(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074734
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】全方位空中光学サイト
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240524BHJP
G03B 35/00 20210101ALI20240524BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G03B35/00 Z
H04N5/64 501D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022196658
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】522191473
【氏名又は名称】尾形 洋一
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋一
【テーマコード(参考)】
2H059
2H199
【Fターム(参考)】
2H059AB11
2H199BA05
2H199BA25
2H199BA32
2H199BA43
2H199BA51
2H199BB17
2H199BB18
2H199BB20
2H199BB41
2H199BB51
2H199CA09
2H199CA21
2H199CA47
2H199CA70
2H199CA92
2H199CA97
2H199DA16
(57)【要約】
【課題】全方位視点で観察可能な光学サイト供給デバイスを提供する。
【解決手段】所定の位置に対して空中イメージ生成機構(12-17)を配置し、前記イメージ生成機構の中央上部にはディスプレイ用ビームスプリッターBS2(18)を配置し、さらに、前記ビームスプリッターBS2の上部にはモーターMo(19)が備え付けられた構成とすることで、結果、ユーザーはディスプレイを通して視線上に実像A、虚像R、あるいは実像Aと虚像Rの両方を、どの方向からでも観察できるという全方位光学サイトデバイス(100)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の位置に対して空中イメージ生成機構を配置し、前記イメージ生成機構の中央上部にはディスプレイ用ビームスプリッターBS2を配置し、さらに、前記ビームスプリッターBS2の上部にはモーターMoが備え付けられた構成を有することで、結果、ユーザーはディスプレイを通して視線上に実像A、虚像R、あるいは実像Aと虚像Rの両方を、どの方向からでも観察できる全方位光学サイトデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスは、ディスプレイを重心軸周りに回転させる仕組みを採用してはいるものの、その機構の実現にはモーターMoのような電磁場方式の適用に限らず、水力、風力、太陽光、最たるは磁気浮上の方式をも適用可能な全方位光学サイトデバイス。
【請求項3】
請求項1および2に記載のデバイスは、応用先として玩具のオプションパーツや人体装着デバイスに限らず、マルチユーザー対応の立体テレビ、タグ付き望遠鏡、広領域光学センサーといった高い汎用性を兼ね備えている全方位光学サイトデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全方位からの光学サイト観測を目的とし、回転式ディスプレイの前後面にて空中光学イメージを表示するデバイスの試作、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイの前方または後方に空中イメージを表示可能な光学サイト(空中イメージ)デバイスが開発されてきた(例えば、文献1参照)。ユーザーは、使用時に、デバイス内のディスプレイ部をのぞき込み、その際、視線上で空中に浮かぶ光学サイトと視線先にあるターゲットオブジェクトをオーバーラップさせることで、比較的高精度の照準を作ってきた。
【0003】
近年では、上述の光学サイトにおいて、ディスプレイ前方および後方の両面で空中イメージ表示を可能にするところまで技術が向上してきている(例えば、文献2参照)。しかしながら、ディスプレイ部をのぞき込む際の直視方向は一か所に限定されていたため、視点位置の変化に対応できないという欠点があった。つまりは、デバイス装着位置においてディスプレイ面と視線方向とが一致しなければならないという限定性の問題が未だ払拭されていなかったということになる。
【0004】
このような問題を解決すべく、最近では、デバイス上どの位置からでも同じ光学イメージが見える光学設計が望まれ、その要求に即した視点位置決めフリーのデバイス作製が急務となっている。そこで、光学サイトを創出するディスプレイに対し、その重心を軸として360度高速回転させることにより、ユーザーが全方位視点でイメージを見ることが可能なサイトデバイスの開発を提案する。こうしさえすれば、人体でいう二の腕や脛などの可動部位への直接のデバイス装着が可能となり、全方位光学サイトとしての活躍が期待される。さらには、光学サイトのみならず、多視点で観れる空中立体テレビ、星座名称などのタグ付き望遠鏡、低試作コストの広範囲光学センサーといった他の幅広い応用を導くことが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2004/511935号広報
【特許文献2】特開2021/157117号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明では、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、全方位視点で観察可能な光学サイトを供給するデバイスの試作、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明品は、
図1に示すようにユーザーの視線11.上に空中イメージを創る既存の光学デバイス12.-18.をベースとする。
ここで、デバイス内のディスプレイ18.に高速モーター(Mo)19.を連結した構成とすることで、ディスプレイ18.は重心を軸として高速回転するという特徴をもつ。
【0008】
このような本発明のディスプレイ高速回転機構では、光学サイトイメージ(A、R)をディスプレイ18.回転方向に一致した全方位視線11.上に供給することを可能にする。
【0009】
このような本発明の高速回転ディスプレイは、サイトイメージ(A、R)の積層、複合、または融合を可能にし、結果としてイメージクオリティの向上や変化を導く可能性がある。
【0010】
本発明の一態様では、公知のエアーガンやウォーターガンといった玩具に装着する以外に、デバイスを人体の二の腕(橈側手根屈筋)20.、その他、脛(前脛骨筋)、手の甲、足の甲などの何れかに装着することも可能である。その場合、間接における可動に関係なく光学サイトを表示できる機能を便宜備える。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記人体への装着に限らず、室内、室外、建物内への設置も許可する。その際は、空中サイトとしてではなく、マルチユーザーによる鑑賞が可能な空中立体イメージテレビや、星座などの名称タグ付き望遠レンズ、初期試作コストを抑えた広範囲光学センサーへの幅広い応用も見据える。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、空中イメージデバイスに回転駆動装置を連結することにより全方位視点で観察可能な光学サイトの供給を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る全方位実像光学サイト100の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図2】第1実施形態に係る全方位虚像光学サイト100の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図3】第1実施形態に係る全方位実虚融合像光学サイト100の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図4】第1実施形態に係る全方位実虚融合像光学サイト100の次世代光学配置を示すYZ平面図である。
【
図5】本発明の全方位光学サイトデバイス100の装着位置決めフリーのパターン図である。
【
図6】本発明のデバイス100に対するマルチユーザー対応空中イメージテレビ、タグ付き望遠鏡、リング型光学センサー応用のそれぞれのメカニズム図である。
【
図7】第2実施形態に係る全方位実像立体光学サイト200の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図8】第2実施形態に係る全方位虚像立体光学サイト200の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図9】第2実施形態に係る全方位実虚融合像立体光学サイト200の光学配置を示すYZ、XY、XZ平面図である。
【
図10】第2実施形態に係る全方位実虚融合像光学サイト200の超次世代光学配置を示すYZ平面図である。
【
図11】本発明の全方位光学連続サイトデバイス200の装着位置決めフリーのパターン図である。
【
図12】本発明のデバイス200に対するマルチユーザー対応空中立体イメージテレビ、オーバーラップタグ付き望遠鏡、ターンテーブル型光学センサー応用のメカニズム図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。
図1から
図3は、本実施形態に係る光学構成のブロック図である。なお、本実施形態の材料には、公知の光学素子と電子、磁気材料を用いている。
図1には実像A方式、
図2には虚像R方式、そして
図3には実虚融合A+R方式、さらに、
図4には実虚融合A+Rの次世代構成方式をそれぞれ用いた全方位光学サイト100.形成機構を示す。
図1~
図4のような配置を構成しさえすれば、デバイスを通してユーザーの視線上に作製される空中イメージA、RまたはA+Rは全て透過性があることを利用し視線先のターゲットオブジェクトとのオーバーラップにより精密な射的を可能にする。
【0015】
全方位光学サイト100.は、
図1から
図3に示すように、レーザーやLEDのような光源部12.13.、光を分断するための入射側ビームスプリッターBS光学素子部14.-17.、イメージ作製のための出射側ビームスプリッターBS光学素子部18.、モーターなどの磁器素子部19.からなる複合光学デバイスである。
【0016】
全方位光学サイト100.の使用には、
図1から
図3に示す光源12.から光を照射し、備え付けたモーター18.を駆動するだけで良い。そうするだけで、光は
図1から
図3のようにディスプレイ18.の重心の回転軸から視線方向にかけて一定の距離をとった位置のどこにでもイメージが配置される仕組みとなる。
あとはディスプレイ18.の回転数を向上させることで、
図1から
図3に示すように見かけ上どの方向から見ても同じイメージとなる構成が築ける。
【0017】
全方位光学サイト100.の原理は、
図1から
図3を参考に以下で説明する。
まず光源12.から光が射出された後、ハーフミラー(HM)13.で直角に反射し、次のビームスプリッター(BS)14.にて一方は透過、もう一方は反射する。透過側の光は、シャッター(SH)15.を通過し再帰反射板(RR)16.による再起反射を形成し、目線と同じ高さにあるビームスプリッター(BS)18.までつぼまった光が到達する。その後、光は上記BS18.にて反射し、眼球11.とBS18.の間に実像Aを構成する。ここで、ビームスプリッター(BS)キューブ18.にモーター(Mo)19.を接続して高速回転させることによりユーザーがどの方向から見ても同じ実像Aイメージを観察できるようになる(
図1参照)。同様に、反射側の光は、シャッター(SH)15.を通過し反射板(M)17.による反射を形成し、目線と同じ高さにあるビームスプリッター(BS)18.まで広がった光が到達する。その後、光はBS18.にて反射し眼球11.とBS18.の先に虚像Rを構成する。ここで、ビームスプリッター(BS)キューブ18.にモーター(Mo)19.などを接続して高速回転させることによりユーザーがどの方向から見ても同じRイメージを観察できるようになる(
図2参照)。上記、透過光と反射光を同時に用いるならば、ユーザーは実像Aと虚像Rの組み合わせた実虚A+Rイメージを見ることが可能である(
図3参照)。
【0018】
以下では、デバイス各部における詳細を列記した。まず、前述した光源部12.からのレーザーまたは光は、高品質の空中イメージを構成するためにも適宜、光源射出口とハーフミラー(HM)13.の間にレンズやアパーチャーを実装し、直径2ミリ以上、画角10度以上で放射させるのが望ましい。また、レーザーや光によるイメージを水平方向に圧縮できる機構が光源付近に別途設けるとなお望ましい。また、動力源となるバッテリーは、公知のアルカリ・マンガン、LiPo、定電圧電源でも良く種類は問わない。しかしながら、その駆動ユニットでは一般的な手動の切り替えスイッチや圧電スイッチの他、無線における遠隔操作を想定して、Aruduino等のプログラムボードとBluetorth等の通信機の組み合わせを利用するのが望ましい。
【0019】
前述した光分離に使用する側の光学素子BS部14.近傍では、シャッター(SH)15.付き再起反射板(RR)16.またはシャッター(SH)15.付きミラー(M)17.の組み合わせを想定する。シャッター(SH)15.の存在は、ユーザーによるサイトの見え方の調整を可能にする。つまりは、実像Aサイトを選択する(
図1)か、虚像Rサイトを選択する(
図2)か、または実虚融合A+Rサイトを選択する(
図3)かはユーザーの自由であり、その操作に対してシャッター(SH)15.は必要不可欠となる。実際には、実像Aサイトと虚像Rサイトは光学的に全くの別物であり、ユーザーがAサイトを選択する場合、一般論としてはイメージのクオリティはあまり良いとは言えずサイトとしての精確性を欠くが、光学サイト位置を指または物を用いて触れることができるという利点をもつ。反面、ユーザーが虚像Rサイトを選択する場合、一般論としてはイメージのクオリティが実像のときより高くなりサイトとしての精確性は有るが、光学サイト位置には光子が存在せず指や物で触れることは不可能である。これらの利点と欠点のトレードオフ関係は、本デバイスにおけるサブ的要素を含むと言わざるを得ない。ユーザーは目的に応じ便宜必要イメージを選択することが望まれる。しかしながら、これら実像Aと虚像Rを複合した状況で使用することもまた可能ではある。
【0020】
前述したディスプレイ相当の光学素子BS部18.では、モーター(Mo)19.が備え付けられており、高速回転とともにBSキューブディスプレイ18.もまた重心軸を中心に回転する仕組みとなっている。ここで、モーターはDC式であってもステップ式であっても良いが、少なくとも回転速度100rpm以上の高速であれば駆動種は限定しない。また、回転方向は時計回りであろうと反時計回りであろうともどちらでも構わない。また、駆動に必要なバッテリーは上述したようにアルカリ、マンガン何れであってもよいが、無線遠隔操作を想定して、上述したプログラムボードと通信機にL298Nのようなドライバーを増設し、回転駆動させるのが使用上望ましい。
【0021】
一方で、回転に必要なモーター(Mo)の磁器素子部19.は電磁気駆動式に限定はしない。例えば、水力駆動式であっても、風力駆動式であっても、太陽光発電方式であってもよいが、いずれにしても装置自体に振動を起こさせないような駆動方式の採用が望ましく、その点では磁器浮上方式が最も有効である。
【0022】
上述した磁気浮上方式の最たる例は、公知の磁器浮上スタンドである。スタンド中央の磁場に若干の強弱を加えることにより、リニアモーターの要領で容易に浮上物体(本発明においてはBSキューブディスプレイ18.)を回転させることが可能である。ここで、回転浮上物体にBSキューブ18.を用いる利点は無振動構成以外に少なくとも2つは存在する。
【0023】
利点の一つは、
図4の次世代光学構成パターンIで示すように、BSキューブ18.とモーター19.との間に数ミリから数センチ程度、間隔が生まれることである。この間隔に12.~17.の光学素子類で構成したユニットをもう一台設置し、作製されるイメージのクオリティを補強することが可能となる。利点のもう一つは、
図4の次世代光学構成パターンIIで示すように、BSキューブ18.上部にミラーを接着して反射光を再利用できることにある。回収した反射光もまた、利点一つ目同様に、作製されるイメージクオリティの補強が可能となる。ここで、補強の具体的な例としては、イメージ光学強度や解像度の改善が主ではあるが、同時に実像Aと虚像Rのそれこそ本格的な融合化が可能といった光学現象論的な補強もまたある。
【0024】
いずれにしても、
図1~
図4に示す光学配置で構成される全方位光学サイト100.の応用としては、光学サイトデバイスがもっともらしい。
図5に示すように、光学サイトデバイスは、全方位に対応しているため、人体の特に間接から先の部位となる二の腕や脛、その他、手や足の甲などどこに装着してもよいという応用上の利点がある。
【0025】
また、潜在的応用としては、人体に限らず、室内、室外、建物内などのあらゆる場所への設置も視野に入れるべきである。その場合、例えば、
図6に示すように、室内ではマルチユーザー対応の空中イメージテレビ、室外ではタグ付き望遠鏡、建物内ではリング式光学センサーに応用を結びつけることが容易となる。
【0026】
マルチユーザー対応の空中テレビとしての起用であれば、
図6左側に示すように複数のユーザーが異なる場所からディスプレイ18.をのぞき込んだとしても見えるイメージは同じとなる視射角無依存型テレビとしての利点を兼ね備えることとなる。
【0027】
また、タグ付き望遠鏡としての起用であれば、
図6中央に示すように室外でユーザーがピンホール類21.を用いて遠方の物体、例えば星や星座を確認する際、どの星が何等星で見ている流星群は何という名前だったか、など瞬時に思い出すことができ、結果的に望遠鏡補助デバイスとしての利点を兼ね備えることとなる。
【0028】
また、リング式光学センサーとしての起用であれば、
図6右側に示すように建物内の壁面あるいは地面に対してディスプレイ18.回転軸が垂直となるようにデバイスを設置することにより、放出される空中イメージ(ここでは実像Aに限定)のリングがセンサーの役割を果たすようなセンシングデバイスとしての利点を兼ね備えることとなる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について以下で説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。第1実施形態では全方位光学サイト一個または一ペアの供給を可能にする代表的な実施例を示したが、本実施形態では光源部に光源を複数追加し、見える空中イメージに直列的な連続性を持たせる全方位連続光学サイト構成200.(ここでは光源4個を配置した場合、
図7~
図10に相当)を提案する。なお、
図7は実像A、
図8は虚像R、
図9は実像虚像A+R、さらに
図10は実虚融合A+Rの超次世代構成を示した全方位連続サイトの光学配置図である。
【0030】
第2実施形態では、
図7から
図10に示すようにレーザーやLEDなどの光源12.を複数並列に配置し、かつ付随する形でハーフミラー(HM)13.を連続的に配置する。こうすることで、ユーザーが見る空中サイトイメージに直列の連続性が生まれ、
図7右下に示すようにターゲットに向かって進む実質三角形のチックマークイメージを作ることができる。このようなチックマークは実像Aだけでなく虚像Rでも構成は可能であるが、
図8右下に示すように虚像Rでは形状は逆向きとなることが予想される。また実虚融合A+R時であれば、同様の光路を辿った上で形成されるイメージは、
図9右下に示すようにターゲットに向かって進む砂時計のような形を作ることとなる。この場合、実像Aまたは虚像Rでの個々イメージの場合に比べてサイト個数が倍になるため精度が増すことが期待される。さらには、実虚融合A+Rの超次世代構成では、先に記述したように連続サイトでも実虚特性の本格的な融合を構成でき、
図10のパターンIに示すように観察できるイメージ形状が砂時計ではあるものの、そのイメージクオリティにおいては向上が見込まれる。
図10のパターンIIにおいてもパターンI同様の効果が見込まれる。
【0031】
作製した全方位連続光学サイト200.の応用としては、前述したような人体に装着する光学サイトがあり、具体的には、
図11に示すように、前述の光学サイトに精確性がプラスされた精密光学サイトとなりうる。想定上、空間サイト数の増加が照準精度を劇的に向上させるのは確かとみる。
【0032】
一方、前述した応用3種の改定版として、
図12に示すようなマルチユーザー対応の空中立体イメージテレビ、オーバーラップタグ望遠鏡、広領域光学センサーへの応用も見据える。
【0033】
空中立体イメージテレビでは、
図6左側で示したような1点または2点で構成される空中イメージではなく、
図12左側に示すように深さ方向に積層された空中イメージを作製することで全体として立体効果が付与され、それをもって全方位での立体テレビとしての採用が提案可能となる。
【0034】
オーバーラップタグ望遠鏡では、
図6中央で示したような1点、2点で構成されるタグイメージは視線方向に位置する星の数もまた1つ2つに対応することとなるが、
図12中央に示すように広い銀河系を考慮したときにより多くのタグを創出できるオーバーラップタグ付き望遠鏡としての採用が提案可能である。
【0035】
広領域光学センサーでは、
図6右側で示したような1点、2点で構成されるビームイメージを用いた単なるリング構成ではなく、
図12右側に示すように連続点を用いたターンテーブルのような光学パターンを形成するため広領域のセンサーシステムとしての採用が提案可能である。
【0036】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
100…全方位光学サイト
200…全方位光学連続サイト
11…目
12…光源(S)
13…ハーフミラー(HM)
14…ビームスプリッター(BS1)
15…シャッター(SH)
16…再起反射板(RR)
17…ミラー(M)
18…ディスプレイ用ビームスプリッター(BS2)
19…モーター(Mo)
20…二の腕(あるいは脛などの間接先人体部位)
21…ピンホール(あるいはレンズなどの拡大鏡)