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▶ 北山 正弘の特許一覧

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  • 特開-基板使用によるコイル巻線との接続法 図1
  • 特開-基板使用によるコイル巻線との接続法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074741
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】基板使用によるコイル巻線との接続法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240524BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
H02K3/50
H05K3/34 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022212958
(22)【出願日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】523028714
【氏名又は名称】北山 正弘
(72)【発明者】
【氏名】北山 正弘
【テーマコード(参考)】
5E319
5H604
【Fターム(参考)】
5E319AA09
5E319AB10
5E319AC01
5E319CC11
5E319CC12
5E319GG15
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB09
5H604BB10
5H604QB03
5H604QB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】余分な絶縁処理を省く事ができ、構造の簡素化によるコストダウンも可能となる交流三相誘導電動機を提供する。
【解決手段】銅線の接続部をコイル層間に押し込む事を防止する為に基板を使用し、基板には使用される極数のモータの極の中性点部分に穴を空けて銅線を通過させる。この際銅線には絶縁チューブ処理を行っても通過できる穴径とする。作業性を優先する為、極数によって専用の穴位置とする。基板の固定方法としては、全体をコンプレッサーモータハウジング内径に圧入する方法、円周の一部分を圧入する方法(約50%)ステータコアに付属されているビス穴等を利用してピンで固定する方法等がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルからの中性点等の接続部をコイルの層間に押し込んで成型する。又はコイルエンド上部への取付後成型する事も含め、これらの事をしない方法で基板を用いて接続部を形成する又は隔離する方法
【請求項2】
基板に中性点短絡の為の銅箔を印刷したもの
【請求項3】
基板に中性点短絡の為の銅線(編組線等も含む)を別に用意したもの
【請求項4】
中性点の短絡には、特別な材料を使わず、コイルの中性線を、そのまま3本基板の上で半田付、圧着、TIG溶接等をする。
【請求項5】
電源への接続は、コイル線に直接旗型端子を圧着するもの(信頼性向上の為圧着部に半田処理を施す事もある)
【請求項6】
基板にはモータの極数に応じて、コイルよりとり出すべき場所に穴を明けておく基板
【請求項7】
コンプレッサー本体のハウジングに基板を装着する方法
7-1)ハウジング内径にちょうど圧入するべく同寸法をもった直径をもった基板
7-2)ハウジング内径に圧入する為、部分的に基板直径を圧入寸法にしたもの(約50%程度とする)
7-3)ハウジング内径より小さな基板を用いモータコアのビス穴等を利用し取り付け金具を使ったもの(金具は4~6ヶ所程度)
【請求項8】
対象モーター
8-1)交流モーター 単相誘導電動機,三相誘導電動機
8-2)回転子にマグネットを使用した同期電動機
8-3)インバータ制御を施したモーター
8-4)電気自動車用モータ EV.直流モーターも含む
【発明の詳細な説明】
(発明の目的)
交流モータを代表する単相及び三相誘導電動機において、そのコイル部分の初期不良の減少及び信頼性の向上を目的とするものである。又現行の結線方法は自動化が難かしく、手作業に対する人権費の割合が高く、コスト的な問題が発生する。今回の発明では、基板を使う事により、構造を簡素化する事と共に信頼性を向上する事とコストダウン、生産性向上等を目的とする。
【発明が解決しようとする課題】
本発明を推進する原因としては、空調機や冷凍冷蔵機器に使用されているコンプレッサーのコイル部分でのレアショートが多く発生している。この原因としては、三相の中性点の結線部及びU、V、W相の結線部等をコイルの層間に押し込んで成型する為に銅線に対し大きなストレスを与える事となり、その銅線への変形が、レアショートに到るものである。なお中性点等の結線部は絶縁チューブ等を含めると5φ以上の大きとなってしまう。これだけの大きさの結線部をコイル層間に押し込んで成型する為、銅線にへこみや、ひどい時には断線に至る事もある。(写真もあり)
このへこみ等により、銅線の被覆が傷付き、レアショートしやすくなる。
(業界の背景)
コンプレッサーの業界では固定子完成品(白コイルと呼ぶ事が多い)や回転子(ロータ)単品での販売が多くのメーカーで一般的である。従って外販する場合、寸法の外に外観が美しくなければならないその為、結線部を見せない方が美しく見えるとメーカーが判断した為である。この事は自動車業界で現在推進されているEV化においては、モーターの外販はコンプレッサー業界以上に一般的となる。EV用モーターも構造的に同様の為、信頼性向上の為には現行方式の結線部を変更すべきである。特に自動車の場合、運転中での故障は人命の危機を招く事もある為、本発明の採用が必要であると考える。
【発明の効果】
信頼性の向上、初期不良の減少、自動化推進が可能
人員削減が可能、コストダウン、構造の簡素化
(補足説明)(銅線へのストレスがレアショートに発展する原因(写真添付))
銅線に局部的な圧力をかける事により、銅線の断面積の変化及び絶縁被膜の変化が生ずる(いずれも減少傾向)
以上の様に銅線の変形は信頼性に大きく影響する。添付した写真に指してあるが、接続部をコイルの層間等に押し込むと、周囲の銅線に強裂なストレスを与えている、写真に指してある機種でもコイル幅は15mm程度であり、接続部の大きさが5mm程度ある為、コイル整形時のプレス圧によるストレスは想像できない程である。
【図面の簡単な説明】
図1】図面I 2極スター結線6スロットの場合の基板
図2】図面II 同上のスロット位置とコイルの結線状態
図3】図面III 2極スター結線6スロットの場合の基板 基板上に結線のパターンを印刷したもの
図4】図面IV 同上のスロット位置とコイルの実装状態
図5】図面V 4極スター結線12スロットの場合の基板
図6】図面VI 同上のスロット位置とコイルの結線状態
図7】図面VII 4極スター結線12スロットの場合の基板 基板上に結線パターンを印刷したもの
図8】図面VIII 同上のスロット位置とコイルの実装状態
図9
図面IX コンプレッサーへの基板の実装状態と基板の装着方法を設明したもの
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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