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特開2024-74715処理装置、処理方法及び処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074715
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20240524BHJP
   H04L 67/54 20220101ALI20240524BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G06F3/04817
H04L67/54
G06T11/60 100B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022186058
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高波 光洋
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA08
5B050BA12
5B050CA07
5B050CA08
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA19
5E555AA23
5E555AA48
5E555BA02
5E555BA76
5E555BB02
5E555BC04
5E555BD09
5E555DB32
5E555DC30
5E555DD06
5E555EA05
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】コミュニケーションツール上で、関連する全ユーザの様子が判別でき、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる。
【解決手段】アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末の入出力デバイスの使用状況、及び/または、ユーザ端末のユーザの登録スケジュールに基づいて、コミュニケーションツールが検知したユーザのステータス情報を取得するステータス取得部11と、ステータス情報を、ステータス情報の継続時間情報、及び/または、ステータス情報の種別遷移情報に対応したプレゼンス情報であって、ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換するプレゼンス変換部13と、コミュニケーションツール上で、ユーザのアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末に表示させるプレゼンス出力制御部14と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーションツールを使用するユーザ端末の入出力デバイスの使用状況、及び/または、前記ユーザ端末のユーザの登録スケジュールに基づいて、前記コミュニケーションツールが検知した前記ユーザのステータス情報を、コミュニケーションツール提供サーバから取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記ユーザのステータス情報を、検知時刻とともに蓄積する記憶部と、
前記取得部によって取得された前記ステータス情報を、前記ステータス情報の継続時間情報、及び/または、前記ステータス情報の種別遷移情報に対応したプレゼンス情報であって、前記ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換する変換部と、
前記コミュニケーションツール提供サーバに前記プレゼンス情報を出力し、前記コミュニケーションツール提供サーバに対し、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザのアバターを、前記プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、前記ユーザ端末に表示させる出力制御部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
各プレゼンス情報と、各プレゼンス情報に対応する前記アバターの表示パターンとは、予め設定されることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザが選択した複数のユーザのアバターを、前記複数のユーザの各プレゼンス情報に対応する表示パターンで、一覧表示させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザが任意のグループに分けて選択した複数のユーザのアバターを、前記複数のユーザの各プレゼンス情報に対応する表示パターンで、前記グループごとに一覧表示させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザのアバターを、前記プレゼンス情報に対応するGIF(Graphics Interchange Format)画像で表示させることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項6】
処理装置が実行する処理方法であって、
前記処理装置は、
コミュニケーションツールを使用するユーザ端末のユーザのステータス情報を、検知時刻とともに蓄積する記憶部
を有し、
前記コミュニケーションツールを使用するユーザ端末の入出力デバイスの使用状況、及び/または、前記ユーザ端末のユーザの登録スケジュールに基づいて、前記コミュニケーションツールが検知した前記ユーザのステータス情報を、コミュニケーションツール提供サーバから取得する工程と、
前記取得する工程において取得された前記ステータス情報を、前記ステータス情報の継続時間情報、及び/または、前記ステータス情報の種別遷移情報に対応したプレゼンス情報であって、前記ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換する工程と、
前記コミュニケーションツール提供サーバに前記プレゼンス情報を出力し、前記コミュニケーションツール提供サーバに対し、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザのアバターを、前記プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、前記ユーザ端末に表示させる工程と、
を含んだことを特徴とする処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1~5のいずれか一つに記載の処理装置として機能させるための処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リモートワークの推奨により、様々なコミュニケーションツールを活用することで業務が行われている。このコミュニケーションツールとして、打合せを行うためのウェブ会議機能や、他のユーザとの間での通話機能が、一つのツール上で利用可能であるコミュニケーションツールが広く活用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-047969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、リアルな職場では、相手が近くにいて相手の存在を認識できるため、話しかけたい側は、話しかけられる受け手の状況の詳細が分かり、ストレスなく、話しかけるタイミングを計ることができる。
【0005】
また、リアルな職場では、受け手側は、出社しているだけで、話しかけたい側のことを一切意識していないが、話しかける側が、受け手側の状況に応じて話しかけるタイミングを見計らって話しかけるため、受け手側にとってもコミュニケーションが成立している。以降、このような状況、言い換えると、受け手側が、話しかける側のことを一切意識していない場合でも、話しかける側とのコミュニケーションが成立していることを、受動コミュニケーションが確立している、とする。
【0006】
これに対し、オンラインのコミュニケーションツール上では、一部のユーザしかアクセスしていない場合、すなわち、全員がアクセスしていない場合がある。このため、コミュニケーションツール上では、話したい側が話しかけたい受け手側のユーザがアクセスしていないという課題や、みんなの状況が分からないという課題があった。これは、コミュニケーションツールは、対話/チャットなどの発信者の利便性が主となっており、受け手側のユーザを含めて全員がアクセスする動機づけが弱いためである。
【0007】
また、リアルな写真をアイコンとすることや、撮影した映像をコミュニケーションツールに反映することに対する、ユーザの抵抗感が強いため、コミュニケーションツール上の各ユーザのアイコンを固定せざるを得ない。しかしながら、コミュニケーションツール上のアイコンが固定されると、個性が没落し、ユーザが、自己分身感欠如により、自身のアイコンに愛着が持てなかったことも、コミュニケーションツールへのアクセスする動機づけが弱い原因であった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コミュニケーションツール上で、関連する全ユーザの状況が判別でき、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る処理装置は、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末の入出力デバイスの使用状況、及び/または、前記ユーザ端末のユーザの登録スケジュールに基づいて、前記コミュニケーションツールが検知した前記ユーザのステータス情報を、コミュニケーションツール提供サーバから取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記ユーザのステータス情報を、検知時刻とともに蓄積する記憶部と、前記取得部によって取得された前記ステータス情報を、前記ステータス情報の継続時間情報、及び/または、前記ステータス情報の種別遷移情報に対応したプレゼンス情報であって、前記ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換する変換部と、前記コミュニケーションツール提供サーバに前記プレゼンス情報を出力し、前記コミュニケーションツール提供サーバに対し、前記コミュニケーションツール上で、前記ユーザのアバターを、前記プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、前記ユーザ端末に表示させる出力制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コミュニケーションツール上で、関連する全ユーザの様子が判別でき、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態の概要を説明する図である。
図2図2は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、図2に示すアプリケーションサーバの構成の一例を示す図である。
図4図4は、ステータスパラメータの一例を説明する図である。
図5図5は、変換ルールの一例を示す図である。
図6図6は、アバター作成を説明する図である。
図7図7は、プレゼンス情報に対応するアバターの表示パターンを示す図である。
図8図8は、図2に示すコミュニケーションツール提供サーバの構成の一例を示す図である。
図9図9は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10図10は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態に係る処理方法の処理手順を示すシーケンス図である。
図12図12は、従来のコミュニケーションツールにおけるユーザのアイコンとステータスとの表示例を示す図である。
図13図13は、リアル職場と、実施の形態を適用したリモートワーク環境との比較を説明する図である。
図14図14は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムが限定されるものではない。
【0013】
[実施の形態]
まず、実施の形態の概要について説明する。図1は、実施の形態の概要を説明する図である。
【0014】
実施の形態では、コミュニケーションツール提供サーバ20が、コミュニケーションツールを構築して、ユーザ(例えば、ユーザA)が使用するユーザ端末(例えば、ユーザ端末30A)に、コミュニケーションツールの環境を提供する。
【0015】
ユーザAが所属する事業所では、コミュニケーションツール提供サーバ20が提供するコミュニケーションツールを介して、オンライン上の打ち合わせ、通話、チャット、スケジューリング、ファイル交換等を行う。このため、このコミュニケーションツールにユーザAが所属する事業所の全ユーザがアクセスして業務を行う。
【0016】
そして、コミュニケーションツール提供サーバ20は、コミュニケーションツールを介して、ユーザAのステータスを検知する。コミュニケーションツール提供サーバ20は、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末30Aの入出力デバイスの使用状況、及び/または、ユーザAの登録スケジュールに基づいて、ステータスを検知する。
【0017】
ユーザのステータスは、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末30Aの入出力デバイスの使用状況、及び/または、ユーザAの登録スケジュールに基づいて検知される。検知されたステータスは、ステータスの種別を示すステータスパラメータ(ステータス情報)の形式で、検知時刻、ユーザの識別情報(例えば、ユーザID)とともに記録される。ステータスパラメータは、例えば、「連絡可能」、「取り込み中」、「通話中」、「会議中」などがある。
【0018】
アプリケーションサーバ10(処理装置)は、コミュニケーションツール提供サーバ20のAPI(Application Programming Interface)を介して、ステータスパラメータを取得する(ステップS1)。
【0019】
そして、アプリケーションサーバ10は、取得されたステータスパラメータから、ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換する(ステップS2)。プレゼンス情報は、ステータスパラメータの継続時間情報、及び/または、ステータスパラメータの種別遷移情報に対応した情報であって、ユーザの現在の状況を反映した情報である。
【0020】
アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20にプレゼンス情報を出力し(ステップS3)、コミュニケーションツール提供サーバ20に対し、コミュニケーションツール上で、ユーザ(例えばユーザA)のアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末(例えばユーザ端末30A)に表示させる。
【0021】
このように、実施の形態では、コミュニケーションツール上で、各ユーザの現在の状況を反映したアバターを表示させる。これによって、各ユーザは、関連する全ユーザの状況が判別でき、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる。
【0022】
また、実施の形態では、この事業所の全ユーザが業務において既にアクセスしているコミュニケーションツールを介して、各ユーザの現在の状況を反映したアバターを表示させるため、各ユーザは、ユーザ自身が関連する他の全ユーザの状況が判別できる。
【0023】
[通信システム]
実施の形態に係る通信システムについて説明する。図2は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、実施の形態に係る通信システムは、ユーザ端末30A,30Bと、ユーザ端末30A,30Bに提供するコミュニケーションツールを提供するコミュニケーションツール提供サーバ20と、コミュニケーションツール上で、各ユーザの現在の状況を反映したアバターを表示させるアプリケーションP1を制御するアプリケーションサーバ10とを有する。なお、図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0025】
ユーザ端末30A,30Bは、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。ユーザ端末30A,30Bは、ネットワーク(不図示)を介して、コミュニケーションツール提供サーバ20に接続し、コミュニケーションツール提供サーバ20が構築したコミュニケーションツール環境の提供を受ける。例えば、ユーザ端末30Aは、ユーザAが使用する端末装置であり、ユーザ端末30Bは、ユーザBが使用する端末装置である。
【0026】
コミュニケーションツール提供サーバ20は、オンラインでのコミュニケーションツールを提供する提供元に設けられたサーバ装置である。コミュニケーションツール提供サーバ20は、ユーザ端末30A,30Bからアクセスを受け付けると、コミュニケーションツールを構築し、ユーザ端末30A,30Bにコミュニケーションツールの環境を提供する。コミュニケーションツール上では、ユーザ間のオンラインでの打ち合わせ、ユーザ間の通話、ユーザ間のチャット、ユーザ間のファイル交換等が可能である他、ユーザのスケジュールの登録なども可能である。
【0027】
アプリケーションサーバ10は、ユーザ端末30A,30Bは、ネットワーク(不図示)を介して、コミュニケーションツール提供サーバ20に接続し、通信を行う。アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール上で動作するアプリケーションP1を提供し、制御する。アプリケーションP1は、コミュニケーションツール提供サーバ20を介して、コミュニケーションツール上のユーザA,Bのアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末30A,30Bに表示させる。
【0028】
[アプリケーションサーバ]
次に、アプリケーションサーバ10について説明する。図3は、図2に示すアプリケーションサーバ10の構成の一例を示す図である。
【0029】
アプリケーションサーバ10は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等を含むコンピュータ等に所定のプログラムが読み込まれて、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。また、アプリケーションサーバ10は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースを有する。アプリケーションサーバ10は、ステータス取得部11、記憶部12、プレゼンス変換部13、及び、プレゼンス出力制御部14を有する。
【0030】
ステータス取得部11は、コミュニケーションツール提供サーバ20のAPIを介して、コミュニケーションツールを利用する複数のユーザ(例えば、ユーザA,B)について、それぞれステータスパラメータを取得する。ステータス取得部11は、例えば、定期的にステータスパラメータを取得し、記憶部12のステータス情報121(後述)に格納する。
【0031】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、ステータス情報121及び変換ルール122を有する。
【0032】
ステータス情報121は、コミュニケーションツール提供サーバ20がコミュニケーションツールを介して検知した、各ユーザのステータスパラメータを蓄積する。ステータス情報121には、検知時刻、ユーザID、及び、ステータスパラメータを対応付けて蓄積される。
【0033】
図4は、ステータスパラメータの一例を説明する図である。図4に示すように、例えば、ステータスパラメータとして、「連絡可能」、「連絡可能、不在」、「取り込み中」、「通話中」、「会議中」、「通話中、外出中」、「応答不可」、「発表中」、「フォーカス」、「退席中」、「一時退席中」、「業務時間外」、「オフライン」、「状態不明」、「ブロックされました」、「外出中」などがある。
【0034】
「連絡可能」は、予定や通話がなく、ユーザが端末操作をしている状況を示す。「連絡可能、不在」は、外出予定が入っている時間帯にユーザが端末操作をしている状況を示す。「取り込み中」は、ユーザに予定が入っている状況、手動で設定している状況を示す。「通話中」は、コミュニケーションツールを用いてユーザが通話中の状況を示す。「会議中」は、ユーザに会議予定が入っている状況を示す。「通話中、外出中」は、ユーザに外出予定が入っている時間に、コミュニケーションツールを用いてユーザが通話中の状況を示す。
【0035】
「応答不可」は、応答不可であり、通話がボイスメールに転送される状況を示す。「発表中」は、会議中に画面共有をしている状況を示す。「フォーカス」は、フォーカス時間が設けられた状況を示す。「退席中」は、端末がロック状態、スリープ状態、一定時間以上操作がない状況、ユーザが手動で退席を設定している状況を示す。「一時退席中」は、ユーザが手動で退席を設定している状況を示す。
【0036】
「業務時間外」は、予定表で設定している業務時間外で、端末がロック/スリープなどの状況を示す。「オフライン」は、オフラインの状況を示す。「状態不明」は、コミュニケーションツールの状況を取得できない状況であることを示す。「ブロックされました」は、相手が自分のアカウントを「ブロックした連絡先」に設定している状況を示す。「外出中」は、ユーザに外出予定が入っている時間帯に、コミュニケーションツールからユーザがサインアウトしている状況を示す。
【0037】
変換ルール122は、プレゼンス変換部13が、ステータス取得部11が取得したユーザのステータスを、プレゼンス情報に変換する際に使用される変換ルールである。変換ルール122は、ステータスパラメータと、ステータスの継続時間、及び/または、ステータスの種別の移行に応じたプレゼンス情報とが対応付けられている。
【0038】
各プレゼンス情報は、例えば、ユーザのステータスパラメータの継続時間及び/または種別遷移に応じて、推定されるユーザの状況を示す情報である。プレゼンス情報は、例えば、任意のユーザの操作状況や該ユーザの音声を取得し、ユーザの操作状況及び/またはユーザの音声からユーザの状況の推移を推定し、推定されるユーザの状況と、ステータスパラメータの継続時間及び/または種別遷移とを照合することで、設定される。
【0039】
図5は、変換ルール122の一例を示す図である。図5に示すように、各ステータスに対し、例えば、デフォルト、X秒連続、Y秒以上連続、ステータスMからの移行、ステータスLからの移行の項目が設けられている。
【0040】
図5のブロックB1では、例えば、ステータス「連絡可能」が、X秒連続する場合には、プレゼンス「ニコニコ」が設定されており、Y秒以上連続する場合には、プレゼンス「左うちわ」が設定される。また、例えば、ステータス「取り込み中」が、X秒連続する場合には、プレゼンス「ひと汗」が設定されており、Y秒以上連続する場合には、プレゼンス「ふた汗」が設定される。
【0041】
また、図5のブロックB2では、例えば、ステータスMから、ステータス「連絡可能」に移行した場合には、プレゼンス「ひと安心」が設定されており、ステータスLから、ステータス「連絡可能」に移行した場合には、プレゼンス「謝り」が設定されている。また、ステータス「M」から、ステータス「取り込み中」に移行した場合には、プレゼンス「焦り」が設定されており、ステータス「L」から、ステータス「取り込み中」に移行した場合には、プレゼンス「気合」が設定されている。
【0042】
なお、変換ルール122は、予め設定されるほか、例えば、職場、職種またはユーザ個人に応じて内容が異なるルールであってもよいし、ニーズに応じて、適宜変更されてもよい。
【0043】
プレゼンス変換部13は、ステータス取得部11によって取得されたユーザのステータスパラメータを、プレゼンス情報に変換する。プレゼンス変換部13は、変換ルール122を参照して、ユーザのステータス情報を、プレゼンス情報に変換する。
【0044】
プレゼンス情報は、ステータスパラメータの継続時間情報、及び/または、ステータスパラメータの種別遷移情報に対応したプレゼンス情報であって、ユーザの現在の状況を反映した情報である。プレゼンス変換部13は、ステータス取得部11がユーザのステータスパラメータを取得するごとに、このユーザのこれまでのステータスパラメータに基づいて、プレゼンス情報に変換する。
【0045】
例えば、新たに取得されたユーザAのステータスパラメータをが「連絡可能」であり、このユーザAについて、ステータスパラメータ「連絡可能」がX秒連続している場合には、プレゼンス変換部13は、図5の変換ルール122を参照し、ユーザAについて、プレゼンス「ニコニコ」に変換する。
【0046】
また、新たに取得されたユーザBのステータスパラメータが「取り込み中」であり、1回前に取得したステータスパラメータが「M」であった場合には、プレゼンス変換部13は、ステータスパラメータが「M」から「取り込み中」に移行したと判定し、ユーザBについて、プレゼンス「焦り」に変換する。
【0047】
プレゼンス出力制御部14は、コミュニケーションツール提供サーバ20にプレゼンス情報を出力し、アプリケーションP1を制御することで、コミュニケーションツール提供サーバ20に対し、コミュニケーションツール上で、ユーザA,Bのアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末30A,30Bに表示させる。
【0048】
アプリケーションP1は、コミュニケーションツール上で、プレゼンス情報に対応する各ユーザのアバターが表示されるホーム画面を提供する。ユーザ(例えば、ユーザA,B)は、それぞれ自身のアバターを設定し、コミュニケーションツール上で、アプリケーションP1のホーム画面に、設定したアバターを表示させている。
【0049】
図6は、アバター設定を説明する図である。ユーザは、アプリケーションP1のマイページ上でアバター変更ボタンを選択することで、アバター変更メニューM1に遷移して、ユーザ自身のアバターを作成する。具体的には、アバターに対して、変更したいカテゴリ(髪型、眉毛、目など)をタブから選択する(図6(1))。
【0050】
そして、ユーザが、例えば、「髪型」を選択した場合、アバター変更メニューには、変更可能である複数の髪型が一覧表示されるため、ユーザは、その中から変更したいパーツを選択する(図6の(2))。
【0051】
すると、アバター変更メニューの下方に、完成イメージプレビューが表示されるため、ユーザは、完成イメージプレビューを確認し(図6の(3))、「反映」ボタンを押すと、数秒後、コミュニケーションツール上のホーム画面のアバターが、変更後のアバターに変更される(図6の(4))。
【0052】
図7は、プレゼンス情報に対応するアバターの表示パターンを示す図である。図7に示すように、アバターは、デフォルトが設定されるとともに、プレゼンス情報に応じて表示パターンが異なる。
【0053】
例えば、図7に示すように、ユーザAについては、ステータス「連絡可能」の場合にデフォルトとして、アバターG1-1が設定されている場合について説明する。
【0054】
例えば、ステータス「連絡可能」がX秒連続して、プレゼンス「ニコニコ」に変換された場合、ユーザAについては、デフォルトのアバターG1-1から、ニコニコした表情のアバターG1-2に変更される。そして、ユーザAについては、ステータス「連絡可能」の継続時間がY秒以上連続した場合には、アバターG1-2よりもさらに楽しそうな表情をしたアバターG1-3に変更される。
【0055】
このように、ユーザのアバターは、時間軸A1にしたがって、ステータスの継続時間に応じて推定されるユーザの状況を反映するように、プレゼンス情報に対応した表示パターンが変更される(枠W1参照)。
【0056】
また、ステータス「M」からステータス「連絡可能」に移行して、プレゼンス「ひと安心」に変換された場合、ユーザAについては、元のアバターから、「ひと安心」というコメント文を含むアバターG1-11に変更される。また、ステータス「L」からステータス「連絡可能」に移行して、プレゼンス「焦り」に変換された場合、ユーザAについては、元のアバターから、焦って飲み物を飲んでいるアバターG1-12に変更される。
【0057】
このように、ユーザのアバターは、ステータスの遷移軸A2にしたがって、前回のステータスから今回のステータスの移行に応じて推定される、ユーザの状況を反映するように、プレゼンス情報に対応した表示パターンが変更される(枠W2参照)。
【0058】
なお、コミュニケーションツール提供サーバ20が、プレゼンス情報にそれぞれ対応する各ユーザのアバターを保持している場合、アプリケーションサーバ10は、ユーザIDとプレゼンス情報とをコミュニケーションツール提供サーバ20に送信する。これによって、アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20に、ユーザIDに対応するユーザのアバターの、プレゼンス情報に対応するアバターへの変更と、ユーザ端末30A,30Bへの表示を実行させる。
【0059】
或いは、アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20に、プレゼンス情報に対応する表示パターンのアバターを直接送信して、ユーザのアバターを変更表示させてもよい。
【0060】
[コミュニケーションツール提供サーバ]
次に、コミュニケーションツール提供サーバ20について説明する。図8は、図2に示すコミュニケーションツール提供サーバ20の構成の一例を示す図である。
【0061】
コミュニケーションツール提供サーバ20は、例えば、ROM、RAM、CPU等を含むコンピュータ等に所定のプログラムが読み込まれて、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。また、コミュニケーションツール提供サーバ20は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースを有する。コミュニケーションツール提供サーバ20は、情報連携部21及びツール提供制御部22を有する。
【0062】
情報連携部21は、ステータスパラメータのアプリケーションサーバ10への出力が定められたAPI(Application Programming Interface)が実装された機能部である。情報連携部21は、ステータス検知部221(後述)が検知した各ユーザA,Bのステータスパラメータを、検知時刻及びユーザIDと対応付けて、アプリケーションサーバ10に出力する。
【0063】
ツール提供制御部22は、コミュニケーションツールを構築して、ユーザ端末30A,30Bに、コミュニケーションツールの環境を提供する。ツール提供制御部22は、ステータス検知部221及びアプリケーション連携部222を有する。
【0064】
ステータス検知部221は、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末30A,30Bの入出力デバイスの使用状況、及び/または、ユーザA,Bの登録スケジュールに基づいて、ユーザA,Bのステータスを検知する。
【0065】
アプリケーション連携部222は、アプリケーションサーバ10と連携して、コミュニケーションツール上で、アプリケーションP1の処理を実行させる。
【0066】
アプリケーション連携部222は、アプリケーションサーバ10からプレゼンス情報を受信するプレゼンス受信部223と、ユーザ端末30A,30Bのコミュニケーションツール上のアプリケーションP1のホーム画面に、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更させた各ユーザのアバターを表示させるアバター表示制御部224とを有する。
【0067】
アプリケーション連携部222は、プレゼンス情報と、プレゼンス情報にそれぞれ対応する各ユーザのアバターを保持しており、アプリケーションサーバ10から受信したプレゼンス情報に応じて、アプリケーションP1のホーム画面に表示するユーザのアバターを変更する。或いは、アプリケーション連携部222は、アプリケーションサーバ10から、プレゼンス情報に対応する表示パターンのアバターを直接受信して、アプリケーションP1のホーム画面に表示するユーザのアバターを変更する。
【0068】
[画面の一例]
図9及び図10は、ユーザ端末30Aに表示される画面の一例を示す図である。図9に示すように、ユーザ端末30Aには、コミュニケーションツール上で、アプリケーションP1が提供したホーム画面M21が表示される。ホーム画面M21は、例えば、メインメニューM22と、マイメニューM23とを含む。
【0069】
アプリケーションサーバ10のプレゼンス出力制御部14は、メインメニューM22に、複数のユーザのアバターを一覧表示させる。これらのユーザは、例えば、ユーザA(例えば「佐々木圭一」)がコミュニケーションツール上で選択した同僚(ユーザ)である。これらの複数のユーザの各アバターは、各ユーザのプレゼンス情報にそれぞれ対応する表示パターンで表示される。
【0070】
言い換えると、メインメニューM22では、各ユーザが作成したアバターは、各ユーザにそれぞれ対応するプレゼンス情報に応じて変化する(図9の(1))。このため、ユーザAは、自身が選択した他のユーザのアバターを確認することで、他のユーザの現在の状況を確認することができる。これによって、ユーザAは、例えば、話しかけたいユーザが、今、話しかけてもよい状況であるかを判別できる。
【0071】
例えば、ユーザAが話しかけたい相手が、「田中花子」である場合、「田中花子」のアバターを確認することで、現在、連絡可能であり、かつ、連絡可能である状況がY秒以上連続していることを判別することができる。このため、ユーザAは、「田中花子」に話しかけてもよいことが分かり、ストレスなく話しかけることができる。
【0072】
また、ユーザAが話しかけたい相手が、「須藤竜一」である場合、「須藤竜一」のアバターを確認することで、現在、集中して取り込んでいる最中であることを判別することができる。このため、ユーザAは、「須藤竜一」には、別のタイミングで話しかけた方がよいことが分かり、ストレスなく話しかけるタイミングを認識することができる。
【0073】
このように、実施の形態では、プレゼンス情報によってユーザの現在の状況を反映したアバターが表示され、他のユーザの状況が適切に判別できるため、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる。
【0074】
このように、メインメニューには、各ユーザのアバターが、各ユーザのプレゼンス情報にそれぞれ対応する表示パターンで表示されるため、ユーザAは、アバターを認識することで、チームメンバーや関係者の現況が一目でわかる(図9の(2))。メインメニューM22に表示する他のユーザのアバターの一覧は、ユーザAが任意に選択したユーザのものであり、ユーザAが自由に変更できる。
【0075】
また、プレゼンス出力制御部14は、コミュニケーションツール上で、ユーザAが任意のグループに分けて選択した複数のユーザのアバターを、複数のユーザの各プレゼンス情報に対応する表示パターンで、グループごとに一覧表示させることも可能である。
【0076】
例えば、メインメニューM22には、グループごとにタブが付与されており、ユーザAは、メインメニューM22からタブオーダーで表示グループの切り替えができる(図9の(3))。ユーザAは、タブを選択することで、自身が選択したタブのグループに属するユーザのアバター一覧を視認することができる。
【0077】
また、マイメニューM23は、ユーザA(例えば、「佐々木圭一」)専用のメニュー画面である。マイメニューM23には、ユーザA自身のアバターも、ユーザAのプレゼンス情報に応じて表示される(図9の(4))。マイメニューM23では、ユーザAは、アバター変更、予定の追加/削除、同僚(アバター表示対象の他のユーザ)追加等が可能である。
【0078】
また、プレゼンス出力制御部14は、コミュニケーションツール上で、各ユーザのアバターを、プレゼンス情報に対応するGIF(Graphics Interchange Format)画像で表示させて、アバターがプレゼンスに応じた動きで動くようにしてもよい。
【0079】
また、メインメニューM22に一覧表示される各ユーザの状況の詳細を確認することも可能である。例えば、図10に示すように、ユーザAが、ユーザ「須藤竜一」を単独で選択した場合(図10の(1))、メニューM24-1に、選択したユーザ「須藤竜一」の詳細な状況が表示される。メニューM24-1には、「須藤竜一」のアバター、出社の有無、所属先、連作先、チャット、ステータス「集中」が表示される。
【0080】
また、ユーザAが、複数ユーザを選択した場合(図10の(2))、メニューM24-2に、選択した複数のユーザのアバター、スケジュール、連絡先、チャットが表示される。
【0081】
また、マイメニューM23をさらに詳細化したマイメニューM23-1の表示も可能である。マイメニューM23-1は、ユーザAのアバター変更が可能であるアバター変更ボタンB23-1、及び、メインメニューM22に表示される同僚追加/削除が可能である同僚追加/削除ボタン23-2を含む。ユーザは、アバター変更ボタンB23-1を選択して、アバター変更メニュー(図6)に移行して、自身のアバターを変更してもよい。また、ユーザは、同僚追加/削除ボタン23-2を選択して、同僚の追加及び/または削除が可能であるメニューに移行してもよい。また、マイメニューM23-1は、ユーザAのロケーション設定欄W23-1、ユーザAが使用可能であるコミュニケーションツール欄W23-2を含む。
【0082】
[処理手順]
次に、実施の形態に係る処理方法について説明する。図11は、実施の形態に係る処理方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【0083】
図11に示すように、コミュニケーションツール提供サーバ20は、コミュニケーションツールを構築して(ステップS11,S12)、ユーザ端末30A,30Bに、コミュニケーションツールの環境を提供する。
【0084】
コミュニケーションツール提供サーバ20は、コミュニケーションツールを使用するユーザ端末30A,30Bの入出力デバイスの使用状況、及び/または、ユーザA,Bの登録スケジュールに基づいて、ユーザA,Bのステータスを検知する(ステップS13)。
【0085】
アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20から、ステップS13において検知された各ユーザA,Bのステータスパラメータを受信し、ステータスパラメータを取得する(ステップS14,S15)。
【0086】
アプリケーションサーバ10は、ステップS15において取得したステータスパラメータを、ユーザのこれまでのステータスパラメータに基づいて、プレゼンス情報に変換する(ステップS16)。
【0087】
アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20にプレゼンス情報を出力し(ステップS17,S18)、コミュニケーションツール提供サーバ20に対し、コミュニケーションツール上で、ユーザA,Bのアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末30A,30Bに表示させるアバター表示制御を実行させる(ステップS19~S21)。
【0088】
[実施の形態の効果]
ここで、従来のコミュニケーションツールでのユーザアイコンの表示について説明する。図12は、従来のコミュニケーションツールにおけるユーザのアイコンとステータスとの表示例を示す図である。
【0089】
図12に示すように、従来は、ユーザ端末に表示される各ユーザのアイコンは、イニシャルアイコンであり、ステータスも、イニシャルアイコンの近傍にマークで示す程度であった。また、取り込み中、通話中、会議中のいずれのステータスであっても、見かけ上同じマークであり、取り込み中から通話中に変わったとしても、ステータスマークは代わらず、マークのみによるステータスの識別は困難であった。
【0090】
そこで、本実施の形態では、アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20から取得したステータスパラメータから、ユーザの現在の状況を反映したプレゼンス情報に変換する。そして、アプリケーションサーバ10は、コミュニケーションツール提供サーバ20にプレゼンス情報を出力し、コミュニケーションツール提供サーバ20に対し、コミュニケーションツール上で、ユーザA,Bのアバターを、プレゼンス情報に対応する表示パターンに変更して、ユーザ端末30A,30Bに表示させる。
【0091】
したがって、実施の形態では、コミュニケーションツール上で、各ユーザの現在の状況を反映したアバターを表示させることで、各ユーザは、関連する全ユーザの状況が判別でき、発信側が、受け手側に、ストレスなくコミュニケーションのタイミングを計ることができる。
【0092】
図13は、リアル職場と、実施の形態を適用したリモートワーク環境との比較を説明する図である。図13の(A)は、ユーザU1が実際に職場に出社している場合を示し、図13の(B)は、ユーザU2が本実施の形態を適用したリモートワーク環境にて業務を行っている場合を示す。
【0093】
図13の(A)に示すように、実際に職場に出社しているユーザU1は、同僚が近くにいるため、話しかけたい受け手の状況の詳細が分かり、ストレスなく、話しかけるタイミングを計ることができる。
【0094】
例えば、受け手がくつろいでいる場合には、ユーザU1は、話しかけてもよいと判別できる。また、受け手が談笑中であれば、ユーザU1はその中に混ざってみることもできる。また、受け手が会議中であったら、ユーザU1は、後で話しかけよう、と話しかけるタイミングではないと判別できる。また、受け手が忙しいようであったら、ユーザU1は、受け手に確認してみることも選択できる。
【0095】
そして、図13の(B)に示すように、ユーザU2が本実施の形態を適用したリモートワーク環境にて業務を行っている場合、ユーザU2は、コミュニケーションツール上で表示されたアバターによって、話しかけたい受け手の状況が分かり、ストレスなく、話しかけるタイミングを計ることができる。
【0096】
例えば、受け手側のアバターGb-1が、くつろいでいる状況を示す場合、ユーザU2は、話しかけてもよいと判別できる。また、受け手のアバターGb-2が談笑中であれば、ユーザU2はその中に混ざってみることもできる。また、受け手のアバターGb-3が会議中であったら、ユーザU2は、後で話しかけよう、と話しかけるタイミングではないと判別できる。また、受け手のアバターGb-4が忙しいようであったら、ユーザU2は、受け手に確認してみることも選択できる。
【0097】
このように、実施の形態を適用した場合、リモートワークであっても、リアル職場とほぼ同質の体験をすることができる。実施の形態を適用した場合、リモートワークであっても、受け手側は、コミュニケーションツールにアクセスしているだけで、話しかけたいユーザU2のことを一切意識していないが、ユーザU2が、受け手側の状況に応じて話しかけるタイミングを見計らって話しかけることができる。このため、実施の形態を適用したリモートワーク環境では、リアルな職場と同様に、受け手側にとってもコミュニケーションが成立している、すなわち、受動コミュニケーションが確立している、といえる。
【0098】
また、実施の形態では、職場の全ユーザが業務において既にアクセスするコミュニケーションツールを介して、各ユーザの現在の状況を反映したアバターを表示させため、各ユーザは、ユーザ自身が関連する他の全ユーザの状況が判別できる。
【0099】
また、アバターは、ユーザ自身が設定でき、各ユーザのアバターは、各ユーザの現在の状況を反映したものである。言い換えると、実施の形態によれば、コミュニケーションツール上のアバターには、ユーザ自身個性やユーザ自身の状況を反映される。このため、アバターが固定されることもなく、また、ユーザは、アバターに自己分身感を持つことができる。このため、実施の形態によれば、ユーザのコミュニケーションツールへのアクセスの動機づけを高めることができ、ユーザ間での円滑なコミュニケーションを図ることが可能である。
【0100】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0101】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0102】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したアプリケーションサーバ10、コミュニケーションツール提供サーバ20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるアプリケーションサーバ10、コミュニケーションツール提供サーバ20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0103】
図14は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図14に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0104】
メモリ1010は、図14に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、図10に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0105】
ここで、図14に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0106】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0107】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0108】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
10 アプリケーションサーバ
11 ステータス取得部
12 記憶部
13 プレゼンス変換部
14 プレゼンス出力制御部
20 コミュニケーションツール提供サーバ
21 情報連携部
22 ツール提供制御部
30A,30B ユーザ端末
121 ステータス情報
122 変換ルール
221 ステータス検知部
222 アプリケーション連携部
223 プレゼンス受信部
224 アバター表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14