(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074740
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04223 20160101AFI20240524BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20240524BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20240524BHJP
【FI】
H01M8/04223
H01M8/04858
H01M8/04537
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022208061
(22)【出願日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0156566
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ スン キュ
(72)【発明者】
【氏名】リ ジン ファ
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒョ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】シン ジュ ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ キュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】リ スン チュル
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AC05
5H127BA02
5H127BA58
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127DA19
5H127DA20
5H127DB53
5H127DB63
5H127DC44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置を提供する。
【解決手段】燃料電池に対する活性化を遂行する活性化部(110)、および活性化の遂行により定電流運転を遂行する運転遂行部(120)を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置において、
燃料電池に対する活性化を遂行する活性化部;および
前記活性化の遂行により定電流運転を遂行する運転遂行部を含む、装置。
【請求項2】
前記活性化部は、
活性化電流に基づいて活性化を再遂行する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記活性化部は、
前記活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記運転遂行部は、
前記活性化電流に基づいて定電流運転を遂行する、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記運転遂行部は、
前記定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて前記燃料電池を管理する燃料電池管理部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記燃料電池管理部は、
前記燃料電池のスタックモジュールの少なくとも一部を管理する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法において、
燃料電池に対する活性化を遂行する段階;および
前記活性化の遂行により定電流運転を遂行する段階を含む、方法。
【請求項8】
前記活性化を遂行する段階は、
活性化電流に基づいて活性化を再遂行する段階をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性化を遂行する段階は、
前記活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較する段階をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記運転を遂行する段階は、
前記活性化電流に基づいて定電流運転を遂行する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記運転を遂行する段階は、
前記定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて前記燃料電池を管理する段階をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記管理する段階は、
前記燃料電池のスタックモジュールの少なくとも一部を管理する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
燃料電池システムにおいて、
スタックモジュールを含み、
前記燃料電池システムは、
燃料電池に対する活性化が遂行され、
前記活性化の遂行により定電流運転が遂行される、燃料電池システム。
【請求項14】
前記燃料電池に対する活性化は、
活性化電流に基づいて再遂行される、請求項13に記載の燃料電池システム。
【請求項15】
前記スタックモジュールの少なくとも一部は、
前記定電流運転の遂行中に電圧の変化に基づいて管理される、請求項13に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施例は燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置および方法、および燃料電池システムに関し、具体的には、建物の発電用燃料電池の定電流評価の性能向上および電圧減少率改善のための回復モード運転ロジックに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は発電システム上で一定の電流を絶えず発生させ、低電流領域で定電流で連続的な運転が遂行される。
【0003】
燃料電池は定電流評価を連続運転で進行しながら、燃料電池の触媒として使われる白金(Pt)の表面に酸化物が生成され、このように生成された酸化皮膜によって白金触媒の反応性が減少することになるため、燃料電池の性能が減少し電圧減少率が増加する問題がある。
【0004】
しかし、このような問題などを解決するための研究が進行されてはいるものの、問題の解決が難しいのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池に対する活性化を遂行する活性化部;および前記活性化の遂行により定電流運転を遂行する運転遂行部を含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例に係る前記活性化部は、活性化電流に基づいて活性化を再遂行することができる。
【0007】
一実施例に係る前記活性化部は、前記活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較することができる。
【0008】
一実施例に係る前記運転遂行部は、前記活性化電流に基づいて定電流運転を遂行できる。
【0009】
一実施例に係る前記運転遂行部は、前記定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて前記燃料電池を管理する燃料電池管理部をさらに含むことができる。
【0010】
一実施例に係る前記燃料電池管理部は、前記燃料電池のスタックモジュールの少なくとも一部を管理することができる。
【0011】
一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法は、燃料電池に対する活性化を遂行する段階;および前記活性化の遂行により定電流運転を遂行する段階を含むことができる。
【0012】
一実施例に係る前記活性化を遂行する段階は、活性化電流に基づいて活性化を再遂行する段階をさらに含むことができる。
【0013】
一実施例に係る前記活性化を遂行する段階は、前記活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較する段階をさらに含むことができる。
【0014】
一実施例に係る前記運転を遂行する段階は、前記活性化電流に基づいて定電流運転を遂行できる。
【0015】
一実施例に係る前記運転を遂行する段階は、前記定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて前記燃料電池を管理する段階をさらに含むことができる。
【0016】
一実施例に係る前記管理する段階は、前記燃料電池のスタックモジュールの少なくとも一部を管理することができる。
【0017】
一実施例に係る燃料電池システムは、スタックモジュールを含み、前記燃料電池システムは、燃料電池に対する活性化が遂行され、前記活性化の遂行により定電流運転が遂行され得る。
【0018】
一実施例に係る前記燃料電池に対する活性化は、活性化電流に基づいて再遂行され得る。
【0019】
一実施例に係る前記スタックモジュールの少なくとも一部は、前記定電流運転の遂行中に電圧の変化に基づいて管理され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置に対するブロック図である。
【
図2】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のフローチャートである。
【
図3】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のスキャニング(Scanning )1.8A/cm
2方式に対するフローチャートである。
【
図4】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のスキャニング 0.4V方式に対するフローチャートである。
【
図5】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のソーキング(Soaking)方式に対するフローチャートである。
【
図6】一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のセル温度下降方式に対するフローチャートである。
【
図7】一実施例に係る燃料電池システムのブロック図である。
【
図8】一実施例に係る燃料電池システムを示す図面である。
【
図9】一実施例に係る燃料電池システムのスタックモジュールを示す図面である。
【
図10】一実施例に係る白金触媒表面の拡大を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0023】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈できるであろう。
【0024】
また、本発明の実施例で使われた用語は、実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0025】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0026】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0027】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0028】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0029】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」と表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含み得る。
【0030】
以下、添付された図面を参照して実施例を詳細に説明するものの、図面符号にかかわらず同一または対応する構成要素は同一の参照番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0031】
図1は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置に対するブロック図である。
【0032】
一実施例によると、燃料電池システム101の運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池に対する活性化を遂行する活性化部110、および活性化の遂行により定電流運転を遂行する運転遂行部120を含むことができる。
【0033】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池システム101、燃料電池、コンピューティングデバイス、電子回路、電気回路、半導体などの少なくとも一部を含むことができる。また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池システム101に含まれ得る。
【0034】
一実施例によると、活性化部110は、活性化電流に基づいて活性化を再遂行することができる。
【0035】
一実施例によると、活性化部110は、活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較することができる。
【0036】
一実施例によると、運転遂行部120は、活性化電流に基づいて定電流運転を遂行できる。
【0037】
一実施例によると、運転遂行部120は、定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて燃料電池を管理する燃料電池管理部(図示されず)をさらに含むことができる。燃料電池は燃料電池システム101の少なくとも一部に含まれ得る。
【0038】
一実施例によると、燃料電池管理部は、燃料電池/燃料電池システムのスタックモジュールの少なくとも一部を管理することができる。
【0039】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、白金触媒表面に形成された酸化皮膜を除去し燃料電池セル(cell)の内部を水和(水化)させて、定電流運転においてより燃料電池の性能を向上させ、電圧減少率を改善できる回復モード運転ロジックを提供できる長所がある。
【0040】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、建物の発電用燃料電池の定電流評価を長時間運転する場合、周期的に白金触媒表面の酸化皮膜を除去し燃料電池セル(cell)の内部を水和させることによって、燃料電池の性能を向上させて電圧減少率を改善させることができる環境を提供できる効果がある。
【0041】
図2は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のフローチャートである。
【0042】
一実施例によると、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法の各段階は、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置の構成要素のうち少なくとも一部によって遂行され得る。
【0043】
段階(201)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池に対する活性化を遂行できる。
【0044】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流に基づいて活性化を再遂行することができる。
【0045】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流に関する値と予め設定された臨界値を比較することができる。
【0046】
段階(202)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化の遂行により定電流運転を遂行できる。
【0047】
一実施例によると、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流に基づいて定電流運転を遂行できる。
【0048】
一実施例によると、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転を遂行中に電圧の変化に基づいて燃料電池を管理することができる。
【0049】
一実施例によると、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池のスタックモジュールの少なくとも一部を管理することができる。
【0050】
図3は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のスキャニング(Scanning )1.8A/cm
2方式に対するフローチャートである。
【0051】
図3を参照すると、スキャニング 1.8A/cm
2方式が適用された運転ロジックが分かる。
【0052】
段階(302)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、まず燃料電池の始動を遂行し、この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH(Relative Humidity)100%であり、SR(Stoichiometric Ratio(化学量論比))はAn(H2):Ca(Air)=1.5:2.0にして最大流量を注入することができる。
【0053】
段階(304)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後初期活性化段階としてCV(Constant Voltage(定電圧))モードでOCV⇔0.4Vを0.1Vずつスキャンし、0.4Vで4分維持することができる。
【0054】
段階(306)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、0.4Vでの電流密度値が1.6A/cm2のように予め設定された値以下であれば、活性化を追加でさらに進行することができる。
【0055】
段階(308)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流密度値/飽和状態(saturation)が1.6A/cm2(予め設定された値/臨界値)以上であれば、定電流運転を進行/遂行できる。この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH100%であり、SRはAn(H2):Ca(Air)=1.33:2.0であって、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、CC(Constant Current(定電流))モードに変更した後、564mA/cm2を印加して電圧を測定することができる。
【0056】
段階(310)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後定電流運転が完了したかどうかを確認することができる。
【0057】
段階(312)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了していないと判断する場合、定電流評価進行1時間後、10分の間の平均電圧を計算した後に、平均電圧より現在電圧が1%以上減少したかどうかを確認することができる。
【0058】
段階(314)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、平均電圧より現在電圧が1%以上減少した場合、スキャニング 1.8A/cm2を適用することができる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 1.8A/cm2方式でCCモードを維持して564mA/cm2⇔1.8A/cm2を0.2A/cm2ずつスキャンし、1.8A/cm2で1分維持させることができる。
【0059】
段階(316)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了したと判断する場合、燃料電池を停止させることができる。
【0060】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 1.8A/cm2方式を適用したプロトコルを提供することができ、定電流を進行1時間後の少なくとも一定時間の間の平均電圧より1%以下に(予め設定された比率以下に)電圧が減少する場合、スキャニング 1.8A/cm2を適用することができる。
【0061】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、建物用の燃料電池に対して定電流運転を遂行できる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転終了時点(50時間)を基準として既存REF対比スキャニング 1.8A/cm2の燃料電池性能は12mV向上して進行され、既存REFの電圧減少率は10時間対比50時間で225μV/hrであったが、スキャニング 1.8A/cm2の電圧減少率は10時間対比50時間で14μV/hrであり、既存REF対比約94%減少して電圧減少率が改善されたものと実験結果が示された。
【0062】
また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、REFを通じてスキャニング 1.8A/cm2を適用した運転法と初期5時間の挙動が同一であることを確認して燃料電池の劣化に影響がないことを確認した。
【0063】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 1.8A/cm2方式の回復運転法を利用してセル電圧を0.5V以下に下げて白金触媒表面の酸化皮膜を除去するとともに、一時的な高出力状態でセル内部を水和させて燃料電池の性能および電圧減少率を改善することができる。また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、セル性能によりスキャニング範囲を0.5V以下に減少させることができる電流密度に変更して適用可能である。
【0064】
図4は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のスキャニング 0.4V方式に対するフローチャートである。
【0065】
図4を参照すると、スキャニング 0.4V方式が適用された運転ロジックが分かる。
【0066】
段階(402)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、まず燃料電池の始動を遂行し、この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH(Relative Humidity)100%であり、SR(Stoichiometric Ratio)はAn(H2):Ca(Air)=1.5:2.0にして最大流量を注入することができる。
【0067】
段階(404)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後初期活性化段階としてCV(Constant Voltage)モードでOCV⇔0.4Vを0.1Vずつスキャンし、0.4Vで4分維持することができる。
【0068】
段階(406)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、0.4Vでの電流密度値が1.6A/cm2のように予め設定された値/臨界値以下であれば、活性化を追加でさらに進行することができる。
【0069】
段階(408)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流密度値/飽和状態(saturation)が1.6A/cm2(予め設定された値/臨界値)以上であれば、定電流運転を進行/遂行できる。この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH100%であり、SRはAn(H2):Ca(Air)=1.33:2.0であって、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、CC(Constant Current)モードに変更した後、564mA/cm2を印加して電圧を測定することができる。
【0070】
段階(410)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後定電流運転が完了したかどうかを確認することができる。
【0071】
段階(412)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了していないと判断する場合、定電流評価進行1時間後、10分の間の(少なくとも一定時間の)平均電圧を計算した後に、平均電圧より現在電圧が1%以上減少したかどうかを確認することができる。
【0072】
段階(414)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、平均電圧より現在電圧が1%以上減少した場合、スキャニング 0.4Vを適用することができる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 0.4V方式でCCモードをCVモードに変更後、0.7V⇔0.4Vを0.1Vずつスキャンし、0.4Vで1分維持させることができる。
【0073】
段階(416)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了したと判断する場合、燃料電池を停止させることができる。
【0074】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 0.4V方式を適用したプロトコルを提供することができ、定電流を進行1時間後の少なくとも一定時間の間の平均電圧より1%以下に(予め設定された比率以下に)電圧が減少する場合、スキャニング 0.4Vを適用することができる。
【0075】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、建物用の燃料電池に対して定電流運転を遂行できる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転終了時点(50時間)を基準として既存REF対比スキャニング 0.4Vの燃料電池性能は12mV向上して進行され、既存REFの電圧減少率は10時間対比50時間で275μV/hrであったが、スキャニング 0.4Vの電圧減少率は10時間対比50時間で11μV/hrであり、既存REF対比約96%減少して電圧減少率が改善されたものと実験結果が示された。
【0076】
また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、REFを通じてスキャニング 0.4Vを適用した運転法と初期5時間の挙動が同一であることを確認して燃料電池の劣化に影響がないことを確認した。
【0077】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、スキャニング 0.4V方式の回復運転法を利用してセル電圧を0.5V以下に下げて白金触媒表面の酸化皮膜を除去するとともに、一時的な高出力状態でセル内部を水和させて燃料電池の性能および電圧減少率を改善することができる。
【0078】
図5は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のソーキング(ソークすること)(Soaking)方式に対するフローチャートである。
【0079】
図5を参照すると、ソーキング(Soaking)方式が適用された運転ロジックが分かる。
【0080】
段階(502)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、まず燃料電池の始動を遂行し、この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH(Relative Humidity)100%であり、SR(Stoichiometric Ratio)はAn(H2):Ca(Air)=1.5:2.0にして最大流量を注入することができる。
【0081】
段階(504)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後初期活性化段階としてCV(Constant Voltage)モードでOCV⇔0.4Vを0.1Vずつスキャンし、0.4Vで4分維持することができる。
【0082】
段階(506)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、0.4Vでの電流密度値が1.6A/cm2のように予め設定された値/臨界値以下であれば、活性化を追加でさらに進行することができる。
【0083】
段階(508)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流密度値/飽和状態(saturation)が1.6A/cm2(予め設定された値/臨界値)以上であれば、定電流運転を進行/遂行できる。この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH100%であり、SRはAn(H2):Ca(Air)=1.33:2.0であって、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、CC(Constant Current)モードに変更した後、564mA/cm2を印加して電圧を測定することができる。
【0084】
段階(510)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後定電流運転が完了したかどうかを確認することができる。
【0085】
段階(512)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了していないと判断する場合、定電流評価進行1時間後、10分の間の(少なくとも一定時間の)平均電圧を計算した後に、平均電圧より現在電圧が1%以上減少したかどうかを確認することができる。
【0086】
段階(514)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、平均電圧より現在電圧が1%以上減少した場合、ソーキングを適用することができる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、ソーキング方式でセル温度下降とシステムオフ(OFF)が合わせられた概念の方式を提供することができる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、CCモードをOCV(Open Circuit Voltage)モードに変更後にセル温度の下降を開始し、セル温度の下降時にはRH100%を維持してセル温度を常温まで低くすることができる。この後、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、燃料電池システムオフ(OFF)をして1時間維持させることができる。
【0087】
段階(516)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、1時間後に燃料電池システムを再始動させることができる。この時、始動条件は燃料電池始動の段階(502)と同一であってもよい。
【0088】
段階(518)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、前処理(Pre-conditioning)工程を5回(予め設定された回数)進行/遂行できる。この時、方式は初期活性化の段階(504)と同一であってもよい。
【0089】
段階(520)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了したと判断する場合、燃料電池を停止させることができる。
【0090】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、ソーキング方式を適用したプロトコルを提供することができ、定電流を進行1時間後の少なくとも一定時間の間の平均電圧より1%以下に(予め設定された比率以下に)電圧が減少する場合、ソーキングを適用することができる。
【0091】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、建物用の燃料電池に対して定電流運転を遂行できる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転終了時点(50時間)を基準として既存REF対比ソーキングを適用後の燃料電池性能は11mV向上して進行され(初期活性化後の初期10時間定電流運転)、REF対比ソーキングの燃料電池性能は13mV向上して進行された。
【0092】
REFの電圧減少率は10時間対比50時間で225μV/hrであったが、ソーキングの電圧減少率は10時間対比50時間で7μV/hrであり、REF対比約97%減少して電圧減少率が改善されたものと実験結果が示された。
【0093】
また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、REFを通じてソーキングを適用した運転法と初期5時間の挙動が同一であることを確認して燃料電池の劣化に影響がないことを確認した。
【0094】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、ソーキング方式の評価法を利用してセル温度下降で過飽和状態にさせてセルの内部を水和させ、セル電圧を0.5V以下に下げて白金触媒表面の酸化皮膜を除去して燃料電池の性能および電圧減少率を改善させることができる。
【0095】
図6は、一実施例に係る燃料電池システムの運転ロジックを提供するための方法のセル温度下降方式に対するフローチャートである。
【0096】
図6を参照すると、セル温度下降方式が適用された運転ロジックが分かる。
【0097】
段階(602)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、まず燃料電池の始動を遂行し、この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH(Relative Humidity)100%であり、SR(Stoichiometric Ratio)はAn(H2):Ca(Air)=1.5:2.0にして最大流量を注入することができる。
【0098】
段階(604)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後初期活性化段階としてCV(Constant Voltage)モードでOCV⇔0.4Vを0.1Vずつスキャンし、0.4Vで4分維持することができる。
【0099】
段階(606)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、0.4Vでの電流密度値が1.6A/cm2のように予め設定された値/臨界値以下であれば、活性化を追加でさらに進行することができる。
【0100】
段階(608)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、活性化電流密度値/飽和状態(saturation)が1.6A/cm2(予め設定された値/臨界値)以上であれば、定電流運転を進行/遂行できる。この時、セル(cell)温度は65℃、相対湿度はRH100%であり、SRはAn(H2):Ca(Air)=1.33:2.0であって、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、CC(Constant Current)モードに変更した後、564mA/cm2を印加して電圧を測定することができる。
【0101】
段階(610)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、この後定電流運転が完了したかどうかを確認することができる。
【0102】
段階(612)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了していないと判断する場合、連続運転時間が予め設定された時間(例えば5時間)以上なのかどうかを確認することができる。
【0103】
段階(614)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、連続運転時間が予め設定された時間以上である場合(例えば、定電流評価を連続5時間運転する場合、セル温度下降方式を利用/遂行して燃料電池のセル温度を下降させることができる。この時、セル温度を下降させることは、定電流は維持し続けながら、セル温度をのみ30℃まで1時間の間下げることを含むことができる。
【0104】
段階(616)で、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転が完了したと判断する場合、燃料電池を停止させることができる。
【0105】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、セル温度下降方式を適用したプロトコルを提供することができ、定電流運転5時間ごとにセル温度下降を適用することができる。
【0106】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、建物用の燃料電池に対して定電流運転を遂行できる。燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、定電流運転終了時点(40時間)を基準として既存REF対比セル温度下降を適用した燃料電池性能は4mV向上して進行された。
【0107】
REFの電圧減少率は10時間対比40時間で267μV/hrであったが、セル温度下降適用運転法の電圧減少率は10時間対比40時間で141μV/hrであり、REF対比約47%減少して電圧減少率が改善されたものと実験結果が示された。
【0108】
また、燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、REFを通じてセル温度下降を適用したプロトコルと初期5時間の挙動が同一であることを確認して燃料電池の劣化に影響がないことを確認した。
【0109】
燃料電池システムの運転ロジックを提供するための装置は、セル温度下降法方式を利用して、一時的に過飽和状態にさせてセル内部を水和させて燃料電池の性能および電圧減少率を改善させることができ、水和のみの燃料電池の性能および電圧減少率の改善の程度を把握することができる。
【0110】
図7は、一実施例に係る燃料電池システムのブロック図である。
【0111】
一実施例によると、燃料電池システム700は、スタックモジュール701を含むことができ、燃料電池システム700は、燃料電池に対する活性化が遂行され、活性化の遂行により定電流運転が遂行され得る。
【0112】
一実施例によると、燃料電池に対する活性化は、活性化電流に基づいて再遂行され得る。
【0113】
一実施例によると、スタックモジュール701の少なくとも一部は、定電流運転の遂行中に電圧の変化に基づいて管理され得る。
【0114】
燃料電池システム700の少なくとも一部は、前述した装置または方法の少なくとも一部によって管理され得る。
【0115】
図8は、一実施例に係る燃料電池システムを示す図面である。
【0116】
図8を参照すると、PEMFCシステムの模式図であって、PEMFCシステム(System)中に燃料の供給を受けて電力を生産するスタックモジュール(Stack Module)801が分かる。スタックモジュール801は複数枚のMEAが積層されて一つのスタック(Stack)として構成され得る。
【0117】
燃料電池システムのそれぞれの構成要素は他の構成要素のうち少なくとも一部と連結され得る。燃料電池システムは
図8に図示された部品のうち少なくとも一部を構成要素として含むことができる。
【0118】
図9は、一実施例に係る燃料電池システムのスタックモジュールを示す図面である。
【0119】
図9を参照すると、PEMFCのユニットセル(Unit-cell)の模式図であって、一つのMEAでunit-cellを構成したことが分かる。この時、アノード(Anode)とカソード(Cathode)にPt/C電極がそれぞれ存在し、燃料電池の反応により白金(Pt)触媒の表面に酸化物が生成され得る。
【0120】
燃料電池システムの少なくとも一部の構成要素は下記の化学式を利用することができる。
【0121】
【0122】
図10は、一実施例に係る白金触媒表面の拡大を示す図面である。
【0123】
図10を参照すると、白金触媒の表面(
図9の901)を拡大した模式図であって、前述した回復モードを適用させた後に白金酸化物皮膜1001が除去された様子が分かる。
【0124】
本実施例で使われる「~部」という用語は、ソフトウェアまたはFPGA(field-programmable gate array)またはASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「~部」は何らかの役割を遂行する。しかし、「~部」はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。「~部」はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されてもよく、一つまたはそれ以上のプロセッサを再生させるように構成されてもよい。したがって、一例として「~部」はソフトウェア構成要素、客体指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシジャー、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含む。構成要素と「~部」内で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および「~部」で結合されたり追加的な構成要素と「~部」にさらに分離され得る。それだけでなく、構成要素および「~部」はデバイスまたはセキュリティマルチメディアカード内の一つまたはそれ以上のCPUを再生させるように具現されてもよい。
【0125】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解され得るであろう。