IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プリテック,エルエルシーの特許一覧

特開2024-7473湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法
<>
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図1
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図2
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図3
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図4
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図5
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図6
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図7
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図8
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図9
  • 特開-湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007473
(43)【公開日】2024-01-18
(54)【発明の名称】湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体供給方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/03 20060101AFI20240110BHJP
   B05B 12/00 20180101ALI20240110BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B05B9/03
B05B12/00 Z
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023107134
(22)【出願日】2023-06-29
(31)【優先権主張番号】63/357,599
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/208,700
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513254899
【氏名又は名称】プリテック,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】カール ケー.ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー シー.ニコルズ
【テーマコード(参考)】
4F033
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
4F033AA01
4F033BA03
4F033DA01
4F033EA01
4F033RA12
4F033RA14
4F033RD05
4F033RD08
4F033RD09
4F033RD10
4F033RE02
4F033RE03
4F033RE04
4F033RE10
4F033RE11
4F033RE17
4F035AA04
4F035BA05
4F035BA22
4F035BC06
4F042AA02
4F042AB00
4F042BA06
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB03
4F042CB08
4F042CB19
4F042DF23
(57)【要約】
【課題】弁のより効果的な閉鎖を確実にするために、一方向圧力開放弁に湿潤流体を適用する改良された装置及び方法を提供する。
【解決手段】湿潤流体アプリケータユニットは、包装システムで焙煎コーヒーのような製品の包装中に、湿潤流体を圧力開放弁に適用する。湿潤流体アプリケータユニットは、複数の流体供給回路に湿潤流体を供給する非加圧湿潤流体リザーバを含む。一方の流体供給回路はスプレーヘッドに湿潤流体を充電し、他方の流体供給回路は非加圧リザーバから湿潤流体を補充する。湿潤流体アプリケータユニットは、包装システムの連続運転中にリザーバの補充を可能にしながら、スプレーヘッドへの湿潤流体の連続的な流れを確保する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気口をパッケージに適用する前に、略平面の圧力開放弁内に湿潤流体を供給するための湿潤流体アプリケータであって、
コントローラと、
湿潤液体を各弁に移送するために前記コントローラによって制御されるスプレーヘッドと、
第1の流体供給回路及び代替としての第2の流体供給回路を介して前記スプレーヘッドと流体連絡している非加圧の湿潤流体リザーバと、
加圧された空気を前記第1の流体供給回路及び代替としての前記第2の流体供給回路に供給し、加圧されていない回路から空気を排出するために、前記コントローラによって制御される空気供給弁と、を備え、
前記第1の及び前記第2の流体供給回路のそれぞれは、
空気弁に作動可能に接続されたシリンダと、
スプレーヘッドに湿潤流体を充填する流体圧を供給するために前進し、前記シリンダに湿潤流体を補充する負の流体圧を生成するために後退する、シリンダ内の空気駆動ピストンと、
前記リザーバから各流体供給回路及び前記シリンダへの一方向流体流接続における流体供給ラインと、
前記シリンダから前記スプレーヘッドへの一方向流体流接続における流体送達ラインと、を含み、
これにより、一方の流体供給回路の空気圧の増加により前記スプレーヘッドが充填され、他方の流体供給回路の空気圧の同時解放により前記リザーバからの湿潤流体が該回路に補充される、湿潤流体アプリケータ。
【請求項2】
前記スプレーヘッドは、前記コントローラからの信号に応答して、加圧された湿潤流体の特定量を供給する、請求項1に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項3】
前記ピストンの各々は、前記空気供給弁からの空気圧によって前進され、前記空気圧が失われると、後退位置に戻るように付勢される、請求項1に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項4】
前記ピストンを前記後退位置に付勢するばねをさらに含む、請求項3に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項5】
各流体供給回路は、前記リザーバと前記流体供給ラインとの間の第1の一方向弁と、前記シリンダと前記スプレーヘッドとの間の第2の一方向弁であって、前記第1の及び前記第2の一方向弁は、反対方向の流体の流れを制限する、第1の一方向弁及び第2の一方向弁と、を有し、
一方の回路でのピストン駆動による流体圧力の上昇は、前記第1の弁を閉じた状態で前記第2の弁を開放して湿潤流体を前記スプレーヘッドに供給し、他方の回路での同時のピストン駆動による負圧は、前記第2の弁を閉じた状態で前記第1の弁を開き、湿潤流体を前記シリンダ内に誘導する、請求項1に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項6】
前記一方向弁の各々は、逆止弁である、請求項5に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項7】
前記逆止弁の各々は、入口及び出口、及び前記入口に対して付勢されたゲートを含む、請求項6に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項8】
前記空気供給弁は、加圧空気を一方の流体供給回路に供給するために前記弁を作動させるコントローラに作動可能に接続された第1のソレノイドと、他方の回路から空気を排出するために前記弁を作動させるコントローラに作動可能に接続された第2のソレノイドとをさらに含む、請求項1に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項9】
前記非加圧の湿潤流体リザーバは、前記湿潤流体アプリケータの作動中に湿潤流体で補充される、請求項1に記載の湿潤流体アプリケータ。
【請求項10】
前記非加圧の湿潤流体リザーバは、前記湿潤流体アプリケータの作動中に前記リザーバ内の湿潤流体の量を視覚的に確認するために取り外すことができる蓋を含む、請求項9に記載の湿潤流体アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、焙煎コーヒーのような製品の包装に取り付けられた一方向圧力開放弁に関するものであり、より詳細には、このような圧力開放弁に湿潤流体を適用して、弁のより効果的な閉鎖を確実にするための改良された装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イリノイ州デス・プレーンズのPlitek(登録商標)L.L.C.から入手可能なPLI-VALV(登録商標)ブランド圧力開放弁のような一方向圧力開放弁は、コーヒーやガスを排出する他の製品のような製品の包装に適用される。そのような弁は、本明細書では一方向圧力開放弁として、又は単に弁という用語によって、同じ意味で参照される。各弁が取り付けられる製品パッケージは、キャニスターの蓋の例のように、より剛性であってもよく、又はピローバッグパッケージの例のように、より柔軟であってもよい。通常、1つの圧力開放弁が各パッケージに適用される。
【0003】
弁の背景
本明細書に記載するタイプの一方向圧力開放弁は、薄いプラスチック及び/又は箔材料の積層体を含むことができる。間にドライストラップ層を有するベース層及びカバー層を提供することができる。ベース層は、その中に1つ以上の通気孔を含むことができる。パッケージ内からのガスは、通気孔を通って、ドライストラップとベースの間を通って、弁の端に移動し、大気中に出ることができる。ベース層の第1側面の接着剤は、弁を製品パッケージに接着する。一方向圧力開放弁は、通常、ポリエステルのような材料であってもよい引き裂けない剥離ライナーウェブ上の製品パッケージに供給される。ベース層の第1側面の接着剤は、製品パッケージへの適用の直前に弁が取り外されるまで、各弁をライナーに取り外し可能に接着する。その後、接着剤は、製品パッケージへの各弁の永久的な固定を提供する。このような一方向圧力開放弁は、不要なガスをパッケージから排出し、また、そのようなガスが酸化又はその他の製品を損傷する可能性があるパッケージへの大気ガスの戻りを防ぐ。このような弁利点の1つは、新鮮さを保持するために、焙煎後すぐにコーヒーを包装することができることである。新鮮なコーヒーから発生したガスは、一方向圧力開放弁を介してパッケージから排出される。パッケージの12~24時間前にコーヒーから「ガス抜き」をする必要をなくすことは、顧客が最高品質のコーヒーを受け取ることを確実にしつつ、時間とコストを節約する。
【0004】
典型的には、必ずしもそうではないが、本明細書に記載されたタイプの一方向圧力開放弁は、包装機械を用いて製品包装プロセスと共に適用される。例えば、弁は、パッケージが焙煎コーヒー製品で充填される直前又は直後に、可撓性ピローバッグパッケージに適用され得る。包装プロセスは、パッケージへの弁の断続的な適用を許容し得るか、または弁を連続的な動作で適用することを要求し得る。
【0005】
アプリケータの背景
弁アプリケータシステムは、上記のタイプの弁を製品パッケージに適用するプロセスを自動化するために使用されることがある。一例としてのみ、弁アプリケータユニットは、フォーム/充填/シール包装システムのコンポーネントであることがあり得る。周知のように、フォーム/充填/シール包装システムは、パッケージを形成し、パッケージに製品をロードし、ロード後にパッケージを閉じるために使用される。弁アプリケータシステムは、断続的又は連続的なプロセスで包装材料に圧力開放弁を適用することを目的とすることができる。
【0006】
弁アプリケータシステムは、一般的に、ベースユニット、ガイドローラーのセット、電子及び空気圧コンポーネント、湿潤流体アプリケータユニット、及び弁アプリケータユニットを含み得る。
【0007】
ベースユニットは、圧力開放弁を運ぶ剥離ライナーウェブを前進させ、インデックスを作成するために提供される。ベースユニットは、弁が固定されて巻かれている剥離ライナーウェブを巻き戻す巻き戻し機と、弁がパッケージに適用された後に剥離ライナーウェブを取り込む巻き取り機とを含むことができる。ベースユニットは、さらに、電気部品、空気圧部品、制御部品、及び駆動モータを含むことができる。ガイドローラーは、圧力開放弁適用システムが使用されている包装機械を収容するために必要に応じて、剥離ライナーの走行方向(一般に垂直又は水平)を方向付けるために使用することができる。電子部品は、センサー及びステッパーモーターを含むことができ、空気圧部品は、一般に、真空及び空気圧システムを供給するための真空発生器、レギュレータ及びフィルタ、並びに空気圧シリンダを操作するための弁を含む。
【0008】
湿潤流体アプリケータユニットは、弁アプリケータユニットと協調して機能する部品であってもよい。湿潤流体アプリケータユニットは、弁のシール効果を改善するために、弁内部のベース層と対向するドライストラップ層との界面を湿潤させるために、食品グレードのシリコーンオイルのような湿潤流体を提供する。湿潤流体アプリケータは、弁に湿潤流体を送達するためのスプレーヘッドを含むことができる。湿潤流体は、例えば、電気/機械的ギア駆動ポンプ又は空気駆動Nordsonタンクシステムによって、圧力下でスプレーヘッドに供給され得る。湿潤流体は、高圧下でスプレーヘッドに流れ、その後、弁内に少量の体積の湿潤流体を居急する。一例としてのみ、約0.2μgの湿潤流体をスプレーヘッドから各弁に送達することができる。
【0009】
弁アプリケータユニットはまた、パンチ、貫通針、又はパッケージ内に開口部を作るための他の装置、剥離ライナーから圧力開放弁の取り外しを補助するピーラーバーアセンブリ、及びパンチ、針又は他の装置によって作られた開口部で作動レジスタ内のパッケージに圧力開放弁を取り付けるための弁アプリケータヘッドを含むことができる。優れた弁アプリケータユニットの例は、本出願人が所有する米国特許第8,522,926号に開示されている。
【0010】
弁アプリケータシステム及び該システムの弁アプリケータユニットは、パッケージに毎分180個の弁を適用することを要求される得る。毎分180個の弁は、高いスループットを表すと考えられる。特定のアプリケーションでは、弁アプリケータシステムがさらに大きなスループットを持つことが望ましい場合がある。弁アプリケータユニットの動作は、噴霧ヘッドに湿潤流体を供給するために使用されるポンプ、供給ライン、継手、及びその他のコンポーネントに要求される。
【0011】
未解決の問題
ギア駆動ポンプシステムの問題は、より高い粘度の湿潤流体がこれらのタイプのシステムの誤動作を引き起こす可能性があることある。より高い粘度の湿潤流体は、約100センチポアズ(cP)から約400センチポアズ(cP)の範囲であってもよい。本明細書に記載されているタイプの弁アプリケータを使用しようとする製品包装者は、より高い粘度の湿潤流体を使用することを好むが、これは、そのような流体が、弁を通過してパッケージに入る周囲空気の逆流を防止する点で、弁の性能を向上させるためである。そのようなより高い粘度の湿潤流体の1つは、微細なグラファイト粒子と混合された食品グレードのシリコーンオイルである。グラファイト粒子は、混合された湿潤流体の粘度を300cP以上に大幅に増加させることができる。
【0012】
Nordsonシステムの問題は、Nordsonリザーバ内の湿潤流体の量を検査するため、又はリザーバに湿潤流体を補充するために、弁アプリケーションプロセス全体を停止しなければならないことである。
【0013】
ギア駆動ポンプ流体アプリケータシステム10及びNordson流体アプリケータシステム110を使用する湿潤流体アプリケータシステムの前述の及びその他の問題は、以下に説明する図1から図3の簡略化された概略図に関して理解することができる。湿潤流体アプリケータシステム10及び110は、図6及び図7に示すタイプの圧力開放弁11と共に使用することを意図しており、このような弁11に湿潤流体13を適用することを意図している。
【0014】
ギア駆動湿潤流体アプリケータ
最初に図1を参照すると、図示されているギア駆動湿潤流体アプリケータシステム10は、取り外し可能な蓋17を有する非加圧湿潤流体リザーバ15を含む。リザーバ15は、湿潤流体13を保持するために設けられている。蓋13は、湿潤流体13を追加するために、又は人間のオペレータがリザーバ15内の湿潤流体13のレベルをチェックするために取り外すことができる。リザーバ15は非加圧であるため、蓋17は、湿潤流体13の補充のためのシステム10の動作中に、又はリザーバ15を検査して内部の湿潤流体13の量を決定するために取り外すことができる。
【0015】
供給ライン19は、リザーバ15から湿潤流体13を受け取る。供給ライン19からの湿潤流体13は、電気機械ポンプ23の入口21に供給される。ポンプ23は、電気動力DCモータ(図示せず)によって駆動される羽根車25,27を含み、湿潤流体13をポンプ出口29から供給ライン33を通って矢印31の方向に移動させ、マニホールド35内に移動させる、圧力を発生させる。圧力計37は、マニホールド35内の湿潤流体13の圧力を示すことができる。ポンプ23によって生成される流体圧力は、約30psiから約50psiの範囲であり得る。圧力駆動湿潤流体13は、供給ライン39を通ってマニホールド35からスプレーヘッド41に向けられる。スプレーヘッド41は、各弁11に湿潤流体のミスト又はスプレーを適用するために設けられる。実施可能なスプレーヘッド41の一例は、ロードアイランド州イーストプロビデンスのNordson EFDから入手可能なソレノイド制御EFD781Sシリーズモデル781S-SS-14スプレー又は噴霧弁である。過剰な湿潤流体13は、供給ライン43を介してマニホールド35から湿潤流体リザーバ15に再循環され得る。
【0016】
上述のタイプのギア駆動システム10の特有の課題点は、ポンプ23である。高粘度の湿潤流体13は、変位がより困難であり、これはポンプ23に負荷を増加させ、ポンプ23の早期故障を引き起こす。ギア駆動システム10のより高い負荷はまた、供給ライン19及び33、そのような供給ライン19,33を他の構成要素に接合する継手、及びマニホールド35及びスプレーヘッド41のような他の構成要素に対するより大きな要求をもたらす。
【0017】
ノードソン(Nordson)型湿潤流体アプリケータ
図2図3を参照すると、図示されているNordsonポンプ流体アプリケータシステム110は、取り外し可能な蓋113を有する加圧湿潤流体リザーバ111を含む。加圧リザーバ111は、ギア駆動ポンプ流体アプリケータシステム10で使用されるタイプの湿潤流体13を保持するために提供される。蓋113は、利便性のためにそれぞれ参照番号115で示される圧縮金具によってリザーバ111上の所定の位置に保持され得る。圧縮金具115は、リザーバ111内の上昇圧力に応答してリザーバ111上の蓋113を保持する。リザーバ111の減圧後、蓋113は、圧縮金具115を緩めることによって除去することができる。蓋113は、湿潤流体13を加え、リザーバ111内の湿潤流体のレベルをチェックするために除去されなければならない。通気口117は、リザーバ111内から高圧空気を放出するために設けられてもよい。リザーバ111の側壁119及び蓋113は、蓋113及び側壁119を介してオペレータがリザーバ111内の湿潤流体13の量を見ることを防止する不透明材料である。
【0018】
標準的な工場用空気圧縮機ポンプによって提供され得る高圧空気121の源は、空気供給ライン123を介してリザーバ111に加圧空気を供給する。供給される空気圧力は、約30psiから約100psiの範囲であり得る。空気圧力は、湿潤流体13をリザーバ111から流体供給ライン127を介してマニホールド125内に移動させる。圧力計129は、マニホールド125内の湿潤流体13の圧力を示す。圧力駆動湿潤流体13は、流体供給ライン127を通ってマニホールド125からスプレーヘッド131に導かれる。スプレーヘッド131は、ロードアイランド州イーストプロビデンスのNordson EFDから入手可能なソレノイド制御EFD781Sシリーズモデル781S-SS-14スプレー又は噴霧弁であってもよい。スプレーヘッド131は、各圧力開放弁11上に湿潤流体13のミスト又は液滴を加える。Nordsonシステム110は、ギア駆動システム10のように湿潤流体を再循環させない直接供給システムである。
【0019】
Nordsonシステム110の重要な課題は、人間のオペレータが圧縮金具115を緩め、蓋113を取り外して加圧リザーバ111を補充するか、又はリザーバ111内の湿潤流体13のレベルをチェックするために、このようなシステムを停止しなければならないことである。停止は、蓋113を取り外す前に、通気口117を介して、リザーバ111内の圧力を最初に開放し、リザーバ111内の圧力を周囲の空気圧と等しくしなければならないため、必要となる。Nordsonシステム110の不必要な停止は、包装ライン全体を停止しなければならないことを意味し、それは非効率と包装機械のコストを増加させる可能性がある。さらなる課題は、リザーバ111の不透明な蓋113と側壁119が、リザーバ111の内部を見るために最初に蓋113を取り外すことなく、人間のオペレータがリザーバ111内の湿潤流体13のレベルを見ることを妨げることである。繰り返しになるが、蓋113を取り外す必要がある場合には、通気口117を介してリザーバ111から空気圧を低下させる目的で、Nordsonシステム110を最初に停止させる必要があり、このプロセスは包装ラインの停止を必要とする。
【0020】
高粘度湿潤流体での使用を可能にし、高粘度湿潤流体の使用に起因する湿潤流体アプリケータの誤動作を最小化又は回避し、より容易な湿潤流体補充及びリザーバ内の湿潤流体量の可視化を可能にする非加圧湿潤流体リザーバの使用を可能にし、圧力開放弁への湿潤流体の適用を一般的に改善し、湿潤圧力開放弁を使用する任意の包装プロセスを改善する、湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体の適用方法を提供することは、当技術における改良である。
【発明の概要】
【0021】
本発明は、改良された湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁に湿潤流体を供給する方法に関する。改良された湿潤流体アプリケータ及び供給方法は、アプリケータの信頼性を改善し、アプリケータ及び該アプリケータを実装する任意の包装プロセスの動作を改善することに寄与する。
【0022】
実施形態では、湿潤流体アプリケータは、弁が包装機械によって包装物に供給される前に、一方向圧力開放弁に湿潤流体を供給することを目的とする。特定の実施形態では、この結果を達成することができる湿潤流体アプリケータは、コントローラ、スプレーヘッド、非加圧リザーバ、空気供給弁、及び少なくとも第1及び第2の流体供給回路を含むことができ、これらの回路は、代替的に、スプレーヘッドに湿潤流体を充填し、非充填流体供給回路に湿潤流体を補充して、それによって、圧力開放弁に供給するために連続的に利用可能な湿潤流体を有する。
【0023】
湿潤流体アプリケータを制御するためのコントローラは、プログラム可能な論理制御装置、又は任意の他の適切なタイプの単一のコントローラ又は複数のコントローラを含むことができる。非加圧湿潤流体リザーバは、第1の流体供給回路を介して、又は代替的に第2の流体供給回路を介して、スプレーヘッドと流体連通することができる。コントローラは、空気供給弁を操作して、加圧された空気を第1の流体供給回路に、又は第2の流体供給回路に供給し、加圧された空気を受け取っていない回路(すなわち、非加圧回路)から、空気を排出する。
【0024】
流体供給回路の各々は、空気弁に動作可能に接続されたシリンダと、該シリンダ内の空気駆動ピストンとを含むことができる。ピストンの空気駆動前進は、スプレーヘッドに湿潤流体を充填する流体圧力を提供する。他方の流体供給回路内のピストンの後退は、他方のピストンの前進と同時に発生する可能性があり、スプレーヘッドのその後の充填のためにシリンダに湿潤流体を補充するその回路内に負の流体圧力を生じる。各ピストンはばねによって後退する可能性があり、シリンダへの空気圧が空気供給弁で解放されるときに後退が発生することができる。
【0025】
湿潤流体は、リザーバから各シリンダへの一方向流体流接続の流体供給ラインによって各回路に供給されることができる。湿潤流体は、シリンダからスプレーヘッドへの一方向流体流接続における流体供給ラインによって各回路からスプレーヘッドに供給されることができる。逆止弁は、湿潤流体の流れの方向を制御するために各流体供給ラインに実装されることができる。
【0026】
実施形態では、コントローラは、スプレーヘッドを充填するために1つの流体供給回路内の空気圧を増加させるように湿潤流体アプリケータを操作する。コントローラは、同時に、他の流体供給回路内の空気圧の開放を引き起こして、そのピストンが後退して負圧を発生させるときに、その回路に湿潤流体を補充し、それによって、スプレーヘッドを湿潤流体で充填するために、リザーバからそのような回路に湿潤流体を誘導することができる。そのような実施形態では、他の回路が湿潤流体を使い果たしたときに、一方の回路は常にスプレーヘッドを充填する準備ができている。
【0027】
他の特徴及び実施形態は、以下の図面及び詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】湿潤流体を動かすために設けられたギア駆動ポンプを有する従来技術の湿潤流体アプリケータユニットの概略図である。
図2】湿潤流体を動かすために空気駆動ポンプを有する従来技術のNordson型湿潤流体アプリケータの概略図である。
図3図2に示されるタイプの代表的なNordson型湿潤流体アプリケータの2つの斜視図である。
図4】ベースユニット、本発明の湿潤流体アプリケータユニット、及び弁アプリケータユニットを含む圧力開放弁アプリケータシステムの上面図である。
図5】本発明の湿潤流体アプリケータユニットで実現可能な代表的なEFDスプレーヘッドである。
図6】一連の例示的な3つの圧力開放弁を有する剥離ライナーの断片の平面図である。
図7図6の断面線7-7に概ね沿って得られた、剥離ライナー上の圧力開放弁の垂直断面図である。
図8】一方向圧力開放弁が取り付けられたピローバッグパッケージである。
図9】第1の回路から湿潤流体を供給し、同時に第2の回路に湿潤流体を補充する本発明による湿潤流体アプリケータユニットの実施形態の概略図である。
図10】第1の回路に湿潤流体を補充し、同時に第2の回路から湿潤流体を供給する本発明による湿潤流体アプリケータユニットの実施形態のさらなる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
湿潤流体アプリケータユニットの例は、添付の図面と共になされる以下の説明を参照することによって理解することができ、その中で、類似の参照番号は、異なるビュー全体にわたって類似の要素を識別する。便宜と簡潔さのために、類似の参照番号は、実施形態の中で類似の部分に使用される。図面は必ずしも拡大縮小するものではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれる。
【0030】
本発明は、製品パッケージに圧力開放弁を適用するためのシステムの分野に関する。一方向圧力開放弁11に湿潤流体13を適用するための湿潤流体アプリケータシステム210は、図4図10に概ね示されている。アプリケータシステム210は、圧力開放弁を製品パッケージ213に取り付けるために使用されるパッケージラインの構成要素であってもよい。
【0031】
導入と概要
まず、図4~5及び図9~10を参照すると、図示された湿潤流体アプリケータシステム210は、図4に部分的に示された包装機械211の構成要素とすることができる。包装機械211は、垂直形成/充填/シール包装機械211とすることができる。垂直形成/充填/シール包装機械は、焙煎コーヒーなどの製品をパッケージ213に包装するために頻繁に使用される。包装機械211によって装填されるパッケージ213は、図8に示されるタイプのピローバッグパッケージであってもよい。湿潤流体アプリケータシステム210は、任意の適切なタイプの包装機械と共に使用することができることを理解されたい。例えば、湿潤流体アプリケータシステム210は、キャニスター型包装システムのための蓋ストックに圧力開放弁を取り付ける包装システムと共に使用することができる。湿潤流体アプリケータシステム210は、弁11への湿潤流体の適用を必要とする任意の弁適用システムと共に使用することもできる。
【0032】
圧力リリーフ弁
包装システム211及び/又は湿潤流体アプリケータシステム210と共に使用され得る例示的な圧力開放弁11の詳細を、図6及び図7の断片図及び断面図に示す。図示されるように、弁11は、図7に図示されるような側面図において、概ね平坦又は概ね平面であり得る。弁11は、本明細書に記載されるような層の積層体を含み得る。
【0033】
図4及び図6~7の例に示されるように、弁11は、剥離ライナー215上に設けられ得る。剥離ライナー215は、一連の同一の圧力開放弁を有することができ、それらの各々は、便宜上、参照番号11で示される。圧力開放弁11は、パッケージ213に適用するために、包装システム211によって剥離ライナー215から取り外される。弁11は、例えば、中心間が1インチ間隔で、ライナー215に沿って一定間隔で都合よく離間されてもよい。
【0034】
実施形態では、圧力開放弁11は、それぞれ、ベース層217を完全に貫通して、概ね円形であり得る通気口219を有するベース層217を含むことができる。通気口219は、ライナー215内の開口221と位置合わせされることが好ましい。実際、通気口217及び剥離ライナー215内の開口221は、圧力開放弁11の製造中に、都合よく同じ動作で形成され得る。ベース層217内の一つの通気口219が図示されているが、複数の通気口が設けられ得ることを理解されたい。
【0035】
接着剤223がベース層217の第1の側面に設けられ、弁11を剥離ライナー215に固定し、剥離ライナー215から一旦取り外されたパッケージ213に固定することができる。
【0036】
ドライストラップ225は、通気口219を完全に横切ってベース層217の一部を覆うことができる。実施形態において、ドライストラップ225は、ベース層217よりも薄く、より柔軟であり得る。ドライストラップ225は、いかなる開口部も有しておらず、完全に通気口219を覆う。ドライストラップ225は、通気口219のための可動閉鎖を提供する。
【0037】
実施例では、カバー層227は、ドライストラップ225の上にあり、接着剤223と同一であり得る接着剤(図示せず)によって外側端部でベース層217に固定され得る。そのような接着剤223は、℃ライストラップをカバー層227に結合し得る。実施例において、ドライストラップ225は、ベース層217とカバー層227との間に中間層膜のようなものを提供する。
【0038】
必要に応じて、一対のスペーサ235,237又はバンパーを、接着剤223によってカバー層227に接着することができ、これは、ベース層217の第1の側面に塗布された接着剤と同一であり、又、実施例において、カバー層227をベース層217及びドライストラップ225に接着する。スペーサ235,237は、弁11が適用されるパッケージ(例えば、パッケージ213)に隣接する物体からカバー層227及びドライストラップ225を遠ざけるのに有用であり、それによって、隣接する物体との接触による弁11の動作に対する干渉を軽減する。
【0039】
圧力開放弁11の各々は、前述のように接着剤223によってライナー215に解放可能に接着される。接着剤223は、弁11を剥離ライナー215から容易に分離することができるが、パッケージ213に確実に固定することができるような、剥離性と強度とを有するべきである。図6及び図7に示される例示的な弁11は、長方形の形状を有し、例示の目的のためにプラスチック材料で作られてもよい。本発明は、図示されるような圧力開放弁11、又は他の特定の構成又は材料での使用に限定されない。例えば、湿潤流体アプリケータ210は、円形又は円、五角形及び多角形のような任意の他の形状の圧力開放弁で実施することができる。スペーサ235,237はオプションである。湿潤流体アプリケータ210と共に使用され得る弁11は、プラスチック材料の代わりに金属箔の部分を有することができる。
【0040】
パッケージ213に適用されると、圧力開放弁11は、パッケージ213からのガスの一方向の移動及び周囲の空気への移動を可能にする。ドライストラップ225の非常に微細な起伏のある動きは、気泡がパッケージ213内から、通気口219を通り、ドライストラップ225とベース層217との対向面の間を通過して弁11の外縁部に至り、周囲の空気に出ることを可能にする。
【0041】
特定のタイプの圧力開放弁11の場合、湿潤流体アプリケータユニット210による湿潤流体13の弁11への適用は、弁11のシール及び再シールを改善する。具体的には、ライナー及び通気口221,219を介して弁11に適用される湿潤流体13は、それらの表面を湿潤させる通気口219の周囲全体のドライストラップ225とベース層217との対向面の間にプレートアウトする。ドライストラップ225及びベース層217と湿潤流体13との作用は、ドライストラップ225と、通気口219の周囲全体のベース層217との間のより完全なシールを形成し、弁11を介したパッケージ213内への周囲気流を遮断する。さらに、湿潤流体13は、ドライストラップ225の微細な起伏運動の後、ドライストラップ225とベース層217との間のシールの再形成を容易にし、ドライストラップ225をベース層217から瞬間的に分離し、気泡がそれらの間を通過してパッケージ213からガスを放出することを可能にする。
【0042】
湿潤流体13を含み、形成/充填/シール包装機械211によってパッケージ213に適用され得る圧力開放弁11の一例は、Plitek(登録商標)から入手可能なPLI-VALV(登録商標)ブランドのPV-28TM圧力逃がし弁である。PV-28弁は、その優れた一方向圧力逃がし特性のため、市場リーダーである。
【0043】
弁アプリケータユニット
図4は、包装機械211のベースユニット239を示しており、その上には、複数の圧力開放弁11を搬送する剥離ライナー215のロールを含む巻き戻し機241(その断片的な部分のみを図4に示す。)がある。機械駆動ローラ243,245,247は、巻き戻し機241から湿潤流体アプリケータ210を介して弁アプリケータユニット210へ圧力開放弁11を搬送するライナー215を移動させる。弁11を搬送するライナー215が巻き戻し機241によって巻き戻されるときに、張力を制御し、衝撃を吸収するバイアス付きダンサーアーム253によって、剥離ライナー215のウェブ上の張力が維持される。圧力開放弁11は、実際には、巻き戻し機241からライナー215の全長に沿って、湿潤流体アプリケータユニット210を通って、弁アプリケータユニット251に運ばれることが、当業者には理解されるであろう。しかしながら、図示の便宜のために、圧力開放弁11のいくつかは、ライナー215の全長に沿って図4の弁アプリケータユニット251に示されていない。
【0044】
実施例では、弁アプリケータユニット251は、湿潤流体アプリケータ210によって湿潤流体13(例えば、グラファイト粒子を含むシリコーンオイル)が供給された後、圧力開放弁11を受ける。弁アプリケータユニット251は、ライナー215から弁11を順次除去し、各圧力開放弁11をパッケージ213上に配置する。このような弁アプリケータユニット251は、本出願人が所有する米国特許第7,328,543号に詳細に記載されており、該543特許の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。簡単に言えば、弁アプリケータユニット251は、湿潤流体アプリケータユニット210の下流に隣接する一対のローラ255,257を含むことができる。ローラ255,257は、湿潤流体13を各連続する弁11に塗布した後、圧力開放弁11を搬送する剥離ライナー215のウェブを導く。湿潤流体アプリケータユニット210のさらに下流には、ピーラーバーアセンブリ259がある。現在濡れている圧力開放弁11を有する剥離ライナー215は、ピーラーバーアセンブリ259を横断し、エッジ261を越えて、剥離ライナー215から各圧力開放弁11を除去する結果となる。
【0045】
弁アプリケータシャフト263は、一端に弁アプリケータ真空ヘッド265を有することができる。真空ヘッド265は、真空の作動中に、エッジ261を通過し、剥離ライナー215から剥離された圧力開放弁11を解放可能に搬送する。システムの真空発生器(図示せず)によって提供される真空は、圧力開放弁11を搬送し、解放可能に保持するために、真空ライン(図示せず)を介してヘッド265に選択的に供給される。シャフト263は、軸方向移動のために弁アプリケータユニット251によって搬送される。弁アプリケータユニット251はまた、一端にパンチ269を有するパンチシャフト267を有する。パンチ269は、弁11が適用されるパッケージ213に穴を形成することができる貫通針の形態であってもよい。パンチシャフト267は、軸方向移動のためにも支持される。弁11の適用及びパンチ269で穴を開けるプロセスは、パッケージ材料が平坦なウェブ形状又は垂直形成/充填/シール機械211内のダウンチューブ上にある間に達成され得る。弁11は、図8に示すピロータイプのパッケージ213又はキャニスタータイプの包装システムのための蓋ストックを例として、任意の適切な包装に適用され得る。
【0046】
アプリケータシャフト263及びパンチシャフト267は、図4に示すように、真空ヘッド265及びパンチシャフト267がシャフトのそれぞれの対向する端部よりも離れているように、それぞれの軸が互いに斜めになるように、弁アプリケータユニット251によって搬送される。ヨーク271は、アプリケータシャフト263のアプリケータ端部及びパンチシャフト267のパンチ端部に近接して、アプリケータシャフト263及びパンチシャフト267を一定距離離してて固定する。アプリケータシャフト263及びパンチシャフト267の固定サブアセンブリは、回転運動のために、図4の矢印268に示すように、時計回り及び反時計回りの両方の回転の制限された角度を通って、弁アプリケータユニット251上に搬送され、移動の設定された中心アークを定義する。したがって、アプリケータシャフト263及びパンチシャフト267は、図4に関して反時計回りの矢印268によって示される定義されたアークを通って選択的に回転又は一緒にピボットされ、パンチ269は、パッケージ(例えば、パッケージ213)と整列された第1の位置でレジスタから別の位置にピボットされる。
【0047】
同時に、図4に示されるように、アプリケータ真空ヘッド265は、その開始位置(湿潤された圧力開放弁11をピックアップしている)からピボットされ、パンチ269の空になった第1の位置でレジスタに入り、パンチ269によって作られたばかりの開口で作動レジスタ内のパッケージ213に湿潤された圧力開放弁11を適用する。逆回転又は時計回り回転は、その後、パンチ269を他の位置からその第1の位置でレジスタに戻し、アプリケータ真空ヘッド265は、同時にパンチ269の第1の位置でレジスタからピボットされ、次の連続した湿潤された圧力開放弁11をピックアップするために真空ヘッド265の開始位置に戻る。
【0048】
空気圧シリンダ273は、パンチシャフト267の対向端部との直接的又は間接的な選択的係合のための単一のドライバを提供し、パンチシャフト267を図4に示すパンチ延長位置まで駆動して、パンチ269がパッケージ213を貫通して開口部を形成できるようにする。空気圧シリンダ273はまた、アプリケータシャフト263を駆動して、アプリケータシャフト263をアプリケータ真空ヘッド265を延長する位置まで駆動し、作動レジスタ内のパッケージ213に湿潤された圧力開放弁11を取り付けて、ベース層217内の通気口219がパンチ269によってパッケージ213内にパンチされた開口部の上にあるようにして、ガスがパッケージ213から、パンチ269によって形成されたパッケージ開口部を介し、弁11を通って大気に流出できるようにすることができる。パンチシャフト267及びアプリケータシャフト263の各々は、それぞれ戻りばね275及び277を備えることができる。空気圧シリンダ273がパンチシャフト267に係合し、それをその延長位置まで軸方向に移動させると、図4に示すように、ばね277は圧縮される。空気圧シリンダ273が後退され、パンチシャフト弐百六拾七がその最初の位置でレジスタからピボットされると、ばね277はパンチシャフト267を後退位置に戻す。図4に非圧縮で示されているアプリケータシャフト263とそのばね275は、アプリケータシャフトがパンチシャフト267の最初の位置でレジスタにピボットされると、空気圧シリンダ273に関して同様に動作する。
【0049】
弁アプリケータユニット251をセットアップする際に、パンチ269は包装要件に従って調整される必要がある。
【0050】
形成/充填/シール包装システム211の例では、センサー(図示せず)は、例えば充填されたコーヒーのパッケージ213の存在を検出し、パッケージ213への弁11の適用のサイクルを開始する信号を発するように提供され得る。パンチ269は、パッケージ213に必要な開口を作るために動作を開始し、アプリケータ真空ヘッド265は、剥離されライナー215から取り外されたばかりの湿潤された圧力開放弁11を拾い上げる。アプリケータシャフト263とパンチシャフト267は、その後、ユニットとしてピボットされ、パンチ269をパッケージ213と空気圧シリンダ273と一緒にレジスタから移動させ、アプリケータ真空ヘッド265をパンチ269が取り外されたのと全く同じ位置にピボットさせて、圧力開放弁11がライナー215に解放可能に接着されたのと同じ接着剤223を利用して、圧力開放弁11をパッケージ213に適用する。その時、空気圧シリンダ273は、アプリケータシャフト263と係合し、真空がヘッド265から取り外されて、湿潤された圧力開放弁11を、パンチ269によって形成されたばかりのパッケージ213の開口部と共に作動レジスタ内のパッケージ213に接着する。その後、アプリケータシャフト263とパンチシャフト267は、ユニットとして元の位置に戻され、サイクルが繰り返される。図4に示すように、湿潤された圧力開放弁11がピーラーバーアセンブリ259上の剥離ライナー215から取り外された後、空の剥離ライナー215がベースユニット239上の巻き取り機279上に取り込まれる。
【0051】
湿潤流体アプリケータユニット
図4~10を参照すると、パッケージ213に弁を適用する前に、一方向圧力開放弁11に制御された量の湿潤流体13を供給するための本発明による湿潤流体アプリケータユニット210の実施形態が示されている。湿潤流体アプリケータユニット210は、図9~10に概略的に示されている。湿潤流体アプリケータユニット210は、湿潤流体13を包装システム211に供給する目的のために必要に応じて構成されることが理解される。
【0052】
図4を参照すると、包装システム211の動作は、プログラマブル論理コントローラ(PLC)281によって制御され得る。PLC281は、図4に概略的に示されている。PLC281は、湿潤流体アプリケータシステム210及び弁アプリケータユニット251を含む包装機械211の全ての構成要素を作動させることができる。
【0053】
図9~10を参照すると、本発明が使用されるラインなどの包装プラントラインは、圧縮空気283の供給源283(図9~10)を都合よく有する。湿潤流体アプリケータユニット210は、プラントの空気供給源283から約70psi~約90psiの範囲の乾燥した清浄な圧縮空気を供給することができる。図9~10に示すように、PLC281によって制御される一対のソレノイド285,287は、空気入口ポート290(P)でプラント空気供給源283に接続された空気供給弁289を制御して、空気供給源283からの空気流を、本明細書で説明するように、圧力出口ポート292(A)から第1の回路291への経路と、出口ポート294(B)から第2の回路293への経路とを介して湿潤流体アプリケータユニット210の第1の及び第2の回路291,293のいずれかに導くことができる。ソレノイド285,287はまた、本明細書で説明するように、空気供給弁289を制御して、空気供給弁289に関連する第1の回路291のための通気口295(EA)及び第2の回路293のための通気口296(EB)を介して、空気を大気に逃がすことができる。図9~10は、5つのポートと2つの可能な状態、すなわち第1の回路291が加圧され、第2の回路293が排気された一方の状態(図9)と、第1の回路291が排気され、第2の回路293が加圧される他方の状態(図10)と、を有する5/2空気圧空気供給弁289を示す。
【0054】
実施例では、第1の及び第2の回路291,293の各々は、一対の逆止弁297,299又は301,303を含むことができる。逆止弁297,299,301,303は、本明細書に記載されているように、第1の及び第2の回路291,293内の湿潤流体13の圧力の変化に応答して湿潤流体13の流れを可能にするかまたは阻止する際に、流体圧力の上昇によってそれぞれ開放され、又は流体圧力の低下によって閉鎖され得る。「逆止弁」とは、湿潤流体13が一方向に流れることを許容するが、湿潤流体13の逆流を防止する弁を意味するか又は参照する。各逆止弁297,299,301,303は、入口305、出口307、シート309、ボール311、及び逆止弁297,299,301,303を閉じるようにボール311をシート309に押し付けるばね313を含むことができる(便宜上及び簡略化のために、参照番号305~313を異なる逆止弁297,299,301,303のそれぞれに使用する。)。
【0055】
流体圧力が増加した条件下では、湿潤流体13は、ばね313を乗り越えてボール311をシート309から遠ざけるのに十分な力で入口305の逆止弁297,299,301,303に入り、その結果、湿潤流体13は逆止弁297,299,301,303を通って流れ、出口307を通って出ることができる。特定の例では、湿潤流体は、約70psiから約90psiの間で駆動することができる。湿潤流体13の圧力が低下すると、ばね313によってボール311に加えられた力は、すべての流体13の流れに逆止弁297,299,301,303を閉じるシート309に対してボール311を押し当てる。各ボール311は、弁297,299,301,303を通る流体の流れを開閉するゲートのタイプを提供する。示されるボールタイプの逆止弁297,299,301,303は、単に例示的なものであり、他のタイプの弁は、本明細書に記載される流体送達の目的を達成するために実施され得ることを理解されたい。
【0056】
湿潤流体アプリケータユニット210の他の構成要素は、蓋316を有する非加圧湿潤流体リザーバ315、第1の回路291のための給排気ライン317及び第2の回路293のための給排気ライン319を含むことができる。各給気ライン317,319は、一端における供給弁289と、他端におけるピストン325,327を有するシリンダ321,323とに、エアフロー接続されている。各給気/排気ライン317,319を通る高圧空気流は、各シリンダ321,323内のピストン325,327(すなわち、実施例ではピストン325,327は空気駆動である。)を前進させ、通気口295又は296を介して空気を排出することにより、各ばね329,331が各ピストン325,327を後退させる。ピストン325又は327の交互前進は、流体圧力(すなわち、正の流体圧)を増加させ、第1の又は第2の回路291,293の一つからスプレーヘッド345に湿潤流体13を送達する一方で、ピストン325,327の交互後退を動力とするばね329,331は、本明細書に記載されるように、シリンダ321,323内の湿潤流体13を補充するために使用される真空(すなわち、負圧)を作り出す。ピストン325,327を前進させるための空気圧の使用は、湿潤流体アプリケータユニット210内の湿潤流体13を移動させるための故障しやすいギア駆動ポンプ(例えば、ポンプ23)の使用を回避する機会をオペレータに提供する。
【0057】
特定の例では、湿潤流体は、各ピストン325,327の動作によって約70psiから約90psiの間で駆動され得る。流体圧力の変化は、本明細書に記載されるように、さらに逆止弁297,299,301及び303を作動させる。
【0058】
湿潤流体アプリケータユニット210は、湿潤流体13を第1の回路291に、或いは第2の回路293に供給する流体ライン333をさらに含むことができる。流体ライン333は、逆止弁297を含む流体供給ライン335、及び逆止弁299を含む流体供給ライン337を介して、第1の回路291と流体流関係にあることができる。
【0059】
流体ライン333は、逆止弁301を含む流体供給ライン339、及び逆止弁303を含む流体供給ライン341を介して、第2の回路293と流体流関係にあることができる。流体供給ライン337又は341からの湿潤流体13は、PLC281によって制御されるスプレーヘッド345(図5)と流体流関係にあるマニホールド343に供給されることができる。スプレーヘッド345は、ロードアイランド州イーストプロビデンスのNordson EFDから入手可能なソレノイド制御EFD781Sシリーズモデル781S-SS-14スプレー又は噴霧弁であることができる。EFDヘッドが図示されているが、他のタイプの流体送達技術が実施され得ることを理解されたい。例は、スプレー、スポイト及びピエゾ電気送達ヘッドである。これらは全て、圧力開放弁11上に湿潤流体13を堆積することができるエミッタ、弁又はポンプのタイプの例である。圧力ゲージ347は、マニホールド343内の湿潤流体圧力を示すために設けられてもよい。
【0060】
リザーバ315は、本明細書に記載されるように、回路291,293の各々に供給するために使用される湿潤流体13を保持する。有利には、リザーバ315は、加圧されておらず、常圧であってもよい。実施例では、リザーバ315は、側壁349、底壁351、及び取り外し可能な蓋316を含む円筒形であってもよい。湿潤流体13は、蓋316を取り外すだけでリザーバ315に注ぐことができ、リザーバ315から高圧空気を排出する必要はない。リザーバ315内の湿潤流体13のレベルは、蓋316を取り外してリザーバ315の内部を目視するだけで、人間のオペレータによって決定することができる。充填ライン(図示せず)は、目視基準として提供することができる。リザーバ315は加圧されていないので、湿潤流体13の追加又はリザーバ315内の湿潤流体13の検査は、湿潤流体アプリケータシステム210を停止することなく、また、Nordsonシステム110で要求されるような形成/充填/シール包装機械211を停止することなく達成することができる。リザーバ315は、湿潤流体13が予め選択されたレベル以下に枯渇した場合に、弁アプリケータユニット251及び包装機械211の動作を停止するための情報をPLC281に伝達するためのフロートスイッチ(図示せず)又は他の湿潤流体13のレベルセンサーを含む。
【0061】
流体ライン333は、リザーバ315から重力供給される湿潤流体13を受け取るために、一端でリザーバ315に接続され、さらに一端で流体供給ライン335,339の両方に接続され得る。各流体供給ライン335,339に対して、それぞれの逆止弁297,301は、本明細書に記載された目的のために、それぞれのシリンダ321又は323に向かって一方向へ流体を交互に流すことを可能とする。
【0062】
実施例では、流体供給ライン337,341は、それぞれの流体供給ライン335,339と流体流関係にある。逆止弁299,303は、スプレーヘッド345に向かう一方向の流体流を可能にする。流体供給ライン337は、一端において流体流関係で、第1の回路291のために、シリンダ321のポート355と、間に逆止弁299を有するスプレーヘッド345と(マニホールド343を介して)接続される。流体供給ライン341は、一端において流体流関係で、第2の回路293のために、シリンダ323のポート357と、間に逆止弁303を有するスプレーヘッド345と(マニホールド343を介して)接続される。流体ライン317,319,335,337,339,341は、ステンレス鋼のような任意の適切な材料であってもよい。
【0063】
動作
図4、9、及び10を参照すると、湿潤流体アプリケータユニット210は、次のように機能して、一方の回路291又は回路293でスプレーヘッド345に充填し、他方の回路(例えば、回路291又は回路293)に湿潤流体13を同時に補充する。以下の説明は、装置の例と、このような装置を用いて圧力開放弁に湿潤流体を塗布する方法の両方を含むことが理解されよう。
【0064】
最初に、人間のオペレータが蓋316を取り外し、所望の体積量の湿潤流体13をリザーバ315に注ぐ。約100cPから約400cPの範囲の粘度を有する湿潤流体13を含む任意の適切な湿潤流体13を使用することができる。湿潤流体13の例は、食品グレードのシリコーンオイル、黒鉛含浸オイル、食品グレードのオイル、又は食品グレードのシリコーングリースを含むことができる。湿潤流体13は、重力によってリザーバ315から流体ライン333に流れ、それぞれの第1の又は第2の回路291,293の流体供給ライン335,339の各々に流れる。
【0065】
湿潤流体13が与えられたリザーバ315により、形成/充填/シール包装機械211、湿潤流体アプリケータユニット210、及び弁アプリケータユニット251の動作を開始することができる。図9によれば、充填及び補充プロセスは、まずPLC281は、ソレノイド285又は287を制御して空気供給弁289を開放し、第1の回路291又は第2の回路293のシリンダ321又は323のいずれを湿潤流体13で満たしてスプレーヘッド345に供給するかに依存して、空気源283から充填ポート292(A)を介した空気供給/排出ライン317、又はチャージポート294(B)を介した空気供給/排出ライン319の一方に、約70psiから約90psiの加圧空気を供給する。シリンダ321,323の充填状態は、ピストン325,327の位置を検出し、その情報をPLC281に中継する位置センサー(図示せず)によって決定することができる。空気供給/排出ライン317又は319の一方に加圧空気を供給するための空気供給弁289を開放することで、他の供給/排出ライン317又は319への加圧空気の供給を閉じ、第1の回路291のための通気口295(EA)又は第2の回路293のための通気口296(EBにその閉じたラインを開き、その中の圧力を周囲の空気圧と等化とする。
【0066】
最初に図9を参照すると、PLC281は、第1の回路291を介してスプレーヘッド345に重点するために湿潤流体アプリケータユニット210を制御することが示されている。この構成では、PLC281は、ソレノイド285を制御して空気供給弁289を作動させ、充填ポート292を介して、空気源283からの加圧空気を第1の回路291の空気供給/排出ライン317に導く。第1の回路291の空気供給/排出ライン317を介して供給された加圧空気は、ばね329に対して前進矢印359の方向にピストン325を前進させるのに十分な力を加える。ピストン325の前進は、逆止弁297がばね313によって促されたボール311がシート309に着座することによって閉じられるため、流体供給ライン337を介して湿潤流体13をスプレーヘッド345に向けて移動させる。同時に、ピストン325の前進による流体供給ライン337内の流体圧力の上昇は、ボール311がシート309からスプリング313に向けて変位することによって逆止弁299を開き、そこを通って流体がマニホールド343及びスプレーヘッド345に流れるようにする。流体圧力は、ゲージ347に示すことができる。
【0067】
さらに図9を参照すると、PLC281は、ソレノイド287を制御して空気供給弁289を開き、第2の回路293のための空気供給および排気ライン319が通気口296に対して開いて、空気供給/排出ライン319内の空気圧力が周囲の空気圧力と等しくなるようにする。空気供給/排出ライン319内の空気圧力が等化されると、ピストン327に対する空気圧力によって供給される力が除去され、それによってスプリング331が図9に示される後退位置まで後退矢印361の方向にピストン327を後退させる。ピストン327の後退により真空(すなわち、負圧)が形成され、この真空により、リザーバ315から逆止弁301を通って流体供給ライン337に、そして流体送達ライン341に湿潤流体13が引き込まれ、誘導されて、シリンダ323が湿潤流体13で満たされる。流体圧が、ボール311をばね313に対してシート309から移動させることにより逆止弁301を開くので、リザーバ315からの湿潤流体13がシリンダ323に流れることが可能である。同時に、ピストン327の後退によって生成された真空は、逆止弁303に作用する圧力を減少させ、スプリング313がボール311をシート309に対して付勢し、その中を通る湿潤流体の流れをブロックする弁303を閉じる。
【0068】
図9に示すプロセスは、第1の回路291のピストン325が矢印359の方向に完全又はほぼ完全に前進し、第2の回路293のピストン327が矢印361の方向に完全又はほぼ完全に後退するまで続く。一方又は両方のピストン325,327の位置は、その位置情報をPLC281に伝達する一つ以上の位置センサー(図示せず)によって検出され得る。ピストン325の完全な前進及びピストン327の完全な後退は、第1の回路291が湿潤流体13を使い果たし、第2の回路293が湿潤流体13で補充されたことをPLC281に伝える。
【0069】
ここで図10を参照すると、充填及び補充プロセスは、図9と比較して逆である。PLC281は、前述したように、第1の回路291のピストン325の前進位置及び第2の回路293のピストン327の後退位置を検出する。PLC281は、ソレノイド287を制御して空気供給弁289を開放し、空気供給源283から第2の回路293の空気供給/排出ライン319に約70psiから約90psiの加圧空気を供給し、ソレノイド285を制御して第1の回路291の空気供給/排出ライン317を開放して通気口295に至らせる。第2の回路293の空気供給/排出ライン319を介して供給された加圧空気は、ピストン327を前進矢印359の方向にばね331に対して前進させるのに十分な力を加える。ピストン327の前進は、逆止弁301が閉じられ、逆止弁303が流体供給ライン341内の流体圧力の上昇に応答して開いているので、流体供給ライン341を介してスプレーヘッド345に向かって湿潤流体13を移動させる。湿潤流体13は、スプレーヘッド345を充填する。
【0070】
第2の回路293からの湿潤流体13がマニホールド343に供給されてスプレーヘッド345を充填する間、PLC281は、同時に第1の回路291の湿潤流体13の補充を以下のように制御する。PLC281はソレノイド285を制御して空気供給弁289を開放し、第1の回路291の空気供給/排出ライン317が通気口295に対して開放されるようにして、空気供給/排出ライン317内の空気圧を周囲の空気圧と等しくし、ピストン325に対する力を除去して、図10に示す位置まで後退矢印361の方向に、ばね329にピストン325を後退させる。ピストン325の後退により、第1の回路291のシリンダ321内に真空(すなわち、負圧)が形成され、シリンダ321内に湿潤流体13を吸引及び誘導して、シリンダ321を湿潤流体13で満たす。逆止弁297が開いている一方で、ピストン325の後退に伴う流体供給ライン337内の流体圧力の低下により逆止弁299が閉じているため、湿潤流体13がリザーバ315から第1の回路291のシリンダ321に流れることが可能となる。
【0071】
図9及び10に関連して説明した第1の及び第2の回路291,293間で交互に行われる充填及び補充プロセスは、包装機械211が意図的に停止されるまで、又はリザーバ315内の湿潤流体13が枯渇してPLC281に信号を送って包装機械211の動作を停止させるまで繰り返される。
【0072】
実施例では、第1の又は第2の回路291,293のいずれかから供給される湿潤流体13は、スプレーヘッド345のノズル363を介して調節可能な体積量の湿潤流体13を分配するためにスプレーヘッド345を充填する。EFDタイプのスプレーヘッド345は、コントローラ281からの信号に応答して開閉し、弁11に一定量の湿潤流体13を噴霧するバルブ(図示せず)を含むことができる。特定の用途では、湿潤流体アプリケータ210は、スプレーヘッド345を介して、規定された湿潤流体13用量を毎分400ショットまで実行することができる。実施例では、湿潤流体アプリケータ210は、剥離ライナー215のウェブが巻き戻し機241から巻き戻された後であって、弁11の各々がピーラーバーアセンブリ259に到着する前に、ライナー215の開口221及び弁通気口219を介して、剥離ライナー215上の圧力開放弁11に湿潤流体13を適用する。ローラ255,257の断続的な動作は、弁11内に湿潤流体13を適用するために、ノズル363に位置合わせされた剥離ライナー215内の圧力開放弁11の通気口219及び開口221と、圧力開放弁各々とを交互に配置する。一例としてのみ、PLC281は、ノズル363を介して各圧力開放弁11に分配される湿潤流体13の量を、約0.1μg~約5μgの範囲で制御する。湿潤流体の量は、包装機械の必要性に基づいて増減することができる。
【0073】
一対の光学的な光電式アイセンサー365,367を、ノズル363の前後の剥離ライナー215のウェブに沿って等距離に配置することもできる。上流側のセンサー367は、圧力開放弁11の前縁を検出することができ、下流側センサー365は、圧力開放弁11の後縁を検出して、弁11内に湿潤流体13を適用するために、圧力開放弁11の通気口219及びノズル363と整列した剥離ライナー215内の開口221とを位置決めすることができる。このような上流側センサー367及び下流側センサー365は、適切なソフトウェアを介してPLC281及びローラ255,257にフィードバックを提供して、各弁11に湿潤流体13を適用するためにノズル363と交差する圧力開放弁11の適切な配置を支援する。
【0074】
ここに記載されたタイプの湿潤流体アプリケータ210は、先行する湿潤流体アプリケータユニットよりも重要な利点を提供することは、読者に明らかであろう。ここに記載されたタイプの湿潤流体アプリケータ210は、包装機械211の連続動作中に、包装機械211の動作を最初に停止することなく、湿潤流体の補充及び補填をすることができる。その結果、本発明の湿潤流体アプリケータ210は、包装機械211によって実行される包装プロセスの高価で時間のかかる中断を回避する。
【0075】
これは、包装機械211を停止して湿潤流体13のレベルを検査するか、又は加圧リザーバ111内に湿潤流体を補充することを必要とするNordson型システム110とは対照的である。蓋113を取り外す前にNordsonリザーバを減圧しなければならず、このプロセスが包装機械211への湿潤流体の流れを中断するため、包装機械211の停止が必要である。そして、Nordson型システム110は、不透明な蓋113及び側壁119を与えられたリザーバ111内の湿潤流体13のレベルをオペレータが見ることを許可しないため、単にリザーバ111内の湿潤流体の体積量を検査するために包装機械211を停止することを必要として、包装機械211の停止はより頻繁に起こり得る。
【0076】
本明細書に記載されたタイプの湿潤流体アプリケータ210は、コーヒーパッケージに適用するための一方向圧力開放弁と共に優先的に使用される、より高粘度の湿潤流体を置換するのに堅牢で効果的である。湿潤流体アプリケータ210は、規定された湿潤流体13用量を毎分400ショットまで実行することができる。当然の結果として、本明細書に記載されたタイプの湿潤流体アプリケータ210は、多くのバルブ適用サイクルにわたって確実に機能し、それによって、高粘度湿潤流体を移動させるために電気機械ギア駆動ポンプシステムが使用されるときに発生することが実証されている高価な機械的故障を回避する。この信頼性は、少なくとも部分的には、ピストン325,327を前進させるためのエアパワーの使用が、ギア駆動ポンプ(例えば、ポンプ23)よりも流体圧力を生成するためのより効果的で信頼できる手段であるという認識に起因する。
【0077】
本明細書に記載されるタイプの湿潤流体アプリケータ210は、現場の任意の流体移送システムに後付けすることができる。本明細書に記載されるタイプの湿潤流体アプリケータ210に必要な多くのタイプの修理は、ホース、ガスケット、及びシールのようなコンポーネントの簡単な交換によって達成することができる。
【0078】
湿潤流体アプリケータ210は、図4~10に示されているようなシステム、又はベースユニット、巻き戻し装置、巻き取り装置、ローラ、電子部品、空気圧部品、及び弁アプリケータユニットの基本的な構成要素のバージョン又は変更を含む他のシステムにおいて、示されて説明されているもの以外で使用することができる。本発明は、他の食品および非食用製品の包装に容易に使用することができるが、単に一例として、コーヒー包装の文脈で議論されてきた。
【0079】
上記の説明は説明のために提供されており、本発明を制限するものと解釈されるものではない。本発明は、好ましい実施形態又は好ましい方法を参照して説明されているが、ここで使用されている用語は、制限用語ではなく、説明及び例示の用語であることを理解されたい。セクション見出しは制限されず、読者の便宜のためにのみ提供される。さらに、本発明は、特定の構造、方法及び実施形態に関して本明細書に記載されているが、本発明は、添付の特許請求の範囲内のすべての構造、方法及び使用に及ぶため、本明細書に開示された詳細に限定されることを意図していない。開示された湿潤流体アプリケータ及び圧力開放弁への湿潤流体の適用方法は、前述した問題の一部又は全部に対処することができる。特定の実施形態は、上述した問題のすべてに対処する必要はない。開示された湿潤流体アプリケータ及び湿潤流体を圧力開放弁に適用する方法は、これらの問題のすべてに対する解決策を含む実施形態に限定されるべきではない。さらに、構造及び方法からの流れのいくつかの利点が記載されている。本発明は、これらの利点のいずれか又はすべてを包含する構造および方法に限定されるものではない。関連技術の当業者は、本明細書の教示の恩恵を受けて、本明細書に記載されるように本発明に多数の修正を加えることができ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲及び精神から逸脱することなく変更を加えることができる。さらに、記載された1つの実施形態のいかなる特徴も、本明細書に記載される他の実施形態に適用することができる。
【0080】
本出願は、2022年6月30日に出願された米国仮出願第63/357,599号の利益を主張しており、その開示は参照によりその全体に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】