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▶ 有限会社フジマル工芸の特許一覧

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  • 特開-レンガ構造体 図1
  • 特開-レンガ構造体 図2
  • 特開-レンガ構造体 図3
  • 特開-レンガ構造体 図4
  • 特開-レンガ構造体 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074735
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】レンガ構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/02 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
E04B2/02 132
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022196660
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】507242754
【氏名又は名称】有限会社フジマル工芸
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀夫
(57)【要約】
【課題】本発明は、既存のレンガ積み施工物が耐震衝撃波対策上、強い衝撃に耐え、接着したレンガ及びレンガ積み補助部材が外れない接合構造を提供する。
【解決手段】接着強度を高める方法として、レンガとレンガ積み補助部材の連結する接着面に接着剤注入及び、金属プレート板嵌め込み空間を有し、接着剤をレンガの接着剤注入空間とレンガ積み補助部材の空間に充填行い、硬化後連結部が一体化する事で衝撃波に対して接着部の抵抗強度構造を有する事を特徴とする接着接合の強化構造を有するレンガ及び、レンガ積み補助部材。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンガとレンガ積み補助部材からなる平面視円弧状部分を有するレンガ構造体であって、レンガとレンガ積み補助部材間が金属プレートによって固定されていることを特徴とするレンガ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面視円弧部分を有する任意形状のレンガ構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のレンガ及び、円形レンガ積補助部材を平面視円弧状に積み上げる施工方法については、図5で表される。例えば特許文献1,及び2に示される方法が知られている。
従来のレンガ積みにおける接着方法としては、レンガとレンガの間にモルタルセメントを使用する方法と、レンガとレンガの接着面に有機系接着剤を塗布するものが有る。
モルタルセメントはレンガとの水分加減で接着力が異なるので熟練技術が必要だが、接着剤はレンガとレンガの接着面に接着剤を塗布して積み上げるだけなので誰が積み上げても強度が一定した同じ接着結果に積める利点があり、さらにモルタルセメント等、目地材に使用しない為、これに起因する白華現象の発生を防止することができる。よって、レンガ構造物の外観を綺麗に維持できる。
【先行技術文献】
【特許文献1】実用新案登録第3135792号公報
【0003】
【特許文献2】特開2010-150824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の円弧状レンガ構造物での接着剤塗布施工法には以下に示す改善すべき点が有る。従来工法は平らな接合面に接着剤を塗布して圧着していたが、強度の振動に弱く、レンガとレンガ積み補助部材が外れる事が有る。接着剤は紙と紙などの軽量資材に対する接着力は強いが、レンガは重量物の為、強い衝撃波に重量が加算されると接着面の接着強度が落ち、レンガとレンガが外れて人身事故や物損事故に繋がる恐れがあり今まで以上の接着強度が求められている。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、耐震衝撃波対策上強い衝撃に耐える事を目的とする堅牢な連結接合面を有する平面視円弧状部分を有する任意形状のレンガ構造体。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、レンガとレンガ積み補助部材からなる平面視円弧状部分を有するレンガ構造体であって、レンガとレンガ積み補助部材間が金属プレートによって固定されていることを特徴とするレンガ構造体。
【発明の効果】
【0006】
本発明のレンガ構造体は地震時等遠心力や、衝撃、破壊力に強く抵抗作用する。
上下左右の金属プレートと、共に硬化した接着剤を破壊しなければレンガとレンガ積み補助部材は外れない構造を特徴とする。結果、従来の接着工法の何倍もの衝撃波に対する抵抗作用が有る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】AB1、本発明の一実施例のレンガとレンガ積み補助部材を示す平面断面図である。
図2】レンガ積み補助部材(2)を用いて形成した円形レンガ構造物AB2を示す斜視図である。
図3】上下の金属プレート板設置図である。
図4】金属プレート板嵌め込み空間口である。
図5】従来技術
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0009】
本発明のレンガ構造体における平面視円弧状部分は平面視長方形のレンガと平面視二等辺三角形のレンガ積み補助部材を上下左右互い違いに組み合わせて構成されるものである。
そして、本発明のレンガとレンガ積み補助部材、又はレンガとレンガの左右連結部分(4)上下の連結位置(5)に金属プレート板を嵌め込める空間を有して、金属プレート板を嵌め込み、空間に接着剤を挿入。挿入後接着剤が固まり連結され、金属プレート板がネジやボルトで固定連結されたような一体構造になりレンガとレンガの接合強度を高める構造を特徴とする。
【0010】
図1AB1に示すように、本実施例のレンガ(1)とレンガ積み補助部材(2)の上下左右には金属プレート板嵌め込み空間 図4(5)(6)を形成し、空間に接着剤を注入した後、金属プレート板を嵌め込み連結させる。本発明は、以上の構成による接着接合強化構造を有するレンガとレンガ積み補助部材である。
【0011】
レンガ積み補助部材(2)は、陶磁器質のレンガや、セメント素材のレンガを用いて形成されている。
【0012】
本発明で用いる接着剤としては有機性の弾性接着剤を例示したが、レンガ積補助部材とレンガとを接着できるものであれば、無機性であってもよい。
【0013】
本発明に係るレンガ積み補助部材(2)は、レンガを円形に組み付ける際に、レンガとレンガとの間に位置する。円形レンガ構造物の直径及び、レンガの使用個数から角度計算により寸法を割り出し、レンガ及び、レンガ積補助部材のサイズが構成される。
【0014】
本発明において金属プレート板は、鉄、ステンレス、銅などの公知の材質のものの他、硬質プラスチック材等も使用できる。
又、その形状としては例えば図(1)に示すような楕円形状や、長方形などを上げることができる。その大きさは、レンガ及びレンガ積み補助部材における金属プレート嵌め込み空間の各半分に到達する程度が好ましい。
【符号の説明】
【0015】
1 レンガ
2 レンガ積み補助部材
3 縦の金属プレート板
4 横の金属プレート板
5 上下の金属プレート板嵌め込み空間
6 左右の金属プレート板嵌め込み空間
AB1 金属プレート挿入構造物断面図
AB2 円形レンガ構造物斜視図
図1
図2
図3
図4
図5