IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コトの特許一覧

特開2024-74738記録媒体及び手帳並びに該手帳を用いた価値管理システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074738
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】記録媒体及び手帳並びに該手帳を用いた価値管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0226 20230101AFI20240524BHJP
【FI】
G06Q30/0226
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022196663
(22)【出願日】2022-11-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】597010226
【氏名又は名称】株式会社コト
(72)【発明者】
【氏名】大竹 基之
(72)【発明者】
【氏名】柴田 純平
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ポイント手帳やポイントカードの手作業による集計作業を押印欄にコード情報を設けることで簡素化して手作業で数える必要のない手帳、カード、記録媒体及び価値管理システムを提供する。
【解決手段】紙製記録媒体であるポイント収集カード1において、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層4とコード情報層に一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面5とを重ねて形成されている一区画2が複数並べて配置される。各一区画2のコード情報は、先に配置された一区画2に対する区画位置情報と価値情報(取得可能ポイント)とに関連付けられている情報であり、一区画2のコード情報層4に取得権を重ねて記録する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画が複数並べて配置され、各一区画の前記コード情報が先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とに関連付けられている情報であり、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録することを特徴とする記録媒体。
【請求項2】
コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である請求項1記載の記録媒体。
【請求項3】
一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画を配置した紙製記録媒体を一の頁とし、当該一の頁を含んで綴られ、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録することを特徴とする手帳。
【請求項4】
一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画を配置した一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳。
【請求項5】
一の価値の取得権を記録する記録面として形成されていると共に当該一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に形成されている一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳。
【請求項6】
配布情報が、発行情報及び所有者情報から選ばれる情報である請求項4又は請求項5記載の手帳。
【請求項7】
一区画が複数並べて配置され、各一区画に対応するコード情報には先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられている請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の手帳。
【請求項8】
一の価値を取得するためのコード情報を設けた一区画を整然と格子状に並べて配置した一の頁と、当該一の価値とは異なる他の一の価値を取得するためのコード情報を設けた他の一区画を整然と格子状に並べて配置した他の一の頁とを含んで綴られた請求項3乃至請求項7のいずれか一項に記載の手帳。
【請求項9】
コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である請求項3乃至請求項8のいずれか一項に記載の手帳。
【請求項10】
一の価値の取得権を記録する記録面として形成されていると共に当該一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に形成されている一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳と、当該手帳の一の頁に配置された一区画よりコード情報を読み取る読取手段と、当該読取手段にて読み取られたコード情報にしたがって一価値を前記手帳に対応させて発行する管理装置とを備えて、
前記手帳の一区画には一区画特有のコード情報が印刷されており、
前記コード情報には、当該コード情報が設けられた一区画より先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられており、
前記読取手段は、前記配布情報と前記コード情報とを読み取って前記管理装置へ送信し、
前記管理装置には、前記手帳の配布情報が記憶されていると共に、各コード情報に基づいて対応付けられた前記区画位置情報と前記価値情報とが記憶されており、前記読取手段よりコード情報に基づく情報を受信して対応する前記区画位置情報と前記価値情報とにより得られる取得価値を前記配布情報にしたがって前記手帳に対して提供することを特徴とする価値管理システム。
【請求項11】
一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成した一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳と、当該手帳の一の頁に配置された一区画よりコード情報を読み取る読取手段と、当該読取手段から送信されるコード情報に基づく情報を受信する携帯端末と、当該携帯端末から送信されるコード情報に基づく情報にしたがって前記手帳に対応させて一価値を発行する管理サーバとを備え、
前記手帳の一区画には当該一区画特有のコード情報が印刷されており、
前記コード情報には、当該コード情報が設けられた一区画より先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられており、
前記読取手段は、前記配布情報と前記コード情報とを読み取って前記携帯端末へ送信し、
前記携帯端末は、コード情報に基づく特有の取得情報と前記配布情報とを前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバには、各取得情報と当該各取得情報に対応する区画位置情報と価値情報とが記憶されており、前記携帯端末に対して該当する区画位置情報と価値情報を送信し、
区画位置情報と価値情報とを受信した携帯端末は、当該区画位置情報と価値情報とに基づいて得られる取得価値を前記配布情報に基づき前記手帳に対応させて出力することを特徴とする価値管理システム。
【請求項12】
コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である請求項10又は請求項11に記載の価値管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一の価値を取得する取得権を記録する記録媒体及び手帳並びに該手帳を用いた価値管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品や電子マネーや現金に変換できる所謂ポイントを貯めるための手帳や記録媒体としてのポイントカード等が知られている。例えば、スタンプラリーとポイント券機能とを一つにまとめた来店促進用顧客カード(特許文献1)は、スタンプ押印欄を並べて配列し、ポイント付与を保証する押印済の欄を数えることで集計がなされ、また、バーコードに隣接して設けられた印欄の押印済を確認してバーコードを読み取って所定のポイント数を付与するようになっている。
【0003】
一方、自治体等の公共機関が高齢者の健康・体力づくりを目的としてポイント手帳等を配布し、健康体操、リハビリ体操、エアロビック体操等の健康管理サービスにおける健康イベントに参加した高齢者が所持したポイント手帳にポイントを取得できるスタンプを押印し、印影の数を数えて合計数のポイントを付与し、電子マネーや商品券や景品に交換できる手法により健康増進を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3222289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手帳やポイントカードの提供者にとっては利用者が増えることは喜ばしいことであるが、ポイント集計は、手作業によりなされているため、処理数が増えれば増えるほど、また、付加ポイント数の異なる押印欄が存在する場合には、ポイントの集計作業が煩雑になり、ミスを起こすという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、手作業で数える必要のない記録媒体や手帳及び該手帳を用いたシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画が複数並べて配置され、各一区画の前記コード情報が先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とに関連付けられている情報であり、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録することを特徴とする記録媒体である。
【0008】
請求項2に係る発明は、前記請求項1に係る発明において、コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である。
【0009】
請求項3に係る発明は、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画を配置した紙製記録媒体を一の頁とし、当該一の頁を含んで綴られ、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録することを特徴とする手帳である。
【0010】
請求項4に係る発明は、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画を配置した一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳である。
【0011】
請求項5に係る発明は、一の価値の取得権を記録する記録面として形成されていると共に当該一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に形成されている一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳である。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に係る発明において、配布情報が、発行情報及び所有者情報から選ばれる情報である。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項3乃至請求項6のいずれかの発明において、一区画が複数並べて配置され、各一区画に対応するコード情報には先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられているものである。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項3乃至請求項7のいずれかの発明において、一の価値を取得するためのコード情報を設けた一区画を整然と格子状に並べて配置した一の頁と、当該一の価値とは異なる他の一の価値を取得するためのコード情報を設けた他の一区画を整然と格子状に並べて配置した他の一の頁とを含んで綴られているものである。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項3乃至請求項8のいずれかの発明において、コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である。
【0016】
請求項10に係る発明は、一の価値の取得権を記録する記録面として形成されていると共に当該一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に形成されている一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳と、当該手帳の一の頁に配置された一区画よりコード情報を読み取る読取手段と、当該読取手段にて読み取られたコード情報にしたがって一価値を前記手帳に対応させて発行する管理装置とを備えて、前記手帳の一区画には一区画特有のコード情報が印刷されており、前記コード情報には、当該コード情報が設けられた一区画より先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられており、前記読取手段は、前記配布情報と前記コード情報とを読み取って前記管理装置へ送信し、前記管理装置には、前記手帳の配布情報が記憶されていると共に、各コード情報に基づいて対応付けられた前記区画位置情報と前記価値情報とが記憶されており、前記読取手段よりコード情報に基づく情報を受信して対応する前記区画位置情報と前記価値情報とにより得られる取得価値を前記配布情報にしたがって前記手帳に対して提供することを特徴とする価値管理システムである。
【0017】
請求項11に係る発明は、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成した一区画が配置されている一の頁を含んで綴られ、当該一の頁を含むいずれかの頁に前記読取手段にて読取可能に配布情報を設けてなる手帳と、当該手帳の一の頁に配置された一区画よりコード情報を読み取る読取手段と、当該読取手段から送信されるコード情報に基づく情報を受信する携帯端末と、当該携帯端末から送信されるコード情報に基づく情報にしたがって前記手帳に対応させて一価値を発行する管理サーバとを備え、前記手帳の一区画には当該一区画特有のコード情報が印刷されており、
前記コード情報には、当該コード情報が設けられた一区画より先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられており、前記読取手段は、前記配布情報と前記コード情報とを読み取って前記携帯端末へ送信し、前記携帯端末は、コード情報に基づく特有の取得情報と前記配布情報とを前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバには、各取得情報と当該各取得情報に対応する区画位置情報と価値情報とが記憶されており、前記携帯端末に対して該当する区画位置情報と価値情報を送信し、区画位置情報と価値情報とを受信した携帯端末は、当該区画位置情報と価値情報とに基づいて得られる取得価値を前記配布情報に基づき前記手帳に対応させて出力することを特徴とする価値管理システムである。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項10又は請求項11の発明において、コード情報層が、コード情報をカーボンインクにより印刷してなる層であり、読取手段が、当該コード情報を赤外線照射により光学的に読み取る手段である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、記録媒体や手帳の一区画に記録された取得権を手作業で数える必要がないから、簡単に価値を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】 本発明の一実施の形態に係る記録媒体の平面図である。
図2図1に図示する一区画を説明する記録媒体の一部断面図である
図3】 一区画に取得権を記録する一例の説明図である。
図4】 取得権が記録された一区画におけるコード情報を読み取る一例の説明図である。
図5図4に図示するコード読取器の一部透視説明図である。
図6】 本発明の一実施の形態に係る手帳を説明する斜視図である。
図7図7に図示する手帳に配置された一区画を説明する手帳の見開き図である。
図8】 一区画に記録された印影におけるコード情報の読み取り説明図である。
図9】 本発明の一実施の形態に係る価値管理システムの概略説明図である。
図10図9に図示する読取部の概略構成を説明するブロック図である。
図11図9に図示する管理装置の概略構成を説明するブロック図である。
図12図11に図示する配布情報データベースの説明図である。
図13図11に図示するポイント情報データベースの説明図である。
図14】 タブレットへの取得ポイントの表示例を説明する図である。
図15】 タブレットへの取得ポイントの表示例を説明する図である。
図16】 タブレットへの取得ポイント合計の表示例を説明する図である。
図17】 本発明の一実施の形態に係る価値管理システムと価値付与サービス事業の流れを説明する図である。
図18】 価値管理サーバの一例を説明するブロック図である。
図19】 スタッフ情報リストの説明図である。
図20】 本発明の一実施の形態に係る価値管理システムにおける処理手順を示すシーケンス図である。
図21】 本発明の一実施の形態に係る価値管理システムにおける処理手順を示すシーケンス図である。
図22】 本発明の一実施の形態に係る価値管理システムにおける処理手順を示すシーケンス図である。
図23】 本発明の一実施の形態に係る記録媒体の平面図である。
図24】 本発明の一実施の形態に係る記録媒体に用いるスタンプ器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0022】
実施の形態1.
【0023】
図1において、1は、ポイント収集カード(紙製記録媒体)である。カード1には、ポイント(一の価値)を取得できる取得権を記録するための一区画2が整然と格子状に複数並べて配置して印刷により形成されている。当該一区画2は、図2に示すように、カード1の台紙3とその上の一区画2内に印刷により設けられたドットコード(コード情報)の層(以下、「コード情報層」という。)4とその層上に位置付けて重ねて形成されている取得権を記録する記録面5とから構成されている。よって、記録面5はコード情報層の表面である。
【0024】
例えば、カード1の利用者がカード1の提供者が主催するイベントへ参加し、或いは、店舗へ来店し、図3に示すように、ポイントを獲得するために一区画2のコード情報層4にポイントを取得できるスタンプやハンコ6により押印してもらうことで、一区画2の記録面5へ印影(取得権)7として記録される。
【0025】
また、図4において、8は、ポイントを取得するためのドットコードを読み取る読取器(読取手段)であり、読取器8は、図5に示すように、コード読取部9の先端の開口部91からコード情報層4のドットパターン(ドットコード)にLED92を照射してレンズ93を介してドットパターンを光学的にイメージセンサー94に取り込み、画像をデコーダIC95においてデータに変換して制御部(図示せず。)の制御によりデータ情報或いは画像データとして外部へ出力している。
【0026】
前記コード情報層4におけるドットコードが、各一区画2のコード情報層4毎に異なる特有の情報からなり、当該ドットコードが先に配置された一区画2に対する区画位置情報と取得可能ポイント(価値情報)とに関連付けられている場合には、前記読取器8の制御部より出力される画像データ或いは画像変換データを、区画位置情報と価値情報とに関連付けられる、取得ポイント数を確定するためのユニークなIDデータ(取得情報)として外部装置(図示せず。)へ送信すればよく、画像データ或いは画像変換データを取得情報としてそのまま送信するようにしてもよい。
【0027】
前記コード情報のコードは、ドットコードの外、幾何学模様、バーコード、二次元コードであってもよく、ステルス印刷されていてもよく、カーボンインクにより印刷してなり、赤外線LEDを照射するようにしてもよい。また、コード情報は、文字列や任意の番号等からなるIDであってもよく、区画2の位置を表す記号であってもよく、IDや記号に変換されてもよい。なお、各区画2のコード情報を読み込む手法による場合には、区画2に付与されている価値を表す記号にすればよい。また、ドットパターンをドットコードとして用いてもよい。また、取得権は、押印による印影の外、透明シール、サイン、レ点等のチェックマーク、母印、筆記具でのチェック等を用いればよく、登録済み取得権であれば、無断記録等の不正を防止できる。さらに、記録媒体は、紙製や樹脂製カードの記録カード外、アンケート等の用紙やテスト等の回答用紙であってもよい。なお、アンケートにおける価値は景品や情報の取得ととらえることができ、テストにおける価値は回答者への評価・傾向ととらえることができる。
【0028】
なお、記録媒体が紙製シート状記録媒体にあっては、複数枚綴ってポイント手帳とすることもできる。また、アンケート用紙にあっては、アンケート項目の確認欄にレ点等の印が記されている欄におけるコード情報を読み取ることで景品等を支給することができる。さらに、回答用紙にあっては、正解数のカウントなどに利用することができる。
【0029】
本実施の形態では、ポイントを取得するためのコード情報を読取器8にて読取可能に設けたコード情報層4に重ねてポイントの取得権としての印影を押印により記録する記録面を位置付けて形成した一区画2を配置したので、記録媒体や手帳の一区画2に記録された取得権を手作業で数える必要がないから、簡単に価値を提供することができる。
【0030】
また、一区画2を複数並べて配置し、一区画2のコード情報を先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とを関連付ける情報においては、取得権が記録された最後の一区画2におけるコード情報を読み取ることで、最初の区画2の位置の印影から最後尾の印影の区画位置までの印影数が得られ、当該印影数と単位ポイント数とから取得できるポイント数を確定できる。
【0031】
実施の形態2.
【0032】
図6及び図7において、前記実施の形態1と同一符号は同一又は相当部分を示し、10は、高齢者の健康増進を目的としたイベントなどに参加したことを記録するポイント手帳であり、一頁には、図2に示すように、ポイントの取得権を記録する記録面5として形成されていると共に、ポイントを取得するためのコード情報を読取器8にて読取可能に形成されている一区画2が配置されており、表表紙には、手帳10の所有者情報が印字され、所有者を表すコード情報が読取器8にて読取可能に設けられている。
【0033】
図7において、(a)は、手帳10の見開きの一区画2に対して1ポイントを対応させた一頁を図示したものであり、(b)は、一区画2に対して2ポイントを対応させた一頁と、ボーナスポイントを取得できる、例えば、行事や健康診断の参加について記された一頁に配置された二つの区画2を図示したものであり、1単位のポイント(一の価値)を取得するためのコード情報を設けた一区画2を整然と格子状に複数並べて配置した一つの頁101と、2単位のポイント(一の価値とは異なる他の一の価値)を取得するためのコード情報を設けた他の一区画2を整然と格子状に複数並べて配置した他の一つの頁102と、ボーナスポイントを取得できる一区画2を設けた一つの頁103とを含んで綴られている。
【0034】
頁101及び頁102における一区画2の前記コード情報は先に配置された一区画2に対する区画位置情報と価値情報とを関連付ける情報であり、図8に示すように、印影の最後尾の一区画2におけるコード情報を読取器8にて読み取る。例えば、図8において、本頁においては最初の区画2から数えて3つ目まで印影が記録されており、当該3つ目の区画におけるコード情報は、最初から3つ目である値「3」と本頁においては印影一つに対して1ポイント付与される値「1」とに関連付けられた情報であり、当該3つ目のコード情報を読み取ることで、3×1の3ポイントの付与が確定する。したがって、各一区画2のコード情報は、その位置特有の情報となっている。
【0035】
なお、手帳の発行者は、健康管理ベントを主催する企画業者であってもよく、自治体であってもよく、配布先は、会員登録を済ませた所定年齢以上の住民であってもよい。
【0036】
実施の形態3.
【0037】
本実施の形態においては、ポイントを集計して手帳の所有者毎に記録する価値管理システムについて、図1から図8をも参照して説明する。前記実施の形態1及び2と同一符号は同一又は相当部分を示し、図9に示す価値管理システムは、自治体が企画する高齢者健康づくり活動の参加対象者に配布するポイント手帳10(図6図7参照)と、手帳10にステルス印刷されたコード情報を読み取って後述の管理装置へ送信する読取器8(図4図5参照)と、読取器8から送信されるコード情報或いはコード情報に基づく情報にしたがって手帳8を配布した参加対象者に対応させてポイントを発行するタブレット(管理装置)11とを備えている。なお、コード情報に基づく情報がコード情報であってもよく、IDであってもよい。
【0038】
前記手帳10は、一区画2を複数並べて配置した図7に図示する頁を含んで綴られてなる冊子であり、一区画2は、ポイントの取得権を記録する記録面5として形成されており、当該記録面5は、ポイントを取得するためのコード情報を読取器8にて読取可能にステルス印刷により形成されているコード情報層4に重ねて位置付けられている。手帳10の表表紙には参加対象者を特定できる情報コードがステルス印刷されていると共に、氏名が印字されている。また、一区画2のコード情報は、一区画特有のコード情報であり、コード情報が設けられた一区画より先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とが関連付けられている。なお、手帳に印字された参加対象者(手帳の所有者)は会員登録済みの高齢者であり、対象年齢に該当することで、例えば住民データベースを使って順次自動的に会員登録を行うようにしてもよい。
【0039】
前記読取器8は、図10に示すように、コード情報層4のコード情報を撮像により光学的に読み取るコード読取部9と、各コード情報に対応するIDデータが記憶されているパターン記憶部12と、読み取ったコード情報に基づきIDデータに変換し、BLE(Bluetooth Low Energy)通信にしたがって送受信部13を介して前記タブレット11へ送信する制御をする制御部14とを備えている。なお、15は、これらのプロセスを実行するためのプログラムを格納したプログラム記憶部である。また、読取確認を知らせるビープ音等を鳴らすスピーカを内蔵してもよい。なお、コード情報としてのドットパターンや文字列を画像データとして外部へ出力してもよい。
【0040】
前記タブレット11は、図11に示すように、タッチパネル表示部16を表面に配置して設け、コンピュータネットワークやインターネット等のネットワークとの間で有線・無線通信を確立するネットワーク通信部17、読取器8との間でBLE(Bluetooth Low Energy)通信を確立するブルートゥース(商標登録)通信部(以下、「BLE通信部」という。)18、手帳10を配布した登録済みの参加対象者である手帳所持者のユーザ情報や手帳10の発行情報等を記録している配布情報データベース19とコード情報に基づく区画位置情報と価値情報を記録しているポイント情報データベース20とを保存したデータベース記憶部21が設けられている。そして、制御部22は、タッチパネル表示部16、ホームボタン(図示せず。)、表示された選択・決定ボタン、ネットワーク通信部17、BLE通信部18、内蔵カメラ(図示せず。)、I/Oインタフェース(図示せず。)等を制御し、当該制御部22の制御により、タブレット内蔵OSが実行され、タッチパネル表示部16にポイントを集計するアプリを操作する画面を表示させ、プログラム記憶部23に格納された組込アプリケーション、前記アプリ等が実行される。さらに、制御部22は、タッチパネル表示部16において発生した静電容量変化をタッチイベントとして位置座標情報をOSに渡す制御をしている。なお、管理装置は、タブレット等のスマートデバイスの外、ノートPCに代表される携帯型コンピュータであってもよい。
【0041】
前記配布情報データベース19には、手帳10の発行情報や所有者情報が保存されており、例えば、図12の(a)に示すように、配布された手帳を特定するIDや発行年度を現す年度IDや当該手帳の所有者IDやその他付帯情報を記録した手帳情報リスト24と、当該手帳情報リスト24の年度IDや所有者IDに紐付けてユーザIDやその他付帯情報を記録した所有者情報リスト25と、当該所有者情報リスト25のユーザIDに紐付けて氏名、年齢、連絡先情報(住所、電話番号等)、押印記録(取得ポイント数)やその他付帯情報等を記録したユーザ情報リスト26と、同じくユーザIDに紐付けてポイントの集計日時やポイント記録(種別ごと、合計等)やその他付帯情報を記録したポイント集計情報リスト27が保存されている。
【0042】
前記ポイント情報データベース20には、図13の(a)に示すように、手帳10に配置された一区画(以下、「マス」とも言う。)2のマスID、マスの位置、該当ポイント、頁の種類、その他付帯情報を記録したマス情報リスト(区画情報)28と、図13の(b)に示すように、各ポイントの開始マスIDと終了マスIDを記録した開始、終了のマス範囲リスト(先に配置された一区画2に対する区画位置情報)と当該リストに対応させてページの種類と頁単位で設けられているポイントリスト(価値情報)からなる種別情報リスト29が保存されている。
【0043】
次に、記録面5に記録された印影(取得権)のカウント手順について説明する。
【0044】
ポイント手帳10が年度の初めに自治体から各参加対象者へは配布される。該当年度中に各種健康増進イベントへ参加することにより、また、ボランティア活動を行うことにより、また、指定健康診断を受診することにより、その都度、指定された一頁の区画2に取得権としての印影が記録される。そして、年度末に手帳10が回収される。
【0045】
回収されて集められた手帳10のポイント集計作業では、タブレット11にてポイント集計用のアプリケーションを起動させる。当該アプリケーションは、表示された年度の指定、所有者IDの受信による入力、マスIDの受信による入力、マスIDより取得ポイント数の算出・登録、その間の必要情報の表示等を実行する。
【0046】
先ず、図6に図示する表表紙の所有者情報が印字された位置の所有者コード情報を読取器8にて読み取る。読み取られたコード情報は読取器8において所有者IDに変換されて送受信部13より、タブレット11へ送信される。所有者IDをBLE通信部18より受信したタブレット11では、制御部22の制御により、手帳情報リスト24に基づき受信した所有者IDに該当する手帳情報を表示させ、表示された手帳情報にて発行年度を確認して所有者IDを検索キーとして所有者情報リスト25に基づき所有者情報を表示させ、表示された所有者情報より、ユーザIDを得て、ユーザIDに紐付くユーザ情報リスト26のユーザ情報を表示させる。なお、所有者IDより所有者情報を表示させてユーザIDに紐付くユーザ情報を表示させるようにしてもよい。
【0047】
続いて、表示されたユーザ情報を確認のうえ、例えば、図8に示すように、最初の区画2から数えて3つ目まで印影が記録されており、当該区画2におけるコード情報を読取器8にて読み取ることにより、タブレット11では当該コード情報に基づいて区画位置情報と価値情報とに関連付けられているマスIDが受信され、当該マスIDに基づき、マス情報リスト28と種別情報リスト29により、読み取り記録面5における最初から3つ目である値「3」と本頁においては印影一つに対して1ポイント付与される値「1」とが取得され。印影数と該当ポイントとから3×1の3ポイント(取得価値)が確定し、図14に示すように、当該ポイント数を表示させる。また、図15には、2ポイント付与の頁を示す。
【0048】
以上の操作が繰り返されて、図14及び図15に示すように、頁単位でのポイント数がタブレット11に表示され、例えば、集計を選択することにより、ポイントの総合計が表示されると共に(図16参照)、ポイント集計情報リスト27の該当ユーザIDに従って手帳10に対応させて保存される。これにより、取得した合計ポイント数に基づいて、電子マネーや景品や商品券、割引券などに変換することもできる。
【0049】
なお、ポイント情報データベース20において、マス情報リスト28はなくてもよい。また、手帳情報リスト24と所有者情報リスト25とが一つのデータベースであってもよく、所有者情報リスト25の所有者情報に手帳IDが含まれている場合には、手帳情報リスト24はなくてもよく、所有者情報リストを手帳情報リストと称呼してもよい。また、ポイントの加算をイベントごとに実施する場合には、データベースに記録するたびに、読み取り済みの区画2の位置の情報と当該読み取った区画の次の読み取り前の区画の位置情報を保存しておくことにより、印影の不正を防止することもできる。また、ポイント集計情報をユーザ情報と合わせて一つのデータベースとしてもよい。
【0050】
実施の形態4,
【0051】
本実施の形態では、読取器8から出力される各種データを作業端末(携帯端末)にて中継して処理し、コンピュータからなる管理サーバで一括管理する価値管理システムについて、図1から図16をも参照して説明する。前記実施の形態1乃至3と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0052】
図17は、ポイント付与サービス事業の流れとポイント管理システムの説明図であり、年に一度、自治体から市内在住の所定(例えば、65)年齢以上の高齢者(「参加対象者」、「利用者」とも言う。)30にポイント手帳10が配布される。高齢者30は手帳10を持参してポイント付与として登録されている団体の活動に参加する。参加した活動団体より手帳10にスタンプ6を押してもらう。そして、一年後に手帳10の利用者30から自治体へ手帳10が返却される。回収された手帳10は、自治体が管轄するスタッフ31により集計される。なお、参加する活動によって、カウントされるポイント数が異なっていてもよい。
【0053】
ポイント管理システム(以下、単に「管理システム」とも言う。)32は、図17に示すように、実施の形態1乃至3における手帳10と、読取器8と、携帯端末33と、図12に図示する手帳情報リスト24と所有者情報リスト25とからなる手帳情報リスト34(図18参照)、ユーザ情報リスト26及びポイント集計情報リスト27、並びに、図13に図示するマス情報リスト(区画情報)28及び種別情報リスト(区画位置情報、価値情報)29、さらに、スタッフ31の個人情報とIDを記録したスタッフ情報リスト(図19参照)35をデータベースとして格納している所謂コンピュータからなるポイント管理サーバ(以下、単に「管理サーバ」とも言う。)36とを備えて構成されている。
【0054】
前記携帯端末33は、実施の形態3におけるタブレット11と同様に、タッチパネル表示部16、ネットワーク通信部17、読取器8との間で通信を確立するBLE通信部18、制御部22、プログラム記憶部23、その外、内蔵カメラ(図示せず。)、I/Oインタフェース(図示せず。)を備えている。また、タブレット11におけるデータベース記憶部21に代えて、コード情報に対応するID(コード情報に基づく情報)を記憶する記憶部21が設けられている。なお、当該記憶部21にタブレット11におけるデータベース記憶部21が含まれていてもよい。また、携帯端末は、スマートデバイスの外、ノートPCに代表される携帯型コンピュータであってもよい。
【0055】
本実施の形態における前記プログラム記憶部23には、読取器8から各種コード情報を受信し、当該コード情報を、或いは、当該コード情報をIDに変換して管理サーバ36へ送信し、管理サーバ36からユーザ情報や区画位置情報や価値情報を受信してポイントを集計して結果を管理サーバ36へ送信するポイントカウントプログラムが格納されている。
【0056】
前記管理サーバ36は、図18に示すように、有線・無線通信を確立する通信部37、前記各種データ(手帳情報リスト34、ユーザ情報リスト26、ポイント集計情報リスト27、マス情報リスト28、種別情報リスト29、スタッフ情報リスト35)を保存しているデータベース記憶部38、前記ポイントカウントプログラム(アプリ)に基づいてデータベースに対して制御を行う制御部39、組込アプリケーションや前記アプリ等が記憶されているプログラム情報記憶部40を備えている。
【0057】
そして、前記データベース記憶部38に保存されている、スタッフ氏名等の個人情報とID等の前記スタッフ31に関するスタッフ情報リスト37に基づき、当該スタッフ情報に対応するコード情報を印刷したスタッフカード41が当該スタッフ31に対して配布されている。
【0058】
次に、ポイント手帳カウント手順について、図17から図23をも参照して説明する。
【0059】
スタッフ31が携帯端末33のタッチパネル表示部16(図11参照)に表示されているポイントカウントアプリのアイコン42をタッチして当該アプリを起動させる。先ず、ポイント集計担当者の特定プログラムが立ち上がり、スタッフカード読込画面43が表示される(ステップs01)。当該読込画面43において、スタッフ31により読取器8が操作されてスタッフカード41に設けられているコード情報が読み取られ、読取器8から携帯端末33へ送信される(ステップs02)。コード情報を受信した携帯端末33は、受信したコード情報を当該カード41におけるコード情報として記憶部21に記憶した後(ステップs03)、当該コード情報に対応付けられているスタッフ31の情報を取得するために、管理サーバ36へコード情報に基づくスタッフ情報を問合せる(ステップs04)。管理サーバ36では、受信した前記コード情報としてのIDに基づいてスタッフ情報リスト35における該当するスタッフIDを取得し(ステップs05)、該当するスタッフ情報(図19参照)を携帯端末33に対して送信する(ステップs06)。スタッフ情報を受信した携帯端末33では氏名等のスタッフ情報をタッチパネル表示部16に表示させる(ステップs07)。これにより、スタッフ31はスタッフカード41における情報と受信したスタッフ情報との整合性を確認することができ、画面44の「OK」ボタンにタッチすることにより、ポイント集計担当者の情報が前記コード情報に対応させて記憶部21に保持される(ステップs08)。なお、表示されたスタッフ情報が操作している作業担当者と異なる場合には、「やり直し」をタッチしてステップs01の読込画面43を表示させる。
【0060】
続いて、ポイント集計プログラムが立ち上がり、前記表示部16にポイント入力画面45が表示される(ステップs09)。当該画面45が表示された状態において、手帳10における年度部分に印刷されたコードを読取器8にて読み取る。これにより、読取器8から携帯端末33へ年度部分におけるコード情報が送信され(ステップs10)、当該コード情報を受信した携帯端末33は、当該コード情報を今回ポイントを集計する手帳10として記憶部21に記憶する(ステップs11)。同じく、画面45が表示された状態において、手帳10における氏名に印刷されたコードを読取器8にて読み取る。これにより、読取器8から携帯端末33へ氏名部分におけるコード情報が送信され(ステップs12)、当該コード情報を当該手帳10の所有者30として記憶部21に記憶する(ステップs13)。
【0061】
前記ポイント入力画面45に表示されている年度・所有者確認用送信ボタン(図示せず)がタッチされることにより、前記記憶部21に保存されている前記年度用コード情報と前記所有者用コード情報が管理サーバ36へ送信され、対象年度と当該年度における手帳10の所有者が問合せられる(ステップs14)。
【0062】
前記各コード情報を受信した管理サーバ36では、コード情報にしたがって手帳情報リスト34に登録されている年度IDと所有者ID(図12参照)から該当するユーザIDを特定し(ステップs15)、ユーザ情報リスト26に登録されている所有者に関する情報を取得し(ステップs16)、当該ユーザ情報を応答先の前記携帯端末33にへ送信する(ステップs17)。ユーザ情報を受信した携帯端末33は当該ユーザ情報を前記既に記憶させた今回のポイント集計領域に関連付けて保存すると共に(ステップs18)、ポイント入力画面45の氏名欄にユーザ情報が表示される(ステップs19)。これにより、手帳10に記された所有者名と表示された氏名との一致を確認することができる。
【0063】
前記ポイント入力画面45に前記氏名が表示された状態において、図7に示すように、各頁における記録面5の印影の最後尾のマス(区画)2におけるコード情報を読取器8にて読み取る。もしくは、個々に配置されたマス2について読み取る。なお、各頁のマス2におけるコード情報は、当該マス2が最後尾の印影におけるマス2までの連続読取を実施するマスであるか、あるいは、個別に読み取るマス2であるかを判断する選択情報にも紐付けられており、当該選択情報はマス情報リスト28に各マス毎に、及び/又は、種別情報リスト29に各頁毎に記憶されている。このように、当該選択情報にしたがって、読取手順が異なるため、先ず、読み取ったマスの判断がなされる。なお、マス2のコード情報に前記選択情報が含まれていてもよい。
【0064】
図8に示すように、手帳10の一頁における最後尾のマス2のコードを読取器8にて読み取る。これにより、読取器8から携帯端末33へマス2におけるコード情報が送信される(ステップs20)。当該コード情報を受信した携帯端末33は、当該コード情報を記憶部21に記憶すると共に(ステップs21)、管理サーバ36へ送信する(ステップs22)。前記コード情報を受信した管理サーバ36は、コード情報にしたがってマス情報リスト28に登録されているマスIDと頁の種類及び選択情報を特定し(ステップs23)、マス情報リストに登録されているマス情報を携帯端末33へ送信する(ステップs24)。
【0065】
前記マス情報を受信した携帯端末33では、前記選択情報にしたがって当該頁におけるマスの種類が連続マスであるか個別マスであるかを判断する(ステップs25)。
【0066】
図21に図示する連続マスにおいては、携帯端末33において、管理サーバ36に対して前記マスIDが送信され(ステップs26)、マスIDを受信した管理サーバ36では、マスIDにしたがって種別情報リスト29に登録されている区画位置情報と価値情報を含むポイント情報を特定し(ステップs27)、当該ポイント情報を携帯端末33に対して送信する(ステップs28)。ポイント情報を受信した携帯端末33では、マスの位置、単位ポイント、ページの種類に応じて、図14図15及び図16に示すように、頁毎に獲得ポイント数を表示させる(ステップs29)。なお、マス2に対する読取器8の読み取り動作の度に前記選択種別の判断がなされる。また、各頁単位で選択種別が異なる場合には、頁単位で判断がなされてもよい。
【0067】
マスの読み込みが終了すれば(ステップs30)、携帯端末33において、図16及び図17に示すように、ポイントの集計ボタンをタッチすることでポイント合計数が表示される(ステップs31)。そして、表示画面の送信をタッチすることにより、管理サーバ36に対してポイント集計情報、ユーザID、各マスのポイント記録が送信され(ステップs32)、これらの情報を受信した管理サーバ36では、手帳10及び利用者30に対応させてポイント集計リスト27に保存される(ステップs33)。
【0068】
図22に図示する個別マスにおいては、携帯端末33において、前記マスが読み取りを済ませて記憶部21にポイント数が記憶されているか否かを判断し(ステップs34)、新たな読み取りマスであれば、ステップs26へジャンプする。なお、読み取り済みであれば、読み取り済みのエラー表示をすればよい(ステップs35)。
【0069】
なお、年度と所有者のIDを読み込むことで、確認ボタンをタップすることなく、自動的に管理サーバへデータが送信され、ユーザ情報がタブレット画面へ表示すれば、年度・所有者確認用送信ボタンは設けなくてもよい。
【0070】
本実施の形態によれば、手帳の一区画に記録された取得権を手作業で数える必要がないから、簡単に価値を提供することができる。
【0071】
また、ポイント集計リスト27に保存されている各利用者30の取得価値であるポイント合計量に応じて同等の金額を各該当口座へ振り込むようにしてもよく、さらに、健康管理意欲が沸くという効果が期待できる。
【0072】
実施の形態5.
【0073】
本実施の形態は前記実施の形態1における変形例であり、図1から図5をも参照して図23及び図24に基づいて説明する。前記実施の形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0074】
図23において、1は、スタンプラリーに用いるスタンプ用紙(紙製記録媒体)である。当該用紙1には、ラリーを達成して景品(一の価値)を取得できるスタンプ印(取得権)を記録するための一区画2が離れて配置して形成されている。
【0075】
ラリー参加者が用紙1を持ってスタンプラリーに参加してスタンプを獲得するために一区画2の記録面5へスタンプ器46により押印してもらうことで、記録面5へスタンプ印7(図3参照)が取得権として記録される。
【0076】
前記スタンプ器46は、図3に図示するスタンプ6における機構と図5に図示する読取器8における機構とを兼ね備え、当該読取器8における各種デバイスはスタンプ6に内蔵されて、図24に示すように、スタンプ器46の印面47からコード読取部9の開口部91が覗いている。
【0077】
本実施の形態においては、ラリーの各ポイント場所にて該当区画2へスタンプ器46が押印操作がなされてスタンプ印が記録される際に、当該区画2の位置データを用紙1に対応付けて保存すれば、ラリー用紙1毎に進捗状況を記録することができる。また、押印の際に次に押印される区画2の位置情報を同時に保存することにより、次のポイント場所で押印される区画2の位置は既に決定されており、不正による追加押印を防ぐこともできる。なお、スタンプ用紙に代えて、スタンプ台紙であってもよく、スタンプカードであってもよい。また、スタンプ6と読取器8とを用いて操作するようにしてもよい。
【0078】
なお、本発明においては、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画が複数並べて配置され、各一区画の前記コード情報を先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とに関連付けられる情報として設けてなる手帳における各コード情報に基づいて対応付けられた前記区画位置情報と前記価値情報とを記憶するコンピュータを、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録された一区画により前記読取手段を介して得られるコード情報に基づく情報を取得する手段、読み取るごとに次の区画を記憶する手段、当該区画を読み取ったときに記憶済み区画と同じであるか否かを判断する手段、同じであれば「OK」、異なっていれば「エラー」を出力する手段として機能させる価値管理プログラムとしても構成することもできる。
【0079】
また、一の価値を取得するためのコード情報を読取手段にて読取可能に設けたコード情報層と当該コード情報層に前記一の価値の取得権を記録すべく位置付けてなる記録面とを重ねて形成されている一区画が複数配置され、各一区画の前記コード情報を先に配置された一区画に対する区画位置情報と価値情報とに関連付けられる情報として設けてなる手帳における各コード情報に基づいて対応付けられた前記区画位置情報と前記価値情報とを記憶するコンピュータを、前記一区画のコード情報層に前記取得権を重ねて記録された一区画により前記読取手段を介して得られるコード情報に基づく情報を取得する手段と、取得した情報における一区画が当該一区画より先に配置され、当該一区画と対として記憶されている一区画であるか否かを判断する手段と、対になっている一区画であれば、前記先の一区画は既に取得権が記録されているとして記憶されているか否かを判断する手段と、当該対の一区画のいずれか一方が一の価値を前記手帳に対して発行済みであるか、当該対の両方の一区画に対して一の価値を前記手帳に対して発行済みとなるか否かによって、新たに一の価値を発行することを決定する決定手段として機能させる価値管理プログラムとしても構成することができる。
【0080】
さらに、本発明においては、管理システムが、記録媒体と、当該記録媒体に配置された一区画よりコード情報を読み取る読取手段と、当該読取手段から送信されるコード情報に基づく情報にしたがって前記記録媒体に対応させて一価値を発行する管理装置を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 ポイント収集カード(紙製記録媒体、スタンプ用紙、台紙、カード)
2 一区画
3 台紙
4 コード情報層
5 記録面
7 取得権
8 読取器(読取手段)
9 コード読取部
10 手帳
11 管理装置(タブレット)
12 パターン記憶部
13 送受信部
14、39 制御部
15 プログラム記憶部
16 タッチパネル表示部
17 ネットワーク通信部
18 BLE通信部
19 配布情報データベース
20 ポイント情報データベース
21 データベース記憶部(記憶部)
23 プログラム記憶部
24 手帳情報リスト
25 所有者情報リスト
26 ユーザ情報リスト
27 ポイント集計情報リスト
28 マス情報リスト(区画位置情報)
29 種別情報リスト(価値情報)
30 高齢者(参加対象者、利用者)
31 スタッフ
32 ポイント管理システム(価値管理システム)
33 携帯端末(作業端末)
34 手帳情報リスト
35 スタッフ情報リスト
36 ポイント管理サーバ(価値管理サーバ)
37 通信部
38 データベース記憶部
40 プログラム情報記憶部
41 スタッフカード
46 スタンプ器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24