(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074686
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】帯、帯ロール、帯付き製品及び帯付き製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 63/10 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
B65D63/10 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186006
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】501099769
【氏名又は名称】株式会社 ウチダテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】酒井 健一
【テーマコード(参考)】
3E085
【Fターム(参考)】
3E085BB32
3E085BD08
3E085BE07
3E085BE10
(57)【要約】
【課題】樹脂を低減しつつ、製品の意匠性の劣化を抑制できる。
【解決手段】
帯20は、第1面20a、及び第1面20aとは反対の第2面20bを有する。帯20は、グラシン紙30を含む基材21と、基材21に積層されたヒートシール層22と、を含んでいる。ヒートシール層22は、帯20の第1面20a及び第2面20bのいずれか一方の面を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面、及び前記第1面とは反対の第2面を有する帯であって、
グラシン紙を含む基材と、
前記基材に積層されたヒートシール層と、を備え、
前記ヒートシール層は、前記第1面及び前記第2面のいずれか一方の面を構成する、帯。
【請求項2】
可視光透過率が40%以上80%以下である、請求項1に記載の帯。
【請求項3】
前記基材は、第1グラシン紙と、前記第1グラシン紙に積層された第2グラシン紙と、を含む、請求項1に記載の帯。
【請求項4】
巻取コアと、
前記巻取コアに巻き取られた請求項1~3のいずれか一項に記載の帯と、を備える、帯ロール。
【請求項5】
製品と、
前記製品に巻かれた請求項1~3のいずれか一項に記載の帯と、を備え、
前記帯の一方の端部を構成する部分と、前記帯の前記一方の端部とは反対の他方の端部を構成する部分とが、前記他方の端部を構成する部分における前記ヒートシール層によって互いに接合されている、帯付き製品。
【請求項6】
前記製品は意匠を表示し、
前記意匠は、前記製品と前記帯とが重なる部分の少なくとも一部の部分において観察可能である、請求項5に記載の帯付き製品。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の帯の一方の端部を製品に重ねて、前記帯を前記製品に巻く工程と、
前記帯の前記製品に巻かれた部分を、前記ヒートシール層によって構成された面から前記一方の端部に溶着する工程と、を備える、帯付き製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、帯、帯ロール、帯付き製品及び帯付き製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されているように、製品と、製品に巻かれた帯と、を含む帯付き製品が知られている。特許文献1に開示された帯付き製品において、帯は、樹脂製のフィルムを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、プラスチックゴミを低減する観点から、帯に使用する樹脂の低減が求められている。樹脂製のフィルムに代えて紙を用いた場合、帯の可視光透過性が大幅に低下する。可視光透過性が大幅に低下した帯は、製品の意匠性を害する。本開示は、帯の可視光透過性が大幅に低下することを抑制しつつ、帯に使用される樹脂を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態による帯は、
第1面、及び前記第1面とは反対の第2面を有する帯であって、
グラシン紙を含む基材と、
前記基材に積層されたヒートシール層と、を備え、
前記ヒートシール層は、前記第1面及び前記第2面のいずれか一方の面を構成する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、帯の可視光透過性が大幅に低下することを抑制しつつ、帯に使用される樹脂を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施の形態を説明するための図であって、帯付き製品を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示された帯の一変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施の形態は、次の[1]~[7]に関する。
【0009】
[1] 第1面、及び前記第1面とは反対の第2面を有する帯であって、
グラシン紙を含む基材と、
前記基材に積層されたヒートシール層と、を備え、
前記ヒートシール層は、前記第1面及び前記第2面のいずれか一方の面を構成する、帯。
【0010】
[2] 可視光透過率が40%以上80%以下である、[1]の帯。
【0011】
[3] 前記基材は、第1グラシン紙と、前記第1グラシン紙に積層された第2グラシン紙と、を含む、[1]又は[2]の帯。
【0012】
[4] 巻取コアと、
前記巻取コアに巻き取られた[1]~[3]のいずれかの帯と、を備える、帯ロール。
【0013】
[5] 製品と、
前記製品に巻かれた[1]~[3]のいずれかの帯と、を備え、
前記帯の一方の端部を構成する部分と、前記帯の前記一方の端部とは反対の他方の端部を構成する部分とが、前記他方の端部を構成する部分における前記ヒートシール層によって互いに接合されている、帯付き製品。
【0014】
[6] 前記製品は意匠を表示し、
前記意匠は、前記製品と前記帯とが重なる部分の少なくとも一部の部分において観察可能である、[5]の帯付き製品。
【0015】
[7] [1]~[3]のいずれかの帯の一方の端部を製品に重ねて、前記帯を前記製品に巻く工程と、
前記帯の前記製品に巻かれた部分を、前記ヒートシール層によって構成された面から前記一方の端部に溶着する工程と、を備える、帯付き製品の製造方法。
【0016】
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0017】
本明細書において、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」等の用語や長さ等については、厳密な意味に限定されることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
【0018】
方向の関係を図面間で明確にするため、いくつかの図面には、共通する符号を付した矢印により共通する方向を示している。矢印の先端側が、各方向の第1側となる。図面の紙面に垂直な方向に沿って紙面の奥に向かう矢印を、例えば
図2に示すように、円の中に×を設けた記号により示した。
【0019】
本明細書において、あるパラメータに関して複数の上限値の候補及び複数の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。一例として、「パラメータBは、A1以上でもよく、A2以上でもよく、A3以上でもよい。パラメータBは、A4以下でもよく、A5以下でもよく、A6以下でもよい。」との記載について検討する。この例において、パラメータBの数値範囲は、A1以上A4以下でもよく、A1以上A5以下でもよく、A1以上A6以下でもよく、A2以上A4以下でもよく、A2以上A5以下でもよく、A2以上A6以下でもよく、A3以上A4以下でもよく、A3以上A5以下でもよく、A3以上A6以下でもよい。
【0020】
図1~
図4は一実施の形態を説明する図である。
図1は、帯付き製品1の一具体例を概略的に示す斜視図である。
図1に示すように、帯付き製品1は、製品10と、製品10に巻かれた帯20と、を含んでいる。
図1において、帯付き製品1は、通常の取り扱いにおける向きとは逆となる、裏返しされた状態にて示されている。
【0021】
製品10は、製品10に帯20が巻かれた状態、すなわち帯付き製品1として搬送されてもよい。搬送後の帯付き製品1から、帯20が外されてもよい。製品10は、商品でもよい。製品10は、製品10に帯20が巻かれていない状態で販売されてもよい。製品10は、製品10に帯20が巻かれた状態で販売されてもよい。
【0022】
図1に示す例において、製品10は、容器を含んでいる。製品10は、X方向に長手方向を有している。製品10は、X方向に直交するY方向に幅方向を有している。製品10は、容器として、収容部11と、収容部11に重ねられた蓋部12と、を含んでいる。
図1において、製品10は、通常の取り扱いにおける向きとは逆となる、裏返しされた状態にて示されている。すなわち、
図1において、収容部11が大きく露出している。蓋部12は、収容部11に上方から重ねられている。
図1に示すように、製品10に巻かれた帯20は、収容部11に重なる部分と、蓋部12に重なる部分と、を含んでいる。
【0023】
図1及び
図2において、Z方向は、X方向及びY方向の両方向に直交する方向である。図示された例において、Z方向は、鉛直方向と平行な方向である。Z方向における第1側が、上方を意味する。Z方向における第2側が、下方を意味する。
【0024】
図1に示す例において、収容部11は、上方の面が開口した直方体状の外形状を有している。収容部11の下方の面は、閉鎖されている。収容部11には、種々の物品が収容され得る。収容部11に収容される物品として、焼菓子、餅菓子等の食品、携帯電話、スマートフォン等の電化製品、ズボン、シャツ等の衣類が例示される。収容部11は、収容部11内に収容された物品の移動を規制する。図示された例において、収容部11は、収容部11内に収容された物品のX方向及びY方向への移動を規制する。収容部11は、収容部11内に収容された物品の、下方すなわちZ方向における第2側への移動を規制する。
【0025】
図1に示す例において、蓋部12は、下方の面が開口した直方体状の外形状を有している。蓋部12の上方の面は、閉鎖されている。蓋部12は、X方向及びY方向において収容部11よりも大きな寸法を有している。蓋部12は、収容部11に上方から重なることで、収容部11内に収容された物品の、上方すなわちZ方向における第1側への移動を規制する。
【0026】
収容部11及び蓋部12は、種々の材料から作製されてもよい。収容部11及び蓋部12の材料として、紙、樹脂、金属等が例示される。
【0027】
製品10は、意匠Dを表示してもよい。製品10によって表示される意匠は、図形、パターン、デザイン、色彩、模様、絵、写真、キャラクター、マーク、ピクトグラム、文字や数字等の絵柄の一以上を含んでもよい。
図1に示す例において、製品10は、蓋部12において意匠Dを表示している。蓋部12は、意匠Dとして、模様を表示している。
【0028】
図1に示す例において、帯20は、一方の端部と、一方の端部とは反対の他方の端部と、の間に延びるシート状の部材である。帯20の一方の端部は、帯20の第1部分201によって構成されている。帯20の他方の端部は、帯20の第2部分202によって構成されている。帯20は、製品10に巻かれている。帯20は、製品10の長手方向(
図1におけるX方向)に直交する平面において製品10を取り囲むように、製品10に巻かれている。帯20は、収容部11に重なる部分と、蓋部12に重なる部分と、を含むように、製品10に巻かれている。
【0029】
帯20は、第1面20aと、第1面20aとは反対の第2面20bと、を有している。
図1及び
図2に示す例において、帯20は、第1面20aを外方に向けている。帯20は、第2面20bを製品10に向けている。帯20は、第2面20bから製品10に接触してもよい。
【0030】
図1及び
図2に示す例において、第1部分201と、第2部分202とは、第2部分202における後述のヒートシール層22によって、Z方向に互いに接合されている。とりわけ図示された例では、第2部分202が、後述するヒートシール層22によって構成された第2面20bから第1部分201に溶着している。第1部分201と第2部分202とが互いに接合されることによって、帯20は、製品10に巻かれた状態で保持されている。帯20は、互いに接合された部分を含まなくてもよい。
【0031】
帯20は、製品10が未開封であることを示す機能を有してもよい。帯20は、製品10の意図しない開梱を抑制する機能を有してもよい。
図1に示す例において、帯20は、収容部11及び蓋部12の互いに対するZ方向への相対移動を規制することによって、製品10の意図しない開梱を抑制できる。
【0032】
なお、帯20の可視光透過率は、40%以上でもよく、50%以上でもよい。帯20の可視光透過率は、80%以下でもよく、60%以下でもよい。
【0033】
帯20の可視光透過率は、JIS K 7361に準拠して、例えばヘイズメーターを用いて測定波長380nm~780nmの範囲内で1nm毎に入射角0°で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定され得る。
【0034】
図1に示す帯付き製品1において、製品10は、帯20と重なる部分において、帯20越しに観察可能となっている。とりわけ、
図1に示す帯付き製品1では、製品10の意匠Dが、蓋部12と帯20とが重なる部分において観察可能となっている。この具体例によれば、製品10は、帯20が巻かれた部分においても、意匠Dを表示できる。帯付き製品1の観察者は、製品10に帯20が巻かれた状態であっても、意匠Dの全体を容易に観察できる。この具体例は、製品10を、製品10に帯20が巻かれた状態で販売する場合にとりわけ好適である。
図1に示すように、意匠Dは、蓋部12と帯20とが重なる部分において、蓋部12と帯20とが重ならない部分と比較して、いくらか白濁した状態で観察可能でもよい。
【0035】
図2に示す例において、帯20は、第1面20aから第2面20bに向けて、基材21と、基材21に積層されたヒートシール層22と、をこの順で含んでいる。帯20の第1面20aは、基材21によって形成されている。帯20の第2面20bは、ヒートシール層22によって形成されている。
【0036】
図2に示す例において、基材21は、帯20の基材21以外の層を支持する。基材21は、ヒートシール層22を支持してもよい。
【0037】
基材21は、グラシン紙30を含んでいる。一般に、グラシン紙の製造に際して、長時間の叩解処理が行われる。このようにして製造されるグラシン紙においては、従来の帯の基材に用いられる上質紙等の紙と比較して、紙を構成するパルプ繊維間の空隙が減少する。これにより、空気とパルプ繊維との屈折率差に起因した、基材内での光の散乱が抑制される。したがって、グラシン紙30を含む基材21は、基材21内での光の散乱を抑制することによって、従来の紙を含む基材と比較して、可視光透過性を改善できる。
【0038】
基材21は、
図2に示すように、単層のグラシン紙30を含んでもよい。基材21は、後述するように、複数の層からなるグラシン紙30を含んでもよい。
【0039】
グラシン紙30の坪量は、25g/m2以上でもよく、30g/m2以上でもよい。グラシン紙30の坪量は、100g/m2以下でもよく、50g/m2以下でもよい。
【0040】
基材21の厚さは、50μm以上でもよく、65μm以上でもよい。基材21の厚さは、100μm以下でもよく、85μm以下でもよい。
【0041】
図2に示す例において、ヒートシール層22は、基材21に重ねられている。ヒートシール層22は、印刷によって基材21上に形成されてもよい。ヒートシール層22は、帯20の第2面20bを構成している。ヒートシール層22は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を含んでもよい。
【0042】
ヒートシール層22は、加熱時において帯20を他の部材に溶着し得る。
図2に示すように、ヒートシール層22は、帯20に溶着してもよい。
図2に示す例において、帯20の第2部分202は、ヒートシール層22によって構成された第2面20bから、帯20の第1部分201に溶着している。
【0043】
なお、「透明」とは、可視光透過率が50%以上であることを意味し、好ましくは80%以上である。
【0044】
帯20の接合性を十分に確保する観点から、ヒートシール層22の厚さは、5μm以上でもよく、7μm以上でもよい。帯20の厚さを抑制する観点から、ヒートシール層22の厚さは、20μm以下でもよく、15μm以下でもよい。
【0045】
ところで、例えば包装材を低減する観点から、製品に帯が巻かれる。このような帯付き製品において、製品は、帯が巻かれた状態で観察され得る。帯が製品を覆い隠すことにより、製品の意匠性が害され得る。製品が奏する意匠効果の低下を抑制するため、透明な樹脂製のフィルムを帯として使用することが考えられる。透明な帯越しに製品の意匠が観察可能となることによって、製品の意匠性が害されることを抑制し得る。
【0046】
昨今、プラスチックゴミを低減する観点から、帯に使用する樹脂の低減が求められている。樹脂製のフィルムに代えて、紙を含む帯(紙帯)が使用され得る。しかしながら、上質紙やクラフト紙等を材料とする従来の紙帯を使用すると、樹脂製のフィルムと比較して、可視光透過性が大幅に低下し得る。従来の紙帯は、製品を、製品と帯とが重なる部分において覆い隠す。また、従来の紙帯は、外部から容易に識別され得る。結果として、従来の紙帯では、製品の意匠性を害し得る。
【0047】
これに対して、本実施の形態による帯20において、帯20は、第1面20a、及び第1面20aとは反対の第2面20bを有している。帯20は、グラシン紙30を含む基材21と、基材21に積層されたヒートシール層22と、を含んでいる。ヒートシール層22は、帯20の第1面20a及び第2面20bのいずれか一方の面を構成している。本実施の形態による帯20によれば、紙を含む基材を用いることによって、帯20に含まれる樹脂を低減できる。また、グラシン紙30を含む基材21は、上述した通り、従来の帯の基材に用いられる紙と比較して、可視光透過性を改善できる。したがって、帯20は、可視光透過性の大幅な低下を抑制しつつ、帯20に含まれる樹脂を低減できる。そして、このような帯20を含む帯付き製品1は、製品10と帯20との調和や統一性を確保することによって、意匠性劣化を抑制できる。
【0048】
以上の構成を有する帯20は、巻取コア40に巻かれた状態で保持されてもよい。
図2に示すように、巻取コア40と、巻取コア40に巻き取られた帯20と、によって、帯ロール50が構成されてもよい。帯20は、第1面20aを向けるように、巻取コア40に巻かれている。この具体例によれば、長尺の帯20を容易に搬送できる。
【0049】
図示された帯付き製品1の製造方法の一例を説明する。
【0050】
まず、帯20の第1部分201を製品10に重ねる。
図1及び
図2に示す例において、第1部分201は、下方(Z方向における第2側)から、製品10の収容部11に重ねられる。収容部11に重ねられた帯20は、第1部分201において、第2面20bを製品10に向けるようになる。以後の工程において第1部分201が製品10に意図せず接合することを回避するため、第1部分201と製品10との間に、板状部材(図示せず)が挿入されてもよい。帯20は、帯ロール50から繰り出されてもよい。
【0051】
次に、製品10の周囲に帯20を巻く。帯20は、
図1に示すように、製品10の長手方向(
図1におけるX方向)に直交する平面から製品10を取り囲むように、製品10に巻かれてもよい。製品10に巻かれた帯20は、第2部分202において、第1部分201と重なってもよい。
【0052】
次に、第1部分201と第2部分202との間で帯20同士を互いに接合する。
図1及び
図2に示す例において、第2部分202を第1部分201に溶着してもよい。この場合、第1部分201と重なった状態の第2部分202を加熱する。第2部分202を加熱することによって、第2部分202は、
図1及び
図2に示すように、ヒートシール層22によって構成された第2面20bから、第1部分201に溶着する。
【0053】
帯20は、帯20同士が互いに接合された部分よりも下流側において断裁されてもよい。帯ロール50から繰り出された帯20が、第2部分202よりも下流、すなわち巻取コア40に巻き取られた状態の帯20に接近する部分において、断裁されてもよい。帯20を断裁することによって、第2部分202において、帯20の他方の端部が形成される。以上のようにして、製品10と、製品10に巻かれた帯20と、を含む帯付き製品1が作製される。作製された帯付き製品1において、第1部分201と製品10との間に挿入された上述の板状部材(図示せず)が除去されてもよい。
【0054】
製品10への帯20の取り付けは、製品10の製造者によって実施されてもよい。この例において、帯20は、製品10が未開封であることを示してもよい。製品10への帯20の取り付けは、製品10の製造者以外で製品10を取り扱う者によって実施されてもよい。一例として、製品10の小売業者が製品10へ帯20を取り付けてもよい。この例によれば、帯20は、製品10の対価、代金を支払い済みであることを示してもよい。
【0055】
以上に説明してきた一実施の形態において、帯20は、第1面20a、及び第1面20aとは反対の第2面20bを有する。帯20は、グラシン紙30を含む基材21と、基材21に積層されたヒートシール層22と、を含んでいる。ヒートシール層22は、帯20の第1面20a及び第2面20bのいずれか一方の面を構成する。この具体例によれば、帯の可視光透過性が大幅に低下することを抑制しつつ、帯に使用される樹脂を低減できる。これにより、帯20の使用時には、製品10と帯20との調和や統一性を確保できる。また、帯20の使用後に発生するプラスチックゴミを低減できる。
【0056】
具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、上述の具体例が一実施の形態を限定しない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施でき、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、追加等を行うことができる。
【0057】
上述した帯付き製品1において、製品10は、容器を含んでいて、帯は容器に巻かれていた。これに限られず、製品10は、コピー用紙、チラシ、紙幣等の枚葉紙の束でもよい。製品10は、封筒、クリアファイル等の収容具の束でもよい。製品10は、雑誌、書籍等の冊子の束でもよい。
【0058】
上述した帯20の一具体例において、基材21は、単層のグラシン紙30を含んでいた。これに限られず、
図5に示すように、基材21は、グラシン紙30として、第1グラシン紙31と、第2グラシン紙32と、を含んでもよい。第1グラシン紙31と第2グラシン紙32とは、接合材210によって互いに接合されてもよい。接合材210は、紙の接合に用いられる種々の接着材又は粘着材でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1:帯付き製品、10:製品、20:帯、20a:第1面、20b:第2面、21:基材、22:ヒートシール層、30:グラシン紙、31:第1グラシン紙、32:第2グラシン紙、40:巻取コア、50:帯ロール