸部材60も図3および図4と同様に構成されてもよい。軸部材60は、図1に示すフレーム20に取り付け可能に構成されてもよい。軸部材60がリアハブに含まれる場合、軸部材60は、例えば、フレーム20のリアエンドに取り付けられる。軸部材60がリアハブに含まれる場合、以降の説明における前輪12Fは後輪12Rに読み替えでき、フロントフォーク30は、フレーム20のリアエンドに読み替えできる。
【0043】
図3から5に示されるように、軸部材60は、複数の歪みゲージ72を配置可能な配置面64を備える。軸部材60は、例えば、円柱形状に形成される。軸部材60は、円筒形状かつ中空に形成されてもよい。軸部材60は、例えば、軸部材60の軸方向における第1端部60Aおよび第2端部60Bをさらに備える。第2端部60Bは、例えば、軸部材60の軸方向において、第1端部60Aとは反対側の端部である。人力駆動車用の車輪軸12Aは、車輪軸12Aの軸方向における第1端部12Bと、配置面12Cと、を備える。人力駆動車用の車輪軸12Aは、車輪軸12Aの軸方向において、第1端部12Bとは反対側の第2端部12Dをさらに備える。本実施形態において、車輪軸12Aの第1端部12Bは、軸部材60の第1端部60Aと対応し、車輪軸12Aの第2端部12Dは、軸部材60の第2端部60Bと対応し、車輪軸12Aの配置面12Cは、軸部材60の配置面64と対応する。
【0044】
第1端部60Aには、例えば、軸部材60を車体14に取り付けるための雄ねじ部60Cが設けられる。第1端部60Aは、例えば、雄ねじ部60Cを有する。雄ねじ部60Cは、例えば、人力駆動車10のフレーム20に設けられる雌ねじ部20Aと係合する。前輪12Fが軸部材60によって、フロントフォーク30に取り付けられる場合、雌ねじ部20Aは、例えば、フロントフォーク30に設けられる。第2端部60Bは、例えば、雄ねじ部60Dを有する。
【0045】
第1端部60Aの最大外径A1は、例えば、第2端部60Bの最大外径A2よりも大きい。フロントフォーク30は、例えば、第1ブレード30A、および、第2ブレード30Bを含む。第1ブレード30Aは、例えば、軸部材60の第1端部60Aを支持する。第2ブレード30Bは、例えば、軸部材60の第2端部60Bを支持する。第1ブレード30Aは、例えば、軸部材60の軸方向において、ハブシェル18よりも右側に配置される。第2ブレード30Bは、例えば、軸部材60の軸方向において、ハブシェル18よりも左側に配置される。第1ブレード30Aは、例えば、軸部材60を取り付けるための第1孔30Cを含む。第1孔30Cは、例えば、雌ねじ部20Aを含む。第2ブレード30Bは、例えば、軸部材60を取り付けるための第2孔30Dを含む。第1孔30Cの最大内径B1、および、第2孔30Dの最大内径B2は、例えば、第1端部60Aの最大外径A1と実質的に同じである。第1孔30Cの最大内径B1、および、第2孔30Dの最大内径B2は、例えば、第2端部60Bの最大外径A2よりも大きい。
【0046】
ハブ16の第1軸受16B、および、第2軸受16Cは、例えば、軸部材60の軸方向に離れて設けられる。第1軸受16Bは、例えば、軸部材60の軸方向において、第2軸受16Cよりも第1ブレード30Aの近くに配置される。第2軸受16Cは、例えば、軸部材60に軸方向において、第1軸受16Bよりも第2ブレード30Bの近くに配置される。第2軸受16Cと、第2ブレード30Bとの間には、例えば、制動装置46の少なくとも一部が配置される。
【0047】
人力駆動車10は、例えば、軸部材60の軸方向における、フロントフォーク30に対するハブ16の位置を決定するための、少なくとも1つの位置決定部材48をさらに含む。少なくとも1つの位置決定部材48は、例えば、第1位置決定部材48A、第2位置決定部材48B、および、第3位置決定部材48Cを含む。第1位置決定部材48Aは、例えば、軸部材60の軸方向において、第1軸受16Bと、第1ブレード30Aとの間に設けられる。第2位置決定部材48Bは、例えば、軸部材60の軸方向において、第2軸受16Cと、第3位置決定部材48Cとの間に設けられる。第3位置決定部材48Cは、例えば、軸部材60の軸方向において、第2位置決定部材48Bと、第2ブレード30Bとの間に設けられる。第1位置決定部材48A、第2位置決定部材48B、および、第3位置決定部材48Cは、例えば、ハブ16の軸部材60の軸方向への移動を規制する。第1位置決定部材48A、第2位置決定部材48B、および、第3位置決定部材48Cは、例えば、スリーブ、および、ワッシャの少なくとも1つを含む。
【0048】
軸部材60は、例えば、ハブ16と、第1孔30C、および、第2孔30Dとを位置合わせした状態において、軸部材60の第2端部60Bから挿入することによって、前輪12Fとフロントフォーク30とを取り付けるように構成される。軸部材60は、例えば、フロントフォーク30に係合部材50によって取り付けられる。係合部材50は、例えば、第1係合部材50A、および、第2係合部材50Bを含む。前輪12Fが軸部材60によってフロントフォーク30に取り付けられる場合、第1端部60Aと第1ブレード30Aとは、第1係合部材50Aによって取り付けられる。第1端部60Aの雄ねじ部60Cは、例えば、フロントフォーク30の雌ねじ部20A、および、第1係合部材50Aと係合する。前輪12Fが軸部材60によってフロントフォーク30に取り付けられる場合、第2端部60Bと第2ブレード30Bとは、第2係合部材50Bによって取り付けられる。第2端部60Bの雄ねじ部60Dは、例えば、第2係合部材50Bと係合する。第1係合部材50A、および、第2係合部材50Bは、例えば、ナットを含む。
【0049】
第1端部60Aおよび第2端部60Bの少なくとも1つには、例えば、雄ねじ部60Cを雌ねじ部20Aに取り付けるための工具を係合可能な工具係合部62が設けられる。工具係合部62は、雄ねじ部60Cを雌ねじ部20Aに取り付けるための工具を係合可能であれば、どのような形状であってもよい。本実施形態では、工具係合部62は、第1端部60Aに設けられ、工具を係合可能な凹部62Aを含む。凹部62Aには、例えば、六角レンチ等の工具が係合可能に構成される。ユーザは、例えば、軸部材60をハブシェル18および車体14から取り外すことによって、車輪12を車体14から取り外しできる。
【0050】
第1端部60Aは、第1ブレード30Aにロックリングによって取り付けられてもよい。第1端部60Aは、第1ブレード30Aに取付レバーによって取り付けられてもよい。取付レバーは、例えば、第1端部60Aと第1ブレード30Aとを摩擦によって締め付けるように構成される。
【0051】
図5から図9に示されるように、配置面64は、例えば、軸部材60の外周面64A、および、軸部材60の内周面の少なくとも1つを含む。例えば、軸部材60が円筒形状かつ中空に形成される場合、配置面64は、軸部材60の内周面を含む。本実施形態では、軸部材60は、円柱形状に形成され、配置面64は、軸部材60の外周面64Aを含む。複数の歪みゲージ72は、例えば、軸部材60の外周面64Aに取り付けられる。軸部材60が円筒形状かつ中空に形成される場合、配置面64は、軸部材60の内周面を含み、複数の歪みゲージ72は、軸部材60の内周面に取り付けられてもよい。
【0052】
配置面64は、例えば、少なくとも1つの配置部66を含む。少なくとも1つの配置部66は、例えば、複数の配置部66を含む。配置面64は、複数の配置部66を含む。配置面64が軸部材60の外周面64Aを含む場合、外周面64Aには、例えば、複数の配置部66が設けられる。複数の配置部66は、軸部材60の周方向において、配置面64のうちのそれぞれ異なる位置に設けられる。複数の配置部66のうちの2つは、例えば、軸部材60の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。複数の配置部66のうちの2つは、例えば、軸部材60のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられる。複数の配置部66のうちの2つは、実質的に等しい形状を有する。
【0053】
複数の配置部66は、例えば、4つの配置部66を含む。配置面64の4つの配置部66は、例えば、軸部材60の中心軸心Cと平行、かつ、軸部材60の周方向に等間隔に設けられる。4つの配置部66は、第1配置部66A、第2配置部66B、第3配置部66C、および、第4配置部66Dを含む。第1配置部66Aと、第2配置部66Bとは、例えば、軸部材60の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。第2配置部66Bと、第3配置部66Cとは、例えば、軸部材60の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。第3配置部66Cと、第4配置部66Dとは、例えば、軸部材60の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。第4配置部66Dと、第1配置部66Aとは、例えば、軸部材60の周方向における位相が90度異なる位置に設けられる。第1配置部66Aと、第3配置部66Cとは、例えば、軸部材60のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられる。第2配置部66Bと、第4配置部66Dとは、例えば、軸部材60のうちの周方向における位相が180度異なる位置に設けられる。
【0054】
複数の配置部66のそれぞれは、例えば、平面部68を含む。平面部68には、例えば、複数の歪みゲージ72が貼り付けられる。複数の配置部66のそれぞれは、例えば、凹部70を含む。本実施形態では、凹部70の底部に、平面部68が設けられる。第1配置部66Aは、例えば、第1平面部68A、および、第1凹部70Aを含む。第2配置部66Bは、例えば、第2平面部68B、および、第2凹部70Bを含む。第3配置部66Cは、例えば、第3平面部68C、および、第3凹部70Cを含む。第4配置部66Dは、例えば、第4平面部68D、および、第4凹部70Dを含む。
【0055】
図3に示されるように、複数の配置部66の少なくとも一部は、例えば、ハブシェル18によって形成される内部空間SAに配置される。複数の配置部66は、例えば、軸部材60の軸方向において、ハブシェル18のうちの2つのハブフランジ18A,18Bの間の部分に配置されるように構成される。平面部68、および、凹部70は、例えば、内部空間SAに配置される。平面部68、および、凹部70は、例えば、軸部材60の軸方向において、ハブシェル18のうちの2つのハブフランジ18A,18Bの間の部分に配置される。
【0056】
図5から図9に示されるように、軸部材60は、例えば、複数の歪みゲージ72をさらに備える。複数の歪みゲージ72は、軸部材60の歪みを検出するように構成される。複数の歪みゲージ72は、例えば、シート状に形成される。複数の歪みゲージ72と、演算部82とは、複数の電気配線74によって電気的に接続される。複数の歪みゲージ72は、例えば、第1歪みゲージ72A、第2歪みゲージ72B、第3歪みゲージ72C、第4歪みゲージ72D、第5歪みゲージ72E、第6歪みゲージ72F、第7歪みゲージ72G、および、第8歪みゲージ72Hを含む。複数の電気配線74は、例えば、第1電気配線74A、第2電気配線74B、第3電気配線74C、第4電気配線74D、第5電気配線74E、第6電気配線74F、第7電気配線74G、および、第8電気配線74Hを含む。
【0057】
第1歪みゲージ72Aは、例えば、第1電気配線74Aによって、演算部82と接続される。第2歪みゲージ72Bは、例えば、第2電気配線74Bによって、演算部82と接続される。第3歪みゲージ72Cは、例えば、第3電気配線74Cによって、演算部82と接続される。第4歪みゲージ72Dは、例えば、第4電気配線74Dによって、演算部82と接続される。第5歪みゲージ72Eは、例えば、第5電気配線74Eによって、演算部82と接続される。第6歪みゲージ72Fは、例えば、第6電気配線74Fによって、演算部82と接続される。第7歪みゲージ72Gは、例えば、第7電気配線74Gによって、演算部82と接続される。第8歪みゲージ72Hは、例えば、第8電気配線74Hによって、演算部82と接続される。
【0058】
少なくとも1つの配置部66は、例えば、少なくとも1つの歪みゲージ72を配置可能に構成される。複数の配置部66は、複数の歪みゲージ72のうちの1つ以上を配置可能に構成される。複数の配置部66のうちの少なくとも1つは、例えば、複数の歪みゲージ72のうちの少なくとも2つを、軸部材60の軸方向に並んで配置可能に構成される。
【0059】
第1歪みゲージ72A、および、第2歪みゲージ72Bは、例えば、第1配置部66Aの第1平面部68Aに、軸部材60の軸方向に並んで配置される。第1歪みゲージ72Aは、例えば、第1平面部68Aのうちの第2歪みゲージ72Bよりも第1端部60Aに近い位置に配置される。第2歪みゲージ72Bは、例えば、第1平面部68Aのうちの第1歪みゲージ72Aよりも第2端部60Bに近い位置に配置される。第3歪みゲージ72C、および、第4歪みゲージ72Dは、例えば、第2配置部66Bの第2平面部68Bに、軸部材60の軸方向に並んで配置される。第3歪みゲージ72Cは、例えば、第2平面部68Bのうちの第4歪みゲージ72Dよりも第1端部60Aに近い位置に配置される。第4歪みゲージ72Dは、例えば、第2平面部68Bのうちの第3歪みゲージ72Cよりも第2端部60Bに近い位置に配置される。
【0060】
第5歪みゲージ72E、および、第6歪みゲージ72Fは、例えば、第3配置部66Cの第3平面部68Cに、軸部材60の軸方向に並んで配置される。第5歪みゲージ72Eは、例えば、第3平面部68Cのうちの第6歪みゲージ72Fよりも第1端部60Aに近い位置に配置される。第6歪みゲージ72Fは、例えば、第3平面部68Cのうちの第5歪みゲージ72Eよりも第2端部60Bに近い位置に配置される。第7歪みゲージ72G、および、第8歪みゲージ72Hは、例えば、第4配置部66Dの第4平面部68Dに、軸部材60の軸方向に並んで配置される。第7歪みゲージ72Gは、例えば、第4平面部68Dのうちの第8歪みゲージ72Hよりも第1端部60Aに近い位置に配置される。第8歪みゲージ72Hは、例えば、第4平面部68Dのうちの第7歪みゲージ72Gよりも第2端部60Bに近い位置に配置される。
【0061】
複数の配置部66のうちの軸部材60の周方向における位相が180度異なる2つに配置される複数の歪みゲージ72のそれぞれは、例えば、互いにブリッジ接続される。第1歪みゲージ72A、および、第5歪みゲージ72Eは、例えば、互いにブリッジ接続される。第2歪みゲージ72B、および、第6歪みゲージ72Fは、例えば、互いにブリッジ接続される。第3歪みゲージ72C、および、第7歪みゲージ72Gは、例えば、互いにブリッジ接続される。第4歪みゲージ72D、および、第8歪みゲージ72Hは、例えば、互いにブリッジ接続される。
【0062】
配置面64には、例えば、複数の歪みゲージ72と接続される複数の電気配線74を配置可能な少なくとも1つの配線溝76が設けられる。少なくとも1つの配線溝76は、例えば、複数の配置部66のうちの少なくとも1つと、第1端部60Aおよび第2端部60Bの少なくとも1つと、の間に位置する。少なくとも1つの配線溝76は、複数の配置部66の全てと、第1端部60Aおよび第2端部60Bの少なくとも1つとの間に位置する。少なくとも1つの配線溝76は、複数の配置部66のうちの少なくとも1つと、第1端部60Aと、の間に位置し、雄ねじ部60Cを通過するように配置面64に設けられる。
【0063】
少なくとも1つの配線溝76は、例えば、複数の配線溝76を含む。複数の配線溝76は、例えば、第1配線溝76A、第2配線溝76B、第3配線溝76C、および、第4配線溝76Dを含む。第1配線溝76Aは、例えば、第1配置部66Aと、第1端部60Aと、の間に位置し、雄ねじ部60Cを通過するように配置面64に設けられる。第2配線溝76Bは、例えば、第2配置部66Bと、第1端部60Aと、の間に位置し、雄ねじ部60Cを通過するように配置面64に設けられる。第3配線溝76Cは、例えば、第3配置部66Cと、第1端部60Aと、の間に位置し、雄ねじ部60Cを通過するように配置面64に設けられる。第4配線溝76Dは、例えば、第4配置部66Dと、第1端部60Aと、の間に位置し、雄ねじ部60Cを通過するように配置面64に設けられる。
【0064】
第1配線溝76Aには、例えば、第1電気配線74Aおよび第2電気配線74Bが配置される。第2配線溝76Bには、例えば、第3電気配線74Cおよび第4電気配線74Dが配置される。第3配線溝76Cには、例えば、第5電気配線74Eおよび第6電気配線74Fが配置される。第4配線溝76Dには、例えば、第7電気配線74Gおよび第8電気配線74Hが配置される。
【0065】
図2に示されるように、例えば、人力駆動車10は、人力駆動車用の検出装置80を含む。検出装置80は、例えば、ハブ16に設けられる。検出装置80の一部は、車体14または車体14に取り付けられる人力駆動車用のコンポーネントに設けられてもよい。人力駆動車用の検出装置80は、人力駆動車10の軸部材60に設けられる少なくとも1つの歪みゲージ72と、演算部82と、を備える。演算部82は、例えば、予め定める制御プログラムを実行する演算処理部を含む。演算処理部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算部82は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。演算部82は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。検出装置80のうちの歪みゲージ72以外の少なくとも一部は、外部装置52に設けられてもよい。外部装置52は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。
【0066】
検出装置80は、例えば、記憶部84をさらに含む。記憶部84は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部84は、例えば、人力駆動車用の検出装置80に関するプログラムを記憶する。記憶部84は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部84は、例えば、演算部82と、有線または無線によって通信可能に構成される。
【0067】
検出装置80は、例えば、通信部86をさらに含む。通信部86は、例えば、外部装置52と有線または無線によって通信可能に構成される。通信部86は、例えば、演算部82と、有線または無線によって通信可能に構成される。通信部86は、少なくとも1つの歪みゲージ72によって検出される人力駆動車10の歪みに関する信号を、外部装置52に送信可能に構成される。検出装置80は、複数の歪みゲージ72と電気的に接続され、複数の歪みゲージ72から出力される信号を増幅するように構成されるアンプを含んでいてもよい。
【0068】
演算部82は、例えば、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10の荷重を演算するように構成される。軸部材60がフロントフォーク30に連結される場合、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力は、前輪12Fが受ける荷重と対応する。軸部材60には、例えば、ハブシェル18、第1軸受16B、および、第2軸受16Cを介して前輪12Fが受ける荷重が伝達される。前輪12Fに荷重がかかると、軸部材60が歪むため、軸部材60に設けられる少なくとも1つの歪みゲージ72が出力する電気抵抗値が変化する。
【0069】
フロントフォーク30から軸部材60に向かう力によって、軸部材60の第1端部60Aおよび第2端部60Bが下方に向かうように軸部材60が歪むため、軸部材60のうちの上方を向く面に配置される少なくとも1つの歪みゲージ72は、軸部材60の軸方向における引張歪みを検出し、軸部材60のうちの下方を向く面に配置される少なくとも1つの歪みゲージ72は、軸部材60の軸方向における圧縮歪みを検出する。軸部材60からフロントフォーク30に向かう力、または、ライダがフロントフォーク30を上方に引き上げる力によって、軸部材60の第1端部60Aおよび第2端部60Bが上方に向かうように軸部材60が歪むため、軸部材60のうちの上方を向く面に配置される少なくとも1つの歪みゲージ72は、軸部材60の軸方向における圧縮歪みを検出し、軸部材60のうちの下方を向く面に配置される少なくとも1つの歪みゲージ72は、軸部材60の軸方向における引張歪みを検出する。
【0070】
例えば、第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bは、軸部材60のうちの上方を向く面に配置され、かつ、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fは、軸部材60のうちの下方を向く面に配置される。第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bは、軸部材60のうちのフロントフォーク30の延びる方向かつ上方を向く面に配置され、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fは、軸部材60のうちのフロントフォーク30の延びる方向かつ下方を向く面に配置されてもよい。
【0071】
軸部材60の第1端部60Aおよび第2端部60Bが下方に向かうように軸部材60が歪む場合、第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bによって検出される引張歪みが増加し、かつ、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fによって検出される圧縮歪みが増加する。軸部材60の第1端部60Aおよび第2端部60Bが上方に向かうように軸部材60が歪む場合、第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bによって検出される圧縮歪みが増加し、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fによって検出される引張歪みが増加する。
【0072】
演算部82は、例えば、電気抵抗値の変化量から軸部材60に作用する荷重を演算するように構成される。演算部82は、例えば、複数の歪みゲージ72が出力する複数のパラメータを変数として重回帰分析を行うことによって、荷重を演算する。複数の歪みゲージ72が出力する複数のパラメータは、例えば、第1歪みゲージ72Aの出力値、第2歪みゲージ72Bの出力値、第3歪みゲージ72Cの出力値、第4歪みゲージ72Dの出力値、第5歪みゲージ72Eの出力値、第6歪みゲージ72Fの出力値、第7歪みゲージ72Gの出力値、および、第8歪みゲージ72Hの出力値の少なくとも2つを含む。
【0073】
人力駆動車10の荷重は、例えば、人力駆動車10の上下方向の荷重、人力駆動車10の前後方向の荷重、および、人力駆動車10の横方向の荷重の少なくとも1つを含む。演算部82は、例えば、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10の上下方向の荷重、人力駆動車10の前後方向の荷重、および、人力駆動車10の横方向の荷重の少なくとも1つを演算する。演算部82は、例えば、人力駆動車10の走行路と前輪12Fとの接点において、走行路から前輪12Fへの反力によって生じる軸部材60の歪みに応じて、上下方向の荷重を演算する。
【0074】
演算部82は、例えば、式(1)を用いて、人力駆動車10の上下方向の荷重を演算する。式(1)において、F1は、人力駆動車10の上下方向の荷重である。式(1)において、e1は、第1歪みゲージ72Aの出力値である。式(1)において、e2は、第2歪みゲージ72Bの出力値である。式(1)において、e5は、第5歪みゲージ72Eの出力値である。式(1)において、e6は、第6歪みゲージ72Fの出力値である。式(1)において、a1は、第1歪みゲージ72Aの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(1)において、a2は、第2歪みゲージ72Bの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(1)において、a5は、第5歪みゲージ72Eの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(1)において、a6は、第6歪みゲージ72Fの検出値を荷重に変換するための校正係数である。
式(1):F1=a1×e1+a2×e2+a5×e5+a6×e6
【0075】
演算部82は、例えば、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10の前後方向の荷重を演算する。演算部82は、例えば、人力駆動車10の走行路上の障害物と前輪12Fとの接点における、障害物から前輪12Fへの反力によって生じる軸部材60の歪みに応じて、前後方向の荷重を演算する。
【0076】
人力駆動車10の方向の荷重は、例えば、式(2)を用いて、演算部82によって演算される。式(2)において、F2は、人力駆動車10の前後方向の荷重である。式(2)において、e3は、第3歪みゲージ72Cの出力値である。式(2)において、e4は、第4歪みゲージ72Dの出力値である。式(2)において、e7は、第7歪みゲージ72Gの出力値である。式(2)において、e8は、第8歪みゲージ72Hの出力値である。式(2)において、a3は、第3歪みゲージ72Cの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(2)において、a4は、第4歪みゲージ72Dの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(2)において、a7は、第7歪みゲージ72Gの検出値を荷重に変換するための校正係数である。式(2)において、a8は、第8歪みゲージ72Hの検出値を荷重に変換するための校正係数である。
式(2):F2=a3×e3+a4×e4+a7×e7+a8×e8
【0077】
演算部82は、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10の横方向の荷重を演算する。人力駆動車10の横方向の荷重は、例えば、人力駆動車10の進行方向周りのモーメントに関する。演算部82は、例えば、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10の横方向の荷重を演算する。横方向の荷重は、例えば、式(3)を用いて演算部82によって演算される。式(3)において、F3は、前輪12Fに加えられる横方向の荷重である。式(3)において、L1は、前輪12Fに加えられる横方向の荷重の作用点から軸部材60の中心軸心Cまでの距離である。式(3)において、F1は、人力駆動車10の上下方向の荷重である。式(3)において、L2は、第1歪みゲージ72Aから第2歪みゲージ72Bまでの距離である。
式(1):F3=(F1×L2)/L1
【0078】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の軸部材、人力駆動車用の車輪軸、人力駆動車用のハブ、および、人力駆動車用の検出装置は、例えば、以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0079】
・配置部66は凸部を含んでいてもよい。配置部66が凸部を含む場合、凸部は平面部68を含んでいてもよい。
【0080】
・複数の配置部66のうちの1つに設けられる歪みゲージ72の数は、他の配置部66に設けられる歪みゲージ72の数と異なってもよい。複数の配置部66のうちの少なくとも1つに、1つまたは3つ以上の歪みゲージ72を配置してもよい。
【0081】
・軸部材60は、ハブ軸16A以外を含んでもよい。軸部材60は、車軸12A以外を含んでもよい。例えば、人力駆動車10がスイングアームを有するリアサスペンションを含む場合、軸部材60は、スイングアームのピボット軸を含んでもよい。要するに、軸部材60は、人力駆動車10の車体14に対して回転しないように、車体14に取り付け可能に構成されていれば、いずれの人力駆動車用の軸部材も適用できる。
【0082】
・検出装置80は、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、制動装置46の作動を検出するように構成されてもよい。演算部82は、例えば、人力駆動車10の前後方向の荷重、および、人力駆動車10の上下方向の荷重に基づいて、制動装置46の作動を検出する。演算部82は、例えば、人力駆動車10の前後方向の荷重、および、人力駆動車10の上下方向の荷重が所定荷重以上の場合、制動装置46が作動したと判定するように構成される。
【0083】
・演算部82は、少なくとも1つの歪みゲージ72の出力に応じて、人力駆動車10に対してライダが行う所定操作を判定するように構成されてもよい。所定操作は、例えば、人力駆動車10のハンドルバー32をライダが押す第1操作、および、ハンドルバー32をライダが引く第2操作の少なくとも1つを含む。第1操作および第2操作の少なくとも1つは、例えば、地形の凹凸に合わせて、ライダによって行われる操作である。第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bが軸部材60のうちの上方を向く面に配置され、かつ、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fが軸部材60のうちの下方を向く面に配置される場合において、第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bによって検出される引張歪みが増加し、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fによって検出される圧縮歪みが増加する場合、演算部82は、例えば、第1操作が行われたと判定するように構成される。第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bが軸部材60のうちの上方を向く面に配置され、かつ、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fが軸部材60のうちの下方を向く面に配置される場合において、第1歪みゲージ72Aおよび第2歪みゲージ72Bによって検出される圧縮歪みが増加し、第5歪みゲージ72Eおよび第6歪みゲージ72Fによって検出される引張歪みが増加する場合、演算部82は、例えば、第2操作が行われたと判定するように構成される。
【0084】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0085】
10…人力駆動車、12A…車輪軸、12B…第1端部、12C…配置面、12D…第2端部、14…車体、16…ハブ、16A…ハブ軸、18…ハブシェル、18A,18B…ハブフランジ、20…フレーム、20A…雌ねじ部、60…軸部材、60A…第1端部、60B…第2端部、60C…雄ねじ部、62…工具係合部、64…配置面、66…配置部、68…平面部、70…凹部、72…歪みゲージ、74…電気配線、76…配線溝、80…検出装置、82…演算部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9