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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024074751
(43)【公開日】2024-05-31
(54)【発明の名称】試験システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/007 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
G01M17/007 B
G01M17/007 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023059434
(22)【出願日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2022186048
(32)【優先日】2022-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】502383889
【氏名又は名称】キーコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147142
【弁理士】
【氏名又は名称】石森 昭慶
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 洋介
(72)【発明者】
【氏名】千秋 豊
(72)【発明者】
【氏名】関山 健太
(57)【要約】
【課題】試験室内において、車載センサーを搭載した車両の走行状態を再現するとともに、限られたスペースで、車載センサー及び車両の動作を総合的に検証すること。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配する、試験システムを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配し、
該車両の運転状況を監視するために、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視する第1監視カメラを更に備え、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、試験システム。
【請求項2】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配し、
該車両の運転状況を監視するために、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視する第1監視カメラを更に備え、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、試験システム。
【請求項3】
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項1に記載の試験システム。
【請求項4】
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項2に記載の試験システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項6】
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラを更に備える、請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項7】
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項8】
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両の、前記車両と、前記車両に対する前記ターゲット情報である前記前方車両との前記車間距離(m)を表示するメーターを監視する前記第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、請求項1に記載の試験システム。
【請求項9】
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両の、前記車両の速度(km/h)と、前記車両に対する前記ターゲット情報である前記前方車両の速度(km/h)との前記相対速度(km/h)を表示するメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、請求項2に記載の試験システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項11】
電波暗室内で構築された、請求項1又は2に記載の試験システム。
【請求項12】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、前記前後の車輪の回転数を監視することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
【請求項13】
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項12に記載の試験方法。
【請求項14】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、該前後の車輪の回転数を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
【請求項15】
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項14に記載の試験方法。
【請求項16】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、前記前後の車輪の回転数を監視することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
【請求項17】
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項16に記載の試験方法。
【請求項18】
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、該前後の車輪の回転数を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
【請求項19】
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、請求項18に記載の試験方法。
【請求項20】
前記試験室内における、前記少なくとも1つの車載センサーを搭載した前記自動車の前記車両の実動の試験方法である、請求項12から19のいずれか一項に記載の試験方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムに関し、詳しくは、ローラー(シャーシダイナモと称する場合がある。)、センサーを騙す装置等を利用した車載センサー搭載車両の室内総合実動試験をするための試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転の自動車(車)の開発にあたっては、車両に搭載したレーダーやカメラなどのセンサーを用いて周辺状況を観察し、観察して得たデータに基づいて自動的にブレーキをかける、加減速する、ハンドルを廻す等の機能を適切に実行できるかを総合的に検証する必要がある。例えば、特許文献1では、自動運転テストシステムに関する技術が提案されている。
【0003】
こうした機能の検証のためには、開発中の車両を実際に公道上で走行させ、上記の機能を検証するのが理想的であるが、気象状況や道路の混雑状況などの影響、関係者との調整にかかる手間などの非効率性の問題が発生する。
【0004】
この問題を解決するためには、試験室内における試験を適宜組み合わせる必要がある。しかし、車載センサーを搭載した車両を室内に設置するだけでは、車載センサーの機能しか検証できない。また、単にローラーに車両を載せて車輪を回転させても、前輪・後輪はそれぞれ別の平面(ローラーの回転機構)上にあるため、車輪の回転が同期せず、現実の走行状態からの乖離の問題が生じる。
【0005】
さらに、試験室内で試験を行う場合、室内のスペースの制約(スペースの面積、スペースの高さ等の制約)から、前方車や歩行者などのセンサーの標的を実際に手配し動作させることはできない。また、前方者や歩行者などを実際に手配することができたとしても、手配する労力が余計な負担になったり、室内のスペースの制約上、試験を行ううえで、非効率化になり得ることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-96958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものである。本発明が解決しようとする課題は、室内において車載センサーを搭載した車両の走行状態を再現するとともに、限られたスペースで、車載センサー及び車両の動作を総合的に検証することであり、また、試験の効率性の向上や、試験の簡便性の向上や、試験の利便性の向上や、さらには、試験の効率性の向上と試験の簡便性の向上と試験の利便性の向上との両立を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、室内で車両の走行状態を再現するとともに、センサーを騙す装置を用いて標的(ターゲット)を模擬することで、コンパクトに車載センサー・車両の試験を実施できることを特徴とし、
少なくとも1つの車載センサーを装着した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、該車両に装着された該車載センサーの周辺に、センサーを騙す装置を配する、試験システムを提供する。なお、車載センサーの周辺とは、例えば、車載センサーの前方、後方、右方、左方等を含む概念である(以下同じ。)。そして、車輪はタイヤを含む概念としてとらえてもよい(以下、同じ。)。
【発明の効果】
【0009】
本発明におけるローラーは、前輪用と後輪用とが同期しているため、車載センサーで得た情報が自然に反映され、誤動作の原因にならない。なお、ローラーの回転数及びローラーの負荷変動を利用することにより、自動車の運転動作及び外部から自動車へ加える負荷動作が数値で分かる。
【0010】
また、メーター類(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)を第1監視カメラで観察したり、自動車の前後の車輪(前輪及び後輪)の回転状況(回転数、回転状態等)を第2監視カメラで観察したり、車両が発する音(例えば、異音、異常音、警告音、正常音等)をマイクロフォンで検知したり、又はメーター類を第1監視カメラで観察すること及び自動車の前後の車輪(前輪及び後輪)の回転状況(回転数、回転状態等)を第2監視カメラで観察すること並びに車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両が発する異常音、車両が発する警告音、車両が発する注意音等)をマイクロフォンで検知することとの両方により、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、たとえ、試験室(実験室)から遠隔である場合であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができ、さらには、試験室内が無人(実験室内が無人(試験者(実験者)、運転手等が居ないこと。)である場合であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0011】
また、本発明においては、室内において車載センサーを搭載した車両(自動車)の走行状態を再現し、車載センサー及び車両の機能・動作を総合的に検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ローラー、第1監視カメラ、及び第2監視カメラの動作を説明するための図である。
図2図2は、条件設定器を中心にシナリオ発生器と突発発生器とで車両を試験することを説明するための図である。
図3図3は、車両の動作を最適化させることを説明するための図である。
図4図4は、車載センサー単品の試験をする方法を説明するための図である。
図5図5は、自動車の反応を見るための試験(HILS試験)をする方法を説明するための図である。
図6図6は、自動車の反応を見るための試験(実車試験)をする方法を説明するための図である。
図7図7は、ローラー、第1監視カメラ、第2監視カメラ、及びマイクロフォンとの動作を説明するための図である。
図8図8は、条件設定器を中心にシナリオ発生器と突発発生器とで車両を試験することを説明するための図である。
図9図9は、車両の動作を最適化させることを説明するための図である。
図10図10は、自動車の反応を見るための試験(実車試験)をする方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第1の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置とを少なくとも有する。本実施形態(第1の実施形態)を、図1を用いて説明する。車両Yには、車両の速度、各種の車載センサーが示す前方車両や歩行者などのターゲットの大きさや距離などを示すメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)及びレーダーA、カメラB(例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ等である。以下同じ。)、ライダーC、ソナーDなどが設置されている。
【0014】
ここで、車両Yに設置されている車間距離を表示するメーターとは、試験車(自車)と、その試験車(自車)の前方を走行する前方車等との車間距離(m)を表示するメーターである。以下にいくつかの車間距離を表示するメーターの例を挙げる。
・車間距離(m)を表示するメーターの例1
車間距離(m)を表示するメーターの例1においては、液晶パネル表示(ディスプレイ表示)として、0m~50m~100mの間隔で車間距離が表示される。
・車間距離(m)を表示するメーターの例2
車間距離(m)を表示するメーターの例2においては、液晶パネル表示(ディスプレイ表示)として、車間距離の設定を、「長」(車間距離が長い。)、「中」(車間距離が長くもなく、短くもなく、中程度である。)及び「短」(車間距離が短い。)とし、車間距離は車速に応じて変わり、速度が高いほど長くなる。例えば、車速100km/hで走行しているとき、車間距離の設定の「長」は約60mであり、車間距離の設定の「中」は約45mであり、車間距離の設定の「短」は約30mである。
・車間距離(m)を表示するメーターの例3
車間距離(m)を表示するメーターの例3は、アラーム機能付きの車間距離を表示するメーターである。車間距離の表示は、液晶パネル表示(ディスプレイ表示)である。例えば、第1設定の場合は、試験車(自車)の速度が80km/hであって、前方車との車間距離が80m未満でアラームが動作し、第2設定の場合は、試験車(自車)の速度が80km/hであって、前方車との車間距離が40m未満でアラームが動作する。
・車間距離(m)を表示するメーターの例4
車間距離(m)を表示するメーターの例4は、前方車両との車間時間を計測し、「推定車間距離」を液晶パネル表示(ディスプレイ表示)する。車間距離(m)を表示するメーターの例4によれば、車間時間表示に連動するのでこれまで目視で感覚的にチェックしていた前方車両との距離を、ビジュアル的に運転手(試験者)にわかりやすく通知することができる。
【0015】
また、車両Yに設置されている相対速度を表示するメーターとは、試験車(自車)の速度(km/h)と、その試験車(自車)の前方を走行する前方車等の速度(km/h)との速度(km/h)の差を表示するメーターである。すなわち、相対速度を表示するメーターとは、試験車(自車)から見た前方車等の速度(km/h)を表示するメーターである。例えば、試験車(自車)が40km/hで走行し、前方車が80km/hで走行しているとき、相対速度を表示するメーターは40km/hと表示され、試験車(自車)からは、前方車が40km/hで走行し、前方車が40km/hの速度で遠くに離れていくように見える(すなわち、試験車(自車)と前方車との車間距離(m)は時間経過とともに長くなっていく。)。
【0016】
試験車(自車)が80km/hで走行し、前方車が40km/hで走行しているとき、相対速度を表示するメーターは-40km/hと表示され、試験車(自車)からは、前方車が-40km/hで走行し、前方車が40km/hの速度で近くに接近してくるように見える(すなわち、試験車(自車)と前方車との車間距離(m)は時間経過とともに短くなっていく。)。
【0017】
そして、試験車(自車)が80km/hで走行し、前方車も同じく80km/hで走行しているとき、相対速度を表示するメーターは0km/hと表示され、試験車(自車)からは、前方車が0km/hで走行し、前方車は、走行していないように見える(すなわち、試験車(自車)と前方車との車間距離(m)は時間経過しても変化しない。)。
【0018】
車間距離を表示するメーター及び/又は相対速度を表示するメーターを用いることによって、車載センサー(例えば、レーダーA、カメラB(例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ等である。以下同じ。)、ライダーC、ソナーD等)前方との車間距離および相対速度を計測することができる。例えば、車間距離を表示するメーター及び/又は相対速度を表示するメーターを用いて、加速走行及び惰性走行を行っている試験車(自車)(試験車両)が、前方車(前方車両)に追随走行する場合、前方車の加速走行、惰性走行の開始タイミングに同期しての加速走行及び惰性走行を行うことによって前方車との安全車間距離をほぼ一定に保っての効率的な走行が可能となる。
【0019】
この車両Yが、ローラーFの上に載せられるか、ジャッキで持ち上げられるか、いずれかの状態になっている。本実施形態(図1を参照。)ではローラーFの場合を想定したものであるが、いずれの場合であっても、前輪と後輪とが連動しており、道路を走っている状態を実現し、車載センサーが正常に機能するようになっている。また、このローラーFは、ハンドルの回転などによるステアリング装置の動作にも対応でき、道路の坂を上り下りする場合の負荷を加えることもできる。また、図1に示さるように、レーダーA用のセンサーを騙す装置I、カメラB用のセンサーを騙す装置J、ライダーC用のセンサー騙す装置L(参照符号Kはスクリーンである。以下同じ。)、及びソナーD用のセンサーを騙す装置Mは、車両Yの周辺(周囲)に配置される。そして、詳しくは、レーダーA用のセンサーを騙す装置Iは、レーダーAの前方(図1の右方向)に配置され、カメラB用のセンサーを騙す装置Jは、カメラBの前方(図1の右方向)に配置され、ライダーC用のセンサー騙す装置Lは、ライダーCの前方(図1の右方向)に配置される。ソナーD用のセンサーを騙す装置Mは、ソナーDの後方(図1の左方向)に配置される。
【0020】
運転手は、車両Yの運転を開始し、正常に車両Yの車輪(タイヤ)Uが回転し、メーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)も正常に動作していることを確認する。運転手は車両Yの起動と停止の動作だけを行い、これ以外は車両から退出する。なお、車両Yの停止と起動との動作をロボットに任せてもよい。ところで、ロボットに、車両Yの停止と起動との動作を任せた状態は、試験室(実験室)内が無人状態であると考えることができる。
【0021】
次に、例えば、実験1として、レーダーA用のセンサーを騙す装置Iを使用し、前方をトラックが走り、このトラックが、車間距離100mから10mまで、相対速度50km/hで接近し、その後再び、車間距離100mまで離れる状況を繰り返してシミュレーションする。すると、車両Yは、前方車両が車間距離30mまで接近したところで減速を開始し、車間距離が10mになったところで停止しようとする。しかし、車間距離が離れると、車両Yは再び速度を上げていく。この繰り返しテストを10時間で行っても、各種車載センサー(レーダーA、カメラB、ライダーC又はソナーD)は正常に機能し、車両Yも、正常な動作を続けることができる。
【0022】
なお、レーダーA用のセンサーを騙す装置I(レーダー騙し装置Iと称してもよい。)の動作が不安定になるおそれがある場合は、レーダー騙し装置Iと、レーダーAとの間に電波吸収体から構成されるトンネルIIを配置してもよい。トンネルIIを配置すると、レーダー騙し装置Iの動作がより安定する。
【0023】
以上、本発明に係る第1の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、後述する本発明に係る第2~第24の実施形態に適用することができる。
【0024】
<第2の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第2の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本実施形態(第2の実施形態)を、図1を用いて説明する。本実施形態においては、第1監視カメラGaを車両Yのメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)の周辺(図1中では、左上後方)に配置し、第1監視カメラGaを用いて、車両Yの動作を監視する。また、第2監視カメラGb及びGcを車輪(タイヤ)U及びローラーFの周辺(図1中では、車輪(タイヤ)U及びローラーFの下方)に配置し、第2監視カメラGb及びGcを用いて、車輪(タイヤ)Uの動作を監視する。監視結果については、第1監視カメラGaの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイHaを介して確認し、第2監視カメラGb及びGcの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイHb及びHcを介して確認する。
【0025】
以上、本発明に係る第2の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1の実施形態及び後述する本発明に係る第3~第24の実施形態に適用することができる。
【0026】
<第3の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第3の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本実施形態(第3の実施形態)の構成を図2に示す。上述のとおり、第1及び第2の実施形態を実施して、車両Yが正常に動作していることを確認することができる。条件設定器SETからの指示に基づいてシナリオ発生器Nの中のシナリオを選定し、レーダーA用のセンサーを騙す装置I、カメラB用のセンサーを騙す装置J及びソナーD用のセンサーを騙す装置M、並びにライダーC用のセンサー騙す装置Lのそれぞれを操作する。また、SETからの指示に基づき、突発現象発生器EVNの中のシナリオを選択する。例えば、レーダー騙し装置Iは、人が車両の前を横断する状況を模擬することができる。この場合、レーダーAとレーダー騙し装置Iとの間に、少なくとも1つのアンテナが横方向に動くムービングアンテナなどが設置されてもよい。なお、以上の試験を電波暗室以外で行っている場合は、電波暗室W内に移動して試験をしてもよい。
【0027】
電磁波を車両Yに照射するための装置として、イミュニティ用送信アンテナSと、イミュニティ用発振器と増幅器と(参照符号Q)が設置される。なお、発振器の周波数は10KHzから6GHzまで可変することができる。また、車両のウィンドウガラスの下端から100mm離れたボンネット上の電界強度は、0~300V/mまで調整できる。イミュニティ用発振器及び増幅器Qとそれらを連結するケーブルが設置される。
【0028】
そして、加える電界の周波数と出力とが設定され、第1の実施形態の欄で説明をした実験1を繰り返し行ったところ、周波数550MHz、電界強度150V/m以上で、レーダーAを用いた運転制御に異常が出始め、加減速しなくなる。
【0029】
次に、車両Yから放射される電磁波を測定するための、エミッション受信アンテナS、エミッション受信器R及び接続用の同軸ケーブル(不図示)が設置される。
【0030】
そして、第1の実施形態の欄で説明をした実験1において、エミッション用受信器Rを監視したところ、100KHz付近で規定以上の電波を受信する。これは、モーター起動用のインバータからの漏洩と考えられる。そこで、インバータの改良作業の手配をし、インバータの改良をすることが好ましい。
【0031】
以上、本発明に係る第3の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第2の実施形態及び後述する本発明に係る第4~第24の実施形態に適用することができる。
【0032】
<第4の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第4の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本実施形態(第4の実施形態)を図3に示す。本発明に係る本実施形態(第4の実施形態)の試験システムは、車両Yを正確に動作させるECUのプログラムを修正するシステムである。
【0033】
条件設定器SETの値を基準値とし、この基準値を、データ比較器COMPに送る。一方、車両のメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)が示す実測値や車輪(タイヤ)Uの回転状況(回転数、回転状態等)を第1監視カメラGa並びに第2監視カメラGb及びGcを用いて、第1及び第2監視カメラ用ディスプレイHa、Hb及びHcから出力した値(実測値)や、ローラーFの回転数及び負荷変動値、及びECU又はHILなどと言われるECUの代替器からの出力値(実測値)をデータ比較器COMPに送る。そして、基準値と実測値との差をECUに送り、ECUのプログラムを最適化していく。または、これらの値の比較データを一旦条件設定器SETに送り、そこで総合評価をした後に、修正データをECUに送ってプログラムの最適化を行う。なお、運転手がいない場合(運転手を用いない場合)、ロボットなどを用いて、条件設定器SETから、操縦器DINに、運転指示を与えることとしてもよい。
【0034】
本発明に係る本実施形態(第4の実施形態)の試験システムにおいては、少なくとも1つの車載センサー(例えば、レーダーA)の周辺に少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が配され、車両Yの運転状況を監視するために、車両Yの、車両Yと、車両Yに対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーター(メーター類Eの一例)を監視する第1監視カメラGaが更に備えられて、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が示す、車両Yと、車両Yに対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を基準とし、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、試験者(実験者)が比較し、確認することができる。なお、試験者(実験者)は、試験車(自車)に乗車せずに、遠隔(試験室外)でも比較し、確認することができる。
【0035】
車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、上記のとおり比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該車間距離(m)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0036】
また、本発明に係る本実施形態(第4の実施形態)の試験システムにおいては、少なくとも1つの車載センサー(例えば、レーダーA)の周辺に少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が配され、車両Yの運転状況を監視するために、車両Yの、車両Yの速度(km/h)と、車両Yに対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーター(メーター類Eの一例)を監視する第1監視カメラGaが更に備えられて、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が示す、車両Yの速度(km/h)と、車両Yに対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを、試験者(実験者)が比較し、確認することができる。なお、試験者(実験者)は、試験車(自車)に乗車せずに、遠隔(試験室外)でも比較し、確認することができる。
【0037】
前記相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該相対速度(km/h)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0038】
以上、本発明に係る第4の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第3の実施形態及び後述する本発明に係る第5~第24の実施形態に適用することができる。
【0039】
<第5の実施形態>
第5の実施形態を、図4を用いて説明する。上述したとおり、図4は、車載センサー単品の試験をする方法を説明するための図である。
【0040】
図4に示されるステップS41において、車載センサーを騙す装置(騙し装置と称する場合がある。以下同じ。)は、標的の情報(ターゲット情報)を、レーダー等の車載センサーに送る。標的の情報(ターゲット情報)は、例えば、50m先を100km/hで走行する自動車(車)の情報等である。
【0041】
ステップS42において、標的の情報(ターゲット情報)に基づいて、レーダー等の車載センサーが正常に機能するかどうかの試験を行う。
【0042】
以上、本発明に係る第5の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第4の実施形態及び後述する本発明に係る第6~第12の実施形態に適用することができる。
【0043】
<第6の実施形態>
第6の実施形態を、図5を用いて説明する。上述したとおり、図5は、自動車(車)の反応を見るための試験(HILS(Hardware In the Loop Simulator)試験)をする方法を説明するための図である。
【0044】
図5に示されるステップS51において、車載センサーを騙す装置(騙し装置)は、標的の情報(ターゲット情報)を、レーダー等の車載センサーに送る。標的の情報(ターゲット情報)は、例えば、50m先を100km/hで走行する車の情報等である。
【0045】
ステップS52において、標的の情報(ターゲット情報)に基づいて、レーダー等の車載センサーが正常に機能するかどうかの試験を行い、ステップS53において、ECUのプログラムを起動させ、また、ステップS54において、ドライビングシミュレータを起動させて、車載センサーを騙す装置に基づく指示値を基準値とし、基準値と、ECUからの実測値と比較した誤差値を計算して、誤差値を解消できるように、ECUのプログラムを変更して最適化を図る。
【0046】
以上、本発明に係る第6の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第5の実施形態及び後述する本発明に係る第7~第24の実施形態に適用することができる。
【0047】
<第7の実施形態>
第7の実施形態を、図6を用いて説明する。上述したとおり、図6は、自動車(車)の反応を見るための試験(実車試験)をする方法を説明するための図である。
【0048】
図6に示されるステップS61において、車載センサーを騙す装置(騙し装置)は、標的の情報(ターゲット情報)を、レーダー等の車載センサーに送る。標的の情報(ターゲット情報)は、例えば、50m先を100km/hで走行する車の情報等である。
【0049】
ステップS62において、標的の情報(ターゲット情報)に基づいて、レーダー等の車載センサーが正常に機能するかどうかの試験を行い、ステップS63において、ECUのプログラムを起動させ、また、ステップS64において、本物(実物)の車(自動車)においてエンジンをかけて動かして、車載センサーを騙す装置に基づく指示値を基準値とし、基準値と、第1監視カメラから得られる車両のメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)が示す実測値及び第2監視カメラから得られる車輪(タイヤ)の回転状況(回転数、回転状態等)を第1及び第2監視カメラ用ディスプレイから出力した値(実測値)及びローラーの回転数や負荷変動値から出力した実測値並びにECUからの実測値と、を比較して得られた誤差値を計算して、誤差値を解消できるように、ECUのプログラムを変更して最適化を図る。
【0050】
本発明に係る第7の実施形態では、ステップS64において、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置)が示す、車両と、車両に対するターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラに表示される車間距離(m)の実測値とを比較し、確認してもよい。
【0051】
ステップS64において、さらに、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、上記のとおり比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該車間距離(m)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0052】
また、本発明に係る第7の実施形態では、ステップS64において、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置)が示す、車両の速度(km/h)と、車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較し、確認してもよい。
【0053】
ステップS64において、さらに、前記相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該相対速度(km/h)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0054】
以上、本発明に係る第7の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第6の実施形態及び後述する本発明に係る第8~第24の実施形態に適用することができる。
【0055】
<第8の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第8の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置とを少なくとも有する。本実施形態(第8の実施形態)を、図7を用いて説明する。車両Yには、車両の速度、各種の車載センサーが示す前方車両や歩行者などのターゲットの大きさや距離などを示すメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)及びレーダーA、カメラB(例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ等である。以下同じ。)、ライダーC、ソナーDなどが設置されている。
【0056】
この車両Yが、ローラーFの上に載せられるか、ジャッキで持ち上げられるか、いずれかの状態になっている。本実施形態(図7を参照。)ではローラーFの場合を想定したものであるが、いずれの場合であっても、前輪と後輪が連動しており、道路を走っている状態を実現し、車載センサーが正常に機能するようになっている。また、このローラーFは、ハンドルの回転になどによるステアリング装置の動作にも対応でき、坂を上り下りする場合の負荷を加えることもできる。また、図7に示さるように、レーダーA用のセンサーを騙す装置I、カメラB用のセンサーを騙す装置J、ライダーC用のセンサー騙す装置L(参照符号Kはスクリーンである。以下同じ。)、及びソナーD用のセンサーを騙す装置Mは、車両Yの周辺(周囲)に配置される。そして、詳しくは、レーダーA用のセンサーを騙す装置Iは、レーダーAの前方(図7の右方向)に配置され、カメラB用のセンサーを騙す装置Jは、カメラBの前方(図7の右方向)に配置され、ライダーC用のセンサー騙す装置Lは、ライダーCの前方(図7の右方向)に配置される。ソナーD用のセンサーを騙す装置Mは、ソナーDの後方(図7の左方向)に配置される。
【0057】
運転手は、車両Yの運転を開始し、正常に車両Yの車輪Uが回転し、メーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)も正常に動作していることを確認することができる。運転手は車両Yの起動と停止の動作だけを行い、これ以外は車両から退出する。なお、これら停止・起動の動作をロボットに任せてもよい。
【0058】
次に、例えば、実験2として、レーダーA用のセンサーを騙す装置Iを使用し、前方をトラックが走り、このトラックが、車間距離100mから10mまで、相対速度50km/hで接近し、その後再び、車間距離100mまで離れる状況を繰り返してシミュレーションする。すると、車両Yは、前方車両が車間距離30mまで接近したところで減速を開始し、車間距離が10mになったところで停止しようとする。しかし、車間距離が離れると、車両Yは再び速度を上げていく。この繰り返しテストを10時間で行っても、各種センサー(レーダーA、カメラB、ライダーC又はソナーD)は正常に機能し、車両Yも、正常な動作を続けることができる。
【0059】
なお、レーダーA用のセンサーを騙す装置I(レーダー騙し装置Iと称してもよい。)の動作が不安定になるおそれがある場合は、レーダー騙し装置Iと、レーダーAとの間に電波吸収体から構成されるトンネルIIを配置してもよい。トンネルIIを配置すると、レーダー騙し装置Iの動作がより安定する。
【0060】
以上、本発明に係る第8の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第7の実施形態及び後述する本発明に係る第9~第24の実施形態に適用することができる。
【0061】
<第9の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本実施形態(第9の実施形態)を、図7を用いて説明する。本実施形態においては、第1監視カメラGaを車両Yのメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)の周辺(図7中では、左上後方)に配置し、第一監視カメラGaを用いて、車両Yの動作を監視する。また、第2監視カメラGb及びGcを車輪(タイヤ)U及びローラーFの周辺(図7中では、車輪(タイヤ)U及びローラーFの下方)に配置し、第2監視カメラGb及びGcを用いて、車輪(タイヤ)Uの動作を監視する。監視結果については、第1監視カメラGaの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイHaを介して確認し、第2監視カメラGb及びGcの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイHb及びHcを介して確認する。
【0062】
そして、車両Y内に、マイクロフォンG-1を配置する。マイクロフォンG-1は、車両Yが発する音(例えば、車両Yが発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する警告音、車両Yが発する正常音等)を収音する。収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)はスピーカーH-1により音として出力される。なお、収音された音(例えば、異音、異常音、警告音、正常音等)は、スピーカーH-1の代わりに、電圧発生器を用いて、電圧発生器により発生された電圧を出力してもよい。
【0063】
ここで、車両Yが発する音の音のレベル(音の大きさ、音程(音の高さ)、音色)としては、例えば、車両Yが発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する正常音等である。そして、車両Yが発する音の音の種類(又は音の発生源(音源)による種別)としては、例えば、車両Yのパーツ起因による音、車両Yの燃焼起因による音、車両Yのコンピュータ起因による音、車両Yのブレーキ音、車両Yのモーター音、車両Yが発する警告音、車両Yの車輪(タイヤ)U起因による音等である。
【0064】
車両Yが発する異音とは、後述する車両Yが発する正常音とは異なる音であるが、後述する車両Yが発する異常音とは区別できる音であり、例えば、車両Yが正常な状態でもなく、かつ、車両Yが異常な状態でもない状態における車両Yが発する音である。車両Yが発する異音とは、例えば、車両Yのパーツ起因による異音、車両Yの燃焼起因による異音、車両Yのコンピュータ起因による異音、車両Yのブレーキの異音、車両Yのモーターの異音、車両Yの車輪(タイヤ)Uの異音等である。
【0065】
車両Yが発する異常音とは、車両Yが異常な状態(例えば、運転状況が異常な状態である。)での音であり、車両Yが正常な状態(例えば、運転状況が正常な状態である。)における車両Yが発する正常音と比較して異常な音である。車両Yが発する異常音とは、例えば、車両Yのパーツ起因による異常音、車両Yの燃焼起因による異常音、車両Yのコンピュータ起因による異常音、車両Yのブレーキの異常音、車両Yのモーターの異常音、車両Yの車輪(タイヤ)Uのパンク音(異常音)等である。
【0066】
車両Yが発する正常音とは、車両Yが正常な状態(例えば、運転状況が正常な状態である。)での音である。車両Yの種類によっては、車両Yの運転時の音がほぼ無音状態(静寂状態)である場合がある。その場合は、車両Yの運転時の音がたとえば微弱であっても、その音は、異音又は異常音と解釈され得る。車両Yが発する正常音とは、例えば、車両Yのパーツ起因による正常音、車両Yの燃焼起因による正常音、車両Yのコンピュータ起因による正常音、車両Yのブレーキの正常音、車両Yのモーターの正常音、車両Yの車輪(タイヤ)U起因による正常音等である。
【0067】
車両Yのパーツ起因による音とは、車両Yに搭載されている内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発する音である。内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品の具体的な例としては、例えば、クランク軸や変速機のギヤなどの回転体や、ピストンやタイミングチェーンなどの周期的な運動をする部品が挙げられる。
【0068】
車両Yの燃焼起因による音とは、内燃機関における燃焼に起因した音である。例えば、ノッキングや失火などに起因する音は、異常音又は異音になりやすい。そして、ノッキングや失火などの程度が大きければ異常音になりやすく、ノッキングや失火などの程度がそれほどでもなければ異音になりやすい。
【0069】
車両Yが発する警告音(警笛)は、例えばセキュリティアラーム、クラクション等である。警告音(警笛)は、例えば、当該車両Yの安全性を確保するために、当該車両Yの前方の自動車(車)や後方の自動車(車)や、人や、動物が近づいてきたときに、当該車両Yの前方の自動車(車)、後方の自動車(車)、人及び動物に当該車両Yの存在を知らせるために、当該車両Yが発する音である。また、例えば、当該車両Yが、障害物(例えば、トラック等が道路に落とした荷物等である。)に近づいて迫っているときに、当該車両Y(車両Y内に運転手が居て、運転手が運転していれば運転手)に当該障害物が迫っていることを知らせるために、当該車両Yが発する音である。車両Yが発する警告音(警笛)が、例えば、音の大きさとして微弱な音であるため、警告をするという目的を果たせない場合は、車両Yの異常な状態を示すものであるため異常音に該当するが、その場合は、後述する無響室内又は半無響室内で本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムを実施すると、音の大きさとして微弱な音であってもマイクロフォンG-1で収音できるので、車両Yの動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、迅速に、かつ、充分に確認することができる。なお、車両Yが発する警告音(警笛)が、警告をするという目的を果たせるほどの音の大きさである(警告音の正常音であると考えてよい。)場合は、当然のことながら、当該警告音を、マイクロフォンG-1で収音できるので、車両Yの動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0070】
本実施形態(第9の実施形態)において、第1監視カメラGa並びに第2監視カメラGb及びGcを用いないで、マイクロフォンG-1のみを用いてもよい。すなわち、本発明に係る第9の実施形態の試験システムは。第1監視カメラGa並びに第2監視カメラGb及びGcを備えていなくて、マイクロフォンG-1を備えていてもよい。
【0071】
マイクロフォンG-1は、無指向性マイクロフォンでもよいし、指向性マイクロフォンでもよい。指向性マイクロフォンは、特定の方向から当該指向性マイクロフォンに到達する音を他の方向(当該特定の方向以外の方向)から当該指向性マイクロフォンに到達する音に比べて多く収音(集音)することができる。
【0072】
指向性マイクロフォンは、音を収集する範囲に収音(集音)対象が含まれるように配置されることが好ましい。例えば、本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムは、車両Yが有するエンジンが発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンを備えていてもよいし、車両Yが有する車輪(前輪、後輪又は前輪と後輪との両輪)が発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンを備えていてもよい。
【0073】
また、本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムは、例えば、車両Yが有するエンジンが発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンと、車両Yが有する車輪(前輪、後輪又は前輪と後輪との両輪)が発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンとの複数(2個以上)指向性マイクロフォンを備えていてもよい。さらに、本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムにおいては、指向性マイクロフォンと無指向性マイクロフォンとが組み合わせられて用いられてもよい。
【0074】
マイクロフォンG-1は、図7においては、車両Y内に配置されているが、車両Y外に配置されてもよい。例えば、マイクロフォンG-1が指向性マイクロフォンである場合、指向性マイクロフォンが音を収集する範囲に収音(集音)対象が含まれるように配置するためには、指向性マイクロフォンは車両Y内よりも車両Y外に配置することが好適な場合がある。
【0075】
本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムは、任意の試験室内で実施されてもよいし、無響室内で実施されてもよいし、半無響室内で実施されてもよい。本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムが無響室内又は半無響室内で実施されると、通常の試験室内とは異なり、周囲からの様々な雑音が入りこむ余地がなくなる。本発明に係る本実施形態(第9の実施形態)の試験システムが、雑音が入りこまない、言わば静寂的な環境下で実施されることとなるので、マイクロフォンG-1の収音効果が更に高まる。
【0076】
無響室とは、例えば、床等を設け、その床下に吸音パネルを設置すると共に、床壁を浮かせた浮床構造とすることにより、測定対象とする周波数範囲内の音波を十分吸収する境界面で構成され、その内部では自由音場の条件が成立され得る試験室を意味する。
【0077】
また、半無響室とは、床面に吸音パネルを設けないで、床面では音は吸収されないようにして、音響的に十分な反射性を備え、それ以外は測定対象とする周波数範囲内の音波を十分に吸収する境界面で構成され、反射面上で半自由音場の条件が成立され得る試験室を意味する。
【0078】
以上、本発明に係る第9の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第8の実施形態及び後述する本発明に係る第10~第24の実施形態に適用することができる。
【0079】
<第10の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第10の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本実施形態(第10の実施形態)を、図8を用いて説明する。上述のとおり、第8及び第9の実施形態を実施して、車両Yが正常に動作していることを確認することができる。条件設定器SETからの指示に基づいてシナリオ発生器Nの中のシナリオを選定し、レーダーA用のセンサーを騙す装置I、カメラB用のセンサーを騙す装置J及びソナーD用のセンサーを騙す装置M、並びにライダーC用のセンサー騙す装置Lのそれぞれを操作する。また、SETからの指示に基づき、突発現象発生器EVNの中のシナリオを選択する。例えば、レーダー騙し装置Iは、人が車両の前を横断する状況を模擬することができる。この場合、レーダーAとレーダー騙し装置Iとの間に、少なくとも1つのアンテナが横方向に動くムービングアンテナなどが設置されてもよい。さい。
【0080】
電磁波を車両Yに照射するための装置として、イミュニティ用送信アンテナSと、イミュニティ用発振器と増幅器と(参照符号Q)が設置される。なお、発振器の周波数は10KHzから6GHzまで可変することができる。また、車両のウィンドウガラスの下端から100mm離れたボンネット上の電界強度は、0~300V/mまで調整できる。イミュニティ用発振器及び増幅器Qとそれらを連結するケーブルが設置される。
【0081】
そして、加える電界の周波数と出力とが設定され、第8の実施形態の欄で説明をした実験2を繰り返し行ったところ、周波数550MHz、電界強度150V/m以上で、レーダーAを用いた運転制御に異常が出始め、加減速しなくなる。
【0082】
次に、車両Yから放射される電磁波を測定するための、エミッション受信アンテナS、エミッション受信器R及び接続用の同軸ケーブル(不図示)が設置される。
【0083】
そして、第8の実施形態の欄で説明をした実験2において、エミッション用受信器Rを監視したところ、100KHz付近で規定以上の電波を受信する。これは、モーター起動用のインバータからの漏洩と考えられる。そこで、インバータの改良作業の手配をし、インバータの改良をすることが好ましい。
【0084】
以上、本発明に係る第10の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第9の実施形態及び後述する本発明に係る第11~第24の実施形態に適用することができる。
【0085】
<第11の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第11の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本実施形態(第11の実施形態)を、図9を用いて説明する。本発明に係る本実施形態(第11の実施形態)の試験システムは、車両Yを正確に動作させるECUのプログラムを修正するシステムである。
【0086】
条件設定器SETの値を基準値とし、この基準値を、データ比較器COMPに送る。一方、車両のメーター類E(例えば、スピードメーター、燃料計、水温計、車間距離を表示するメーター、相対速度を表示するメーター等)が示す値(実測値)や車輪(タイヤ)Uの回転状況(回転数、回転状態等)を第1監視カメラGa並びに第2監視カメラGb及びGcを用いて、第1及び第2監視カメラ用ディスプレイHa、Hb及びHcから出力した値(実測値)や、ローラーFの回転数及び負荷変動値、及びECU又はHILなどと言われるECUの代替器からの出力値をデータ比較器COMPに送る。そして、基準値と実測値との差をECUに送り、ECUのプログラムを最適化していく。または、これらの値の比較データを一旦条件設定器SETに送り、そこで総合評価をした後に、修正データをECUに送ってプログラムの最適化を行う。なお、運転手がいない場合(運転手を用いない場合)、ロボットなどを用いて、条件設定器SETから、操縦器DINに、運転指示を与えることとしてもよい。
【0087】
本発明に係る本実施形態(第11の実施形態)の試験システムにおいては、少なくとも1つの車載センサー(例えば、レーダーA)の周辺に少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が配され、車両Yの運転状況を監視するために、車両Yの、車両Yと、車両Yに対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーター(メーター類Eの一例)を監視する第1監視カメラGaが更に備えられて、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が示す、車両Yと、車両Yに対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を基準とし、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、試験者(実験者)が比較し、確認することができる。なお、試験者(実験者)は、試験車(自車)に乗車せずに、遠隔(試験室外)でも比較し、確認することができる。
【0088】
車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、上記のとおり比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該車間距離(m)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0089】
また、本発明に係る本実施形態(第11の実施形態)の試験システムにおいては、少なくとも1つの車載センサー(例えば、レーダーA)の周辺に少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が配され、車両Yの運転状況を監視するために、車両Yの、車両Yの速度(km/h)と、車両Yに対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーター(メーター類Eの一例)を監視する第1監視カメラGaが更に備えられて、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置I)が示す、車両Yの速度(km/h)と、車両Yに対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを、試験者(実験者)が比較し、確認することができる。なお、試験者(実験者)は、試験車(自車)に乗車せずに、遠隔(試験室外)でも比較し、確認することができる。
【0090】
前記相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該相対速度(km/h)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0091】
ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、スピーカーにより出力した音データが用いられてもよい。
【0092】
また、ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、電圧発生器により出力した電圧データが用いられてもよい。
【0093】
以上、本発明に係る第11の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第10の実施形態及び後述する本発明に係る第12~第24の実施形態に適用することができる。
【0094】
<第12の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第12の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンと、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー及び車両の車速を検出する車速センサーからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも有する。すなわち、本発明に係る本実施形態(第12の実施形態)の試験システムは、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)と共に、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー、車両の車速を検出する車速センサー等の各種センサーを備えていてもよい。
【0095】
本発明に係る本実施形態(第12の実施形態)の試験システムによれば、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)と共に、上述したセンサーの少なくとも1種が用いられるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、たとえ、試験室(実験室)から遠隔であったりしても、更に、迅速に、かつ、充分に確認することができ、さらには、試験室内が無人(実験室内が無人(試験者(実験者)、運転手等が居ないこと。)の場合であったりしても、更に、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0096】
振動センサーとしては、例えば、加速度センサーが挙げられる。なお、マイクロフォンも、振動センサーの一例として考えてもよい。
【0097】
臭いセンサーは、例えば、車両内に配置されて、車両Yが発する臭いを検知することができる。車両Yが発する臭いは、例えば、車両Yが有するエンジンから発する臭い、車両Yが有する車輪(タイヤ)Uが発する臭い等が挙げられる。
【0098】
臭いセンサーは、例えば、半導体式臭気センサーである。半導体式臭気センサーは、臭いを検知すると、抵抗値が変化する。半導体式臭気センサーは、抵抗値に応じた信号を出力することができる。臭いセンサーから出力された臭いデータに基づいて車両Yが発する臭いの種別と、その臭いの種別と対応付けられる臭いレベルとを算出し、その臭いレベルが、過去の臭いレベルのデータに基づいて算出した所定基準(リファレンス)を満たすか否かどうかを判定し、車両Yの状態を確認することができる。
【0099】
触感センサーは、例えば、車両内のハンドルに設けられ、運転手(ロボット又は人間)のハンドル操作が適切であるかどうかを監視するために用いられてもよい。ハンドル操作が適切であるどうかは、例えば、運転手(ロボット又は人間)の手の把持力を触覚センサーにより検出して判断することができる。なお、本明細書においては、運転手が人間である場合は、試験室内は有人状態と定義付けられ、運転手がロボットである場合は、試験室内は無人状態と定義付けられる。
【0100】
水漏れセンサーは、例えば、車両の冷却水の水漏れを監視するために用いられてよい。また、例えば、水漏れセンサーは、車両のエンジン系統や配電部などに施されているシール材、パッキンが劣化して、水漏れが発生していないかどうかを監視するために用いられてもよい。
【0101】
ところで、車両のエンジン系統や配電部などに施されているシール材、パッキンが劣化して、油漏れが発生している場合は、油漏れセンサーが用いられてよい。
【0102】
温度センサーは、例えば、車両のバッテリの温度を検出し、バッテリの温度が異常にならないかどうかを監視するために用いられてよい。また、例えば、温度センサーは、車両Yのバッテリ以外の機器部品(モーター等、以下同じ。)、電子部品等の温度を検出し、機器部品及び/又は電子部品の温度が異常にならないかどうかを監視するために用いられてもよい。そして、車両には、バッテリ温度の検出用の温度センサー、機器部品、電子部品等の温度の検出用の温度センサー等、複数個の温度センサーが備えられてもよい。その他、車両内及び/又は車両外の温度を検出するための、内気温度センサー及び/又は外気温度センサーが用いられてもよい。内気温度センサーと外気温度センサーとが同時に用いられる場合は、車両内と車両外との温度差が検出され得る。
【0103】
人感センサー(例えば、赤外センサー)又は温度センサーは、試験室内が無人又は有人であるかどうかを監視したり、車両内が無人又は有人であるかどうか(すなわち、試験者(実験者)、運転手等が居るか又は居ないかどうか)を監視するために用いられる。また、人感センサー(例えば、赤外センサー)又は温度センサーは、車外の近傍の人物を検知するために用いられてもよい。
【0104】
以上、本発明に係る第12の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第11の実施形態及び後述する本発明に係る第13~第24の実施形態に適用することができる。
【0105】
<第13の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第13の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー及び車両の車速を検出する車速センサーからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも有する。すなわち、本発明に係る本実施形態(第13の実施形態)の試験システムは、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)の代わりに、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー、車両の車速を検出する車速センサー等の各種センサーを備えていてもよい。なお、各種センサーの詳細内容については、第12の実施形態の欄で説明をしたとおりである。
【0106】
本発明に係る本実施形態(第13の実施形態)の試験システムによれば、上述したセンサーの少なくとも1種が用いられるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、たとえ、試験室(実験室)から遠隔であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができ、さらには、試験室内が無人(実験室内が無人(試験者(実験者)、運転手等が居ないこと。)の場合であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0107】
以上、本発明に係る第13の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第12の実施形態及び後述する本発明に係る第14~第24の実施形態に適用することができる。
【0108】
<第14の実施形態>
本実施形態(第14の実施形態)を、図10を用いて説明する。図10は、自動車(車)の反応を見るための試験(実車試験)をする方法を説明するための図である。
【0109】
図10に示されるステップS101において、車載センサーを騙す装置(騙し装置)は、標的の情報(ターゲット情報)を、レーダー等の車載センサーに送る。標的の情報(ターゲット情報)は、例えば、50m先を100km/hで走行する車の情報等である。
【0110】
ステップS102において、標的の情報(ターゲット情報)に基づいて、レーダー等の車載センサーが正常に機能するかどうかの試験を行い、ステップS103において、ECUのプログラムを起動させ、また、ステップS104において、本物の車(自動車)においてエンジンをかけて動かして、車載センサーを騙す装置に基づく指示値を基準値とし、基準値と、第1監視カメラから得られる車両のメーター類が示す値(実測値)及び第2監視カメラから得られる車輪(タイヤ)の回転状況(回転数、回転状態等)を第1及び第2監視カメラ用ディスプレイから出力した値(実測値)及びローラーの回転数や負荷変動値から出力した実測値並びにECUからの実測値と、を比較して得られた誤差値を計算して、誤差値を解消できるように、ECUのプログラムを変更して最適化を図る。
【0111】
本発明に係る第14の実施形態では、ステップS104において、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置)が示す、車両と、車両に対するターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラに表示される車間距離(m)の実測値とを比較し、確認してもよい。
【0112】
ステップS104において、さらに、車間距離(m)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される車間距離(m)の実測値とを、上記のとおり比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該車間距離(m)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0113】
また、本発明に係る第14の実施形態では、ステップS104において、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置(例えば、レーダー用のセンサーを騙す装置)が示す、車両の速度(km/h)と、車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較し、確認してもよい。
【0114】
ステップS104において、さらに、前記相対速度(km/h)の基準値と、第1監視カメラGaに表示される相対速度(km/h)の実測値とを比較し、得られる誤差値を計算してもよい。そして、当該相対速度(km/h)の誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。
【0115】
ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、スピーカーにより出力した音データが用いられてもよい。
【0116】
また、ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両Yが発する異常音、車両Yが発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、電圧発生器により出力した電圧データが用いられてもよい。
【0117】
以上、本発明に係る第14の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第13の実施形態及び後述する本発明に係る第15~第24の実施形態に適用することができる。
【0118】
<第15の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第1の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、を少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第15の実施形態)の試験システムを説明する。車両には、車両の速度、各種の車載センサーが示す前方車両や歩行者などのターゲットの大きさや距離などを示すメーター類及びレーダー、カメラ(例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ等である。以下同じ。)、ライダー、ソナーなどが設置されている。
【0119】
この車両が、ジャッキで持ち上げられて、車輪(タイヤ)が試験室内の床(道路)に接地されていない状態となる。車輪(タイヤ)の駆動方式の種類にかかわらず、すなわち、前輪駆動車、後輪駆動車、全輪駆動車等にかかわらず、車輪(タイヤ)が試験室内の床(道路)に接地されていないが、車両の前輪と後輪とが連動して、道路を走っている状態を実現できるようにして、車載センサーが正常に機能するようになっている。また、ハンドルの回転などによるステアリング装置の動作にも対応できるようにして、道路の坂を上り下りする場合の負荷を加えることもできるようにする。また、レーダー用のセンサーを騙す装置、カメラ用のセンサーを騙す装置、ライダー用のセンサー騙す装置、及びソナー用のセンサーを騙す装置は、車両の周辺(周囲)に配置される。そして、詳しくは、レーダー用のセンサーを騙す装置は、レーダーの前方に配置され、カメラ用のセンサーを騙す装置は、カメラの前方に配置され、ライダー用のセンサー騙す装置は、ライダーの前方に配置される。ソナー用のセンサーを騙す装置は、ソナーの後方に配置される。
【0120】
運転手は、車両の運転を開始し、正常に車両の車輪(タイヤ)が回転し、メーター類も正常に動作していることを確認する。運転手は車両の起動と停止の動作だけを行い、これ以外は車両から退出する。なお、これら停止・起動の動作をロボットに任せてもよい。ところで、ロボットに、車両Yの停止と起動との動作を任せた状態は、試験室(実験室)内が無人状態であると考えることができる。
【0121】
次に、例えば、実験3として、レーダー用のセンサーを騙す装置を使用し、前方をトラックが走り、このトラックが、車間距離100mから10mまで、相対速度50km/hで接近し、その後再び、車間距離100mまで離れる状況を繰り返してシミュレーションする。すると、車両は、前方車両が車間距離30mまで接近したところで減速を開始し、車間距離が10mになったところで停止しようとする。しかし、車間距離が離れると、車両は再び速度を上げていく。この繰り返しテストを10時間で行っても、各種車載センサー(レーダー、カメラ、ライダー又はソナー)は正常に機能し、車両も、正常な動作を続けることができる。
【0122】
なお、レーダー用のセンサーを騙す装置(レーダー騙し装置と称してもよい。)の動作が不安定になるおそれがある場合は、レーダー騙し装置と、レーダーとの間に電波吸収体から構成されるトンネルを配置してもよい。トンネルを配置すると、レーダー騙し装置の動作がより安定する。
【0123】
以上、本発明に係る第15の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第14の実施形態及び後述する本発明に係る第16~第24の実施形態に適用することができる。
【0124】
<第16の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第16の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第16の実施形態)の試験システムを説明する。本実施形態においては、第1監視カメラを車両のメーター類の周辺に配置し、第1監視カメラを用いて、車両の動作を監視する。また、第2監視カメラを、車両がジャッキで持ち上げられた状態における車輪(タイヤ)の周辺に配置し、第2監視カメラを用いて、車輪(タイヤ)の動作を監視する。監視結果については、第1監視カメラの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイを介して確認し、第2監視カメラの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイを介して確認する。
【0125】
以上、本発明に係る第16の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第15の実施形態及び後述する本発明に係る第17~第24の実施形態に適用することができる。
【0126】
<第17の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第17の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第17の実施形態)の試験システムを説明する。上述のとおり、第15及び第16の実施形態を実施して、車両が正常に動作していることを確認することができる。条件設定器からの指示に基づいてシナリオ発生器の中のシナリオを選定し、レーダー用のセンサーを騙す装置、カメラ用のセンサーを騙す装置及びソナー用のセンサーを騙す装置、並びにライダー用のセンサー騙す装置のそれぞれを操作する。また、条件設定器からの指示に基づき、突発現象発生器の中のシナリオを選択する。例えば、レーダー騙し装置は、人が車両の前を横断する状況を模擬することができる。この場合、レーダーとレーダー騙し装置との間に、少なくとも1つのアンテナが横方向に動くムービングアンテナなどが設置されてもよい。なお、以上の試験を電波暗室以外で行っている場合は、電波暗室内に移動して試験をしてもよい。
【0127】
電磁波を車両に照射するための装置として、イミュニティ用送信アンテナと、イミュニティ用発振器と増幅器とが設置される。なお、発振器の周波数は10KHzから6GHzまで可変することができる。また、車両のウィンドウガラスの下端から100mm離れたボンネット上の電界強度は、0~300V/mまで調整できる。イミュニティ用発振器及び増幅器とそれらを連結するケーブルが設置される。
【0128】
そして、加える電界の周波数と出力とが設定され、第15の実施形態の欄で説明をした実験3を繰り返し行ったところ、周波数550MHz、電界強度150V/m以上で、レーダーを用いた運転制御に異常が出始め、加減速しなくなる。
【0129】
次に、車両から放射される電磁波を測定するための、エミッション受信アンテナ、エミッション受信器及び接続用の同軸ケーブルが設置される。
【0130】
そして、第15の実施形態の欄で説明をした実験3において、エミッション用受信器を監視したところ、100KHz付近で規定以上の電波を受信する。これは、モーター起動用のインバータからの漏洩と考えられる。そこで、インバータの改良作業の手配をし、インバータの改良をすることが好ましい。
【0131】
以上、本発明に係る第17の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第16の実施形態及び後述する本発明に係る第18~第24の実施形態に適用することができる。
【0132】
<第18の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第18の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第18の実施形態)の試験システムを説明する。本発明に係る本実施形態(第18の実施形態)の試験システムは、車両を正確に動作させる車両制御用コンピュータ(ECU)のプログラムを修正するシステムである。
【0133】
条件設定器の値を基準値とし、この基準値を、データ比較器に送る。一方、車両のメーター類が示す実測値や車輪(タイヤ)の回転状況(回転数、回転状態等)を第1監視カメラ及び第2監視カメラを用いて、第1及び第2監視カメラ用ディスプレイから出力した値(実測値)や、車両がジャッキで持ち上げられた状態における車輪(タイヤ)の回転数及び負荷変動値、及び車両制御用コンピュータ(ECU)又はHILなどと言われる車両制御用コンピュータ(ECU)の代替器からの出力値(実測値)をデータ比較器に送る。そして、基準値と実測値との差を車両制御用コンピュータ(ECU)に送り、車両制御用コンピュータ(ECU)のプログラムを最適化していく。または、これらの値の比較データを一旦条件設定器に送り、そこで総合評価をした後に、修正データを、車両制御用コンピュータ(ECU)に送ってプログラムの最適化を行う。なお、運転手がいない場合(運転手を用いない場合)、ロボットなどを用いて、条件設定器から、操縦器に、運転指示を与えることとしてもよい。
【0134】
以上、本発明に係る第18の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第17の実施形態及び後述する本発明に係る第19~第24の実施形態に適用することができる。
【0135】
<第19の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第19の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、を少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第19の実施形態)の試験システムを説明する。車両には、車両の速度、各種の車載センサーが示す前方車両や歩行者などのターゲットの大きさや距離などを示すメーター類及びレーダー、カメラ(例えば、単眼カメラ、ステレオカメラ等である。以下同じ。)、ライダー、ソナーなどが設置されている。
【0136】
この車両が、ジャッキで持ち上げられて、車輪(タイヤ)が試験室内の床(道路)に接地されていない状態となる。車輪(タイヤ)の駆動方式の種類にかかわらず、すなわち、前輪駆動車、後輪駆動車、全輪駆動車等にかかわらず、車輪(タイヤ)が試験室内の床(道路)に接地されていないが、車両の前輪と後輪とが連動して、道路を走っている状態を実現できるようにして、車載センサーが正常に機能するようになっている。また、ハンドルの回転などによるステアリング装置の動作にも対応できるようにして、道路の坂を上り下りする場合の負荷を加えることもできるようにする。また、レーダー用のセンサーを騙す装置、カメラ用のセンサーを騙す装置、ライダー用のセンサー騙す装置、及びソナー用のセンサーを騙す装置は、車両の周辺(周囲)に配置される。そして、詳しくは、レーダー用のセンサーを騙す装置は、レーダーの前方に配置され、カメラ用のセンサーを騙す装置は、カメラの前方に配置され、ライダー用のセンサー騙す装置は、ライダーの前方に配置される。ソナー用のセンサーを騙す装置は、ソナーの後方に配置される。
【0137】
運転手は、車両の運転を開始し、正常に車両の車輪(タイヤ)が回転し、メーター類も正常に動作していることを確認する。運転手は車両の起動と停止の動作だけを行い、これ以外は車両から退出する。なお、これら停止・起動の動作をロボットに任せてもよい。ところで、ロボットに、車両Yの停止と起動との動作を任せた状態は、試験室(実験室)内が無人状態であると考えることができる。
【0138】
次に、例えば、実験4として、レーダー用のセンサーを騙す装置を使用し、前方をトラックが走り、このトラックが、車間距離100mから10mまで、相対速度50km/hで接近し、その後再び、車間距離100mまで離れる状況を繰り返してシミュレーションする。すると、車両は、前方車両が車間距離30mまで接近したところで減速を開始し、車間距離が10mになったところで停止しようとする。しかし、車間距離が離れると、車両は再び速度を上げていく。この繰り返しテストを10時間で行っても、各種車載センサー(レーダー、カメラ、ライダー又はソナー)は正常に機能し、車両も、正常な動作を続けることができる。
【0139】
なお、レーダー用のセンサーを騙す装置(レーダー騙し装置と称してもよい。)の動作が不安定になるおそれがある場合は、レーダー騙し装置と、レーダーとの間に電波吸収体から構成されるトンネルを配置してもよい。トンネルを配置すると、レーダー騙し装置の動作がより安定する。
【0140】
以上、本発明に係る第19の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第18の実施形態及び後述する本発明に係る第20~第24の実施形態に適用することができる。
【0141】
<第20の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムを説明する。本実施形態においては、第1監視カメラを車両のメーター類の周辺に配置し、第1監視カメラを用いて、車両の動作を監視する。また、第2監視カメラを、車両がジャッキで持ち上げられた状態における車輪(タイヤ)の周辺に配置し、第2監視カメラを用いて、車輪(タイヤ)の動作を監視する。監視結果については、第1監視カメラの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイを介して確認し、第2監視カメラの監視によるものは、遠隔の監視カメラ用ディスプレイを介して確認する。
【0142】
そして、車両内に、マイクロフォンを配置する。マイクロフォンは、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両が発する異常音、車両が発する警告音、車両が発する正常音等)を収音する。収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)はスピーカーにより音として出力される。なお、収音された音(例えば、異音、異常音、警告音、正常音等)は、スピーカーの代わりに、電圧発生器を用いて、電圧発生器により発生された電圧を出力してもよい。
【0143】
ここで、車両が発する音の音のレベル(音の大きさ、音程(音の高さ)、音色)としては、例えば、車両が発する異音、車両が発する異常音、車両が発する正常音等である。そして、車両が発する音の音の種類(又は音の発生源(音源)による種別)としては、例えば、車両のパーツ起因による音、車両の燃焼起因による音、車両のコンピュータ起因による音、車両のブレーキ音、車両のモーター音、車両が発する警告音、車両の車輪(タイヤ)起因による音等である。
【0144】
車両が発する異音とは、後述する車両が発する正常音とは異なる音であるが、後述する車両が発する異常音とは区別できる音であり、例えば、車両が正常な状態でもなく、かつ、車両が異常な状態でもない状態における車両が発する音である。車両が発する異音とは、例えば、車両のパーツ起因による異音、車両の燃焼起因による異音、車両のコンピュータ起因による異音、車両のブレーキの異音、車両のモーターの異音、車両の車輪(タイヤ)の異音等である。
【0145】
車両が発する異常音とは、車両が異常な状態(例えば、運転状況が異常な状態である。)での音であり、車両が正常な状態(例えば、運転状況が正常な状態である。)における車両が発する正常音と比較して異常な音である。車両が発する異常音とは、例えば、車両のパーツ起因による異常音、車両の燃焼起因による異常音、車両のコンピュータ起因による異常音、車両のブレーキの異常音、車両のモーターの異常音、車両の車輪(タイヤ)のパンク音(異常音)等である。
【0146】
車両が発する正常音とは、車両が正常な状態(例えば、運転状況が正常な状態である。)での音である。車両の種類によっては、車両の運転時の音がほぼ無音状態(静寂状態)である場合がある。その場合は、車両の運転時の音がたとえば微弱であっても、その音は、異音又は異常音と解釈され得る。車両が発する正常音とは、例えば、車両のパーツ起因による正常音、車両の燃焼起因による正常音、車両のコンピュータ起因による正常音、車両のブレーキの正常音、車両のモーターの正常音、車両の車輪(タイヤ)起因による正常音等である。
【0147】
車両のパーツ起因による音とは、車両に搭載されている内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品が発する音である。内燃機関の運転に伴って周期的に稼働している部品の具体的な例としては、例えば、クランク軸や変速機のギヤなどの回転体や、ピストンやタイミングチェーンなどの周期的な運動をする部品が挙げられる。
【0148】
車両の燃焼起因による音とは、内燃機関における燃焼に起因した音である。例えば、ノッキングや失火などに起因する音は、異常音又は異音になりやすい。そして、ノッキングや失火などの程度が大きければ異常音になりやすく、ノッキングや失火などの程度がそれほどでもなければ異音になりやすい。
【0149】
車両が発する警告音(警笛)は、例えばセキュリティアラーム、クラクション等である。警告音(警笛)は、例えば、当該車両の安全性を確保するために、当該車両の前方の自動車(車)や後方の自動車(車)や、人や動物が近づいてきたときに、当該車両の前方の自動車(車)、後方の自動車(車)、人及び動物に当該車両の存在を知らせるために、当該車両が発する音である。また、例えば、当該車両が、障害物(例えば、トラック等が道路に落とした荷物等である。)に近づいて迫っているときに、当該車両(車両内に運転手が居て、運転手が運転していれば運転手)に当該障害物が迫っていることを知らせるために、当該車両が発する音である。車両が発する警告音(警笛)が、例えば、音の大きさとして微弱な音であるため、警告をするという目的を果たせない場合は、車両の異常な状態を示すものであるため異常音に該当するが、その場合は、後述する無響室内又は半無響室内で本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムを実施すると、音の大きさとして微弱な音でもマイクロフォンで収音できるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、迅速に、かつ、充分に確認することができる。なお、車両が発する警告音(警笛)が、警告をするという目的を果たせるほどの音の大きさである(警告音の正常音であると考えてよい。)場合は、当然のことながら、当該警告音を、マイクロフォンで収音できるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0150】
本実施形態(第20の実施形態)において、第1監視カメラ及び第2監視カメラを用いないで、マイクロフォンのみを用いてもよい。すなわち、本発明に係る第20の実施形態の試験システムは。第1監視カメラ及び第2監視カメラを備えていなくて、マイクロフォンを備えていてもよい。
【0151】
マイクロフォンは、無指向性マイクロフォンでもよいし、指向性マイクロフォンでもよい。指向性マイクロフォンは、特定の方向から当該指向性マイクロフォンに到達する音を他の方向(当該特定の方向以外の方向)から当該指向性マイクロフォンに到達する音に比べて多く収音(集音)することができる。
【0152】
指向性マイクロフォンは、音を収集する範囲に収音(集音)対象が含まれるように配置されることが好ましい。例えば、本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムは、車両が有するエンジンが発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンを備えていてもよいし、車両が有する車輪(前輪、後輪又は前輪と後輪との両輪)が発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンを備えていてもよい。
【0153】
また、本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムは、例えば、車両が有するエンジンが発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンと、車両が有する車輪(前輪、後輪又は前輪と後輪との両輪)が発する音を収音(集音)対象とした指向性マイクロフォンとの複数(2個以上)指向性マイクロフォンを備えていてもよい。さらに、本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムにおいては、指向性マイクロフォンと無指向性マイクロフォンとが組み合わせられて用いられてもよい。
【0154】
マイクロフォンは、車両内に配置されてもよいし、車両外に配置されてもよい。例えば、マイクロフォンが指向性マイクロフォンである場合、指向性マイクロフォンが音を収集する範囲に収音(集音)対象が含まれるように配置するためには、指向性マイクロフォンは車両内よりも車両外に配置することが好適な場合がある。
【0155】
本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムは、任意の試験室内で実施されてもよいし、無響室内で実施されてもよいし、半無響室内で実施されてもよい。本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムが無響室内又は半無響室内で実施されると、通常の試験室内とは異なり、周囲からの様々な雑音が入りこむ余地がなくなる。本発明に係る本実施形態(第20の実施形態)の試験システムが、雑音が入りこまない、言わば静寂的な環境下で実施されることとなるので、マイクロフォンの収音効果が更に高まる。
【0156】
無響室とは、例えば、床等を設け、その床下に吸音パネルを設置すると共に、床壁を浮かせた浮床構造とすることにより、測定対象とする周波数範囲内の音波を十分吸収する境界面で構成され、その内部では自由音場の条件が成立され得る試験室を意味する。
【0157】
また、半無響室とは、床面に吸音パネルを設けないで、床面では音は吸収されないようにして、音響的に十分な反射性を備え、それ以外は測定対象とする周波数範囲内の音波を十分に吸収する境界面で構成され、反射面上で半自由音場の条件が成立され得る試験室を意味する。
【0158】
以上、本発明に係る第20の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第19の実施形態及び後述する本発明に係る第21~第24の実施形態に適用することができる。
【0159】
<第21の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第21の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第21の実施形態)の試験システムを説明する。上述のとおり、第19及び第20の実施形態を実施して、車両が正常に動作していることを確認することができる。条件設定器からの指示に基づいてシナリオ発生器の中のシナリオを選定し、レーダー用のセンサーを騙す装置、カメラ用のセンサーを騙す装置及びソナー用のセンサーを騙す装置、並びにライダー用のセンサー騙す装置のそれぞれを操作する。また、条件設定器からの指示に基づき、突発現象発生器の中のシナリオを選択する。例えば、レーダー騙し装置は、人が車両の前を横断する状況を模擬することができる。この場合、レーダーとレーダー騙し装置との間に、少なくとも1つのアンテナが横方向に動くムービングアンテナなどが設置されてもよい。なお、以上の試験を電波暗室以外で行っている場合は、電波暗室内に移動して試験をしてもよい。
【0160】
電磁波を車両に照射するための装置として、イミュニティ用送信アンテナと、イミュニティ用発振器と増幅器とが設置される。なお、発振器の周波数は10KHzから6GHzまで可変することができる。また、車両のウィンドウガラスの下端から100mm離れたボンネット上の電界強度は、0~300V/mまで調整できる。イミュニティ用発振器及び増幅器とそれらを連結するケーブルが設置される。
【0161】
そして、加える電界の周波数と出力とが設定され、第19の実施形態の欄で説明をした実験4を繰り返し行ったところ、周波数550MHz、電界強度150V/m以上で、レーダーを用いた運転制御に異常が出始め、加減速しなくなる。
【0162】
次に、車両から放射される電磁波を測定するための、エミッション受信アンテナ、エミッション受信器及び接続用の同軸ケーブルが設置される。
【0163】
そして、第19の実施形態の欄で説明をした実験4において、エミッション用受信器を監視したところ、100KHz付近で規定以上の電波を受信する。これは、モーター起動用のインバータからの漏洩と考えられる。そこで、インバータの改良作業の手配をし、インバータの改良をすることが好ましい。
【0164】
以上、本発明に係る第21の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第20の実施形態及び後述する本発明に係る第22~第24の実施形態に適用することができる。
【0165】
<第22の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第22の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンとを少なくとも有する。本発明に係る本実施形態(第22の実施形態)の試験システムを説明する。本発明に係る本実施形態(第22の実施形態)の試験システムは、車両を正確に動作させる車両制御用コンピュータ(ECU)のプログラムを修正するシステムである。
【0166】
条件設定器の値を基準値とし、この基準値を、データ比較器に送る。一方、車両のメーター類が示す実測値や車輪(タイヤ)の回転状況(回転数、回転状態等)を第1監視カメラ及び第2監視カメラを用いて、第1及び第2監視カメラ用ディスプレイから出力した値(実測値)や、車両がジャッキで持ち上げられた状態における車輪(タイヤ)の回転数及び負荷変動値、及び車両制御用コンピュータ(ECU)又はHILなどと言われる車両制御用コンピュータ(ECU)の代替器からの出力値(実測値)をデータ比較器に送る。そして、基準値と実測値との差を車両制御用コンピュータ(ECU)に送り、車両制御用コンピュータ(ECU)のプログラムを最適化していく。または、これらの値の比較データを一旦条件設定器に送り、そこで総合評価をした後に、修正データを、車両制御用コンピュータ(ECU)に送ってプログラムの最適化を行う。なお、運転手がいない場合(運転手を用いない場合)、ロボットなどを用いて、条件設定器から、操縦器に、運転指示を与えることとしてもよい。
【0167】
ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両が発する異常音、車両が発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、スピーカーにより出力した音データが用いられてもよい。
【0168】
また、ECUのプログラムを変更して最適化を図るために、マイクロフォンを更に用いて、車両が発する音(例えば、車両が発する異音、車両が発する異常音、車両が発する警告音、車両が発する正常音等)を収音して、収音された音(例えば、収音された異音、収音された異常音、警告音、正常音等)を、電圧発生器により出力した電圧データが用いられてもよい。
【0169】
以上、本発明に係る第22の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第21の実施形態及び後述する本発明に係る第23~第24の実施形態に適用することができる。
【0170】
<第23の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第23の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、第1監視カメラと、第2監視カメラと、少なくとも1つのマイクロフォンと、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー及び車両の車速を検出する車速センサーからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも有する。すなわち、本発明に係る本実施形態(第23の実施形態)の試験システムは、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)と共に、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー、車両の車速を検出する車速センサー等の各種センサーを備えていてもよい。
【0171】
本発明に係る本実施形態(第23の実施形態)の試験システムによれば、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)と共に、上述したセンサーの少なくとも1種が用いられるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、たとえ、試験室(実験室)から遠隔であったりしても、更に、迅速に、かつ、充分に確認することができ、さらには、試験室内が無人(実験室内が無人(試験者(実験者)、運転手等が居ないこと。)の場合であったりしても、更に、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0172】
振動センサーとしては、例えば、加速度センサーが挙げられる。なお、マイクロフォンも、振動センサーの一例として考えてもよい。
【0173】
臭いセンサーは、例えば、車両内に配置されて、車両Yが発する臭いを検知することができる。車両Yが発する臭いは、例えば、車両Yが有するエンジンから発する臭い、車両Yが有する車輪(タイヤ)Uが発する臭い等が挙げられる。
【0174】
臭いセンサーは、例えば、半導体式臭気センサーである。半導体式臭気センサーは、臭いを検知すると、抵抗値が変化する。半導体式臭気センサーは、抵抗値に応じた信号を出力することができる。臭いセンサーから出力された臭いデータに基づいて車両Yが発する臭いの種別と、その臭いの種別と対応付けられる臭いレベルとを算出し、その臭いレベルが、過去の臭いレベルのデータに基づいて算出した所定基準(リファレンス)を満たすか否かどうかを判定し、車両Yの状態を確認することができる。
【0175】
触感センサーは、例えば、車両内のハンドルに設けられ、運転手(ロボット又は人間)のハンドル操作が適切であるかどうかを監視するために用いられてもよい。ハンドル操作が適切であるどうかは、例えば、運転手(ロボット又は人間)の手の把持力を触覚センサーにより検出して判断することができる。なお、本明細書においては、運転手が人間である場合は、試験室内は有人状態と定義付けられ、運転手がロボットである場合は、試験室内は無人状態と定義付けられる。
【0176】
水漏れセンサーは、例えば、車両の冷却水の水漏れを監視するために用いられてよい。また、例えば、水漏れセンサーは、車両のエンジン系統や配電部などに施されているシール材、パッキンが劣化して、水漏れが発生していないかどうかを監視するために用いられてもよい。
【0177】
ところで、車両のエンジン系統や配電部などに施されているシール材、パッキンが劣化して、油漏れが発生している場合は、油漏れセンサーが用いられてよい。
【0178】
温度センサーは、例えば、車両のバッテリの温度を検出し、バッテリの温度が異常にならないかどうかを監視するために用いられてよい。また、例えば、温度センサーは、車両Yのバッテリ以外の機器部品(モーター等、以下同じ。)、電子部品等の温度を検出し、機器部品及び/又は電子部品の温度が異常にならないかどうかを監視するために用いられてもよい。そして、車両には、バッテリ温度の検出用の温度センサー、機器部品、電子部品等の温度の検出用の温度センサー等、複数個の温度センサーが備えられてもよい。その他、車両内及び/又は車両外の温度を検出するための、内気温度センサー及び/又は外気温度センサーが用いられてもよい。内気温度センサーと外気温度センサーとが同時に用いられる場合は、車両内と車両外との温度差が検出され得る。
【0179】
人感センサー(例えば、赤外センサー)又は温度センサーは、試験室内が無人又は有人であるかどうかを監視したり、車両内が無人又は有人であるかどうか(すなわち、試験者(実験者)、運転手等が居るか又は居ないかどうか)を監視するために用いられる。また、人感センサー(例えば、赤外センサー)又は温度センサーは、車外の近傍の人物を検知するために用いられてもよい。
【0180】
以上、本発明に係る第23の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第22の実施形態及び後述する本発明に係る第24の実施形態に適用することができる。
【0181】
<第24の実施形態>
本発明に係る本実施形態(第24の実施形態)の試験システムは、少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、少なくとも1つの車載センサーの周辺に配された少なくとも1つの車載センサーを騙す装置と、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー及び車両の車速を検出する車速センサーからなる群から選ばれる少なくとも1種と、を少なくとも有する。すなわち、本発明に係る本実施形態(第24の実施形態)の試験システムは、第1監視カメラ、第2監視カメラ及び/又はマイクロフォン(無指向性マイクロフォン及び/又は指向性マイクロフォン)の代わりに、振動センサー、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの少なくとも1つを含む五感センサー(例えば、臭いセンサー、触覚センサー、味覚センサー)、力センサー、接触センサー、近接センサー、距離センサー(測距センサー)、温度センサー、生体センサー、人感センサー、湿度センサー、水漏れセンサー、油漏れセンサー、車両の車速を検出する車速センサー等の各種センサーを備えていてもよい。なお、各種センサーの詳細内容については、第23の実施形態の欄で説明をしたとおりである。
【0182】
本発明に係る本実施形態(第24の実施形態)の試験システムによれば、上述したセンサーの少なくとも1種が用いられるので、車両の動作が異常であるか又は正常であるかどうかを、たとえ、試験室(実験室)から遠隔であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができ、さらには、試験室内が無人(実験室内が無人(試験者(実験者)、運転手等が居ないこと。)の場合であったりしても、迅速に、かつ、充分に確認することができる。
【0183】
以上、本発明に係る第24の実施形態について説明した内容は、特に技術的な矛盾がない限り、前述した本発明に係る第1~第23の実施形態に適用することができる。
【実施例0184】
以下に、実施例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明をする。なお、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0185】
<実施例1>
自動運転機能を試験するための自動車(以下「試験車」)を電波暗室に持ち込み、4つの車輪を載せるローラーの上に置いた。
【0186】
試験車には、レーダーが搭載されている。また、このレーダーが捉えた前方を走る車(以下「前方車」)との距離・相対速度の情報は、前方車を模したグラフィック、車間距離・相対速度の程度(レベル)を示すバー、車間距離(m)・相対速度(km/h)の数値などの形式で、試験車内のコックピットの画面に表示される。コックピットの画面は、例えば、液晶パネル(ディスプレイ)表示がされた車間距離(m)を表示するメーター、液晶パネル(ディスプレイ)表示がされた相対速度(km/h)を表示するメーターなどが挙げられる。
【0187】
ここで、センサーを騙す装置を使用し、試験車のレーダー前方1mの位置に、前方車を疑似的に出現させる疑似ターゲットを出現させる。
【0188】
この疑似ターゲットは、レーダーが送信した電波に対する反射波を出すタイミングを遅延させることで、試験で想定する前方車と試験車との間の車間距離および相対速度を正確に表現することができるほか、この車間距離及び相対速度を変化させることができる。
【0189】
また、電波暗室には、妨害電波発生装置があり、妨害電波を発射するとともに、妨害電波の周波数と電力強度とを変更することができる。
【0190】
こうした試験環境において、試験車に取り付けたレーダーが、妨害電波によって誤作動するかどうかの試験を行った。
【0191】
試験車の運転モードを、前方車を自動追尾するモードに設定し、また、センサーを騙す装置の試験シナリオを次のように設定した。
・試験車と前方車との車間距離が10mから100mに増加するように前方車を20秒間加速させ、その後、100mから10mに減少するように前方車を30秒間減速させるプロセスを繰り返す。
【0192】
試験を行う間、試験車のコックピットの画面には、上記の情報が、前方車を模したグラフィック、車間距離(m)・相対速度(km/h)の程度(レベル)を示すバー、車間距離(m)・相対速度(km/h)の数値などの形式で表示される。また、試験車には、この画面を見るためのカメラ(以下「第1監視カメラ」)が搭載されており、第1監視カメラが捉えた映像は、試験を行う電波暗室とは別の操作室に設置されたモニターで、観察者(試験者)がリアルタイムで見ることができる。
【0193】
まず、妨害電波を発射しない状況で、試験車のエンジンをかけた。
【0194】
試験車は、前方車を追尾し始め、試験車と前方車との間の車間距離(m)や、試験車の速度(km/h)と前方車の速度(km/h)とによる相対速度(km/h)は、設定したシナリオ通りに変化し、車間距離(m)の基準値や相対速度(km/h)の基準値を確認した。
【0195】
次に、妨害電波発生装置を起動して妨害電波を照射し、妨害電波の周波数と電界強度を変えていったところ、周波数が1.3GHzから1.5GHz、そして、電界強度が95V/mに達した時、車間距離(m)や相対速度(km/h)が狂い始めた。例えば、液晶パネル(ディスプレイ)表示がされた車間距離(m)を表示するメーター及び/又は液晶パネル(ディスプレイ)表示がされた相対速度(km/h)を表示するメーターに表示される実測値が正しい数値を示さないで(後述する試験車が動かなくなったいうことでもよい。)、シナリオ(基準値)との乖離が生じた(誤差が生じた。)。そして、その剥離が生じたこと(誤差が生じたこと)について、車間距離(m)の基準値と、車間距離(m)の実測値とを比較したり、相対速度(km/h)の基準値と、相対速度(km/h)の実測値とを比較して、確認をした。なお、この誤差の値(実測値と基準値との差の値)を計算して、計算した結果による誤差値をECUに送り、ECUのプログラムを最適化することもできる。そして、電界強度が150V/mになると、試験車が動かなくなった。試験車が動かなくなったとは、例えば、エンジンが停止するケースのほか、レーダーやECUなど、試験車の走行動作に影響をもたらす部品の少なくとも1つが正常に動作しなくなるケースを意味する。
【0196】
以上の状況を、操作室にいる観察者(試験者)が、試験を繰り返しながら上記のモニターを見ることによって把握できた。
【0197】
<実施例2>
実施例1では、試験車の前方を車が走るケースを想定していたが、ここでは、センサーを騙す装置が出現させる疑似ターゲットの反射強度の設定を変え、センサーを騙す装置は、500ccのオートバイや自転車を出現させる。
【0198】
その上で、まず、妨害電波を照射しない状況下で、<実施例1>と同様の試験を行った。
【0199】
500ccオートバイのケースでは、シナリオとおりに疑似ターゲットが動き、当該疑似ターゲットを、レーダーは認識することができたが、自転車のケースでは、シナリオとおりに当該疑似ターゲットが動いたが、自転車の反射強度は500ccオートバイの反射強度よりも弱いため、当該疑似ターゲットを、レーダーは認識することができなかった。以上の様子(状況)を、試験車に搭載された第1監視カメラを観察者(試験者)が覗くことなく、操作室に設置されたモニターで観察することができた。ところで、車(前方車、試験車等)の反射強度は10dBmであり、オートバイの反射強度は2dBmであり、自転車の反射強度は0dBmである。また、参考例として、人間は-5dBmである。
【0200】
さらに、妨害電波を照射しつつ同様の試験を行ったが、上記のモニターを観察することで、観察者(試験者)が妨害電波を受けることなく、安全に試験を終えることができた。
【0201】
本発明は、以下のような構成を取ることができる。
[1]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配する、試験システム。
[2]
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の試験システム。
[3]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両のメーターを監視する第1監視カメラを更に備える、[1]又は[2]に記載の試験システム。
[4]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第1監視カメラからの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[3]に記載の試験システム。
[5]
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転状況を監視する第2監視カメラを更に備える、[1]から[4]のいずれか1つに記載の試験システム。
[6]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第2監視カメラ並びに前記ローラーの回転数及び負荷変動からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[5]に記載の試験システム。
[7]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、[1]から[6]のいずれか1つに記載の試験システム。
[8]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両のメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[1]から[7]のいずれか1つに記載の試験システム。
[9]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記車両が有するECU(Electric Control Unit)又は該ECUの代替器からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[1]から[8]のいずれか1つに記載の試験システム。
[10]
前記誤差値を解消できるように、前記ECU又は前記ECUの代替器のプログラムを変更して最適化を図る、[9]に記載の試験システム。
[11]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、[1]から[10]のいずれか1つに記載の試験システム。
[12]
電波暗室内で構築された、[1]から[11]のいずれか1つに記載の試験システム。
【0202】
[13]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて前記車両のメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて前記前後の車輪の回転を監視することと、を含む、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[14]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて該車両のメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて該前後の車輪の回転を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含む、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[15]
前記試験室内における、前記少なくとも1つの車載センサーを搭載した前記自動車の前記車両の実動の試験方法である、[13]又は[14]に記載の試験方法。
【0203】
[16]
少なくとも1つの車載センサーと、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーと、を有するか、又は、
該少なくとも1つの車載センサーと、ジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構と、を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配する、試験システム。
[17]
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[16]に記載の試験システム。
[18]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両のメーターを監視する第1監視カメラを更に備える、[16]又は[17]に記載の試験システム。
[19]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第1監視カメラからの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[18]に記載の試験システム。
[20]
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転状況を監視する第2監視カメラを更に備える、[16]から[19]のいずれか1つに記載の試験システム。
[21]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第2監視カメラ並びに前記ローラーの回転数及び負荷変動からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[20]に記載の試験システム。
[22]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、[16]から[21]に記載の試験システム。
[23]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両のメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[16]から[22]のいずれか1つに記載の試験システム。
[24]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記車両が有するECU(Electric Control Unit)又は該ECUの代替器からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[16]から[23]のいずれか1つに記載の試験システム。
[25]
前記誤差値を解消できるように、前記ECU又は前記ECUの代替器のプログラムを変更して最適化を図る、[24]に記載の試験システム。
[26]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、[16]から[25]のいずれか1つに記載の試験システム。
[27]
電波暗室内で構築された、[16]から[26]のいずれか1つに記載の試験システム。
【0204】
[28]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配する、試験システム。
[29]
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[28]に記載の試験システム。
[30]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両のメーターを監視する第1監視カメラを更に備える、[28]又は[29]に記載の試験システム。
[31]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第1監視カメラからの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[30]に記載の試験システム。
[32]
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転状況を監視する第2監視カメラを更に備える、[28]から[31]のいずれか1つに記載の試験システム。
[33]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第2監視カメラ並びに前記ローラーの回転数及び負荷変動からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[32]に記載の試験システム。
[34]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、[28]から[33]のいずれか1つに記載の試験システム。
[35]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両のメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[28]から[34]のいずれか1つに記載の試験システム。
[36]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記車両が有するECU(Electric Control Unit)又は該ECUの代替器からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[28]から[35]のいずれか1つに記載の試験システム。
[37]
前記誤差値を解消できるように、前記ECU又は前記ECUの代替器のプログラムを変更して最適化を図る、[36]に記載の試験システム。
[38]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、[28]から[37]のいずれか1つに記載の試験システム。
[39]
電波暗室内で構築された、[28]から[38]のいずれか1つに記載の試験システム。
【0205】
[40]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて前記車両のメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて前記前後の車輪の回転を監視することと、を含む、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[41]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両をジャッキで持ち上げて、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて該車両のメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて該前後の車輪の回転を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含む、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[42]
前記試験室内における、前記少なくとも1つの車載センサーを搭載した前記自動車の前記車両の実動の試験方法である、[40]又は[41]に記載の試験方法。
【0206】
[43]
自動車の車両をジャッキで持ち上げて、
該自動車の車両に搭載された少なくとも1つの車載センサーを有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配する、試験システム。
[44]
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[43]に記載の試験システム。
[45]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両のメーターを監視する第1監視カメラを更に備える、[43]又は[44]に記載の試験システム。
[46]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第1監視カメラからの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[45]に記載の試験システム。
[47]
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転状況を監視する第2監視カメラを更に備える、[43]から[46]のいずれか1つに記載の試験システム。
[48]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記第2監視カメラ並びに前記ローラーの回転数及び負荷変動からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[47]に記載の試験システム。
[49]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、[43]から[48]に記載の試験システム。
[50]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両のメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[43]から[49]のいずれか1つに記載の試験システム。
[51]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置の指示値を基準値とし、該基準値と、前記車両が有するECU(Electric Control Unit)又は該ECUの代替器からの実測値とを比較して得られた誤差値を計算する、[43]から[50]のいずれか1つに記載の試験システム。
[52]
前記誤差値を解消できるように、前記ECU又は前記ECUの代替器のプログラムを変更して最適化を図る、[51]に記載の試験システム。
[53]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、[43]から[52]のいずれか1つに記載の試験システム。
[54]
電波暗室内で構築された、[43]から[53]のいずれか1つに記載の試験システム。
【0207】
[55]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配し、
該車両の運転状況を監視するために、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視する第1監視カメラを更に備え、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、試験システム。
[56]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪を載せるローラーを有するか、又はジャッキで該車両を持ち上げ、該前後の車輪が連動して回転する回転機構を有し、
該少なくとも1つの車載センサーの周辺に、少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を配し、
該車両の運転状況を監視するために、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視する第1監視カメラを更に備え、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、試験システム。
[57]
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[55]に記載の試験システム。
[58]
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[56]に記載の試験システム。
[59]
前記少なくとも1つの車載センサーは、レーダー、単眼カメラ、ステレオカメラ、ライダー及びソナーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[55]~[58]のいずれか1つに記載の試験システム。
[60]
前記車両の運転状況を監視するために、前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラを更に備える、[55]~[59]のいずれか1つに記載の試験システム。
[61]
前記車両の運転状況を監視するために、前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンを更に備える、[55]~[60]のいずれか1つに記載の試験システム。
[62]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両の、前記車両と、前記車両に対する前記ターゲット情報である前記前方車両との前記車間距離(m)を表示するメーターを監視する前記第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[55]、[57]及び[59]~[61]のいずれか1つに記載の試験システム。
[63]
前記車両の運転状況を監視するために、
前記車両の、前記車両の速度(km/h)と、前記車両に対する前記ターゲット情報である前記前方車両の速度(km/h)との前記相対速度(km/h)を表示するメーターを監視する第1監視カメラと、
前記前後の車輪の回転数を監視する第2監視カメラと、
前記車両が発する音を収音する少なくとも1つのマイクロフォンと、
を、更に備える、[56]、[58]及び[59]~[61]のいずれか1つに記載の試験システム。
[64]
前記少なくとも1つの車載センサーを騙す装置をシナリオに基づいて動作させ、人の飛び出し及び/又は気象の変化及び/又は電磁波による妨害の突発事象を模擬又は発生させ、該突発事象を制御する装置を更に備える、[55]~[63]のいずれか1つに記載の試験システム。
[65]
電波暗室内で構築された、[55]~[64]のいずれか1つに記載の試験システム。
[66]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、前記前後の車輪の回転数を監視することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[67]
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[66]に記載の試験方法。
[68]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両と、該車両に対するターゲット情報である前方車両との車間距離(m)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、該前後の車輪の回転数を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両との車間距離(m)を基準とし、
該車間距離(m)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該車間距離(m)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[69]
前記車間距離(m)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記車間距離(m)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[68]に記載の試験方法。
[70]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、前記前後の車輪の回転数を監視することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[71]
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[70]に記載の試験方法。
[72]
少なくとも1つの車載センサーを搭載した自動車の車両の前後の車輪の回転を同期できるローラーを使用して、試験室内で該車両の走行状態を再現することと、
少なくとも1つの車載センサーを騙す装置を用いて標的を模擬することと、
第1監視カメラを用いて、該車両の、該車両の速度(km/h)と、該車両に対するターゲット情報である前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を表示するメーターを監視することと、
第2監視カメラを用いて、該前後の車輪の回転数を監視することと、
少なくとも1つのマイクロフォンを用いて該車両が発する音を収音することと、を含み、
該少なくとも1つの車載センサーを騙す装置が示す、該車両の速度(km/h)と、該車両に対する該ターゲット情報である該前方車両の速度(km/h)との相対速度(km/h)を基準とし、
該相対速度(km/h)の基準値と、該第1監視カメラに表示される該相対速度(km/h)の実測値とを比較する、該少なくとも1つの車載センサーを搭載した該自動車の該車両の試験方法。
[73]
前記相対速度(km/h)の基準値と、前記第1監視カメラに表示される前記相対速度(km/h)の実測値とを比較することによって得られた誤差値を計算する、[72]に記載の試験方法。
[74]
前記試験室内における、前記少なくとも1つの車載センサーを搭載した前記自動車の前記車両の実動の試験方法である、[66]から[73]のいずれか1つに記載の試験方法。
【産業上の利用可能性】
【0208】
自動運転車は、搭載するセンサーの数が多く、しかも、これらのセンサーから取得した情報を適時適切に処理し、車両を正確に動作させなければならない。また、実際の自動運転車の走行環境においては、付近を走る自動車のセンサーや通信機器、ETCなどから発せられる電磁波が飛び交っており、これらの干渉に対する車載センサーの耐性も検証する必要がある。
【0209】
本発明により、室内において、車載センサー・車両の総合的な試験が可能になることで、効率的な自動運転車の開発、ひいては日本の自動運転技術の更なる発展につながることが期待される。以上より、本発明は、産業上の利用可能性があることは明らかである。
【符号の説明】
【0210】
A・・・レーダー、
B・・・カメラ、
C・・・ライダー、
D・・・ソナー、
E・・・車両のメーター類、
F・・・ローラー(シャーシダイナモ)、
Ga・・・第1監視カメラ、
Gb、Gc・・・第2監視カメラ、
Ha・・・第1監視カメラ用ディスプレイ、
Hb、Hc・・・第2監視カメラ用ディスプレイ、
G-1・・・マイクロフォン、
H-1・・・スピーカー、
I・・・レーダー用のセンサーを騙す装置、
J・・・カメラ用のセンサーを騙す装置、
K・・・スクリーン、
L・・・ライダー用のセンサーを騙す装置、
N・・・シナリオ発生器、
M・・・ソナー用のセンサーを騙す装置、
SET・・・条件設定器、
Q・・・イミュニティ用発振器と増幅器、
R・・・エミッション用受信器、
S・・・イミュニティ用送信アンテナ、
T・・・エミッション用受信アンテナ、
U・・・車輪(タイヤ)、
Y・・・車両、
W・・・暗室、
II・・・電波吸収体で構成されたトンネル、
ECU・・・車両制御用コンピュータ、
EVN・・・突発現象発生器、
COMP・・・比較器、
DIV・・・操縦器。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10